特定健診・保健指導の運用等の見直し、 データヘル...

89
特定健診・保健指導の運用等の見直し、 データヘルスの取組と展望 平成28年12月14日 厚生労働省 保険局 医療介護連携政策課 データヘルス・医療費適正化対策推進室長 高木 有生

Upload: others

Post on 17-Jun-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

特定健診・保健指導の運用等の見直し、

データヘルスの取組と展望

平成28年12月14日

厚生労働省 保険局 医療介護連携政策課データヘルス・医療費適正化対策推進室長 高木 有生

第3期(H30~35年度)に向けた保険者の保健事業に関する主なポイント

(いずれも保険者機能の強化の観点からの取組が重要)

○ 特定健診・保健指導の実施率向上(健診70%、保健指導45%目標の達成)

○ 特定健診・保健指導の運用等の見直し、全保険者の実施率の公表

○ 保険者インセンティブ(保険者努力支援制度、高齢者支援金加算減算制度)

○ 次期データヘルス計画の本格運用(H30年度~)、外部事業者の活用

○ NDBオープンデータ(H28年10月~)、都道府県医療費適正化計画(H30

年度~)との整合性の確保、保険者協議会の機能強化

○ マイナンバー制度の情報連携稼働(H29年7月~)、ICTの活用、ネット

ワークの基盤強化

1

特定健診・保健指導の実施状況

2

特定健診・保健指導の見直しスケジュール

平成28年1月~ 特定健診・保健指導の保険局検討会で、見直しの議論開始

8月 中間まとめ公表(特定健診の見直し項目、質問票の見直し項目)

9月~ 特定保健指導の運用等の見直しについて議論

年内 運用等の見直しの方向性について議論

年度内 特定健診・保健指導の見直しのとりまとめ(予定)

平成29年度 保険者・健診機関等において必要なシステム改修

平成30年度~ 第3期計画期間の特定健診・保健指導の実施

3

○ 特定健診は、運動・食事・喫煙などに関して不適切な生活習慣が引き金となって、肥満、脂質異常、血糖高値、血圧高値から起きる虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病など保健指導により発症や重症化を予防でき、健診データなど客観的指標で保健指導の効果を評価できるものをターゲットにしている。

○ また、①保険者では継続的にデータを把握することで、保健指導の成果の評価や効果的な資源投入が可能になる、②国に報告された大規模データの活用により、国全体で受診者の状態の把握や保健指導の効果の検証が可能になるなど、保険者が効果的な保健事業を実施するために欠かせない基礎的な事業である。

○ 施行(H20年度)から8年経過し、実施率が着実に上がっているが、70%目標とは依然かい離があり、特に、①市町村国保、②協会けんぽ、③健保組合・共済の被扶養者について、更に実施率向上に向けた取組が求められている。

<特定健診> 受診者数 2019万人(H20年度) → 2616万人(H26年度) 毎年100万人増実施率 38.9% (H20年度) → 48.6% (H26年度)

特定健診の意義と実施率向上の必要性

30.9 30.1

59.5 59.9

35.3

43.4

72.5 74.2

84.6 87.8

45.0 39.0

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

市町村国保 協会けんぽ 健保組合 共済 健保本人 共済本人 健保被扶養 共済被扶養

70%目標

(%)

特定健診実施率(H20→26年度)

4

未受診の理由(国保)

41.2

27.9

20.0

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

医師に受診中 健康だから 時間の都合

(%)

厚生労働科研「未受診者対策を含めた健診・保健指導を用いた循環器予防のための地域保健クリティカルパスの開発と実践に関する研究 (研究代表者:慶應義塾大学医学部岡村智教教授)」より

N=18,156(国保・未受診者)※複数回答可

被用者本人と被扶養者の比較(H26年度)

0.0%1.8%

14.8%

36.4%30.8%

11.9%

3.5%0.7%

0.1%0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

市町村国保(全体)

平成25年度

平成26年度

構成割合

特定健診の実施率の分布(保険者別、H26年度)

0.6%2.4%

20.1%

31.7%

23.8%

14.0%5.5%

1.8%

0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

国民健康保険組合

平成25年度

平成26年度

構成割合

0.2%0.3%

0.6%1.3%

1.7%5.5%

18.3%

40.7%

27.3%

4.2%

0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

健康保険組合(全体)

平成25年度

平成26年度

構成割合

2.4%

16.5%

44.7%

36.5%

0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

共済組合

平成25年度

平成26年度

構成割合

5

0.4%

0.8%2.7%

6.5%10.4%

29.6%36.2%

13.5%

0%5%

10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

健康保険組合(総合)

平成25年度

平成26年度

構成割合

0.3%0.3%

0.5%1.0%

0.6%

4.4%

15.7%

41.7%

30.4%

5.2%

0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

健康保険組合(単一)

平成25年度

平成26年度

構成割合

0.0%1.8%

14.8%

36.4%30.8%

11.9%

3.5% 0.7%0.1% 0.0%

0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

市町村国保(全体) 平成25年度

平成26年度構成割合

0.0%

7.1%

39.3%

32.1%

21.4%

0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

市町村国保(大) 平成25年度

平成26年度構成割合

0.0%1.6%

16.8%

45.7%

28.3%

7.2%

0.5% 0.0% 0.0% 0.0%0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

市町村国保(中) 平成25年度

平成26年度構成割合

0.0%1.9%

12.2%

27.8%33.4%

16.7%

6.4%1.5%

0.1% 0.0%0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%55%

市町村国保(小) 平成25年度

平成26年度構成割合

市町村国保の特定健診実施率の分布(H26年度)市町村国保 市町村国保(大) 市町村国保(中) 市町村国保(小)

保険者数 1,738 28 823 887

特定健康診査対象者数 22,162,316 5,241,400 15,037,600 1,883,316

特定健康診査受診者数 7,831,046 1,522,927 5,540,509 767,610

特定健康診査実施率 35.3% 29.1% 36.8% 40.8%

6

※ 市町村国保の「大」「中」「小」は、特定健診対象者数に応じ規模別に集計したもの。「大」・・・対象者数が10万人以上の大規模保険者「中」・・・対象者数が5千人以上10万人未満の中規模保険者「小」・・・対象者数が5千人未満の小規模保険者

特定保健指導実施率の分布(H26年度)

7

1.0%3.4%

9.0%10.6%

9.8%8.8%

7.4%6.8%

6.0%6.0%

5.8%5.4%

5.4%4.0%

3.0%2.4%

2.2%2.9%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

(構成割合)

特定保健指導実施率(%)

市町村国保(全体)

13.4%

47.6%

18.9%

7.9%

3.7%3.7%

1.2%1.8% 0.6% 1.2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

(構成割合)

特定保健指導実施率(%)

国民健康保険組合

16.5%15.3%

20.0%

14.1%10.6%

3.5%2.4%

5.9%4.7% 3.5%

1.2% 2.4%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

(構成割合)

特定保健指導実施率(%)

共済組合

7.7%

21.8%

14.8%12.0%

8.7%7.7%5.2%

3.7%3.8%

3.1%

2.5%2.2%

1.4%1.8%

0.9%1.3%

0.9% 0.6%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

(構成割合)

特定保健指導実施率(%)

健康保険組合(全体)

各保険者の特定健診・保健指導の実施率の公表について

○ 特定健診・保健指導の実績については、保険者の実施率向上の取組を評価する観点から、現在、後期高齢者支援金の減算対象(特定健診・保健指導の実施率が高い)となった保険者名を公表している。

(※1)支援金減算対象保険者数(H26年度の実施率):市町村国保73、国保組合4、総合健保組合9、単一型健保組合71、共済4

○ 特定健診・保健指導は、生活習慣に起因する糖尿病等の発症・重症化の予防により医療費を適正化するため、保険者が共通に取り組む保健事業であり、効果的な保健事業に取り組む環境づくり(※2)を進め、保険者機能の責任を明確にする観点から、厚生労働省において、全保険者の特定健診・保健指導の実施率を公表する(※3)こととする。

(※2)特定保健指導による内臓脂肪の減少等の効果は、被保険者が保険者を異動しても効果の持続が期待される。保険者が継続して特定健診データを把握することで効果的な保健事業ができるので、本人同意のもとデータの保険者間移動も可能である。

(※3)一部の保険者では報告漏れやシステム上の不備により正確な実施率の報告ができていないが、こうした保険者も第3期に向け

たシステム改修を29年度中に行う中で必要な対応を行うことで、30年度に行う29年度実績の報告から正確な報告が可能である。

④依頼書・同意書を送付

⑤データを抽出・送付

<現・保険者>市町村国保

<前・保険者>健保組合

特定健診等結果データ

①説明と同意取得

本人が結果を保管していない等③同意書・前保険者等の情報取得

⑥保健事業(保健指導等)の実施

同意書依頼書

※退職者セミナー等で退職前に説明しておくことも必要

送料を支払う

本人(会社を退職し、被用者保険を脱退。市町村国保へ加入)

※①の説明の結果、本人が同意し、②本人が保管している過去の特定健診等結果通知表(コピー)を、現保険者に提供すれば、⑥の保健事業の実施が可能。本人が結果を保管していない場合、③~⑤の手続きを追加。

②本人が保管している特定健診結果等を提供

特定健診データの保険者間での移動 現在の対応の手順

同意書

※H28年3月にルールの雛形等を公表。6月に各保険者協議会に周知。

8

【平成26年度後期高齢者支援金の減算対象保険者①】

市町村国保(保険者数:85) 能美市(石川県) 下呂市(岐阜県) 石垣市(沖縄県)

沼田町(北海道) 野々市市(石川県) 島田市(静岡県) 国頭村(沖縄県)

比布町(北海道) 宝達志水町(石川県) 東浦町(愛知県) 読谷村(沖縄県)

上川町(北海道) 韮崎市(山梨県) 米原市(滋賀県) 南風原町(沖縄県)

上富良野町(北海道) 南アルプス市(山梨県) 御杖村(奈良県) 渡嘉敷村(沖縄県)

中富良野町(北海道) 甲州市(山梨県) 小松島市(徳島県) 座間味村(沖縄県)

南富良野町(北海道) 飯田市(長野県) 神山町(徳島県) 伊平屋村(沖縄県)

中川町(北海道) 伊那市(長野県) 吉野川市(徳島県) 南城市(沖縄県)

中頓別町(北海道) 千曲市(長野県) 美馬市(徳島県)

大樹町(北海道) 南相木村(長野県) 美波町(徳島県) 国保組合(保険者数:3)

田子町(青森県) 北相木村(長野県) 海陽町(徳島県) 京都料理飲食業国保組合

加美町(宮城県) 東御市(長野県) 飯塚市(福岡県) 大阪中央市場青果国保組合

会津若松市(福島県) 宮田村(長野県) うきは市(福岡県) 大阪木津卸売市場国保組合

只見町(福島県) 木曽町(長野県) みやま市(福岡県)

柳津町(福島県) 上松町(長野県) 久山町(福岡県)

三島町(福島県) 麻績村(長野県) 筑前町(福岡県)

鮫川村(福島県) 池田町(長野県) 上峰町(佐賀県)

常陸大宮市(茨城県) 松川町(長野県) 西海市(長崎県)

富津市(千葉県) 平谷村(長野県) 南島原市(長崎県)

妙高市(新潟県) 喬木村(長野県) 山鹿市(熊本県)

魚沼市(新潟県) 高山村(長野県) 阿蘇市(熊本県)

南砺市(富山県) 信濃町(長野県) 佐伯市(大分県)

七尾市(石川県) 高山市(岐阜県) 竹田市(大分県)

加賀市(石川県) 恵那市(岐阜県) 豊後大野市(大分県)

かほく市(石川県) 本巣市(岐阜県) 由布市(大分県)

白山市(石川県) 飛騨市(岐阜県) 日南市(宮崎県)

市町村国保都道府県別 減算対象保険者数

北海道(9)、青森(1)、宮城(1)、福島(5)、茨城(1)、千葉(1)、新潟(2)、富山(1)、石川(7)、

山梨(3)、長野(16)、岐阜(5)、静岡(1)、愛知(1)、滋賀(1)、奈良(1)、徳島(6)、福岡(5)、佐賀(1)、長崎(2)、熊本(2)、大分(4)、宮崎(1)、沖縄(8)

H25年度の特定健診・保健指導の実績率が以下の範囲に該当しており、健診・保健指導の実績が優れた保険者である。市町村国保(中):健診 33.9%以上 保健指導 51.3%以上 市町村国保(小):健診 41.4%以上 保健指導 68.8%以上国保組合 :健診 44.4%以上 保健指導 27.1%以上

特定健診・保健指導のH25年度の実施率が高い保険者①

9

総合型健保組合(保険者数:17) 日本ピストンリング健保組合 トヨタウエインズグループ健保組合 品川リフラクトリーズ健保組合

東京都皮革産業健保組合 リケン健保組合 富士ソフト健保組合 もみじ銀行健保組合

東京都鉄二健保組合 曙ブレーキ工業健保組合 ビー・エス・エヌ健保組合 東洋鋼鈑健保組合

東京都情報サービス産業健保組合 三井精機工業健保組合 富山地方鉄道健保組合 西京銀行健保組合

長野県農業協同組合健保組合 トプコン健保組合 コマツNTC健保組合 阿波銀行健保組合

長野県機械金属健保組合 第一生命健保組合 中越パルプ工業健保組合 徳島銀行健保組合

岐阜県自動車販売健保組合 資生堂健保組合 セーレン健保組合 神島化学健保組合

三岐しんきん健保組合 T&Dフィナンシャル生命健保組合 コーア健保組合 住友共同電力健保組合

静岡県自動車販売健保組合 電源開発健保組合 エプソン健保組合 帝人グループ健保組合

愛知県信用金庫健保組合 日本中央競馬会健保組合 大垣共立銀行健保組合 雪の聖母会健保組合

トヨタ関連部品健保組合 フランスベッドグループ健保組合 岐阜信用金庫健保組合 十八銀行健保組合

愛鉄連健保組合 千代田グラビヤ健保組合 スクロール健保組合 センコー健保組合

京都府農協健保組合 あおぞら銀行健保組合 大興製紙健保組合 鹿児島銀行健保組合

近畿しんきん健保組合 吉野工業所健保組合 三保造船健保組合

大阪産業機械工業健保組合 鷺宮健保組合 矢崎化工健保組合 共済組合(保険者数:6)

和歌山県農協健保組合 日本ケミコン健保組合 トヨタ販売連合健保組合 衆議院共済組合

福岡県農協健保組合 ヤクルト健保組合 豊島健保組合 国家公務員共済組合連合会職員共済組合

鹿児島県信用金庫健保組合 ナイガイ健保組合 岡谷鋼機健保組合 東京都職員共済組合

単一型健保組合(保険者数:72) 小松製作所健保組合 リンナイ健保組合 東京都市町村職員共済組合

青森銀行健保組合 三菱UFJニコス健保組合 富士機械製造健保組合 福岡市職員共済組合

みちのく銀行健保組合 日本旅行健保組合 日新電機健保組合 警察共済組合

日本原燃健保組合 船場健保組合 京セラ健保組合

新興健保組合 アドバンテスト健保組合 森下仁丹健保組合

秋田銀行健保組合 アコム健保組合 野村健保組合

山形銀行健保組合 日本コロムビア健保組合 大日本住友製薬健保組合

東京鐵鋼健保組合 プレス工業健保組合 ワールド健保組合

H25年度の特定健診・保健指導の実績率が以下の範囲に該当しており、健診・保健指導の実績が優れた保険者である。健保組合(単一):健診 66.2%以上 保健指導 50.4%以上 健保組合(総合):健診 58.5%以上 保健指導 29.8%以上共済 :健診 73.5%以上 保健指導 39.7%以上

10

【平成26年度後期高齢者支援金の減算対象保険者②】特定健診・保健指導のH25年度の実施率が高い保険者②

●宣言1(予防・健康づくりの住民へのインセンティブの取組)千葉 つくばウエルネスリサーチ

東京 イーウェル

東京 エヌ・ティ・ティ・データ

東京 クリエイトオンライン

東京 JTBベネフィット

東京 DeSCヘルスケア

東京 ヘルスケア・コミッティー

東京 法研

愛知 あまの創健

大阪 社会保険研究所(関西)

●宣言2(糖尿病重症化予防の取組)青森 青森県総合健診センター 東京 バリューHR 大阪 ケーシップ宮城 健生 東京 ヘルスケア・コミッティー 大阪 総合医科学研究所東京 ALSOKあんしんケアサポート 東京 法研 大阪 法研関西東京 エヌ・ティ・ティ・データ 東京 保健同人社 岡山 岡山スポーツ会館東京 エム・エイチ・アイ 東京 ミナケア 広島 DPPヘルスパートナーズ東京 現代けんこう出版 東京 明治安田システム・テクノロジー 広島 データホライゾン東京 サンライフ企画 東京 メディヴァ 広島 ホームナース東京 専門医ヘルスケアネットワーク 東京 労働衛生協会 広島 マイティネット東京 SOMPOリスケアマネジメント 神奈川 ベストライフ・プロモーション 愛媛 東京ネバーランドえひめ東京 ティーペック 長野 セイコーエプソン 福岡 カルナヘルスサポート東京 東京都総合組合保健施設振興協会 愛知 愛知県健康づくり振興事業団 熊本 保健支援センター東京 日本医療データセンター 愛知 あまの創健東京 野村総合研究所 大阪 ウェルクル

●宣言6(健康・医療情報の加入者への分かりやすい情報提供)福島 福島県保健衛生協会 東京 ヘルスケア・コミッティー東京 赤ちゃんとママ社 東京 法研東京 インテージテクノスフィア 東京 保健同人社東京 イーウェル 東京 みずほ情報総研東京 ウェルネス・コミュニケーションズ 東京 明治安田システム・テクノロジー東京 ウェル・ビーイング 東京 ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ東京 エストコーポレーション 神奈川 ベストライフ・プロモーション東京 エヌ・ティ・ティ・データ 山梨 山梨県厚生連健康管理センター東京 エム・エイチ・アイ 愛知 あまの創健東京 LSIメディエンス 愛知 小林クリエイト東京 クックパッドダイエットラボ 愛知 法研中部東京 現代けんこう出版 京都 京都工場保健会東京 サンライフ企画 京都 メスプ・コーポレーション東京 社会保険研究所 大阪 ウェルクル東京 社会保険出版社 大阪 関西情報センター東京 専門医ヘルスケアネットワーク 大阪 ケーシップ東京 SOMPOリスケアマネジメント 大阪 社会保険研究所(関西)東京 大和総研ビジネス・イノベーション 大阪 法研関西東京 DeSCヘルスケア 岡山 両備システムズ東京 東京法規出版 広島 データホライゾン東京 トッパン・フォームズ 広島 ヒロケイ東京 日本医療データセンター 愛媛 愛媛県総合保健協会東京 日本健康文化振興会 高知 ジェイエムシー東京 バリューHR 福岡 FCCテクノ東京 光ビジネスフォーム 熊本 くまもと健康支援研究所東京 富士ゼロックス 熊本 保健支援センター

●宣言8(後発医薬品の使用促進の取組)北海道 サポートシステム 長野 システックス東京 インテージテクノスフィア 愛知 社会保険研究所(中部)東京 エヌシーアール社会保険サービス 大阪 日本システム技術東京 エヌ・ティ・ティ・データ 大阪 南大阪電子計算センター東京 エム・エイチ・アイ 大阪 メディブレーン東京 オークス 広島 データホライゾン東京 社会保険研究所 広島 マイティネット東京 社会保険システム研究会東京 大正オーディット東京 大日本印刷東京 大和総研ビジネス・イノベーション東京 東京法規出版東京 トッパン・フォームズ東京 ニチイ学館東京 ニッセイ情報テクノロジー東京 日本医療データセンター東京 日本生産性本部東京 日本調剤東京 バリューHR東京 光ビジネスフォーム東京 法研東京 保健同人社東京 ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ

複数の保険者・自治体から推薦を受けたヘルスケア事業者:日本健康会議2016で公表

11

特定健診・保健指導の運用等の見直し

12

保険者による健診・保健指導等に関する検討会について○位置づけ

医療保険者における特定健康診査及び特定保健指導の提供方法等の今後のあり方について、これまでの実績等を踏まえて検討を行うため、関係者の参集を得て、厚生労働省保険局長が開催

○検討事項(1)特定健診・保健指導の実施方法等について(2)特定健診の健診項目及び特定保健指導の内容等について(3)保険者における特定健診・特定保健指導への取組みの評価方法等について(4)その他特定健診・保健指導に関連する事項について

○構成員

井伊 久美子 日本看護協会 専務理事

飯山 幸雄 国民健康保険中央会 常務理事

伊藤 彰久 日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長

伊奈川 秀和 全国健康保険協会 理事

今村 聡 日本医師会 副会長

岩崎 明夫 産業医科大学作業関連疾患予防学研究室

岡崎 誠也 全国市長会国民健康保険対策特別委員長

金子 正 日本私立学校振興・共済事業団 理事

河合 雅司 産経新聞社 論説委員

北原 省治 共済組合連盟 常務理事

久野 時男 全国町村会行政委員会委員長・愛知県飛島村長

佐藤 文俊 全国国民健康保険組合協会 常務理事下浦 佳之 日本栄養士会 常務理事

白川 修二 健康保険組合連合会 副会長

鈴木 茂明 地方公務員共済組合協議会事務局長

高野 直久 日本歯科医師会 常務理事

◎多田羅 浩三 一般財団法人日本公衆衛生協会 会長

津下 一代 あいち健康の森健康科学総合センターセンター長

細江 茂光 全国後期高齢者医療広域連合協議会 副会長

武藤 繁貴 日本人間ドック学会理事/聖隷健康診断センター所長

吉田 勝美 日本総合健診医学会 副理事長

◎座長 ※構成員は、平成28年7月29日現在

○開催経緯平成23年4月に第1回検討会を開催し、24年7月に第2期に向けてとりまとめ。直近では第24回検討会を28年9月に開催。

13

第三期特定健康診査等実施計画期間に向けての特定健診・保健指導の実施について(これまでの議論の整理)概要 (平成28年8月10日)

○科学的知見の整理を前提としつつ、生活習慣病対策全体を俯瞰した視点、実施体制、実現可能性と効率性、実施率、費用対効果等の視点を踏まえ検討。

○労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の見直しの議論を踏まえ、整合性の取れた健診項目とする。

基本的な視点(1)腹囲基準について○内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目した現行の特定保健指導対象者の選定基準を維持する。

○内臓脂肪の蓄積を評価する方法は、現行の腹囲基準(男性85cm以上、女性90cm以上)を維持する。

(2)特定保健指導の対象とならない者への対応○腹囲が基準未満でリスク要因(血圧高値、脂質異常、血糖高値)がある者は特定保健指導の対象者とはならないが、これらの者への対応方法等は重要な課題。引き続き、検討。

特定健診・保健指導の枠組み

(1)基本的な健診の項目①血中脂質検査○LDLコレステロールは、健診項目として維持すべき。○LDLコレステロールの替わりにnon-HDLコレステロールを用いることも可とするかどうかも含め、定期健康診断の見直しを踏まえ、検討。

②血糖検査○やむを得ず空腹時以外でヘモグロビンA1cを測定しない場合は食直後を除き、随時血糖による血糖検査を可とする。

③尿検査○尿検査は、基本的な項目として維持すべき。定期健康診断の見直しを踏まえ、引き続き検討。

④肝機能検査○肝機能検査は、現状の検査項目を基本的な項目として維

持。

健診項目

(2)詳細な健診項目①心電図検査○対象者は、当該年の特定健康診査の結果等で、血圧が受診勧奨判定値以上の者又は問診等で不整脈が疑われる者のうち、医師が必要と認めるものとする。

○実施方法は、当該年の特定健康診査の結果等に基づき速やかに検査を実施(速やかに心電図検査が行えない場合、受診勧奨を行う)。

②眼底検査○対象者は、原則として当該年の特定健康診査の結果等で、血圧又は血糖検査が受診勧奨判定値以上の者のうち、医師が必要と認めるものとする。

○実施方法は、当該年の特定健康診査の結果等に基づき速やかに検査を実施(速やかに眼底検査が行えない場合、受診勧奨を行う)。

③血清クレアチニン検査○血清クレアチニン検査を詳細な健診の項目に追加し、eGFRで腎機能を評価する。

④貧血検査○貧血検査は、詳細な健診の項目として維持する。

※詳細な健診項目の見直しに伴う実施・運営方法の詳細は、実務担当者による特定健診・保健指導等に関するWGで検討。検討会に報告。

(3)標準的な質問票 (別添)○これまでの質問項目との継続性を考慮しつつ、必要な修正を加える。

○生活習慣の改善に関する歯科口腔保健の取組の端緒となる質問項目を追加。

14

別添※下線部が変更箇所である。質問項目13は、「この1年間で体重の増減が±3kg以上増加している」を削除し、新たに「食事をかんで食べる時の状態」の質問を加えた。質問項目数の変更はない。

質問項目 回答

現在、aからcの薬の使用の有無

1 a. 血圧を下げる薬 ①はい②いいえ

2 b. 血糖を下げる薬又はインスリン注射 ①はい②いいえ

3 c. コレステロールや中性脂肪を下げる薬 ①はい②いいえ

4医師から、脳卒中(脳出血、脳梗塞等)にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか。

①はい②いいえ

5医師から、心臓病(狭心症、心筋梗塞等)にかかっているといわれたり、治療を受けたことがありますか。

①はい②いいえ

6医師から、慢性腎臓病や腎不全にかかっているといわれたり、治療(人工透析など)を受けていますか。

①はい②いいえ

7 医師から貧血といわれたことがある。 ①はい②いいえ

8

現在、たばこを習慣的に吸っている。

※(「現在、習慣的に喫煙している者」とは、「合計100本以上、又は6ヶ月以上吸っている者」であり、最近1ヶ月間も吸っている者)

①はい②いいえ

920歳の時の体重から、10kg以上増加している。

①はい②いいえ

101回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施

①はい②いいえ

11日常生活において歩行又は同等の身体活動を1日1時間以上実施

①はい②いいえ

12ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い。

①はい②いいえ

質問項目 回答

13

食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか。

①何でもかんで食べることができる

②歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、かみにくいことがある③ほとんどかめない

14 人と比較して食べる速度が速い。 ①速い②ふつう③遅い

15就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある。

①はい②いいえ

16朝昼夕の3食以外に間食(菓子類・果物など)や甘い飲み物を摂取していますか。

①毎日②時々③ほとんど摂取しない

17 朝食を抜くことが週に3回以上ある。 ①はい②いいえ

18お酒(日本酒、焼酎、ビール、洋酒など)を飲む頻度

①毎日②時々③ほとんど飲まない(飲めない)

19

飲酒日の1日当たりの飲酒量日本酒1合(180ml)の目安:ビール500ml、焼酎(25度)110ml、ウイスキーダブル1杯(60ml)、ワイン2杯(240ml)

①1合未満②1~2合未満③2~3合未満④3合以上

20 睡眠で休養が十分とれている。 ①はい②いいえ

21

運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか。

①改善するつもりはない

②改善するつもりである(概ね6か月以内)

③近いうちに(概ね1か月以内)改善するつもりであり、少しずつ始めている

④既に改善に取り組んでいる(6か月未満)

⑤既に改善に取り組んでいる(6か月以上)

22生活習慣の改善について保健指導を受ける機会があれば、利用しますか。

①はい②いいえ

15

健診の案内

特定健診の実施+

未受診者対応

健診結果の情報提供

実施者の抽出

・被用者保険から市町村国保への実施委託(特定健診とがん検診との同時実施、協会けんぽと市町村国保の共同実施の推進等)

・医療機関での検査データの活用

・対象者の特性に対応した効果的な特定保健指導・繰り返し特定保健指導の対象となる者への効果

的な保健指導・特定保健指導のポイント制・保健指導の成果の評価、指導技術の向上

・健診結果の効果的な情報提供

・国民の健康管理に対する意識の向上

制度・運用面の課題 対応の方向性

階層化

医療への受診勧奨

特定健康診査

特定保健指導

特定保健指導の実施

16

特定健診・保健指導の実施率の向上、効果的な資源投入等の観点から制度・運用面で解決すべき課題と対応の方向性(論点整理)

・被用者保険と国保との連携や、保険者と医療機関との連携の実施が進むように、保険者間の再委託・共同実施や運用上のルールを整備

・健診結果の効果的な情報提供や、保険者と事業主との連携(コラボヘルス)など保健事業の取組、実施率向上の成果、個人インセンティブの取組を保険者インセンティブの指標で評価

・特定健診受診当日での特定保健指導の実施

・定期健康診断等の時に行われる保健指導

・保健指導の対象者への就業上の配慮

・情報通信技術を活用した初回面接(遠隔面接)

・被用者保険から市町村国保への実施委託

・医療機関との適切な連携

・特定健診の受診当日の特定保健指導の実施が可能な健診・保健指導機関のグループによる集合契約が締結しやすくなるよう、共通ルールを整理

・被用者保険と国保との連携や、保険者と医療機関との連携の実施が進むように、保険者間の再委託ルールの整備

・就業上の配慮など事業主と連携した保健事業の取組を保険者インセンティブで評価

・遠隔面接の効果検証のための実施計画の届出を廃止し、他の保健指導の項目と同等に保険者による実施状況の報告に位置づけ、遠隔面接を導入しやすくする

・効果的な保健指導へのインセンティブや実施率向上の観点から、2年連続で積極的支援の該当者のうち、保健指導で2年目に状態が改善した者は、2年目は動機づけ支援相当の支援でも特定保健指導を実施したと位置づける

※上記ほか、歯科口腔関係の質問票見直しに伴う保健指導や、看護師が特定保健指導を行える経過措置など制度・運用面で対応

○ 効果的な特定保健指導を実施し、対象者が自ら生活習慣を改善できるようにすることで、翌年以降に特定保健指導の対象外となるようにする

○ 特定保健指導の対象になっていない者に対し、効果的な情報提供や適切な生活習慣の維持を支援することで、特定保健指導対象者に移行しないようにする

特定保健指導の対象となる者が減れば、同じ人数に対し

て特定保健指導を実施していても、特定保健指導の実施

率は上がる。

17

効果的な保健指導により対象者を減らすことで実施率の向上にもつながる○ 特定保健指導の実施率(=特定保健指導の終了者数/特定保健指導の対象者数)を向上するためには、

① 効果的な特定保健指導等を実施し、翌年以降の特定保健指導の対象となる者を減らす [分母を減らす]

② 効率的に特定保健指導を提供し、より多くの者へ特定保健指導を実施する [分子を増やす]の両者が必要である。特に、対象者(=分母)を減らすためには、対象者が自分の身体状況や生活習慣の改善の必要性

を理解し、生活習慣の改善を自らできるようになるための効果的な保健指導が重要である。

特定保健指導の対象者を減らす方策

特定健診受診者(約2620万人)

特定保健指導対象者(約440万人)

該当者割合:16.8%

特定保健指導終了者(約80万人)実施率:17.8%

<標準的な健診・保健指導プログラム 第1編第1章>(4)保健指導 ②内容保健指導は、主にメタボリックシンドロームに着目し、対象者の個別性を重視して、生活習慣の改善に重点を置いた指導を行

う。具体的には、保健指導が必要な者に対しては、医師、保健師、管理栄養士等が積極的に介入し、確実に行動変容を促す。その結果、対象者が、健診結果から身体状況を理解し、生活習慣改善の必要性を認識した上で、代謝等の身体のメカニズムと生活習慣(食生活や運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣等)との関係を理解し、生活習慣の改善を自ら選択し、さらにその結果が健診データの改善に結びつくように支援することが重要である。

(参考)老人保健事業当時は、健診後の保健指導は、健診結果を通知しパンフレットなどを使用して一般的な情報提供をする保健指導や、高血圧、糖尿病等の病態別の保健指導しか行われていなかった。

仮に該当者割合が25%減ならば、特定保健指導対象者は約330万人

⇒特定保健指導を同数実施しても特定保健指導実施率は24.2%になる。

【現状】○ 特定保健指導は、保険者が特定健診の結果から、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目し、リスクの高さや年

齢に応じてレベル別に保健指導を行うための対象者の選定を行い、優先順位付けを行った上で実施される。○ よって、特定健診と特定保健指導を同一日に実施する場合は、対象者が条件を満たすことが必要であるため、保険者

自身による実施か個別契約での実施が想定されており、保険者が保健指導の対象者を選定して「利用券」を発券する集合契約では同日での保健指導は事実上できない仕組みとなっている。

【第二期における検討結果】第二期における本検討会のとりまとめでは、「健診受診日に初回面接を開始することを推進するため、全ての検査結果

が得られていることを前提に、集合契約においても、保険者が同意する場合には、健診受診日に保健指導を開始することを可能とすることを検討する」と整理された。これを受け、実務担当者によるWGにおいて詳細な事務フロー等について検討した結果、保険者において大規模なシステ

ム改修が必要であり、関係者の合意が得られず、共通ルール化は行われなかった。

特定健診受診当日の特定保健指導(対応の方向性)

○ 特定健診受診当日に特定保健指導を実施することは、①健康意識が高まっている時に受診者に働きかけることができる、②受診者にとって利便性がよい、などのメリットがあり、特定保健指導の実施率の向上が期待できる。

○ 現在でも、次の2つの条件が全て揃う場合のみ保険者と健診・保健指導機関との個別契約のもとで実施可能である。

○ 特定保健指導対象者となったもの全員に保健指導を実施すると決めた医療保険者のグループと、特定健診受診当日に特定保健指導を実施できる実施機関のグループとで集合契約が締結できるよう、共通ルールを整理する。なお、集合契約の内容や運用方法等の詳細は、実務担当者WGで検討し、本検討会に報告する。(※)所定の健診結果のすべてが揃わないため、前年度の結果を用いて実施することは、①条件設定が複雑化するこ

と、②詳細な健診の項目では前年度でなく当該年度の実績により対象者を選定するよう見直したことと逆行し、制度全体の対象者の選定のあり方に関わるため、慎重に検討すべき。

18

【条件】「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(平成25年4月)p63」・ 医療保険者が、健診結果の階層化において健診機関の医師が保健指導対象者と判断した者全員に保健指導を実

施する(対象者リストから重点化を行わない)と決めている場合・ 所定の健診項目の全ての結果が揃っており、かつ健診機関の医師が全ての項目の結果から総合的に判断できる

場合(一部の健診項目の結果だけでは、総合的な判断ができないため、適当ではない。)

【現状】○ 人間ドック等で行われる医師等による保健指導については、保険者と健診・保健指導機関との個別契約のもとで、特定

保健指導として実施することは可能である。○ また、事業者による定期健康診断等の後に行われる事後指導等と特定保健指導を一体的に実施する場合、医療保険者は

定期健康診断等を実施する事業者を特定保健指導の実施委託者として委託することができる。

【第二期における検討結果】第二期における本検討会のとりまとめでは、

・「事業主は、労働安全衛生法の規定に基づき、健診の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、保健指導を行うよう努めなければならないとされているが、指導の詳細な内容や記録の保存については規定されていない。こうした事業主における保健指導の取組みについても、可能な限り特定健診・保健指導との連携を進め、必要があれば、労働安全衛生法に基づく保健指導を、特定保健指導と一体的に実施することも必要である」

・「特定健診の受診者全体に対して行う情報提供については、特定健診受診者が自らの健康状態を把握し、生活習慣を改善又は維持していくことの利点を感じ、動機付けの契機となるよう、よりきめ細やかな情報提供が保険者からなされることが必要」と整理された。

定期健康診断等の時に行われる保健指導(対応の方向性)

19

○ 定期健康診断や人間ドック等の時に行われる保健指導は、①健診受診当日の特定保健指導(積極的支援、動機付け支援)と、②特定保健指導には当たらないもの(専門職による対面での健診結果の説明等)がある。

このうち、②については、特定保健指導には該当しないものの、情報提供(専門職による対面での健診結果の説明等)の具体的な実施方法の把握や効果検証等のため、情報提供の方法を特定健診・保健指導の実施状況に関する報告の1項目とすることを検討する。

(※1)システム改修に影響があるので、実施方法を含め、実務担当者WGで検討し、本検討会に報告する。

○ また、例えば、健診受診当日での専門職による対面での健診結果の説明を含め、特定健診の結果を本人に分かりやすく伝えることを、保険者インセンティブの評価の指標に位置づけることで、効果的な保健事業の実施を評価することも考えられる。

(※2)平成28年1月に本検討会で提示した保険者インセンティブの「全保険者が共通的に取り組むべき指標」のうち「広く加入者に対して行う予防・健康づくりの取組の実施状況」の具体例として、「ICT等を活用して本人に分かりやすく健診結果の情報提供を行うこと」が位置づけられている。

【現状】○ 全国にいる対象者(特に被用者保険の被扶養者)が居住地(あるいは勤務先)に近い健診・保健指導施設で受診でき

るよう、現在、集合契約の仕組みが整備されている。○ 被用者保険者が地域単位等で市町村国保に直接に特定健診・保健指導の実施を委託する例(主に特定健診)が現れ始

めている。○ 特定健診・保健指導では、実施の責任関係を明確にするため、主たる業務を再委託することはできない仕組みとして

いる(特定健診は、血液検査等の検査体制・設備等が必要な検査項目について、その部分に限り外部施設に委託が可能。特定保健指導は、継続的支援等の業務の一部を部分的に外部施設に委託が可能)。

【第二期における検討結果】第二期における本検討会のとりまとめでは、「被用者保険の被扶養者への特定健診・保健指導の実施率向上については、

関係者から市町村国保への委託を活用すべきとの意見があった。こうしたことから、被用者保険の保険者が、市町村国保の同意の下に特定健診・保健指導を委託する場合に限り、外部の機関への業務の全部又は主たる部分の委託を認めることとし、再委託の要件の見直しを行う」と整理された。これを受け、実務担当者によるWGにおいて検討したが、関係者の合意が得られず、共通ルール化は行われなかった。

被用者保険から市町村国保への実施委託(対応の方向性)

○ 被用者保険から市町村国保への特定健診・保健指導の実施の委託は、住民への保健サービスや実施率の向上につながることが期待され、実例が現れている。

○ 現在は健診・保健指導を直営でやっている市町村国保だけが実施を受託できる仕組みだが、市町村国保が特定健診・保健指導を外部施設に委託している場合でも、再委託により受託が可能となるよう、再委託の具体的なルール(※)を整理した上で、再委託でも実施できるように検討する。

(※)既に実施委託を行っている保険者等の実例を参考に、以下のような点を整理する。運用方法の詳細は、実務担当者WGで検討し、本検討会に報告する。・被用者保険が委託するため及び市町村国保が受託するために必要な前提条件・委託契約の方法・費用決済及びデータ授受の方法(円滑な実施を確保するための契約の代行機関のあり方を含む)・再委託における特定健診・保健指導の実施責任のあり方 等

20

○ 滋賀県では、県庁が窓口となり、保健指導の受託が可能な市町と協会けんぽ滋賀支部との調整を行った。今後、効果・課題等を検証した上で、受託市町の拡大を図っていく。

○ 現在は保健指導を直営する市町村だけが受託可能だが、市町村が被用者保険の特定保健指導を受託する場合に、再委託による実施も可能にすることで受託する市町村が拡大し、住民への保健サービスや実施率の向上につながることが期待される。

【滋賀県:基本情報】・市町村数:19市町・県内の被用者保険者数:14保険者・協会けんぽ滋賀支部における被扶養者

の特定保健指導実績:12.2%

【実施委託の形態】協会けんぽと市町村国保との個別契約

【データ授受】保健指導の対象者の健診結果等の情報を協会けんぽから紙ベースで提供

【費用決済】市がXMLデータを作成し支払基金に提出

【委託契約締結までの流れ】<県・保険者協議会による被用者保険者への調査>○ 平成27年度に、県・保険者協議会事務局の連合会職員が県内の全ての被用者保険の保険者に現状把握のため聞き取り調査等を行う。

○ 被扶養者に対して保健指導を行う体制がとれないため実施していないという課題があり、被扶養者が住む市町で実施してほしいとの希望が多くあった。

<県から市町国保への意向調査、働きかけ>○ 市町国保自身の実施率が低く、また再委託ができない中で、県としては、まずは協会けんぽの被扶養者を受入可能な市町での受託を模索することとした。

○ 県では、協会けんぽと市町との連携を促進するため、全市町に対しアンケート調査・説明会(実際に連携している市の事例報告等)を行った。

○ 受入可能であった2市と協会けんぽ支部が調整を重ね、委託契約に至った。

被用者保険から市町村国保への保健指導委託例[滋賀県]

【市町村が受託するメリット】・「市民」という枠組みでアプローチができる。・国保加入前から早期に重症化の予防ができる。

【市町村に委託するための課題】・委託できる市町が直営の特定保健指導実施市町に限られる

⇒ 再委託を可能とすることで受託の拡大が期待できる

21

※1 市町国保の特定保健指導実施率が高い、加入保険にかかわらず「市民」の健康を守る意識が高いという条件が揃っていた。協会けんぽと市町の包括協定の締結が後押しになった市もあったが、協定がなくても委託に結び付いた市もあった。

※2 協会けんぽの被扶養者は動機付け支援の対象がほとんどであるなど、市町国保が受け入れやすく感じる情報を提供した。

※3 委託単価の違い、請求事務の手順が異なる、保健指導実施機関としての登録が必要、市により実施方法がかなり異なり個別の対応も必要だった。

【現状】○ 市町村国保において、特定健康診査未受診者の多くは、既に医療機関を受診している者(治療中の者)である。○ 一部の市町村国保や協会けんぽ支部では、かかりつけ医からの健診の受診勧奨や、本人同意のもとで、かかりつけ医

から診療の検査データの情報提供を受けるなど、医療機関と積極的に連携している。

【第二期における検討結果】第二期における本検討会のとりまとめでは、「医療機関、保険者等が連携した上で、診療における検査データと特定健

診のデータを重複の無いように一定の活用を図ることを検討する」と整理された。実務担当者によるWGでは、共通ルール化までの議論は行われていない。

医療機関との適切な連携(対応の方向性)

22

○ 特定健診は、本人が定期的に自らの健診データを把握するとともに、治療中であっても生活習慣を意識し、改善に取り組む端緒となることが期待されることから、治療中であっても特定健診を受診するよう、かかりつけ医から本人への健診の受診を勧奨することが、本人の健康増進や保険者とかかりつけ医の連携の観点からも重要である。

○ その上で、重複した検査項目を避けることにより受診者の負担や社会的なコストを軽減させる観点から、本人の同意のもとで、診療における検査データを特定健診のデータとして活用することは、現在も一部の保険者において、運用ベースで行われている。

○ まずは、保険者がかかりつけ医と連携して健診の受診勧奨を働きかけることが重要であるが、本人同意のもとで保険者が医療機関から検査データの提供を受ける運用について、かかりつけ医と保険者との連携や受診者の負担軽減を推進する等の観点から、一定のルール(検査データが活用可能な期間、本人同意の手続き等)の整備を検討する。

(※)ルールの詳細については、実務担当者WGで検討し、本検討会に報告する。

【現状】○ 制度創設当時、「積極的支援を実施した」と見なす最低限実施すべき要件として、積極的支援の3か月以上の継続的な

支援のポイント数が180ポイント以上と設定された。○ 現在、多くの保険者は、積極的支援(3か月以上の継続的な支援)で、200ポイントを超える保健指導を実施している。○ ポイント制は、投入量を考慮した保健事業を実施することができる、委託基準が明確になる、一定期間で目標設定する

ことができる等のメリットがある一方、180ポイントに達する前に特定保健指導の効果が現れたときはその後ポイントをこなすだけの保健指導を行っている等の課題も指摘されている。

○ 積極的支援の対象者が特定保健指導を受けた場合、男性では約4割、女性では5割強は保健指導レベルが改善するが、翌年も積極的支援レベルのままの者もいる。

○ 積極的支援対象者には、積極的支援(初回面接、3か月以上の継続的支援及び6か月後評価)が行われないと特定保健指導を実施したことにならない(動機付け支援と同等の保健指導が実施されても、評価されない)。

○ 2年連続して特定保健指導を実施した場合の効果は、一定程度示されており、2年目が動機付け支援相当であっても、保健指導の効果は期待される。

【第二期における検討結果】第二期における本検討会のとりまとめでは、「特定保健指導を実施する現場の創意工夫をより重視する観点から、積極的

支援について、現行の180ポイントのポイント制は維持することとした上で、現在、支援Aと支援Bに分かれているプログラムについて、支援Aのみで180ポイントを達成してもよいこととする。また、今後、特定保健指導の効果についてエビデンスを蓄積した上で、成果に着目した評価の可能性も含め、将来的な在り方を検討していく」と整理された。

特定保健指導のポイント制、成果の評価等(対応の方向性)

23

○ 積極的支援での3か月以上の継続的な介入量の把握方法として、何らかの指標は必要であり、現在も多くの保険者で200ポイントを超える保健指導が実施されているので、180ポイント以上の要件は引き続き用いることとしてはどうか。

○ その上で、2年連続して積極的支援に該当した者※1のうち、1年目に比べ2年目の状態が改善している者※2は、2年目の特定保健指導は、動機付け支援相当の支援を実施した場合でも、特定保健指導を実施したと位置づけることとしてはどうか。※1 1年目に積極的支援の対象者に該当し、かつ積極的支援を終了したものに限る※2 状態の改善は、2年目の特定健康診査結果(腹囲・体重等)による評価が考えられる

前年度:積極的支援対象者 当該年度:積極的支援対象者 当該年の実績の評価(現状) 当該年の実績の評価(見直し案)

積極的支援を終了

積極的支援を終了 特定保健指導実施 特定保健指導実施

動機付け支援相当を終了 特定保健指導未実施 特定保健指導実施

特定保健指導を実施していない 特定保健指導未実施 特定保健指導未実施

継続的支援:支援Aの個別支援と電話を組み合わせた例

支援の種類

時期 支援形態支援時間(分)

獲得ポイント

合計ポイント支援内容

支援A 支援B

初回面接

0 個別支援 20 ①生活習慣と健診結果の関係の理解、メタボリックシンドロームや生活習慣病に関する知識の習得、生活習慣の振り返り等から、対象者本人が生活習慣改善の必要性に気づき、自分自身のこととしてその重要性を理解できるように支援する。

②対象者本人が、生活習慣を改善するメリットと現在の生活を続けるデメリットについて理解できるよう支援する。③栄養・運動等の生活習慣の改善に必要な実践的な支援をする。

④対象者の行動目標や評価時期の設定を支援する。必要な社会資源を紹介し、対象者が有効に活用できるように支援する。⑤体重・腹囲の計測方法について説明する。

⑥生活習慣の振り返り、行動目標や評価時期について対象者と話し合う。⑦対象者とともに行動目標・支援計画を作成する。

継続的な支援

2週後 電話A 10※1 30 30 ①生活習慣の振り返りを行い、必要があると認める場合は、行動目標・行動計画の再設定を行う(中間評価)。②栄養・運動等の生活習慣の改善に必要な実践的な支援をする。1月後 個別支援A※2 30 120 150

3月後 電話A 10 30 180

評価※3 6月後 ①身体状況や生活習慣に変化が見られたかについて確認する。

※1 電話支援:5分間の会話を1単位(1単位=15ポイント)としている。※2 個別支援:例えば、本人の日常生活にあわせたストレッチや運動の指導、食品サンプルを用いたり実際にヘルシーメニューの試

食等を通して、適切な食事内容や量、塩分量等に対する指導などが行われる。※3 6か月後の評価:面接又は通信(電話又は電子メール、FAX、手紙等)を利用して実施する。継続的な支援の最終回と一体のもの

として実施しても構わない。

24

33.7%

14.3%

20.0%

16.7%

60.9%

40.0%

63.3%

85.7%

72.0%

83.3%

39.1%

56.0%

1.0%

0.0%4.0%

0.0%

0.0%0.0%

2.0%

4.0%

4.0%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

総数(n=98)

市町村国保・大(n=7)

市町村国保・中(n=25)

市町村国保・小(n=18)

総合健保(n=23)

単一健保(n=25)

すべて最低要件の180ポイントとしている

180ポイントを超えて実施している

その他

無回答

○ 積極的支援(3か月以上の継続的な支援)における一人当たり平均ポイント数は、支援Aと支援Bの平均の合計が、市町村国保では約250ポイント、健保組合では約200ポイントである。

○ 保健指導改善率が高い保険者の多くは、積極的支援で180ポイントを超えて実施している。

保険者種別 保険者数 支援Aの平均ポイント数 支援Bの平均ポイント数

市町村国保(大) 27 222.9 28.1

市町村国保(中) 825 226.9 24.5

市町村国保(小) 801 234.9 22.6

総合健保 245 181.2 22.2

単一健保 999 187.7 23.0

積極的支援における一人当たり平均ポイント数 ※ NDBより平成24年度実施分を抽出し集計

保健指導改善率が高い保険者※における積極的支援のポイント数の状況

出典:特定保健指導等の効果的な実施方法の検証のためのワーキンググループ 検証結果の取りまとめ報告及び事例集(平成28年3月)

積極的支援(3か月以上の継続的な支援)におけるポイントの状況

※「保健指導改善率が高い保険者」の定義は、①積極的支援から動機付け支援、②積極的支援から情報提供、③動機付け支援から情報提供へ改善した者の割合が高い保険者

25

支援A:計画の進捗状況の評価など

支援B:励ましや賞賛など

出典:特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのWG取りまとめ

○ 積極的支援の対象者が特定保健指導を受けた場合、男性では約4割、女性では5割強は保健指導レベルが改善するが、翌年も積極的支援レベルのままの者も一定数いる。

○ 繰り返し特定保健指導の対象者となるものに対して、2年連続で特定保健指導を実施する効果は一定程度示されている。

繰り返し積極的支援の対象となる者

91

91.5

92

92.5

93

1年目 2年目 3年目

(cm) 男性(40~64歳)

95

95.5

96

96.5

97

1年目 2年目 3年目

(cm) 女性(40~64歳)

系列1

系列2

系列4

【分析対象】平成20~25年度の間に3年連続して特定健診を受診し、1年目と2年目の2年連続して積極的支援に該当した者

1年目、2年目共に保健指導を受けた

1年目は保健指導を受け、2年目は受けなかった

1年目、2年目共に保健指導を受けなかった

積極的支援初回該当時から2年間の腹囲の推移

6.0

100.0

51.2

13.3

29.2

0%

20%

40%

60%

80%

100%

平成20年度 平成21年度

10.9

100.0

32.4

28.2

28.0

0%

20%

40%

60%

80%

100%

平成20年度 平成21年度

特定保健指導対象外

動機付け支援

積極的支援

服薬あり

特定保健指導(積極的支援)による保健指導レベルの改善状況(平成20-21年度推移)

【男性】 【女性】

26

【現状】○ 平成25年8月より情報通信技術を活用した初回面接(遠隔面接)が実施できるようになった。○ イントラネット上のWeb会議システムや専用タブレット端末を用いた初回面接が行われている。○ 国において情報通信技術を活用した初回面接の効果の更なる検証を進めるため、保険者から国への実施計画と結果の報

告を求めている。○ 国へ報告された遠隔面接の終了者数の実績が少なく、現時点で、保健指導の効果検証まで行うことは難しい。

・実施計画における遠隔面接の対象者数:1,208人(平成25年度)、2,683人(平成26年度)、4,291人(平成27年度)・実績報告における遠隔面接の終了者数: 0人(平成25年度)、 116人(平成26年度)

【情報通信技術を活用した初回面接(遠隔面接)の実施した保険者の意見】・利用者の顔は見えるものの、対面に比べ利用者がどう受け止めているかという感覚をつかむのがやや難しく、対面より初

回面接の時間がやや長く必要。・実施者と利用者それぞれの画面上に同じデータを表示させながら保健指導を行う等の工夫ができる。・遠方の対象者に対して特定保健指導を行うためにかかる移動コスト(旅費、時間)を考えると、効率的に特定保健指導を

行え、実施率向上につながる。・社員は業務の中で日常的にTV会議システムを用いており、特定保健指導でTV会議システムを用いることに抵抗がない。・対面に比べややコミニュケーションの距離感はあるが、画像や音声もよく問題なく初回面接を行える。・面接時間の変更等に臨機応変に対応でき、脱落を防ぐことにつながっている。

情報通信技術を活用した初回面接(遠隔面接)(対応の方向性)

27

○ 情報通信技術を活用した初回面接(遠隔面接)は、すでに実施可能であり、実施した保険者へのヒアリングの結果では利便性と実施率の向上の効果も期待されるが、保健指導の効果検証を行うに足るだけの終了者の実績がない。

現在、保険者に対し国への実施計画・実績報告の届出を求めているが、保険者が遠隔面接をより導入しやすくなるよう、国への実施計画の届出を廃止し、平成30年度からは他の保健指導の項目と同等に、保険者による特定健診・保健指導の実施状況に関する報告の中に遠隔面接を位置づけ、保険者がより簡便に実施し、評価できるようにする。

(※1)効果検証は、実施の次年度における特定健診の結果を用いて検証する必要がある(28年度実績の検証は29年度の特定健診の結果をデータで検証できる31年度)。このため、効果検証には、時間がかからざるを得ない。

(※2)H29年度は実施計画の届出は求めないこととし、他の保健指導の項目と同様、実績報告のみとする。

情報通信技術を活用した初回面接の事例事例①

対象者数

実施者数

終了者数

脱落者数

積極的

特定保健指導 3732 2567 1523 29

対面 2547 1515 29

遠隔面接 20 8 0

動機付け

特定保健指導 2655 1633 1422 19

対面 1622 1412 19

遠隔面接 11 10 0

【基本情報】・特定健診実施率:80.3%、特定保健指導実施率:46.1%・遠隔面接の実施形態:直営

【遠隔面接の実施状況】実施者:健保組合の保健事業担当者が本社に出向き、本社と事業所を結ぶTV

会議システムを用いて保健指導を行う。初回面接のみでなく継続支援においてもTV会議システムを用いて実施。

利用者:事業所内のTV会議室内で利用。

【特定保健指導を実施した感想】・利用者の顔は見えるものの、対面に比べ利用者がどう受け止めているかとい

う感覚をつかむのがやや難しく、対面より初回面接の時間がやや長く必要。・実施者と利用者それぞれの画面上に同じデータを表示させながら保健指導を

行う等の工夫ができる。・遠方の対象者に対して特定保健指導を行うためにかかる移動コスト(旅費、

時間)を考えると、効率的に特定保健指導を行え、実施率向上につながる。

事例②

【基本情報】・特定健診実施率:87.7%、特定保健指導実施率:50.1%・遠隔面接の実施形態:直営

【遠隔面接の実施状況】実施者:TV会議システムを用いて実施。利用者:事業所内の個室のTV会議室内で利用。

【特定保健指導を実施した感想】・社員は業務の中で日常的にTV会議システムを用いており、特定保健指導にお

いてTV会議システムを用いることに抵抗がない。・対面に比べややコミニュケーションの距離感はあるが、画像や音声もよく問

題なく初回面接を行える。・面接時間の変更等に臨機応変に対応でき、脱落を防ぐことにつながってい

る。

対象者数

実施者数

終了者数

脱落者数

積極的

特定保健指導 455 343 202 20

対面 285 152 19

遠隔面接 58 50 1

動機付け

特定保健指導 354 243 203 0

対面 193 155 0

遠隔面接 50 48 0

※保険者からの実績報告書とヒアリングに基づく

28

0

1

2

3

4

5

6

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

介入群 対照群

女性40~64歳(件/人)

** **

0

1

2

3

4

5

6

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

介入群 対照群

男性40~64歳(件/人)

** ** ** ****

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

介入群 対照群

女性40~64歳(点)

** ** *

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

介入群 対照群

男性40~64歳(点)

** ** ** ****

○ 積極的支援参加者と不参加者を比較すると、1人当たり入院外医療費については、男性で-8,100~-5,720円、女性で-7,870~ -1,680円の差異が見られた。

○ 外来受診率については、男性で-0.40~-0.19件/人、女性で-0.37~+0.03件/人の差異が見られた。

【1人当たり入院外医療費】

参加者と不参加者の差男性-5,830円 (平成21年度)

-8,100円 (平成22年度)-7,940円 (平成23年度)-7,210円 (平成24年度)-5,720円 (平成25年度)

女性-7,870円 (平成21年度)-7,500円 (平成22年度)-6,940円 (平成23年度)-5,180円 (平成24年度)-1,680円 (平成25年度)

の差異

【外来受診率】

参加者と不参加者の差男性-0.28件/人 (平成21年度)

-0.40件/人 (平成22年度)-0.35件/人 (平成23年度)-0.29件/人 (平成24年度)-0.19件/人 (平成25年度)

女性-0.35件/人 (平成21年度)-0.37件/人 (平成22年度)-0.25件/人 (平成23年度)-0.13件/人 (平成24年度)+0.03件/人 (平成25年度)

の差異

1年後 2年後 3年後 4年後 5年後(平成21年度) (平成22年度) (平成23年度) (平成24年度) (平成25年度)

特定保健指導による生活習慣病関連の1人当たり外来医療費等の経年分析(平成20~25年度)

*,**・・・統計学的に有意な差

(円)100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

0

積極的支援不参加者

積極的支援参加者

*p<0.05 **p<0.01

(円)100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

0

1年後 2年後 3年後 4年後 5年後(平成21年度) (平成22年度) (平成23年度) (平成24年度) (平成25年度)

男性40~64歳 女性40~64歳

1年後 2年後 3年後 4年後 5年後(平成21年度) (平成22年度) (平成23年度) (平成24年度) (平成25年度)

男性40~64歳 女性40~64歳

1年後 2年後 3年後 4年後 5年後(平成21年度) (平成22年度) (平成23年度) (平成24年度) (平成25年度)

(件/人) (件/人)

29

(特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ報告書)

※平成20~25年度の特定健診・保健指導データとレセプトデータのうち突合率が80%以上の364保険者のデータ(分析対象:19.3万人)のうち、平成20年度に積極的支援に参加した11606人と不参加だった84558人について、21年度以降の糖尿病、高血圧症、脂質異常症に関する外来医療費等の経年分析をした。

-3

-2

-1

0

1

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

(kg) 女性40~64歳

** ** ** ** **

-3

-2

-1

0

1

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

(kg) 男性40~64歳

** ** ** ** **

-4

-3

-2

-1

0

1

2

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

女性40~64歳

** ** ** ** **

(cm)

-4

-3

-2

-1

0

1

2

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

男性40~64歳

** ** ** ** **

(cm)

○ 積極的支援の参加者は、不参加者と比較すると、特定保健指導後の5年間にわたり、特定健診のほぼ全ての検査値(腹囲、体重、血圧、脂質)について、改善効果が継続していることが確認された。

○ 動機づけ支援参加者についても、積極的支援より改善幅は小さかったが、同様の傾向がみられた。

【体重】

平成20年度と比べて参加者は男性-1.98kg (平成21年度)

-1.54kg (平成22年度)-1.25kg (平成23年度)-1.22kg (平成24年度)-1.25kg (平成25年度)

女性-2.26kg (平成21年度)-1.86kg (平成22年度)-1.65kg (平成23年度)-1.57kg (平成24年度)-1.63kg (平成25年度)

【腹囲】

平成20年度と比べて参加者は男性-2.33cm (平成21年度)

-1.91cm (平成22年度)-1.46cm (平成23年度)-1.42cm (平成24年度)-1.47cm (平成25年度)

女性-3.01cm (平成21年度)-2.82cm (平成22年度)-2.66cm (平成23年度)-2.39cm (平成24年度)-2.16cm (平成25年度)

*,**・・・統計学的に有意な差特定保健指導(積極的支援)による検査値の推移(平成20年度との差)

*p<0.05 **p<0.01

男性40~64歳

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

(cm)

積極的支援参加者

積極的支援不参加者

女性40~64歳(cm)

男性40~64歳 女性40~64歳

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20 H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

※積極的支援・・・特定保健指導対象者のうち、腹囲が一定数値以上で、追加リスク(血糖・血圧・脂質)が2つ以上該当か、1つ該当かつ喫煙歴がある、40~64歳の者が対象。

※動機付け支援・・ 特定保健指導対象者のうち、腹囲が一定数値以上で、追加リスクが1つ該当かつ喫煙歴がない者への支援。40~74歳が対象。(65歳以上では、積極的支援の基準に該当する場合でも動機付け支援を実施)

(平成20年度平均 参加者91.40cm 不参加者91.40cm) (平成20年度平均 参加者95.03cm 不参加者94.65cm)

(平成20年度平均 参加者75.30kg 不参加者74.96kg) (平成20年度平均 参加者65.55kg 不参加者66.20kg)

(Kg) (Kg)

特定保健指導による特定健診の検査値への改善効果(平成20~25年度)

30

※分析対象:364保険者(国保320、健保組合2、共済42)、20万~22万人(分析方法で異なる)

-50

-30

-10

10

30

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

女性40~64歳

** ***

(mmHg)

* *

-50

-30

-10

10

30

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

男性40~64歳

** ****

(mmHg)

***

-6

-4

-2

0

2

4

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

女性40~64歳(mmHg)

** **

-6

-4

-2

0

2

4

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

男性40~64歳

**

(mmHg)

** **

-0.1

0.0

0.1

0.2

0.3

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

女性40~64歳(%)

** ** ** **

-0.1

0.0

0.1

0.2

0.3

H21-H20年度 H22-H20年度 H23-H20年度 H24-H20年度 H25-H20年度

介入群 対照群

男性40~64歳

**

(%)

** ** ** **

女性40~64歳 【血糖(HbA1c)】 ※1

平成20年度と比べて男性-0.01% (平成21年度)

+0.06% (平成22年度)+0.07% (平成23年度)+0.09% (平成24年度)+0.11% (平成25年度)

女性-0.04% (平成21年度)+0.01% (平成22年度)+0.03% (平成23年度)+0.07% (平成24年度)+0.08% (平成25年度)

【血圧(収縮期血圧)】※2

平成20年度と比べて男性-2.13mmHg (平成21年度)

-1.21mmHg (平成22年度)-0.76mmHg (平成23年度)-0.88mmHg (平成24年度)-0.63mmHg (平成25年度)

女性-3.24mmHg (平成21年度)-3.13mmHg (平成22年度)-3.00mmHg (平成23年度)-2.65mmHg (平成24年度)-2.80mmHg (平成25年度)

【脂質(中性脂肪)】

平成20年度と比べて男性-35.91mg/dl (平成21年度)

-29.55mg/dl (平成22年度)-31.15mg/dl (平成23年度)-31.16mg/dl (平成24年度)-36.23mg/dl (平成25年度)

女性-27.80mg/dl (平成21年度)-27.02mg/dl (平成22年度)-26.27mg/dl (平成23年度)-29.27mg/dl (平成24年度)-31.79mg/dl (平成25年度)

*,**・・・統計学的に有意な差

※1 ベースラインの差を補正するため、 HbA1c7.0%未満の対象者について分析。平成25年4月より、JDS値からNGSP値へ変更となったため、平成20年度~平成25年度のデータを換算式にてNGSP値に換算して分析

※2 ベースラインの差を補正するため、160mmHg未満の対象者について分析

積極的支援参加者

積極的支援不参加者

*p<0.05 **p<0.01

(%)

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20 H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20 H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

H21-H20 H22-H20 H23-H20 H24-H20 H25-H20

男性40~64歳

男性40~64歳

男性40~64歳

女性40~64歳

女性40~64歳

(%)

(mmHg) (mmHg)

(mg/dl) (mg/dl)

(平成20年度平均 参加者5.63% 不参加者5.65%) (平成20年度平均 参加者5.80 % 不参加者5.79%)

(平成20年度平均 参加者130.29mmHg 不参加者130.76 mmHg) (平成20年度平均 参加者134.15 mmHg 不参加者134.36 mmHg)

(平成20年度平均 参加者206.05mg/dl 不参加者204.19mg/dl) (平成20年度平均 参加者172.03mg/dl 不参加者170.05mg/dl)

31

保険者種別

健康保険組合・共済組合

協会けんぽ国保(都道府県・市町村)

国保組合後期高齢者医療

広域連合

手法後期高齢者支援金の加算・減算制度の見直し

各支部の取組等を都道府県単位保険料率に反映

保険者努力支援制度を創設

各国保組合の取組等を特別調整補助金に反映

各広域連合の取組等を特別調整交付金に反映

指標・保険者種別共通の項目を設定(特定健診・保健指導の実施率、重症化予防の取組、後発品の使用促進等)・保険者種別ごとにその特性を踏まえた項目を追加で設定

保険者における予防・健康づくり等のインセンティブの見直し

保険者種別

健康保険組合・共済組合

協会けんぽ 国保(市町村) 国保組合後期高齢者医療

広域連合

手法 後期高齢者支援金の加算・減算制度なし

指標 特定健診・保健指導の実施率

〈見直し後(平成30年度~)〉

〈現行(~平成29年度)〉

○ H27年国保法等改正において、保険者種別の特性を踏まえた保険者機能をより発揮しやすくする等の観点から、①市町村国保について保険者努力支援制度を創設し、糖尿病重症化予防などの取組を客観的な指標で評価し、支援金を交付する(H28年度から前倒し実施を検討)、②健保組合・共済の後期高齢者支援金の加算・減算制度についても、特定健診・保健指導の実施状況だけでなく、がん検診や事業主との連携などの取組を評価する(施行はH30年度から)仕組みに見直すこととした。

◎持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議 参議院厚生労働委員会

一、国民健康保険について

5 保険者努力支援制度の実施に当たっては、保険者の努力が報われ、医療費適正化に向けた取組等が推進されるよう、綿密なデータ収集に基づく適正かつ客観的な指標の策定に取り組むこと。

32

保険者における予防・健康づくり等のインセンティブの共通の指標(保険者による健診・保健指導等に関する検討会での取りまとめ:平成28年1月)

【指標①】特定健診・特定保健指導の実施率、メタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少率○具体例 特定健診・特定保健指導の実施率、メタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少率、健診未受診者・保健指導未利用者

対策

【指標②】特定健診・特定保健指導に加えて他の健診の実施や健診結果等に基づく受診勧奨等の取組の実施状況○具体例 がん検診や歯科健診などの 健(検)診の実施、健診結果等に基づく受診勧奨や精密検査の必要な者に対する働きかけ、歯科

のリスク保有者への保健指導等の取組の実施状況

【指標③】糖尿病等の重症化予防の取組の実施状況○具体例 糖尿病等の治療中断者への働きかけや、治療中の加入者に対して医療機関等と連携して重症化を予防するための保健指導等を

実施する取組

【指標④】広く加入者に対して行う予防・健康づくりの取組の実施状況○具体例 ICT等を活用して本人に分かりやすく健診結果の情報提供を行うことや、ヘルスケアポイント等による予防・健康づくりへの

インセンティブ付与の取組のうち、実効性のあるもの

ア 予防・健康づくりに係る指標

【指標⑤】加入者の適正受診・適正服薬を促す取組の実施状況○具体例 地域のかかりつけ医師、薬剤師等との連携の下、重複頻回受診者、重複服薬・多剤投与と思われる者への訪問指導の実施

や、訪問による残薬確認・指導等の取組

【指標⑥】後発医薬品の使用促進に関する取組の実施状況○具体例 後発医薬品差額通知の実施や後発医薬品の希望カードの配付など、実施により加入者の後発医薬品の使用を定着・習慣化さ

せ、その後の後発医薬品の継続使用に資するものや後発医薬品の使用割合など

イ 医療の効率的な提供への働きかけに係る指標

○ 保険者による健診・保健指導等に関する検討会で、保険者において種別に関わりなく共通的に取り組むべき指標について検討し、平成28年1月に、以下のとおり、とりまとめた。

33

○日本再興戦略 改訂2015(平成27年6月30日閣議決定)

・ 後期高齢者支援金の加算・減算制度や、国民健康保険において新たに創設される「保険者努力支援制度」については、被保険者の健康の保持増進や医療費適正化等に向けた保険者の努力を促すよう、特定健診・特定保健指導の実施状況や後発医薬品の使用状況等を積極的に評価するメリハリの効いたスキームとすべく、検討を行う。また、協会けんぽ、後期高齢者医療制度についても、新たなインセンティブ制度の創設に向けた検討を行う。

○医療保険制度改革骨子(平成27年1月13日 社会保障制度改革推進本部決定)

・ 後期高齢者支援金の加算・減算制度について、予防・健康づくり等に取り組む保険者に対するインセンティブをより重視するため、多くの保険者に広く薄く加算し、指標の達成状況に応じて段階的に減算する仕組みへと見直し、平成30年度から開始する。特定健診・保健指導実施率のみによる評価を見直し、後発医薬品の使用割合等を追加し、複数の指標により総合的に評価する仕組みとする。

○経済財政運営と改革の基本方針2015(平成27年6月30日閣議決定)抄

・ 保険者については、国民健康保険において、保険者努力支援制度の趣旨を現行補助制度に前倒しで反映する。その取組状況を踏まえ、2018 年度(平成30 年度)までに保険者努力支援制度のメリハリの効いた運用方法の確立、国民健康保険料に対する医療費の地域差の一層の反映、後期高齢者支援金の加算・減算制度の運用面での強化、医療保険の審査支払機関の事務費・業務の在り方など、保険者における医療費適正化に向けた取組に対する一層のインセンティブ強化について制度設計を行う。

○経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定)抄

・ 予防・健康づくり等の取組に係る共通のインセンティブ指標を踏まえつつ、保険者努力支援制度や後期高齢者支援金の加算・減算制度等について具体的な指標を検討し、疾病予防・健康づくり等に関するインセンティブ強化を実現する。

予防・健康づくり等に関する保険者インセンティブに関する主な閣議決定等

34

後期高齢者支援金の加算・減算制度の見直し(検討中)

【現行の仕組み】 ※国保・被用者保険の全保険者が対象

1.目標の達成状況・ 特定健診・保健指導の実施率のみによる評価

2.支援金の加減算の方法 (H26年度の例)

①健診等の実施率ゼロ(0.1%以下)の保険者 (142保険者)

→支援金負担を加算(ペナルティ) ※加算率=0.23%

②実施率が相対的に高い保険者 (183保険者)

→支援金負担を減算(インセンティブ)

※事業規模:7,600万円 支援金総額(保険者負担):5.6兆円

○ 後期高齢者支援金の加算・減算制度について、特定健診・保健指導や予防・健康づくり等に取り組む保険者に対するインセンティブをより重視する仕組みに見直す。

【見直し:H30年度~】 ※加減算は、健保組合・共済組合が対象(市町村国保は保険者努力支援制度で対応)

1.支援金の加算(ペナルティ)・ 特定健診・保健指導の実施率が「ゼロ(0.1%以下)の保険者」だけでなく、「実施率が著しく低い保険者」に対象範囲を拡大・ 実施率に応じて、3段階で、加算率を設定

2.支援金の減算(インセンティブ) ※減算の規模=加算の規模

・ 特定健診・保健指導の実施率に加え、がん検診・歯科健診、糖尿病等の重症化予防、予防・健康づくりの個人へのインセンティブの取組、事業主との連携等の複数の指標で総合評価

(項目案)・特定健診・保健指導の実施率、前年度からの上昇幅・後発品の使用割合、前年度からの上昇幅・がん検診・歯科健診等、糖尿病等の重症化予防・健診の結果の分かりやすい情報提供、対象者への受診勧奨・事業主との連携(就業時間中の配慮、受動喫煙防止 等)・予防・健康づくりの個人へのインセンティブの取組 等

0

加算対象保険者減算対象保険者

減算(インセンティブ)

加算(ペナルティ)

特定健診等の実施率で評価

0

複数の指標で総合評価

<見直し後:H30年度~>

加算と減算の規模は同じ

特定健診・保健指導の実施率が著しく低い(3段階で設定)

実施率がゼロ

<現在の仕組み:H29年度まで>

減算(インセンティブ)

加算(ペナルティ)35

特定健診・保健指導の実施率向上のインセンティブでの評価

○ がん検診との同時実施など特定健診の利便性と魅力を高める取組が実施率向上策として有効であり、こうした保険者の取組を一層推進する観点から、その成果をインセンティブで評価していくことが重要である。このため、保険者努力支援制度と後期高齢者支援金の加減算制度において、実施率向上の取組の成果に応じて評価がなされるよう、評価の指標を設定する。

(※)H27年国保法等改正では、保険者機能をより発揮しやすくする等の観点から、①市町村国保について保険者努力支援制度を創設し、糖尿病重症化予防などの取組を客観的な指標で評価し、支援金を交付する(H28年度から前倒し実施を検討)、②健保組合・共済の後期高齢者支援金の加減算制度についても、特定健診・保健指導の実施状況だけでなく、がん検診や事業主との連携などの取組を評価する(見直しの施行はH30年度から)こととした。

36

➢ 市町村国保のインセンティブの指標の見直し・市町村国保の保険者努力支援制度のインセンティブの指標に、「特定健診・保健指導の実施率の水準」だけでなく、

「前年度からの実施率の向上幅」を位置づけることで、実施率向上の取組の成果を評価する。

➢ 健保組合・共済、協会けんぽのインセンティブの指標の見直し・健保組合・共済の高齢者支援金の加算(ペナルティ)は、現在、「保健指導の実施率0.1%以下(実態ではゼロ)」のみ

の保険者が対象だが、「実施率が著しく低い保険者」にまで加算の対象範囲を広げる。・高齢者支援金の減算(インセンティブ)の指標でも、「特定健診・保健指導の実施率の水準」だけでなく、「前年度か

らの実施率の向上幅」を位置付けることで、実施率向上の取組の成果を評価する。・協会けんぽも、実施率向上策の評価について、健保組合・共済との平仄がとられたインセンティブ指標を設定する。

➢ 個人インセンティブの取組の評価(保険者インセンティブでの対応)・保険者努力支援制度と後期高齢者支援金の加減算制度のインセンティブの指標に、「予防・健康づくりの個人インセン

ティブの取組を実施している」ことを位置付ける。これにより、保険者が実施率向上の観点から行う個人インセンティブの取組として、例えば、特定健診の受診者や保健指導の終了者に対して健康ポイントを付与する事業について、保険者インセンティブでも評価ができる。

(※1)「個人にインセンティブを提供する取組に係るガイドライン」(H28年5月)では「ヘルスケアポイントを付与するタイミングを事業主の給与支払と同時に行う等の工夫を行い、これを保険者が「保険料への支援」として呼称することも考えられる」としている。健診受診者や保健指導終了者にヘルスケアポイントを付与する方法でも、同様の運用による効果の発揮も可能である。

(※2)セルフメディケーションの推進の観点から、スイッチOTC薬の医療費控除の特例(H29年~33年)が創設され、特定健診、がん検診等の受診が控除の要件となっている。個人の健康意識の高まりや健診の実施率の向上にもつながると期待される。

データヘルス計画:第2期(H30~35年度)に向けた取組

37

データヘルス計画の作成状況平成28 年3月現在

作成済み 作成中 未作成 計

健保組合1,395組合(99.6%)

-5組合(※1)

(0.4%)1,400組合(100%)

協会けんぽ47支部+船保(100%)

- -47支部+船保(100%)

市町村国保1,013保険者(64.6%)

295保険者(18.8%)

261保険者(16.6%)

1,569保険者(100%)

後期広域連合47

(100%)― -

47(100%)

(※1)健保組合で未作成の5組合は、合併・解散等が予定されていて作成しないので、実質的に全健保組合で作成済。(※2)市町村国保1716保険者のうち、日本健康会議2016の全数調査で報告のあった1569保険者の調査結果(147保険

者の結果が反映されていない)。

出典:日本健康会議2016 保険者データヘルス全数調査

データヘルス計画全体の進捗管理の有無 データヘルス計画全体の評価改善の有無

76.7%

21.5%

1.8%

n = 1,298■実施している■実施していない■無回答

51.3%46.7%

2.0%

n = 1,298■実施している■実施していない■無回答

38

データヘルス計画 アドバイスシートについて

○ 健康保険組合が平成26年度に作成した第1期データヘルス計画について、厚生労働省において作成状況を確認し、それぞれの組合向けのアドバイスシートを作成(平成28年6月)。各健保組合が評価できるよう、送付した。

○ 健保組合等の関係者で問題点の共有を図り、第2期(平成30~35年度)データヘルス計画策定の参考として活用。

①既存事業の棚卸し既存事業の活用、新たな事業計画につながっているか

②データ分析による現状把握分析結果に基づく課題設定で対策検討につながっているか

③コラボヘルスの体制事業主との協働でデータヘルス計画の実行性につながっているか

④個別保健事業の計画健康課題を踏まえた事業計画が立てられているか事業目標および評価指標の設定で効果検証・見直しにつながっているか

第1期データヘルス計画・確認の視点

39

8.5%5.5%

20.7%19.9%

11.0%

0.6%

49.0%

23.2%

32.9%

14.7%

24.2%

6.1%

70.3%

40.0%

25.0%

70.3%

5.6%

13.2%9.4%

3.3%

14.0%

18.9%

5.1%

35.6%35.1%

51.8%

37.6%

2.2%

8.7%

2.8%0.0%

9.3%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

32事業ごとのデータ分析を行った健保組合の割合

データ分析による現状把握

・特定健診、特定保健指導、重症化予防、禁煙対策といった事業を行った健保組合については、多くが事業の分析を行っている。他方、健診後のフォロー、特定保健指導後のフォローに課題がある。

・ハイリスクアプローチに紐付く分析が行われている。・ポピュレーションアプローチに分析を紐付けることが課題。

40

データ分析を行う体制を整えている健康保険組合の規模

データヘルス計画で立てた事業の実施状況(アウトプット、アウトカム)をチェックできる体制・人員(仕組み)の有無 (n = 1,328)

○ 保健事業においてデータ分析(事業の効果の検証)を行う体制は、規模の大きな健康保険組合の方が整っている。

出典:健康保険組合連合会 データヘルス計画における保険者調査 平成27年11月実施

有り

無し

(加入者数)

41

被用者保険のデータヘルス計画の取組スケジュール

データヘルス

計画作成・公表

平成26年度 27 28 29 30 31 32 33 34 35

第2期計画

中間評価

第1期計画

○ 平成26年度中にほぼすべての健康保険組合、および協会けんぽにおいてデータヘルス計画を策定し、第1期(平成27~29年)データヘルス計画に基づく保健事業に取り組んでいる。

○ 平成28年6月にデータヘルス計画を個別に確認し、アドバイスシートを送付。○ 平成29年度中に第2期(平成30~35年)のデータヘルス計画を作成予定。○ 平成30年度からのデータヘルス計画の本格実施に向けて、PDCAサイクルの好循環をさらに加速させる。

PDCAPDCA

第1期計画期間(平成27~29年度) 第2期計画期間(平成30~35年度)

実績評価

実績評価

データヘルス

計画作成・公表

(第2期)

アドバイス

シート送付

・データ蓄積・推進方策の共有・人材の確保

42

第2期データヘルスの「3つの本格稼働」課題に応じた目標設定と

評価結果の見える化データヘルス事業の横展開

情報共有型から課題解決型のコラボヘルス体制の構築

○ 第2期計画期間は平成30年~35年の6年とし、短期的な視点、長期的な視点を考慮し、3年ごとに見直す。

○ 各事業のPDCAサイクルの評価指標の設定の他に、データヘルス全体の目標を設定する。

○ 都道府県連合会を通じた協働事業の推進や、業界共通の課題解決に向けモデル事業の展開等、アプローチ方法として、業種、業界の特徴や地域課題に対応した取組を推進する

○ 重点的に取り組む事業について共通の評価指標を検討する。

健保組合と事業主が連携して、課題と役割分担に則した保健事業の計画を立てているか

※1)健康保険組合連合会 データヘルス計画における保険者調査 平成27年11月実施※2)厚生労働省保険局保険課 データヘルス計画 アドバイスシート 平成28年6月発送

5.8%

20.7%

29.0%17.7%

26.8%出来ている

おおむね出来ている

部分的に出来ていない

出来ていない

無回答

n = 1,332

データヘルス計画を作成するにあたり、困難であった部分(一部抜粋)

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

n=

STEP1-1~7現状把握のデータ作成部分

STEP1-1~7現状把握の分析部分

STEP2 健康課題の抽出

STEP3 事業の目的及び概要・対象者

STEP3 実施計画(平成27年度、平成28年度、平成29年度)

STEP3目標(アウトプット・アウトカム)

PDCAサイクルを回して実施していく事業の優先順位

全体のコーディネート、進捗管理

事業主との連携

1,332 38.7 50.8 49.2 24.1 44.8 67.6 26.0 32.1 39.0

日本健康会議・社会保障KPI重点事業実施率※1) ※1) ※2)

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

n=

会議体の設置・事業主との情報共有

インセンティブプログラム

ICTを活用した特定健診等の情報提供

重症化予防(受診勧奨、階層化基準外の保健指導を含む)

後発医薬品差額通知

実施率

1,279 48.0 25.4 14.2 60.0 59.4 41.4

○ 健康保険組合がデータヘルスを活用し、事業主が推進する健康経営・健康投資を積極的に支援する。

○ 健康課題を解決するための事業を計画・実施ができるよう、機動的なコラボヘルスの体制を構築する。

43

中リスク層

健康層

個別の事業

高リスク層

低リスク層

健保組合

加入者への意識づけ

職場環境の整備

例)重症化予防

例)発症予防、特定保健指導、行動変容

例)健診・検診、広報誌、ウォーキングプログラム

加入者

事業主

例)保健事業に参加しやすい職場環境の醸成禁煙の機会の提供

協 働

②コラボヘルスガイドライン(仮称)

③データヘルスポータルサイト

被用者保険におけるデータヘルスの強化 全体像(平成30~35年度)

保健事業の基盤

<強化策①> 第2期データヘルス計画策定によるPDCAサイクルに基づく保健事業の自走化<強化策②> コラボヘルスガイドラインの策定による事業主との連携強化<強化策③> データヘルスポータルサイトを活用したアウトカム指標に基づく効果検証の見える化

第2期データヘルス計画策定によるPDCAサイクルに基づく保健事業の自走化

①データヘルス計画作成の手引き(改訂)

44

○ 「経済財政運営と改革の基本方針2016」(H28年6月閣議決定)では、「保険者によるデータの集約・分析や保健事業の共同実施等を支援する」と盛り込まれており、具体的な保険者への支援策として、経済・財政一体改革推進委員会第2次報告では、「データヘルスのポータルサイトを活用し、地域や職場ごとの健康課題を「見える化」した上で、課題に応じた「次の一手」(効果的な事業メニュー)の導入を支援する。」とされている。

○ 健康保険組合が第1期データヘルスのPDCAサイクルを円滑に回し、第2期データヘルスへの円滑な移行を図るため、データヘルス・ポータルサイトを活用する環境を整備する。

データヘルスポータルサイトを活用したアウトカム指標に基づく効果検証の見える化

45

○第2期データヘルス計画の策定に向けたデータヘルスポータルサイトの運用スケジュール

○第2期データヘルス計画の策定・事業の実施スケジュール

28年度 29年度 30年度

モデル事業実施 本格運用開始

・第2期データヘルス計画への移行支援事業を公募(30組合程度を予定)・モデル組合の意見聴取 など

第2期データヘルス計画策定

試行運用

第2期データヘルス計画に基づくデータヘル

ス事業の実施

コラボヘルスガイドライン

モデル的協働事業の検討・実施

(改訂)データヘルス計画作成の手引き

第2期データヘルス計画策定に向けた今後のスケジュール(イメージ)

46

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)概要

全国医療費適正化計画及び都道府県医療費適正化計画の作成、実施及び評価に資するため[高齢者の医療の確保に関する法律 第16条]

利用目的

厚生労働大臣 (注)外部事業者に維持管理を委託

保有主体

・レセプトデータ 約111億1,900万件[平成21年4月~平成28年1月診療分] ※平成28年4月時点

・特定健診・保健指導データ 約1億6,900万件[平成20年度~平成26年度実施分]

(注1)レセプトデータについては、電子化されたデータのみを収載(注2)特定健診等データについては、全データを収載(注3)個人を特定できる情報については、固有の暗号に置換することで、個人の診療履歴の追跡可能性等を維持しつつ、匿名化

収載データ

日本全国のレセプトデータ、特定健診等データを収集しデータベース化

現在、約7年分を格納

47

NDBオープンデータについて

○ 「NDBオープンデータ」は、これまで、研究者や行政機関が個別に提供を受ける以外に入手方法がなかったNDBデータを集計し公表することで、一般に入手可能とするもの。

○ 公表データは汎用性の高い基礎的な集計表とし、比較的網羅的な集計とすることを目指した。

NDBオープンデータの基本的考え方

○ 平成26年度の医科(入院・入院外)、歯科、調剤、DPCの各レセプト(約18億件)が集計対象

○ 平成25年度の特定健診データ(約2,600万件)が集計対象

○ 各項目につき、都道府県別と性・年齢階級別で集計し、平成28年10月に公表

第1回 NDBオープンデータの集計対象と公表

集計結果を公表

年齢

診療行為

都道府県

集 計

抽 出レセプト情報等データベース(NDB)

レセプトデータ(平成26年度)

特定健診データ(平成25年度)

48

保険者による予防・健康づくりの好事例の横展開(呉市等の重症化予防の取組等)

○ 広島県呉市の国保では、レセプトや健診データを活用し、以下のような糖尿病性腎症の重症化予防の取組を実施。

① 健診異常値者から医療機関未受診者等を抽出 ⇒ 受診勧奨の実施

② 糖尿病性腎症等の重症化リスクのある対象者を抽出 ⇒ かかりつけ医等と連携した個別指導の実施

○ こうした取組を全国に横展開するためには、各自治体、郡市医師会が協働・連携できる体制を整備する必要。

○ そこで、「厚生労働省・日本医師会・日本糖尿病対策推進会議」の三者が協定を締結し、平成28年4月には、国レベルで「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定。

○ 同年5月には、都道府県、市町村及び国保連を対象に本プログラムの説明会を開催。

○ 引続き、日本医師会等と連携しつつ① 都道府県単位でのプログラムの策定 ② 市町村における重症化予防の取組の促進に取り組んでいる。

1.呉市の取組とその横展開

○ 平成27年5月に成立した医療保険制度改革関連法において、重症化予防の取組を含めた医療費適正化等に係る都道府県や市町村国保の取組を評価・支援するため「保険者努力支援制度」を創設(平成30年度施行。財政規模は700~800億円の予定。)

○ さらに、骨太方針2015等を踏まえ、平成28・29年度において、保険者努力支援制度の趣旨を踏まえた取組を前倒しで実施。

具体的には、現行の市町村国保への交付金(特別調整交付金)を活用し、糖尿病等の重症化予防等に取り組む市町村に対し、平成28年度から財政支援を実施。(財政規模は今後検討。)

2.保険者に対するインセンティブ

さらに横展開を支援

○ かかりつけ医等と連携して生活習慣病の重症化予防に取り組む市町村国保は、118市町村(平成27年度末)。

※ 何らかの重症化予防の取組を行っているのは、659市町村

○ 今後、まずは、800市町村(平成32年)※を目指し、市町村の取組を促進していく。※日本健康会議の宣言2020の目標

3.進捗状況と今後の取組

49

50

都道府県別一人当たり医療費の地域差 医療費適正化の取組について○ 医療費の地域差の主な要因は入院医療費。入院医療費は病床数と高い相関がある。

○ 病床機能の分化・連携(地域医療構想)や糖尿病重症化予防等により医療費の地域差半減に向けて、医療費適正化を推進。

○ インセンティブ改革や重症化予防の横展開等により、予防・健康づくりの取組も加速化。

【医療費の地域差の分析】

医療費適正化計画

入院16.1兆円

外来21.3兆円

国民医療費(平成26年度)

40.8兆円

歯科・その他

3.5兆円

【地域差】

1人当たり入院医療費(年間、年齢調整後)

高知県 32.1万円

13.6万円の差

脳卒中など(循環器系疾患) 3.3万円

アルツハイマー病など(神経系の疾患)2.1万円

総合失調症など(精神・行動の障害) 1.7万円

その他 6.6万円

静岡県 18.5万円

1人当たり外来医療費(年間、年齢調整後)

広島県 29.3万円

6.2万円の差

受診日数 9.5万円1日当たり単価 ▲3.3万円

新潟県 23.1万円

【地域差の背景】(各種指標との関連性)

病床数0.8

医師数0.7

高齢者就業率▲0.5

医師数0.5

高齢者就業率▲0.3

保健師数▲0.3

(最大)

(最大)

(最小)

(最小)

(※)

(※) 広島県は新潟県よりも1日当たり医療費は低いが、受診日数はその影響を大きく上回るほど多い。

※数値(相関係数)は、1に近いほど医療費との関係性が高い。

増加要因

減少要因

○糖尿病重症化予防プログラム(H28.4)策定。日本健康会議(H28.7)で全国の市町村・保険者の取組を公表

※自治体の取組状況を分析。民間のスキル・ノウハウの活用を働きかけ。⇒ マッチングのためデータヘルス見本市【H27:1回、H28:3回】を開催

※重症化予防の取組を民間に委託する市町村:53(H27.9)→124(H28.3)

重症化予防の横展開

インセンティブ改革

うち、

うち、

【医療費目標の算定式】

・入院医療費:地域医療構想と整合的に策定

✔ 病床機能の分化:高度急性期・急性期を減らし、回復期を拡充

✔ 療養病床の入院受療率の地域差の解消

⇒ 政策的手段を駆使して入院医療費も地域差半減に向け縮小

・外来医療費: 平成35年度の効果額(※機械的試算)

後発医薬品の使用割合の目標達成(70%→80%) 【▲約4000億円】

糖尿病重症化予防(全国的に取組推進+平均以上は差を半減) 【▲約800億円】

医薬品の投与の適正化(重複、多剤投与の是正) 【▲約600億円】

特定健診・保健指導実施率(全国目標:各70%、45%) 【▲約200億円】

※地域差半減に向け、レセプト分析を継続。更なる取組を検討

○都道府県の疾患別医療費の地域差、後発品の使用促進の地域差等を見える化。

毎年度、都道府県の医療費適正化目標の達成状況を公表し、国で進捗を評価。

○予防・健康づくりにしっかり取り組む保険者へのインセンティブ強化・国保 30年度からのインセンティブ改革を今年度から前倒し実施

※特定健診、重症化予防等に関する指標を踏まえた評価に基づき今年度から交付金を分配

・被用者保険 特定健診受診率・保健指導実施率が著しく低い保険者へのペナルティ(高齢者支援金の加算等)のメリハリ強化

▲約6000億円

H28年10月21日経済財政諮問会議塩崎臨時議員提出資料

50

医療費の地域差是正に向けた取組

厚生労働省

○ 保険者努力支援制度等を活用して、保険者が行う健康の保持増進等の取組をインセンティブで支援(平成30年度以降)○ 都道府県や保険者の取組状況を指標で「見える化」(分かりやすく公表)○ 都道府県が医療費分析できるよう、県単位のNDB(レセプトデータ)の迅速な提供○ 厚生労働大臣は、国・都道府県の適正化計画の目標達成のため必要と認めるときは、あらかじめ都道府県と協議の上、

都道府県別に診療報酬の異なる定めができる

都 道 府 県

保険者協議会

国 保 健保組合(連合会)協会けんぽ後期高齢者広域連合 共済

都道府県が国保の保険財政と医療提供体制で権限と責任。医療費適正化計画等の策定主体として保険者協議会に参画し、実効性を高める。

①医療提供体制の権限:地域医療構想の推進(医療介護総合確保基金の活用、病床転換の中止要請権限等)

②医療の財政責任:国保の財政運営の責任(H30年度~)、医療費適正化計画の策定、医療費の分析、厚労大臣に診療

報酬の意見提出- 医療費が目標を著しく上回ると認める場合又は項目の目標を達成できないと認める場合、保険者・後期広域連合・医療機関と協力して必要な対策を講じるよう

努める- 医療費適正化計画の取組の推進のため、保険者協議会を通じて、保険者に対して適正化や保健事業の推進など協力を要請

○ 県は協議会に対し地域医療構想と適正化計画について協議、適正化の取組への協力を要請

○ 協議会は県が策定する地域医療構想と適正化計画に意見を提出

都道府県の権限の強化

- 都道府県が保険者協議会で主導的な役割を発揮

- 国が行う保険者へのインセンティブについて都道府県からの意見を反映

- 都道府県が保険者と共同で医療費等を分析、PDCAを用いて運営責任を共有

32% (1,879) 38% (47) 16% (1) 11% (1,400) 4% (85)

保険者努力支援制度等(国が交付金で支援)

後期高齢者支援金の加算・減算(国が指標を策定し加算・減算を実施)

保険者へのインセンティブ(国が決定)

H28年度から前倒し実施

H25年度医療費構成割合

(保険者数)

H28.11.25経済財政諮問会議厚生労働大臣提出資料

51

データヘルス:将来の展望

52

保健医療分野におけるICT活用推進懇談会

○ 保健医療ニーズの増大・多様化に対応するためには、ICT 等を活用し、医療の質、価値安全性、パフォーマンスを飛躍的に向上させることが必要であり、今後は、膨大な保健医療データベースの活用により、治療の効果・効率性や医薬品等の安全対策の向上が実現され、国民が、その効果を実感できることが重要。

○ このため、保健医療分野のICT 等の活用について、中長期的な戦略や、具体的なアウトカムを出すための方法等を検討することを目的として、保健医療分野におけるICT 活用推進懇談会を平成27年11月に設置。

大山 永昭 東京工業大学 科学技術創成研究院 社会情報流通基盤研究センター教授

小黒 一正 法政大学経済学部教授

工藤 卓哉 アクセンチュア Data Science Center of Excellence兼 アクセンチュア

アナリティクス日本統括 マネジング・ディレクター

福田 敬 国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部長

伏見 清秀 東京医科歯科大学医療政策情報学分野教授

宮田 裕章 慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教授

武藤 真祐 医療法人社団鉄祐会理事長

◎ 森田 朗 国立社会保障・人口問題研究所長

矢作 尚久 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻

品質・医療社会システム工学寄付講座 主幹研究員

◎:座長

保健医療分野におけるICT活用推進懇談会

53

平成28年10月19日提言

54

55

56

57

58

59

60

医療・介護分野におけるICTの活用と課題①

○電子カルテの普及を推進

現在までの取組

今後の課題

○健診・医療・介護のレセプトを中心とした公的データベースを整備・拡充

出典:厚生労働省医療施設調査

◆電子カルテの普及状況

◆ネットワーク数の推移

0

100

200

300

H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H30

0

1000

2000

H15 H17 H20 H22 H24 H26 H28

◆対象病院数

(%)NDB

患者

中核病院診療所

薬局

健診機関

患者

中核病院

診療所

薬局

健診機関

1.デジタル化・標準化 2.ネットワーク化 3.ビッグデータ化

・あじさいネット(長崎県)・晴れやかネット(岡山県)

DPC

⑴電子カルテの互換性が不十分で、分析に足りるデータの標準化・ルール化がなされていない

⑵従来標準化してきた医療データは、治療実績(アウトカム)が比較検証できるデータが十分でない

⑶良くなるための介護のケア内容のデータがなく科学的分析がなされていない

0

50

100

150

H21 H23 H25 H27

◆レセプト件数(億件)出典:日医総研

DPCデータ(急性期病院の入院のレセプトデータ等を蓄積)

ナショナルデータベース(レセプト・特定健診等のデータを蓄積)

介護DB

○医療データの標準規格を策定

患者基本情報

検査データ

・情報の交換規約(交換するデータの項目、記載ルール)・用語/コード(医学用語、検査コード等)・フォーマット(放射線画像、心電図の波形等)

介護事業所

⑴ネットワークが、域内の医療機関の参加率が高くない上、全国統一のインフラとなっていないネットワークの相互利用や全国的共有のための全国共通の医療等IDの導入が必要(平成32年からの本格運用を目指す)

⑵個人の健康なときから疾病・介護段階までの基本的な健康づくり・健診・医療・介護データが統合されていない

⑴現在のデータベース間では、データの連結ができておらず、健康づくり・健診・医療・介護を通じた分析ができない

⑵レセプトに基づく情報が中心で、カルテの有用な情報の活用が限定的

⑶データベースについての産官学の利用環境が整っていない(匿名化やデータの提供ルール等)

⑷健康・医療データを活用した疾病予防などの保険者機能の発揮が不十分

ネットワークで共有される情報閲覧の画面例

県全域で治療や調剤に関する情報をネットワークに参加する病院、診療所、介護事業所等で連携

全国に普及・展開

介護保険総合データベース(介護保険レセプトデータと要介護認定データを蓄積)

年々ネットワーク数は増加(約250)

一定規模以上の医療機関では約8割

※予定含む

0

50

100

H17 H20 H23 H26

400

床以

出典:厚生労働省調べ

平成21年度~ 収集開始

出典:厚生労働省調べ

○地域の医療機関などが患者情報を共有するネットワークの構築を推進

処方データ

例平成28年度中 構築

◆レセプト件数(億件) 出典:厚生労働省調べ

0

5

H24 H25 H26 H27

61

特定健診等情報サーバ

NDB

レセプト情報サーバ

厚労省

介護DB

レセプト情報

要介護認定情報

●傷病名、医療機関コード医学管理、請求点数 等

●事業所番号要介護状態区分サービス内容・単価 等

介護レセ:約5.2億件(H24.4~)

健診情報:約2億件 (H20.4~)

医療レセ:約110億件(H21.4~)

介護事業所等

健保被保険者 受診

特定健診

受診

介護被保険者

サービス受給

○○

病院

支払基金

審査

国保連

A健保組合

特定健診

国保連

B市(介護部局)

審査

審査

健診機関

審査支払機関

医療レセ

介護レセ

健診情報

健診情報

匿名化軽量化

匿名化軽量化

○氏名、コメント欄●傷病名、医療機関コード医学管理、請求点数 等

○氏名、コメント欄●傷病名、医療機関コード医学管理、請求点数 等

○氏名●事業所番号、要介護状態区分、サービス内容・単価 等

医療レセ

全国ベースで約20億件/年

を審査

約1.5億件/年

KDB(※保存年限5年)

健診機関

国保・後期被保険者

※後期は健康診査

B市国保C県広域連合(後期)

【用語注釈】NDB=レセプト情報・特定健診等情報データベース、KDB=国保データベース

※47国保連合計(H25.10~)

健診情報:約0.4億件医療レセ:約30億件介護レセ:約4.7億件

保険者がデータヘルスに活用

医療・介護の情報を個人ベースで突合

健保・国保・後期

合わせて0.3億件/年

医療・介護分野におけるICTの活用と課題②

匿名化軽量化

蓄積したビッグデータを国民・患者のために活用(

真のデータヘルス)

62

集まるデータ 生み出すデータ

つくる

つなげる

ひらく

分散したデータ データの統合

たこつぼ化 安全かつ開かれた利用

3つのパラダイムシフトと3つのインフラ

データの収集段階から、集積・分析・活用(出口)で使えるアウトカム志向のデータをつくる

個人の健康なときから疾病・介護段階までの基本的な保健医療データをその人中心に統合する

産官学のさまざまなアクターがデータにアクセスして、医療・介護データをビックデータとして活用する

<インフラ>

<インフラ>

<インフラ>

最新のエビデンスや診療データをAIを用いてビッグデータ解析し、現場の最適な診療を支援するシステムを構築

医療・介護スタッフに共有され、個人自らも健康管理に役立てる全ての患者・国民が参加できるオープンな情報基盤を整備

産官学の多様なニーズに応じて、医療・介護データを目的別に収集・加工(匿名化等)・提供できるプラットフォームを整備

ICT・AI等を活用した医療・介護のパラダイムシフト

ICTの利活用が「供給者目線」から「患者・国民目線」になるように作り変え、

以下を実現

ビッグデータ活用やAIによる分析

地域や全国の健康・医療・介護情報ネットワーク

ビッグデータ活用によるイノベーション

ICTを活用した遠隔診療や見守り

どこでも誰でも、自身の健康・医療・介護情報が医師などに安全に共有され、かかりつけ医と連携しながら切れ目ない診療やケアを受けられる

専門の医師がいない地域の患者や、生活の中で孤立しがちなお年寄りでも、遠隔医療や見守りなどの生活支援を受けられる

疾患に苦しむ様々な患者に、最新の治療法や医薬品を届けられる。

診療や治療が難しい疾患でも、個人の症状や体質に応じた、迅速・正確な検査・診断、治療が受けられる

○ 厚生労働省では、ICT・AI等を活用した医療・介護のパラダイムシフトを実現するため、・「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」を昨年11月より開催。ICTを活用した次世代型の保健医療システムの姿について、

先月(10月)にとりまとめ・「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」を本年4月より開催。ICT・ビッグデータの活用による保険者機能の

在り方等について、本年中にとりまとめ予定

63

ICT・AI等を活用した医療・介護のパラダイムシフト(工程表)

2017年度 2018年度【診療報酬・介護報酬改定】

2019年度 2020年度【診療報酬改定】

2025年度2021年度【介護報酬改定】

● AIやIoT等のICTを活用した診療支援や遠隔医療、見守り、ロボット等の技術革新を、医療・介護の枠組み(診療報酬・介護報酬)の中に、現場や国民がメリットを実感できる形で、十分なエビデンスの下に組み込み

最新のエビデンスや診療データをAIで分析し、最適な診療が受けられる。

個人の健康~医療・介護段階のデータを医療・介護スタッフ等に共有し、

適切な診療・サポートが受けられる。個人自らも健康管理に役立てることができる。

産官学が多様な目的で医療・介護データを活用できる。

●全国規模への拡大

●段階運用

●開発・実装化

●調査・研究

データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会

医療介護ICT本格稼働

健康・医療・介護のデータベースの連結

●審査支払機関を『業務集団』から『頭脳集団』に改革●基盤となるデータプラットフォームの構築

●審査支払機関も保険者も●それぞれが質の高い医療を実現

データベースの分析により、「科学的に裏付けられた介護」が受けられる。

※本格稼働後も技術革新に合わせ機能を拡充

●分類の精緻化●データベース

の構築

●ケア内容のデータベース

試行運用

AIを用いた診療支援

●設計・開発

医療等ID

●全国各地への普及

医療連携ネットワーク

●ケア内容の分類の作成●調査・研究

介護保険総合データベースの抜本的改革

●介護報酬改定において自立支援に向けたインセンティブ付けの検討

●診療報酬改定においてAIを用いた診療支援に向けたインセンティブ付けの検討

●診療支援技術の確立

●健康・医療・介護の公的データベースの整備・連結

64

医療データのデジタル化・標準化(医療情報の利活用の基盤整備)

○ 医療情報の共有・連携・収集・分析に向け医療データの利活用の基盤整備として、電子カルテの普及と医療機関の医療データの標準化を図る

<取組状況>○ 医療機関間で医療情報を共有するための

厚生労働省標準規格の策定・情報の交換規約(交換するデータの項目、データ記載ルール)

・用語/コード(医学用語、検査コード 等)・フォーマット(放射線画像、心電図の波形等)

○ 医療情報連携ネットワークの全国普及の支援・推進(p3)により、情報連携のベースとなる電子カルテの普及を牽引

<取組状況>○ 以下の研究事業を開始(2016年度~)

・ 病理画像等のデータを収集し、医療従事者の診断支援技術を開発・ 電子カルテの記載情報を標準的な記載に変換し、分析可能な情報とする技術を開発

(例:浮腫、むくみ→浮腫) AI等の次世代型技術を用いた標準化等の加速

電子カルテの普及と医療データの標準化

※各地で構築されている医療連携ネットワークで、病名、検査、処方等の基本情報を共有する際に活用。

共有する情報の用語等を標準化

A病院病院情報システム

B病院病院情報システム

現行の取組①

○ 一般病院(400床以上)における電子カルテの普及【2020年度までに普及率90%を目指す】

○ 医療情報の診断支援技術の開発○ 電子カルテ記載情報の標準化

<実績>電子カルテ普及率(一般病院(400床以上))2011年度57%→2014年度78%

平成28年10月19

日構造改革徹底推進会合 厚労省提出資料

65

<取組状況>本年度中に具体的なシステムの仕組み・実務等を検討、来年度から着実にシステム開発を実行

<取組状況>本年度中に具体的なシステムの仕組み・実務等を検討、来年度から着実にシステム開発を実行

患者・現場をつなぐネットワーク化(医療情報の共有・連携)

○ 地域での医療介護連携や、医学研究を推進等するため、医療保険のオンライン資格確認、医療等分野のIDの導入を図るとともに、地域医療情報連携ネットワークの普及を推進

現行の取組②

オンライン資格確認 医療等ID

地域医療情報連携ネットワーク

医療機関ピッ

患者の医療保険資格をオンラインで確認

医療保険の資格情報を管理

(マイナンバー)

支払基金等

○ 病院、診療所間の患者情報の共有や、医学研究でのデータ管理などに利用可能なIDを導入

【2018年度から段階的運用開始、2020年に本格運用を目指す】

病院

薬局

介護事業所かかりつけ医

③分析・研究開発のための情報提供

ID ②地域での医療介護連携

マイナンバーカードピッ

病院

診療所

介護施設

○ 地域の医療機関や介護事業者がICTを利用して患者情報を共有するネットワークを全国各地へ普及【2018年度までに全国に普及・展開】

① 地域医療介護総合確保基金(医療分)の活用病床の機能分化・連携のための地域医療連携ネットワークの構築に

ついては、基金( 2016年度予算額904億円)の活用が可能(2014年度~)② 診療報酬による評価

診療情報提供時の画像情報等の電子的な提供・活用については、診療報酬で評価(2016年度~)③ 医療情報連携ネットワーク構築支援サービス

ネットワークを構築する際に有用な技術面及び企画面の情報の一元的な情報発信を開始(2016年度~)

マイナンバーカード 支払基金等①振り出し ID

○ 医療機関等の窓口でオンラインで医療保険資格の確認ができる仕組みを構築【2018年度から段階的運用開始、 2020年に本格運用を目指す】

ID

保険証

保険証

<実績>2016年7月現在で約250

<

取組状況>

平成28年10月19

日構造改革徹底推進会合 厚労省提出資料

66

備・拡

●ナショナルデータベース

●DPCデータ

●MID-NET(医療情報データベース)

●介護保険総合データベース

全国規模でレセプト・特定健診等のデータを蓄積。受療行動の傾向を把握可能。また、特定健診等の状況と、提供される医療の内容の分析が可能。

(レセプト約111.2億件 特定健診等約1.7億件)

協力医療機関の検査結果や電子カルテデータを蓄積。PMDAで分析を行い、医薬品等の安全対策を実施。(現在試行期間中)

• 利用可能なデータを300万人規模に拡充。【2018年度中】

• 製薬企業や研究機関等へのデータ提供を実施。【2018年度中】

全国規模の急性期病院の入院に関するレセプトデータ等を蓄積。診療行為や投薬の実施傾向を把握可能。

(約1,600病院、約1,300万人分/年)

<取組状況>・ 現在、試行的にDPCデータ(集計表)の第三者提

供を実施中【2016年度】・ DPCデータベースを構築。【2016年度中】・ DPCデータベースのシステム運用を開始し、第三

者提供を実施。【2017年度以降】

医療・介護の質の向上等を推進

イノベーションを生み出すビックデータ化(医療情報の収集・分析)

○ 医療に関する様々なデータの集積や多様な分析により、医療の質の向上 、医療機関のコス

ト・経営の効率化 、研究開発の推進等を図るため、データベースの整備・拡充を推進。

データ分析(※)を行い、レセプトデータと介護レセプトデータ等の各データの効果的な利活用方法を研究【2015年度~】

(※例)

介護保険法に基づき、介護レセプトデータと要介護認定データを蓄積。地域の介護情報分析等が可能。(レセプトデータ約5.2億件(2015年10月時点)、要介護認定データ約4千万件(2016年5月時点))

<取組状況>• データの悉皆性を確保するため、市区町村に対し

データ提出の義務づけを検討中。• NDBの取組を踏まえ、研究機関等をはじめとした

データの第三者提供の実施を検討中。

• 退院時の在宅医療・介護指導状況と在宅日数との関連を分析

• 医療・介護サービスの利用状況と医療・介護費の関連を分析

データベースの整備・拡充 複数のデータベースの利活用

○ データベース横断的な利活用を推進。

複数のデータベースの利活用について研究

○ 各種データベースの整備及び拡充を行う。

現行の取組③

<取組状況>• 今後の施策・研究ニーズに対応するためNDBの

サーバー等を大幅に拡充し、第三者提供の更なる迅速化を実施。【2017年度中】

• NDBの活用促進のため、『NDBオープンデータ(※)』を公表。【2016年度から】

※NDBデータのうち、検査、処置、手術、薬剤等の情報を、別途集計したもの。今後、随時、新しいデータに更新を行っていく予定。

各データの効果的な活用方法を提示

平成28年10月19

日構造改革徹底推進会合 厚労省提出資料

67

各機関は住基ネットに接続し、利用するマイナンバーに対応した機関ごとに異なる符号を取得

マイナンバー 個人情報

社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険中央会

健保組合

マイナンバー

個人情報

被保険者番号

被保険者番号協会けんぽ

マイナンバー

個人情報

被保険者番号国保組合

マイナンバー

個人情報

被保険者番号後期広域

マイナンバー

個人情報

被保険者番号

… … …

医療保険

※ 機関別符号は保険者を異動しても変わらない医療保険の符号となり、電子証明書と対応した資格情報を1対1で管理

既存のネットワーク

個人ごとの医療保険の加入履歴の管理・提供

(支払基金の「符号」と被保険者番号

を1対1で管理)

マイナンバー制度における情報連携の仕組み○ マイナンバー制度の情報連携のインフラは、仮にマインナンバーが漏洩しても悪意のある者がマイナンバーを用いて個人情報にアクセスできないよう、利用機関ごとに異なる「機関別符号」(※)を用いて情報連携する仕組みとしており、マイナンバーそのものを個人情報に付して情報連携はしない。これにより、芋づる式の情報漏えいも防止する仕組みとしている。(※)「機関別符号」は書き取りができない電磁的な数字・記号の文字列

○ 医療保険者との情報連携については、保険者の負担を軽減するため、平成27年の国保法等の改正により、支払基金と国保連(とりまとめ機関)が保険者の委託を受け、住基ネットと情報提供ネットワークシステムに一元的に接続することを可能とした。

情報提供ネットワーク(コアシステム)

情報の照会に対し提供を許可し機関別符号同士を対応させる仕組み

符号A 符号B 符号C 機関別符号D

符号A

マイナンバー

利用機関A

個人情報

符号B

マイナンバー

個人情報

符号C

マイナンバー

個人情報

地方公共団体システム機構

【住基ネット】

マイナンバー

住民票コード

市町村が付番

マイナンバー

申請等個人

例:A市

利用機関B

例:B町

利用機関C

例:日本年金機構

機関別符号D

(参考)

68

0123456789ABCDEF

氏名 番号 花子

平成元年 3月31日生

住所 ○○県□□市△△町◇丁目○番地▽▽号

1234

2025年 3月31日まで有効

性別 女

□□市長

(裏面)

1234 5678 9012氏名 番号 花子

平成元年 3月31日生

マイナンバーカードの機能と期待される活用方法

マイナンバー(カード裏面の12桁の番号)ではなくICチップの領域を活用

表面 裏面

カードの裏面にあるマイナンバーは、数字が見えにくくなるように表示

定められた利用目的以外でのマイナンバーの書き写し等は不正利用であり、法律で禁止されている

公的個人認証 独自利用領域にカードアプリケーションを搭載

電子証明書

カードアプリケーション

現在の住基カードでの活用例(条例を制定)・住民票、印鑑証明書、税証明書等の交付サービス

(事業者と協定して、コンビニでの交付も実現)・図書館の利用カード・商店街のポイントサービス(長浜市)

※ICチップに搭載するカードアプリケーションは、独自サービスの提供に必要な情報を登録し、それぞれのサービスに専用に利用される。他のサービスからの利用・参照ができないなど、セキュリティも配慮されている。

ICチップ

公的個人認証の活用例・e-taxなどインターネットの行政手続き

での本人確認・インターネットでの預金口座の開設等・マイ・ポータルの本人確認(番号制度で検討)

692016/11/28

【平成28年度】医療等分野におけるネットワークの相互接続の調査研究概要

複数種類の回線の相互接続に「IX(Internet Exchange)接続センタ」を用いた際の技術、運用、ビジネスモデルの検討を実施

各ネットワークサービス事業者がIXに接続する際に共通的に実装する仕様について、ラボレベルでの検証を実施予定

ビジネスモデルの検討に関しては、コスト試算に加えて、地域医療情報連携ネットワーク、医療機関に対するニーズ調査も実施予定

医療分野の複数種類の回線の相互接続を「IX接続センタ」を用いて実現することを仮説として設定

検討の基本方針

技術面の検討

相互接続を実現するための技術課題と解決策を検討

VPN接続方式の相違に関する解決策

IX接続センタにおけるIPアドレスの重複に関する検討

認証基盤、セキュリティ確保

相互接続仕様確立に関する検討

ラボレベルの接続検証

運用面の検討

相互接続実現の運用課題と解決策を検討

事業主体の選定要件

IX接続センタの運用業務

ネットワークサービス事業者の運用業務

相互接続サービスの利用手順案、ヘルプデスク運用

相互接続に必要な回線帯域

地域医療情報連携ネットワーク、医療機関に対するニーズ調査を実施

イニシャルコスト、ランニングコストの算定、ビジネスモデルの検討

コスト、ビジネスモデルの検討

机上検討、ラボ検証で解決しない課題解決に向けてフィールド実証を実施予定70

相互接続に向けた調査研究の検討事項例(技術・運用・サービス)

患者中核病院

診療所

薬局

健診機関中核病院 診療所

薬局

健診機関

患者

地域医療連携ネットワークB地域医療連携ネットワークA

IX接続センタ(仮称)

相互接続機能

医療機関が直接IX接続センタに接続している場合

IPsec+IKE

通信事業者C

接続機関の認証基盤

機関認証

証明書

DNS

サーバ

【サービス】・IX接続を介した医療情報共有

【サービス】・ネットワーク共用によるサービス提供

【運用】・DNS機能の確認(名前解決)・IX内独自ドメイン名・IX装置冗長構成の実現性・IX提供エリア分散化の実現性・付帯設備と設置環境

【技術】・VPN接続方式の相違の吸収・IPアドレス体系(重複回避)・セキュリティの確保・相互接続プロトコル

【運用】・相互接続サービス開始手順

【サービス】・レセプトオンライン請求サービスを提供する事業者が接続

オンライン請求 オンライン資格確認

IX接続センタ(仮称)を介して各種サービスに接続を想定

・・・

【技術】・IXに接続する機関の認証基盤

IX接続センタ(仮称)を介して、既存のレセプトオンライン請求のネットワークの相互接続を実現するための課題と解決策を検討

IP-VPN

通信事業者A

IPsec+IKE

通信事業者B

【サービス】・レセプトオンライン請求サービスを提供する事業者が接続

71

患者

中核病院

診療所

薬局

健診機関

連携サーバ患者

中核病院

診療所介護施設

健診機関

患者

中核病院

診療所

薬局

健診機関

患者

中核病院診療所

薬局

訪問看護

地域医療連携ネットワーク

地域医療連携ネットワーク

地域医療連携ネットワーク地域医療連携ネットワーク

医療等IDを用いた地域間連携

連携サーバ

連携サーバ

連携サーバ

医療等IDを用いた地域間連携

オンライン資格確

認医療等I

医療等I

IX接続センタ

全国規模の医療情報連携ネットワークの整備(2020年度のイメージ)

医療保険のインフラを活用したオンライン資格確認を行うためのネットワークの整備を元に相互に接続する機能を持つ

医療(介護)情報連携ネットワークを形成

全国共通のユニバーサルIDとして医療等IDを活用することにより、地域の医療(介護)情報連携を超えて、全国の

医療機関等間で患者の治療・検査・画像診断等の医療情報を共有することが可能となり、医療の質の向上と効率

的な提供に寄与

また、医療等IDの導入することで、長期にわたって治療経過を患者単位で連結できるようになり、患者の医療情報

を収集・分析し、ビッグデータとして活用することが可能となることにより、国民の健康増進と医療の質の向上に寄与

相互接続のイメージ、医療等IDの効果

72

参 考 資 料

73

特定健診のこれまでの実施率向上策

○ 市町村国保や協会けんぽでは、特定健診とがん検診の同時実施や、生活習慣病予防健診(協会けんぽ)の推進、かかりつけ医療機関との連携など、受診者の利便性や健診の魅力を高める取組を進めており、実施率向上の実績等もあることから一定の成果があったと考えられる。

<特定健診の実施率> 市町村国保 30.9%(H20年度) → 35.3%(H26年度)協会けんぽ 30.1%( 同上 ) → 43.4%( 同上 )健保組合 59.5%( 同上 ) → 72.5%( 同上 )共済 59.9%( 同上 ) → 74.2%( 同上 )

➢ 受診者の利便性の確保・特定健診とがん検診の同時実施による利便性・魅力の向上・夜間・休日の健診機会の確保・実施会場の工夫(ショッピングセンターでの実施、託児サービスの提供)

➢ 対象者への受診勧奨・健診事業の実施スケジュールに合わせて、的確なタイミングでの受診勧奨(誕生月に合わせた健診の周知、健診機会を

追加で確保したときの直前の勧奨)・電話・訪問等による個別受診勧奨の実施・過去の健診の受診歴に応じて受診勧奨の方法をきめ細かく変更する等の効果的な受診勧奨の推進

➢ かかりつけ医との連携・医療機関からの受診勧奨の推進・医療機関で行った検査結果を、本人同意の上、健診データとして保険者で活用(※)検査データの登録の手続き等の共通ルールの整備について、本検討会で検討

➢ 対象者への働きかけ・人間ドックや職場で受けた健診結果の提供依頼・企業退職者の国保加入時の健診受診の意識づけ

74

市町村国保のこれまでの受診率向上策

75

協会けんぽ、健保組合・共済の被扶養者向けのこれまでの受診率向上策

➢ 健診受診の魅力の向上・婦人科健診、骨密度・血管年齢測定サービス等のオプションを同時に実施・市町村のがん検診(乳がん検診・子宮頸がん検診)との同時実施や保険者によるがん検診の提供

➢ 被扶養本人への働きかけの強化・はがきや電話等で被扶養者に直接に受診勧奨を行う・保険者と企業が連携し、企業から被保険者(従業員)を通じた受診勧奨を行う

➢ 市町村国保と協会けんぽ・被用者保険の連携の強化・市町村国保への特定健診等の実施委託

(※)再委託のルール等の整備について、本検討会で検討・市町村の集団健診やがん検診との同時実施・協会けんぽでは、支部ごとに、県内の市町村と健康づくり等に関する連携・包括協定の締結を推進

➢ 協会けんぽ:生活習慣病予防健診の実施・協会けんぽ自らが特定健診にがん検診等を加えた独自の健診(生活習慣病予防健診)を実施し、被保険者の受診率の向上

に寄与。・従業員が健診を受診することにより、協会けんぽ支部が提供する特定保健指導による生活習慣の改善や、ヘルスケア通信

簿等の健康づくりに関する提案を事業所が協会けんぽ支部から受けられることなど、健診受診のメリットを事業主に説明し、生活習慣病予防健診の受診を促進している。

【事例1】協会けんぽ 滋賀支部・肌年齢・骨密度測定サービスを特定健診と同時に実施・健診受診会場を生活圏の近くにする配慮⇒ 2年間で受診率向上

23年度受診率11.5%→25年度受診率24.1%

【事例2】協会けんぽ 広島支部・事業所の健康課題を明らかにしたデータや同業者との比較

のデータを提供し、健康づくりの取組を支援(ヘルスケア通信簿)

中小事業者向け健診実施率の向上策:生活習慣病予防健診の普及推進[協会けんぽ]

○ 協会けんぽ自らが特定健診にがん検診等を加えた独自の健診(生活習慣病予防健診)を実施し、健診データの事業主からの取得も効率化している。協会けんぽの特定健診実施率の向上は、この生活習慣病予防健診の実施率向上による効果が大きいと考えられる。

○ 協会けんぽでは、生活習慣病予防健診を活用して、健診受診のメリットを事業主に訴え、事業所の健康づくりの取組を支援(コラボヘルス)し、健康意識の底上げに取り組んでいる。

(※)広島支部では、事業所の健康課題を明らかにしたデータや同業者との比較のデータを提供し、事業所での健康づくりの取組を支援している(ヘルスケア通信簿)。

被保険者の受診率 特定健診の受診率

生活習慣病予防健診 事業者健診結果取得 全体(被扶養者)

平成25年度 45.7% 4.4% 41.8% (17.7%)

平成24年度 44.3% 3.7% 39.4% (14.9%)

平成23年度 42.7% 2.2% 36.6% (13.8%)

平成22年度 40.9% 1.2% 34.3% (13.1%)

平成21年度 38.3% 0.2% 31.5% (12.2%)

平成20年度 35.9% 0% 29.2% (11.2%)

(※)被保険者の受診率は、協会けんぽが実施している生活習慣病予防健診の受診率と、事業者健診結果の取得率の計となる。

(出典)協会けんぽの事業報告書

76

宣言5

協会けんぽ等保険者のサポートを得て健康宣言等に取り組む企業を1万社以上とする。

<達成要件>①所属する保険者が健康宣言等の取組を有し、その取組において以下の(1)~(3)から少なくとも一つの項目と(4)の項目が含まれていること。(1)従業員の健康課題の把握と必要な対策(2)健康経営の実践に向けた基礎的な土台作りとワークエンゲイジメントの取組(3)従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策(4)健康宣言の社内外への発信②その取組に企業等が参加し、健康宣言を行っていること。

協会けんぽ29支部において、地域の特性に応じた様々な取組が始まっている。

2,970社

○日本健康会議「健康なまち・職場づくり宣言2020」 と達成状況 (2016年7月)

○ 協会けんぽの被扶養者の特定健診受診率が向上しているが、その要因として、がん検診等との同時実施の増加や協会けんぽが主催する集団健診実施の増加が挙げられる。

○ 協会けんぽと自治体との同時実施が困難な地域や健診機関が少ない地域を中心として、自治体の集団健診が行われない時期に協会けんぽが主催する集団健診を行うことで、地域や時期を網羅して健診が受診できるようにする等の取組も行っている。

被扶養者の受診率向上策:がん検診との同時実施[協会けんぽ]

●協会けんぽにおける特定健診とがん検診の同時実施の取組状況(H27年度)

●協会けんぽにおける特定健診の実績(被扶養者) 直近5年間で実施者数と実施率は増加

H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度

特定健診 560,864人 609,643人 734,676人 815,221人 891,856人

実施率 13.8% 14.9% 17.7% 19.3% 21.0%

年度末対象者数 4,074,884人 4,093,593人 4,156,086人 4,231,660人 4,254,850人

全市区町村(H28.3.31現在)1,741市区町村

集団健診を実施していない213市区町村

協会の被扶養者も受診可能1,092市区町村(156,251人)

協会独自の集団健診も実施8市区町村(749人)

協会独自の集団健診を実施12市区町村(4,343人)

協会独自の集団健診を実施156市区町村(41,222人)

協会独自の集団健診も実施290市区町村(59,334人)

協会独自の集団健診を実施107市区町村(37,044人)

出典:平成27年度事業報告書(協会けんぽ2015)

集団健診で「特定健診」と「がん検診」実施1,438市区町村

集団健診で「特定健診」を実施

70市区町村

協会の被扶養者は受診不可346市区町村

協会の被扶養者も受診可能28市区町村(1,298人)

協会の被扶養者は受診不可42市区町村

77

協会けんぽと市町村国保の特定健診等の共同実施例[東近江市]

○ 協会けんぽと市が連携し特定健康診査を共同実施することで、協会けんぽの被扶養者と国保加入者が同一の集団健診の会場で受診できるようにしている。

※1:協会けんぽ加入者には健診受診時に同意を得て健診結果データを健診機関から市が取得している。※2:国保加入者には健診項目を追加しているが、追加項目分は市が費用負担している。

【健診結果説明会&特定保健指導】○ 健診結果説明会を共同で運営し、個別面接方式で、被扶養者と国保加入者に対して一体的にアプローチしている。

協会被扶養者

国保加入者

14

市協会けんぽ

健診機関(集団健診)

※2

77

1受診券送付 2健診申込 3申込情報提供 4問診票送付 5健診受診 6健診結果郵送 7健診結果データ送付

共同で実施している特定健診会場で、結果説明会の「結果引換券」を渡す。

健診会場

協会けんぽと市の保健師と管理栄養士が合同で健診結果の説明を個別面接方式で行う。なお、特定保健指導対象者については、事前に連絡し、当日参加の場合は個別面接を実施する。

健診結果説明会

78

○ 予防・健康づくりに取り組む加入者にヘルスケアポイントを付与し、健康グッズ等と交換できるようにするなど、一部の健保組合や市町村では、インセンティブを提供する取組が保健事業として実施されている。

○ このような、保険者が加入者に対して予防・健康づくりのインセンティブを提供する取組は重要。平成27年医療保険制度改革でも、保険者の努力義務として健保法等に位置付けた(平成28年4月施行)。厚生労働省では、保健事業で実施する場合の具体的なガイドラインを策定・公表した(平成28年5月)。

◎持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成27年法律第31号) (抄)○健康保険法の一部改正 ※傍線部分は改正で追加第百五十条 保険者は、高齢者の医療の確保に関する法律第二十条の規定による特定健康診査及び同法第二十四条の規定による特定保健指導(以下この項及び第百五十四条の二において「特定健康診査等」という。)を行うものとするほか、特定健康診査等以外の事業であって、健康教育、健康相談及び健康診査並びに健康管理及び疾病の予防に係る被保険者及びその被扶養者(以下この条において 「被保険者等」という。)の自助努力についての支援その他の被保険者等の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。

※ 国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、共済各法等の保健事業の規定においても同様に追加

個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブの推進

◎持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(抄)

(平成27年5月26日 参議院厚生労働委員会)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

四 2 保健事業において保険者が実施する予防・健康づくりのインセンティブの強化に当たっては、保険者に対し好事例の周知に積極的に取り組

むとともに、必要な医療を受けるべき者が受診を抑制し、重症化することがないよう、インセンティブ付与の在り方について十分検討すること。

79

保険者

〈例〉健康グッズ(万歩計、血圧計等)人間ドッグ割引券、スポーツクラブ利用券プリペードカード 等

〈例〉ウォーキングやジョギングを行う。歩数・体重・血圧を記録特定健診を受ける。健保組合の健康づくりイベントに参加健診の結果、翌年度の検査値が改善した 等

加入者

健康づくりへの取組

ポイント付与

個人にインセンティブを提供する取組に係るガイドライン(概要)

○健康長寿社会の構築に向け、国民一人ひとりが、「自らの健康は自らがつくる」という意識を持ち、それぞれの年齢や健康状態等に応じて、

具体的な行動として第一歩を踏み出すことが重要

○自分自身の健康づくりに関心が低い「健康無関心層」も含めて国民が健康づくりの取組を実践し、継続していくためには、

・一人ひとりがそれぞれの選択の中で第一歩を踏み出すきっかけとなるよう、ポピュレーションアプローチとして様々なインセンティブの提供

や、ICT・民間の創意工夫も活用した多様な選択肢(健康プログラム)の提供に加え、

・個人が日常生活の大部分を過ごす企業や地域社会の中で、個人が無理なく健康づくりを行える環境づくりや、共に取組を進めることができ

る新たなコミュニティの構築なども併せて進めていくことが必要

○既に一部の医療保険者や企業、市町村等では、加入者等の健康づくりの取組に対してインセンティブの提供を含め様々な支援が実践

○ガイドラインでは、こうした先行事例も参考にしつつ、インセンティブの取組を中心に、医療保険制度等の趣旨に照らし保険者等が留意すべ

き点も明示しながら、個人が主体的に健康づくりを進めるための様々な方策を提案することで、こうした取組を推進すること目的とする。

1.基本的な考え方

○インセンティブの取組に併せて、保険者が加入者の健康情報を分かりやすく提供し、継続的に健康に対する問題意識を喚起することは重要

○このため、個人の健康への『気づき』につながるよう、ICT等も活用しながら分かりやすく健診結果等を提供するとともに、情報の内容も本人

にとっての付加価値を高めるといった工夫が必要(*その際、個人の健康情報の取扱いに十分に配慮するとともに、関連法規を遵守し、いたずらに本人

の不安を煽ったりすることは厳に慎むことが必要)

○ガイドラインでは、本人の『気づき』の段階を踏まえた情報提供の工夫の在り方について例示

☞第1段階 加入者の視覚に訴える(*ICTも活用し、単に健診結果(数値)だけでなく、レーダーチャートにする、経年変化のグラフを示すことなど)

☞第2段階 数値の意味を伝える(*本人の疾患リスクとの関係の中で、健診結果(数値)の持つ意味や、医療機関の受診の必要性を伝えることなど)

☞第3段階 ソリューションを伝える(*健康維持や生活習慣病リスクを避けるための生活習慣改善の個別的なアドバイスを伝えることなど)

2.個人への分かりやすい情報提供

○保険者等では、表彰等により本人の健康づくりの取組を鼓舞する取組の他、個人へのインセンティブの提供として、ヘルスケアポイント(物品

等と交換できるポイント)といった取組が行われている。 *これらの方法は関係法令に照らし問題があるというものではない。

○これらに加えて、ヘルスプロモーションの一策として、例えば、ヘルスケアポイントを提供するタイミングを事業主の給与支払と同時に行うこと

等の工夫を行い、これを保険者が『保険料への支援』として呼称することも考えられる。

*保険者等によっては現金を付与する取組が行われている場合もあるが、そのこと自体が目的化しやすいので、慎重に考えることが必要。

○インセンティブの取組を公的医療保険制度の保健事業として行う場合には、公的医療保険制度の趣旨(疾病リスクに応じた保険料の設定は

できない)を踏まえると、個人の保険料(率・額)を変更することは困難であるため留意が必要。

3.個人にインセンティブを提供する方法

80

○インセンティブの取組を、幅広い対象者にポピュレーションアプローチとして実施し、結果として『健康無関心層』を動かしていくためには、

個人の健康意識や行動変容の状況に即して、評価指標や報奨を検討する必要がある。

○ガイドラインでは、以下の3つの場面に分けてインセンティブの活用の在り方を提示

☞第1段階 健康づくりに参加するきっかけ(*健康無関心層の巻きこみも念頭に健康とは直接関係ない報奨の活用も含め幅広くインセンティブを活用)

☞第2段階 健康づくりの継続支援(*本人の努力やその成果を評価。継続の意欲を喚起するため、ゲーム性のある健康づくりのプログラムも提供)

☞第3段階 取組が習慣化した後の対応(*インセンティブの役割は完了。保健事業や民間サービスを活用した本人の自主的な取組を支援)

○個人の疾病リスクといった属性を評価するのではなく、本人の積極的な取組を重視して評価するものとして考えていくことが必要(特に、

医療機関への受診を抑制し結果的に重症化することがないように留意が必要)

○ガイドラインでは、本人の積極的な取組を評価するものとして以下の3つの類型を提案

☞参加型:健康づくりの取組やプログラムへの参加を評価(*健診受診や各種健康教室への参加など)

☞努力型:健康づくりのプログラム等の中での本人の努力を評価(*ウオーキングやジョギング、体重・血圧・食事の記録の継続など)

☞成果型:健康づくりの成果としての健康指標の改善を評価(*健診の検査値、体重減少など)

○可能な限り複数の指標で評価し、公平性の観点からは、客観的な指標としていくことが望ましい。

○健康無関心層への促しにつなげる観点からは、報奨の内容を魅力的なものとしていく必要(例えば、ポイントの使い途も、各種コンビニで

活用可能な共通ポイント、寄付といった社会貢献等、多様な個人の価値観に合わせ、多様な途を用意することが望ましい。)

○その際、報奨の金銭的な価値が高すぎると、報奨を得ることのみが目的化してしまい、最終的な目的である本人の行動変容にはつなが

らない場合も出てくるので留意が必要

○金銭的な価値の水準は一概に論ずることは困難。透明かつ中立的な意思決定のプロセスを経て決めることや、事業の効果を検証・評価

し、報奨の在り方についても必要に応じて見直しを。

4.インセンティブ提供に係る評価指標と報奨の在り方

○インセンティブ事業が、本人の行動変容につながっているかという観点から、インセンティブの活用の場面に即して、予め効果検証の仕組み

をビルトインしておく必要(事業の継続性を確保する観点からも効果検証は必須)

○事業の目的に沿ったKPIを設定し、3年程度の中期計画を立てて実施していくことが望ましい。

5.個人にインセンティブを提供する取組の効果

評価指標の在り方

報奨の在り方

81

○ 計画期間 ⇒5年を1期として実施(現在は第2期期間中)

○ 取組目標 ⇒「平均在院日数の短縮」と「特定健診等の実施率の向上」が柱

○ 計画期間 ⇒6年を1期として実施

○ 都道府県の取組目標を医療費適正化基本方針で告示(本年3月)

○ 具体的な医療費の見込みの算定式を本年11月に告示予定

・取組目標 ⇒適正化の取組目標として、「特定健診等の実施率の向上」に加え、新たに「糖尿病の重症化予防の取組」、「後発医薬品の使用促進」、「医薬品の適正使用(重複投薬、多剤投与の適正化)」を盛り込む

・入院医療費 ⇒「病床機能の分化・連携の推進の成果(改正医療法)」を踏まえ推計

根拠法 :高齢者の医療の確保に関する法律

実施主体 :都道府県

※ 国が策定する「医療費適正化基本方針」で示す取組目標・医療費の推計方法に即して、都道府県が「医療費適正化計画」を作成。国は都道府県の計画を積み上げて「全国医療費適正化計画」を作成。

【第1期(平成20~24年度)、第2期(平成25~29年度)】

【第3期(平成30~35年度)】

医療費適正化計画について

82

医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会 第2次報告(案)の概要

Ⅰ.第二次報告案の位置づけ 都道府県の第3期医療費適正化計画(H30~H35年度)の策定に資するため、医療費の地域差の「見える化」データを

公表するとともに、都道府県が医療費の見込みを推計するための医療費の標準的な算定式の考え方や推計結果をとりまとめ。

Ⅱ.医療費の地域差の「見える化」について 国民全体で医療費の負担を分かちあう現在の医療保険制度の下においては、合理的な理由のない医療費の地域差は

できる限り縮減していく必要。

それぞれの都道府県において、自らの医療費の状況が他の都道府県と比較して、適切なものなのかどうか分析を深めていくため、都道府県・2次医療圏毎の疾病毎医療費の3要素(①受療率、②1人当たり日数、③1日あたり診療費)等の地域差の「見える化」データを公表し、都道府県へ提供。

Ⅲ.標準的な算定式による医療費の推計について(これに基づき都道府県が第3期医療費適正化計画(H

30~H35年度)を策定)【入院医療費】

地域医療構想による病床機能の分化・連携の推進による成果を踏まえた推計。

【入院外・歯科医療費】

適正化策の影響を除いた自然体の医療費の推計から右の取組みによる適正化効果額を差し引いて推計(一定の仮定の下に全国の試算をすると▲0.6兆円程度)。

Ⅳ.今後の課題 入院外医療費の地域差半減への更なる取組みについて、引き続き検討し、都道府県に提示する。 都道府県のデータ分析に必要な人材の育成について、国において研修等を実施することで支援。 今後、医療費が特にかかっている分野の構造分析や介護費用の地域差分析等を進める。

取組 目標(H35年度)

後発医薬品の普及 数量シェア:80%

特定健診・保健指導の実施率向上

特定健診:70%特定保健指導:45%

糖尿病の重症化予防40歳以上の糖尿病の1人当たり

医療費の平均を上回る都道府県の平均との差を半減。

重複・多剤投与3医療機関以上、15剤以上の薬剤投与について是正

(注)厚労省において、今後、上記の標準的な算定式を盛り込んだ医療費適正化基本方針を改定(11月初見込み)。83

国民医療費

40.8兆円

入院医療費

16.0兆円

入院外(調剤含む)

歯科医療費

24.7兆円

患者の状態に応じて病床機能の分化・連携を推進

病床機能の分化・連携の推進の成果

・特定健診・保健指導の実施率向上・後発医薬品の普及・糖尿病の重症化予防・重複・多剤投薬の是正・その他の取組み

医療費適正化の取組み

2014(H26)年度

入院医療費

2014(H26)年度19.8~20.1兆円

2023(H35)年度

29.7兆円

2023(H35)年度2014(H26)年度

入院外・歯科医療費

適正化効果 ▲0.6兆円

※ 地域差半減に向けて今後追加で取組目標を検討。(1人当たり外来医療費の地域差半減のためには更に▲0.2兆円必要)

30.3兆円

医療費適正化計画の標準的な算定式のイメージ

【標準的な算定式による医療費の見込みのイメージ】※ 下記は国において一定の仮定の下に試算(実際は今後、都道府県が策定)

在宅医療等への移行によ

る入院外医療費の増は見

込んでいない。(※)

※ 移行する患者の状態等が不明であり、受け皿について、今後、検討が行われること等のため見込んでいない。

84

医療費の見込み(目標)と個別の取組目標との関係の整理

◎高齢者の医療の確保に関する法律 第9条 ※平成27年改正後2 都道府県医療費適正化計画においては、当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の機能の分化及び連携の推進の成果

並びに住民の健康の保持の推進及び医療の効率的な提供の推進により達成が見込まれる医療費適正化の効果を踏まえて、厚生労働省令で定めるところにより算定した計画の期間における医療に要する費用の見込み(第十一条第四項において「都道府県の医療に要する費用の目標」という。)に関する事項を定めるものとする。

3 都道府県医療費適正化計画においては、前項に規定する事項のほか、おおむね都道府県における次に掲げる事項について定めるものとする。一 住民の健康の保持の推進に関し、当該都道府県において達成すべき目標に関する事項二 医療の効率的な提供の推進に関し、当該都道府県において達成すべき目標に関する事項三 前二号の目標を達成するために都道府県が取り組むべき施策に関する事項四~六 (略)

<医療費の見込みの推計式(必須)>

<個別の取組目標(任意)>

○ 医療費の見込みの推計式については、医療費適正化基本方針(平成28年3月告示)で示した医療費の見込みの算定方法の考え方を踏まえ、以下のように整理。

医療費の見込み(高齢者医療確保法第9条第2項)

・自然体の医療費見込み ▲後発医薬品の普及(80%)による効果▲特定健診・保健指導の実施率の達成(70%、45%)による効果

▲外来医療費の1人当たり医療費の地域差縮減を目指す取組の効果

・病床機能の分化及び連携の推進の成果を踏まえた推計

○ 個別の取組目標については、任意記載事項となっているが、各都道府県は、マクロの医療費の見込みを達成できるような取組目標を定めていただきたい。※都道府県が独自に設定する取組による効果を盛り込むことは可能。

入院外等

入院・糖尿病の重症化予防の取組・重複投薬、多剤投与の適正化

85

○ 平成25年のNDBデータを用いて、後発医薬品のある先発品が、すべて後発医薬品となった場合の効果額を推計し、この結果を用いて、平成25年度において仮に80%を達成した場合に、平成25年度の医療費に占める効果額の割合を算出する。

○ この割合が平成35年度の医療費においても同じ割合を占めると仮定した場合の効果額を推計する。

<推計式のイメージ> ※各都道府県ごとに推計

平成25年10月時点のデータから算出される後発品のある先発品を100%後発品に置き換えた場合の効果額

平成25年10月の数量シェア

÷ ( 1 - ) × ( 0.8 - 0.7 )}{

÷ 平成25年度の医療費 × 平成35年度の医療費

※経済財政運営と改革の基本方針2015(平成27年6月30日閣議決定)において、平成29年央には数量シェアは70%とされているため、そこから80%となった場合を推計。

1.後発医薬品の普及(80%)による適正化効果額の推計方法

○ 平成20年度から25年度までのレセプトデータ、特定健診等データを用いて、特定保健指導対象者の入院外1人当たり医療費の経年的推移を分析した。

○ この結果を用いて、特定健診の実施率70%、特定保健指導の実施率45%を達成した場合の効果額を推計する。

<推計式のイメージ> ※各都道府県ごとに推計

2.特定健診等の実施率の達成による適正化効果額の推計方法

当該県の平成25年度の特定健診の対象者数

× 0.7 × 0.17 × 0.45 -平成25年度の特定保健

指導の実施者数) ×(

特定保健指導による効果

※平成25年度の実績では、特定健診受診者のうち、特定保健指導の対象となる者の割合が17%であり、これが変わらないと仮定

当該県の平成25年度の外来医療費

当該県の平成35年度の外来医療費(推計)×÷

}{

【特定保健指導による効果について】○特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのWGにおける分析結果を踏まえ、最低でも6000円程度(単年度で)の効果があるものとして推計する。なお、各都道府県が独自の数値を用いることも可能とする。

○効果額については、データ分析を継続的に行い、検証を継続。86

3.人口1人当たり外来医療費の地域差縮減を目指す取組の適正化効果額の推計方法

○ 外来医療費については、一定の広がりのある取組を通じて医療費の地域差縮減が期待される点に着目して推計式を設定。

○ 具体的には、① 生活習慣の改善や予防により、一定の医療費の適正化が見込まれる生活習慣病関連の慢性疾患のうち、都

道府県・保険者・医療関係者による取組が一定の広がりを持って行われているものについて、都道府県・保険者・医療関係者の連携による糖尿病に関する重症化予防の取組の推進や

② かかりつけ医、かかりつけ薬剤師・薬局の役割の発揮や、病院と診療所の連携の推進による重複投薬、複数種類の医薬品の投与の適正化

などにより、結果的に1人当たり外来医療費の地域差が縮減する効果が期待されるため、今回の医療費適正化基本方針の推計式では、これらの要素を加味した以下の推計式とする。

○ 骨太2015では「都道府県別の一人当たり医療費の差を半減させることを目指す」とされている。このため、以下の推計式に加え、引き続き、第3期医療費適正化計画の計画期間に向けてレセプトデータ等の分析を継続的に行うとともに、関係者における知見やエビデンスの集積を図り、効果があると認められ、一定の広がりのある取組について追加を検討。

<推計式のイメージ> ※各都道府県ごとに推計

当該県の平成25年度の生活習慣病(糖尿病)の40歳以上の人口1人

当たり医療費(推計)

生活習慣病(糖尿病)の40歳以上の人口1人当たり医療費の全国平均(推計)

- )÷ 2 ×当該県の平成25年度の40歳以上の人口(推計)

){((

3医療機関以上の重複投薬の調剤費等のうち、2医療機関を超える調剤費等の1人当たり調剤費等 ×

当該県の3医療機関以上、重複投薬となっている患者数

+ ( ÷ 2 )

当該県の平成25年度の外来医療費

当該県の平成35年度の外来医療費(推計)×÷

平均を上回る地域が仮に平均との差を半減した

場合

全ての都道府県において、一定の医薬品の適正化等の取組を行う場合-+ ((

15剤以上の高齢者(65歳以上)の

1人当たり調剤費等

14剤の高齢者(65歳以上)の

1人当たり調剤費等) ×

当該県の平成25年度における15剤以上の高齢者

(65歳以上)数(推計)÷ 2 )}

87

4.病床機能の分化及び連携の推進の成果を踏まえた医療費の推計方法

○ 高齢者医療確保法第9条第2項に基づき、「当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の機能の分化及び連携の推進の成果」を踏まえ、医療費の推計額を設定する。

◎高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第9条 (略)2 都道府県医療費適正化計画においては、当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の機能の分化及び連携の推進の成果並びに住

民の健康の保持の推進及び医療の効率的な提供の推進により達成が見込まれる医療費適正化の効果を踏まえて、厚生労働省令で定めるところにより算定した計画の期間における医療に要する費用の見込み(第11条第4項において「都道府県の医療に要する費用の目標」という。)に関する事項を定めるものとする。

<推計式のイメージ> ※2次医療圏単位を積み上げて各都道府県ごとに推計

平成35年度の患者数(人日)の見込み

1人あたり医療費(推計)✕

◎医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)(病床の機能の区分)第30条の33の2 法第30条の13第1項の厚生労働省令で定める区分は、次の各号に掲げるとおりとし、その定義は当該各号に定めるとおりとする。一 高度急性期機能 急性期の患者に対し、当該患者の状態の早期安定化に向けて、診療密度の特に高い医療を提供するもの二 急性期機能 急性期の患者に対し、当該患者の状態の早期安定化に向けて、医療を提供するもの(前号に該当するものを除く。)三 回復期機能 急性期を経過した患者に対し、在宅復帰に向けた医療又はリハビリテーションの提供を行うもの(急性期を経過した脳血管疾患、大腿骨骨頚部骨折その他の疾患の患者に対し、ADL(日常生活における基本的動作を行う能力をいう。)の向上及び在宅復帰を目的としたリハビリテーションの提供を集中的に行うものを含む。)四 慢性期機能 長期にわたり療養が必要な患者(長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む。)、筋ジストロフィー患者、難病患者その他の疾患の患者を含む。)を入院させるもの

(注1)患者数は、病床機能の分化及び連携の推進のための病床機能の区分(医療法施行規則第30条の33の2)及び在宅医療等(病床機能の分化及び連携に伴うもの)を踏まえ、5区分を設定する。なお、2次医療圏単位で患者住所地及び医療機関所在地を勘案して推計したものを用いる。

(注2)1人当たり医療費(推計)等については、NDBをもとに(注1)の区分に応じて設定する。

(注3)将来の診療報酬改定等の国の政策による影響について、その都度、各都道府県の医療費目標を調整することとする。なお、具体的な方法については、引き続き検討する。

(注4)病床機能の分化及び連携に伴う在宅医療等の増加分については、現時点では移行する患者の状態等が不明であり、今後、どのような受け皿が必要か等について検討が進められるため、医療費の推計として盛り込んでいない。(第3期医療費適正化計画の評価の際に所要の分析等を行う。)なお、都道府県は独自に推計を行うことができる。

88