歯科用コーンビームct(cbct)による画像診断の...
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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title歯科用コーンビームCT(CBCT)による画像診断のパラダ
イムシフトと今後の展望
Author(s) 佐野, 司
Journal 歯科学報, 111(4): 420-420
URL http://hdl.handle.net/10130/2551
Right
先達の努力により唯一,体腔内で撮影が施されるデンタル撮影のシステムが歯科臨床で確立しました。デンタル撮影とともに歯科が誇る画像検査法であるパノラマ撮影は,全体を総覧でき,装置の設置の容易さからほとんどの歯科診療施設で設置がなされています。歯科用コーンビームCT装置が登場し,高い解像度を有する3次元画像を得ることができるようになったこ
とはご承知の通りです。現在では,国内で入手できる歯科用コーンビームCT装置が10種類を優に超えました。さて,歯科用コーンビームCTは,X線管と対向する2次元検出器を持ちます(図)。X線を被写体に”円
錐状(コーン状)”に照射し,2次元データを取得します。そのため,X線管と対向する2次元検出器が1回転することで,3次元画像の作成が可能となります(図)。医科用CTと比較した際の歯科用コーンビームCTの一般的な特徴を述べますと,
利点として,①解像度(空間分解能)が高い。②被曝線量が少ない。③撮影時間が短い。④金属によるアーチファクトが少ない。⑤軽量で設置面積が小さい。⑥導入費用や維持費が比較的安い。
などが挙げられます。一方で①撮影範囲が狭い。②軟組織の描出能が低い。③CT値に医科用CTのような(準)定量性がない。
などの欠点が挙げられます。また,利点に関しては以下の�疑問�が挙がります。①歯科用コーンビームCTはどのようなものでも解像度(空間分解能)が高いのでしょうか?②歯科用コーンビームCTはどのようなものでも被曝線量が少ないのでしょうか?③歯科用コーンビームCTは本当に撮影時間が短いのでしょうか?④歯科用コーンビームCTは本当に金属によるアーチファクトが少ないのでしょうか?本講演では,デンタル撮影,パノラマ撮影を鑑みた上で歯科用コーンビームCTによる画像診断のパラダイ
ムシフト(大きな枠組みの変化)についてお話申し上げたいと思います。さらに,上記の�疑問�に対するお答えを含めて臨床での適正利用に関する注意点と今後の展望についてもお話させていただく予定です。
≪プロフィール≫
<略 歴>1987年3月 昭和大学歯学部卒業1991年3月 昭和大学大学院歯学研究科(顎顔面外科学
専攻)修了(歯学博士)1991年7月 昭和大学歯学部助手(歯科放射線学教室)1993年2月 米国・ロチェスター大学医学部客員講師1995年6月 昭和大学歯学部講師(歯科放射線学教室)
1999年4月 九州大学大学院歯学研究院非常勤講師(2002年3月まで)
2000年4月 日本大学松戸歯学部非常勤講師2004年3月 東京歯科大学教授(歯科放射線学講座)2004年4月 昭和大学歯学部非常勤講師2006年4月 岩手医科大学歯学部非常勤講師2006年4月 九州歯科大学大学院非常勤講師
<その他>日本歯科放射線学会理事(常任)・専門医・指導医日本顎関節学会理事・専門医・指導医国際歯顎顔面放射線学会(IADMFR)Senior Vice Presi-dent日本歯科医学教育学会理事日本口腔科学会評議員日本顎顔面インプラント学会評議員日本歯科医学会学術研究委員会副委員長国際歯科研究学会日本部会(JADR)理事(2007-2010年)
歯科用コーンビームCT(CBCT)による画像診断のパラダイムシフトと今後の展望
東京歯科大学歯科放射線学講座教授 佐野 司
教 育 講 演 1
図 歯科用コーンビームCT(歯科用コーンビームCTと医科用CTとの違い -その2-歯科学報 109⑴,73-75,2009)より)
学 会 講 演 抄 録420
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