細胞性免疫細胞性免疫 1 - medic-grp.co.jp · 重症複合免疫不全 ・t細胞腫瘍...
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抗体が関与する体液性免疫に対して、生きたリンパ球などが主役を演ずるのが細胞性免疫であり、このリンパ球などを免疫担当細胞とよびます。その免疫担当細胞の数的な増減、機能的な状態を調べることにより免疫機構の状態を捉えます。
■検査の進め方免疫能の亢進・低下
↓末梢リンパ球数 血清免疫グロブリン定量
↓T・B細胞百分率
↓モノクローナル抗体によるリンパ球解析
↓リンパ球機能検査
↓リンパ球幼若化試験 ADCC活性 NK細胞活性
■末梢リンパ球数末梢リンパ球数
易感染症 B↑ T↑ T↑、B↑B↓ T↓T↓、B↓
正常1,000 ~ 4,000 /μℓ
減少<1,000 /μℓ
増加>4,000 /μℓ
血小板数
正常
減少
(-) (+)
低下
上昇
低下
上昇
正常
正常
低下
整 花弁状
少 多
減少
細菌検査
好中球
細菌検査
CD4/
CD8比
重症複合
免疫不全症
Wiskot-Aldorich
症候群
Burton
型
無γ-
グロブリン血症
好中球
機能不全
ATL
セザリー症候群
リンパ球
機能検査
異型
リンパ球
EBV
CMV
核
型
好中球
機能検査
CD4/
CD8比
結核菌(-)
結核菌(+)
HIV抗体価
LーMT
リンパ節腫脹
胸腺無形成症
悪性リンパ腫
結核
自己免疫疾患
HIV感染
好中球減少症
細胞性免疫不全
ウイルス感染
伝染性単核症
百日咳
CLL
ツ反
免疫グロブリン著減
抗体価 ↑
細胞性免疫細胞性免疫
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■モノクローナル抗体によるリンパ球表面マーカーの自動解析実施抗体一覧 CD: Cluster of diff erentiationCD No. 基 準 値 主として反応する細胞・代表的な反応性CD1 1.0%以下 胸腺皮質細胞CD2 71.0 ~ 91.0% 汎 T細胞・Eロゼット形成細胞CD3 58.0 ~ 84.0% 成熟(末梢)T細胞CD4 25.0 ~ 54.0% インデューサー /ヘルパーT細胞CD8 23.0 ~ 56.0% サプレッサー /細胞障害性T細胞CD4CD8比 0.40 ~ 2.30CD5 60.0 ~ 90.0% 汎 T細胞・一部のB細胞CD7 72.0 ~ 90.0% 汎 T細胞CD10 1.0%以下 common-ALL・好中球CD11b 18.0 ~ 49.0% NK細胞・サプレッサーT細胞の一部CD13 9.0%以下 単球・顆粒球・骨髄細胞CD14 5.0%以下 単球CD16 6.0 ~ 39.0% NK細胞(FCγレセプター)CD19 5.0 ~ 24.0% 汎 B細胞CD20 3.0 ~ 20.0% 汎 B細胞CD21 3.0 ~ 18.0% C3d/EBVレセプター・成熟B細胞CD22 2.0 ~ 17.0% 成熟B細胞CD25 8.0 ~ 34.0% IL-2 レセプター /p55TacCD30 1.0%以下 活性化T・B細胞・ホジキン細胞CD33 5.0%以下 未熟顆粒球・APL・AMLCD34 1.0%以下 骨髄幹細胞・B前駆細胞CD38 18.0 ~ 59.0% 活性化及び増殖細胞CD56 9.0 ~ 43.0% neural cell adhesion molecule(NCAM), NK細胞・LAK細胞CD57 4.0 ~ 45.0% NK細胞・サプレッサーT細胞の一部
HLA-DR 11.0 ~ 46.0% B細胞・活性化T細胞(HLA-DR抗原)
■T・B細胞百分率末梢血Tリンパ球比率
値 方 針 高頻度にみられる疾患 否定できない主要疾患
50>%
Tリンパ球サブセット ヘルパーT サプレッサーTBリンパ球比率血清免疫グロブリンのチェック IgG、IgA、IgM易感染性のチェック
・先天性T細胞免疫不全症 Wiskott-Aldrich 症候群 分類不能型免疫不全症・Di George 症候群・毛細血管拡張性失調症・B細胞腫瘍 B-ALL、B-CLL HLC、Bリンパ腫
CKT4 欠損薬剤栄養失調癌自己免疫疾患AIDS
50 ~ 85% 免疫学的な重大疾患は否定できる ・健康
>85%
Tリンパ球サブセット ヘルパーT、サプレッサーT 二重染色残存B細胞量 (相対・絶対量 )縦隔腫瘍の有無、リンパ球腫脹の有無肝脾腫の有無、皮膚浸潤の有無
・T細胞腫瘍 T-ALL、T-CLL ATL、Tリンパ腫・伝染性単核症
自己免疫疾患
末梢血Bリンパ球比率値 方 針 高頻度にみられる疾患 否定できない主要疾患
5>% 血清免疫グロブリンのチェック
・先天性B細胞性免疫不全 重症複合免疫不全・T細胞腫瘍 T-ALL、T-CLL ATL、Tリンパ腫
薬剤栄養障害
5~ 20% 免疫学的な重大疾患は否定できる ・健康
>20%
B細胞のサブクラス 表面免疫グロブリン 細胞内免疫グロブリンのサブクラスのチェック
血清免疫グロブリンのチェック IgG、IgA、IgM残存 T細胞量 (相対・絶対 )リンパ節腫脹、肝脾腫のチェック骨髄穿刺
・B細胞腫瘍 B-ALL、B-CLL HCL、Bリンパ球腫
感染炎症自己免疫疾患薬剤
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■リンパ球幼若化試験
リンパ球幼若化(芽球化)試験に用いられる抗原
抗原の種類 反応リンパ球 基準値(刺激係数)
mitogenレ ク チ ン な ど
PHA T
数十~数百
Con A TPMA T ・BPWM T ・BSAC BProtein A など B
抗リンパ球抗体抗CD3抗体、抗 TCR抗体など T抗免疫グロブリンμ鎖抗体 B
スーパー抗原細 菌 毒 素
SEB、SEC、SED、SEEなど T数十以上TSS-1 T
内 因 性 抗 原 Mis など T
特異抗原
同 種 抗 原 HLAクラスⅡ抗原 T
20 以上自 己 抗 体 自己のHLAクラスⅡ抗原 T細 菌 由 来 抗 原 破傷風トキソイド、PPDなど Tア レ ル ゲ ン スギ花粉、ダニ抗原など T
薬 剤 ペニシリン、ストレプトマイシン、テトラサイクリンなど T ? 2 以下
■細胞性免疫検査の意義検査項目 測定意義
T細胞 ・B細胞百分率 リンパ球は、細胞性免疫に関与するT細胞 ( 胸腺由来リンパ球 )と抗体産生前駆細胞であるB細胞 (骨髄由来リンパ球 )の 2つのSubpopulation に大別されます。形態学上両者を光顕レベルで識別することは困難であり、フローサイトメトリーにより鑑別します。
モノクローナル抗体によるリンパ球表面マーカーの解析
リンパ球はT細胞、B細胞に加えNK細胞のサブセットにおおまかに分けられます。これらは、細胞膜抗原の違いからモノクローナル抗体で識別することができます。モノクローナル抗体は、CD番号をつけてまとめられ、目的に応じて選択します。
Two-Color 解析によるリンパ球表面マーカー検査
2種類のモノクローナル抗体に別々の色の蛍光を標識して 2色で解析することにより、従来のSingle-color 解析より詳細な解析ができます。
リンパ球幼若化(芽球化)試験
リンパ球が非特異的なmitogen や特異抗原などにより芽球様細胞へと幼若化し、分裂増殖の過程を経てエフェクター細胞となります。リンパ球機能が有効に働きうるものか否かを調べます。mitogen としてPHA、Con A がよく使われます。
薬剤によるリンパ球刺激試験
細胞性免疫に対するアレルギーを調べる検査です。 薬剤アレルギーでは、原因薬剤が抗原あるいはハプテンとして作用し感作が成立しています。そこで、薬剤アレルギー症状の患者リンパ球に、in vitro で原因薬剤を加えて培養すると幼若化が起こり、幼若化の程度を測定し検索します。Ⅳ型薬剤アレルギー反応としてとくに有効性が高いですが、Ⅳ型以外の薬剤アレルギーにも反応できると考えられています。
ADCC活性(Antibody dependent cell mediated cytotoxicity)
抗血清、エフェクター細胞、標的細胞の三者を in vitro で混合培養し、標的細胞の障害を調べます。
NK細胞活性 K562 細胞 ( 白血病細胞株)を 51Cr でラベリングし、リンパ球と培養させ、51Cr の遊離される量を調べます。