ce マーキングの実務」の基本 -...

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はじめて、CE マーキングに取り組む皆様へ CE マーキングの実務」の基本 CE マーキングに取り組む前に、必ず確認しなければ ......... ならない .... 6 つのチェックポイント」とは? 株式会社テンダーラビングケアサービス グローバル戦略推進室 編纂 104-0061 東京都中央区銀座 3-9-19 吉澤ビル TEL 03-6226-2970 FAX 03-3542-7550

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  • はじめて、CEマーキングに取り組む皆様へ

    「CEマーキングの実務」の基本

    CEマーキングに取り組む前に、必ず確認しなければ.........

    ならない....

    「6つのチェックポイント」とは?

    株式会社テンダーラビングケアサービス グローバル戦略推進室 編纂

    〒104-0061 東京都中央区銀座 3-9-19 吉澤ビル

    TEL:03-6226-2970 FAX:03-3542-7550

  • 2 / 15

    目次

    著作権について ...................................................................................................................... 3

    はじめに ................................................................................................................................. 1

    1.CE マーキングとは何か? .................................................................................................. 2

    2.CE マーキングが必要な国はどこか? ................................................................................ 3

    3.「製造者」の法的義務とは何か? ...................................................................................... 3

    4.「輸入者」と「流通業者」の法的義務とは何か? ............................................................ 4

    5.CE マーキングするために必要な「6 つのチェックポイント」とは? ............................. 5

    5-1.【チェックポイント①】 製品が適用を受けるすべての「指令」を特定する。 ........ 5

    【用語の解説①:ニューアプローチ指令】 ................................................................... 6

    5-2.【チェックポイント②】 リスクアセスメントを実施することにより、「製品が満たす

    べき指令の要求事項」と「対処すべき危険源」を特定し、製品が適用を受けるすべての

    指令の「必須要求事項」を満たしていることを証明するために用いる「整合規格」、もし

    くは「その他の技術的手段」を選択する。 ....................................................................... 8

    【用語の解説②:整合規格】 ......................................................................................... 9

    5-3.【チェックポイント③】 EEA加盟国及びトルコの国家当局が通知する「Notified Body

    (通知機関)」による第三者評価の必要性を確認する。 ................................................... 9

    【用語の解説③:Notified Body(通知機関)】 ............................................................ 9

    5-4.【チェックポイント④】 製品を評価・テストして、製品が「指令に適合しているか

    どうか」を確認する。 ...................................................................................................... 10

    5-5.【チェックポイント⑤】 製品が適用を受けるすべての「指令」が要求するテクニカ

    ルファイル(技術文書)を作成し、それを利用できるようにする。.............................. 11

    【用語の解説④:テクニカルファイル】 ..................................................................... 12

    5-6.【チェックポイント⑥】 製品に CE マークを貼付し、EC 適合宣言書を作成する。

    13

    【用語の解説⑤:EC 適合宣言書】 ............................................................................. 14

    6.情報源 ................................................................................................................................ 15

    7.無料個別相談のご案内 ...................................................................................................... 15

  • 3 / 15

    著作権について

    この冊子は著作権法で保護されている著作物です。

    この冊子の著作権は株式会社テンダーラビングケアサービスに属します。

    著作権者の許可なく、この冊子の全部又は一部をいかなる手段においても複製、転載、流

    用、転売等することを禁じます。

    このレポートに書かれた情報は、作成時点での著者の見解等です。著者は事前許可を得ず

    に誤りの訂正、情報の最新化、見解の変更等を行う権利を有します。

    この冊子の作成には万全を期しておりますが万一誤り、不正確な情報等がありましても、

    著者・パートナー等の業務提携者は一切の責任を負わないことをご了承願います。

    また、この冊子を利用することにより生じたいかなる結果につきましても著者・パートナ

    ー等の業務提携者は、一切の責任を負わないことをご了承願います。

    【推奨環境】

    この冊子に記載されている URL はクリックできます。

    できない場合は最新の AdobeReader を下記のページよりダウンロードしてください。(無

    料)

    http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep2.html

    http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep2.html

  • はじめに

    CE マーキングが必要になった時、まず、何

    をしなければならないのか?

    この冊子は、あなたのこのような疑問に答

    えるものです。

    あなたの会社が初めて、CE マーキングに取

    り組む際に一番最初にやらなければならな

    いことは、

    一番安い費用で、CE マーキングをサポート

    してくれる会社を探すことではありません。

    書籍や資料を買い込んで、CE マーキングに

    ついて勉強することでもありません。

    あなたが真っ先に行わなければならないこ

    とは、

    「自社の製品には、どんな法律が適用され

    るのか?」

    を自らの目で確かめるために、いち早く正.

    しい情報源.....

    にアクセスして、何をする必要......

    があるのか.....

    、逆に、何をする必要がないの..........

    か.に関する「正しい情報」を集めることが

    必要になります。

    この冊子では、欧州委員会が公式に発表し

    ている情報をもとに、初めて CE マーキン

    グに取り組む会社のご担当者様が最低限、

    知る必要があることについてまとめました。

    なぜ、私たちがこのような冊子をつくった

    かというと、間違った情報に基づいて...........

    CE..

    マーキングされている製品が決して少なく...................

    ない..

    からです。

    CE マーキングはヨーロッパの法律です。

    当然、何をしなければならないのか.............

    、何を..

    する必要がないのか.........

    についての答えは、こ

    の日本ではなく、ヨーロッパにあります。

    しかし、今、日本で独自に解釈されて CE

    マーキングされた製品がヨーロッパ各国の

    税関で止められてしまったり、ヨーロッパ

    現地で販売停止になってしまう事例が増え

    ています。

    なぜ、このようなことが起きてしまうので

    しょうか?

    様々な原因がありますが、深く追求してい

    くと、たった 1 つの根本原因に突き当たり

    ます。

    それは、どんな理由であれ、.........

    製造者が....

    最終..

    責任を持たなければならない.............

    と明確に規定......

    されている.....

    CE..

    マーキング.....

    において、その

    適合の妥当性確認や根拠資料を外部の認証

    機関や試験機関、そしてコンサルティング

    会社に丸投げしてしまっていることにあり

    ます。

    確かに CE マーキングには、難解な点もあ

    りますので、外部の機関の力を借りて取り

    組むことは必要になります。

  • 2 / 15

    しかし、その主導権はあなたの会社が握ら

    なければなりません。

    なぜなら、万が一、CE マーキングに関する

    疑いが生じて、規制当局やお客さんから問

    い合わせを受けた際には、あなたの会社が

    説明をしなければならないからです。

    説明をしなければならないということは、

    自社の製品の CE マーキングの根拠をいつ

    でも説明でき、その説明の根拠となる資料

    を提出しなければならないということです。

    究極的に、製造者が法律で求められている

    責任は、CE マーキングを貼付していること

    の根拠を立証することにあるのです。

    そのための最初の一歩として、本冊子をお

    役立てください。

    1.CEマーキングとは何か?

    CEマーキングとは、1993年に始まったEU

    (ヨーロッパ)の法律です。

    CE マーキングの最大の目的はこの 3 つに

    なります。

    1. 欧州経済地域(EEA)に加盟している

    すべての国において、各国ごとの異な

    る安全認証手続に煩わされることなく、

    製品を自由に流通・販売することを可

    能にすること。

    2. 企業に同じルールを課すことにより、

    公平な競争を促すこと。

    3. 製品の消費者、使用者が同じレベルの

    健康、安全、環境に関する保護を享受

    できるようにすること。

    つまり、製造者は、製品に CE マーキング

    を貼ることにより、製品が適用を受けるす

    べての EU 整合法令(EU の法律)の要求

    事項を事前に確認・評価し、製品が EU 整

    合法令の「必須要求事項(必ず守らなけれ

    ばならないこと」を満たしていることを自

    らの責任において、宣言していることにな

    るのです。

    CE マーキングをした結果として、製造者は

    EEA(欧州経済地域)-欧州連合加盟 28 ヶ

    国と EFTA(欧州自由貿易連合)であるア

    イスランド、ノルウェー、リヒテンシュタ

    イン、そして、EU 加盟候補国であるトル

    コ内において、製品の自由流通が認められ

    ます。

    このルールは EEA 域内、EEA 域外の国を

    問わず、すべての国の製造者に適用される

    ものになります。

    ただし、一つだけ注意をしてください。

  • 3 / 15

    すべての製品に CE マーキングが要求され

    ているわけではありません。CE マーキング

    が要求されていないのに、製品に CE マー

    キングした場合は、EU 各加盟国の法律に

    より罰則が課されます。

    製品カテゴリーごとに定められている指令

    (加盟国がそれぞれ国内法とすることが求

    められるもの)が CE マーキングを要求し

    ている場合、製品に CE マーキングを貼付

    しなければなりません。

    現在、CE マーキングの貼付が義務付けられ

    ている製品には、医療機器、産業機械、産

    業機器、低電圧機器、計量器などの産業用

    製品から、玩具、パーソナルコンピュータ

    ー、携帯電話、照明器具などの消費者用製

    品に至るまで、非常に多岐に渡っています。

    2.CE マーキングが必要な国はどこ

    か?

    ・EU 加盟国(計 28 ヶ国)

    アイルランド、イタリア、英国、エストニ

    ア、オーストリア、オランダ、キプロス、

    ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、ス

    ペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、

    デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フィン

    ランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、

    ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビ

    ア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブ

    ルク

    ・スイスを除く EFTA 加盟国(計 3 ヶ国)

    アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュ

    タイン

    *EU 加盟候補国であるトルコは欧州連合

    (EU)と協調関係にあり、CE マーキング

    等の EU の法規制に準拠した法律の整備を

    進めています。

    3.「製造者」の法的義務とは何か?

    CE マーキングは、製品が適用を受けるすべ

    ての EU 整合法令に適合するための評価手

    続きを確実に行い、製品を市場に上市する、

    または製品が使用される前に製品に貼付し

    なければなりません。

    CE マーキングにおける製造者とは製品の

    設計、製造、そして自社のブランド名で製

    品を市場に流通させる、または利用可能に

    することに責任を持つ者を示します。製造

    者は、法律で要求される設計、製造、そし

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    て適合性評価手続きに関する情報を持たな

    ければなりません。

    製造者は製品が適用を受けるすべての指令

    の必須要求事項(必ず守らなければならな

    いこと)を満たすための評価を行った上で、

    CE マーキングを貼付しなければなりませ

    ん。

    そして、その証拠を「テクニカルファイル

    (技術文書)」と「EC 適合宣言書」にまと

    めなければなりません。

    「テクニカルファイル(技術文書)」には、

    「リスクアセスメント」を実施して、その

    結果をドキュメント化することによって、

    関連する必須要求事項(必ず守らなければ

    ならないこと)をどのように満たしたのか

    を論理的に説明できる情報を含める必要が

    あります。

    EEA 加盟ヶ国及びトルコの国家の規制当

    局が製品を調査する際、「テクニカルファイ

    ル(技術文書)」と「EC 適合宣言書」が、

    製造者が正しく EU 整合法令に基づいて、

    適合性評価を行ったことを証明する唯一の...

    ドキュメント......

    になります。

    4.「輸入者」と「流通業者」の法的義

    務とは何か?

    EEA(欧州経済地域)内だけでなく、EEA

    (欧州経済地域)外から入ってくる製品も

    EU 整合法令の適用範囲に該当すれば、CE

    マーキングが必要になります。

    製品の「製造者」が CE マーキングの貼付

    を義務付けられているのに対して、その製

    品の「輸入者」と「流通業者」には、製品..

    が本当に法律に基づいて評価されているの...................

    か.、それから、適切に

    ...CE..

    マーキングが貼.......

    付されている......

    のか..

    を確かめる義務がありま

    す。

    このようなルールは、製品の使用者と消費

    者の健康、安全、そして環境を守るためだ

    けでなく、同一のルールに基づいて、市場

    関係者が「公平な競争」ができるようにす

    ることをサポートするために定められてい

    ます。

    したがって、製品の「輸入者」や「流通業

    者」は自分たちが扱っている製品が適用を

    受ける法律に対して、最低限の知識を持っ

  • 5 / 15

    て、「製品を規制する役割を担う国家当局」

    をサポートしなければなりません。

    「輸入者」は万が一、国の規制当局から要

    請があった場合には、必要なドキュメント

    がすぐに提出できるように「製造業者」か

    ら「EC 適合宣言書」や「テクニカルファイ

    ル(技術文書)」などの CE マーキングの根

    拠が記載されているドキュメントを手に入

    れることができなければなりません。つま

    り、「輸入者」は常に製造者に対して、CE

    マーキングに関する問い合わせができる状

    態になっていなければならないのです。

    「流通業者」も「製造者」や「輸入者」と

    同じく、自分たちが扱っている製品が市場

    や自分たちのお客さんに対して悪影響を与

    えていないかについて、相当な注意を払う

    義務があります。

    「流通者」は、自分たちが扱うどの製品に

    「EC 適合宣言書」や「テクニカルファイル

    (技術文書)」を伴う CE マーキングが必要

    なのかについて、最低限の知識を持つ必要

    があります。

    なぜなら、「流通者」は国の規制当局に対し

    て、「輸入者」や「製造者」が適切な義務を

    果たしているかについて、協力する義務が

    あるからです。

    もし、「輸入者」や「流通業者」が、自分た

    ちの名前(ブランド名)で製品を市場に出

    す場合は、「製造者」と同等の責任を負い、

    設計から製造、そして CE マーキング貼付

    を含む法的な責任を果たさなければなりま

    せん。

    5.CEマーキングするために必要な「6

    つのチェックポイント」とは?

    5-1.【チェックポイント①】

    製品が適用を受けるすべての「指令」

    を特定する。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/directives/ind

    ex_en.htm

    現在、CE マーキングの貼付を義務付けてい

    る「ニューアプローチ指令」は、指令ごと

    にそれぞれ、製品カテゴリーとして分類さ

    れています。

    そして、それぞれの指令には「適用範囲(ど

    んな製品が該当するのか)」と製品が満たさ

    なければならない「必須要求事項(必ず守

    らなければいけないこと)」が定められてい

    ます。

    「必須要求事項(必ず守らなければいけな

    いこと)」には「達成すべき結果」や「対処

    すべき危険源」などが定義されていますが、

    「必須要求事項(必ず守らなければいけな

    いこと)」を達成させるための「手段(技術

    的解決策)」は明確にされていません。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/directives/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/directives/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/directives/index_en.htm

  • 6 / 15

    手段(技術的解決策)は、各指令ごとの「参

    照規格」として公表される「整合規格」に

    明記されています。

    【用語の解説①:ニューアプローチ指令】

    ニューアプローチ指令とは、欧州(EU)の

    統合に伴い、欧州(EU)域内の製品流通の

    障害となる「技術的な貿易障壁」を減らす

    目的でとられた新たな欧州(EU)の法体

    系・規制手法のことです。

    歴史を振り返ると、ニューアプローチ指令

    導入前の「オールドアプローチ」時代は、

    EU 市場に流通される製品に関る技術的統

    一のための詳細規定や煩雑な認可手続きが

    欧州(EU)域内の自由なモノの流通を妨げ

    る原因となっていました。

    そこで、製品を分野別に分けることによっ

    て、法律が大きく簡素化されることになり

    ました。

    そして、それぞれの法律の中身も詳細を規

    定するのではなく、「必須要求事項(必ず守

    らなければいけないこと)」のみを規定する

    手法が導入されたのです。

    これが、ニューアプローチ指令です。

    ところで、ニューアプローチ指令とオール

    ドアプローチ指令では、何がどのように違

    うのでしょうか?

    1つの例を用いて、ご説明します。

    ここに、今にも液体が溢れそうなコップが

    あるとします。

    ニューアプローチ指令では、

    コップの中の液体をこぼさずに飲めるよう

    にしなさい。

    というように、「結果」のみを規定していま

    す。

    一方で、オールドアプローチ指令では、

    コップの中の液体をこぼさずに飲めるよう

    にするために、コップを持たずに、口を近

    づけて飲みなさい。

    というように、「結果を達成するための手段」

    を詳細に規定しているのです。

    オールドアプローチのように、具体的な手

    段を規定する規制手法は、抜け穴を探すよ

  • 7 / 15

    うな行為を生んだり、技術革新が起こりに

    くくなるという弊害があります。

    そこで、毎回、法律変更をする必要がない

    ように、「結果」のみを規定するニューアプ

    ローチ指令という規制手法が生み出される

    に至ったのです。

    「指令」は原則として、通常は EU 加盟国

    へは直接適用されず、国内法への置き換え

    が必要となる法律です。

    EU 加盟国が「指令」を「指令」で定めら

    れた期日まで(基本的には EU 官報掲載後

    3 年以内)に国内法として制定・改正する

    必要があります。

    つまり、結果的には「指令」の要求事項を

    満たすことで、EU 加盟各国のすべてに製

    品を輸出できるようになるのです。

    現在、CE マーキングの貼付を要求している

    ニューアプローチ指令は 20 以上あり、それ

    ぞれは製品カテゴリーごとに分類されてい

    ます。

    ニューアプローチ指令は、下記のような構

    成になっています。

    ・適用範囲

    ・必須要求事項

    ・必須要求事項に適合させるための方法

    ・適合評価手順

    ・CE マーキング

    <ニューアプローチ指令の種類>

    * 2016 年 4 月 20 日から新指令が現行指令に置き換わります。

  • 8 / 15

    5-2.【チェックポイント②】

    リスクアセスメントを実施することに

    より、「製品が満たすべき指令の要求事

    項」と「対処すべき危険源」を特定し、

    製品が適用を受けるすべての指令の

    「必須要求事項」を満たしていること

    を証明するために用いる「整合規格」、

    もしくは「その他の技術的手段」を選

    択する。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/requirements/

    index_en.htm

    製品が適用を受けるすべての「指令」の「必

    須要求事項(必ず守らなければいけないこ

    と)」を満たすことは、製造者自身の責任に

    なります。

    例えば、整合規格に書いてある通りに製品

    を設計することにより、その製品は「指令

    の必須要求事項」に適合していると推定さ

    れます。

    しかし、あくまでも整合規格の適用は任意

    であり、製造者は「必須要求事項(必ず守

    らなければいけないこと)」を満たすために、

    他の方法を選択することもできます。

    <ニューアプローチ指令の特徴>

    ・法的規定への調和は、必須要求事項に限

    定する。

    ・整合規格に適合する製品は、必須要求事

    項を満たしているものとみなす(適合推

    定)

    ・整合規格の適用は任意であり(適用任意

    必須要求事項への適合を示す根拠となる

    技術的仕様は、製品リスクに応じた適合

    性評価モジュール(評価手順)に従って

    製造者が用意する。この場合、製造者に

    はその技術的仕様が必須要求事項を満た

    していることの説明・立証責任が課され

    る。

    ・必須要求事項への適合指針となる整合規

    格の作成は欧州標準化委員会(CEN)、

    欧州電気標準化委員会(CENELEC)及

    び欧州通信標準化協会(ETSI)の規格作

    成機関(ESO)に委ねられる。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/requirements/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/requirements/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/requirements/index_en.htm

  • 9 / 15

    【用語の解説②:整合規格】

    ニューアプローチ指令は、製品を市場に流

    通させる際に満たすべき「安全」において、

    最低限守らなければならない「必須要求事

    項(必ず守らなければいけないこと)」を定

    めていますが、具体的な技術的要求は規定

    していません。

    この技術的要求や仕様を定めているものが

    IEC/ISOなどの整合規格になります。IEC

    /ISO などの整合規格は欧州の EN 規格と

    なり、製品がこの EN 規格に適合していれ

    ばニューアプローチ指令の「必須要求事項

    (必ず守らなければいけないこと)」を満た

    すことが「推定」されます。

    この「推定」という意味は、整合規格の適

    用は絶対ではなく「任意」であり、製造者

    が一番に満たすべきはニューアプローチ指

    令で定められている「必須要求事項(必ず

    守らなければいけないこと)」であるという

    ことになります。

    製造者は「必須要求事項(必ず守らなけれ

    ばいけないこと)」を満たすために、まずは

    「製品のリスクアセスメント」を行い、そ

    の結果をドキュメントとして確実に残す必

    要があります。

    5-3.【チェックポイント③】

    EEA 加盟国及びトルコの国家当局が

    通知する「Notified Body(通知機関)」

    による第三者評価の必要性を確認する。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/notified-body/

    index_en.htm

    それぞれの指令では、適合性評価の手順と

    して、EEA 加盟国及びトルコの国家当局に

    より法律的な権限を与えられた「Notified

    Body(通知機関)」による第三者評価を受

    けなければならない場合について定めてい

    ます。

    すべての製品に「Notified Body(通知機関)」

    による第三者評価が必要なわけではありま

    せん。しかし、製造者は対象となる製品が

    「Notified Body(通知機関)」による第三

    者評価が必要になるのかどうかを事前に確

    かめなければなりません。

    【用語の解説③:Notified Body(通知機関)】

    「Notified Body(通知機関)」は EEA 加盟

    各国及びトルコの国家当局から正式に通知

    されている機関であり、ヨーロッパ委員会

    (EC)の NANDO(New Approach Notified

    and Designated Organizations)のデータ

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/notified-body/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/notified-body/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/notified-body/index_en.htm

  • 10 / 15

    ベースに登録されている法的権限を有する

    機関です。

    ■Notified Body(通知機関)の役割と責任

    ・Notified Body(通知機関)は、通知され

    た範囲内で、EEA 及びトルコの内外に関

    わらず、すべての業者(製造業者、輸入

    者、流通業者)に対して、適合性評価サ

    ービスを提供する。

    ・Notified Body(通知機関)は、関連する

    情報を「通知を受けた国家当局」、「市場

    監査当局」、そして「他の Notified Body

    (通知機関)」に提供しなければならない。

    ・Notified Body(通知機関)は、法的能力

    [資格]を有し、差別なく、透明かつ公平、

    そして中立的に行動しなければならない。

    ・Notified Body(通知機関)は、指令や規

    格で問われている適合性評価を行うため

    に必要な「十分な知識と経験を有する人

    材」を雇用しなければならない。

    ・Notified Body(通知機関)は、適合性評

    価の過程で得た秘密情報を適切に管理し

    なければならない。

    ・Notified Body(通知機関)は、通知され

    た国家当局の法律により、その活動が保

    障される。

    ・Notified Body(通知機関)は、彼らの技

    術的能力を確かめる手段である「認証評

    価」によって、その法的能力[資格]を証明

    する。

    5-4.【チェックポイント④】

    製品を評価・テストして、製品が「指

    令に適合しているかどうか」を確認す

    る。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/conformity/in

    dex_en.htm

    製品が適用を受けるすべての指令に定めら

    れている「適合評価手順」に従い、製品を

    評価・テストして、その適合性を確認する

    ことは製造者の義務になります。

    適合評価手順の一部には、原則としてリス

    クアセスメントを実施し、その結果をドキ

    ュメントとして残すことが定められていま

    す。また、製造者は関連する整合規格を使

    うことによって、指令の「必須要求事項(必

    ず守らなければいけないこと)」を満たすこ

    とを証明することができます。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/conformity/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/conformity/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/conformity/index_en.htm

  • 11 / 15

    5-5.【チェックポイント⑤】

    製品が適用を受けるすべての「指令」

    が要求するテクニカルファイル(技術

    文書)を作成し、それを利用できるよ

    うにする。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/documentatio

    n/index_en.htm

    製造業者は、製品が適用を受けるすべての

    「指令」で要求されるテクニカルファイル

    (技術文書)を「適合評価手順」や「リス

    クアセスメント」に従って、作成しなけれ

    ばなりません。

    テクニカルファイル(技術文書)は EU の

    公用語で作成する必要があります。また、

    製品の設計変更を行った箇所に対しては、

    適合評価を再び行い、その内容をテクニカ

    ルファイル(技術文書)に反映しなければ

    なりません。

    つまり、「製品そのもの」と「製品の CE マ

    ーキングの根拠がまとめられたテクニカル

    ファイル(技術文書)」は常に、一致させて

    いく必要があるのです。

    テクニカルファイル(技術文書)は EC 適

    合宣言書と併せて、関係する国家当局から

    提出を要請された場合は、適切な時間内に

    提出しなければならず、製品が市場に置か

    れた時点で、いつでも利用できる状態にな

    っていなければなりません。

    テクニカルファイル(技術文書)は、製品

    が市場に置かれた日から、10 年間保管(医

    療機器及びインビトロ診断用医療機器は 5

    年間、埋込式能動医療機器は 15 年間)する

    必要があります。

    原則として、テクニカルファイル(技術文

    書)には、製品の説明と使用目的(設計、

    製造、そして製品の運用方法が分かるもの)

    を含めなければなりません。

    テクニカルファイル(技術文書)の詳細は、

    製品の性質や指令の内容によって異なりま

    すが、技術的な観点から、製品が適用を受

    けるすべての指令の「必須要求事項(必ず

    守らなければいけないこと)」に適合してい

    ることを証明するものでなくてはなりませ

    ん。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/documentation/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/documentation/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/documentation/index_en.htm

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    【用語の解説④:テクニカルファイル】

    出典:

    DECISION No768/2008/EC OF THE

    EUROPEAN PARLIAMENT AND OF

    THE COUNCIL of 9 July 2008

    on a common framework for the

    marketing of products,and repealing

    council Decision 93/465/EEC

    ANNEX II(付属書Ⅱ)

    CONFORMITY ASSESSMENT

    PROCEDURES(適合評価手順)

    2.Technical documentation(技術文書)

    The manufacturer shall establish the

    technical documentation.The

    documentation shall make it possible to

    assess the product’s conformity to the

    relevant requirements,and shall include

    an adequate analysis and assessment of

    the risk(s).The technical

    documentation shall specify the

    applicable requirements and cover,as far

    as relevant for the assessment,the

    design, manufacture and operation of the

    product.The technical documentation

    shall,wherever applicable,contain at least

    the following elements:

    (製造者は技術文書を作成しなければなら

    ない。技術文書は必須要求事項に対して、

    適切なリスク分析・評価を含めるなど、製

    品の適合性を証明することを可能にするも

    のとする。技術文書では、適用される必須

    要求事項を明確にし、少なくとも設計、製

    造、製品の操作に関する評価を含めるもの

    とする。技術文書は、どこに該当しようと

    も、少なくとも下記の要素を含めるものと

    する)

    —a general description of the product

    (製品の一般的な記述)

    —conceptual design and manufacturing

    drawings and schemes of components,

    sub-assemblies,circuits,etc.

    (設計の考え方、製造図面、製品の構成要

    素、構成部品、電気図面など)

    —descriptions and explanations necessary

    for the understanding of those drawings

    and schemes and the operation of the

    product,

    (図面や構成、製品の運転などを理解する

    ために必要な記述と説明)

    —a list of the harmonised standards

    and/or other relevant technical

    specifications the references of which

    have been published in the Official

    Journal of the European Union,applied in

    full or in part, and descriptions of the

    solutions adopted to meet the essential

    requirements of the legislative

    instrument where those harmonised

  • 13 / 15

    standards have not been applied. In the

    event of partly applied harmonised

    standards,the technical documentation

    shall specify the parts which have been

    applied,

    (EU のオフィシャル・ジャーナルで発行さ

    れる整合規格のリストと関連する技術的仕

    様書、指令の必須要求事項を満たすために

    すべて、もしくは部分的にでも採用した解

    決策の記述、整合規格で適用しない箇所、

    整合規格を部分的に適用した場合は、技術

    文書上で適用した箇所を明確にするものと

    する)

    —results of design calculations made,

    examinations carried out,etc.,and(設計計

    算、実施した試験の結果など)

    —test reports.(テストレポート)

    5-6.【チェックポイント⑥】

    製品に CEマークを貼付し、EC適合宣

    言書を作成する。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/affix-ce-marki

    ng/index_en.htm

    CE マーキングは製造者、もしくは EEA(欧

    州経済領域)又はトルコ内に在住の製造者

    の代理人によって貼付されなければなりま

    せん。

    CE マーキングは法的な形式に従って、目に..

    見えるように、読みやすく、消えることの...................

    ないように.....

    製品に貼付しなければなりませ

    ん。

    また、もし、Notified Body(通知機関)が

    製造工程や品質保証システムに関わった場

    合は、その Notified Body(通知機関)の識

    別番号を表示しなければなりません。

    製品が指令の「必須要求事項(必ず守らな

    ければいけないこと)」に適合していること

    を証明するための「EC 適合宣言書」をつく

    り、それに署名をすることは製造者の責任

    になります。

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/affix-ce-marking/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/affix-ce-marking/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/affix-ce-marking/index_en.htm

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    【用語の解説⑤:EC適合宣言書】

    ・EC 適合宣言書は、指令の「必須要求事項

    (必ず守らなければいけないこと)」や関

    連する法律に適合していることを証明す

    るものです。

    ・EC 適合宣言書は、EU 公用語で作られ、

    いつでも利用できるようにしなければな

    りません。

    ・EC 適合宣言書を作成することにより、製

    造者は製品の適合に責任を持つとみなさ

    れます。

    EC 適合宣言書の構成内容とは?

    出典:

    DECISION No768/2008/EC OF THE

    EUROPEAN PARLIAMENT AND OF

    THE COUNCIL of 9 July 2008

    on a common framework for the

    marketing of products,and repealing

    Council Decision 93/465/EEC

    ANNEX Ⅲ(付属書Ⅲ)

    EC DECLARATION OF CONFORMITY

    (EC 適合宣言書)

    1. No…(unique identification of the

    product):(製品の識別)

    2. Name and address of the

    manufacturer or his authorised

    representative:(製造者、もしくは代理

    人の名前と住所)

    3. This declaration of conformity is issued

    under the sole responsibility of the

    manufacturer(or installer):

    (この適合宣言書は製造者、もしくは設置

    者の単独責任によって発行される)

    4. Object of the declaration(identification

    of product allowing traceability. It may

    include a photograph,where appropriate):

    (宣言対象物:追跡可能な製品の識別、適

    切な場合は写真も含まれる)

    5. The object of the declaration described

    above is in conformity with the relevant

    Community harmonisation legislation:

    (上記の宣言対象物が、関連する法律に適

    合していることを記述する)

    6. References to the relevant harmonised

    standards used or references to the

    specifications in relation to which

    conformity is declared:(参照した整合規格、

    もしくは適合に関連した仕様書)

    7. Where applicable, the notified

    body.(name,number)…performed…(descr

    iption of intervention)…

    and issued the certificate:(適用した箇所

    に対する Notified Body(通知機関)の名前、

    介入内容の記述、認証書)

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    8. Additional information:(追加情報)

    Signed for and on behalf of: (代表者のサ

    イン)

    6.情報源

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/

    ce-marking/manufacturers/index_en.htm

    http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/Lex

    UriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0082:0128

    :en:PDF

    7.無料個別相談のご案内

    株式会社テンダーラビングケアサービスの

    グローバル戦略推進室では、CE マーキング

    に関する無料個別相談窓口を設けておりま

    す。

    毎日、日本の全国各地から寄せられる CE

    マーキングに関する疑問やご相談にお答え

    させていただいております。

    (面談の様子) (電話相談の様子)

    詳しくはこちらをご覧ください。

    ↓↓↓

    http://tenderlove-pcb.biz/

    http://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/index_en.htmhttp://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking/manufacturers/index_en.htmhttp://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0082:0128:en:PDFhttp://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0082:0128:en:PDFhttp://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0082:0128:en:PDFhttp://tenderlove-pcb.biz/