粘着テープについて1.粘着剤と接着剤 接着剤:液状 反応 固体...

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粘着テープについて 共同技研化学株式会社

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粘着テープについて

共同技研化学株式会社

概要1.粘着と接着

2.粘着のメカニズム

3.粘着剤の化学構造

6.テープ測定方法

4.テープ基材分類

5.テープ取り扱い上の注意事項

5.粘着剤の粘弾性

1.粘着剤と接着剤

接着剤:液状 固体反応

被着材を接合した後に何らかの手段(化学反応、など)によって固化し、接着界面において高い接着強さを発現するもの

粘着剤:液状 液状

初めから高粘度で低弾性率の半固体であり、接合形成後もその状態が変わらないもの

接着学会の定義

2.粘着のメカニズム

凸凹面への投錨

気泡

粘着剤

被着体

被着体

粘着剤

分子接触

共有結合

分子間力

ファンデルワールス力

London分散力

2-1)食い込み効果

2-2)剥離現象

粘着材料は、剥がすことができるのも特徴のひとつである。

剥がす角度と速度によって、剥離現象は、変わる。

剥離方向

剥離力=基材の弾性+粘着剤の弾性

剥離力=粘着力

被着体

2-3)剥離の分類

凝集破壊 界面破壊 基材破壊

粘着剤

粘着剤粘着剤

粘着剤

基材基材

基材

被着体

基材破壊

破壊

破壊

粘着剤の層間で破壊

粘着剤と被着体の間で破壊

基材の層間で破壊

3-1)粘着剤の形態・化学構造による分類

溶剤系粘着剤

粘着剤 エマルジョン系粘着剤

ホットメルト系粘着剤

ゴム系

アクリル系

3.粘着剤の化学構造

3-2)粘着剤の基本構造

C

C

H2

H2

O

C

O

C

H2

CH2

C

C

H2

H

O

C

O

H2

n m

アクリル粘着剤の基本構造は、

ポリアクリル酸エステルとポリアクリル酸の共重合体

アクリル系粘着剤の架橋反応

養生

主剤

架橋剤

3-3)粘着剤の基本構造

架橋

4.基材別テープの分類

基材

基材なし

不織布

フィルム

発泡体

金属箔

当社品番

200A 300A

201 205ER

400P 213T

501E 520

241B 2400

5-1)ガラス転移温度とは

ゴム状態とガラス状態の転移点をガラス転移点(Tg )という

Tg

硬さ

温度

5.粘着剤の粘弾性

樹脂名 Tg

粘着テープ用粘着材 ー60℃~ー40℃

EVA -42℃~40℃

ポリウレタン -20℃~50℃

ポリエチレン ー10℃~40℃

ポリプロピレン 10℃~60℃

ポリアミド 50℃

ポリエチレンテレフタレート 69℃

硬質塩化ビニル 87℃

ポリメタクリル酸メチル 90℃

ポリスチレン 100℃

ABS 80~125℃

ポリカーボネート 150℃

ポリエーテルサルホン 230℃

ポリイミド 275℃

5-2)各種ポリマーガラス転移温度

粘着テープの粘着材は、低いガラス転移温度を有している。

おもり

保持力試験方法

恒温槽にて、試験片に荷重負荷して測定

恒温槽

25㎜×25㎜ に カ ッ ト し た 試 験 体 をSUSに貼り合わせ2kgロールで2往復圧着する。常温で40分放置後、40℃雰囲気下にて1kg加重をかけたときの落下時間、もしくは24時間後のズレを測定する。

6-1粘着剤の特性測定(1)

6.粘着特性測定方法

粘着力試験方法

SUS304 1mm

被着体テープ引張試験機にて、測定

6-1粘着剤の特性測定(2)

66.16.2 テフロン(PTFE)

6.36.46.56.66.76.86.97

7.17.27.3 ふっ素ゴム

7.47.5 シリコーンゴム(MQ)

7.67.77.87.9 ブチルゴム(IIR)

8 エチレンプロピレンゴム(EPM)

8.1 ポリエチレン

8.28.3 天然ゴム(NR)

8.48.58.68.78.8 ポリスチレン

8.9 クロロプレンゴム(CR)

9 ニトリルゴム(NBR)

9.19.29.3 ポリメタクリル酸メチル

9.49.5 ポリ塩化ビニル(PVC)

9.69.79.89.910 ウレタンゴム(U)

10.110.210.310.410.5 ポリエチレンテレフタレート(PET)

10.6

アクリル粘着剤のSP値は、9.3

6.被着体との相性

付きやすい

付きにくい

各種ポリマーのSP値一覧

付かない・剥れる

6.テープ取り扱い上の注意事項(1)

1.テープ選定時の被着体に対する注意

PP・PE 接着しにくい

PVC PVCに含まれる可塑剤が粘着剤に移行することにより、粘着剤が軟化する。

ガラス 直射日光が当たる場合、紫外線で劣化しやすい

6.テープ取り扱い上の注意事項(2)

・貼り付け作業、テープ保管時の注意

・低温時に、柔軟性がなくなるため、貼り付け温度は、10℃以上、好ましくは20℃以上が好ましい。

・被着体の表面の水分、油、離形剤は、取り除くこと。

・貼り付け後の加圧は、充分におこなうこと。

粘着テープ劣化について

粘着特性経時変化測定

200A50 高温放置、高温高湿放置 1000Hr後 試験結果

0

4

8

12

16

20

初期 100℃放置 高温高湿放置

粘着

N/25mm

80℃X50%rh

粘着テープの劣化は、湿熱劣化より、熱劣化の方が影響が大きい。

試験対象:200A50

試験方法:粘着テープを①高温(100℃)②高温高湿(80℃X50%湿度)に放置。試験前後の粘着力測定

C C

O

C

C

C

H2 H2

HH

H H

C C

O

C

C

C

H2 H2

H

H H

・ H・

熱劣化メカニズム

分子切断=粘着劣化

浴槽での使用について

・常時湿気があることによる発菌

・浴槽の場合は、以上の他に以下の点に配慮しなければならない。

・人肌に触れやすいため、環境汚染物質の含有

・ウレタン系発泡体の、加水分解劣化

・洗浄剤(界面活性剤)による劣化

共同技研化学株式会社

本社

富岡工場・技術課

埼玉県所沢市南永井940番地

電話番号:04-2944-5151

電話番号:0274-70-2611

群馬県富岡市岡本1280