森林環境譲与税の取組事例集 令和2年1月 -...

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森林環境譲与税の取組事例集 令和2年1月 注:この事例集は、令和元年度に森林環境譲与税を使って取組が行われている事例(予定を含む)を 集めたものです。実績ではありませんのでご留意ください。

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森林環境譲与税の取組事例集

令和2年1月

注:この事例集は、令和元年度に森林環境譲与税を使って取組が行われている事例(予定を含む)を集めたものです。実績ではありませんのでご留意ください。

1 森林整備の取組事例1-1 間伐や路網整備等の取組 ページ番号( 1 ) 兵庫県養父市 : 森林経営管理制度に基づく間伐の実施及び自伐型林業の普及・推進 1( 2 ) 北海道木古内町 : 木古内町私有林等整備事業 2( 3 ) 三重県松阪市 : 三者協定に基づく森林整備の推進 3( 4 ) 大阪府千早赤阪村 : 森林の適切な経営管理を目的とした路網の整備 4( 5 ) 兵庫県丹波市 : 未整備森林における森林整備の推進 5( 6 ) 和歌山県かつらぎ町 : 森林環境改善等を目的とした森林整備の取組 6( 7 ) 和歌山県広川町 : 作業道等の修繕による森林整備の促進 7( 8 ) 高知県いの町 : 地域住民との連携による里山整備の推進 8( 9 ) 福岡県添田町 : 災害等により荒廃した森林の再生 9( 10 ) 熊本県小国町 : 施業困難な人工林の広葉樹林化 10( 11 ) 長崎県雲仙市 : 未整備森林における保育間伐の実施 11( 12 ) 沖縄県読谷村 : 被圧要因の除去による公益的機能の維持増進 121-2 森林の集積・集約化( 1 ) 埼玉県秩父市 : 集約化推進員による市町と連携した取組 13( 2 ) 静岡県伊東市、熱海市、袋井市等:森林組合連合会と連携した意向調査等の実施 14( 3 ) 三重県津市 : 合併前市町村を単位とした森林の集積 15( 4 ) 徳島県上勝町 : 町内全ての森林所有者への意向調査の実施 16( 5 ) 大分県日田市 : レーザ航測データを活用した対象森林抽出と意向調査 172 人材育成の取組事例( 1 ) 山梨県都留市 : 林業の担い手不足の解消のため「森の学校」開催 18( 2 ) 愛知県岡崎市 : 森林整備人材育成講座の開催 19( 3 ) 岡山県鏡野町 : 新たな組織「鏡野町森林づくりセンター」の開設 20( 4 ) 熊本県阿蘇地域7市町村 : 「阿蘇地域林業担い手対策協議会」による林業担い手の育成 213-1 自治体間連携( 1 ) 秋田県北秋田市 : 自治体間連携等による森林整備 22( 2 ) 東京都豊島区 : 自治体間連携による森林整備の推進 23( 3 ) 東京都昭島市 : 自治体間連携等による木材利用の促進 24( 4 ) 愛知県豊明市 : 新生児への木材製品配布による木材普及啓発の取組 25( 5 ) 徳島県那賀町・北島町 : 協定締結による林業体験や相互交流の実施 263-2 木材利用・普及啓発( 1 ) 青森県大鰐町 : 町民に対する木育の推進 27( 2 ) 岩手県西和賀町 : 小中学校の授業における森林環境教育 28( 3 ) 千葉県東金市 : サンブスギを用いたテーブルとベンチの展示による木材利用に係る普及啓発 29( 4 ) 神奈川県川崎市 : 木材利用促進に関する取組~3本の柱を中心に~ 30( 5 ) 岐阜県飛騨市 : 公共施設の木質化による木材利用の促進 31( 6 ) 静岡県掛川市 : 森林経営管理推進協議会の設置と譲与税啓発講演会の開催 32( 7 ) 愛知県設楽町 : 町産材を活用した木材利用普及啓発及び林福連携 33

1.森林経営管理事業

【事業費(内譲与税額)】:14,410(14,410)千円

【実施時期】令和元年8月~令和2年3月

【事業規模】保育間伐:A=100.13ha

【事業内容】

森林組合と連携し、経営管理の委託を希望する森林所有者を特定し、

森林所有者から申出をしてもらうことで、経営管理権集積計画を作成。

対象森林の経営管理権(5年)を取得したうえで、市が保育間伐を実

施(森林組合に委託)

2.自伐型林業研修

【事業費(内譲与税額)】:2,376(2,376)千円

【実施時期】令和元年8月~令和2年3月

【事業内容】

チェーンソー取扱い研修 2回

伐倒・造材・搬出研修 2回

作業道作設研修 2回

フォローアップ研修 2回

研修参加者:29名

• 本市は総面積の84%を森林が占め、20,000㏊を超えるスギ・ヒノキを主体とした人工林を有している。しかしながら、近年の木材

価格の低迷や森林所有者の高齢化、不在森林所有者の増加等から林業生産活動が停滞し、手入れ不足の森林は年々増加している。

• そこで、本市では、手入れ不足の森林の解消と林業の担い手育成を図るため、森林環境譲与税を活用し、次の事業に取り組む。

①森林整備:10年以内の施業履歴のない非経済林の保育間伐

②人材育成:自伐型林業研修の開催

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

1.森林経営管理事業今後、集落単位で説明会や意向調査を円滑に進めていくため、試行的

な取組として、森林組合とも連携して、経営管理権集積計画の作成から保育間伐の実施まで行うこととした。

2.自伐型林業研修自伐型林業研修の研修生10名で自伐型林業グループが結成されており、

次年度から広葉樹林整備等の本格的な活動を 開始する予定。市としては、活動予定地に関する情報提供や譲与税を活用した作業道

開設補助金や機械リースに対する補助金等により自伐型林業グループの支援を行っていく予定。

経営管理権

養父市森林組合所有者

委 託

自伐型林業推進協会

委 託

事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

兵庫県 養父市(森林経営管理制度に基づく間伐の実施及び自伐型林業の普及・推進)森林整備

1.森林経営管理事業

2.自伐型林業研修

1

本町で設定した「森林整備の水準に関する目標(※)」では、事業メニューごとに目標値(間伐117ha等)を設定しており、既存の国庫補助事業では手入れの行き届かない森林の整備を進め、この水準目標を達成できる事業予算を確保し、適切な森林整備に資することを目的とする。

事業主体:森林所有者、森林組合、森林法施行令第11条第8項に規定する団体、森林経営計画の認定を受けた者

事業メニュー:除伐、保育間伐、間伐、枝打ち、鳥獣害防止施設等整備、森林作業道整備

【補助率】 68%【事業費(内譲与税額)】 4,500(4,500)千円【事業実施時期】 令和元年6月~令和2年3月

(※)水準目標とは、管内の森林資源や、森林整備の実施体制等を踏まえて作成する10ヵ年の森林整備の目安。これをもとに、既存の国庫補助事業に加えて、森林環境譲与税を活用することにより、町内の森林整備を安定的に実施。北海道が各市町村に対して作成を提案しているもの。

・冬季の林業事業者の雇用対策に資するため、申請期間を設定し

ていない。

・国庫補助事業の要件で採択とならない「団地内搬出間伐5ha

未満」の箇所を補助対象化することにより、国庫補助事業と対

象地を棲み分けて事業を行っている。

工夫・留意している点、特徴等

木古内町

森林所有者等

「森林整備の水準に関する目標」を踏まえた予算化

支援

森林組合等関係団体北海道

協議 意見聴取

• 木古内町は「道南スギ」の産地として、個人や企業所有林を中心に森林施業がなされており、伐採された木材は町内の製材工場をはじめ、

道内外へ流通している。

• 本町は入植の歴史が深く、一人あたりの森林面積が小さく、不在地主等が多いという課題があるが、戦後の造林地が伐期を迎えるなど、森

林の持つ多面的機能の維持・保全のため、継続的に森林施業を実施する必要がある。

• こうした中、本町の森林経営計画策定率は約8割と高く、森林所有者及び経営委託を受けた者の自主的な取り組みを支援することが有効と

考えている。

• このため、我が町では、「森林整備の水準に関する目標」を設定し、この目標の達成に向けて、森林環境譲与税を活用し、森林所有者が行う

除間伐・枝打ちなどの事業に要する経費へ支援する新規の森林整備事業を創設して森林整備に取り組む。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

北海道 木古内町(木古内町私有林等整備事業)森林整備

2

・ 経営管理意向調査で所有者の把握、集積を進めて

いるところであり、本事業については、緊急性が

高く、森林所有者からの申し出があった森林を中

心に森林整備を実施。

経営管理が行われていない森林であって、「市町村森林整備計画に

おいて公益的機能を重視する森林」(以下「環境林」という。)に区

分された又は区分される予定の森林を対象に間伐等の森林整備を行

う。

【事業名】松阪市森林整備事業

【事業費(全額譲与税)】22,440千円

【事業面積】93.54ha

【事業実施場所等】松阪市飯南町地内ほか

【事業内容】

・認定林業事業体、森林所有者、松阪市で事業に関する三者協定を締

結し森林整備を行う。

・11~90年生の杉・桧を対象に間伐を実施

・松阪飯南森林組合と契約済

・松阪市の森林面積は42,760haで森林率は68%、人工林は30,822haと比較的多くの人工林面積を有しており、資源の有効活用を進めて

いるところ。

・しかし、森林所有者の高齢化や経営意欲の減退等に起因する森林整備の遅れにより、森林の公益的機能の低下が懸念されている。

・このため、森林経営管理制度に基づく意向調査を進めているところであるが、森林における公益的機能を高度に発揮させるため、

早期に森林整備を行う必要があるところについては、市が森林所有者、事業体と三者協定を結び、公的に森林整備を行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

認定

事業体

三者協定

間伐イメージ

森林

所有者

※森林整備、保全に関する協定を締結

森林整備の費用を負担

10年間の伐採制限

間伐等の実施

三重県 松阪市(三者協定に基づく森林整備の推進)

工夫・留意している点、特徴等

森林整備

3

森林作業の効率化と林業の作業環境をより良く改善するため、施業場所へのアプローチに利用する林道を管理者(大阪府森林組合)が改修・修繕する際に、その補修材料費を補助する。

林業施設整備補助事業【事業費】

1,000千円(全額譲与税)

【実施時期】

令和元年8月~令和2年3月

【事業対象者】

村内の林道を改修・修繕する際の当該林道の管理者

【補助内容】

林道を改修・修繕する際の原材料を予算の範囲内で補助する。

上限額 1路線当たり200千円

・村内の森林面積は約8割で、うち9割はスギ、ヒノキの人工林が占めている。

・木材利用の低迷が続き、林業従事者の高齢化・所有者の村外転出が進み、林業環境は、悪化の一途をたどっている。

・これまで通りの森林管理は年々限界に迫っている中、このまま放置すれば村の林業はさらに衰退することが必至となっており、森

林経営計画の推進に加えて、村が主体となった森林整備の必要性が高まっている。

・健全な森林を次世代へつなぐため、今後取組を進めるに当たっては、まずは「林業環境の改善」という課題を解決する必要がある

ことから、これまで十分な管理ができていなかった路網の改修・修繕を進めることで、森林作業の効率化を図り、森林経営計画に

基づく適切な経営管理と森林経営管理制度に基づく村が主体となった森林整備を進めていくこととしている。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・改修や修繕に要する原材料費への補助とすることで、限られた予算を

多くの路線の整備につなげていくよう配慮した。

・路網の整備は、集積計画を作成した後の林業経営者に委託する森林の

増加にも寄与するものと捉え、村では、森林経営管理制度を周知する

ため広報誌やホームページに掲載する等、今後の経営管理権集積計画

作成に向けた取組を同時に進めている。

植生マット設置前 植生マット設置後

【事業イメージ】植生マット等の補修に必要な材料費を補助する

村内19路線延長20km

事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

大阪府 千早赤阪村(森林の適切な経営管理を目的とした路網の整備)森林整備

4

当市では、山林の地籍調査が実施済みの地域を対象に、森林経営管理法

に基づく意向調査を進めるとともに、以下の新規事業に取り組む。

1.森林吸収源整備事業

【事業費(内譲与税額)】:22,899(22,899)千円

【実施時期】:令和元年5月~長期間

【事業内容】

過去に森林経営計画が策定されたことない森林を対象に、間伐や竹林

整備、倒木の片付、路網整備に対する補助(定額補助)を行う。事業に

当たっては、市と森林所有者とで10年間の維持管理協定を締結する。

2.緊急里山林整備事業

【事業費(内譲与税額)】:1,982(1,982)千円

【実施時期】:令和元年4月~長期間

【事業内容】

県民緑税事業「里山防災林整備」の採択要件(5ha以上)を満たすこと

のできないような小規模な人家付近の箇所において、市が危険木伐採及

び周辺の森林整備を行う。事業に当たっては、市と森林所有者とで10年

間の維持管理協定を締結する。

• 本市は総面積の75%が森林を占めており、豊富な森林に恵まれているが、利用間伐を目的とした森林整備は年間250ha程度であり、未整備のまま

高齢級化する森林には早急な森林整備を行う必要がある。

• このため本市では、森林環境譲与税を活用し、森林経営管理法に基づき、経営管理権の設定等の取組を進めているほか、既存事業では対象となら

ない森林の整備を目的とした2つの新規事業に取り組む。

①未整備林整備:奥地や急峻地等、森林経営計画が一度も策定されたことのない手入れの遅れた森林を対象に、間伐や路網整備等を推進する。

②里山整備:既存事業の対象とならない箇所において、人家にかかる恐れのある危険木の伐採をはじめ周辺の森林整備を行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・森林GISを活用し、森林経営計画策定地をデータ(レイヤ)で管理する

ことで、対象事業地の確認を行っている。

・地域住民の意見に耳を傾け、地元との連絡調整を密にし、住民目線での

事業を展開するように心がけている。

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

施業実施後 施業実施後施業実施前 施業実施前

○森林吸収源整備事業 ○緊急里山林整備事業

補助or市が事業実施

森林所有者

維持管理協定

兵庫県 丹波市(未整備森林における森林整備の推進)森林整備

5

・地域の林業において大きな役割を果たしている町内森林組合が実施

する木材搬出が困難な森林での切り捨て間伐(環境林特化)や災害

等で不通となった作業道の復旧等について支援する。

1 環境林基盤整備事業

【事業費(内譲与税額)】8,628(8,628)千円

【事業期間】平成31年4月~令和2年3月

【事業内容】

喫緊の課題である森林災害の防止等を図るため、木材搬出が困

難な森林での間伐や災害等で不通となった作業道の復旧を支援す

る。

【事業メニュー】

補助対象者:森林組合

補助率:定額(間伐 130千円/ha等)

・かつらぎ町は、町面積の50%を人工林が占めている森林地域であるが、所有者の高齢化や経営意欲の減退、急斜面等が原因で手入れ

不足の森林が増えている。

・このため、和歌山県が定めている森林ゾーニングに則り、その中の環境林を対象として施業を進め、森林災害の防止と森林環境の改

善の観点から、間伐施業を推進して森林の有する多面的機能の維持増進をめざすこととした。

・また、台風等の自然災害により、作業道に支障が生じることが原因で、間伐施業が中断してしまう事案が発生しており、作業道の復

旧への支援を行う事で円滑な事業継続を促すこととした。

わがまちの税活用方針

・路網整備が困難で、これまで森林整備が行き届かなかった地域で実施。

・作業の効率化を図るため、施業を1地域に集中させて実施。

主な取組・概要

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

今年度は花園地域で実施

事業体町

申請

補助

間伐等

(現場での施業実施状況)

条件不利森林

和歌山県 かつらぎ町(森林環境改善等を目的とした森林整備の取組)森林整備

6

・森林環境譲与税の使途目的である森林整備の促進を図るため、手入

れの遅れた条件不利地での間伐及び昨今の気象害により通行に支障

のある作業道等(アクセス道)の修繕に対し補助。

【補助事業名】

広川町森林機能等回復整備事業

【事業費】

3,006千円(全額譲与税)※R1予算ベース

【事業内容】

・間伐(切り捨て)

・作業道等の修繕(路面整理、法面保護、路側施設)

※作業道等の修繕は間伐計画地までのアクセス道に対し補助するもので、

当作業道を利用し、当年度または翌年度に間伐を行うものに限定。

【補助率】

・各事業メニューについて定額を補助

• 和歌山県のほぼ中部にある広川町では、林業が盛んであったが、近年森林所有者の施業意欲の低下、後継者の減少・高齢化等により

不在町者の森林が増えつつある。

• 森林環境譲与税の活用方針については、不在町の森林所有者に対する森林経営への意向調査等森林経営管理制度に基づく森林整備に

関する事業を行うほか、町全体の森林の約7割をカバ-する森林経営計画区域内についても広く森林整備活動を促進。

• 国土保全や水源涵養など森林資源の持つ多面的かつ公益的な機能の促進をはかるとともに、木材生産の場として林産業の振興と労働

者の確保を図っていく。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・作業道等の修繕を行う場合は当年度または翌年度に間伐を行う

ことを条件とし、森林整備が着実に進むよう留意した。

工夫・留意している点、特徴等

和歌山県 広川町(作業道等の修繕による森林整備の促進)森林整備

町 間伐作業道修繕

補助

事業主体申請

事業スキーム

実施前 実施後

7

事業名:いの町里山再生支援事業

【事業費(内譲与税額)】

8,500(8,500)千円

【実施時期】:令和元年7月~令和2年3月

【補助事業者】:森林組合等の林業経営体

【事業内容】

①竹林整備(2.4ha)

放置竹林の皆伐、植栽、下刈り・除伐

※ 下刈り及び除伐の対象林齢は、原則5年生までそれぞれ

年1回とする。

②里山林整備(0.5ha)

枯死木等の抜き伐り

※ 伐採等により、森林として成林する見込みがなくなった

箇所については、植栽を行うことができる。

③歩道整備(400m)

①、②に付随する歩道の作設又は修復。

• 本町は高知県のほぼ中央部に位置し、平成16年10月に1町2村が合併し誕生した。区域面積47,097ヘクタールは県内34市町村中4番

目。90%を森林が占め、1,800メートルを越える高標高地から平野部の里山地域まで多様な森林が分布している。

• 里山地域においては森林所有者の森林整備に対する関心の低下が著しく、適正な管理がなされず放置された竹林の拡大や、その拡大

に伴って里山林の多くが荒廃している状況にある。

• このため本町では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、町独自に里山整備を支援する新規事業を創設。町が放置された竹林

等の整備について、森林所有者や地域に働きかけを行い、地域の合意形成を図りつつ、里山整備の実施に向けた補助事業者と森林所

有者・地域とのマッチングを図っていく。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・里山地域は地積調査未了地が多く存在し、森林の所有者や境界

の確認に多くの労力を要する。そのため地域住民との連携によ

る森林情報の収集に取り組んでいる。

・竹林整備では植栽後、原則5年間下刈り等を行い、放置竹林か

らの林種転換(再生)を図る。

工夫・留意している点、特徴等

補助事業者

森林所有者(地域住民)

いの町

補助事業者(林業経営体)

・森林所有者等への啓発と合意形成・森林所有者等と補助事業者とのマッチング

施業の受委託

高知県 いの町(地域住民との連携による里山整備の推進)

【広葉樹の植栽の状況】

森林整備

8

・2回以上の個人負担実績の確認等、要件を厳格化することで、

単純な個人資産の形成につながらないよう配慮した。

・森林所有者より相談を受け、現地調査及び施業履歴等の調査を

し、事業要件に該当すると認められた森林で、周辺の森林整備

への影響が大きい森林から事業を実施する。

・過去に造林補助事業等を活用したが、個人の責によらない事由によ

り再造林が必要となった箇所での事業を実施する。

1 添田町森林環境整備事業

【事業費(内譲与税額)】13,320(13,320)千円

【実施時期】令和元年12月~令和2年3月

【事業内容の一部】

(針葉樹植栽)

・2回以上の個人負担による植栽実績があり、災害、獣害等により

今後も育成が困難とされる場合に限り施業を行う。

・本町の森林面積は約11千haで総面積の8割以上を占めており、スギを主体とした人工林の面積は、民有林の約8割で、県平均を大き

く上回っている。

・現在、人工林で12齢級以上の林分が約4割を占めており、今後、間伐とともに主伐を推進し、森林の世代サイクルを回復させる必要

がある。

・しかし、小規模零細な所有者が多く、手入れが行き届かない森林の増加や自然災害や獣害等により荒廃した森林が増えている状況に

ある。

・そのため、温室効果ガス削減の目標の達成や災害防止を図る目的で、災害等個人の責に帰し得ない事由で荒廃した森林の再生を支援

する。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

所有者

申請

協定締結

植栽

(被災状況のイメージ)

災害・獣害による荒廃森林

福岡県 添田町(災害等により荒廃した森林の再生)森林整備

9

熊本県 小国町(施業困難な人工林の広葉樹林化)

• 地理的条件により施業困難な針葉樹林において、近年の自然災害等に

よる流木の二次被害をさけるため、広葉樹等への樹種転換等を実施し、

林地保全を促進させる。

• 併せて、ライフライン等への被害防止を目的に、森林環境譲与税を活

用した伐採作業を行う。

◇危険区域主伐促進支援事業

【事業費(内譲与税額)】:3,000(3,000)千円

【実施時期】:平成31年4月~令和2年3月

【事業内容】

傾斜が急な森林や路網の整備が困難な森林などの、地理的条件が悪く、

継続した施業が難しいスギ人工林において、風倒木や流木被害を避ける

観点から、管理コストが低い広葉樹林等への転換を図るため、地理的条

件により増加した施業経費と林地残材の処理作業への支援を行う。

• 本町は町内の78%を森林が占めており、とりわけ小国スギの産地として、多くの人工林の保育・管理がなされてきたところ。

• 近年、世代交代に伴う不在村所有者の増加等に伴い、森林所有者の森林経営に対する関心が低下しており、手入れが遅れた森林の整

備を進めることが困難となってきており、森林の有する公益的機能の発揮を図ることが難しくなってきている。

• このため本町では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、次の新規事業に取り組む。

① 森林整備:地理的条件により施業困難な針葉樹林において、広葉樹等への樹種転換等を実施する。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・地理的条件による施業が困難な林地については、国庫補助事業を活用

した施業を行っても、継続した施業がなされる可能性が極めて低く、

そのような場所で災害等が起こり得る可能性が高い。

・このため、森林環境譲与税を活用して、自然災害の二次被害を未然に

防ぐためにも、事業化を行った。

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

施業の委託

森林所有者

森林組合危険区域の伐採、植栽、林地残材の処置

申請補助金交付

森林整備

10

1.未整備森林整備業務委託

•森林経営管理法に基づく意向調査の対象地区とは別に、地区の要望により

間伐されていない人工林を市が間伐するもの。

•今年度は試行的に、個人の所有森林ではなく、地域との関わりがある森林

(学校林等)を対象に要望を募っている。

【事業費(内譲与税額)】:1,385(1,385)千円

【実施時期】:平成31年4月~令和2年3月

【事業内容】

•未整備森林の多面的機能回復のため、保育間伐(切捨て間伐)を実施する。

2.臨時職員の雇用

【事業費(内譲与税額)】:1,260(1,260)千円

【実施時期】:平成31年4月~令和2年3月

【事業内容】

•市へ経営管理を希望する未整備森林の保育間伐の設計・発注業務等を行う

ための臨時職員(一人)を雇用。

• 本市は市内の49%を森林が占めており、これまで地元の森林組合が中心となって森林施業の集約化を行い、森林整備を進めてきたが、

条件が悪い森林についてはあまり手入れが行われてこなかった。

• 近年、森林所有者の不在村化が進み、所有者がわからない森林も増えてきている。この状態を放置すれば、今後ますます手入れが遅

れた森林の整備を進めることが困難となるため、森林の公益的機能の発揮に支障をきたすことが想定される。

• このため本市では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、次の新規事業に取り組むこととする。

① 未整備森林の整備:緊急的に間伐が必要な森林の間伐を試行的に実施。

② 臨時職員の雇用:未整備森林の保育間伐の設計等を行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・本事業については、個人の所有森林ではなく、地域との関わりが

ある森林を対象とすることで、森林経営管理制度の取組(森林組

合への委託事業により取組中)と棲み分けて事業を実施。

・本年度の事業ノウハウをもとに、来年度は更に事業対象地を拡大

することを計画している。

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

市学校、自治会等

要望を徴取

森林組合

整備の要望、協定締結間伐作業の委託

長崎県 雲仙市(未整備森林における保育間伐の実施)森林整備

11

・村単独費で分布状況を調査した後、森林に脅威をもたらしているツルヒ

ヨドリについて譲与税を用いて駆除を行う。他の箇所に繁茂しているツ

ルヒヨドリは村単独費で駆除する。

事業実施後、ツルヒヨドリの完全に駆除されたか確認するためモニタリ

ングを行う。

ツルヒヨドリ駆除委託事業(仮称)

【事業費(内譲与税額)】

4,532(1,642)千円

【実施時期】

令和元年12月~

【事業内容】

①ツルヒヨドリ分布状況調査(村単独費)

②ツルヒヨドリ駆除事業(譲与税充当)

③モニタリング調査(村単独費)

• 読谷村内にある森林の公益的機能を維持・増進させる目的で、既存の森林生態系を脅かす特定外来植物である「ツルヒヨドリ」の

駆除を実施する。

• ツルヒヨドリは、南北アメリカの熱帯地域を原産地としており、他の植物や樹木に覆い広がるため、それらの植物を枯らしてしま

う。また1日に10㎝程度も伸びる成長の早さを持ち、刈り取られた茎が地面につくと、そこから根を出して生育するほどの生命力

を持つ。

• 上記の事に加え、国庫補助事業等の対象にもならないことから、読谷村では森林環境譲与税を活用し、ツルヒヨドリの駆除を行い、

森林の整備・保全に取り組む。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・森林区域外も含め、広範囲を調査・駆除し、森林区域に再侵入するこ

とも防ぐ。

・譲与税は、森林保全に直接影響を及ぼす場合のみに充当する。

工夫・留意している点、特徴等

分布状況調査(村単独費)

森林に脅威をもたらしている場合は駆除(譲与税)

モニタリング調査(村単独費)

駆除事業(譲与税)

※ ツルヒヨドリにより著しい森林の衰退が生じた場合は、森林整備を検討

森林整備(譲与税)

発生

【森林に繁茂するツルヒヨドリ】

衰退

沖縄県 読谷村(被圧要因の除去による公益的機能の維持増進)森林整備

12

・本市の税活用方針に則し、事業化するもの

1.秩父地域森林林業活性化協議会への拠出

【事業費(内譲与税額)】 :4,569(4,569)千円

※1市4町で合計8,000(8,000)千円を拠出

【実施時期】:令和元年4月~令和2年3月

【事業内容】

集約化推進員2名を雇用し、1市4町職員と連携して、集約化業務を実施(森

林所有者意向調査、集約化候補団地選定、境界確認、データ整理)

2.市町村経営管理事業

【事業費(内譲与税額)】:11,500(11,500)千円

【事業規模】:25ha

【実施時期】:令和元年4月~令和2年3月

【事業内容】

1.で作成した経営管理権集積計画のうち、経営に適さない団地において、

①測量・資源調査業務委託、②森林整備(切捨て間伐)業務委託を実施

3.民間事業者への再委託

【事業内容】

1.で作成した経営管理権集積計画のうち、経営に適する団地において、民

間事業者の再委託先を選定し、経営管理実施権配分計画の作成・公告を実施

• 秩父地域1市4町は、荒川上流域に位置し、県内森林面積の6割を占め、水源のかん養や土砂災害の防止、二酸化炭素の削減など多

面的機能を有しているばかりでなく、流域全体に亘って豊かな水の恩恵と、心に響く景観形成に貢献しているものと認識している。

• このため、森林環境譲与税並びに森林経営管理制度を活用し、4つの新規事業に取り組む。

①森林整備:森林経営管理制度を活用し、1市4町で連携して、私有林の森林整備を進める。

②人材育成:コンパクト(自伐型)林業の推進により、市有林の森林整備を進める。

③木材利用:秩父産木材・木製品の相談・販売窓口を一元化し、木材利用を進める。

④自治体間連携:都市部自治体とカーボンオフセットによる森林整備・木材利用を進める。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・森林施業プランナー有資格者2名を雇用し、市町村職員と連携して実施することにより、市町村職員の林業に関する知識や技術、住民の信頼感を向上させることができた。

工夫・留意している点、特徴等

秩父市長及び推進員による集約化推進室開所式(H31.4.1)

埼玉県 秩父市(集約化推進員による市町と連携した取組)森林整備(意向調査等)

13

・静岡県森林組合連合会では、単位森林組合が無く林業が盛んでない

市町を中心に、昨年度から森林経営管理制度の周知や制度の活用方

法の助言・提案等を実施している。

・静岡県内で森林経営管理制度に取り組む予定の19市町のうち、11市

町の経営管理意向調査等に取り組んでいる(令和元年11月末時点)。

• 静岡県内の市町では、これまでも、地域の森林組合が中心となって、森林施業の集約化を進め、森林経営計画に基づく森林整備を進

めてきたところであるが、近年、世代交代に伴う森林所有者の不在村化や共有者不明森林が増加するなど、集約化による森林整備が

十分進められない状況が生じている。

• 特に、林業が盛んでない市町では、森林組合が無く、森林施業の集約化を担う者が少ないため、県内全域を活動区域とする森林組合

連合会のサポートにより森林の集積・集約化を進めていくことが効果的な取組。このため、県内の複数の市町において、森林組合連

合会と連携した意向調査等の実施に取り組むこととしている。

わがまちの税活用方針

・地元説明会では県森連が大型の航空写真と公図、森林計画図

を用意。スムーズな意見交換につなげた

・行政と県森連が連携して個別相談を実施。森林所有者の制度

に対する不安解消に努めた。

主な取組・概要

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

(個別相談会の様子) (地元説明会の様子)

現地調査

全体構想を

検討 森

林整備

集積計画

意向調査

事前調査

• 市町は県森連等から助言・提案等を受けながら全体構想を

検討

• 県森連が経営管理意向調査等の委託を受け実施

• 市町が林業経営体に再委託等(選定・入札等)

全体計画

市町 県森連が受託

静岡県 伊東市、熱海市、袋井市等(森林組合連合会と連携した意向調査等の実施)森林整備(意向調査等)

14

・合併前市町村を単位に順次意向調査を実施する(本年度は1地区、

約3,000ha、2,500人)。

・意向調査により、市への委託を希望する山林を把握し、森林の現況

把握および境界の明確化を行い、経営管理権集積計画の策定と間伐

等の実施につなげる。

1 森林経営管理事業(業務委託)

【事業費(内譲与税額)】:50,873(50,873)千円

【実施時期】:令和元年4月~令和2年3月

【事業内容】

①意向調査の実施 3,300ha

②森林の現況把握 150ha

③境界明確化 110ha

④森林整備(未整備森林)40ha

・市内全域の森林において森林経営管理制度に沿った経営管理を進めるため、森林環境譲与税を活用して意向調査や森林整備などに取

り組んでいく。

①各地域で森林経営管理制度についての説明会を開催する。

②合併前市町村を基本として意向調査を実施し、数年のうちに市内全域の意向調査を完了する。

③意向調査が終了した地域では、順次経営管理権集積計画を策定し森林整備を進めていく。

※事業実施にあたっては、国、県及び「みえ森林経営管理支援センター」によるサポートを受けながら、森林組合など、地元の森林・

林業関係者と協力して進める。

わがまちの税活用方針

・林業関係の職務経験者や県の林業専門職員OBを雇用した。

・森林所有者に制度を理解していただくため、市広報やHPでPR

するほか、市内各地域において、森林経営管理制度について

の説明会を開催した(8回開催)。

・説明会開催時にアンケート調査で所有者の意識を調査し、意

向調査の検討に活用した。

・意向調査実施地域において、受託者である森林組合が説明会

及び相談会を開催し、所有者による回答をサポートした。

主な取組・概要

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

○市内全域で説明会

○市広報等でPR

○意向調査

(森林組合に業務委託)

○経営管理権集積計画

○間伐等の実施

(市広報誌)

(説明会の様子)

(令和元年度) (令和2年度)

三重県 津市(合併前市町村を単位とした森林の集積)森林整備(意向調査等)

15

徳島県 上勝町(町内全ての森林所有者への意向調査の実施)

・本町の税活用方針に則し、うち上記①について事業化するもの。

・森林の現況を把握し、所有者を探索し、森林経営管理法に基づく意

向調査を行う。

1.森林経営管理意向調査等委託業務

【事業費(内譲与税額)】 :

4,300(4,300)千円

【実施時期】:令和元年5月~令和2年3月

【事業内容】:

① 森林所有者データの整理、探索

② 意向の確認、まとめ集計

③ 経営管理権集積計画に必要なデータ整理

・来年度、担当業務を行う町職員が出向し所有者情報の管理等を行う

「かみかつ森林再生受託センター(仮称)」を設立。一社)かみか

つ森林環境公社と併設・連携することにより、森林所有者の相談窓

口をワンストップで行う体制を整える予定。

• 本町土地総面積の80%を超えるスギ人工林は、木材価格の低迷と、高齢化、人口減少等により、伐期齢を過ぎても手がつけられな

いでいる。急峻な地形も相まって、町内で素材を生産する事業体は森林組合のみとなっており、林業従事者の育成は緊急の課題で

ある。

• このため我が町では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、次の2つの新規事業に取り組む。

①森林整備:町内全域を対象に森林所有者を探索し、意向を確認し町による森林整備の体制を整える。

②担い手対策:町が出資し一般社団法人 かみかつ森林環境公社を設立。担い手の確保、育成に取り組むとともに、経営が成り立た

ない森林の整備を担う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・町内全ての森林所有者に対し、一斉に意向調査を行った。これ

は森林所有者の山離れが進み、登記名義が古く、相続人が複雑

になる状況を踏まえ、一刻も早く森林所有者である事や新制度

を知っていただくため、約1,500通を送付し、宛先不明で帰っ

てきた150通について戸別に調査し、相続人等を特定し、意向

調査の協力をお願いしている。

・一般社団法人(代表森林組合職員OB)が業務を担うことで、相

続人や山林状況説明がスムーズに行えた。

工夫・留意している点、特徴等

連携

森林整備(意向調査等)

事業スキーム

16

大分県 日田市(レーザ航測データを活用した対象森林抽出と意向調査)

1.森林経営管理推進事業

【事業費(内譲与税額)】:34,043(34,043)千円

【事業内容】

①森林資源解析業務

航空レーザ計測データを活用した森林資源解析

②未整備森林調査業務

適切な管理が行われていない森林の現地調査

③意向調査実施事業

④日田市森林整備推進連絡協議会の開催

⑤新たな制度運用に必要なシステム整備

2.林道巡視維持改善事業

【事業費(内譲与税額】:3,028(3,028)千円

【事業内容】

未整備森林の整備に必要な林道を巡視し状況把握を行い、林道の

維持改善を計画的に実施する。

• 本市では、所有面積が5ha未満である小規模所有者が全体の約9割を占めており、また、不在村所有者の森林面積は全体の約4割を占

めています。そのような中、全域で地籍調査が終了するとともに、森林組合等による施業集約化の取組により、民有林の総面積の約

8割について森林経営計画が策定されている状況です。今後は、森林経営管理制度により、さらなる森林の適正な管理と、施業の集

約化を図ることが求められています。

• 大分県においては、市町村及び県が施策を立案する際の参考とするため、大分県森林環境譲与税ガイドラインを策定し、譲与税の使

途については森林整備や人材育成・担い手確保への優先度が高くなっています。森林面積が市域の約83%を占める本市においては、

森林の整備に関する取組が最優先事項と考え、森林整備やその森林整備を担う人材育成、担い手確保などの川上の対策を優先的に取

り組んでいきます。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・既存の航空レーザ計測データを活用し、森林資源等の把握を行い

ながら意向調査等を実施していく。

・森林経営管理法に基づく森林整備や森林環境譲与税の活用に

ついて関係者から助言を頂く日田市森林整備推進連絡協議会

を設置し、委員の意見・助言も踏まえながら取組を進めてい

る。

工夫・留意している点、特徴等

未整備森林

・航空レーザ計測による高精度な森林資源情報

・施業履歴 等

未整備森林調査

意向調査

1.森林経営管理推進事業

2.林道維持改善事業

派遣先日田市

日田市シルバー人材センター

派遣労働

委託

抽出

森林整備(意向調査等)

17

山梨県 都留市(林業の担い手不足の解消のため「森の学校」開催)

Ⅱ林業の担い手不足の解消

1 森の学校事業業務委託

【事業費(内譲与税額)】2,215(2,215)千円

【実施時期】令和元年7月~令和2年3月

【実施主体】地域の森林組合へ委託

【事業の内容】

・事業の目的

市民の森林に対する意識向上を図り、将来の林業の担い手の育成・確保や森林整備・木材

利用の促進による森林の活性化を目的とするとともに、受講生が地域林業の担い手として

森林整備に関わり、地域に定着していくことにも繋げる

・実施内容

通年の座学及び現場での実技等により、林業に必要な知識・技術の指導を行う (森づ

くり全般、チェーンソー取り扱い、刃物研ぎ目立て、下刈、境界調査、測量、選木間

伐、枝打ち、つる切り、地拵え、歩道整備、植栽等)

・開催回数

全12講座

・対象者

18歳から70歳までの男女で都留市内に住所を有する者又は将来的に都留市に移住を希

望する者

・定員概ね20名

主な取組・概要

森の学校事業の実施を委託

実施機関(南都留森林組合)

①森林の現状と重要性を幅広く周知

②将来の林業担い手の育成

受講者(一般市民、市内への移住希望者等)

事業スキーム

・初年度であることから、まずは山林に関心を持つことが

できるような内容を中心に開催

・チラシ、ポスター、広報、webサイト等を活用し、市内外

に周知

・日曜開催や同じ内容の講座を2回ずつ開催する等受講者が

参加しやすいよう開催

工夫・留意している点、特徴等

• 本市は森林面積は約13,600haであり、本市の総面積の約84%を占めている。

• 人工林のうち、伐採適期を迎える40年以上となる箇所の面積が約80%で、資源がアンバランスとなっていることから、適正な森林の

管理が喫緊の課題となっている。

• 森林管理経営制度と森林環境譲与税の導入に伴い、森林組合など林業関係者と議論を重ねた結果、林業の担い手不足と、林業が産業

として成熟していないことが浮き彫りとなった。このことから「森林経営管理制度の適切な運用のための林業の担い手の確保」と、

本市の資源である森林・里山を活用した「木材利用、森林環境教育及び観光の分野で安定的な収入を確保できる体制の確立」を柱と

して、森林環境譲与税を活用していくこととした。

• 森林環境譲与税の活用の方向性として以下の3つの施策を行っていくこととしている。

Ⅰ都市部向け環境教育の充実 Ⅱ林業担い手不足の解消 Ⅲつる観光とのマッチング

人材育成・担い手対策

わがまちの税活用方針

18

愛知県 岡崎市(森林整備人材育成講座の開催)

・森林所有者や森林整備活動に関心のある方を対象に、森林整備に

関する基礎的知識やチェーンソーの取扱い、安全な伐倒技術等を

学ぶ講座を開催する。

森林整備人材育成講座(委託事業)

予算額(うち譲与税) 827(827)千円

⑴ 人工林整備間伐養成講座(基礎)

【講座日数】 5日間

【主な事業内容】

①座学(森林整備に関する基礎的知識等)

②チェーンソーの取扱い、メンテナンス

③林分調査と選木

④立木の伐採、玉切り、枝払い

⑵山主自伐支援講座(実践)

【講座日数】 3日間

【主な事業内容】 (※上記⑴講座修了者を対象)

① かかり木等の安全な処理技術

② 玉切りした材のウィンチ等を使用した搬出

③ くさび等を使用した小中径木の伐倒

・本市は、矢作川に注ぎ込む乙川の水源から下流域までを市域としており、水源地である額田地域では、市民の水資源の確保に大きな

役割を担っており、主にヒノキの産地として、篤林家を中心に植林・保育・管理がなされてきたが、近年、林業の低迷や、少子高齢

化等に伴う林業の担い手不足が問題となっている。

・このため本市では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、次の事業に取り組む。

・森林整備人材育成講座

森林所有者や、自伐林家、ボランティア活動等を行っている人工林の整備に関心のある方を対象に、森林整備に関する基礎的知識や

チェーンソーの取扱い、安全な伐倒技術等を学ぶ講座を開催する。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・安全を第一に考えて、講座を進めている。

・講座では岡崎森林組合の他、地域の森林ボランティアが補助講

師として協力し、複数人の視点で指導している。

・講座修了後、森林整備活動を行うボランティア団体を案内し、

地域での森林整備の活動を推奨している。

工夫・留意している点、特徴等

市岡崎森林組合

ボランティア団体

委託協力

受講者

人材育成・担い手対策

19

岡山県 鏡野町(新たな組織「鏡野町森林づくりセンター」の開設)

・本町の税活用方針に即し、事業化するもの

1 鏡野町森林づくりセンターの開設、運営

【事業費(内譲与税額)】:1,770(1,770)千円

センターに4名の職員を配置し、森林経営管理業務等をサポート

(1)森林経営管理制度推進事業

【事業費(内譲与税額)】:4,925(1,725)千円

【事業内容】:森林所有者への意向調査等の実施

(2) 木材需要拡大推進事業

【事業費(内譲与税額)】:2,000(2,000)千円

【事業内容】:幼児用玩具や学習机の開発・制作

(3) 貯木場整備事業

【事業費(内譲与税額】:4,000(4,000)千円

【事業内容】:町内産材の利用促進を図るための貯木場の整備

• 鏡野町は、町の面積の約87%を占める36千haの森林を有しており、その72%、26千haが人工林であり、戦後から高度経済成長期にか

けて植えられたスギ、ヒノキが多く、木材として利用が可能な時期を迎えている。その一方で、木材価格の低迷による木材生産の減

少、森林所有者の世代交代等による経営意欲の低下や所有者不明森林の増加や担い手不足といった多くの課題に直面している。

• このため、地域の森林整備を推進するために森林環境譲与税を活用して、鏡野町森林づくりセンターを開設、運営し、(1)森林経営

管理制度推進事業、(2)木材需要拡大推進事業、(3)貯木場整備事業に取り組む

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・センターは森林経営管理法を推進するための組織で、町によ

る設置は中国地方初。

・県に設置された人材バンクを活用し、県林業職ОBを地域林

政アドバイザーとして雇用。

・センターが事務局となっている鏡野町森づくり協議会におい

て、人材の育成、確保に係る施策の検討も行っている。

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

森林所有者

意向調査

職員の配置

鏡野町森林づくりセンター

職員の配置

人材育成・担い手対策

森林組合

20

熊本県 阿蘇地域7市町村(阿蘇市・南小国町・小国町・産山村・高森町・西原村・南阿蘇村)「阿蘇地域林業担い手対策協議会」による林業担い手の育成

阿蘇地域林業における新たな担い手の確保・育成、就労環境の

改善及び技術の向上を図るため、次の取組みを行う。

(1)情報発信・PR

facebook、HP、新聞等による情報発信

パンフレット配布による情報発信

高校生就業ガイダンスの実施

伐木チャンピオンシップの開催による林業の魅力発信

市街地での写真パネル展の開催

(2)就業定着に向けた支援

就業希望者に対する体験研修を実施

(3)就業環境改善に向けた支援

チェンソー安全技術練習会の開催

(4)林業担い手間の情報交換・研修等

座談会開催による意見交換・認識共有

事業費 6,983千円

(うち譲与税6,000千円)

事業期間 令和元年4月~令和2年3月

• 平成24年九州北部豪雨、平成28年熊本地震等、阿蘇地域は災害が相次いで発生しており、森林を適正に管理して防災機能を向上させ

ることが住民らからも強く求められている。

• しかし、阿蘇地域の林業担い手は高齢化が進んでおり近い将来に半減する見通しであることから、担い手を確保・育成して森林整備

の体制を維持することが課題となっている。

• 労働力の獲得を巡っては業種間の競争も激しくなっており、林業の魅力を高め、アピールしていくことが必要である。

• そこで、阿蘇地域の7市町村と関係事業体(森林組合、民間事業者)が協力して「阿蘇地域林業担い手対策協議会」を設立し、森林環境譲与税を主な財源として担い手の確保に向けた取組みを行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

[実施体制]

会長 阿蘇市農政課長

副会長 阿蘇森林組合長

会員 阿蘇地域市町村(7)

阿蘇地域内認定事業体(11)

事務局 熊本県阿蘇地域振興局林務課

(専従職員1名雇用)

[市町村ごとの譲与税支出金額算定]

7市町村の支出額合計を6,000千円とし、譲与税額に応じて按分

事業スキーム

・防護服の着用や、高性能林業機械の活用など、従来とは違う林業の

イメージ(かっこよさ、機能性等)の定着を念頭に情報発信、イベン

ト開催等を実施している。

・林業の労働環境が安全であることをアピールできるよう、会員の安

全意識向上を第一とした企画立案をしている。

工夫・留意している点、特徴等

人材育成・担い手対策

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秋田県 北秋田市(自治体間連携等による森林整備)

【事 業 名】:都市と山村の友好の森事業

【事 業 費】:2,366千円(全額譲与税)

【実施時期】:令和元年7月~令和元年9月

【事業内容】

①植林地整備 (外周測量、地拵え、位置杭設置)

②作業道開設 L=300m

③植林指導・補助(大館北秋田森林組合)

④植林活動 0.2ha

スギのコンテナ苗600本(3,000本/ha)

実施場所 北秋田市市有林内

参 加 者 北秋田市内の小学生

東京都国立市の小学校生及び保護者等

秋田県リフレッシュ学園短期留学生

⑤看板製作・設置

「都市と山村の友好の森」事業PR用の大型木製看板を製作し植林地

に設置。

※来年度以降は植林活動と前年度植林箇所の下刈り作業を実施予定。

• 本市は秋田県北部中央に位置し、総面積115,276haのうち83%を森林が占める古くから山(山林)の恩恵を受けてきた地域である。

また、40,016haの民有林のうちスギの人工林が59%を占め、伐採、利活用、再造林という資源循環を開始するに適した森林資源状況

にある。

• 森林環境譲与税を活用した取り組みの一つとして、本市と友好交流都市である東京都国立市との間で、都市と山村が連携した森林整

備事業を実施する。

○森林・林業の役割や木材利用に対する理解と関心を高めることを目的に、国立市を主とする都市の子どもと、地元北秋田市の子ど

もが共同で森林整備活動(植林)を行う。

○「都市と山村の友好の森」事業PR用の大型木製看板を製作し事業のPRを図る。

自治体間連携

・植林地の選定にあたっては、小学校低学年が植林を行うた

め、傾斜が緩やかで、かつ事業をPRできる箇所として、秋

田自動車道と隣接した市有林を選定した。

・秋田自動車道から見える箇所に地元産材を活用した大型看

板を設置し、事業のPRを行っている。

東京都国立市

秋田県北秋田市

児童等の参加経費を負担(税活用)

植林活動に必要な経費を負担(税活用)

主な取組・概要 事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

わがまちの税活用方針

22

・本区の税活用方針に則し、事業化するもの

1.森林整備に関する事業

【事業費(内譲与税額)】4,204(2,000)千円

【実施時期】令和元年7月~

【事業内容】豊島区と姉妹都市である秩父市が森林整備に関する協定

を締結、秩父市の森林の保全及び地球温暖化対策を推進するため

1.89haの森林を豊島区が「としまの森」として整備する。

2.環境交流事業

【事業費】1,000 千円

【実施時期】令和元年10月

【事業内容】秩父市の「としまの森」において、秩父市の協力のもと

都市部では経験できない林業体験をはじめとしたダイナミックな

自然体験の機会を区民に提供することによる環境教育ならびに自

治体間連携を図る。

• 我が区では、当年度予算における新規・拡充事業の中の木材利用や森林の普及啓発事業に譲与税を充当するものとしている。また、

当年度予算の対象事業で充当しきれなかった金額については、将来的な公共施設での木材利用を想定し基金へ積み立てることとして

いる。

• 都市部に位置し、また高密都市である我が区においては、区内での森林整備が困難であることから、埼玉県秩父市と森林整備協定を

締結し、次の2つの新規事業に取り組む。

①森林整備:秩父市有林を「としまの森」として整備し、温室効果ガスの排出削減・吸収価値を創出するカーボン・オフセット事業

を推進する。

②観光交流:「としまの森」を活用し、自然体験を伴う環境交流ツアーを実施する。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・森林整備を実施することにより、豊島区はCO2排出量の削減と

区民の環境教育の場ができ、秩父市は、市有林の再生と林業の

再興ができ、相互間の環境面におけるメリットが生まれる。

・当面5年間で約1.89haの森林を整備する協定を締結。

工夫・留意している点、特徴等

事業スキーム

東京都 豊島区(自治体間連携による森林整備の推進)自治体間連携

23

・本市の税活用方針に則し、事業化するもの

○岩泉町産材書架等作成委託

【事業費(内譲与税額)】

12,744(4,310)千円

【実施時期】

平成31年3月~令和2年2月

【事業内容】

教育福祉総合センター内図書館に

岩泉町産の間伐材を用いて家具を作

成し、設置する。

(書架、ベンチ、テーブル等)

• 東京都の多摩地域に位置する我が市は、北上山地の東側に位置する岩手県岩泉町と友好都市の協定を締結しており、岩泉町内の森林整

備の促進とその森林の多面的機能の発揮に寄与するため、岩泉町産の間伐材等、森林整備の結果産出される木材を利用し、広く市民に

その利用について普及啓発することを森林環境譲与税の活用方針の一つとしている。

• このため我が市では、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、次の新規事業に取り組む。

• 木材利用:市内に整備中の教育福祉総合センター内図書館の家具を岩泉町産の間伐材を用いて作成し、児童書コーナー等に設置する。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

契約業者と協議をし、家具リストに基づき、作成・搬入・設

置まで行う。

事業スキーム

・岩泉町産材の家具とわかるように、「岩泉の明日の林業をつく

る会」のシンボルマークを刻印する。

・森林整備や木材利用の重要性を伝えるためのパネルを設置する。

・利用者に木材利用等に関するアンケートを実施する。

工夫・留意している点、特徴等

東京都 昭島市(自治体間連携等による木材利用の促進)自治体間連携

24

・町内木工業者に制作した

木材製品を提供

・森林整備・木材利用促進

愛知県 豊明市(新生児への木材製品配布による木材普及啓発の取組)

・木製品の製作を依頼

(豊明市の出生者数分)

・製作費を譲与税で負担

• 本市は、名古屋市近郊にあり森林面積が少なく、愛知用水等を通じて水が供給されており、水源地の森林の恩恵を大きく受けている。

• 水源地にあたる長野県上松町は本市の友好自治体であり、水源地の森林保全活動等を行い、上下流交流を行っている。

• 今回の森林環境譲与税の活用にあたり、長野県上松町の協力のもと、上松町の木材から作られた食器または、おもちゃを本市で出生さ

れた新生児にプレゼントすることにより、小さいころから木で作られた製品に触れることを通じて、森林の大切さを考えていただくこ

とを目的とする。

わがまちの税活用方針

・市では、子育て支援の施策の一環として、新生児への新たな支援

援策を検討していたところ、上松町から木材製品のPRがあった

ことから、譲与税の活用策として木材利用の促進と普及啓発を図

れる観点から、最善の策であるとの結論に至った。

・多くの市民の理解を得るとともに、木材への普及啓発を図る目的

で、広報等への掲載を通じて同取組を市民へ伝えている。

愛知県豊明市

長野県上松町

事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

自治体間連携

主な取組・概要

1 新生児への木材製品配布

【事業費(内譲与税)】1,732千円(1,732千円)

【実施時期】令和元年8月~

【事業内容】

・対象:令和元年8月以降に豊明市で出生された新生児

・木材製品:ベビースプーン・お食い初め(お盆・はしセット)・

にぎにぎカタカタ(ひよこ・ねこ・いぬ・くじら)

※全て上松町において、手作りで作られた製品であり、数に限りが

あるため、選択はできないこととしている。

(配布する月ごとに製品が異なる)

25

徳島県 那賀町・北島町(協定締結による林業体験や相互交流の実施)

・那賀町及び北島町の税活用方針に基づき、両町の相互交流等について

事業化するもの

◆北島町と那賀町との連携事業

【事業費(内譲与税額)】

1,500千円(1,500千円)

【実施時期】

令和元年10月~

【実施内容】

那賀町と北島町の小学生3年生以上(原則)の親子を対象に両町で参

加者を募集し、那賀町の施設において下記の体験を実施

① 自然エネルギーミュージアム見学

② 森林環境教育

③ 木工工作

※来年度以降については、北島町の木造施設の視察や北島町での木育活

動なども実施し、両町での森林環境対策での交流を進めるほか、

木材利用なども推進する。

• 那賀町は徳島県の南部に位置し、古くから「木頭杉」の産地として栄え、森林面積は65,958haであり95%を占めている。

• 一方、北島町は徳島県の東部に位置し、森林の無い町である。

• この両町と「徳島森林づくり推進機構」の3者が「森林環境対策に関する連携協定」を締結(平成30年7月6日)し下記の取り組み

を推進する。

①北島町と那賀町は、相互交流等の事項について連携、協力して取組を進めるとともに、徳島森林づくり推進機構は、取組に必要な

技術やノウハウについて、支援を行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・両町の特色を活かした森林環境教育や木材利用に取り組むこ

とで、面積の95%を山林が占める町の小中学生等住民と、町に

森林が無い小中学生等住民が効果的に森林について学ぶこと

ができるよう連携している。

工夫・留意している点、特徴等

・徳島森林づくり推進機構が取り組み内容を両町に提案し、両

町の小中学校等に参加を呼びかけ取り組みを実施する。

・来年度以降、那賀町産の木材を北島町で活用する。

事業スキーム

交流イベントの様子(那賀町・北島町)

自治体間連携

26

青森県 大鰐町(町民に対する木育の推進)

本町の税活用方針に則し、事業化するもの

<大鰐の元気!もりもり子育て応援事業>

【事業費(うち譲与税額)】990(926)千円

【事業規模】贈呈者45人想定

【実施時期】平成31年4月1日~令和2年3月31日

【事業内容】

新生児を出産した方を対象に、町内加工場(わにもっこ企業組合)で

製作された木育セット(お椀と箸、スプーンのセット)を贈呈し、木育

の推進を図る。

• 本町では「大鰐の元気!もりもり子育て応援事業」として、新生児を出産した方(その同一世帯で町内に居住している方)を対象に

出産の御祝い品を贈呈する事業を実施しており、大鰐町産の米やジュース類、醬油や味噌等を贈呈し、産業活性化の促進と子育て支

援の充実に取り組んできた。

• 今年度からは森林環境譲与税の交付を契機として、木育推進のため、普及啓発として次の事業を新たに行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

贈呈する木育セット

木材利用・普及啓発

町町内新生児

・木製のお祝いの品を贈呈

・木育推進、普及啓発を図る

・子供が小さい頃から木に親しめるよう、毎日使用できる食

器を製作した。

・町のマークやそれぞれの家族の名前を刻印することにより

愛着を持ってもらい、また、経年変化で色艶が増すオオヤ

マザクラを使用しており、楽しみながら長く使用してもら

えるよう製作している。

事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

27

岩手県 西和賀町(小中学校の授業における森林環境教育)

・町内の小中学校4校の授業において、外部講師による森林環境教育を実施。

・子どもたちが、自分達のすぐそばにある森林が多面的機能を持っているこ

とや、町の貴重な地域資源であることに気づき、さらにその森林を持続し

ていくためにどうすべきかなどの課題を見つけ、その解決策を考える機会

を作る。

また、子どもたちの将来の職業の選択肢として林業が当然含まれるよう

にする。

【事業費(内譲与税額)】:371(371)千円

【実施時期】:令和元年6月~9月

【事業内容】

1 小学校(沢内小学校3学年・湯田小学校4学年)

○クイズ形式で森林の役割等について学ぶ講義(共通)

○薪割体験(割った薪は炊事遠足で利用)(沢内小)

○木工体験(湯田小)

2 中学校(沢内中学校2学年・湯田中学校1学年)

○次の内容を含む講義

・「植える」「育てる」「使う」という森のサイクルの重要性

・町の貴重な地域資源である森林

・林業という職業

○薪作り(作った薪は道の駅等の薪ストーブに利用)

・本町は、奥羽山脈の山懐に位置し、広大な森林面積を有する山間地帯である。町の豊かな森林は貴重な地域資源だが、近年は、自分

が所有する森林にさえ目を向けることが少なくなり、森林整備の遅れや林業従事者の減少につながっている。

・そのため、新たに譲与される森林環境譲与税を活用し、町内の小中学校の授業の一部に森林環境教育を取り入れ、西和賀の子ども

たちは、必ず地域の森林・林業について学ぶ機会を得られるようにするという新規事業に取り組む。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

1外部講師については、町内2名町外1名とし、森林

・林業を取り巻く地域の実情を共有して授業を実施

する。

2講義だけではなく、実際に木を切るまたは割る体験

を組み合わせることで、木に直接触れ、木を身近に

感じ、記憶に残りやすい授業にする。

工夫・留意している点、特徴等

学校

町役場外部講師

森林環境教育

授業の場の提供

企画調整・準備講義

木材利用・普及啓発

28

千葉県 東金市(サンブスギを用いたテーブルとベンチの展示による木材利用に係る普及啓発における森林環境教育)

・使用木材は、千葉県木材市場協同組合を通じて調達し、

ベンチ等への加工を実施。・本市の税活用方針に則し、事業化するもの。

【事業費】476千円(うち譲与税476千円)

【実施時期】令和元年7月~9月

【実施内容】

道の駅「みのりの郷東金」にサンブスギを利用した木製テーブル・ベンチ

の展示を行い、市民等に対し木材利用の啓発を図る。

(1)木製テーブル 1台

(長さ1,800×幅800×高さ700)

(2)木製ベンチ 2台

(長さ1,600×幅400×高さ400)

・本市は、平成30年11月22日に「公共建築物等における木材利用促進方針」を策定した。

この方針に基づき、公共建築物の建設や備品の購入に県産木材等を積極的に利用し、木材の需要拡大及び市民への普及啓発を図ると

ともに、適切な森林整備による森林の機能保全と地域の林業、木材産業の活性化に努めていくこととしている。

・また、本市には、千葉県森林組合北総事業所や千葉県木材市場協同組合等の地域の林業・木材産業を担う関連団体があり、これらの

団体と連携して取組を進めていくこととしている。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・スギの丸太を大胆に使い、ログハウスを思わせる、重厚

感のあるベンチセットとした。

・特別な防腐加工を用い、木目や香りなどの木の良さを生

かした。

事業スキーム

工夫・留意している点、特徴等

木材利用・普及啓発

29

神奈川県 川崎市(木材利用促進に関する取組 ~3本の柱を中心に~)

・不特定多数の市民が利用する公共空間・施設の一部を木質化する。

・木材利用に関する団体等から構成する「川崎市木材利用促進フォーラム」を

設置し、木材利用に関する事業者の情報共有や技術力・ノウハウの向上を図る。

・民間建築物への木材利用に対する補助を行う。

1.公共建築物木質化リノベーション推進業務委託

【事業費(内譲与税額)】 :5,000(5,000)千円

【実施時期】:令和元年9月~令和2年3月

【事業内容】

本市区役所の一部を木質化する提案・設計・施工

2.木材利用促進支援業務委託

【事業費(内譲与税額)】 :1,500(1,000)千円

【実施時期】:令和元年7月~令和2年3月

【事業内容】本市木材利用促進フォーラムの運営、視察等実施

3.木材利用促進事業補助金交付事業

【事業費(内譲与税額)】 :10,000(10,000)千円

【実施時期】:令和元年7月~令和2年3月

【事業内容】不特定多数の者が利用する店舗等の木質化工事に係る費用の一部を補助(上限250万※、補助率1/2)※より多数の者の利用が見込め、PR効果が高いと見込まれる場合は500万

≪現状≫• 本市の私有林人工林面積、林業就業者数については極僅かだが、本市の人口は、令和12年をピークに増加し、最大で158.7万人となる見込み。

• 公共建築物においては「川崎市公共建築物等における木材の利用促進に関する方針」に目標値を定め、積極的な木質化を実施。• 木材利用促進フォーラムの取組などから、消費地のトップランナーとして林産地から注目され始めている。

≪方向性≫• 消費地である川崎市で、誰もが木の良さを身近に感じられる「都市の森」の実現に向けて、森林環境譲与税を活かした事業を以下の3本の柱を中心に展開する。

①公共建築物への木材利用促進 ②民間建築物への木材利用促進 ③地方創生に向けた連携

わがまちの税活用方針

主な取組・概要 事業スキーム

・木材利用促進フォーラムでは、木材利用に関心をもつ企業や自治体によ

り構成されているが、このネットワークを活かした情報の共有やビジネ

スマッチングの場づくりなど、会員の求めるものを提供するよう努めて

いる。

・森林が他都市と比してかなり少ない本市では、市民が木に触れる機会自

体が少ないため、木質化や木育イベントの開催など、市民が木の良さを

知る機会をつくるようにしている。

工夫・留意している点、特徴等

●「川崎市公共建築物等における木材の利用促進に関する方針」を平成26年度に策定 等

公共建築物への木材利用促進

●川崎市木材利用促進フォーラムを設置(平成27年度)し、情報共有やビジネスマッチングの場を構 等

●基本協定を締結した宮崎県を始め、秋田県、愛媛県、浜松市等とも視察、情報共有等で連携 等

地方創生に向けた連携

民間建築物への木材利用促進② ③

エビデンスの収集

●原産地やフォーラム会員と連携し、現地視察や木育イベントを実施。 等

木の良さを知る取組普及啓発

効果検証

≪取組の方向性のイメージ≫

□木材利用促進フォーラムの構成イメージ

木材利用・普及啓発

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• 本市の森林環境譲与税活用の方針に基づき、上記(2)について事業化

するもの

• 飛騨市内または飛騨地域産広葉樹材を活用し、市役所庁舎1階応接

室の木質化を行うもの

1.飛騨市役所庁舎1階応接室木質化業務委託

【事業費(うち譲与税)】:4,799(4,768)千円

【工期】令和元年9月17日~令和2年3月23日

【事業内容】

① 飛騨市役所1階応接室の木質化

② 応接家具等の設置

【その他】

上記①及び②は飛騨市産及び飛騨地域産広葉樹材を活用し実施する

• 本市は、面積の93.4%を占める森林の約7割が広葉樹天然林であるという特徴を活かし、広葉樹を針葉樹同様に地域の資源と位置け、

産業をはじめ市民生活の質の向上に資する様々な分野に活用する「広葉樹のまちづくり」を推進している。

• このため当市では、森林環境譲与税を活用し次の事業に取り組む。

(1)森林整備事業:点在する針葉樹人工林と隣接する広葉樹天然林を一体的に整備対象とすることで、事業効率を向上させるとともに、

広葉樹のまちづくりに寄与する価値の高い森づくりを行う。(意向調査・条件不利地の針葉樹人工林における間伐・広葉樹天然林の

育成木施業ほか)

(2)林業・木材利用等振興事業:上記事業の円滑な推進(加速化)に必要な基盤(条件)整備として、境界明確化、路網整備、関係人材

の育成のほか、市内林業関係者の参加による推進組織の発足や木材利用の普及及び啓発に資する公共施設の木質化等を行う。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

• 木質化事業にかかる企画提案公募要領の公表(6月21日)

• 現場説明会(7月3日)

• 企画提案プレゼンテーション及び最終審査(8月28日)

• 契約締結(9月17日)

事業スキーム

• 譲与税という貴重な財源を木材利用の普及・啓発に効果的に活

用するため、あえてプロポーザル方式とすることで全国からア

イデアを募集

• 「使えない」と認識されていた市内産小径広葉樹材をあえて活

用することで、市内産材に対する価値の再認識と森林整備の必

要性に関する意識醸成を企図

工夫・留意している点、特徴等

岐阜県 飛騨市(公共施設の木質化による木材利用の促進)木材利用・普及啓発

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静岡県 掛川市(森林経営管理推進協議会の設置と譲与税啓発講演会の開催)

【森の講演会】

(予算額(うち譲与税):810(810)千円

・10月5日、富士大学 学長 岡田秀二氏を講師に招

き譲与税の活用の在り方について市民に提案

・講演会と併せて、薪ストーブや木のおもちゃを

展示し、子育て世代も含めた市民の関心を深めた。

【掛川市森林経営管理推進協議会】

(予算額(うち譲与税):190(190)千円

・市が10人の協議会委員を委嘱し、9月から月に

1回程度、譲与税の使途について議論を開始

・協議会で「活用ガイドライン」を検討中

・譲与税の使途について掛川市の歴史や背景を

踏まえアイディアを出す

・下記「森の講演会」を市と共催し運営

• 本市は全域面積26,569ha、森林率約42%、人工林率約62%で、北部は人工林が広がる山々が、中南部は里山林が広がり茶畑と森林が

モザイク状に入り組んでいる。

• 市内には森林組合とNPO法人が森林整備の担い手として存在しており、主に北部の人工林地域で活動していることから、我が市では、

森林環境譲与税を活用し、中南部地域も含めた市内全域で新たな森林施策に取り組む。

• 今年度当初から、地域林政アドバイザーとして林野庁職員OBを雇用し下記施策を進めている。

• 掛川市森林経営管理推進協議会を設置し、使途の検討及び合意形成に向けて議論している。

• 市民に対して、森林経営管理制度、森林環境譲与税の周知を図り、意識を醸成させることを目的に「森の講演会」を開催した。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・10人の協議会委員は、林業関係者、教育関係者、民間企業

に勤める市民代表など多彩な立場の人を選出。また、女性

を5人選出して、これまでの森林・林業界の発想の転換を

期待

・市は、協議会に森林環境譲与税の使途等について諮ること

で公平性を担保

・今年度中に森林環境譲与税の使途についての方向性を見出

し、令和2年度から市の取組を加速

工夫・留意点、特徴等

・掛川市に根付いている「報徳の精神」、「協働のまちづく

り」の理念を念頭に森林環境譲与税の使途について提案す

ることで、森林の公益性について理解を深める

・市民が森林に親しみを感じるように、講演会場外に、家族

や子どもが楽しめる催しもの(薪ストーブ実演、薪割り体

験、木のジャングルジムの体験、森のようちえんの見学会

等)を用意

木材利用・普及啓発

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設楽町産のヒノキ材を活用した名札を森林組合、障害者就労施設が

連携し製作。町内外への木材利用の普及啓発に活用する。

【事業名】名札ケース製作事業

【事業費(全額譲与税)】264千円

【実施時期】令和元年10月1日~年度内

【事業内容】

• 名札ケースはヒノキ人工林の間伐により発生した木材を材料に使

用(縦7cm、横10cm、厚さ7mm)。

• 役場全職員及び町議会議員を合わせて約150人が着用。

• 同町を水源とする豊川の水を利用している下流域や、交流・協力

協定を結ぶ自治体にも使用を呼び掛けており、今後、一般向けの

販売も検討。

• 設楽町の森林面積は約25千haあり、町のおよそ9割を占め、民有林に占める人工林率は約8割の15千haと、高い人工林率であるが、標

準伐期齢以上の高齢級が87%と齢級構成に大きく偏りがあり、資源の循環利用が課題となっている。

• 町では、森林環境譲与税を活用し、森林・林業の意義や木材利用使途に関する普及啓発を目的として、令和元年10月から約150人の職

員等を対象に、従来着用していたプラスチック製の名札ケースを町産のヒノキ材を使用した名札ケースに切り替える取組を行う。

• 間伐により発生した木材を活用することで、森林整備の促進につなげる。

わがまちの税活用方針

主な取組・概要

・地元森林組合にデザイン等を発注し、障害者就労施設の就労者に

よりヤスリがけを行う。

事業スキーム

・名札ケースの製作にあたっては、地元産木材の利活用を役場から

積極的に発信できるよう、業務で木質化できるものを探していた

ところ、職員が毎日着用する名札ケースという考えに至った。

・今後は、協定を締結した自治体にも呼びかけ、普及啓発を図る。

工夫・留意している点、特徴等

愛知県 設楽町(町産材を活用した木材利用普及啓発及び林福連携)木材利用・普及啓発

町 森林組合

製作依頼 仕上げ依頼

障害者就労施設

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