環境に貢献する研究開発 トレーサビリティ基 …6...

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6 トレーサビリティ基盤(TRX)は、システム上で発生するさまざまなイベント(ファイル操作、Webサイトへのアクセスな どシステム上で発生する出来事)を可視化することを可能とする基盤です。イベントを可視化することによって、オフィス におけるファイルのライフサイクル管理など、これまで見えなかった情報の流れを簡便に把握することができます。 NTT セキュアプラットフォーム研究所では、ファイルトレース(ファイル操作の可視)機能を大規模な企業内情報管理に適用す るために、大規模システムでの低コスト化、カスタマイズ性向上、端末管理高度化を実現できるように、TRXの研究開発 をしました。 開発バージョンは、従来のバージョンと比較すると、蓄積データ圧縮機能・端末エージェント機能の管理効率化の向上に よって、ストレージの利用削減や、管理稼働の 削減が見込まれます。 本技術を利用して企業内の業務用端末の イベントログ収集、保管を行う場合について、 従来バージョン(TRX12B)と開発バージョン (TRX13A)を比較し、本技術の開発による 環境貢献度を定量化しました。 ◆評価条件 従来バージョンを利用し、1万台の業務用PC等の管理対 象端末のファイル操作のログ収集・保管と、端末エージェント 機能の管理(初期導入、および機能更新)を行う場合と、開発 バージョンを利用し、同様の業務をそれぞれ1年間行う場合 について、評価しました。 ◆評価結果 1万台の端末のファイル操作のログ収集・保管と端末エー ジェント機能管理に開発バージョンを利用した場合、従来 バージョンに比べて51t-CO 2 /年(削減率83%)の環境貢献 度になりました。 従来バージョンに比べて、人執務(人の稼働+通勤)が最も 大きく削減しました。削減の主な要因は、開発バージョンの 機能により、端末エージェント機能管理における端末側の機 能更新作業が自動化されたことによる稼働削減です。 環境に貢献する研究開発 トレーサビリティ基盤(TRX) 開発バージョン(TRX13A) を利用した場合 TRX13Aを利用して、1万台の端末のファイル操作ロ グの収集・保管と、端末エージェント機能の管理(初 期導入および機能更新)を行う。 従来バージョン(TRX12B) を利用した場合 TRX12Bを利用して、1万台の端末のファイル操作ロ グの収集・保管と、端末エージェント機能の管理(初 期導入および機能更新)を行う。 トレーサビリティ基盤 TRX12B (ログ保管・可視化) 端末エージェント管理 管理対象端末 端末エージェント (ログ収集) 端末エージェント管理 ・・・・・・・・ (1万台) トレーサビリティ基盤 TRX13A (ログ保管・可視化) 端末エージェント管理 管理対象端末 端末エージェント (ログ収集) 端末エージェント管理 ・・・・・・・・ (1万台) 容量削減 ストレージ ストレージ TRXサーバ TRXサーバ ソフトウェア 初期導入作業 機能更新作業 初期導入作業 機能更新作業 初期導入作業 機能更新作業 初期導入作業 機能更新作業 作業用端末 作業用端末 端末(PC) 端末(PC) 評価モデル図 0 10 20 30 40 50 60 70 80 人執務 (稼働 + 通勤) ICT 機器 開発バージョン 従来バージョン CO 2 排出量(t-CO 2 / 年) 削減量: 51 t- CO 2 /年 削減率: 83 % (TRX128) (TRX13A) 評価結果 トレーサビリティ基盤の概要 トレーサビリティ基盤とは 環境貢献度評価 サービスイノベーション総合研究所 セキュアプラットフォーム研究所

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 トレーサビリティ基盤(TRX)は、システム上で発生するさまざまなイベント(ファイル操作、Webサイトへのアクセスなどシステム上で発生する出来事)を可視化することを可能とする基盤です。イベントを可視化することによって、オフィスにおけるファイルのライフサイクル管理など、これまで見えなかった情報の流れを簡便に把握することができます。 NTTセキュアプラットフォーム研究所では、ファイルトレース(ファイル操作の可視)機能を大規模な企業内情報管理に適用するために、大規模システムでの低コスト化、カスタマイズ性向上、端末管理高度化を実現できるように、TRXの研究開発をしました。 開発バージョンは、従来のバージョンと比較すると、蓄積データ圧縮機能・端末エージェント機能の管理効率化の向上によって、ストレージの利用削減や、管理稼働の削減が見込まれます。 本技術を利用して企業内の業務用端末のイベントログ収集、保管を行う場合について、従来バージョン(TRX12B)と開発バージョン

(TRX13A)を比較し、本技術の開発による環境貢献度を定量化しました。

◆評価条件 従来バージョンを利用し、1万台の業務用PC等の管理対象端末のファイル操作のログ収集・保管と、端末エージェント機能の管理(初期導入、および機能更新)を行う場合と、開発バージョンを利用し、同様の業務をそれぞれ1年間行う場合について、評価しました。◆評価結果 1万台の端末のファイル操作のログ収集・保管と端末エージェント機能管理に開発バージョンを利用した場合、従来バージョンに比べて51t-CO2/年(削減率83%)の環境貢献度になりました。 従来バージョンに比べて、人執務(人の稼働+通勤)が最も大きく削減しました。削減の主な要因は、開発バージョンの機能により、端末エージェント機能管理における端末側の機能更新作業が自動化されたことによる稼働削減です。

環境に貢献する研究開発 トレーサビリティ基盤(TRX)

開発バージョン(TRX13A)を利用した場合

TRX13Aを利用して、1万台の端末のファイル操作ログの収集・保管と、端末エージェント機能の管理(初期導入および機能更新)を行う。

従来バージョン(TRX12B)を利用した場合

TRX12Bを利用して、1万台の端末のファイル操作ログの収集・保管と、端末エージェント機能の管理(初期導入および機能更新)を行う。

トレーサビリティ基盤 TRX12B(ログ保管・可視化)

端末エージェント管理

管理対象端末端末エージェント(ログ収集)

端末エージェント管理

・・・・・・・・

(1万台)

トレーサビリティ基盤TRX13A

(ログ保管・可視化)

端末エージェント管理

管理対象端末端末エージェント(ログ収集)

端末エージェント管理

・・・・・・・・

(1万台)

容量削減ストレージ

ストレージ

TRXサーバ TRXサーバ

ソフトウェア

初期導入作業機能更新作業

初期導入作業機能更新作業

初期導入作業機能更新作業

初期導入作業機能更新作業

作業用端末 作業用端末

端末(PC) 端末(PC)

評価モデル図

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30

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50

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70

80

人執務(稼働+通勤)

ICT 機器

開発バージョン従来バージョン

CO2排出量(t-CO2 /年)

削減量:51t- CO2 /年削減率:83%

(TRX128) (TRX13A)

評価結果

トレーサビリティ基盤の概要

トレーサビリティ基盤とは

環境貢献度評価

サービスイノベーション総合研究所 セキュアプラットフォーム研究所