結核菌をつかまえろ！〜どこまでわかる結核検査〜

2017年8月26日 学術交流会館

今日の内容

2．新しい結核の検査、IGRA〜インターフェロンγ遊離試験〜

1．結核の検査って？

3．血液を使った検査の限界

1．結核の検査って？

まず咳とは何でしょうか？

咳＝咳嗽反応（反射）は、気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応である。

（咳嗽に関するガイドライン第2 版）

1．結核の検査って？

（咳嗽に関するガイドライン第2 版 より）

急性の咳感染症による咳

（上気道炎・下気道炎）

慢性の咳咳喘息

アトピー性の咳結核

1．結核の検査って？

1．結核の検査って？

ツベルクリン反応検査

〜結核菌から抽出したツベルクリン液を皮膚に注射して、その反応を

見る検査

48時間後

48時間後の注射部位にできた腫れの大きさ・赤みの大

きさで結果を評価する

赤みの大きさ

腫れの大きさ

1．結核の検査って？

ツベルクリン反応検査の結果の考え方

ツベルクリン反応検査の問題点

BCG接種による反応で陽性になってしまう！

陽性は結核の感染

有りと判断する？

2．新しい結核の検査、IGRA〜インターフェロンγ遊離試験〜

BCG菌や非結核性抗酸菌（一部の菌に例外あり）には無い結核菌特異的タンパクを抗原として血液中の免疫系細胞を刺激し、感染者の抗原特異的なT細胞の免疫反応（IFN-γ産生量もしくは産生細胞の数）を測定する検査

ツベルクリン反応よりも更に結核を引き起こす菌に強く反応する検査

2．新しい結核の検査、IGRA〜インターフェロンγ遊離試験〜

！！！

結核菌の群れ 攻撃！！

月日は流れ…！！！

インターフェロンγ

結核菌の群れ

2．新しい結核の検査、IGRA〜インターフェロンγ遊離試験〜

インターフェロンγ遊離試験の利点

１ より結核を引き起こす菌にしぼられた反応をみることができる

２ ツベルクリン反応のように48時間待つ必要がいない

IGRAクォンティフェロン検査（QFT検査）

Tスポット検査

3．血液を使った検査の限界

ツベルクリン反応ではBCC接種による反応かもしれない...

インターフェロンγ遊離試験ではより結核菌に限定した反応を見ることができるようになった！

ではインターフェロンγ遊離試験は完璧なのか？

3．血液を使った検査の限界

ではインターフェロンγ遊離試験は完璧なのか？

インターフェロンγを放出する細胞の機能が落ちていると、この検査が陰性になってしまうことがある（検査の偽陰性化）

どんな人達にそういうことが起こりうるのか？・免疫抑制剤を使っている患者さん

etc...

ではインターフェロンγ遊離試験は完璧なのか？

3．血液を使った検査の限界

インターフェロンγ遊離試験でも過去の感染による反応なのか、現在の感染による反応なのかはわからない

→ 過去の活動による検査値と現在の活動による検査値が同じような値を示すときもあって判別が難しい

PLoS One. 2016 Sep 7;11(9):e0162137.

まとめ

結核を疑ったときに行われる血液検査には１ ツベルクリン反応２ インターフェロンγ遊離試験 がある

ではどうすれば結核によってその咳が起きているのかと決めることができるのか？

細菌検査を使おう！

でもどちらの検査にも弱点はある...診断を決めきれない！

最後に、検査をする側から伝えたいこと

どうしてこんなに採血されなきゃいけないんだろう？毎回痛い思いをして嫌だなぁ...

皆様には申し訳ありませんが一つの検査だけではわからないことも多いのが

いまの現状です...

検査にも得意・不得意があるので色々な検査をすることで

正しい診断・治療につなげています！