演習問題 略解...技術者のための統計的品質管理入門 演習問題 略解...
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技術者のための統計的品質管理入門
演習問題 略解
二見良治
共立出版
2011.5.29
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1
2 章 データとそのまとめかた 【問題 2.1】 (1)ヒストグラムの作成 ①級の数と級の幅 級の数と級の幅は 1 号機と 2 号機で共通にする. 級の数 k =10,級の幅 c=0.4 ②平均値と標準偏差 1 号機の平均値と標準偏差: 08.131 =x , 98.01 =V 2 号機の平均値と標準偏差: 41.122 =x , 82.02 =V ③1 号機と 2 号機のヒストグラム
図 1 1 号機のヒストグラム 図 2 2 号機のヒストグラム ④全号機のヒストグラム 省 略 (2)ヒストグラムから得られる情報 ①1 号機,2 号機ともほぼ正規分布とみなせる. ②1 号機の平均値と標準偏差はともに 2 号機よりも大きい. ③1号機は下限規格値外のデータはないが,上限規格値外のデータが 8 個もある.標準偏差が大きいので平均値を小さくしても下限規格値外のデータが生じる.規格外の製品を発生させないためには標準偏差をかなり小さくしなければならない. ④2 号機は下限規格値外のデータも上限規格値外のデータもないが,標準偏差が大きいので標準偏差を小さくした方がよい. ⑤1号機と 2号機の平均値と標準偏差がかなり異なるので,これらを一緒にして全号機のヒストグラムで管理するのはよくない. ⑥標準偏差を小さくするための対策の方法としては以下のようなことが考えられる. ・使用部品の層別使用する.例えば,成形品を用いている場合には,型番別に分け,同一型番のものをまとめて同じロットのものを使う. ・線材の同一スプール内での線径のばらつきを低減する. ・巻線時の線材に与えるテンションを均一にするとか,巻き位置のばらつきを低減する.
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
10.1 10.5 10.9 11.3 11.7 12.1 12.5 12.9 13.3 13.7 14.1 14.5 14.9 15.3 15.7
度数 n =100SL x SU
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
10.1 10.5 10.9 11.3 11.7 12.1 12.5 12.9 13.3 13.7 14.1 14.5 14.9 15.3 15.7
度数 n=100x SUSL
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2
3 章 分 布 【問題 3.1】 平均値: 57.996
4.597===
∑n
xx
i ,メジアン: 55.992
7.994.99~ =+
=x 平方和: ( ) ( ) 3540.36
4.59748.59484
22
2=−=−=
∑∑n
xxS
i
i 平均平方: 6708.0
16
3540.3
1=
−=
−=
n
SV ,範囲: 4.23.987.100minmax =−=−= xxR
【問題 3.2】 1 瓶の内容量を X とする. (a)1瓶の内容量が 500.0gに満たない確率は次のようになる.
{ } ( )%51.111151.05.1
8.5010.500Pr0.500XPr =
−
≤=≤ u (b)4 瓶の内容量の合計が 2000.0gに満たない確率は次のようになる. { } ( )%82.00082.0
45.1
48.5010.2000Pr0.2000X4Pr =
×
×−≤=≤ u (c)σ=1.5 のとき,(a)の確率を 0.5%以下にするμは次のようになる.
005.05.1
0.500Pr =
−
≤µ
u , 576.25.1
0.500−=
− µ ,μ=500.0+2.576×1.5=503.9 (d)μ=501.8 のとき,(a)の確率を 0.5%以下にする σ は次のようになる. 005.0
8.5010.500Pr =
−
≤σ
u , 576.28.5010.500 −=−σ
, 70.0576.2
8.1==σ 【問題 3.3】 瓶の重量を X,充テン後の全体重量を Y,1 瓶中の薬品の重量を Z とする. (a)1 瓶中の薬品の重量(Z=Y-X)の期待値と分散は次のようになる.
E(Z)=E(Y−X)=80.0−30.0=50.0,V(Z)=V(Y−X)=0.52+1.02=1.25=(1.12)2 1瓶中の薬品の重量の母平均はμ=50.0g,母標準偏差はσ=1.12g (b)大箱 1 個中の薬品の総重量 T の期待値と分散は次のようになる. E(T)=E(Z1+Z2+・・・+Z50)=50×E(Z)=2500.0,V(T)=V(Z1+Z2+・・・+Z50)=50×V(Z)=62.5=(7.91)2 大箱 1 個中に含まれる薬品の総重量の母平均はμ=2500.0g,母標準偏差はσ=7.91g
【問題 3.4】 (a)ア:70 イ: 52 ウ: 1.645 エ:−2.326 オ:78.23 カ:58.37 (b)キ:102 ク:3 ケ: 2χ コ:0.352 サ:35.2 (c)シ:20.59 ス:8.80 (d)セ:52 ソ:3 タ:9 チ:F ツ:3.86 テ:0.0366 ト:15.44 ナ:0.15 (e)ニ:50 ヌ:5 ネ:2.87 ノ:18.42
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3
4 章 推定と検定 【問題 4.1】 (a)題意の検定規則において H0が成り立っているときに,そのことを棄却する確率は 0.05,すなわち有意水準は 5%である. (b)この場合,μがμ0と等しいときに検出力1−βが最大(といっても,わずか 5%)になり,μがμ0から離れていくにしたがって検出力は小さくなる(検出されにくくなる). 一方,「 ( ) ( ) を棄却するならばおよび 000 H/05.0/05.0 nuxnux σµσµ −≤+≥ 」という検定規則ではα一定のもとにおいて検出しようとする領域(H1で表される領域)における検出力1−βは大きくなる.したがって,一般的には,この検定規則が用いられ,題意のような検定規則は用いられない. 【問題 4.2】
( ) 10.015.005.0 ±=±n
u信頼限界の幅: ,u(0.05)=1.960 より, 964.81.0
15.0960.12
⇒=
×=n これより,少なくとも 9 回の繰り返し分析が必要である.
【問題 4.3】 (a)H0:µ=50.0,H1:µ>50.0 において, x ≧50.6 のときに H0 を棄却するのは次が成り立つときである. ( )α
σ
µ21.5
4/8.0
0.506.50
/
0 un
x≥=
−=
−
u(2α)=1.5 のときα=0.0668 である.したがって,求める有意水準は 6.68%となる. (b)(a)の検定規則を採用したときの検出力 1−βは次式で表される.
≥−
=
+≥=− 5.1/
Pr5.1
Pr1 00n
x
nx
σ
µσµβ { }ku
nn
x−≥=
≥−
+−
= 5.1Pr5.1//
Pr 0
σ
µµ
σ
µ
nk
/
0
σ
µµ −=ここで, ①μ=50.4: 0.1
4/8.0
0.504.50=
−=k , { } ( )%85.303085.00.15.1Pr1 =−≥=− uβ ②μ=50.6: 5.1
4/8.0
0.506.50=
−=k , { } ( )%0.5050.05.15.1Pr1 =−≥=− uβ ③μ=50.8: 0.2
4/8.0
0.508.50=
−=k , { }=−≥=− 0.25.1Pr1 uβ ( )%15.696915.03085.01 =− (c) { } は0.905.1Pr ≥−≥ ku { } より90.05.1Pr1 ≥−≥− ku , { } となる10.05.1Pr ≤−≥ ku .
u(0.10)=1.282 であるから k≧1.5+1.282=2.782,したがって, 2.782/8.0
0.506.50≥
−=
nk となる. これより, 1413.7
6.0
782.28.02
⇒=
×≥n
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4
5 章 計量値に関する検定と推定 【問題 5.1】設問を以下のように変更する. (a)触媒 B を用いたときの引張強度の母平均は,触媒 A を用いたときよりも大きいといえるか.有意水準 5%で検定せよ. (b)触媒 A を用いたときと触媒 B を用いたときの引張強度の母平均の差の点推定値と信頼率 95%の信頼限界を求めよ. (c)引張強度以外の特性やコストに関しては,触媒 B の方が有利(少なくとも触媒 A と同等)であることがわかっているものとして,触媒 B の採否について考察せよ. 【問題 5.1】 (a)母平均の差の検定 母平均の差の検定に先立ち,母分散のちがいを母分散の比の検定で確かめる. H0: 2B2A σσ = H1: 2Aσ ≠ 2Bσ α=0.05
62.30.640
15.2315
A
B
0 ===V
VF
0F = 3.62<F(12, 9; 0.025)=3.87<F(11, 9; 0.025) 有意水準 5%で H0 は棄却されない.したがって, 2B2A σσ = とみなして母平均の差の検定を行う. H0: BA μμ = H1: Aμ < Bμ α=0.05
3335.156121210
67.254660.5760
2BA
BA =−+
+=
−+
+=
nn
SSV
85.1
12
1
10
13335.1561
3.5730.542
11
BA
BA
0 −=
+
−=
+
−=
nnV
xxt
t0 =−1.85<−t (20, 0.10)= −1.725 有意水準 5%で H0 は棄却される. (b)母平均の差の推定 点推定 3.310.5423.573ˆˆ ABAB =−=−=− xxμμ 区間推定(信頼率:95%)
( ) ( ) ( ) ( )
+±=
+±−=−
10
1
12
11561.33350.0520,31.3
11,
AB
AB,AB αφμμ t
nnVtxx
UL 66.59,3.9935.2931.316.91882.08631.3 −=±=×±=
-
5
(c)触媒 B の採否についての考察 H0: BA μμ = ,H1: Aμ < Bμ の検定の結果,有意水準 5%で H0 は棄却されるので,引張強度は大きくなると判断して触媒 B を採用してよい.そのとき,触媒 B と触媒 A の引張強度の母平均の差は点推定値が 31.3kg/cm2,信頼率 95%の信頼下限が−3.99 kg/cm2,信頼上限が 66.59 kg/cm2 である, ただし , H0: 2B2A σσ = ,H1: 2Aσ ≠ 2Bσ において有意水準 5%では棄却されないが,有意水準 10%で H0 は棄却されるので,触媒 B の方が触媒 A より引張強度のばらつきが大きくなるおそれがある.したがって,触媒 B を用いるにあたっては,ばらつきを小さくするような対策を考えて実施するか,ばらつきが大きくなった場合に発生すると考えられる問題に対処できるようにしておくことが必要である.
【問題 5.2】 (a)母平均の差の検定 データの折れ線グラフを図 1 に示す.ここからもデータに対応があることがわかる.
図 1 COD 値の推移 H0:δ=δ 0 ここでδ 0= 0 H1:δ≠δ 0 α = 0.05
36.210/99.42
09.4
/
0
0 =−
=−
=nV
dt
d
δ
| t0 |=2.36>t (9, 0.05)=2.262 有意水準 5%で H0 は棄却される.すなわち,A 社と B 社で処理後の COD 値に差があるといえる. (b)母平均の差の推定 点推定 9.4ˆ == dδ 区間推定(信頼率:95%)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
5/12(月) 5/13(火) 5/14(水) 5/15(木) 5/16(金) 5/19(月) 5/20(火) 5/21(水) 5/22(木) 5/23(金)実験日
CO
D
値 A社 B社
-
6
( ) ( ) 59.9,21.0073.2262.29.410
99.4205.0,99.4,, =×±=±=±= t
n
Vtd eUL αφδ (c)その他データから得られる情報 図 1 より 2 週とも月曜日の処理後の COD 値が高く,金曜日が低い傾向が見られる.これより 1 週ごとに周期がありそうに感じられる.この周期に対応して排水原液の汚染度が変化しているように思われるので調査してみる必要がある.処理後の COD 値だけでなく,排水原液の汚染度の管理をすることが必要であろう.
【問題 5.3】 図 5.3 の「評価の手順」に従って仮説を立てて検定する. (a)母平均と母分散に関する検定 1)母分散の検定
2σ >(0.3)2 について YES か NO かを判定しようとしているのであるから,次の仮説を立てて検定する. H0: 202 σσ = ここで =20σ (0.3)2 H1: 2σ > 20σ α=0.05
2
0
2
0 σχ S= 465.233.011188.2 2 == 20χ =23.465<χ2(19, 0.05)=30.1 有意水準 5%で H0 は棄却されない. これより,設計変更品の最大抵抗値の母分散は従来品より大きくならないとみなして,図 5.3 の「評価の手順」に従って母平均の検定をする.
2)母平均の検定(その 1) 母平均の検定については,まず,設計変更品の最大抵抗値の母平均μが従来品の 5.0Ωより小さいといえるかどうかを知りたいのであるから,次の仮説を立てて検定する. H0:µ=µ0 ここで,µ0=5.0 H1:µ<µ0 α=0.05
1112.0120
11188.2
1=
−=
−=
n
SV
334.220/1112.0
0.5826.4
/
0
0 −=−
=−
=nV
xt
µ
t0= −2.334<−t(19, 0.10)= −1.729 有意水準 5%で H0 は棄却される. これより設計変更品の最大抵抗値の母平均は従来品の 5.0Ωよりも小さいといえる.そこで,さらに図 5.3 の「評価の手順」に従って母平均の検定を続ける. 3)母平均の検定(その 2) ここでは「設計変更品の母平均が 4.7Ωよりも小さいといえなければ,パイロットラン
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7
を続行しながら改善していく」という立場に立って検定をする.したがって,次の仮説を立てて検定する. H0:µ=µ0 ここで µ0= 4.7 H1:µ<µ0 α=0.05
690.120/1112.0
7.4826.4
/
00 =
−=
−=
nV
xt
µ
t0=1.690>−t (19, 0.10)= −1.729 有意水準 5%で H0 は棄却されない.すなわち,設計変更品の最大抵抗値の母平均が 4.7Ωよりも小さいとはいえない. 4)検定結果のまとめ 以上の結果,設計変更品の最大抵抗値は従来品にくらべて次のことがいえる. ・母分散は大きくなるとはいえない. ・母平均は異なるが,4.7Ωより小さくなるとはいえない. したがって,図 5.3 の「評価の手順」より,次のように結論することができる. 「母平均は 4.7Ω以上あるとみなしてパイロットランを続行しながら母平均を 5.0Ωになるように改善していく」 (b)母分散と母平均の推定 1)母分散の推定 点推定
2233.01112.0ˆ === Vσ
区間推定(信頼率:95%) ( )
( ) ( )2
22
225.00642.0
9.32
11188.2
0.02519,
11188.2
2/,===== χχσ αφ SL
( )( ) ( )
2
22
249.02370.0
91.8
11188.2
0.97519,
11188.2
2/1,====
−= χχσ αφ SU
2)母平均の推定 点推定 xˆ =μ =4.826 区間推定(信頼率:95%)
( ) ( ) 982.4,670.420
1112.005.0,19826.4/2/,, =±=±= tnVtxUL αμ φ (c)推定結果のまとめ 母平均の区間推定の結果では,信頼下限が4.670Ωで,4.7Ω以下のものが出る可能性がある.慎重にパイロットランを続行していく必要がある. また,母分散は従来品と変わらないと見なしたが,信頼率95%の信頼上限が(0.49Ω)2と従来品の(0.3Ω)2より大きくなるおそれがある.母平均の改善だけでなく,母分散が従来品よりも悪くならないように留意しなければならない.
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6 章 計数値に関する検定と推定 【問題 6.1】 (a)母 A ランク率の検定 H0:P=P0 ここで P0= 0.30 H1:P>P0 α=0.05 nP0=300×0.30=90>5,n(1−P0)=300(1−0.30)=210>5,正規分布に近似できる.
( )016.2
937.7
16
30.0130.0300
30.03001060 ==
−×
×−=u
u0=2.016>u (0.10)=1.645 有意水準 5%で H0 は棄却される.したがって,ランク A の生産割合は 30.0%以上になるといえる. (b)母 A ランク率の推定 点推定 353.0
300
106ˆ ===n
xP (35.3%) 区間推定(信頼率:95%) PL,U ( )
( ) ( )%71.40%,89.294071.0,2989.0300
353.01353.005.0353.0 =
−±= u
A ランクの生産割合の点推定値は 35.3%,信頼率 95%の信頼下限は 29.89%,信頼上限は 40.71%である. 【問題 6.2】 (1)母傷不良率の差の検定
H0:PA=PB H1:PA ≠PB α=0.05 nApA=xA=25>5,nA(1−pA)=nA−xA=200−25=175>5 nBpB=xB=40>5,nB(1−pB) =nB−xB=250−40=210>5,正規分布に近似できる.
( )
051.1
250
1
200
1144.01144.0
160.0125.00 −=
+−
−=u
| u0 |=1.051<u(0.05)=1.960 有意水準 5%で H0 は棄却されない.すなわち,プレス機 A とプレス機 B のそれぞれでつくったパネルフードの傷不良率に差があるとはいえない. (2)母傷不良率の差の推定 点推定
-
9
( )%5.3035.0002
25
052
40ˆˆ
A
A
B
B
ABAB =−=−=−=−n
x
n
xppPP 区間推定(信頼率:95%)
( ) ( ) ( )( ) ( )
200
125.01125.0
250
160.01160.005.0125.00.160
,AB
−+
−±−=− uPP
UL
=0.035±1.960×0.0234=−0.0108,0.0808(−1.08%,8.08%) プレス機 B とプレス機 A の母傷不良率の差の点推定値は 3.5%,信頼率 95%の信頼下限は−1.08%,信頼上限は 8.08%である. 【問題 6.3】 (a)各ラインでの昼勤と夜勤による充テン機の故障回数のちがいの検定 H0:各ラインでの昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異ならない H1:各ラインでの昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異なる α=0.05 期待値t ij 表をつくり,これより(xij-tij) 2/tij 表を作成して 20χ を求めると, =20χ 11.71 になる. φ=(2-1)(4-1)=3
=20χ 11.71>χ2 (3, 0.05)=7.81 有意水準 5%で H0 は棄却される. 各ラインでの昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異なるといえる. (b)昼勤と夜勤による充テン機の故障回数のちがいの検定 H0:昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異ならない H1:昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異なる α=0.05
( ) ( )125.1
64
72
64
6470
64
645822
2
0 ==−
+−
=χ φ=2−1=1 =20χ 1.125<χ2(1, 0.05)=3.84 有意水準 5%で H0 は棄却されない.すなわち,昼勤と夜勤によって充テン機の故障回数は異なるとはいえない. (c)ラインによる充テン機の故障回数のちがいの検定
H0:ラインによって充テン機の故障回数は異ならない H1:ラインによって充テン機の故障回数は異なる α=0.05
( ) ( ) ( ) ( )25.7
32
232
32
3228
32
3222
32
3236
32
32422222
2
0 ==−
+−
+−
+−
=χ φ=4−1=3 =20χ 7.25<χ2(3, 0.05)=7.81 有意水準 5%で H0 は棄却されない.すなわち,ラインによって充テン機の故障回数は異なるとはいえない.
-
10
7 章 管理図 【問題 7.1】 (a)ヒストグラムの作成 ①級の数と級の幅 級の数と級の幅は装置 A と装置 B で共通にする. 級の数 k=10,級の幅 c=0.2 ②平均値と標準偏差 装置 A の平均値と標準偏差: 20.5A =x , 40.0A =V 装置 B の平均値と標準偏差: 5.23B =x , 31.0B =V ③装置 A と装置 B のヒストグラム 0
5
10
15
20
25
4.15 4.35 4.55 4.75 4.95 5.15 5.35 5.55 5.75 5.95 6.15 6.35
度数 n =100 目標値x0
5
10
15
20
25
30
4.15 4.35 4.55 4.75 4.95 5.15 5.35 5.55 5.75 5.95 6.15 6.35
度数 n =100 目標値x 図 1 装置 A のヒストグラム 図 2 装置 B のヒストグラム ④全装置のヒストグラム 省 略 (b)管理図の作成 ①各群の平均値と範囲 群 No.1~No.20 の平均値と範囲を求める. (例)群 No.1 の平均値 ・1x と範囲 1R
36.55
2.53.57.50.56.511
1 =++++
==
∑=
n
x
x
n
j
j・ 7.00.57.5(min)1(max)11 =−=−= jj xxR ②中心線と管理限界 装置 A の x 管理図の管理線
21.5CL == x
64.575.0577.021.5UCL 2 =×+=+= RAx
-
11
78.475.0577.021.5LCL 2 =×−=−= RAx 装置 A の R 管理図の管理線 75.0CL == R
58.175.0115.2UCL 4 =×== RD
( )考えない-== RD3LCL 装置 B の x 管理図の管理線 23.5CL == x
53.552.0577.023.5UCL 2 =×+=+= RAx
93.452.0577.023.5LCL 2 =×−=−= RAx 装置 B の R 管理図の管理線 52.0CL =
10.152.0115.2UCL 4 =×== RD
( )考えない-== RD3LCL ③管理図の作成
図 3 装置 A の Rx − 管理図
4.50
4.70
4.90
5.10
5.30
5.50
5.70
5.90
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
管理図UCL=5.64
CL=5.21
LCL=4.78
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
1.40
1.60
1.80
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
R
R管理図UCL=1.58
LCL=0.75
-
12
図 4 装置 B の Rx − 管理図 (c)解析結果から得られる情報 ①ヒストグラムから得られる情報 装置 Aは右に少し裾を引いた分布である.装置 Bはほぼ正規分布とみなせる.平均値は装置 A,B ともにあまり変わらないが,標準偏差は装置 A の方が装置 B よりも大きい. 装置 Aは目標値(6.0ppm)以上のデータが 1つあり,目標値ぎりぎりのデータが 2つある.装置 Bには目標値より大きいデータはないが,目標値に対して余裕のないデータがある. ② Rx − 管理図から得られる情報
x 管理図では管理限界外の点が装置 A で 2点あり,装置 B で 4点と点の並び方のクセ(3点中2 点が 2σと 3σの間にある)が見られることから,ともに管理状態にない.この異常の原因は調査しなければいけない.また,装置 A の x と装置 B の x との間に相関があるようだ.これは原水が同じであることの影響なのか,他の原因によるものなのかを調査する必要があろう.
R 管理図では装置 A,B のいずれも管理限界外の点はなく,点の並び方のクセもないので管理状態とみなせる.しかし,管理限界の幅は装置 A の方が装置 B よりも大きい.ヒストグラムからもばらつきは装置 A の方が大きいことがわかる.この原因については調査する必要がある.
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
1.40
1.60
1.80
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
R管理図R
UCL=1.10
CL=0.52
4.50
4.70
4.90
5.10
5.30
5.50
5.70
5.90
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
管理図CL=5.23UCL=5.53
LCL=4.93
-
13
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10ロットの不良率Pロットが合格する確率
L(P)
n=100
c=2
0.000
0.100
0.200
0.300
0.400
0.500
0.600
0.700
0.800
0.900
1.000
0.00 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10ロットの不良率(P)
ロットが合格する確率L(P )
n=85
c=2
8 章 検査と抜取検査 【問題 8.1】 付図 2 の Thorndike 曲線を用いて,ロットの不良率 P において c=2 以下の不良品が見つかる確率(ロットが合格する確率)L(P)を求める.その結果に基づいて n=100,c=2 のOC 曲線を描くと図 1 のようになる.
図 1 OC 曲線 【問題 8.2】略解
1)抜取方式の設計 題意より,P0=0.01,α=0.05 P1=0.06,β=0.10 付図 2 の Thorndike 曲線を用いて,L(P0)=L(0.01)=1−α=0.95 と,L(P1)=L(0.06)=β=0.10 を満足する n と c を求めるための表を作成し,その表より,c が同じで n の値がほぼ同じになる c と n を求める.
c=2, 8584.15⇒=n 以上より,L(0.01)=0.95,L(0.06)=0.10を同時に満足する抜取方式は,n=85,c=2 となる.
2)OC 曲線の作成 n=85,c=2 における OC 曲線を描くと図
1 のようになる. 図 1 OC 曲線 【問題 8.3】略解
1)抜取方式の設計 題意よりロット不良率を保証する場合の計量規準型一回抜取方式の設計である.
-
14
P0=0.005,α=0.05,P1=0.025,β=0.10 下限規格値が与えられている場合であるから,n と k は次のようになる. ( ) ( )( ) ( )
2358.22960.1576.2
282.1645.1
05.001.0
20.010.022
⇒=
−
+=
−
+=
uu
uun
( ) ( ) ( ) ( )( ) ( )
230.2282.1645.1
645.1960.1282.1576.2
20.010.0
10.005.020.010.0=
+
×+×=
+
+=
uu
uuuuk
201.3009.0230.200.30 =×+=+= σkSX LL したがって,ロットからランダムに 23 本の鋼管を抜き取って外径寸法を測定し,その平均値 x を求め,次のようにする. x ≧30.201mm ならばロット合格, x <30.201mm ならばロット不合格 2)OC 曲線の作成 平均μのロットが合格と判定される確率 L(μ)は次式で求める.
( )( ) ( )
{ }LLL uu
Puu
n
PuSXuL ≥≥
×−−
≥
−−
≥= Pr23/09.0
09.020.30201.30Pr
/
2Pr =σ
σµ この式で P を変化させて,そのときの L(μ)を求める表をつくり,これをもとに OC 曲線を描くと図 1 のようになる.
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05ロットの不良率 P
ロットが合格する確率L(μ)
n=23
図 1 OC 曲線
-
15
9 章 分散分析 【問題 9.1】 (a)モル比の効果の検定 ①データの構造 xij=µ+αi+εij ②分散分析による要因効果の検定 表 1 分散分析表
s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.)
A
e
19.849
4.260
3
8
6.616
0.533
12.413* 2eσ +32
Aσ 2eσ 計 24.109 11 分散分析の結果,モル比は収量に対して有意水準 1%で有意である. (b)A3 と A4 の母平均の差の検定
H0:μA3=μA4 H1:μA3≠μA4 α=0.05
5033.03/533.02
37.2107.21
/2
43
0 −=×
−=
−=
nV
xxt
e
・・ |t0|=0.5033<t(φe,α)=t(8, 0.05)=2.306 有意水準 5%で H0は棄却されない.すなわち,モル比 1.3(A3)とモル比 1.4(A4)とで収量の母平均に差があるとはいえない. (c)A3 における母平均の推定 点推定
== ・33ˆ xAµ 21.07 区間推定(信頼率 95%) ( ) ( ) ( ) 042.22,098.20
3
533.005.0,807.21,3,3 =±=±= t
n
Vtx eeULA αφ・μ
【問題 9.2】 (a)データの構造 xijk=µ+αi+βj+(αβ)ij+εijk (b)分散分析による要因効果の検定
-
16
表 2 分散分析表(1) s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.)
A
B
A×B
e
1101
31
5
53
3
2
6
12
367.0
15.50
0.88
4.42
83.03**
3.51
0.19
2eσ +6
2
Aσ 2eσ +8
2
Bσ 2eσ +2
2
BA×σ 2eσ 計 1190 23 分散分析表(1)の結果,切削速度(因子 A)は有意水準 1%で有意であるが,送り速度(因子 B)および交互作用(A×B)は有意でない.なお,交互作用 A×B は F0の値が小さい ので, 02 =×BAσ とみなして誤差 e にプールして分散分析表(2)をつくる. 表 3 分散分析表(2)
s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.)
A
B
e
1101
31
58
3
2
18
367.0
15.50
3.22
113.98**
4.81*
2eσ +6
2
Aσ 2eσ +8
2
Bσ 2eσ 計 1190 23 分散分析表(2)の結果,切削速度(因子 A)は有意水準 1%で有意,送り速度(因子 B)は有意水準 5%で有意である. (c)磨耗量が最小になる水準組合せとその母平均の推定 点推定 交互作用 A×B が無視できるので,データの構造は次のようになる.
xijk=µ+αi+βj+εijk これより,因子 AB の水準組合せにおける母平均は次式で推定する. xxxˆˆ jijijiij −+=−+++=++= ⋅⋅μβμαμβαμμ カッターの磨耗量が最小となる水準組合せは ⋅ix と jx⋅ がともに最小のときであるから,A3B1で,そのときの母平均の点推定値は次のようになる.
1575.0ˆ 13 =BAµ 区間推定(信頼率:95%) 有効反復数 ne を求める. 4
1
24
1
8
1
6
11=−+=
en 信頼率 95%の信頼限界は次のようになる.
( ) ( ) ( )213,13 100
1
4
22.305.0,181575.0,ˆ ×±=±= t
n
Vt
e
eeBAULBA
αφµµ =0.1386,0.1764
-
17
カ ッ タ ー の 磨 耗 量 が 最 小 と な る 水 準 組 合 せ は 切 削 速 度 が 155m/min ( A3 ) , 送 り 速 度 が0.50mm/rev(B1)で,そのときの母平均の点推定値は 0.1575mm,信頼率 95%の信頼下限は0.1386,信頼上限は 0.1764mm である. 【問題 9.3】 因子 A と B の各水準組合せにおけるμi・,μ・j,μを求めると次のようになる. μ1・=50,μ2・=60,μ・1=40,μ・2=60,μ・3=65,μ=55 ε ij∈N (0, 102)より,E(Ve)= 2eσ =102=100
( ) ( )50
11
2
2
2
1
2
2 =−
−+−=
−=∑
aa
i
A
µµµµασ ・・ E(VA)= 2eσ +bn 2Aσ =100+3×2×50=400
( ) ( ) ( )175
11
2
3
2
2
2
1
2
2 =−
−+−+−=
−=∑
bb
j
B
µµµµµµβσ ・・・ E(VB)= 2eσ +an 2Bσ =100+2×2×175=800
( ) ( ) ( ) ( ) ( )( ) ( ) 30023223
2
2222
2
1221
2
3113
2
2121
2
1111
2
=+−−++−−+
+−−++−−++−−++−−=∑∑µµµµµµµµ
µµµµµµµµµµµµµµµµαβ ・・・・ ・・・・・・・・ijE(VA×B)= 2eσ +n 2 BA×σ =100+2×150=400
【問題 9.4】 ①データの構造 xijk=µ+αi+βj+(αβ)ij+εijk ②分散分析表による要因効果の検定 題意より母分散が既知で, 0.12 =eσ であるから分散分析表は次のようになる. 表 1 分散分析表
s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.)
A
B
A×B e
6.0
12.0
4.0
1
2
2
∞
6.0
6.0
2.0
1.0
6.0*
6.0**
2.0
2eσ +3
2
Aσ 2eσ +2
2
Bσ 2eσ +
2
BA×σ 2eσ 分散分析の結果,因子 A は有意水準 5%で有意,因子 B は有意水準 1%で有意であるが,交互作用 A×B は有意でない.
( )( )( ) ( )( )
1501312
300
11
2
2 =−−
=−−
=∑∑
×ba
ij
BA
αβσ
-
18
10 章 回帰と相関 【問題 10.1】略解 (1)散布図の作成 省 略(図 1 参照) (2)分散分析による要因効果の検定 表 1 分散分析表(1) s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.) 直線回帰(R) 残り(res) 1216.8 1.2 1 2 1216.80 0.60 0.038 ( )∑ −+ 222 xxn iiE βσ ( )∑ −+ 2/22 kn iiE γσ 級間(B) 級内(E) 1218.0 191.0 3 12 406.00 15.92 25.50** ( )∑ −+ 1/22 kn iiE ασ 2Eσ 計 1409.0 15 分散分析表(1)の結果,残りの変動 res は有意でなく,級間変動(B)は 1%で有意である.したがって,残りの変動(res)を級内変動(E)にプールして直線回帰の検定をする. 表 2 分散分析表(2) s.v. s.s. d.f. m.s. F0 E(m.s.) 回帰による 回帰からの 1216.8 192.2 1 14 1216.80 13.73 88.62** ( )∑ −+ 222 xxn iiE βσ 2Eσ 計 1409.0 15 分散分析表(2)の結果,直線回帰による変動は 1%で有意である.すなわち,通電時間(x)により破断強度(y)は直線的に変化するといえる. (3)回帰式の推定
( )( )
56.10.500
0.780ˆ ===xxS
xySβ
05.17=x , 750.45=y 45.1850.1756.175.45ˆˆ =×−=−= xy βα 以上より回帰式は次のようになる.
y=18.45+1.56x この回帰式を用いて散布図上に回帰直線を引く.その結果を図 1 に示す.
-
19
y = 18.45+1.56x
20.025.030.035.040.045.050.055.060.065.070.0
5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0通電時間 (x )破断強度(y )
図 1 散布図に回帰直線を引いた結果 【問題 10.2】 (a)散布図の作成 省 略(図 1 参照) (b)相関係数の計算
( )( ) ( )
699.0647.145655.107
526.87=
×==
yySxxS
xySr (c)相関の有無の検定 H0:ρ=0 H1:ρ≠0
( )172.5
699.01
28699.0
1
2
220 =
−
×=
−
−=
r
nrt
|t0|=5.172**>t (28, 0.01)=2.763 したがって,有意水準 1%で H0 は棄却される. すなわち,超音波波形高さ(x)と溶着径(y)の間に正の相関があるといえる. (d)回帰式の推定 ( )( )
8130.0655.107
526.87ˆ ===xxS
xySβ
0533.5=x , 6900.5=y 0533.58130.06900.5ˆˆ ×−=−= xy βα =1.5817 回帰式は次のようになる.
y=1.5817+0.8130x この回帰式を用いて散布図上に回帰直線を引く.その結果を図 1 に示す.
-
20
0.00.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.57.07.58.08.59.09.510.010.5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5超音波波形高さ(x )溶着径(y )
メジアン法による回帰直線最小二乗法による回帰直線Rx~Lx~Ry
~
Ly~
x~
y~
図 1 散布図に回帰直線を引いた結果 (e)メジアン法による相関の有無の検定と回帰式の推定 ①メジアン法による相関の有無の検定 x と y のメジアン x~ と y~ を求めると, x~ =5.05, y~ =5.70 となる.このメジアン線を散布図に引く. x~ 線と y~ 線でできる 4 つの象限内の点の数を数える.ただし,メジアン線上の点は除く. 第 1 象限:n1=11,第 2 象限:n2=4,第 3 象限:n3=11,第 4 象限:n4=4 n+=n1+n3=11+11=22,n-=n2+n4=4+4=8,N=n++n-=22+8=30 表 2.6 の符号検定表の N=30 のとき
n+,n-=9>n-=8.したがって,正の相関があるといえる. ②メジアン法による回帰式の推定 x~ 線と y~ 線の左半分および x~ 線と y~線の右半分についてそれぞれのメジアン線を求め,これら交点を結ぶとメジアン法による回帰直線が求められる.これを図 1 に引いた結果を図 2 に示す. こ の 図 よ り . Lx~ =3.7 , Rx~ =6.1 ,
Ly~ =4.2, Ry~ =7.0 であるから,メジアン法による回帰式は次のようになる. 図 2 メジアン法による回帰直線を引いた結果
( )LLR
LR
L xxxx
yyyy ~~~
~~~ −
−
−+= ( ) xxy 1667.11167.07.3
7.31.6
2.40.72.4 +−=−
−
−+= ③回帰式の比較 最小二乗法による回帰式: y =1.5817+0.8130x メジアン法による回帰式: y = −0.1167+1.1667x
y = 1.5817+0.8130x
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
11.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0超音波波形高さ(x )溶着径(y )