東京瓦斯(東京ガス) - waseda university...2...

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1 早稲田大学商学部広田真一ゼミナール 4 十亀 知則 証券コード:9531【電気・ガス業】 投資推奨:BUY 現在株価(2011 10 6 日):350 目標株価:448 1. ハイライト (ⅰ)投資判断:現在株価 350 円は、エンタプライズ・ディスカウント・キャッシュフロー法 (以下 DCF 法)による東京瓦斯株式会社(以下、東京ガス)の目標株価 448 円に対し、約 22%の割安水準にあるため” BUY”を推奨する。代替エネルギーとしての都市ガス需要の高まりが工業用を中心に与える影響とインフラ 整備による確実な潜在需要の取り込み、そして事業基盤内の人口の増加による家庭用を中心とした顧客の増加 を考慮し、現在の株価は割安水準にあると判断した。 (ⅱ)事業戦略:原油価格高騰と環境意識の高まりにより燃料転換需要を期待されていた天然ガスは、東日本 大震災による電力不足に伴い、今後より一層の需要の高まりを期待できる。それを受け同社のコア事業である 都市ガス事業(2011 3 売上高比率 65.6%)では工業用ガスの販売量の増加により大きな成長が期待で きる。また、同社の事業基盤である東京エリアでは人口の流入も見込まれ、ガスパイプラインの増設などイン フラ整備を積極的に行い、需要の獲得を目指している。 (ⅲ)業界動向:都市ガスの原料である天然ガスは環境に負荷の低いクリーンなエネルギーであるとして、 2010 6 月に改定された政府のエネルギー基本計画でも積極的に推進していくよう明言されており、同計画 で並列して推進されていた原子力が震災により大幅な見直しを迫られている中、 供給安定性と環境性に優れ た天然ガスに対する期待は従来にも増して大きくなると予想されている。 2.投資サマリー 投資判断とその根拠 現在株価 350 円は、DCF 法による目標株価 448 円に対し約 22%の割安水準にあるため”BUY”を推奨す る。代替エネルギーとしての都市ガス需要の高まりが工業用を中心に与える影響と事業基盤内の人口の増加を 勘案し、現在の株価は割安と判断した。 (ⅰ)ガス需要の高まり:近年の原油価格高騰や環境意識の高まりに加え、 2011 3 11 日に発生した東日 本大震災の影響により関東エリアでは深刻な電力不足に陥ったことを受け、今後さらにガスの需要が高まると 判断した。 東京瓦斯(東京ガス)

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Page 1: 東京瓦斯(東京ガス) - Waseda University...2 (ⅱ)積極的なインフラ整備:社は工業用を中心としたエネルギー転換需要の高まりを受け、

1

早稲田大学商学部広田真一ゼミナール 4 年

十亀 知則

証券コード:9531【電気・ガス業】

投資推奨:BUY

現在株価(2011 年 10 月 6 日):350 円

目標株価:448 円

1. ハイライト

(ⅰ)投資判断:現在株価 350 円は、エンタプライズ・ディスカウント・キャッシュフロー法 (以下 DCF

法)による東京瓦斯株式会社(以下、東京ガス)の目標株価 448 円に対し、約 22%の割安水準にあるため”

BUY”を推奨する。代替エネルギーとしての都市ガス需要の高まりが工業用を中心に与える影響とインフラ

整備による確実な潜在需要の取り込み、そして事業基盤内の人口の増加による家庭用を中心とした顧客の増加

を考慮し、現在の株価は割安水準にあると判断した。

(ⅱ)事業戦略:原油価格高騰と環境意識の高まりにより燃料転換需要を期待されていた天然ガスは、東日本

大震災による電力不足に伴い、今後より一層の需要の高まりを期待できる。それを受け同社のコア事業である

都市ガス事業(2011 年 3 月 売上高比率 65.6%)では工業用ガスの販売量の増加により大きな成長が期待で

きる。また、同社の事業基盤である東京エリアでは人口の流入も見込まれ、ガスパイプラインの増設などイン

フラ整備を積極的に行い、需要の獲得を目指している。

(ⅲ)業界動向:都市ガスの原料である天然ガスは環境に負荷の低いクリーンなエネルギーであるとして、

2010 年 6 月に改定された政府のエネルギー基本計画でも積極的に推進していくよう明言されており、同計画

で並列して推進されていた原子力が震災により大幅な見直しを迫られている中、 供給安定性と環境性に優れ

た天然ガスに対する期待は従来にも増して大きくなると予想されている。

2.投資サマリー

投資判断とその根拠

現在株価 350 円は、DCF 法による目標株価 448 円に対し約 22%の割安水準にあるため”BUY”を推奨す

る。代替エネルギーとしての都市ガス需要の高まりが工業用を中心に与える影響と事業基盤内の人口の増加を

勘案し、現在の株価は割安と判断した。

(ⅰ)ガス需要の高まり:近年の原油価格高騰や環境意識の高まりに加え、2011 年 3 月 11 日に発生した東日

本大震災の影響により関東エリアでは深刻な電力不足に陥ったことを受け、今後さらにガスの需要が高まると

判断した。

東京瓦斯(東京ガス)

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(ⅱ)積極的なインフラ整備:同社は工業用を中心としたエネルギー転換需要の高まりを受け、液化天然ガ

ス(以下、LNG)基地やガスパイプラインの新設を積極的に進めている。インフラ設備の整備と共に確実に

新たな需要を取り込むことが出来ると判断した。

(ⅲ)上流権益:天然ガスを安定的に供給することはガス会社にとって最も大切な使命である。現在契約して

いる 6 か国 13 プロジェクトに加え、非在来型ガスの調達も進めており、こうした安定的な供給源の確保が都

市ガスへの信頼に繋がり、ガス需要を下支えすると判断した。

(Ⅳ)人口増加:総人口が減少傾向にある日本において、世界最大規模の経済エリアである東京圏では人口流

入傾向が見られる。したがって、人口の増加に伴い、家庭用を中心に事業エリア内でのガスの需要量が見込ま

れると判断した。

3.事業内容と業績ドライバーの選定

(ⅰ)事業内容

東京ガスは、1885 年創業の GDP の約 4 割を生み出す首都圏・関東地方(Exhibit:19 参照)を事業基盤と

する日本最大の都市ガス事業者である。エネルギー資源の乏しい島国・日本において、LNG 受入基地での都

市ガス化、パイプラインによるガス供給、そして器具販売・修理・安全点検といった顧客先での販売・サービ

スに加え、資源開発プロジェクトへの参画、自社船団による LNG 輸送事業も展開している。こうした上流か

ら顧客にまでつながる「LNG バリューチェーン」を持つことを強みとして、安定的で安全な天然ガス供給は

もちろん、電力・熱・再生可能エネルギーなど多様なエネルギーニーズにワンストップで応える「天然ガスを

コアとする総合エネルギー事業」を推進している。

都市ガス事業

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県の 1 都 8 県においてガスの

製造、供給および販売を行っている。家庭用、商業用、工業用といったガスの小売事業に加え、近隣の都市ガ

ス会社への卸売供給も行っている。同社のパイプラインは東京湾周囲の LNG 受入基地を起点に千葉、東京、

神奈川、埼玉を環状に敷設され、そこから埼玉県熊谷市、栃木県宇都宮市へ北上する形で伸びている

(Exhibit:22 参照)。現在、同社は関東 200km 圏の産業用を中心とした潜在需要の開発を進めるべく、LNG

受入基地やガスパイプラインの敷設等、さらなるインフラ整備を積極的に進めている。

(同社 2011 年 3 月 売上高比率 65.6%、営業利益比率 82.6%)

器具及びガス工事

ガス器具の販売や、顧客の敷地内のガス工事を行っている。ガスコンロ・給湯器・ガス温水冷暖房システム・

家庭用燃料電池「エネファーム」などを販売している。

(同社 2011 年 3 月 売上高比率 10.3%、営業利益比率 1.1%)

その他エネルギー

主に電力・LPG の販売を行っている。(同社 2011 年 3 月 売上高比率 12.8%営業利益比率 6.8%)

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不動産

新宿パークタワーをはじめとする商業・オフィス施設の賃貸・管理等を行っている。そのほかにも銀座、呉

服橋などでも賃貸を行っている。(同社 2011 年 3 月 売上高比率 1.9%営業利益比率 3.5%)

その他

建設・情報処理サービス・船舶・クレジットリースなどの事業を行っている。

(同社 2011 年 3 月 売上高比率 9.4%、営業利益比率 6.0%)

(ⅱ)業績ドライバーの選定

同社の売上高比率の 65.6%を都市ガス事業が占めており、同社の事業基盤とする関東エリアにおいて都市ガ

スの更なる需要の獲得が期待できることから、都市ガス事業が今後も同社の成長に最も大きなインパクトを与

えると考えられる。日本全体では人口減少が叫ばれているが、東京エリアでは都市部への人口の集中により中

期的に人口の増加が見込まれており(Exhibit:20 参照)、更なる顧客の拡大を期待できると考えている。また、

産業用を中心に天然ガスへのエネルギー転換需要が旺盛であり、2011 年 3 月 11 日の東日本大震災に伴う原子

力発電所の稼働停止も受けて、その流れは一層強まると予測している。よって、同社の業績見通しでは都市ガ

ス事業を業績ドライバーとして分析を行っていく。

4.業績見通しと競争上の位置づけ

同社が最も注力している都市ガス事業は大幅な成長こそ見込みがたいものの、環境意識の高まり、原油価格

の高騰、そして関東エリアでは電力不足と工業用を中心にエネルギー転換需要が高まっており、ガスの優位性

が注目されている。今後も堅調な成長が期待できる業界である。中長期的には電力会社とのオール電化とのシ

ェア争いは必至である。

(ⅰ)SWOT 分析

総評:有利

ガス業界は環境意識の高まりや原油高や電力不足を背景とした天然ガスに対する需要が高まっており、今後

とも堅調な成長を期待できる。同社が事業基盤とする関東エリアは日本の GDP の 4 割を占め、東京エリアは

人口の流入が進んでいる。関東エリアの電力不足が解消されたのち家庭分野でのオール電化とのシェア争いが

再燃するのは必至だが、現時点で原子力発電所の再開の目途はたっておらず、かつ工業用でのガス需要が期待

できることから「有利」と判断した。

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強み(Strengths)

強固かつ優良な事業基盤:東京を中心として広がる関東 200km 圏は日本全体の GDP の約 4 割を生み出すエ

リアであり、平野が多くガスパイプラインの延伸によって、主要な産業集積地での燃料転換需要の拡大が見込

まれるエリアである。日本で最もエネルギー需要が集積する関東圏を事業基盤としていることは、同社の大き

な強みであると考えられる。

安定的な天然ガス供給元の確保:同社は政情の安定した地域からの長期契約を基本としながらも、調達方法の

多様化を図ることにより、競争力のある LNG の安定調達を目指している。現在、6 ヶ国 13 プロジェクトの長

期契約(Exhibit:23 参照)により LNG を調達しているが、近年では非在来型の天然ガス調達にも積極的に取

り組み、調達ポートフォリオの多様化を進めている。

豊富な卸売先:同社は千葉ガスや京葉ガス、野田ガスなど計 26 社との間にガスの卸売契約を結んでおり、導

管を通じて、関東各地の比較的小規模なガス会社にガスの供給を行っている(Exhibit:24 参照)。また、同様

にいわきガスや秩父ガスなどには LNG を販売している。このような卸売業者とは長期契約に基づいた安定的

な関係を築いており、継続的な利益を期待することが出来る。また、近年は東京ガスの顧客同様、卸売先での

工業用のエネルギー転換需要を喚起することにより、更なる利益の拡大を期待できる。

弱み(Weaknesses)

都市ガス事業に強く依存したビジネスモデル:同社は売上の 65.5%を都市ガス事業に依存しており、ガス機

器の販売・工事を含めると 75%を超える割合を占める。都市ガス事業の業績が同社の経営成績の大半を占め

ているといっても過言ではなく、リスク分散化という意味ではリスクの高い戦略をとっている。

内部要因 強み ・強固かつ優良な事業基盤

・安定的な天然ガス供給元の確保

・豊富な卸売先

弱み ・都市ガス事業に強く依存したビジネスモデル

外部要因 機会 ・環境保全への社会的要請の高まり

・代替エネルギーとしてのガス需要の高まり

・東京エリアの人口増加

脅威 ・オール電化

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機会(Opportunities)

環境保全への社会的要請の高まり:京都議定書第一約束期間に入り、またポスト京都の枠組みが議論される中

で、地球温暖化問題への取り組みがグローバルレベルで急速に進んでいる。それを受け政府は、2050 年まで

に CO2 を 60~80%削減(2000 年比)する長期目標を発表し、企業においても、自ら CO2 削減目標を掲げ

て生産効率向上や省エネ・新エネ設備の積極的な導入を図っている。そして 2010 年、政府はエネルギー基本

計画の中で、化石燃料の中で最も CO2 排出が少なく(Exhibit:17 参照)、世界に比較的広く分散して賦存す

る天然ガスは、今後、低炭素社会の早期実現に向けて重要なエネルギー源であり、天然ガスシフトを推進すべ

きであると述べており、環境にやさしいエネルギー源として天然ガスは今後さらなる需要を期待できると考え

ている。

代替エネルギーとしてのガス需要の高まり:近年の原油価格高騰を受け、重油を自家発電の燃料として使用し

てきた大規模工場などが、ガスへ以降したために、工業向けのガス販売量が増加している。さらに、2011 年 3

月 11 日に発生した東日本大震災の影響により東京電力の原子力発電所が稼働停止したことを受け、関東エリ

アでは深刻な電力不足に陥り、中期的には電力不足を背景にコージェネレーションや燃料電池など分散型電源

の伸びや、首都圏のガス火力発電所の増設による燃料需要の増加が見込まれる。

東京エリアの人口増加:総人口が減少傾向にある日本において、世界最大規模の経済エリアである東京圏では

人口流入傾向が見られる。したがって、人口の増加に伴い事業エリア内でのガスの需要量が見込まれる。

脅威(Threats)

オール電化:近年同じ事業基盤を有する東京電力はオール電化を積極的に進めていた。関東エリアでの全住宅

に対するエネルギーシェアは、都市ガスは 2008 年から 2010 年にかけて 60%前半で推移する一方、オール電

化は 3.4%から 5.1%にまで成長した。震災以降節電意識の高まりから、オール電化市場の伸びは鈍化すると

考えられるが、都市ガス最大の代替品であることに変わりはない。

(ⅱ)5forces 分析

事業内容で述べた通り、同社の業績ドライバーは都市ガス事業である。ここでは都市ガス事業の業界の競争

環境を明らかにし、同社の立ち位置及び競争優位性を考察する。

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総評:やや有利

都市ガス会社はガス管を自社で設置する関係上、事業エリアが明確に分かれており、大手都市ガス会社は地

域独占状態であるという特殊な環境に置かれている。新規参入者ともインフラの規模で圧倒的な差があり、そ

の影響は限定的である。また、同じ事業基盤を有する小規模都市ガス会社へは天然ガスの卸売を行っており、

競合関係にはない。むしろ共に協力してオール電化に対抗しガスの需要を喚起する協力関係にあるといっても

よい。オール電化という代替エネルギーは脅威ではあるもの、同社の事業基盤である関東エリアでは電力不足

によりオール電化の成長は鈍化するだろうとの見方から、「やや有利」とした。

新規参入の脅威

やや弱い:1995 年のガス事業法改正により「小売の部分自由化」が開始されて以来、自由化範囲は段階的に

拡大してきた。2007 年 4 月からは年間契約量 10 万 m3以上の需要家が自由化の対象となっており、販売量で

は全体の 6 割強に達する。このうち新規参入者のシェアは 2008 年度では 12.2%に高まっている。ただ、これ

は LNG の利用が拡大する中、新規参入者の LNG 受入基地近傍に立地する新規需要家に対して供給を開始し

た事例が大半と見られ、都市ガス会社の既存需要が奪われた真の意味での需要離脱は多くはないと見られる。

今後も新規参入者の動向に一定の注意を払う必要はあるが、小売自由化が及ぼす都市ガス会社への影響は現段

階では限定的と考えたため、「やや弱い」とした。

業界内競争

弱い:日本の大手ガス会社は東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスがあげられるが、各ガス会社は明確に

事業基盤が異なっており、実質的な競合相手ではない。また、地場の小規模都市ガス会社とは卸売買の関係に

あり、長期的な友好関係を築いている。

代替品の脅威

やや強い:昨今は住宅市場を中心にオール電化が進んでいる。震災以降節電が叫ばれているものの、中長期的

には今後もオール電化と都市ガスのシェア争いは必至である。

新規参入の脅威 やや弱い 1995 年にガス小売の部分自由化。限定的ながらも異業種からの参入も。

業界内競争 弱い 大手ガス会社との事業基盤の棲み分け、地場都市ガス会社とは卸売関係。

代替品の脅威 やや強い 昨今は住宅市場を中心に広がるオール電化。

買い手の交渉力 弱い 小売:ガス料金はあらかじめ決められるため、交渉力は存在しない。

卸売:関東エリアでは東京ガス以外で天然ガスの上流権益を取得してい

るガス会社が存在しない。ガス会社は東京ガスから購入せざるを得ない。

売り手の交渉力 やや強い 日本は 100%LNG を輸入に頼っている。世界的に LNG の需要は近年高ま

りを見せてきてはいるが、採掘地が分散しているため、原油やレアアース

のように政情や天災などにより急激に供給量が変動するリスクは低い。

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買い手の交渉力

弱い:小売りの場合は、ガス料金があらかじめ決められた上でガスの供給を行っており、そこに買い手の交渉

力は存在しない。卸売の場合は、同じ関東エリアのガス会社で上流から下流まで一貫してガスの供給を行って

いるのが東京ガスしか存在しないため、ガスを東京ガスから購入せざるを得ない。

売り手の交渉力

やや強い:1969 年に東京ガスが日本で初めてガスの原料である LNG の輸入に乗り出して以来、100%輸入に

依存している。しかし、世界的に LNG の需要が高まってはいるものの、採掘地が世界に分散しているため

(Exhibit:23 参照)、政情や天災などにより急激に供給量が大きく変動するリスクは原油に比べると低いと考

えられる。

5.バリュエーション

企業価値算定にあたってインパクトの大きい財務諸表項目の精緻な予測をもとに、DCF 法を用いた結果、

目標株価は 448 円と算出された。

DCF 法による目標株価算出:DCF 法を用いて目標株価を算出するにあたり、以下のステップを踏んだ。まず

都市ガス事業、器具及びガス工事、その他エネルギー、不動産、その他事業それぞれの 2021 年 3 月期までの

売上高の予測から全社の売上高の予想を行った。次に営業費用を固定費及び変動費に分解し予測を行い、売上

高予測から控除することで EBITA の予測を行った。続いて貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計

算書の予測を行い、みなし税、設備投資額を予測し、営業フリー・キャッシュフロー(以下営業 FCF)を算

出した。最後に、営業 FCF を別途算出した加重平均資本コスト(以下 WACC)で割引き、同社の目標株価を

算出した。(Exhibit:11 参照)なお、株価算出に用いた各種財務諸表項目の予測に対する考え方は以下の通り

である。

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6.財務諸表分析

(ⅰ)利益分析:収益性及び効率性:同社は営業利益の 82.6%を都市ガス事業が占めている。したがって都市

ガス事業の業績が同社全体の業績に最も大きなインパクトを与えるといっても過言ではない。都市ガスの販売

量は天候によって大きく左右される。特に家庭用や業務用のガスでは暖房設備や給湯設備の稼働はその季節ご

との気温により大きく変化する。(Exhibit:27 参照)したがって、各大手ガス会社とも収益性のボラティリテ

ィはその年の季節の気温により変動する傾向がある。

(ⅱ)キャッシュフロー分析:ガス供給を担う企業としてパイプラインや LNG 受入基地などインフラ整備に

力を注いできた同社であるが、中期経営計画においても関東 200km 圏の産業用を中心とした潜在需要の開発

を進めると共にそれを支えるインフラ整備を積極的に継続していくとしており、投資キャッシュフローは過去

の実績同様拡大傾向が続くと予想している。

7.業績見通し

(ⅰ)売上高予測

売上高の予測は都市ガス事業とそれ以外の事業について行い、特に業績ドライバーである都市ガス事業はさ

らに家庭用、業務用、工業用、卸売供給に分けてガス販売量の予測を行い、売上高の予測を行った。同社は中

期経営計画でも天然ガスをコアにした総合エネルギー事業の更なる進化・発展を掲げており、都市ガス事業に

ついては 2021 年での売上が 1 兆 7301 億円に達する見込み。工業用を中心としたガス需要の高まりとインフ

ラ整備による需要の取り込み、そして東京圏への人口の流入によって業績は堅調に推移すると考えられる。

項目 予測の考え方 参考資料

売上高 事業別に売上高を予測し、それらを足し合わせることで売上高

を予測

業績見通し

Exhibit:5.6

営業費用 固定費と変動費に分け予測 業績見通し

みなし税 法定実効税率 40.70%を採用

設備投資額 同社の過去 10 年の設備投資額の推移を反映

β(ベータ) Bloomberg.co.jp を参照

リスクプレミアム データ取得可能期間である 1972 年〜2010 年までの配当込み

TOPIX の年次収益率から 10 年物国債利回りを控除し、算出さ

れた値を対象期間で算術平均し、推計した。

Exhibit:10

リスクフリーレート 2011 年 9 月 30 日時点の 10 年物国債利回りを採用。

永久成長率 将来は電力の不足の解消や、太陽電池を始め他の代替エネルギ

ーの市場規模も成長していくことから、都市ガスの市場規模は

鈍化すると推定。また東京の人口も長期的には増加し続けるこ

とは難しいと推定。よって、同社の永久成長率は 0%とした。

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都市ガス事業:売上予測に際して、まず家庭用、業務用、工業用、卸売供給についてガス販売量の予測を行っ

た。それをもとにそれぞれの 2012 年の売上予測を、各種別のガス販売量成長率×各種別のガス販売量の割合

×2011 年の都市ガス事業売上高で算出した。2013 年以降の予測は、前年の各種別の売上高×各種別ガス販売

量成長率で行った。(Exhibit:5.6 参照)

その以外の事業:同社の他の事業については、同社の戦略が都市ガス事業主体で行われている点、また設備投

資の大半が都市ガス事業のインフラ整備に充てられている点を踏まえ、売上は一定とした。

(ⅱ)営業費用予測

営業費用の予測に際しては、営業費用を固定費と変動費に分解した。各費用項目の予測に対する考え方は以

下の通りである。

8.その他関連事項

(ⅰ)東日本大震災による天然ガス需要の高まりと需給バランス:都市ガス原料である天然ガスの約 95%は

LNG で輸入されている。同社は主に東南アジアやオーストラリアなど、6 ヶ国 13 プロジェクトと LNG 調達

の契約を結んでおり、中東依存度が低いことが特徴である。さらに、非在来型ガスのひとつであるコールベッ

ド・メタン(CBM)を LNG にして出荷する、世界初の CBM-LNG プロジェクトであるクイーンズランド・

カーティス LNG プロジェクトにおいて、日本で初めて売買契約を締結し、更なる供給の安定性に努めている。

(ⅱ)ガス小売自由化:ガス販売の自由化は 1995 年より段階的に拡大されており、それと共に新規参入業者

による販売量も拡大していきた。2005 年度に 13.7%であった新規参入業者のシェアは 2008 年度には 22.0%

に上昇した。今後もガス市場における新規参入業者のシェアは一定の割合で推移すると考えられる。

費用項目 予測の考え方

固定費

減価償却費 有形固定資産合計額に対する比率を採用した。

変動費

売上原価およびその他販管費 売上原価、その他販管費共に売上高に対する比率を採用した。

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9.リスク要因

(ⅰ)原料調達支障:天然ガスをはじめとする都市ガス原料の大半を海外からの輸入に頼っているため、原料

輸入先のカントリーリスクやガス田・LNG 受入基地でのトラブル、LNG 船の運航上のトラブル、東京湾での

入港規制等により原料が長期にわたり調達できない場合には、都市ガスの供給に支障を及ぼす場合がある。

(ⅱ)自然災害:都市ガスの製造・供給設備を事業基盤の基盤としている装置産業であるため、阪神・淡路大

震災クラスの大地震でもガスの製造・供給を継続できるように設備耐震対策を実施し、また二次災害を防止す

るめの緊急対策を実施し災害の影響を最小限に抑えるよう対策を行っている。しかし、大規模な自然災害が発

生した場合、工場等の製造設備や導管等の供給設備等に損害を受け、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性が

あり、またその復旧に伴う費用が収支に影響を与える可能性がある。

(ⅲ)都市ガスの製造・供給に伴う事故及び供給支障:同社は社会全体の生活や産業を支える都市ガスの供給

を行っているため、ガスの大規模事故に備え非常事態対応体制を整備し、定期的な訓練を実施するなど事故・

供給支障の防止に取り組んでいる。しかし、都市ガスの製造・供給に伴う大規模な漏洩・爆発事故や供給支障

が生じた場合にはその損害に加えて社会的責任の発生に伴う損害が発生する可能性がある。

(Ⅳ)都市ガスの保安確保・ガス機器等製品品質上の問題:他社の都市ガス事故に起因する風評被害:他社に

おける都市ガス事故が都市ガス業界全体の信頼に重大な影響を及ぼし損害を被る事態が発生する可能性があ

る。

(Ⅴ)原料費の変動:都市ガスは原料が変動しても「原料費調整制度」により最大 5 カ月後にはガス料金に転

嫁される。しかし変動幅が基準価格の 160%を超える場合には超過分は未回収となるため、都市ガス原料であ

る LNG の調達先と契約更改・価格交渉の動向によっては終始に影響を及ぼす可能性がある。さらに長期契約

の LNG プロジェクトからの調達量を上回る需要増、輸送上のトラブルがある場合には、短期のスポット契約

により収支に影響を与える可能性がある。

(Ⅵ)天候変動によるガス販売量の変動:同社の売上高の約 7 割が都市ガスの販売によるものであるため、猛

暑や暖冬等の以上気象が発せした場合には、給湯・暖房用を中心とする家庭用ガス販売量やビル空調を中心と

する業務用ガス販売量が変動し、収支に影響を及ぼす可能性がある(Exhibit:27 参照)。

(Ⅶ)競争激化による需要の減少:電力会社との競合や大口ガス事業への新規参入者との競合が激化する場合

や、原油価格の変動等により将来 LNG そのものが他エネルギーとの競争力を失う場合には、需要が減少し収

支に影響を及ぼす可能性がある。

(Ⅷ)既存需要の減少:不況による設備稼働減や省エネ活動の進展及び産業構造の変化により工業用・商業用

の既存ガス需要の一部が減少する可能性がある。また、世帯人員の減少・生活形態の変化や省エネ機器の普及

等により家庭用の既存需要の一部が減少する可能性がある。

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対応図表

Exhibit:1売上高比率

Exhibit:2 営業利益比率

Exhibit:3 ガス販売量の実績と予測

Exhibit:4 2011 年のガス販売量内訳

Exhibit:5 都市ガス事業売上高予測

Exhibit:6 全社売上高予測

Exhibit:7 貸借対照表

Exhibit:8 損益計算書

Exhibit:9 キャッシュフロー計算書

Exhibit:10 リスクプレミアム

Exhibit:11WACC・DCF 法

Exhibit:12 過去 1 年日次株価推移

Exhibit:13 ROE、ROA、営業利益率

Exhibit:14 都市ガス業界シェア

Exhibit:15 日本と世界の 1 次エネルギー消費量

Exhibit:16 日本と世界の 1 次エネルギー需要見通し

Exhibit:17 天然ガスと他エネルギーの環境性比較

Exhibit:18 天然ガスと石油の可採年数比較

Exhibit:19 東京エリアの GDP 割合

Exhibit:20 東京都の人口予測と関東住宅ストック数

Exhibit:21 東京エリア 200km 圏内の潜在需要

Exhibit:22 東京ガスインフラ整備図

Exhibit:23 LNG 調達先リスト

Exhibit:24 卸売供給先リスト

Exhibit:25 原料費調整制度

Exhibit:26 原油価格と LNG 価格の推移

Exhibit:27 気温変動の売上にかかる影響

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Exhibit:1 売上高比率 (2011 年3月)

同社の有価証券報告書を用いて作成

Exhibit:2 営業利益比率 (2011 年3月)

同社の有価証券報告書を用いて作成

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Exhibit:3 ガス販売量の実績と予測 (百万㎥)

過去分は同社の決算説明会説明会の資料を元に作成

Exhibit:4 2011 年のガス販売量内訳

同社の決算説明会説明会の資料を元に作成

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Exhibit:5 都市ガス事業売上高予測

各種別ガス売上高計算方法

同社が発表している都市ガス事業の実績はガス販売量で発表されており、売上の予測を立てる上では金額ベ

ースに変換する必要がある。そこで、以下のような手順を用いて算出した。

① 直近の 2011 年のガス販売量の内訳を算出

② 各種別のガス販売量を予測

③ 2011 年の都市ガス事業の売上高×①×②=2012 年の用種別都市ガスの売上高

④ 前年の各種別都市ガス売上高×②=各年の各種別都市ガス事業の売上高

家庭用ガスは東京人口の伸びやインフラ整備による新規顧客獲得、そしてガス機器/システムの浸透率を高

めることで販売量の拡大をすることが可能と予測。業務用と工業用は、関東圏 200km の潜在需要の取り込み

を図り、また東日本大震災による天然ガスの重要性の高まりから成長が可能であると予測。しかし、業務用は

中長期的には高効率ガス機器の普及によるガス販売量の減少と相殺され、売上は一定であると予測した。卸売

供給は卸供給先の工業用需要の増加により堅調な成長が可能と判断した。そこで、同社が中期経営計画で掲げ

ている 2014 年時点の目標ガス販売量を達成できると判断し、現在の各種別の割合から達成する 2014 年に達

成できる成長率を逆算し、各々の成長率として設定した。

売上予測(百万円)

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021家庭用 252,372 254,573 256,793 259,033 261,292 263,570 265,869 268,187 270,526 272,886業務用 215,608 217,687 219,787 219,787 219,787 219,787 219,787 219,787 219,787 219,787工業用 571,324 612,797 657,280 704,992 756,168 811,058 869,933 933,082 1,000,814 1,073,463卸売供給 142,681 144,711 146,770 148,858 150,975 153,123 155,301 157,511 159,752 162,024合計 1,183,998 1,231,781 1,282,644 1,334,684 1,390,237 1,449,555 1,512,908 1,580,586 1,652,899 1,730,181

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Exhibit:6 全社売上高予測

全社売上高予測(百万円)

種別 色 適用期間 成長率家庭用 2012~2021 0.87%

2012~2014 0.90%2015~2021 0.00%

工業用 2012~2021 7.20%卸売供給 2012~2021 1.40%

業務用

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全社売上高内訳(事業間消却分差し引き前)(百万円)

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Exhibit:7 貸借対照

連結BS (百万円) 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021

資産の部現金及び預金 66,905 107,391 90,302 74,994 77,259 79,670 82,137 84,770 87,582 90,585 93,793 97,220 100,884余剰資金 0 0 0 14,000 0 0 0 0 18,318 59,666 101,144 142,755 184,501

受取手形及び売掛金(純額) 166,542 156,398 160,128 165,022 170,006 175,311 180,739 186,533 192,720 199,328 206,386 213,929 221,989在庫 60,755 57,091 48,979 53,289 54,898 56,611 58,364 60,235 62,233 64,367 66,646 69,082 71,685繰延税金資産 13,461 16,606 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624 15,624

その他流動資産 104,454 98,308 124,341 99,300 102,299 105,491 108,757 112,244 115,967 119,943 124,190 128,729 133,579流動資産合計 412,117 435,794 439,374 422,229 420,086 432,707 439,653 446,822 472,541 521,529 570,895 620,650 670,804

有形固定資産合計 1,110,852 1,108,843 1,120,243 1,154,479 1,189,347 1,226,460 1,264,433 1,304,969 1,348,253 1,394,480 1,443,864 1,496,629 1,553,021

のれん 1,233 1,460 1,198 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424 1,424

その他無形固定資産 24,816 26,517 39,945 28,650 29,515 30,436 31,378 32,384 33,458 34,606 35,831 37,140 38,540無形固定資産合計 26,049 27,977 41,143 30,074 30,939 31,860 32,802 33,808 34,882 36,030 37,255 38,564 39,964

投資その他の資産 215,166 268,357 228,900 246,765 254,218 262,151 270,267 278,932 288,184 298,065 308,620 319,898 331,952(投資有価証券) 68,849 94,785 91,978 101,024 104,075 107,323 110,646 114,193 117,981 122,026 126,347 130,965 135,899

(長期貸付金) 24,839 40,996 21,340 23,096 23,794 24,537 25,296 26,107 26,973 27,898 28,886 29,942 31,070固定資産合計 1,352,068 1,405,178 1,390,286 1,431,318 1,474,503 1,520,471 1,567,503 1,617,710 1,671,319 1,728,574 1,789,739 1,855,092 1,924,937

資産合計 1,764,185 1,840,972 1,829,661 1,853,547 1,894,589 1,953,178 1,985,420 2,018,701 2,071,373 2,148,186 2,226,280 2,305,696 2,386,478

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過去分は同社の有価証券報告書を元に作成

負債の部支払手形及び買掛金 103,319 134,946 76,180 100,699 103,740 106,977 110,289 113,825 117,600 121,632 125,940 130,542 135,461短期借入金 5,910 11,348 17,825 10,820 13,142 12,831 12,015 11,188 10,723 10,723 10,723 10,723 10,723新規借入 0 0 0 0 113,210 99,622 61,403 22,180 0 0 0 0 01年以内返済予定長期借入金 28,087 33,379 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688 18,688未払法人税等 34,894 34,945 32,795 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328 34,328その他流動負債 174,135 145,744 163,365 150,782 5,749 5,749 5,749 5,749 5,749 5,749 5,749 5,749 5,749

流動負債合計 346,345 360,362 308,853 315,317 288,857 278,195 240,942 202,730 181,984 183,943 185,966 188,055 190,212

社債 291,490 301,491 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492 311,492転換社債型新株予約権付社債 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0長期借入金 207,741 186,681 188,239 186,817 184,557 183,282 182,519 182,194 182,194 182,194 182,194 182,194 182,194退職給付引当金 100,734 130,903 96,870 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002 103,002役員退職慰労引当金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0繰延税金負債 3,654 4,448 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330 17,330資産除去債務 0 0 0 5,591 5,760 5,939 6,123 6,320 6,529 6,753 6,992 7,248 7,521その他固定負債 29,604 30,796 32,782 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788 32,788

固定負債合計 633,223 654,319 646,713 657,020 654,929 653,834 653,255 653,126 653,336 653,560 653,799 654,054 654,327

負債合計 979,568 1,014,681 955,567 972,337 943,786 932,029 894,111 855,677 835,036 837,104 839,240 841,444 843,721

純資産の部資本金 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844 141,844資本剰余金 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065 2,065利益剰余金 0 0 0 66,578 135,019 204,199 273,196 343,723 415,820 489,327 564,025 639,956 717,158自己株式 -2,361 -1,986 -2,355その他株主資本 631,047 657,389 718,439 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130 657,130

株主資本合計 772,595 799,312 859,993 867,616 936,057 1,005,238 1,074,235 1,144,761 1,216,859 1,290,365 1,365,064 1,440,994 1,518,197

その他包括利益累計額 -228 14,575 -1,073 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701 -2,701少数株主持分 12,250 12,404 15,174 16,233 17,447 18,613 19,775 20,964 22,179 23,418 24,678 25,958 27,261

純資産合計 784,617 826,291 874,094 881,210 950,803 1,021,149 1,091,309 1,163,024 1,236,337 1,311,082 1,387,041 1,464,252 1,542,757

負債純資産合計 1,764,185 1,840,972 1,829,661 1,853,547 1,894,589 1,953,178 1,985,420 2,018,701 2,071,373 2,148,186 2,226,280 2,305,696 2,386,478

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Exhibit:8 損益計算書

過去分は同社の有価証券報告書を元に作成

連結PL (百万円) 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021売上高 1,660,162 1,415,718 1,535,242 1,582,162 1,629,945 1,680,808 1,732,848 1,788,401 1,847,719 1,911,072 1,978,749 2,051,062 2,128,345

売上原価 1,139,791 854,231 974,781 1,000,037 1,030,240 1,062,388 1,095,282 1,130,395 1,167,888 1,207,932 1,250,709 1,296,416 1,345,263売上総利益 520,371 561,487 560,460 582,124 599,705 618,419 637,566 658,006 679,831 703,140 728,041 754,647 783,081

減価償却費 136,899 142,110 145,389 146,884 151,373 155,944 160,811 165,790 171,105 176,780 182,841 189,316 196,235その他販売費及び一般管理費 318,267 334,147 292,620 337,498 347,690 358,540 369,641 381,491 394,145 407,659 422,095 437,521 454,006

販売費及び一般管理費 455,166 476,257 438,009 484,381 499,063 514,485 530,452 547,281 565,249 584,439 604,936 626,837 650,241営業利益 65,204 85,229 122,451 97,743 100,642 103,935 107,115 110,725 114,581 118,702 123,104 127,810 132,840

受取利息 1,089 1,112 1,215 1,241 1,279 1,319 1,359 1,403 1,450 1,499 1,552 1,609 1,670受取利息配当金 1,675 1,091 1,541 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543 1,543その他 12,911 18,423 14,139 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692 14,692

営業外収益 15,675 20,626 16,895 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235 16,235支払利息(社債利息含む) 10,869 10,303 9,689 9,750 9,597 11,656 11,380 10,657 9,923 9,511 9,511 9,511 9,511その他営業外収益 11,673 12,033 8,109 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495 10,495

営業外費用合計 22,542 22,336 17,798 20,245 20,092 22,151 21,875 21,152 20,418 20,006 20,006 20,006 20,006経常利益 58,337 83,519 121,548 93,734 96,786 98,019 97,756 100,269 102,850 105,169 107,138 109,171 111,271

特別利益 10,775 0 40,653 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143 17,143特別損失 1,076 0 6,707 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594 2,594税金等調整前当期純利益 68,037 83,519 155,494 108,282 111,334 112,567 112,305 114,817 117,398 119,717 121,686 123,719 125,819

法人税等合計 25,264 28,866 59,424 44,071 41,452 41,911 41,813 42,749 43,710 44,573 45,306 46,063 46,845少数株主損益調整前当期純利益 42,773 54,653 96,070 64,211 69,882 70,656 70,492 72,069 73,689 75,144 76,380 77,656 78,974

少数株主利益 1,064 871 603 1,059 1,152 1,165 1,163 1,189 1,215 1,239 1,260 1,281 1,302当期純利益 41,708 53,781 95,467 63,152 68,730 69,491 69,329 70,880 72,474 73,905 75,121 76,376 77,672

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Exhibit:9 キャッシュフロー計算書

CF計算書 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021当期純利益 41,708 53,781 95,467 63,152 68,730 69,491 69,329 70,880 72,474 73,905 75,121 76,376 77,672減価償却 136,899 142,110 145,389 146,884 151,373 155,944 160,811 165,790 171,105 176,780 182,841 189,316 196,235受取手形及び売掛金(純額) 6,347 10,144 -3,730 -4,894 -4,984 -5,305 -5,428 -5,794 -6,187 -6,608 -7,059 -7,542 -8,061在庫 -22,231 3,664 8,112 -4,310 -1,609 -1,713 -1,753 -1,871 -1,998 -2,134 -2,279 -2,436 -2,603繰延税金資産 243 -3,145 982 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0繰延税金負債 588 794 12,882 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他流動資産 -48,377 6,146 -26,033 25,041 -2,999 -3,192 -3,266 -3,487 -3,723 -3,976 -4,248 -4,539 -4,850支払手形及び買掛金 3,967 31,627 -58,766 24,519 3,041 3,237 3,312 3,536 3,775 4,032 4,307 4,602 4,919未払法人税等 9,744 51 -2,150 1,533 0 0 0 0 0 0 0 0 0

営業CF 128,888 245,172 172,153 251,925 213,552 218,462 226,302 230,408 234,638 238,790 242,815 246,969 251,259

有形固定資産合計 13,270 2,009 -11,400 -34,236 -34,867 -37,113 -37,973 -40,536 -43,283 -46,228 -49,383 -52,766 -56,392のれん 600 -227 262 -226 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他無形固定資産 -3,430 -1,701 -13,428 11,295 -865 -921 -942 -1,006 -1,074 -1,147 -1,225 -1,309 -1,399投資その他の資産 13,856 -53,191 39,457 -17,865 -7,453 -7,933 -8,117 -8,664 -9,252 -9,881 -10,555 -11,278 -12,053資産除去債務 0 0 0 5,591 169 180 184 196 210 224 239 256 273減価償却(-) -136,899 -142,110 -145,389 -146,884 -151,373 -155,944 -160,811 -165,790 -171,105 -176,780 -182,841 -189,316 -196,235

投資CF -112,603 -195,220 -130,498 -182,325 -194,389 -201,732 -207,659 -215,800 -224,504 -233,812 -243,766 -254,414 -265,806

FCF 16,285 49,952 41,655 69,600 19,163 16,730 40,294 40,910 41,537 41,967 42,147 42,331 42,518

短期借入金 -2,468 5,438 6,477 -7,005 2,322 -311 -816 -828 -464 0 0 0 0新規借入 0 0 0 0 0 0 -38,219 -39,223 -22,180 0 0 0 01年以内返済予定長期借入金 -2,918 5,292 -14,691 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他流動負債 31,450 -28,391 17,621 -12,583 -145,033 0 0 0 0 0 0 0 0社債 -39,999 10,001 10,001 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0転換社債型新株予約権付社債 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0長期借入金 52,093 -21,060 1,558 -1,422 -2,260 -1,275 -763 -325 0 0 0 0 0退職給付引当金 7,177 30,169 -34,033 6,132 0 0 0 0 0 0 0 0 0役員退職慰労引当金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他固定負債 -3,260 1,192 1,986 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0資本金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0資本剰余金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0利益剰余金 -41,454 -53,522 -95,170 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0自己株式 40,413 375 -369 2,355 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他株主資本 -3,072 26,342 61,050 -61,309 0 0 0 0 0 0 0 0 0その他包括利益累計額 -34,048 14,803 -15,648 -1,628 0 0 0 0 0 0 0 0 0少数株主持分 868 154 2,770 1,059 1,152 1,165 1,163 1,189 1,215 1,239 1,260 1,281 1,302支払配当金 -254 -259 -297 -268 -289 -311 -332 -354 -376 -399 -422 -445 -469

財務CF 4,528 -9,466 -58,745 -74,600 -144,108 -731 -748 -318 375 841 838 835 833

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過去分は同社の有価証券報告書を元に作成

現金同等物の増減 20,813 40,486 -17,090 -1,308 -124,945 15,999 39,546 40,592 41,912 42,808 42,985 43,166 43,352

期首現金 46,092 66,905 107,391 90,302 88,994 77,259 79,670 80,997 82,366 102,098 144,906 187,891 231,057期末現金 66,905 107,391 90,301 88,994 -35,951 93,258 119,216 121,589 124,278 144,906 187,891 231,057 274,409

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Exhibit:10 リスクプレミアム

1972 年~2010 年までの配当込み TOPIX から得られたリターンからリスクフリーレートを差し引き、取得

したデータの期間の平均値を計算した結果、リスクプレミアムは 5.26%と算出された。同社の期待収益率の算

出にあたって、同値を採用した。

年 マーケット(%) 10年物国債(%) リスクプレミアム(%)

1972 72.1 6.91 65.191973 30.3 6.99 23.311974 -11.4 8.12 -19.521975 5.9 8.36 -2.461976 16.1 8.23 7.871977 11.7 7.43 4.271978 15 6.31 8.691979 10.8 7.25 3.551980 8.4 8.44 -0.041981 21 8.18 12.821982 2.1 8.03 -5.931983 23 7.83 15.171984 29.4 7.39 22.011985 27 6.65 20.351986 40.1 5.49 34.611987 46.2 4.87 41.331988 14.6 4.97 9.631989 22.4 5.01 17.391990 -15.9 6.75 -22.651991 -11.3 6.32 -17.621992 -24.8 5.27 -30.071993 13.7 4.29 9.411994 7.3 4.22 3.081995 -13.1 3.47 -16.571996 17.7 3.13 14.571997 -9.4 2.36 -11.761998 -10.2 1.52 -11.721999 23.1 1.73 21.372000 19.5 1.71 17.792001 -15.1 1.29 -16.392002 -14.3 1.28 -15.582003 -2.5 0.99 -3.492004 27.4 1.50 25.902005 17.1 1.36 15.742006 30.5 1.75 28.752007 4.5 1.70 2.802008 -26.2 1.52 -27.722009 -20.8 1.36 -22.162010 4.4 1.19 3.21

5.261972年~2010年平均

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Exhibit:11WACC・DCF 法

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021

都市ガス 1,183,998 1,231,781 1,282,644 1,334,684 1,390,237 1,449,555 1,512,908 1,580,586 1,652,899 1,730,181器具及びガス工事 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472 177,472その他エネルギー 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292 221,292不動産 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797 32,797

その他 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302 162,302合計 1,773,619 1,817,122 1,863,665 1,888,102 1,913,328 1,939,369 1,966,254 1,994,010 2,022,665 2,052,251事業間内部消去 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699 195,699売上高 1,582,162 1,629,945 1,680,808 1,732,848 1,788,401 1,847,719 1,911,072 1,978,749 2,051,062 2,128,345

売上原価 1,000,037 1,030,240 1,062,388 1,095,282 1,130,395 1,167,888 1,207,932 1,250,709 1,296,416 1,345,263販売費及び一般管理費 484,381 499,063 514,485 530,452 547,281 565,249 584,439 604,936 626,837 650,241EBITA 97,743 100,642 103,935 107,115 110,725 114,581 118,702 123,104 127,810 132,840

みなし税 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407 0.407NOPLAT 57,962 59,681 61,633 63,519 65,660 67,947 70,390 73,001 75,791 78,774

減価償却費 146,884 151,373 155,944 160,811 165,790 171,105 176,780 182,841 189,316 196,235グロスキャッシュフロー 204,845 211,054 217,578 224,330 231,450 239,051 247,170 255,842 265,107 275,009

運転資金の増加 -15,315 3,552 3,781 3,868 4,130 4,409 4,709 5,031 5,375 5,745設備投資 156,408 162,870 169,599 176,605 183,902 191,500 199,412 207,650 216,229 225,163総投資額 141,093 166,422 173,379 180,474 188,032 195,909 204,121 212,681 221,605 230,908

営業FCF 63,753 44,632 44,198 43,856 43,418 43,142 43,049 43,161 43,503 44,101

割引率 1.03 1.05 1.08 1.11 1.14 1.17 1.20 1.23 1.26 1.29現在価値 31,465 21,741 21,245 20,798 20,312 19,906 19,587 19,363 19,239 19,224

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現在価値合計 212,879

永久成長率 0%

割引率 1.33継続価値 1,271,562

事業価値 1,484,441

非事業用資産 228,900企業価値 1,713,341

有利子負債 536,244

少数株主持分 15,174株主資本価値 1,161,923

発行済株式数 2,590,715,295

理論株価 ¥448

国債金利 1.08%

リスクプレミアム 5.26%

β 0.471

rE 3.55%

rD 1.82%

税率 40.70%

有利子負債 536244

純資産 874094

税引き後WACC 2.61%

割引率 1.03

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Exhibit:12 過去 1 年日次株価推移(円)

出典:Yahoo!ファイナンス

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Exhibit:13 ROE、ROA、営業利益率、自己資本比率

ROE(対ガス会社) ROE(対東京電力)

ROA(対ガス会社) ROA(対東京電力)

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営業利益率(対ガス会社) 営業利益率(対東京電力)

自己資本比率(対都市ガス会社) 自己資本比率(対東京電力)

0.00%

5.00%

10.00%

15.00%

20.00%

25.00%

30.00%

35.00%

40.00%

45.00%

50.00%

2007 2008 2009 2010 2011

東京ガス

東京電力

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Exhibit:14 都市ガス業界シェア

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011」

都市ガス業界は約 200 社の都市ガス会社が存在するが、そのうち上位 4 社で全体の売上高の 7 割を占めてお

り、また各大手では全く異なる事業基盤を有するため、実質的に競合関係にはないと言える。

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Exhibit:15 日本と世界の 1 次エネルギー消費量(2010 年)

日本の 1 次エネルギー消費量

世界の 1 次エネルギー消費量(2010 年)

出典: BP Statistical Review of World Energy, June 2011

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Exhibit:16 日本と世界の 1 次エネルギー需要見通し

日本の 1 次エネルギー需要見通し(%)

世界の 1 次エネルギー需要見通し(%)

出典: IEA [World Energy Outlook 2010]

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Exhibit:17 天然ガスと他エネルギーの環境性比較

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011」

Exhibit:18 天然ガスと石油の可採年数比較(年)

出典:大阪ガス「アニュアルレポート 2011」

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Exhibit:19 東京エリアの GDP 割合

出典:内閣府「県民経済計算」

東京エリア:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県

大阪エリア:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県

名古屋エリア:愛知県、岐阜県、三重県

Exhibit:20 東京都の人口予測と関東住宅ストック数(万人)

東京都人口予測

出典:東京都総務局統計部人口統計課「東京都男女年齢(5歳階級)別人口の予測」

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関東住宅ストック数(万戸)

出典:富士経済研究所「エネルギー需要家別マーケット調査要覧 2010(住宅分野編)」

Exhibit:21 東京エリア 200km 圏内の潜在需要

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011」

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Exhibit:22 東京ガスインフラ整備図

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011」

Exhibit:23 LNG 調達先リスト

プロジェクト名 年間契約量(千トン) 契約開始年(年) 契約期間(年)

ブルネイ 1240 1972 ~2013

マレーシアⅠ 2600 1983 ~2018

西オーストラリア 530 1989 ~2016

インドネシア 920 1994 ~2013

マレーシアⅡ 800 1995 ~2015

カタール 350 1997 ~2021

マレーシアⅢ 340 2004 ~2024

西オーストラリア拡張 1073 2004 ~2029

豪ダーウィン 1000 2006 ~2022

ロシア、サハリンⅡ 1100 2009 ~2031

プルート 1500~1750 2012 ~2027

ゴーゴン 1100 2014 ~2039

クイーンズランド、カーティス 1200 2015 ~2035

出典:東京ガス「インベスターズガイド 2011」

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Exhibit:24 卸売供給先リスト

卸売供給先リスト

事業者名 供給開始年 事業者名 供給開始年

①千葉ガス 1968 ⑮小田原瓦斯 2000

②習志野市企業局 1974 ⑯太田都市瓦斯 2001

③厚木瓦斯 1974 ⑰武陽瓦斯 2003

④台東ガス 1975 ⑱栃木ガス 2004

⑤京葉瓦斯 1978 ⑲佐野瓦斯 2004

⑥築波学園ガス 1979 ⑳北日本ガス 2006

⑦武州ガス 1985 ㉑日本瓦斯 2006

⑧昭島ガス 1988 ㉒関東天然瓦斯開発 2006

⑨東彩ガス 1988 ㉓東上ガス 2007

⑪大多喜ガス 1989 ㉔伊奈都市ガス 2007

⑫東日本ガス 1991 ㉕野田ガス 2007

⑬鷲宮ガス 1995 ㉖館林ガス 2007

⑭秦野ガス 1996

出典:東京ガス「インベスターズガイド 2011」

LNG 販売先リスト

事業者名 供給開始年

①松栄ガス 1975

②美浦ガス 1977

③常磐都市ガス 1987

④西武ガス 1988

⑤総武ガス 1991

⑥いわきガス 1992

⑦東都ガス 1998

⑧秩父ガス 2004

⑨渋川ガス 2004

⑪北海道ガス 2005

⑫常磐共同ガス 2006

出典:東京ガス「インベスターズガイド 2011」

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Exhibit:25 原料費調整制度

Exhibit:26 原油価格と LNG 価格の推移

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011」

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Exhibit:27 気温変動の売上にかかる影響

気温 1℃上昇のガス販売量への影響

季節 変動率

夏期(6~9 月) 0.1%

冬期(12~3 月) -2.3%

中間期(4.5.10.11 月) -2.1%

年間計 -2.1%

出典:東京ガス「アニュアルレポート 2011

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