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粗骨材の密度及び吸水率試験方法 JIS A 1110:2006制 定 2011/12/01 1/4 1.目的 粗骨材の密度及び吸水率を求めることを目的とする。 2.参考とする規格 JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法 JIS A 1135 構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法 JIS Z 8801-1 試験用ふるい-第 1 部:金属製網ふるい 3.器具 3.1 はかり はかりは、試料質量の 0.02%以下の目量を有するものとし、且つ、皿の中心から、直径 3mm以下の 金属線でかごをつるし、これを水中に浸すことができる構造とする。 3.2 金網かご 粗骨材を入れるかごは、目開き 3mm以下の金属でこれを作り、直径約 200mm、高さ約 200mmとする。 3.3 吸水性の布 粗骨材の粒子の表面の水膜をぬぐうの に用いる吸水性の布は、乾燥した柔らか いものとする。 (通常バスタオル、タオルケット等を用いる) 3.4 乾燥機 乾燥機は、排気口のあるもので、105±5℃に保持できるものとする。 Point: 構造用軽量骨材を絶対乾燥状態から 24 時間吸水させて試験する場合は、JISA1135 による。 ピクノメータを用いて粗骨材の密度及び吸水率を試験する場合は、JISA1109 によることができる。

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粗骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1110:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

1/4

1.目的

粗骨材の密度及び吸水率を求めることを目的とする。

2.参考とする規格

JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS A 1135 構造用軽量粗骨材の密度及び吸水率試験方法

JIS Z 8801-1 試験用ふるい-第 1 部:金属製網ふるい

3.器具

3.1 はかり

はかりは、試料質量の 0.02%以下の目量を有するものとし、且つ、皿の中心から、直径 3mm以下の

金属線でかごをつるし、これを水中に浸すことができる構造とする。

3.2 金網かご

粗骨材を入れるかごは、目開き 3mm以下の金属でこれを作り、直径約 200mm、高さ約 200mmとする。

3.3 吸水性の布

粗骨材の粒子の表面の水膜をぬぐうの

に用いる吸水性の布は、乾燥した柔らか

いものとする。

(通常バスタオル、タオルケット等を用いる)

3.4 乾燥機

乾燥機は、排気口のあるもので、105±5℃に保持できるものとする。

Point: 構造用軽量骨材を絶対乾燥状態から 24 時間吸水させて試験する場合は、JISA1135 による。

ピクノメータを用いて粗骨材の密度及び吸水率を試験する場合は、JISA1109 によることができる。

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粗骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1110:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

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4.試験

試料の採取及び調整方法は次による。

a) 試料は代表的なものを採取し、JISZ8801-1

に規定する公称目開き 4.75mmの金属製網

ふるいにとどまる粗骨材を、四分法または試

料分取器によって、ほぼ定量となるまで縮分

する。

b) 普通骨材の1回の試験に使用する試料の最小質量は粗骨材の最大寸法(mm 表示)の 0.1 倍をキログラム

表示した量とする。 軽量骨材については、次式によって、おおよその試料質量を定める。

粗骨材最大寸法 (mm)

1 回の試験に使用する試料の最小質量 (kg)

15 1.5

20 2.0

25 2.5

40 4.0

c) 試料を水で十分に洗って、粒の表面に

付いているごみ、その他を取り除き、20

±5℃の水中で 24 時間吸水させる。

d) 試料を水中から取り出し、水切り後、吸水

性の布の上にあける。試料を吸水性の布

の上で転がして、目で見える水膜をぬぐ

い去り、表乾状態とする。

e) d)の試料を、密度及び吸水率試験の1回の試料とする。

5.試験方法

a) 4.e)の試料の質量(m1)をはかる。

mmin=(dmax×De)/25 ここに、mmin:試料の最小質量(kg)

dmax:粗骨材の最大寸法(mm) De:粗骨材の推定密度(kg/cm3)

Point: 試験は 2 回行うので、ここでは上表×2 倍の

試料を準備する

Point: 表乾状態は、表面が湿りながらも光ってない状態とする。

粒を一つずつぬぐう場合は、一部で極端に乾燥する恐れがあるので、注意を要する。

Point: それぞれの質量は、試料質量の 0.02%まではかる。

(Gmax15:0.3g,Gmax20:0.4g,Gmax40:0.8g)

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粗骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1110:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

3/4

b) 試料を金網かごに入れ、水中で振動を与え、粒子表面と粒子間の付着空気を排除した後、20±5℃の

水中で試料が入った状態で金網かごの見掛けの質量(m2)をはかり、また水温をはかる。なお、水は上

水道水など清浄な水とする。

c) 金網かごの水中における見掛け質量(m3)をはかる。

d) 水中から取り出した試料を 105±5℃で一

定質量となるまで乾燥し、室温まで冷やし、

その乾燥質量(m4)をはかる。

(試料質量の 0.02%まではかる)

e) 密度及び吸水率の試験は、同時に採取し

た試料について2回行う。

6.計算

a) 粗骨材の表乾密度、絶乾密度及び吸水率は、それぞれ次の式によって算出し、四捨五入によって、

小数点以下 2 けた丸める。

☆ 表乾密度(g/cm3)

注(*) 水の密度は試験温度に応じて次の値を用いる。

温度 ℃

15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

密度 g/cm3

0.9991 0.9989 0.9988 0.9986 0.9984 0.9982 0.9980 0.9978 0.9975 0.9973 0.9970

*金網かご目開き : 3mm以下直 径 : 約200mm高 さ : 約200mm

DS=(m1×ρw)/(m1-m2+m3)

ここに、Ds:表乾密度(g/cm3)

m1:表面乾燥飽水状態における試料の質量(g)

m2:試料と金網かごの水中の見掛けの質量(g)

m3:金網かごの水中の見掛け質量(g)

ρw:試験温度における水の密度(*)(g/cm3)

Point: 金網かごが水中に没している高さは、金網かごだけの場合と

金網かごと試料の場合において一定となるように調整する。

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粗骨材の密度及び吸水率試験方法 (JIS A 1110:2006)

制 定 2011/12/01 改 正

4/4

☆ 絶乾密度 (g/cm3)

☆ 吸水率 (%)

b) 2 回の試験の平均値を、四捨五入によって小数点以下 2 けたに丸め、密度及び吸水率の値とする。

7.精度

平均値からの差が、密度の場合は 0.01g/cm3 以下、吸水率の場合は 0.03%以下でなければならない。

8.報告

報告は、次の項目のうち必要なものを記載する。

a) 骨材の種類、大きさ、外観及び産地

b) 試料を採取した日

c) 試験で用いた水の温度

d) 表乾密度及び絶乾密度

e) 吸水率

Dd=(m4×ρw)/(m1-m2+m3)

ここに、Dd:絶乾密度(g/cm3)

m4:絶対乾燥状態の試料の質量(g)

Q=(m1-m4)/m4

ここに、Q:吸水率(質量百分率)(%)