災害に強い構造と設備...働きやすいオープンなワークプレイス...

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屋上庭園「 エントランス 機械式駐車場 3F 2F 1F B1F B2F 4F 5F 6F 7F 8F 9F 10F RF 最高高さ 51.05 m 建物高さ 39.95 m 災害に強い構造と設備 一般的なオフィスビルに比べ、約 60%のエネルギー削減をめざす 免震構造を採用し、大地震時にも東京の拠点として主要機能を維持できるように、被害を最小 限とする。水害に備え、主な設備機器は屋上等に設置、中央管理室やネットワーク室は2階以 上に設置。インフラ途絶時には、非常用発電機による電源供給により、72 時間のビル機能維持 のための電源供給や帰宅困難者支援が行える電源供給を行う。また給水排水インフラ途絶時を 想定し、在館者 3 日分の給排水槽の確保や雑排水の供給、飲料水の備蓄を行う。また、停電時 には、執務室等は熱源を用いた空調は行わず、自然換気窓より必要な外気量を供給する。 1 別紙 西日を遮るスクリーンと庇により建物外部で日射負荷を断ち、さ らに、眺望を確保しながら日射をカットするクライマー式ブラン ド内蔵ダブルスキンウィンドウで日射の侵入を抑える。 放射パネルを照らすように配置した省電力 LED 照明は、 天井パネルを効果的に照らして室内に明るさ感を与え、 照明の省電力に寄与する。 放射空調のための冷水、温水は中 央熱源設備で作られる。冷やしす ぎず、暖めすぎないように室温に 近い温度に調整できるので、省エ ネルギー効果が高い。 屋上で芋による緑化を行い、真夏 に空調熱源の周囲気温を低下させ て、省エネルギーに資する工夫を している。この芋は秋に収穫し、 地産地消のシンボルとなる。 防災拠点エリアへの電源供給 100% 一般事務窓エリアへの電源供給(一部) 帰宅困難対応 停電時も最小限の換気量を確保 水害時を考慮した配置 水害時を考慮した配置 インフラ途絶時も在館者 100% の3日分のトイレ・洗浄水・汚 水排水槽を確保 微小から大きな揺れまでスムー ズにエネルギーを吸収するオイ ルダンパー、大きい揺れを確実に 吸収する鉛プラグ入り積層ゴム 支承と、2つのダンパーであらゆ る地震に対してしっかり性能を 発揮する免震構造としている。 厨房排水を処理し、再生水として建物内で再利用しており、井水 利用、節水器具採用と併せて、水資源の徹底した節約を図り、都 市インフラへの負荷を抑制している。 井戸水は万一の水道途絶時の安定水源となり、通常時も建物の水 源として利用する。また井水は年間を通して温度が一定となるこ とから冷暖房への熱利用も行って、多段階に利用している。 免震層空間のクールヒートトレンチにより空調取入れ外気を夏に は冷やし、冬には温めて地中熱利用を行っている。 窓際の採光に応じて明るさセンサーによる調光を行い、 また室内天井にきめ細かく設置した人感センサーにより 不在エリアの照明を減光し、無駄を省く。 最新の節水型衛生器具を用いて、水資源節約を徹底して いる。大便器は 3.8L の節水洗浄型としている。 数多くの省エネルギー手法を相互に融合させて採用して 確実な環境負荷削減を果たし、その立地、設計、建設、 また運用時検証体制を確立することで、LEED - CS でプ ラチナの取得を目指している。 春や秋の気候の良い季節に、外気の冷却能力を利用して 冷房を行う省エネ手法。外気取入れの外装シャフトにミ ストを噴霧して更に外気をクールダウンさせている。 座席ごとにパソコンなどの電力使用機器の稼働状況を把握できる コンセントにより、無駄な待機電力をカットし、また在席者を把 握し、適切な空調換気制御に活かしている。 放射パネル+デシカント空調+微気流 - 放射空調は、冷温水を通したパネルによる放射効果を利用 した空調方式。エアコンに代表される一般的な空調のよう に冷風や温風による不快感がない。 - デシカント空調は、吸放湿材を活用した調湿外気処理方式 で、夏にはカラッと冬には適度な湿度を保つ空調方式。 - 微気流として、省電力の小型ファンで放射冷房にそよ風を 付加することで快適性を向上させているLED 照明の採用 照明の明るさ、人感センサー制御 節水型衛生器具の採用 LEED-CS プラチナの獲得をめざす 外気冷房+外装シャフトのミスト設備 高性能コンセント設備 タスクアンドアンビエント照明 外装のスクリーン効果+ブラインド内蔵ダブルスキン ウィンドウ、庇による負荷低減 自然換気窓 全館 中央管理室 ネットワーク室 厨房除害再生水処理設備 井水の熱と水源への多段階利用 クールヒートトレンチによる地中熱利用 非常用発電機 中央熱源方式 芋緑化による 室外機運転効率の向上 給排水槽 免震構造

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Page 1: 災害に強い構造と設備...働きやすいオープンなワークプレイス 外部識者指導の下、社内の「ワークプレイス研究会」にて3年以上にわたる検討・実証実験を経て、

屋上庭園「

エントランス

機械式駐車場

▽3F

▽2F

▽1F

▽B1F

▽B2F

▽4F

▽5F

▽6F

▽7F

▽8F

▽9F

▽10F

▽RF

▽最高高さ 51.05 m

▽建物高さ 39.95 m

災害に強い構造と設備

一般的なオフィスビルに比べ、約 60%のエネルギー削減をめざす

免震構造を採用し、大地震時にも東京の拠点として主要機能を維持できるように、被害を最小

限とする。水害に備え、主な設備機器は屋上等に設置、中央管理室やネットワーク室は2階以

上に設置。インフラ途絶時には、非常用発電機による電源供給により、72 時間のビル機能維持

のための電源供給や帰宅困難者支援が行える電源供給を行う。また給水排水インフラ途絶時を

想定し、在館者 3日分の給排水槽の確保や雑排水の供給、飲料水の備蓄を行う。また、停電時

には、執務室等は熱源を用いた空調は行わず、自然換気窓より必要な外気量を供給する。

1

別紙

西日を遮るスクリーンと庇により建物外部で日射負荷を断ち、さらに、眺望を確保しながら日射をカットするクライマー式ブランド内蔵ダブルスキンウィンドウで日射の侵入を抑える。

放射パネルを照らすように配置した省電力 LED照明は、天井パネルを効果的に照らして室内に明るさ感を与え、照明の省電力に寄与する。

放射空調のための冷水、温水は中央熱源設備で作られる。冷やしすぎず、暖めすぎないように室温に近い温度に調整できるので、省エネルギー効果が高い。

屋上で芋による緑化を行い、真夏に空調熱源の周囲気温を低下させて、省エネルギーに資する工夫をしている。この芋は秋に収穫し、地産地消のシンボルとなる。

防災拠点エリアへの電源供給 100%一般事務窓エリアへの電源供給(一部)帰宅困難対応

停電時も最小限の換気量を確保

水害時を考慮した配置

水害時を考慮した配置

インフラ途絶時も在館者100%の3日分のトイレ・洗浄水・汚水排水槽を確保

微小から大きな揺れまでスムーズにエネルギーを吸収するオイルダンパー、大きい揺れを確実に吸収する鉛プラグ入り積層ゴム支承と、2つのダンパーであらゆる地震に対してしっかり性能を発揮する免震構造としている。

厨房排水を処理し、再生水として建物内で再利用しており、井水利用、節水器具採用と併せて、水資源の徹底した節約を図り、都市インフラへの負荷を抑制している。

井戸水は万一の水道途絶時の安定水源となり、通常時も建物の水源として利用する。また井水は年間を通して温度が一定となることから冷暖房への熱利用も行って、多段階に利用している。

免震層空間のクールヒートトレンチにより空調取入れ外気を夏には冷やし、冬には温めて地中熱利用を行っている。

窓際の採光に応じて明るさセンサーによる調光を行い、また室内天井にきめ細かく設置した人感センサーにより不在エリアの照明を減光し、無駄を省く。

最新の節水型衛生器具を用いて、水資源節約を徹底している。大便器は 3.8L の節水洗浄型としている。

数多くの省エネルギー手法を相互に融合させて採用して確実な環境負荷削減を果たし、その立地、設計、建設、また運用時検証体制を確立することで、LEED - CS でプラチナの取得を目指している。

春や秋の気候の良い季節に、外気の冷却能力を利用して冷房を行う省エネ手法。外気取入れの外装シャフトにミストを噴霧して更に外気をクールダウンさせている。

座席ごとにパソコンなどの電力使用機器の稼働状況を把握できるコンセントにより、無駄な待機電力をカットし、また在席者を把握し、適切な空調換気制御に活かしている。

放射パネル+デシカント空調+微気流- 放射空調は、冷温水を通したパネルによる放射効果を利用 した空調方式。エアコンに代表される一般的な空調のよう に冷風や温風による不快感がない。 - デシカント空調は、吸放湿材を活用した調湿外気処理方式 で、夏にはカラッと冬には適度な湿度を保つ空調方式。 - 微気流として、省電力の小型ファンで放射冷房にそよ風を 付加することで快適性を向上させている。

LED照明の採用

照明の明るさ、人感センサー制御

節水型衛生器具の採用

LEED-CS プラチナの獲得をめざす

外気冷房+外装シャフトのミスト設備

高性能コンセント設備タスクアンドアンビエント照明

外装のスクリーン効果+ブラインド内蔵ダブルスキンウィンドウ、庇による負荷低減

自然換気窓

全館

中央管理室

ネットワーク室

厨房除害再生水処理設備

井水の熱と水源への多段階利用

クールヒートトレンチによる地中熱利用

非常用発電機

中央熱源方式

芋緑化による室外機運転効率の向上

給排水槽

免震構造

Page 2: 災害に強い構造と設備...働きやすいオープンなワークプレイス 外部識者指導の下、社内の「ワークプレイス研究会」にて3年以上にわたる検討・実証実験を経て、

放射+デシカント+微気流空調の概念

BIM※を活用した微気流+放射冷房による快適な執務環境の創出

※BIM:ビルディングインフォメーションモデリング /コンピューター上に作成した3次元の建物モデル

気流分布室温分布

外気ダクト(デシカント空調で温湿度を調節した外気)

放射が人体の熱を取り去る微気流 +放射冷房

微気流

天井面 23℃ 放射パネル

微気流

体表面 32℃

室内温度 28℃床吸込み

デシカント空調機

28℃の室温でも、26℃と同程度の快適性を確保

放射パネル+デシカント空調+微気流による快適な執務環境ワークプレイスの空調設備は、冷温水を循環させる放射パネルと、冷房時の除湿を行うデシカ

ント空調とすることで、特に夏の冷房時にからりとしてドラフト感の少ない快適な環境として

いる。また微気流をいかして、木陰のそよ風の心地よさを加え、省エネルギーと快適性を向上

させている。

さらに春や秋の中間期にはファンでアシストした自然換気(外気冷房)を行い、できるだけエ

ネルギーを使わない空調を実現している。

相互に隙間を持たせて放射パネルを配置することで、配管のある裏面で冷やされた空気が緩や

かな循環を生んでいる。また木陰のそよ風のような微気流を与えることでできるだけエネルギー

消費を少なく、快適な執務環境を創出している。

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別紙

Page 3: 災害に強い構造と設備...働きやすいオープンなワークプレイス 外部識者指導の下、社内の「ワークプレイス研究会」にて3年以上にわたる検討・実証実験を経て、

働きやすいオープンなワークプレイス外部識者指導の下、社内の「ワークプレイス研究会」にて3年以上にわたる検討・実証実験を経て、

オフィス学やコミュニケーションの見地よりYKKらしいワークプレイスを配した。このワー

クプレイスは、エレベータや階段などの縦動線を分散配置し、約 1800 ㎡のワンフロアを見通し

良く、広々と使える平面計画としている。4階から屋上階(R階)を貫通する階段をワークプレ

イス内のへそ部分に設け、上下階のコミュニケーションを誘発する。

CH=2800

CH=2450

床:OAフロア 床下リターンチャンバー

天井:放射空調パネル 設備スリット:外気導入、防災機器LEDライン照明

事務室 EVホールリフレッシュコーナー

事務室 EVホール

基準階平面図

基準階インテリア CG

3

123

45

1

23

4

5

別紙

開放的なリフレッシュコーナー

アメニティの充実したトイレ

多方向から外光が入る明るいオフィス

コミュニケーションを誘発する内部階段

西側のアルミ押出形材スクリーン

基準階面積:約 1,800㎡

Page 4: 災害に強い構造と設備...働きやすいオープンなワークプレイス 外部識者指導の下、社内の「ワークプレイス研究会」にて3年以上にわたる検討・実証実験を経て、

クライマーブラインド

断面詳細図

アルミ押出形材アイソメ図 クライマー式ブラインドを内蔵したダブルスキンウィンドウ断面詳細図

部分 A拡大図

部分A

部分 B拡大図

部分B

部分 B

外装:押出形材 ” Y バー”

外気ダクト

OAフロアH=175

3,85

0

格子材 ”Y バー ”

つなぎ材

ブラインドリベット

アルミ押出形材

アルミ押出形材

新しい「顔」をつくる機能的なファサードデザイン西面ファサードは矢羽型のアルミ押出形材による繊細なスクリーンを、2階以上の間口60m、

高さ36mのファサード全面に配置し、外観はスケール感を消して抽象的な表現としている。

このスクリーンは西日や騒音などの外部環境の影響をやわらげるとともに、室内側からはコン

トロールされた眺望が確保できるものとしている。スクリーンの内側には奥行 1.5 mの庇とク

ライマー式ブラインドを内蔵したダブルスキンウィンドウを設置し、ブラインドを自動制御す

ることにより直射の侵入を防ぎながら開放感をえられるしくみとしている。

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別紙