Chapter.3

Chapter.1 Chapter.2 Chapter.4 Chapter.5 Chapter.6 Chapter.7

Chapter

3 Maintenance for adjustment

調整メンテナンス

0 8 60 8 7　/ R o a d B i k e M a i n t e n a n c e

08

つぎにレバー Bとレバー Cを押してリアディレイラーの位置を調整する。ローから2枚目のスプロケットに移動したら、両方レバーを操作しチェーンの位置がギヤの中心にくるように調整する

インジケーターの窓にはブルーのLEDが点

灯する。これが調整を開始できるサイン

カンパニョーロEPSの調整カンパニョーロがリリースする電子式コンポーネントのEPS

ドライブトレインの調整方法を中心に紹介しよう。

Adjustment of Campagnolo EPS

0506

リアディレイラーの調整から始める。まず左

右のエルゴパワーのモードボタンを同時に約

6秒長押しする

03

01

非常に繊細な作業になるためスタンドに固定した状態でメンテナンスを行おう

き、フロントディレイ

ラーとリアディレイラ

ーの調整方法を中心に

テクニックを紹介する。

　

EPSを動かしてい

ないときは、つねにス

イッチオフマグネット

を装着しているはずだ。

これを外してドライブ

トレインをオンにしよ

う。パワーユニットか

らマグネットを外すと、

インジケーターLED

がグリーンに点滅する。

　

まずはリアディレイ

ラーのセッティングか

ら。非常に繊細な作業

になるためスタンドに

固定した状態でメンテ

ナンスを行おう。わず

かなミスがライディン

グに大きな影響を与え

バッテリーに差されたスイッチオフマグネ

ットを外す。使用していないときはつける

クセをつけよう

04

ドライブトレインの

調整方法

　

カンパニョーロが満を持してリ

リースしたエレクトロニックパワ

ーシフト“EPS”である。

　

2012年現在のラインナップ

は最上級のスーパーレコード、レ

コード、そして普及版のアテナと

3グレード。幅広い層のサイクリ

ストが電子式コンポーネントの恩

恵にあずかるだろう。

　

組み付けに関してはカンパニョ

ーロ正規プロショップ、またはE

PSグループセットを組み付ける

ことができる専門のメカニックが

作業することで製品保証などの条

件を満たすことができる。よって

個人での組み付けは認めていない。

従って今回は組み付けの工程は省

るばかりか、ケガや事

故に繋がりかねない。

　

より正確な調整を行

うために、まずはリア

ディレイラーの初期設

定を行う。この作業は

チェーンをアウターチ

ェーンリングにセット

してから行う。ブルー

のＬＥＤが点灯するま

で左右のモードボタン

を同時に押し続ける。

次に右レバーのＢ、ま

たはＣを押す。そして

レバーＢとレバーＣを

押し、ディレイラー位

置を調整し、チェーン

を２枚目の歯の中心へ

移動させる。右エルゴ

パワーのモードボタン

を押し、２枚目のスプ

ロケットの位置を記憶

させる。この段階でＬ

ＥＤはブルーからホワ

イトへ変わる。

　

レバーＢとレバーＣ

を押し、リアディレイ

ラーを10枚目のスプロ

ケットに移動させる。

これもチェーンを歯の

中心になるよう調整す

02

エルゴパワーには左右それぞれ4つのボタ

ンとレバーがある。ブラケットフードの下

に配置しているのがモードボタンだ

バッテリー充電レベルの確認インターフェースのLEDは左右のエルゴパワーにある2つのモードボタンの片方を短く押すとバッテリーの残存充電レベルがわかる。

Column.1

LEDの詳細 充電の状況グリーンLEDの点灯 100〜60%グリーンLEDの点滅 ６０〜４０％イエローLEDの点灯 ４０〜２０％レッドLEDの点灯 ２０〜６％

レッドLEDの点滅＋音による警告 ６〜０％る。右エルゴパワーのモードボタ

ンを短く押し、10枚目の位置を記

憶させる。LEDがブルーの点滅

になったらリセット操作は終了と

なる。リアディレイラーを初期設

定したら、メカニカルストップス

クリューを調整し、ディレイラー

がスポークに接触しないよう調整

する。より正確で迅速な変速を実

現するために、最大スプロケット

と上側のプーリーの位置を５～７㎜

D

C

A

B

D【リアの調整】

07

レバー Bとレバー Cを押してリアディレイラーの位置を調整する。エルゴパワーのモードボタンを押し、トップから2枚目のスプロケットに移動させる。

より正確な変速を行うために最大および最小スプロケットと、アッパープーリーの距離を調整する必要がある。5〜7㎜の間隔までボルトを締めて詰める

09リアディレイラー調整を行う場合、フロント

はアウターリングにチェーンをセットする

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調整メンテナンス

0 8 80 8 9　/ R o a d B i k e M a i n t e n a n c e

10

インジケーターのLEDがブルーに点灯するまで、モードボタンを約6秒感長押しする

12

レバーB、およびレバーCを短く押すと、システムは約0・1㎜ずつ決められ

た動作を行う

に調整する必要がある。

調整ネジは従来のリア

ディレイラーと同じ位

置だ。

　

そしてフロントディ

レイラーの調整に進む。

まず最大スプロケット

にチェーンをセットす

る。ブルーのＬＥＤが

点灯するまで左右のエ

ルゴパワーにあるモー

ドボタンを同時に押す。

次に左レバーのＢ、ま

たはＣを押す。そして

トは定期的に汚れを落とし、熱可

塑性プラスチック部品に適したグ

リスを使用すること。

　

3つのピボットにはギザギザの

部分があり、それぞれプレス挿入

されているので、損傷しないよう

に十分に注意を払うこと。ピボッ

トにはモリコート40グリスを使用

することを推奨している。

　

リアディレイラーは、フロント

ディレイラー同様に定期的に汚れ

落としてグリスアップを施すこと。

プーリーが円滑に回転しないとき

は、十分に汚れを落としてみて、

必要があれば交換しよう。3㎜ヘ

ックスレンチがあれば簡単に外す

ことができる。

　

電力供給を行うパワーユニット

は長期にわたって使用しない場合

は、スイッチオフマグネットを差

し電源を切り保管しよう。半年に

1度はバッテリーの充電状況をチ

ェックし、適正にフル充電するこ

とをオススメする。

　

カンパニョーロ構成部品は、水

と石けんで注意深く洗浄し、完全

に乾燥させることが大切だ。

11

13

レバーＢと、レバーＣを押し、チ

ェーンとフォークブレード内側の

距離が０・５㎜になるように調整

する。必要に応じてすきまゲージ

を使うと良い。

　

左エルゴパワーのモードボタン

を押し、インナーチェーンリング

上のディレイラーの初期位置を記

憶させる。初期設定が完了すると

ブルーのＬＥＤが点滅するはずだ。

正しく調整されていない場合は、

リセットの作業をくり返し行う。

EPSのメンテナンス

　

エルゴパワー・コントロールレ

バーは3年ごとに、または3万キ

ロごとに専門のメカニックによる

検査を受けよう。ワイヤーとアウ

ターワイヤーは2年ごと、あるい

は2万キロ走行するごとにかなら

ず交換しよう。

　

レースに使用した場合、エルゴ

パワーは必ず専門店のメカニック

によって点検を受け、ワイヤーと

アウターワイヤーは毎年、あるい

は1万5千キロごとに交換する。

　

フロントディレイラーのピボッ

リアディレイラーの調整はスプロケットの歯数が大きく異なるときに役立つだろう

ライドバックホーム

走行中にバッテリーが切れてしまった場合、リアディレイラーの“アンフック”メカニズムを利用し、ディレイラーを手で好きな位置に動かすことができる。またアンフックメカニズムは落車や事故で衝撃が加わったときにも発動し、パラレログラムが開放される。セカンド、トップギヤに行かないときもこの作業を行わなければならない場合もある。

Column.3

C

モードボタン モードボタン

A B

カンパニョーロEPSの調整

Adjustment of Campagnolo EPS

【フロントの調整】

パワーユニットには正常に使用しているあいだには点灯しないインジケーター LEDが備えられている。LEDは機械的な不調を知らせるために点灯し、色によって不調の箇所を訴えるのだ。

エンドユーザーによる診断

Column.2

LEDの詳細 LEDの詳細 充電の状況

ホワイト＋ブザー パワーユニットの不調左右のエルゴパワーにある２つのモードボタンの１つを短く押し、LEDを消す、LEDが消えない場合はサービスセンターへ

イエロー＋ブザー フロントディレイラーの不調左右のエルゴパワーにある２つのモードボタンの１つを短く押し、LEDを消す、LEDが消えない場合はサービスセンターへ

グリーン＋ブザー リアディレイラーの不調左右のエルゴパワーにある２つのモードボタンの１つを短く押し、LEDを消す、LEDが消えない場合はサービスセンターへ

パープル＋ブザー右側エルゴパワーの不調

このLEDはレバーB、またはレバーCを９秒以上押した場合にも点灯する。左右のエルゴパワーにある２つのモードボタンの１つを短く押し、LEDを消す、LEDが消えない場合はサービスセンターへ

ブルー＋ブザー 左側エルゴパワーの不調

このLEDはレバーB、またはレバーCを９秒以上押した場合にも点灯する。左右のエルゴパワーにある２つのモードボタンの１つを短く押し、LEDを消す、LEDが消えない場合はサービスセンターへ

レッド＋ブザー インターフェースの不調スイッチ・オフ・マグネットをパワーユニットに挿入し、LEDを消す。LEDが消えない場合は、サービスセンターへ

※スイッチ・オフマグネットを取り外すとグリーンのLEDが点滅し、ドライブトレインのスイッチがオンになったことを知らせる。

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内側のプレートとチェーンの間隔は0・5㎜に設定する。かなり細かく動くので慣れるまでは難しい

0.5mmの間隔

ディレイラーのケージとアウターチェーンリングの距離が

1・5㎜～3㎜になっているか確認