はりきゅう理論 (復習テスト)①...

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はりきゅう理論 (復習テスト)① ※担当:遠藤 学生番号 氏名 1.痛み感覚の受容と伝導 痛みとは痛いという( 感覚 )の側面とつらい、苦しいという( 情動 )の側面を併せ持つ。 痛みの分類では、A.侵害受容 )性疼痛は痛覚線維が関与し、1.体性 )と 2.内臓 の痛覚線維に分けられる。1.は皮膚、粘膜の( 表在 )痛と筋、関節など( 深部 )痛に分けられ る。2.は局在が不明瞭で、吐き気などの( 自律神経 )反射を伴う。B. 神経因 )性疼痛は神経 伝達系の障害により起こり、( 侵害 )受容器と関係のない疼痛である。( )性に経過するこ とが多い。 C. 心因 )性疼痛は( 解剖 )学的、( 神経 )学的に説明のつかない疼痛である。 神経線維の分類 )は髄鞘が( 有り )、冷・痛受容器などに見られる。数次式分類では( )と称 される。 C )は髄鞘が( 無く )、温・痛受容器などに見られる。数次式分類では( )と称さ れる。 )は髄鞘が有り、筋紡錘などに見られる。数次式分類ではⅠa と称される。 )は髄鞘が( 有り )、触・圧受容器などに見られる。数次式分類では( )と称 される。 ※①は直径 1.53μm で伝導速度は 630 m/秒である。②は直径 0.21μm で伝導速度は 0.32 m/ 秒である。③は直径 1220μm で伝導速度は 60120 m/秒である。④は直径 810μm で伝導速 度は 3080 m/秒である。 痛覚受容器の形態は、特定の受容器構造をもたない( 自由神経 )終末である。 皮膚の痛覚を起こす受容器には、 1. 高閾値機械 )受容器と 2. ポリモーダル )受容器の 2 種類がある。 1.は( )線維により伝導され、一次痛の( 速い )痛みを伝える。 2.は( C 線維により伝導され、二次痛の( 遅い )痛みを伝える。 組織損傷に放出される化学物質を( 内因 )性発痛物質という。そのうち( プロスタグランジ )は直接的な発痛作用はもたない。 交感 )神経の興奮は、血管攣縮、組織虚血、酸素欠乏、組織破壊、発痛物質遊離を生じ、( みの悪循環 )が形成される。 痛覚の脊髄内伝導路は、1.外側脊髄視床 )路と 2.脊髄網様体 )路の 2 つである。 1.は脊髄( 後角 )に一次ニューロンが入り、シナプスを介して二次ニューロンが交叉して対側の 前外側索 )を上行し、( 視床 )に達する。ここでニューロンを変えて( 大脳皮質 )感覚 野に投射する。主に痛みの感覚、識別に関与する。 2.は上行するニューロンが途中で延髄の( 毛様体

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はりきゅう理論 (復習テスト)① ※担当:遠藤

学生番号 氏名

1.痛み感覚の受容と伝導

痛みとは“痛い”という( 感覚 )の側面と“つらい、苦しい”という( 情動 )の側面を併せ持つ。

痛みの分類では、A.( 侵害受容 )性疼痛は痛覚線維が関与し、1.( 体性 )と 2.( 内臓 )

の痛覚線維に分けられる。1.は皮膚、粘膜の( 表在 )痛と筋、関節など( 深部 )痛に分けられ

る。2.は局在が不明瞭で、吐き気などの( 自律神経 )反射を伴う。B.( 神経因 )性疼痛は神経

伝達系の障害により起こり、( 侵害 )受容器と関係のない疼痛である。( 慢 )性に経過するこ

とが多い。C.( 心因 )性疼痛は( 解剖 )学的、( 神経 )学的に説明のつかない疼痛である。

神経線維の分類

① ( A´ )は髄鞘が( 有り )、冷・痛受容器などに見られる。数次式分類では( Ⅲ )と称

される。

② ( C )は髄鞘が( 無く )、温・痛受容器などに見られる。数次式分類では( Ⅳ )と称さ

れる。

③ ( A± )は髄鞘が有り、筋紡錘などに見られる。数次式分類ではⅠa と称される。

④ ( A² )は髄鞘が( 有り )、触・圧受容器などに見られる。数次式分類では( Ⅱ )と称

される。

※①は直径1.5~3µmで伝導速度は6~30 m/秒である。②は直径0.2~1µmで伝導速度は0.3~2 m/

秒である。③は直径 12~20µm で伝導速度は 60~120 m/秒である。④は直径 8~10µm で伝導速

度は 30~80 m/秒である。

痛覚受容器の形態は、特定の受容器構造をもたない( 自由神経 )終末である。

皮膚の痛覚を起こす受容器には、1.( 高閾値機械 )受容器と 2.( ポリモーダル )受容器の 2

種類がある。1.は( A´ )線維により伝導され、一次痛の( 速い )痛みを伝える。2.は( C )

線維により伝導され、二次痛の( 遅い )痛みを伝える。

組織損傷に放出される化学物質を( 内因 )性発痛物質という。そのうち( プロスタグランジ

ン )は直接的な発痛作用はもたない。

( 交感 )神経の興奮は、血管攣縮、組織虚血、酸素欠乏、組織破壊、発痛物質遊離を生じ、( 痛

みの悪循環 )が形成される。

痛覚の脊髄内伝導路は、1.( 外側脊髄視床 )路と 2.( 脊髄網様体 )路の 2 つである。

1.は脊髄( 後角 )に一次ニューロンが入り、シナプスを介して二次ニューロンが交叉して対側の

( 前外側索 )を上行し、( 視床 )に達する。ここでニューロンを変えて( 大脳皮質 )感覚

野に投射する。主に痛みの感覚、識別に関与する。2.は上行するニューロンが途中で延髄の( 毛様体 )

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に投射し、上行して大脳辺縁系などに達する。主に痛みの情動行動、自律機能、痛みの制御などの調

節に関与する

一次ニューロンは脊髄内で伝達物質として( サブスタンス P )を放出し、二次ニューロンを興奮

させる。

皮膚が( 45 )℃以上に熱せられると組織が破壊(不可逆的タンパク変性)されはじめ、熱痛が生じる。

これは、( ポリモーダル )受容器が反応して生じたものである。

内臓と皮膚からの( 侵害性 )性求心線維が、脊髄後角で同じ上行性ニューロンに収束され、痛み

は体性領域に投射されるものと考えられている。これを( 関連 )痛という。

2. 温度感覚の受容と伝達

温度感覚は、1.( 温 )覚と 2.( 冷 )覚に分かれ、極端な感覚は、痛みを引き起こす。( 15 )℃

以下で( 冷 )痛が生じる。( 無関 )帯は ( 30 )℃~( 36 )℃、45℃以上で( 熱 )

痛が生じる。同時に 2.が生じる場合、( 矛盾冷覚 )という。

温度受容器の形態は( 自由 )神経終末で、皮膚温に対応した一定の発射頻度で( 持続 )性

に活動している。

温受容器からの刺激は( C )線維が、( 冷 )受容器からの刺激は( A´ )線維により脊髄後

角に伝達される。顔面領域からの刺激は脳神経の( 三叉 )神経を介して( 脳幹 )に伝達される。

温度刺激は対側の( 前外側索 )を上行し、視床でニューロンを変えて大脳皮質( 感覚 )野に

投射する。

3. 触圧感覚の受容と伝達

触覚と圧覚は( 機械 )的刺激により応答する( 機械的 )受容器が存在する。その形態は下表

のように 1.( 圧 )受容器、2.( 触 )受容器、3. ( 振動 )受容器に分けられる。

種類 順応の仕方 機能 受容器の種類

無毛部 有毛部

1. ( 遅い ) ( 強 )度検出器 ( メルケル )盤

( ルフィニ )終末

( 触覚 )盤

( ルフィニ )終末

2. ( 速い ) ( 速 )度検出器 ( マイスナー )小体 ( 毛包 )受容器

3. ( 非常に速い ) ( 加速 )度検出器 ( パチニ )小体 ( パチニ )小体

触覚の伝導路は、受容器からの求心性刺激は( A² )線維により後根から脊髄に入る。顔面領域か

らの刺激は脳神経の( 三叉 )神経を介して脳幹に入る。

皮膚からの刺激は、後根から脊髄に入り 1.( 後索 )路と 2.( 腹側脊髄視床 )路の 2 つの伝導

路を上行して上位中枢に至る。 1.は局在が明瞭な( 精細 )触圧覚を、2.は局在が不明瞭な( 粗大 )

触圧覚を伝える。

4. 筋の伸張刺激および筋の振動の受容と伝導

筋、腱、関節など身体の深部に存在し、筋運動などの結果、自己の発生した 1.( 筋長 )の変化、

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2.( 張力 )の変化、( 関節角度 )の変化などで興奮する受容器を( 固有 )受容器という。1.

は( 筋 )紡錘が応答し、2.は( 腱 )紡錘が伝える。

骨格筋にはこれらの受容器の他に、筋の( 振動 )に応答する( パチニ )小体が( 筋膜 )

に存在する。また、筋血管壁、筋線維間や腱の結合組織中に( 侵害 )受容器である( 自由神経 )

終末が見いだされている。

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はりきゅう理論 (復習テスト)② ※担当:遠藤

学生番号 氏名

5. 鍼灸刺激と反射

鍼灸治療は、鍼術の( 機械 )的刺激、灸術の( 温熱 )的刺激が生体に反射を引き起こし、そ

の影響(変化)が治療効果を上げる、と考えられている。

末梢刺激により 1.( 感覚 )受容器が興奮すると、( 求心 )路を通り中枢神経系へ伝達される。

中枢神経系は( 遠心 )路を通り 2.( 効果器 )に反応を生じさせる。この 1.から 2.に連なる経路

を( 反射 )弓という。

刺激を受けて引き起こされる効果器の種類によって、A.( 体性 )-( 運動 )と B. ( 体性 )

-( 自律神経 )反射に分類される。また、中枢でのシナプス伝達が 1つのシナプスで行われるもの

を a.( 単シナプス )反射、( 介在 )ニューロンを介するものを b.( 多シナプス )反射に分

類される。

A.には( 伸張 )反射と( 逃避 )反射がある。前者は( 膝蓋腱 )反射や( アキレス腱 )

反射などであり、打腱槌で( 腱 )を叩き、筋肉内の( 筋紡錘 )が引き伸ばされて起こる反射(上

記 a.)である。後者は刺激から身体を守るために( 屈筋 )の収縮を伴う動作がみられる反射(上記

b.)である。

B.には生体の内部環境の( 恒常 )性を維持するための反射である。頚動脈洞などの圧変化による

( 心拍数・血圧 )調整や排便・排尿の反射など、( 求心 )性と( 遠心 )性の線維がともに自

律神経系に属する反射を( 内臓 )-( 内臓 )反射という。また( 関連 )痛や虫垂炎などの

( 筋 )性防御などを( 内臓 )-( 体表 )反射という。これには知覚過敏になる( ヘッド )

帯や筋肉層などが過敏になる( マッケンジー )帯などもある。

過敏帯の現われやすい皮膚分節は、以下である。①~⑤は( )の臓腑と皮膚分節の関係である。

① ( 肺 )C3-C4、T2-T9

② ( 胃 )T6-T12(両側または左)

③ ( 肝 )C3-C4、T 7 -T10(主に右)

④ ( 腎,尿道 )T12-L1

⑤ ( 前立腺 )T10-T12、S1-S3

その他、( 交感 )神経性の皮膚分節の領域には i.( 汗 )腺、ii.( 皮脂 )腺、iii.( 立毛 )

筋、および iv.( 末梢血管 )系を支配する反射が現われる。

i.の反射は高木健太郎博士の( 圧発汗 )反射の研究が有名である。ii.の反射は、中谷義雄博士の

提唱した( 良導絡 )理論の論拠となり、iii.の反射は( トリ )肌である。iv.の反射は皮膚の冷

え、ほてりとなって現われ、石川太刀雄博士の( 皮電点 )理論の根拠となっている。

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さらには( 体表 )から刺激を加えて( 内臓 )機能を調整しようとする( 体表 )-

( 内臓 )反射があり、( 鍼灸 )効果の機転はこの反射によるものが大部分である。

特殊なものには、鍼などで皮膚を刺激すると、局所に( 紅斑・発赤 )が出現する( 軸索 )反

射がある。

6. 鍼鎮痛

鍼麻酔では特定の( 経穴 )に刺鍼し、( 低周波 )による鍼通電法が用いられる。刺鍼の深さは

( 筋肉 )層に達することが必要で、( 得 )気が感じられることが必要である。

長所としては、術後の痛みが軽く、また術中の( 出血 )量も少なく、操作が簡単で経済的などで

ある。 短所としては、鎮痛効果の発現が一定ではなく、( 個人 )差が存在し、鎮痛が発現するのに

時間がかかる、などである。

鍼鎮痛は生体の特定領域の( 痛覚閾値 )を上昇させる現象であり、生体を刺激することによって、

もともと生体に備わっている( 内因 )性鎮痛機構を賦活させることにある。

脳内局所的電気刺激による鎮痛がモルヒネの拮抗薬である( ナロキソン )で減弱することから、

( 内因 )性モルヒネ様物質の存在が想定され、( エンケファリン )と( β-エンドルフイン )

が発見された。

中枢神経系に存在する受容体は( オピオイド )受容体と命名された。受容体には少なくとも 3 種

類のタイプ (μ、δ、κ)があり、( エンケファリン )は δ、( β-エンドルフイン )は μ、

( ダイノルフィン )はκ受容体に高い親和性を示す。

拮抗物質である( ナロキソン )を前もって投与しておくと、鍼鎮痛の効果は出現しなくなること

により、( オピオイド )受容体と鍼鎮痛発現との関係が強く示唆されるようになった。

刺激鎮痛 stimu1ation produced ana1gesia (SPA)は、1つには( 中脳中心 )灰白質の電気刺激に

より鎮痛効果が出現するというもの、他方、( 経穴 )部位の筋に鍼通電することにより、鎮痛効果が

出現するものを鍼鎮痛という。

鍼鎮痛の発現機構に関しては、2つの経路がある。一つは受容器が( ポリモーダル )受容器であ

り、神経線維は Aδ線維と C線維が考えられる A.( 末梢 )経路である。もう一つは、視床下部から

弓状核を経て脊髄へ下行する B.( 下行性痛覚 )抑制系を作動させる C.( 中枢 )経路である。

C.は、鍼刺激による( 求心 )性インパルスが弓状核で2方向に分かれ、一方向は①( ドーパミ

ン )ニューロンを活動させ、他方向は正中隆起より下垂体に至って②( β-エンドルフィン )を遊

離させる。遊離された②は、活動している①の終末に作用し、①の放出が起こる。

B.は視床下部から 2つの経路に分かれ、1つは( 縫線 )核系を経て脊髄を下行する( セロ卜ニ

ン )系で、もう 1つは( 傍巨大神経細胞 )核を通る( ノルアドレナリン )系である。両系は

( 脊髄後側索 )を下行し、脊髄後角で末梢から入力された痛覚を遮断する。

脊髄においては、脊髄( クモ膜下腔 )内への抗メチオニンエンケファリン血清の投与により鍼鎮

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痛が出現しなくなることや、エンケファリン分解酵素の阻害剤といわれている( D-フェニルアラニン )

を前投与しておくと鍼鎮痛の個体差が消失することが知られている。

鍼による鎮痛機序の神経生理学的説明として( ゲートコントロール )説がある。一般に、太い神

経線維からの感覚入力は( 触・圧 )覚 を伝え、細い神経線維からの入力は( 痛 )覚を伝える。

脊髄後角の( Ⅱ )層の膠様質(SG 細胞)に太い線維と細い線維が収束し、( 太い )神経からの興奮

が、( 細い )神経からの興奮を( シナプス )の前で抑制をかける説である。この説は、その後否

定され、SG細胞は脳から脊髄( 後角 )に来る神経によって働くことが知られている。

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はりきゅう理論 (復習テスト)③-1 ※担当:遠藤

学生番号 氏名

自律神経の概要

自律神経系という名称は、Langleyが 1921年に自律神経系を末梢の( 遠心 )路として定義したも

ので、生体の( ホメオスターシス )の維持に重要な働きをしている。臓器は( 自律 )性を有し、

自律神経はその機能に、外から影響を与えている。中枢は間脳の( 視床下部 )で、自律神経におけ

る反応をすべて統括している。

自律神経は交感神経と副交感神経の 2系統に分かれ、両系は絶えず一定の( インパルス )を効果

器に送って緊張を維持しており、その( 平衡 )の上にその器官の興奮性が維持されている。

自律神経は効果器に達するまでに神経線維を( 1 )回交換するが、その接合部が( 神経 )節を

構成し、中枢側を( 節前 )線維、末梢側を( 節後 )線維という。

節前線維の細胞体は( 脊髄 )灰白質の中間質外側柱か,あるいはこれと相同の( 脳神経 )

の運動核にある。その軸索の多くは有髄であるが,比較的伝導速度の遅い( B )線維である。この

軸索は節後線維の細胞体と( シナプス )をつくる。1本の節前線維の軸索は平均 8~9個の節後線

維と接合し,内臓の( 効果器 )に達している。節後線維の軸索の大部分は無髄の( C )線維で

ある。

交感神経

交感神経の節前線維の軸索は( 短く )、放出される伝達物質は( アセチルコリン )であり、

節後線維の( ニコチン )受容体に結合する。節後線維の軸索は( 長く )、放出される伝達物質

は( ノルアドレナリン )であり、効果器の( アドレナリン )受容体に結合する。

節前線維の軸索は、第 1( 胸 )神経~第 3または第 4( 腰 )神経の( 前 )根から脊髄を出

て、( 白 )交通枝を経て交感神経節に至る。節後線維の軸索の一部は( 灰白 )交通枝を経て脊髄

神経の中に再び入り、支配されている領域に分布する。

( 頭 )部に分布している節後線維は上頚、中頚および( 星状 )神経節より発し、( 血管 )

とともに効果器に達している。節前線維の一部は、内臓の近くにある( 腹腔 )神経節、上・下

( 腸間膜動脈 )神経節内の節後線維に達する。

副交感神経

副交感神経の節前線維の軸索は( 長く )、放出される伝達物質は( アセチルコリン )であり、

節後線維の( ニコチン )受容体に結合する。節後線維の軸索は( 短く )、放出される伝達物質

は( アセチルコリン )であり、効果器の( ムスカリン )受容体に結合する。

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( 頭 )部の副交感神経は、( 脳・迷走 )神経を経由して頭部、胸郭、上腹部の各効果器を支配

し、( 仙骨 )部の副交感神経は( 骨盤 )神経を経て骨盤内臓器を支配している。

内臓求心性神経

通常、自律神経というと( 遠心 )性神経を指すが、効果器の情報は( 内臓求心 )性神経を介

して中枢に至り、交感神経と副交感神経によって( 反射 )性調節が行われている。

自律神経系の化学的伝達と受容体

化学伝達物質

交感神経および副交感神経の( 節前 )線維末端と副交感神経の( 節後 )線維末端に放出され

る伝達物質は( アセチルコリン )である。交感神経の( 節後 )線維と効果器との伝達物質は( ノ

ルアドレナリン )である。これを伝達物質とする神経線維を( アドレナリン )作動性神経と呼ぶ。

汗腺と骨格筋の一部の血管を支配する交感神経の( 節後 )線維からは( アセチルコリン )が放

出される。これを伝達物質とする神経線維を( コリン )作動性神経と呼ぶ。副腎( 髄質 )は元

来、交感神経節であったが軸索を失い直接血液中にアドレナリンやノルアドレナリン( カテコール )

アミンを分泌する。これらは、他にドパミンやセロトニン、ヒスタミンも加えて( モノ )アミンと

呼ばれる。すなわち、構造上で( アミノ基 )を一個だけ含むことから名付けられた。

受容体

Ahlquist(1948年)は交感神経にαとβの受容体の存在を仮定し、一般的にα受容体に対する作用は

( 興奮 )的であり、β受容体に対しては( 抑制 )的である。いくつかの例外があり、例えばβ

受容体の( 興奮 )は心臓の収縮力を( 増大 )し、心拍数を( 増加 )させる 。

1980年代からは遺伝子工学の発達に伴い、受容体にα1.α2.β1.β2などの( サブ )タイプの存在

が明らかになって、支配下の効果器はどちらか一方の受容体、あるいは両受容体を有し、正常ではどち

らかが( 優位 )である。

α受容体では,主として効果器側にあるα1受容体に対し、シナプス( 前膜 )に存在する α2受

容体に分けて考えられるようになり、シナプス間隙に遊離されたノルアドレナリンは,( α2 )受容

体を介して伝達物質の遊離を( 自己制御 )かけることが明らかとなっている。

自律神経系の生理的機能

一般的に( コリン )作動系の活動は、( 日常生活 )機能と密接な関係があるとされ、食物の

( 消化吸収 )を促し、エネルギー源が( 保存 )される。これに対し( アドレナリン )作動

性系の活動は、心拍数( 増加 )、血圧( 上昇 )、また気管支は( 拡張 )し、エネルギー源が

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( 供給 )される。Cannonはこの活動を( ストレス )が加わった「逃避または闘争のための準備」

と称した。

血管の自律神経性調節

循環調節は心臓からの( 拍出 )量、主として細動脈の( 直径 )、あるいは静脈の( 血液貯留 )

量を変えることにより達成される。

一般に、毛細血管と細静脈を除いたすべての血管壁には( 平滑 )筋があり、これらは( 交感 )

神経によって支配されている。( 骨格 )筋の血管は、収縮神経と拡張神経の支配を受け、後者は交感

神経であるが( アセチルコリン )を遊離する。だが、血管拡張するが、それによる血流( 増加 )

に伴う筋の O2消費量は( 低下 )する。これは血流が毛細血管でなく( 短絡 )血管に回されたこ

とを示唆している。 一方,この系が刺激されると副腎( 髄質 )からのノルアドレナリン、アドレナ

リンの放出も( 増加 )し、このアドレナリンはさらに骨格筋の血管( 拡張 )を助長すると考え

られる.

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はりきゅう理論 (復習テスト)③-2 ※担当:遠藤

学生番号 氏名

鍼の血流に及ぼす影響

疼痛発生筋に対する鍼刺激は、筋( 血管 )に分布するコリン作動性神経が、刺激による( 軸索 )

反射で活動し、筋血流が改善されて疼痛の原因となる( 発痛 )物質が排除されると考えられる。こ

の効果は( capsaicin )の投与で、出現しなくなるので、関与する神経伝達物質は( substance P )

もしくは( CGRP )が考えられる。

すなわち、疼痛発生筋の痛みが解消する機序は、針刺激によって( CGRP )を含む第 1次( 知

覚 )神経終末が刺激され、( 軸索 )反射によってコリン作動性神経の末端に働き、( アセチル

コリン )の遊離を増大し、筋( 血管 )を拡張して筋血流が改善または増大し、( 虚血 )性疼

痛の原因となった( 発痛 )物質が排除されて痛みが解消する機序が考えられている。

体性自律反射による鍼の効果

A.遠隔部の筋血流に対する作用

傍脊椎の皮膚や筋は脊髄神経の( 後 )枝により支配され、この部の刺激は対側の( 視床下部 )

にある体性自律反射中枢を介し、交感神経中の( コリン )作動性神経を( 遠心 )路として、同

側髄節下の皮膚や筋血流が増大されると考えられる。この作用により( 軸索 )反射と同様の効果が

期待できる。

B.内臓に対する作用

胃運動には、四肢刺激では迷走神経を介して( 亢進 )、腹部刺激では交感神経を介して( 抑制 )

が認められている。血圧には、足三里穴への刺激によって心拍数( 減少 )、腎交感神経活動の

( 抑制 )に伴う血圧( 下降 )が認められている。

すなわち体幹刺激による反応は、( 脊髄 )性および( 上脊髄 )性反射を介して出現し、四肢の

体性刺激によって起こる内臓反射は、おもに( 上脊髄 )性反射として全身性の反応が現われる。し

たがって治療目標となる臓腑を明確にすることは、体性内臓反射を利用した( 脊髄分節 )性もしく

は( 上脊髄 )性の治療方法として応用が可能になる。

( ポリモーダル )受容器の興奮が、自律神経系をはじめとする生体調節機構における( 求心 )

路として働いている可能性を加味すると、従来から治療に用いられてきた( 経穴 )の選択がより明

確になると考えられる。

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C.ヒトに対する自律神経反射

( 仙骨 )部骨膜に対する針刺激は,ヒトにおいて前立腺肥大による( 排尿 )障害に対して有

効であることが報告され,また本態性( 高血圧 )に対する低周波針通電療法は非薬物療法としての

有用性が示唆されている.

鍼灸刺激とポリモーダル受容器

鍼灸刺激によって興奮する受容器は、皮膚の( 機械 )受容器と、( ポリモーダル )受容器など

がある。刺入深度から考慮すると、共通性のある受容器は後者で、無髄の ( C )線維や有髄の細径線

維 ( Aδ )線維で支配される侵害受容器の 1つとされている。

この受容器の興奮は末梢部において( 神経 )性炎症を起こす他、求心性の神経活動の増加と反射

性の呼吸活動の( 促進 )には密接な相関関係が認められている。この効果のあとには、内因性オピ

オイド系を介して呼吸の( 抑制 )が観察されている。

( ポリモーダル )受容器からの入力が内因性オピオイド系を介して、( 鎮痛 )ばかりでなく呼

吸機能にも影響を与えていることを示すものである。

生体防御機構に及ぼす鍼灸刺激の影響

灸療法と炎症

炎症反応は自己組織の( 損傷 )を伴い「局所を犠牲にして( 全身 )を守る反応」として認識

されてきた経緯がある。透熱灸は( 艾 )を皮膚上で燃やして小炎症を( 人為 )的に作る治療法

である。特に( 多壮 )灸では( 知覚 )神経を介した作用を期待している。また、施灸刺激は、

最終的に( ホメオスターシス )の維持につながる治療法と考えられている。

炎症反応と各種メディエーター

生体自身が産生する炎症の生理活性物質は( オータコイド )として分類され、そのメディエータ

ーには( アミン )類としてヒスタミン・セロトニン、キニン類として( ペプチド )、蛋白質とし

てサイトカイン、( 脂質 )としてアラキドン酸代謝物等があげられている。ヒスタミンは( 肥満 )

細胞や( 好塩基 )球の顆粒中に蓄えられており、( プロスタグランジン )はアラキドン酸代謝物

によってその場で産生されている。

血管透過性亢進

炎症の局所における微小循環は( 細静脈 )部分の内皮細胞の間隙が間き、( 血漿 )成分が血管

外に滲出する。この現象は、刺激直後から始まり、1~5分後にピークとなり、( 30 )分以内で終息す

る第 1相の反応と、刺激後 15~30分で始まり、2~5時間でピークとなり、( 8 )時間頃に終息する第

2相の反応がある。前者は( アミン )類によって起こり、後者は( プロスタグランジン )E2が重

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要な役目をしている。

疼痛

内因性発痛物質は損傷を受けた細胞内から( カリウム )イオンが、( 肥満 )細胞からヒスタミ

ンが、( 血小板 )からセロトニンが、キ二ン類から( ブラジキニン )が遊離し、自由神経終末の

うち( ポリモーダル )受容器を刺激する。ヒスタミンが表皮で遊離されると( 痒み )を起こし、

( 真皮 )で遊離されると痛みを起こす。プロスタグランジンは、それ自身は( 発痛 )作用をほ

とんどもたないといわれているが、ブラジキニンの発痛作用を著しく( 亢進 )する。これはブラジ

キニンが、ホスホリパーゼ A2の活性化を介して( アラキドン酸 )を遊離しプロスタグランジンを産

生するためである。

鍼灸治療による生体防御機構に及ぼす影響

透熱灸

透熱灸による施灸局所の皮膚血管の変化では、刺激直後から急激に皮膚血流量が( 増大 )し、局

所皮膚血管拡張による( フレア一 )反応の出現が観察される。これはポリモーダル受容器の興奮に

よる( 軸索 )反射を介した反応と考えられている。生体防御機構に及ぼす影響は透熱灸、( 打膿 )

灸に共通している。血液凝固線溶能に対する施灸の影響は、( 凝固 )時間の短縮、線溶系ではプラス

ミノーゲンの( 低下 )傾向、血小板凝集能( 亢進 )作用が認められている。これらは好中球や

( マクロファージ )の異物貧食能に( 連動 )した作用である。

鍼灸刺激と神経系・内分泌系・免疫系の相互作用

D.E. Kendallは、鍼・灸刺激による( 微小 )組織損傷の反応が生体の調節系の作用を見つけるに

あたって多くの示唆を与えるとした。

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はりきゅう理論 (復習テスト)④-1 ※担当:遠藤

学生番号 氏名

生体防御機構に及ぼす鍼灸刺激の影響

灸療法と炎症

炎症反応は自己組織の( 損傷 )を伴い「局所を犠牲にして( 全身 )を守る反応」として認識

されてきた経緯がある。透熱灸は( 艾 )を皮膚上で燃やして小炎症を( 人為 )的に作る治療法

である。特に( 多壮 )灸では( 知覚 )神経を介した作用を期待している。また、施灸刺激は、

最終的に( ホメオスターシス )の維持につながる治療法と考えられている。

炎症反応と各種メディエーター

生体自身が産生する炎症の生理活性物質は( オータコイド )として分類され、そのメディエータ

ーには( アミン )類としてヒスタミン・セロトニン、キニン類として( ペプチド )、蛋白質とし

てサイトカイン、( 脂質 )としてアラキドン酸代謝物等があげられている。ヒスタミンは( 肥満 )

細胞や( 好塩基 )球の顆粒中に蓄えられており、( プロスタグランジン )はアラキドン酸代謝物

によってその場で産生されている。

血管透過性亢進

炎症の局所における微小循環は( 細静脈 )部分の内皮細胞の間隙が間き、( 血漿 )成分が血管

外に滲出する。この現象は、刺激直後から始まり、1~5分後にピークとなり、( 30 )分以内で終息す

る第 1相の反応と、刺激後 15~30分で始まり、2~5時間でピークとなり、( 8 )時間頃に終息する第

2相の反応がある。前者は( アミン )類によって起こり、後者は( プロスタグランジン )E2が重

要な役目をしている。

疼痛

内因性発痛物質は損傷を受けた細胞内から( カリウム )イオンが、( 肥満 )細胞からヒスタミ

ンが、( 血小板 )からセロトニンが、キ二ン類から( ブラジキニン )が遊離し、自由神経終末の

うち( ポリモーダル )受容器を刺激する。ヒスタミンが表皮で遊離されると( 痒み )を起こし、

( 真皮 )で遊離されると痛みを起こす。プロスタグランジンは、それ自身は( 発痛 )作用をほ

とんどもたないといわれているが、ブラジキニンの発痛作用を著しく( 亢進 )する。これはブラジ

キニンが、ホスホリパーゼ A2の活性化を介して( アラキドン酸 )を遊離しプロスタグランジンを産

生するためである。

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発熱

恒温動物の( 体温調節 )は、視床前野・前視床下部で行われている。セットポイント以下では血

管収縮、ふるえなどにより( 熱産生 )に働き、セットポイント以上では発汗・血管拡張反応が起こ

る。( プロスタグランジン )は正常な体温の調節には関与しない。

白血球機能への影響

炎症反応の主な展開部位である( 細静脈 )を介して、局所に動員された白血球は( 異物 )排

除、損傷の修復に働く。局所の炎症反応も、その程度が強くなると全身的な反応となり個体全体として

( 異物 )排除機能を高める。ロイコトリエン B4は非常に強い( 好中球 )遊走作用をもち、炎症

巣への白血球浸潤に関与する。

針灸治療による生体防御機構に及ぼす影響

施灸を( 継続 )的に行うと「風邪をひかなくなりました」「身体が丈夫になりました」との声を聞

く。灸療法の主たる作用は、施灸による( 温熱 )刺激により「局所を温め循環を改善する」と「生

体の( 防御 )機能を増す」が考えられる。灸術は有痕灸と無痕灸に大別されるが、元来灸法は( 有

痕灸 )を指す場合が多い。

透熱灸

透熱灸による施灸局所の皮膚血管の変化では、刺激直後から急激に皮膚血流量が( 増大 )し、局

所皮膚血管拡張による( フレア一 )反応の出現が観察される。これはポリモーダル受容器の興奮に

よる( 軸索 )反射を介した反応と考えられている。さらに血管透過性亢進、代謝亢進作用、マスト

細胞の活性化等の現象が認められている。生体防御機構に及ぼす影響は透熱灸、( 打膿 )灸に共通し

ている。血液凝固線溶能に対する施灸の影響は、( 凝固 )時間の短縮、線溶系ではプラスミノーゲン

の( 低下 )傾向、血小板凝集能( 亢進 )作用が認められている。これらは( 好中球 )やマ

クロファージの異物貧食能に( 連動 )した作用である。しかし、マクロファージの役割の 1つに貧

食した情報を( リンパ球 )に提供する作用があるため、( アレルギー )疾患などでは免疫担当細

胞の必要以上の( 活性 )化は、生体にマイナス要因にもなりかねない。一方、生体防御機構の重要

な担い手の 1つである( 血液凝固 )線溶能に対する施灸の影響が認められている。また、これに関

連する各種因子は肝臓によって( 生合成 )されているため、肝機能にも少なからず影響しているも

のと考えられる。

針刺激による免疫系への影響

針刺激による血中の T 細胞や NK 細胞の移行が( 促進 )することが動物やヒトで報告されている。

自律神経は血管を介してリンパ組織の( 微小循環 )を調節するだけでなく、神経線維の一部はリン

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パ球の多い実質に延び、 T および B リンパ球の( 表面 )にあるα、βレセプターを介して直接作用

している。そのため、免疫系は自律神経(交感神経)によって修飾されている可能性が示唆されている。

針灸刺激と神経系・内分泌系・免疫系の相互作用

針・灸の( 効果 )を論じるときには、必ず自律神経系、内分泌系、免疫系への関与が引用される。

高等動物では、( 免疫 )系は神経系、内分泌系とネットワークを形成し、それぞれ( 生理活性 )

をもった神経ペプチド、ホルモン、( サイトカイン )によって相互に cross-talk し、生体の包括的

反応系を形成している。自律神経は免疫組織に分布しており、組織の( 血管 )を支配することによ

り組織内の血流を調節する( 間接 )作用と、免疫担当細胞に( 直接 )作用することが明らかに

なっている。D.E. Kendall は、鍼・灸刺激による( 微小 )組織損傷の反応が生体の調節系の作用を

見つけるにあたって多くの示唆を与えるとした。

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はりきゅう理論 (復習テスト)④-2 ※担当:遠藤

学生番号 氏名

サイバネティックスの学説

アメリカの( ノーバート・ウィナー )が唱えた学説で、通信連絡と( 自動制御 )に関する理

論と技術の研究である。サイバネティックスとは、ギリシャ語が語源となっており、( 舵取り )の意

味である。( 機械 )の働きと、自然界に生活する( 人間・動物 )の働きとの違いを説明している。

前者は、融通性がなく、責任を持たず、一方的に行う仕組みであり、これを( 開回路 )と呼んで、

後者はフィードバックの機構によって自動調整された( 閉回路 )と呼んでいる。

ウィナーは、生体内における自動通信と自動制御の方法は、( 神経 )系統を通じて行われるもの

と、( 体液 )系統を通じて行われるものとに、大別できる。通常、前者の中枢は( 視床下部 )

にあり、後者の( 下垂体 )を調整している。このように、両機構が相関しながら( 恒常性 )

を保っている。

針灸の治療法は、生体の( フィードバック )系の賦活を重要な目標とする治療の形式である。

( 神経 )系に対しては、痛、熱機転を介して、( 体液 )系に対しては局所の小炎症として、フ

ィードバックの過不足によって起こる異常機転を矯正するものである。

生体反応系(恒常性)

外部環境は、我々に種々の刺激を与え続けている。これに対し、( 細胞外液 )は細胞に一定の環境

を与え、それを維持している。これを( 内部環境 )と呼んでいる。この状態を初めて唱えたのは、

フランスの生理学者クロード・( ベルナール )で、恒常性という考え方を提唱した。

その後、アメリカの生理学者ウォルター・( キャノン )は、その恒常性に対して

( ホメオスターシス )という言葉を使った。彼は、刺激に対する調節系が必要として、

( 交感神経 )-( アドレナリン )系の緊急反応という考え方を提唱した。

ホメオスターシスは、内部環境が一定に( 固定 )されるのではなく、内外の変化に、制御機構

が働いて、一定の幅に( 維持 )されるという考えである。制御機構の代表的な例として、入力と

出力の量の違いをなくす向に調節する( ネガティブ )・フィードバック調節系がある。

恒常性保持機能と針灸刺激

恒常性保持機能の( 失調 )が疾病という現象となって発現する。化学刺激、物理刺激を与えて、

疾病を( 回復 )させようとする。( 針灸 )刺激もその一種であり、内部環境恒常性保持機能に

多大の作用を及ぼすものである。

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汎適応症候群の学説(ストレス学説)

本学説の概要

カナダのモントリオール大学教授のハンス・( セリエ )が提唱した学説で、生体に加えられた種々

の刺激は、( 下垂体 )-( 副腎皮質 )系を介して、内分泌系に特徴のある一連の反応を起こす

という内容のものである。

生体に対して( 刺激 )となるものをストレッサーと呼び、それが作り出す生体の

( ゆがみ・ひずみ )、の状態をストレスといい、必ず 3つの様相の反応を示す。

3つの様相の反応とは

① ( 副腎皮質 )の肥大

② ( 胸腺、リンパ )系の萎縮

③ ( 胃・十二指腸 )の潰瘍

であり、体の防御に最も重要な役割を演じている。

3つの時期の症候群

ストレスが生体に長時間作用すると、一定の順序によって身体は適応し、その反応を越す時期を 3

つに分けることができる。

A)第一期、( 警告反応 )期

① ショック相

生体がストレッサーに直面した直後で、対応する準備ができていない時期である。( 神経 )系は

抑制され、体温、血圧は( 低下 )、毛細血管の透過性( 亢進 )、筋緊張の低下をきたす。この

時期は、短い時は数分間、長い場合は 1日位つづく。

② 反ショック相( 交絡抵抗 ) 期

生体が積極的な防衛反応を呈してくる時期であり、( 下垂体前葉 )から副腎皮質刺激ホルモンが

分泌され、( 副腎皮質 )ホルモンの分泌が増加し、ショック状態が正常に戻ろうとする。

体温、血圧は( 上昇 )、筋の緊張、血糖量( 増加 )している。

B)第二期、抵抗期( 交絡感作 ) 期

刺激に順応して抵抗力は( 増加 )、身体内部は安定した状態になっている。初めのストレッサー

に対する抵抗力のみ( 増加 )している。

C)第三期、( 疲懲 )期

ストレスに対する能力を失って、( ショック )期の状況とよく似た変化をあらわし、その終局は

( 死 )である。

ストレス反応の機構

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ストレッサーを受けた生体は、( 視床下部 )にある自律神経の中枢が興奮を起こし、交感神経を

通じて( 副腎髄質 )に作用が及び、アドレナリンが分泌され内臓血管などを刺激する。キャノン

は、この反応(緊急反応)が起こると、肝臓に貯えられている( グリコーゲン )は分解し、筋肉

に十分な( ブドウ糖 )を送って、いつでも活動態勢となる。

しかし、セリエの研究から、緊急反応が賦活されると、( 下垂体前葉 )に作用が及び、副腎皮質

の活動を促し、刺激に対する身体の体制が整えられる。この体制を( 汎適応症候群 )と名づけ、

反応をうまく起こすことができない疾病を( 適応病 )とした。

東洋医学との関連

東洋医学的な観点からストレス学説を理解するために 3つの条件がある。それは、

①ストレス刺激(強さと、これを受ける期間の長短)は、

東洋医学では( 病因 )を内因、外因、不内外因に分け、それらの量・強弱・作用時間の長短で

疾病の軽重を判定している。

②ストレスを受ける側の生体適応エネルギー(生命力)は、

人間の生まれながらにしてもつ( 先天の原気 )と呼び重視している。

③条件づけ因子(後天的に鍛えられた体力、生活環境、食餌などの諸条件)は、

東洋医学の( 後天の原気 )にあたるもので、その盛衰は常に生活環境や食餌栄養により左右さ

れる。

また、ストレス学説でいう 3つの反応期についても、東洋医学では、生体の異常反応を証の概念と

してとらえ、例えば傷寒論においては、( 陽症と陰症 )に分け、それぞれを経過に従って 3つの局

面に分けている。

本学説と針灸施術

田多井吉之介は、「刺激療法の効果は、( 交絡抵抗 )によるものが大部分であると思われる」と

述べており、これは、生体が積極的な防衛反応を示し正常の状態にもどろうとする力を利用して治癒

に導こうということである。

また、芹沢勝助も「針治療は、( 交絡抵抗 )を人為的に作り上げて疾病を治す手段であり、灸治療

は、( 交絡感作 )を利用して治療する方法になると思われる」と述べている。

過剰刺激症候群の学説

フランスの医学者ジェームス・( レイリー )は、侵襲に対する生体反応について、過剰刺激症候群ま

たは( レイリー )現象とした。それは下記の四大特性を持ち、生体は防御することができず疾病

へと追い込まれる、とした。

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① 血管運動性の障害

( 交感神経 )系に加えられた過剰刺激により、主として血管運動性の障害を起こし、ついで二

次的にその栄養している臓器、あるいは遠隔臓器に種々の程度の障害を生ずる。

② 刺激は( 非特異 )的である

加えられる刺激は特殊なものである必要はなく、( 過剰刺激 )となる方法であれば、いかなる種

類の刺激でも反応は起こる。

③ 病変は( 非恒常 )性である

刺激によって起こる反応は、生体の感受性や反応形式により( 異なる )反応が起こり、常に等

しいものではない。

④ 出現する障害は( 拡散 )する

刺激を受ける部位と反応を起こす部位との間には、一定の相関がなく、刺激効果が拡がる。