細骨材の密度及び吸水率試験方法 2011/12/01 jis a...

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細骨材の密度及び吸水率試験方法 JIS A 1109:20062011/12/01 1/10 1.目的 細骨材の密度及び吸水率を求めることを目的とする。 (構造用軽量骨材を絶乾状態から 24 時間吸水させて試験する場合は、JIS A 1134 による) 2.参考にする規格 JIS A 1134 構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法 3.器具 3.1 はかり はかりは、ひょう量 2kg 以上で、目量が 0.1g 又はより細かい ものとする。 当工場のはかりは、○○社製 ひょう量:○○kg,目量:○○g 3.2 ピクノメータ フラスコ又は他の適切な容器(以下、ピクノメータという。)は、 非吸水性で、細骨材の試料が容易に入れられるものとする (繰り返し試験を行った場合、その容量を±0.1%以内の精度 を確保できるもの)。また、キャリブレーションされた容量を示 す印までの容積は、試料を入れるのに必要な容積の 1.5 倍以 上で 3 倍を越えないものとする。 当工場は、キャリブレーションされた容量として、○○ml とする。 3.3 フローコーン 細骨材の表乾状態を確認するためのフローコーンは、寸法が 上面内径 40±3mm、底面内径 90±3mm 高さ 75±3mm で、 厚さ 4mm 以上のものとする。 3.4 突き棒 突き棒は、質量 340±15g で、一端が直径 23±3mm の円形 断面のものとする。 3.5 乾燥機 乾燥機は、排気口のあるもので、槽内を 105±5℃に保持 できるものとする。 Point: ・通常骨材では 500ml、軽量骨材では 700ml 以上とするのが一般的 ・軽量骨材には、蓋付きのピクノメーター がよい

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細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

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1.目的

細骨材の密度及び吸水率を求めることを目的とする。

(構造用軽量骨材を絶乾状態から 24 時間吸水させて試験する場合は、JIS A 1134 による)

2.参考にする規格

JIS A 1134 構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法

3.器具

3.1 はかり

はかりは、ひょう量 2kg 以上で、目量が 0.1g 又はより細かい

ものとする。

当工場のはかりは、○○社製

ひょう量:○○kg,目量:○○g

3.2 ピクノメータ

フラスコ又は他の適切な容器(以下、ピクノメータという。)は、

非吸水性で、細骨材の試料が容易に入れられるものとする

(繰り返し試験を行った場合、その容量を±0.1%以内の精度

を確保できるもの)。また、キャリブレーションされた容量を示

す印までの容積は、試料を入れるのに必要な容積の1.5倍以

上で 3 倍を越えないものとする。

当工場は、キャリブレーションされた容量として、○○ml とする。

3.3 フローコーン

細骨材の表乾状態を確認するためのフローコーンは、寸法が

上面内径 40±3mm、底面内径 90±3mm 高さ 75±3mm で、

厚さ 4mm 以上のものとする。

3.4 突き棒

突き棒は、質量 340±15g で、一端が直径 23±3mm の円形

断面のものとする。

3.5 乾燥機

乾燥機は、排気口のあるもので、槽内を 105±5℃に保持

できるものとする。

Point: ・通常骨材では 500ml、軽量骨材では

700ml 以上とするのが一般的

・軽量骨材には、蓋付きのピクノメーター

がよい

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

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4.試料

資料の採取及び調整方法は、次による。

a) 試料は、代表的なものを採取し、四分法又は試料分取器によ

って、ほぼ所定量となるまで縮分する(TS A 0026 参照)。その

質量は約2kg以上とし、それを四分法又は試料分取器によって

約 1kg 以上ずつに二分する。

b) 縮分された試料約 1kg 以上を、24 時間吸水させる。水温は吸

水時間の少なくとも 20 時間は 20±5℃に保つ。

c) b)の試料を平らな面の上に薄

く広げ、暖かい風を静かに送

りながら、均等に乾燥させるた

め、ときどきかき回す。

d) ①細骨材の表面にまだ幾分表面水があるときに、細骨材

をフローコーンに緩く詰める。

②上面を平らにならす。

Point: ストックヤード又はダンプトラック上より均等に代表試料を

試料量の 4 倍以上採取する

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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① 空気中乾燥状態 → 霧吹き等で少量の水を加え、

良く混合し覆いを被せ、30 分

程度後に再確認

② 湿潤状態 (スランプせずコーンの形を保つ)

→ 再び細骨材を広げ、均等に乾燥

③ 表乾状態

表乾状態の例

③試料の上面から突き棒の重さだけで力を加えず速やかに 25 回

軽く突く。

④突き固めた後、残った空間を再度満たしてはならない

⑤フローコーンを静かに鉛直に引き上げる。試料を少しずつ乾燥

させながら、前記の方法を繰り返し、フローコーンを引き上げた

ときに、細骨材のコーンが初めてスランプしたとき、表乾状態で

あるとする。

○参考(表乾状態について)

最初にフローコーンを取り去った場合に、細骨材のコーンがスラン

プしたときは、表乾状態を過ぎているので、その時には少

量の水をよく加えてよく混合し、覆いをして 30 分おいた

後、再度試験を繰り返す。

Point: フローコーンを動かないように押さえ

て、周りのこぼれた細骨材を除去

する

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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e) d)の試料を二分(約 500g)し、それぞれを密度(m2)及び吸水率

試験(m4)の1回の試料とする。

5.試験方法

5.1 密度

密度試験は、次のとおり行う。

a) ピクノメータに水(水道水など清浄な水)をキャリブレーションされ

た容量を示す印まで加え質量(m1)を 0.1g まではかり、また水

温(t1)をはかる。

b) ピクノメータ中の水を少しすて 4.e)の密度試験用試料質量(m2)を 0.1g まではかった後、ピクノメ

ータに入れ、水をキャリブレーションされた容量を示す印まで水を加える。

c) ピクノメータを平らな板等の上で転がして、泡を追い出した後 20±5℃の水槽に漬ける。

d) 約 1 時間ピクノメータを水槽につけ

てから、更にキャリブレーションされ

た印まで水を加え、そのときの質量

(m3)を 0.1g まではかり、また水温

(t2)をはかる。水槽につける前後の

ピクノメータ内の水温の差(t1 と t2 の

差)は 1℃を超えてはならない。

20±2℃ 恒温水槽

Point: ピクノメータ内の水に温度差が生じると、密度に

影響するため、注意して試験する。

Point: 測定は速やかに行い、細骨材が乾燥しないよう

に注意する

Point:試料をビクノメータに入れる前に少量の水(底から 1~2cm 程度)を入れておけば、

ビクノメータを割る恐れが少なくなる。

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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5.2 吸水率

4.e)の吸水率試験用試料の質量

(m4)を 0.1g まではかった後、105

±5℃で一定質量(24 時間乾燥)

となるまで乾燥し、デシケータ(乾

燥機)内で室温まで冷やし、その

質量(m5)を 0.1g まではかる。

5.3 試験の回数

密度及び吸水率の試験は、4.a)で二分した試料についてそれぞれ1回ずつ行う。

6.計算

計算は次による。

a) 細骨材の表乾密度、絶乾密度及び吸水率は、次の式によって算出し、四捨五入によって、

小数点以下 2 けたに丸める。

☆ 表乾状態における密度(g/cm3)

(注) 水の密度は試験温度に応じて次の値を用いる。

温度

℃ 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

密度 g/cm3

0.9991 0.9989 0.9988 0.9986 0.9984 0.9982 0.9980 0.9978 0.9975 0.9973 0.9970

☆ 絶乾状態における密度 (g/cm3)

☆ 絶乾状態における吸水率 (%)

dS=(m2×ρw)/(m1+m2-m3)

ここに、ds:表面密度(g/cm3)

m1:水で満たしたピクノメータの全質量(g)

m2:表乾密度試験用試料の質量(g)

m3:試料と水で満たしたピクノメータの質量(g)

ρw:試験温度における水の密度(注)(g/cm3)

dd=ds×m5/m4

ここに、dd:絶乾密度(g/cm3)

m4:表面乾燥飽水状態の吸水率試験用試料の質量(g)

m5:乾燥後の吸水率試験用試料の質量(g)

Q=(m4-m5)/m5

ここに、Q:吸水率(質量百分率)(%)

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b) 2 回の試験の平均値を、四捨五入によって小数点以下2けたに丸め、密度及び吸水率の値

とする。

7.精度

平均値からの差が、密度の場合は、0.01g/cm3 以下、吸水率の場合は 0.05%以下でなけれ

ばならない。

8.報告

報告は、次の事項を記載する。

a) 骨材の種類、大きさ外観及び産地 b) 試料を採取した日時 c) 試験で用いた水の温度

d) 表乾密度及び絶乾密度 e) 吸水率

●重要項目

・一般に密度が大きいものは強度が大きく、吸水率が小さい。

※JIS A 5308(附属書 A)規定値:砂 絶乾密度 2.5g/cm3 以上 ,吸水率 3.5%以下

※JIS A 5005 規定値:砕砂 絶乾密度 2.5g/cm3 以上 ,吸水率 3.0%以下

●骨材の受入検査頻度 (絶乾密度及び吸水率)

[JIS Q 1011 分野別認証指針(レディーミクストコンクリート)による]

・骨材の受入検査(絶乾密度及び吸水率)の頻度は次のとおりとする。

骨材の種類

JIS A 5005 天然骨材 JIS A 5011-1 JIS A 5011-2

砕砂 砂 高炉スラグ細骨材 フェロニッケルスラグ細骨材

JIS マーク品 その他 JIS マーク品 その他 JIS マーク品 その他

頻度及び試験機関 1-b・c 1-a・b 1-a・b 1-c 1-a・b・c 1-c 1-a・b・c

骨材の種類

JIS A 5011-3 JIS A 5011-4 JIS A 5002 JIS A 5021

銅スラグ細骨材 電気炉酸化スラグ細骨材人工軽量骨材 コンクリート用再生骨材 H

細骨材 再生細骨材 H

JIS マーク品 その他 JIS マーク品 - JIS マーク品

頻度及び試験機関 1-c 1-a・b・c 1-c 1-a・b・c 2W-b・c

凡例(試験頻度)

1:1 回以上/月 2W:1回以上/2 週

(試験機関)

a:申請者の工場

b:申請者の工場又は骨材製造業者が“公平であり妥当な試験のデータ及び結果を出す十分な能力

をもつ第三者試験機関”へ依頼した試験成績表

c:骨材製造業者の試験成績表

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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●細骨材の表面乾燥飽水状態試験器具の検査方法

○フローコーンの寸法の測定方法

○突き棒の寸法測定方法

①コーン上面内径の測定は、上端面の

直行する内径を 2 点測定し、それぞれ

が規格値を満足すること。

上面内径 : 40±3mm

②コーン底面内径の測定は、下端面の

直行する内径を 2 点測定し、それぞれ

が規格値を満足すること。

下面内径 : 90±3mm

③コーン高さの測定方法は、ガラス板の

上にフローコーンを置き、ノギス深さ

測定器・直定規等で、2 点測定し、そ

れぞれが規格値を満足すること。

高 さ : 75±3mm

④コーン厚さの測定方法は、底面内径

縁の薄い方で直行する 2 点を測定し、

それぞれが規格値を満足すること。

厚 さ : 4mm以上

①突き棒は、一端の直径が、先端

をノギスにて、直行する 2 点測定

し、それぞれが規格値を満足する

こと。

直 径 : 23±3mm

質 量 : 340±15g

上面内径

40±3mm

40±

3mm

上面内径

40±3mm

40±

3mm

底面内径

90±3mm

90±

3mm

底面内径

90±3mm

90±

3mm

75±

3mm

75±

3mm

底面側

4mm以上

4mm

以上

底面側

4mm以上

4mm

以上

23±3mm23±3mm

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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器具番号:

検査年月日:

フローコーン

1 2

上面内径

下面内径

高さ

厚さ

突き棒

1 2

直径

断面

質量*)目視により変形、欠けなどの変状が認められないこと

細骨材の表面乾燥飽水状態試験器具検査表

23±3mm

円形であること*)

340±15g

規格値測定箇所

総合判定判定

40±3mm

90±3mm

75±3mm

4mm以上

測定箇所規格値 判定 総合判定

細骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1109:2006)

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乾燥機の温度保持検査方法

①乾燥機に細骨材 500gを入れた状態で、105℃に設定

した時、105℃に上がった時点から 1 時間毎に 5 時間ま

で測定し、それぞれが規格値を保持できること。

温度保持 : 105±5℃

器具番号:

検査年月日:

5時間

(      時      分)

総合判定

105 ± 5℃

105±5℃安定スタート

1時間

2時間

(      時      分)

(      時      分)

(      時      分)

3時間

(      時      分)

4時間

(      時      分)

測定時間 測定温度 判定

規格値

乾燥機温度保持検査表