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1998 年 10 月 09 日第三種郵便認可(毎月 3 回 8 の日発行) 2016 年 6 月 14 日発行 SSKU 増刊通巻第 5480 号 1 2016 6 月号 No,61編集:特定非営利活動法人 全国薬物依存症者家族会連合会 121-0813 東京都足立区竹の塚 5 丁目 18-9 竹の塚マンション 207 TEL03-5856-4824 FAX03-5856-4827 http://www.yakkaren.com/ 前理事長 林 隆雄 このたび一身上の都合で理事長を退くことになりました。 12 年間やっかれんに携わることができ、皆様に感謝申し 上げます。 平成 15 年私が茨城家族会に繋がり、一年後の 16 年に 連合会が発足しました。 薬物乱用防止新 5 か年戦略(平成 15 年)の提言の中に 「薬物依存症者・家族への支援」が明記されました。「依 存症者・その家族の回復と成長に必要である場(諸施設 と制度等を含め)の実現のために、家族支援、家族が組 織的に活動することが不可欠であること。」を茨城家族会 で活動されていた岩井氏が提言し、全国から家族会へ集 まっていた家族に発起人をお願いして設立されました。 活動は毎年フォーラムを重ね、スペインのプロジェクト・ オンブレ、アメリカのカウンセラーの紹介など。また、助成 金をいただきスペインでの研修を重ね、「家族のためのワ ークブック」を作成、家族用研修プログラムとして完成され ました。行政への働きかけで厚生労働省が「家族読本」を 作成して相談援助事業に貢献できました。衆参両議員へ の働きかけ、内閣府、厚労省、法務省へ何度も足を運び、 内閣府担当大臣、法務大臣などへも折衝にあたりました。 質問主意書の提出、各省庁への毎年のヒアリング働きか けなど活動することができました。皆様に寄付金をお願い して女性ハウス設立ができました。 今思うと、一家族に薬物問題が発生して、世間体を気 にしながら閉じこもっていた家族が公の場所で活動でき た変化は、家族会へ通い続けて、生き方を学んだことで す。「動かなければ変われない」この道筋が用意されてい たことに神に感謝します。これからも苦しんでいる家族の 為に医療・福祉諸制度向上に頑張っているやっかれんを 応援していきましょう。 新理事長 横川 江美子 この度の薬家連総会で、理事長就任が承認されまし た。微力ではありますが、精一杯力を尽くしたいと思い ます。 私と「薬家連]との出会いは、本人がどこにいるかもわ からない、家族会も岩井さんも知らない、私の回りには 「薬物」で悩んでいる人などいない、この苦しみは誰にも わかってもらえない、と、ひとりツッパッテ生きている時 でした。今思うと、薬家連ができて丁度一年位でしょうか。 ある新聞に「薬家連」のことが載っていました。 「本人はダルクで回復を目指し、家族は家族会につな がって楽になりましょう。そして薬家連は社会に薬物問 題を発信します]という内容でした。 驚天動地とはこのこと、力が抜けていく思いでした。 暗い海で出会った灯台でした。 私のほかにも「薬物」で悩んでいる人がいる。家族会 というものがあるんだ。そして家族の要望を政府にぶつ けている。そのどれもが、私にとっての大きな希望にな りました。 折しも「清原問題」で薬物依存症が世間の注目を集 めたのはつい最近のことです。が、メデイアは個人のバ ッシングを再起不能なまでに続けています。これが「薬 物」をめぐる日本の悲しい現実ではないでしょうか。 この6月から法律が大きく変わります。「刑の一部執 行猶予制度」によって「刑罰から治療」へと国の政策の 大きな転換が図られますが、その詳細は未知数であり、 本人にとって、家族にとって、有効なものになるか、不安 材料が多く、制度の不備を指摘する専門家もいます。 薬家連 12 年の歩みと成果に確信を持って、新たな課 題に、理事と全国 の家族会の皆さま と力を合わせ取んでいきたいと思 います。どうぞ、よ ろしくお願いします。 SSKU YKRふぁみりー通信 就任の挨拶 退任の挨拶

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Page 1: 編集:特定非営利活動法人 YKRふぁみりー通信1)/14.family/No61.pdf活動は毎フォーラムを重ね、スペインのプロジェクト・ ... ークブック」を作成、家族用研修プログラムとして完成され

1998年 10月 09日第三種郵便認可(毎月 3回 8の日発行)

2016年 6月 14日発行 SSKU 増刊通巻第 5480号

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◇2016 年 6 月号 No,61◇ 編集:特定非営利活動法人

全国薬物依存症者家族会連合会 〒121-0813

東京都足立区竹の塚 5 丁目 18-9 竹の塚マンション 207

TEL03-5856-4824 FAX03-5856-4827

http://www.yakkaren.com/

前理事長 林 隆雄

このたび一身上の都合で理事長を退くことになりました。

12年間やっかれんに携わることができ、皆様に感謝申し

上げます。

平成15年私が茨城家族会に繋がり、一年後の16年に

連合会が発足しました。

薬物乱用防止新 5か年戦略(平成 15年)の提言の中に

「薬物依存症者・家族への支援」が明記されました。「依

存症者・その家族の回復と成長に必要である場(諸施設

と制度等を含め)の実現のために、家族支援、家族が組

織的に活動することが不可欠であること。」を茨城家族会

で活動されていた岩井氏が提言し、全国から家族会へ集

まっていた家族に発起人をお願いして設立されました。

活動は毎年フォーラムを重ね、スペインのプロジェクト・

オンブレ、アメリカのカウンセラーの紹介など。また、助成

金をいただきスペインでの研修を重ね、「家族のためのワ

ークブック」を作成、家族用研修プログラムとして完成され

ました。行政への働きかけで厚生労働省が「家族読本」を

作成して相談援助事業に貢献できました。衆参両議員へ

の働きかけ、内閣府、厚労省、法務省へ何度も足を運び、

内閣府担当大臣、法務大臣などへも折衝にあたりました。

質問主意書の提出、各省庁への毎年のヒアリング働きか

けなど活動することができました。皆様に寄付金をお願い

して女性ハウス設立ができました。

今思うと、一家族に薬物問題が発生して、世間体を気

にしながら閉じこもっていた家族が公の場所で活動でき

た変化は、家族会へ通い続けて、生き方を学んだことで

す。「動かなければ変われない」この道筋が用意されてい

たことに神に感謝します。これからも苦しんでいる家族の

為に医療・福祉諸制度向上に頑張っているやっかれんを

応援していきましょう。

新理事長 横川 江美子

この度の薬家連総会で、理事長就任が承認されまし

た。微力ではありますが、精一杯力を尽くしたいと思い

ます。

私と「薬家連]との出会いは、本人がどこにいるかもわ

からない、家族会も岩井さんも知らない、私の回りには

「薬物」で悩んでいる人などいない、この苦しみは誰にも

わかってもらえない、と、ひとりツッパッテ生きている時

でした。今思うと、薬家連ができて丁度一年位でしょうか。

ある新聞に「薬家連」のことが載っていました。

「本人はダルクで回復を目指し、家族は家族会につな

がって楽になりましょう。そして薬家連は社会に薬物問

題を発信します]という内容でした。

驚天動地とはこのこと、力が抜けていく思いでした。

暗い海で出会った灯台でした。

私のほかにも「薬物」で悩んでいる人がいる。家族会

というものがあるんだ。そして家族の要望を政府にぶつ

けている。そのどれもが、私にとっての大きな希望にな

りました。

折しも「清原問題」で薬物依存症が世間の注目を集

めたのはつい最近のことです。が、メデイアは個人のバ

ッシングを再起不能なまでに続けています。これが「薬

物」をめぐる日本の悲しい現実ではないでしょうか。

この6月から法律が大きく変わります。「刑の一部執

行猶予制度」によって「刑罰から治療」へと国の政策の

大きな転換が図られますが、その詳細は未知数であり、

本人にとって、家族にとって、有効なものになるか、不安

材料が多く、制度の不備を指摘する専門家もいます。

薬家連 12年の歩みと成果に確信を持って、新たな課

題に、理事と全国

の家族会の皆さま

と力を合わせ取組

んでいきたいと思

います。どうぞ、よ

ろしくお願いします。

SSKU YKRふぁみりー通信

就任の挨拶

退任の挨拶

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1998年 10月 09日第三種郵便認可(毎月 3回 8の日発行)

2016年 6月 14日発行 SSKU 増刊通巻第 5480号

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テーマ「いよいよ刑の一部執行猶予制度が始まります」

~家族のもとに帰されるって本当? 依存症回復の受け皿は足りるの?~

やっかれん家族プログラムコーディネーター近藤京子氏司会によるパネルディスカッション

で、刑の一部執行猶予制度について各方面から深く掘り下げられました。

臨床心理士 宇梶義一氏

これまでは実刑か猶予かのどちらか。今後は一部執

行猶予というあいまいな運用も出てくるため、朝令暮

改となる懸念も高いことを認識しておいてほしい。

自身が勤務するS刑務所でも今まで 12 回行われた薬

物離脱改善指導プログラムが 8 回に減らされる。これ

では到底不十分。

三河ダルクスタッフ 山崎雄一氏

自立準備ホームで受け入れた場合の医療費負担の問

題がある。自治体毎に対応が変わることも問題。

茨城ダルク岩井代表からは、現場刑務官の間での依

存症理解への温度差や、出所者受入れを巡る制度上の

問題点等が指摘され、本制度への理解と課題が明らかに

されました。

また、会場で戴きました献金は 54,423 円となり、全額を

今回の熊本地震で被災された熊本ダルクに義援金として

お送りしました。

●ダルクを脱走したら指名手配?

●人間関係も崩れ働く場もないまま社会に

出ても潰れる。安心できる環境・家族環境・働く

場という環境を作ることが大事。

●(少年院の薬物指導担当者)刑務所内で教育

指導員より依存症を理解していない刑務官の

立場が高く、受け入れられない。

全法務省労働組合中央執行委員 遠藤一男氏

関係機関間との協議が不十分で円滑な運営に懸念。

出所後の医療費問題、他県に出かける際の交通費、

依存症回復施設不足等々の問題も残っている。

裁判官は 1 年半後の姿を想像できず判決を出すのは

難しいと言っている。

今後も問題意識が共有されているやっかれんとぜひ

意見交換していきたい。

やっかれん理事長 横川江美子氏

① 刑務所内のトレーニングの強化を図ってほしい。

② 家での回復は経験上無理、仲間との回復が効果的。

③ 家族が一番望んでいるのはダルクに繋がる事。

④ その為の経済支援をして頂きたい。

⑤ 本人が途中挫折しても国を挙げてのセーフティネットを

確立して頂きたい。

愛知県精神保健福祉センター 藤城聡氏

全国 67 センターのうち、本人の回復プログラムをやって

いるのは 33 施設(約半数)だけ。今はまだプログラムの

認知度が低いので高めていく必要がある。

「2016 年度やっかれんフォーラムに参加して」

タイトルに基づいてパネルディスカッションが開催されました。

なかなか理解されにくかった刑の一部執行猶予制度について活発な意見交換が行われ、参加者にはこの制

度についての理解が深まった事と思います。しかし問題は、これを実施された場合に家族はどのように対応

するのか。もし自分の家族の帰住先が家となった場合どのような方法がベストなのか等です。これらの諸問

題が検討され、いろいろなヒントが得られたように思います。

パネリストから素晴らしい発表がありましたが、結論は最後まで諦めない事、家族が諦めなかったら何時

か波長の合う時があり、回復の可能性は充分にある。との言葉が印象的でした。

今回のパネルディスカッションは各界の豊かな知識と経験をお持ちの方ばかりでのお話でしたので参加者

には有意義なフォーラムであったと思います。パネリスト全員の皆様にフォーラムを盛り上げて頂いたこと

に深く感謝致します。最後に、岩井喜代仁氏に力強いメッセージを頂き無事終了いたしました。(タイム)

2016 年 5 月 1 日(日) ウイルあいち

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全国薬物依存症家族会連合会と名称を改め、

年会費も6千円に変わり、会員総数 604 名と

いう大きな団体として全国家族会議を開催。パ

ワーポイント「やっかれん 12 年の歩み」で今

までの活動を再確認、より一層充実した活動に

していくため活発な議論を行った。

参加家族会

三重・ビリーブ静岡・ビリーブ浜松・青森・川崎・東三河・茨城・九州・千葉菜の花・びわこ・沖縄・仙台・

東京・愛知・岡山家族会、HARP 家族教室 16家族会 24名と理事 8名

☆ やっかれんとの、また家族会との交流を。

☆ 行政等への働きかけの方法を教えて。

☆ やっかれんの活動、わかりやすく伝えて。

☆ 清原問題など起こった時、やっかれんの考

えを社会に発信しては。

☆ 全世界麻薬大会で国連に行って来た。やっ

かれんに参加している菜の花家族会だか

らこそ行けた。認定 NPO をぜひ取って。

☆ もっとマスコミに出て行って、宣伝を。

☆ やっかれんは行政に向いていて、家族会に

向いていないという会員がいる。検討を。

☆ 家族の「こんなことやっちゃったマンガ」

いいと思う。ぜひ作りたい。

☆ 家族会運営マニュアルを知りたい。

参加家族会は、家族会が集め、個人会員はやっ

かれん事務局が責任を持って集めることに。

「組織は組織の会員で構成すべき」「藁をも掴

む思いでいる家族に、今のままで」等議論白熱。

結論は、薬物依存症で困っている人に広く家

族会を紹介するのが本旨なので、やっかれんに

参加していない家族会も紹介することに。

3 月『薬物乱用問題関係者会議』で「刑の一部

執行猶予制度で家族を帰住先にするのはリス

ク高すぎ、財源も人員も体制も不十分」と訴え

助成金を今年も獲得。「4 人の講師が 19 家族

会に派遣されます。ぜひご参加を」と訴えが。

助成金をどう獲得するかノウハウを進言。具体

的依頼があれば対応しま~す!

「やっかれん全国家族会議に参加して」

初めて全国家族会議に参加しました。改めて薬家

連の理事を始め運営に携わっている方々のご苦労を

身近に感じました。

会議に際し、出席者をグループごとに分け、全員

の声が反映出来るように配慮されていて、初めて参

加した私も皆さんの輪の中に入って行くことができ

ました。また、スムーズな司会進行により、これま

での活動実績、今後の予定、助成金獲得までの経緯

やノウハウなど各々の担当者の明解な説明に感心し

ました。

「家族会対応の現状」という議題では、未加入の背

景等の問題に関する煩雑な会費の徴収などについて

熱い意見交換がありました。

北は青森、南は沖縄の家族会のみなさんと時間を

共有出来、日本中の家族会が繋がっていることを実

感しました。私にとって素晴らしい体験でした。(F)

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清水議員が衆議院法務

委員会で「薬物依存症は病

気であり、治療が必要な人

たちであることを、社会的

認識にすることが必要。い

つまでも犯罪者のレッテ

ルを貼ったままではいけ

ない」と、治療

機関を全国に広

げること、出所

者の処方箋情報

の開示や、保護

観察体制の充実

など迫る。

ぜひ、視聴を!

下記アドレスから

5 月 18日法務委員会質疑

(19 分間)が視聴できます!

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

内閣府・厚労省 PM1:00~2:00

内閣府 青年向け薬物乱用対策マンガなど僅

か 150 万円の予算 。

厚労省 昨年同様・依存症治療拠点機関事業・

認知行動療法を用いた治療・回復プログラム

普及事業・依存症回復施設職員への研修事業

で総額で 93 百万円(昨年比△五百万円)、

新規事業として依存症に関する普及啓発の

事業 16 百万円組む。

質疑 ○ダルクスタッフが薬物依存症という

病気を認知させることが必要と「例えば、ダ

メ絶対の団扇の裏側に『でも、使っちゃった

人は?』というのをやっては?」と提案。

○ 依存症拠点機関事業は今年で終わってしま

うが、今後につなげる必要あり → 「今

後各都道府県に1ヶ所を目指したい」と答

弁するも、具体的に何も決まっていない。

○ 新規事業として依存症に関する普及啓発に

1600 万円の予算化してるが具体的には何

を?→ 「民間団体活用しポスター作製や

シンポジウムや・・・」と答弁。民間丸投

げにならないよう、やっかれん企画のセミ

ナーなど提案しましょう。

理事 4 名・会員2名、茨城ダルクスタッフ2名、塩川鉄也衆議院議員、清水忠史衆議院議員が同席

☆保護期間中(最長 5 年)はダルクで預かれるこ

と聞け安心した。今日はとても面白かった。も

っと時間が欲しかった。(ダルクスタッフ)

☆5月1日のやっかれんフォーラム「刑の一部執

行猶予制度」パネルディスカッションでパネラ

ーの皆さんから聞いた意見がとても役に立っ

た。ダルクスタッフの経験に基づいた発言や

アイディアには大きな説得力があった。(K)

☆ 法務委員会担当になった清水議員が具体的な

数字をあげ役人に説明を求めている姿に、ただ

の代弁者でなくよく勉強しているなあと感心。

私たち一人ひとりを名前で呼び質問を促す配

慮がうれしかった。ダルクスタッフもよく下準

備していて、説得力ある質問提案をした。(M)

法務省 PM2:15~3:20

昨年同様の 4 事業 290百万円(70 百万円増)。

質疑 ○一部執行猶予制度導入で刑期が短く

なり、刑務所内の離脱指導プログラムを縮

める事態起こっている → 「今後は刑務

所内プログラムと保護観察期間のプログ

ラムを統一し、出所後も継続して進められ

るよう取り組む」

○ 「出所後の帰住先決定に大きくかかわる工

場担当刑務官の教育が必要。医師が受刑者

を静かにさせるために薬を処方し処方薬依

存が進行。しかし現場の刑務官は何も医者

に言えない」というダルクスタッフの生の

声に、担当者達がザワザワと反応。

○ダルクでの回復プログラム中に行方をくら

ました場合どうなるのか? → 「今回の

法改正により、収監の対象となる」

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厚労省が主催する薬物再乱用防止対策講習会に、やっかれんは毎年体験談発表の講師派遣協力をしていま

す。各家族会の皆様、ご協力ありがとうございました。27年度も全国6地域で講演され、その内容感想等を送ってく

ださっています。

千葉菜の花家族会 くろかわななこ

開催地:千葉県 平成 27 年 10 月 21 日

二度目の再乱用防止対策講習会に参加して

10 月 21 日、200~300 名の関係機関の

方の前、話をさせていただきました。

5,6年前、横浜で同じメッセージをした時

は、一匹狼の切り込み隊長、まるで道場破りの

ごとく気合い十分。ドキドキしながら話した記

憶があります。今回は経験年月を経て、心なし

か肝も据わって?関係者とも和み自然体の平

安な私がいました。

会は、関係機関からの現状報告や対策等、松

本先生のスマープ、クラフトも含んだ熱弁のあ

と、最後に私の話となりました。

私は東京で生まれ、結婚後千葉で生活、長女

長男を授かり、今は看護師のパートをしている

普通の母親で、先生ではありません。今、29

歳になった長女が薬物を使用しました。以後娘

のことは依存症当事者本人と呼ばせていただ

きます。

本人は小さい頃、友達と遊ぶより一人遊びが

多く、とても内気な子供でした。親である私も

小学 3 年までは消極的、引っ込み思案と言われ

てきました。小 4 の転校を機に勇気を出して前

に出る生き方に変えたところ、その後活発で陽

気元気な人として楽しく生きてこられたため、

本人にも前に出て友達を作ってガンバレとフ

レーフレーコールをしていました。その為、本

人は小5,6と運動会は応援団長、リーダー的

な元気な子になり、一安心していました。

中学へ入学すると、本人はバカだから塾に通

わせてほしいと言いだしました。1 学期も学年

300人中16位で頭は悪くなかったのです

が、勉強はできた方が将来選択肢も広がり楽と

言っていたため、私は快く通わせました。2学

期は11位、3学期は1位、それと同じくして

サラダ以外食べないダイエットという狂った

勉強の仕方、挙句の果ては倒れて点滴をするは

めに。私は成績トップを素直に喜べず、褒めて

あげることもできず、勉強より健康であってほ

しいと思っていました。

中学2年3年と摂食障害で千葉県立青葉病

院情緒障害児の閉鎖病棟へ。「お母さん行かな

いで。行かないでー。」という本人の声は今で

も忘れられません。入院後も軽快はせず、自殺

未遂や冷たい態度のナースへの首絞めなどの

ため鍵のかかる個室で拘束されていました。そ

の後夜間高校に入学するも、2年も入院生活を

していたため学校になじめず、友人に覚せい剤

(やせ薬)を求め使用。親に心配してほしい本

人はすぐ打ち明けてきました。夫は公務員とい

う仕事のため、私は迷わず市原警察に出頭させ、

所持逮捕、退学をさせました。保護観察所で二

度としないと手紙を書きましたが、すぐ二度目

使用による逮捕。自殺企図のため医療少年院、

その後群馬県榛名女子少年院へ。私は一生出て

こないでほしいと思っていましたが、1 年以上

して本人は出院。私は爆弾を抱えている気分で、

食事の味もわからず、季節も感じず、買い物で

も人に会うのが嫌で、頭の中は99%本人のこ

とを考え、次使用したら、親として一緒に死ぬ

しかないなど、後ろ向きの考えしかできません

でした。

本人は、少年院の先生に教わったのか、県内

の NA・ダルクに相談に行ったのですが、欲求

平成27年厚生労働省再乱用防止講習会

関東信越地区

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は強く、夜回り先生(水谷修)を頼り、茨城

女性シェルターに繋がります。

私は、ダルクの方からナラノン・家族会を

紹介され、藁にも縋る思いだったため、茨城

ダルク家族会へ参加します。そこには、極道

の妻・母や呑み屋のおばさんが集っているに

違いないと恐れていたのですが、ごく一般的

な家族が100名ほど全国から集まり、本人

は行方不明・受刑中にもかかわらず、皆がニ

コニコ笑っていました。

私は棺桶に片足を入れたようなひどい状態

でした。家族会で初めて本人は慢性的な治ら

ない依存症という病気です、親には治せない、

回復はできるが死ぬこともあると言われ、涙

がとめどなく出ました。でも、今まで「大丈

夫ですよ~」と無責任に言われ、裏切られて

きた私は、辛い真実だけど嘘を言わないダル

クの施設長と回復して元気になっているスタ

ッフの姿に、絶望が希望に変わるかもしれな

いと、ただ一筋の光を見つけて通い続け12

年が経ちました。そして8年前に千葉菜の花

家族会を仲間と立ち上げ、今に至っています。

お配りした資料に案内を入れさせていただ

いていますが、日本では犯罪を犯した娘の母

親のため、夫の仕事の都合上一応名前をひら

がな明記とさせていただいています。

その後本人は、ダルクを脱走・再使用を1

0回以上。途中使用していないクリーンも1

年2年とあるものの東北大震災の時、仙台の

施設で就労プログラム中再使用、行方不明。

東京までたどり着き NA からダルクへつなが

り、現在はヘルパーをしながらアパートで暮

らし半分以上自立、クリーン4年となってい

ます

私は19歳の本人を家から出し、愛してい

るから回復のことは助けますが、それ以外は

一切手を出しませんと手を放し見守り続けて

います。生きているだけでも感謝です。奇跡

だと思っています。

家族である私は、家族の仲間の回復と再乱

用防止啓発をメッセージし続け、依存症を理

解し続け対応を学び、皆が、依存症者本人が

自死・植物人間・逮捕等になっても本人と家

族でよかったと思えるように共に歩んでいこ

うと思っています。

「会場の方は富士山に登ったことがあります

か?」(会場から出が挙がる)

「私は5合目まで行きました。あ、松本先生

も5合目までですね。」

先日の静岡ビリーブ家族会フォーラムの講演

の話ですが、分かりやすいので紹介します。

5合目までは手段もルートもあり楽に行け

ますが、5合目からは霧が出たり危険もあり

長く厳しい、だから案内役が必要。依存症か

らの回復もそれと似ていて、まず5合目まで

は支援者(会場の方)がサポートして連れて

きてほしい、その後は、辛さが分かり、一度

登ったことのある経験者(ダルクの仲間)が

同行し、一歩一歩上(回復)をめざしていく、

そこには、山登りの装備と同じに、12ステ

ップ・スマープ・クラフトなどのプログラム

があると思います。

本人・家族が関係機関の方と関わる機会を得

た時、もしくは相談した時、そのチャンスに

どうぞダルク・NA・家族会などの自助グルー

プまでの案内役をしていただきたい。家族は

本人のことで 何かあると血が騒いで冷静で

はいられません。だから家族会等でクラフト

を学んだりしながら対応します。

依存症は慢性の病、そして死が近い病気で

す。だから家族は必死!!なんです。

助けてほしい。

よろしくお願いします!!(深く一礼)

後記

話し終え、以前より手ごたえを感じ、また今

後を期待したいと思いました。

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2016年 6月 14日発行 SSKU 増刊通巻第 5480号

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咋年度から各家族会へ相談受

付調べをお願いしてきました。昨

年 6 月から今年 3 月 31 日迄の

報告分をまとめました。

回答いただいた中で、最も相談

件数の多いのが当然のことなが

らダルクです。ついでやっかれ

ん。やはり全国組織という役割の

大きさからでしょう。

対象者年代は、10 代、20 代

が前回調査に比べ僅かですが増

加、依存対象物は覚せい剤が

44%、そしてアルコールについ

で処方箋依存となっています。危

険ドラックは規制後他薬物に移

行したのか小率となっています。

今後も引き続き集計していき

たいと思います。家族会担当者の

皆様にはお手数をおかけします

が、このような調査結果が家族の

現状を訴える一助になると思い

ます。今後ともご協力よろしくお

願い致します。

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1998年 10月 09日第三種郵便認可(毎月 3回 8の日発行)

2016年 6月 14日発行 SSKU 増刊通巻第 5480号

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「全国の家族会の人とつながりたい!」「他の家族会ではどんなことをやっているの?」こんな声をもとに

各地の家族会役員の方を中心に行われている薬家連全国家族会議メーリングリストでのやりとりです。

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3/3、理事3人で『薬物乱用問題対策関係者会議』に出席してきました。

この会議については、3/4 早朝のNHKニュースで取り上げていました。

会議の出席者は:法務省・厚労省・警視庁・東京都薬務課・全国精神保健福祉センター・保護司会・日本

精神医学会・日本司法精神医学会・NPO 法人ほっとプラス・日弁蓮弁護センター・日本ダルク・全国マッ

ク協議会・早稲田大学他大学関係者・日本更生保護協会・作家・報道機関等々、総勢90名余りでした。

やっかれんが、この種の会議に出席できたのは初めてだったのです。

やっかれん家族プログラムコーディネーターの近藤京子さんが、東京保護監察所所長の荒木さんにやっか

れん出席を薦めて下さったおかげです。

会議は、各方面の専門家による「刑の一部執行猶予制度」や「薬乱防止対策」についてのレクチャーから

スタートしました。いくつものレクチャーの中で、埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也先生のお話は出

席者に強いインパクトを与えたようでした。

また、日本ダルクの近藤恒夫さんの発言は、笑いを誘いながら依存症の真髄をついていたように感じまし

た。

やっかれんは、事前に提出していた意見書をもとに家族の声として、刑の一部執行猶予制度の帰住先につ

いて下記を述べました。

『寝るところ、食べられるところがあれば、薬物依存症者の頭の中は薬でいっぱいになります。

本人(薬物依存症者)が疑わしい行動にでた時、家族は逮捕されることを恐れ、疑わしい行動を隠し、本人を

かばうというパターンを繰り返します。家族が帰住先になるのはリスクが高すぎます!』

そして、刑の一部執行猶予制度は、受け皿が十分用意されていない。

家族にはこの制度に関する情報が届いていない。

家族やダルクと関係機関が連携を取ると明記されているが具体策ができていない。

当事者である家族の声を受け止めてほしいと訴えました。

上記発言ができたのは、近藤京子さんが「家族が声をあげなくて良いの?あげるチャンスじゃない!」と

わたしの背中を押して下さったおかげなのです。

途中、安倍首相の奥さんの昭恵さんが参加され、人ごととしてではなく自分のこととして薬物問題に取り

組んでほしいとの発言をされて、程なくして退出されました。

今後も刑の一部執行猶予制度に関する協議会等が開かれることを望んでいます。

やっかれんメンバーの皆さんと一緒に家族の声を発信していきたいと考えています。

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報告ありがとうございました。では、私も参加した感想をお伝えします。

こういった会議に家族をという発想がなかったところに、

近藤京子さんのおかげでやっかれんも家族の立場で参加できました。京子さん、ありがとうございます!

昨年末に両全会の更生保護施設に安倍首相が訪問した関係で、今回首相夫人が出席することになったから

でしょうか、今回の会議は今までの会議とは参加者の顔ぶれが違いました。薬物問題の会議で行政の課長

クラスが出てくることはありませんでしたが、今回は最高検察庁次長検事、法務省の刑事局長・矯正局長・

保護局長が来賓として参加していました。その他の参加機関もそれぞれ所長、教授、理事長クラスでした。

終了30分前くらいに首相夫人登場、挨拶の後名刺交換のために10分程暫時休憩。

各自は着席のまま、夫人がぐるっと一回りして名刺を交換するという一幕。

それが終わるやさっさと帰る人数名。(あ、やっぱりそのために来てたのね)

昭恵夫人は、ご自身も女性の矯正施設を訪問した経験を振りかえり、

自分たちもいつその立場になってもおかしくないと話されていました。

刑法を研究している大学学術院教授は覚せい剤刑事事件の現状や刑の一部執行猶予制度の課題について話

し、法務省、厚労省、精神保健福祉センターや行政薬務課等はそれぞれ自分たちの取り組みやガイドライ

ンの話をしましたが、当たり前のことをムズカシク話す話は心に響きません。(きわめて個人的感想)

会場がしんとして参加者が熱心にメモを取り耳を傾けていたのは、

成瀬先生の『依存症は病気です。病人を説教したり懲らしめても治りません』という話と

近藤恒夫さんの『一番の問題は孤独化。依存症者が問題を起こすのは9時~5時ではなく夜中です、必要

なのは添い寝です』

家族の『家族は恐れ隠します。家族が帰住先になるのはリスクが高すぎます。私は引き取りません』とい

う話です。

最後に総評として両全会理事の方が感想を述べましたが、心に残ったのはこの3人の言葉だったと語り、

今日この場の率直な感想として、薬物の問題は刑法の世界から切り離した方がいいのではないかと締めく

くっていました。

さらに、薬物の問題は好き勝手に使ったということではない。犯罪と刑罰の中身を抜本的に考えていく、

その中の薬物乱用の問題は中核となると今後の展望を語っていました。

私たちはいろいろな場で何度もこれらの話を聴いていますが、

そこに参加された方々にはきっと目からうろこの人もいたのではないでしょうか。

刑期が短縮されて家族のもとに帰されて家族は喜んでいるでしょうと

思っている人が世の中には相当数いるのだと思います。

薬物事犯者を犯罪者としてしか見られない人には、

家族がこんなことを言うなんて驚いたかもしれません。

これからもこういう機会には家族の声を発信して行きたいと思います。

それには、やっかれんが全国組織であることが大きな力になっていると感じました。

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ご出席ご苦労さまでした。

安部首相夫人の出席には背景があると思います。

昨年 12 月 18 日の毎日新聞の小さな記事ですが、首相が栃木刑務所を訪問し「薬物依存脱却に向けた指

導を行う担当官と意見を交換、再犯防止には息の長い対応が大切だ、医療、福祉施設との連携が必要、官

民が力を合わせて取組を進めたい」と語ったとある。

首相(ひょっとして奥様だけかもしれないが)薬物依存症問題に関心があるのでしょう。

それはそれとして、

きちんと家族の行政当局に対する不満を述べられたことに感謝を申し上げます。

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早速のご意見に感謝いたします。

安部首相夫人の出席には、もう一つの理由があります。

1917 年に創設された両全会(犯罪のない安心安全な社会を築くことを目的としている更生保護法人)の顧

問に、安倍首相夫人が就任されたからです。

また、ご指摘の、阿部首相、栃木刑務所視察というニュースにみられるように、薬物問題が政府の中でも

論じられているのかも知れませんね。そう期待したいです。

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理事の皆さん、関係者会議お疲れ様でした!

あの会場の中で発言をすることはとても勇気がいったと思いますが、

がんばってくださったおかげで、家族の声が伝わりましたね!

拍手が起こったのは、会場にいた多くの人が、刑の一部執行猶予制度が

始まった場合、対象者とおそらくもっとも多くの時間を過ごし、関わること

になる可能性がある「家族」の存在を忘れていたからだと思います。

だからこそ、家族が声をあげることはインパクトがあるのです。

私は刑務所での離脱指導はあくまでも初期介入だと思っています。

その後、これまでの執行猶予や仮釈放であったのと同じようなサポート体制

しかないと、刑の一部執行猶予制度は活かされないでしょう。

24 時間体制のプログラムがあるところにつなげていくか、家族や周囲に対し

情報を伝え双方をサポートする体制を作っていくことが大事だと思います。

最初の裁判で刑の一部執行猶予を決めてしまうことは、危うさもあるけれど

メリットもあるかもしれません。運用を見ながら、家族の声をこれからも

ぜひ伝えていってください。

コンドウ

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報告事項

1. 理事体制 理事長横川就任、副理事長川上就任、片山副理事長継続、財務柴田理事、事務局松井理事

2. メッセージ活動報告

松井理事 広島家族教室、高知家族会に参加 川上理事 川崎ダルク家族会に参加

3. 依存症関連の協議会や研修会等への参加

・3 月 3日 薬物乱用対策会議 片山副理事長、川上理事、松井理事出席

・3 月 7日 厚労省依存症治療拠点機関設置運営事業にかかる自助グループ会議 片山、川上、松井出席

・NHK ハートフォーラム京都 片山副理事長出席 350 名の参加

・伊賀地区薬物乱用防止指導員研修会 池田理事出席

・佐賀県依存症対策推進委員会 前田理事出席

4. やっかれん会員状況 19家族会 604 人(家族会会員、個人会員、ビギナー会員、賛助含め)

5. 新理事紹介 富井氏(千葉菜の花家族会) 中村氏(びわこ家族会)

6. 認定 NPO法人申請経過報告

7. 更生保護施設で対話ロボットを使った更生を考えていくと法務省が表明したニュースについて

検討事項

1. 平成 28年全国家族会議 議題協議

①活動方針 ②家族会対応 ③刑の一部執行猶予制度を知ってもらう

④日工組助成金事業の目的と実施経過中間報告 ⑤助成金獲得のノウハウ

2. 平成 28年度総会・フォーラム構成、役割分担確認

3.今後の活動方針

・厚労省・法務省・内閣府等への働きかけや家族会メッセージ活動に川上理事作成パワーポイント資料活用

・近藤京子氏のプロジェクトオンブレ講習会開催

・家族の共依存体験をまんがにして冊子作成計画協議

4.メディア対策(薬物事犯報道を正していく)検討

5.ふぁみりー通信内容確認 原稿締め切り 5月 20 日

連絡事項

1. 28年度全国家族会議開催 4月 30 日(土) 総会・フォーラム 5月 1日(日) ウイルあいち

2. 依存症関連の協議会や研修会への参加

3. 5 月ごろ省庁ヒアリング予定 清水忠史国会議員と進めていく。ダルクとも連携予定。

4. 家族会メッセージ活動

広島家族教室(前田、片山) 和歌山ダルク家族会(松井) 東三河家族会(柴田) サルビア(片山)

ピア岐阜(池田) 群馬 DA家族会(松井) 岡山家族会(池田) 金沢教室(横川)

次回理事会日程 28年度第2回理事会 2016年 7月 31日(日) 於:やっかれん事務所

開催日:平成 28 年 4 月 23 日(日) 於:やっかれん事務所

出席者:林理事長、横川副理事長、片山副理事長、前田理事、

川上理事、重光理事、池田理事、柴田理事、松井理事

薬家連理事会を開く

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熊本ダルクへ義援金

九州熊本地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災者の皆様に心よりお見舞い

申し上げます。5 月 1 日(日)に行われたやっかれんフォーラムで戴いた献金 54,423 円を

被災した熊本ダルクへの義援金としてお送りしました。御協力いただいた皆さまありがとう

ございました。被災地域の皆様に一日も早く安全な暮らしが戻ることをお祈り申し上げます。

発行所

157-0073

東京都世田谷区砧 6-26-21

特定非営利活動法人障害者団体定期刊行物協会

定価 100 円(会費に含まれる)

薬物乱用対策マンガ「たった一度の過ち」【内閣府】

http://www8.cao.go.jp/souki/drug/comic/index.html

政府インターネットテレビ「危険ドラッグにはゼッタイにかかわらない あまいことばにダマされないで」

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg11517.html

政府広報オンライン「特集:薬物対策(危険ドラッグの本当の怖さを知っていますか?)」

http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/drug/

大学生等に対する薬物乱用防止のための啓発用パンフレット【文部科学省】

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/03/1258059.htm

保護者向け普及啓発用リーフレット「ネットの危険からお子様を守るために、保護者ができること」【内閣府】

http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/koho/index.html

平成 27年度青少年のインターネット利用環境調査【内閣府】

http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/net-jittai_list.html

ご家族の薬物問題でお困りの方へ(家族読本)【厚生労働省】

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/other/kazoku_doikuhon.html

“社会を明るくする運動”ホームページ【法務省】

http://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo06.html

薬物乱用防止資料「薬物乱用のない社会を」【警察庁】

http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/drug2015.pdf

○賛助会費を納めてくださった皆様

12名

○献金をいただいた皆様

3件

○会費を納めてくださった皆様

個人正会員 8名 家族会正会員 36名 連名会員 26名 ビギナー会員 2名

皆さまのご協力に心から感謝いたします。

(※賛助会費・献金を振り込まれる際、匿名を希望される方は明記ください)

今後も薬家連の活動をご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

(28/3/1~28/5/20順不同 敬称略)