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Ciscoと日立によるSAP HANA ® ソリューション評価 (SAP HANAインストレーション/ フラッシュストレージ接続評価編) 株式会社 日立製作所 ITプロダクツ統括本部

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Ciscoと日立によるSAP HANA®ソリューション評価 (SAP HANAインストレーション/

フラッシュストレージ接続評価編)

株式会社 日立製作所 ITプロダクツ統括本部

前書き

■著作権

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遵守してください。

■商標類

・Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc.またはそ

の関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。

・SAP、SAP HANA、および本文書に記載されたその他のSAP製品、サービス、ならびにそ

れぞれのロゴは、ドイツおよびその他の国々におけるSAP SEの商標または登録商標で

す。

・Linuxは、Linus Torvalds氏の日本およびその他の国における登録商標または商標で

す。

・IntelおよびXeonは,アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel

Corporation の商標です。

・その他記載の会社名、製品名などは、それぞれの商標または登録商標です。

■その他

製品の改良により予告なく記載されている仕様が変更になることがあります。

■発行

2018年8月

目次

1. 共同評価について ................................................................... 1

2. 本評価レポートについて ............................................................. 2

2.1 対象読者 .......................................................................... 2

2.2 背景と目的 ........................................................................ 2

3. 評価観点 ........................................................................... 5

4. 評価結果 ........................................................................... 6

5. 評価構成 ........................................................................... 7

5.1 システム概要 ...................................................................... 7

5.2 主要機器 .......................................................................... 8

5.3 接続構成 .......................................................................... 9

5.4 主要パラメータ ................................................................... 11

5.5 各コンポーネントの管理 ........................................................... 12

5.6 SAP HANAシステム構成 ............................................................ 13

6. 評価実施内容 ...................................................................... 15

6.1 サーバ設定 ....................................................................... 15

6.2 ストレージ設定 ................................................................... 17

6.3 OSインストール ................................................................... 20

6.4 SAP HANAインストール ............................................................. 22

6.5 SAP HANA起動確認 ................................................................. 23

■変更履歴

レビジョン 変更日 変更内容

01-00 2018/8/9 新規作成

用語/略語一覧

# 用語/略語 内容

1 VSP Hitachi Virtual Storage Platformの略

2 FCoE Fiber Channel over Ethernetの略

3 VDI Virtual Desktop Infrastructureの略

4 TDI Tailored Datacenter Integrationの略

5 LDEV Logical Deviceの略

日立ストレージ内のボリュームを指す

1

1. 共同評価について

シスコシステムズ合同会社と日立製作所の共同プロジェクトにおいて、Cisco UCSサーバ、ネットワー

ク製品と日立ストレージの組み合わせを共同で評価している。

本評価レポートでは、SAP HANAソリューションにおいてCisco UCSサーバ、ネットワーク製品と2018年

5月に販売開始された日立ストレージ(VSP G700 SSD構成)を組み合わせ、評価を行った内容について

報告する。

2

2. 本評価レポートについて

2.1 対象読者

SAP HANAシステムの導入を検討されているITシステム担当者、およびそれをサポートするシステムイ

ンテグレーター。

2.2 背景と目的

Ciscoと日立によるSAP HANAソリューションは、SAP HANA Appliance認定を取得したCisco UCSサーバ

(Cisco Unified Computing System)とSAP HANA Enterprise Storage認定を取得したHitachi Virtual

Storage Platformストレージが、Cisco NexusスイッチおよびCisco MDS ファイバチャネルスイッチ

により接続された構成である。最新の認定情報は以下のSAP社Webページで確認できる。

[Certified and Supported SAP HANA Hardware Directory]

リンク先:https://www.sap.com/dmc/exp/2014-09-02-hana-hardware/enEN/appliances.html

Cisco UCSサーバおよび日立ストレージには以下キーテクノロジーがあり、これらを組み合わせてSAP

HANAソリューションを構築する。

[Cisco UCS サーバのハードウェア抽象化テクノロジー]

Cisco UCSサーバが提供するFCoE (Fiber Channel over Ethernet)テクノロジーが、高い信頼性が必

要とされるストレージ環境において、ファイバチャネル接続の物理結線量を削減するとともに、より

柔軟な構成を可能とする。またビルトイン管理ソフトウェア UCS Managerがファイバチャネル設定値

を含めた物理サーバのハードウェアID群を抽象化し、「論理的なハードウェア設定」によるシステム基

盤運用へより高いフレキシビティを提供する。

[日立ストレージの概要]

2018年5月に販売開始された日立ストレージVSP Fx00およびVSP Gx00モデルは、エンタープライズス

トレージのマイクロプログラムをベースに仮想化技術を受け継ぎながらも、一新したユーザーインタ

ーフェースで容易に構築・運用が可能なストレージである。フラッシュの性能を活かしきるアーキテ

クチャに刷新したオールフラッシュモデルと、フラッシュとHDDの実装・階層化で性能・価格・構成の

バランスのとれたハイブリッドモデルを提供する。

オールフラッシュモデルは、日立独自開発フラッシュをベースとした高性能・高容量効率のF700、

F900と、SSDをベースとした省スペース、高コストパフォーマンスのF350、F370の全4モデルを提供す

る。基幹業務からクラウド、VDIなど、お客様のビジネス規模に合わせて選択が可能である。

ハイブリッドモデルは性能、拡張性、柔軟性の高いG900からコスト重視のG130まで、全6モデルを提

供する。幅広いラインナップから要件に合わせたシステムを構築可能である。

VSP Fx00およびVSP Gx00モデルの特長を以下に示す。

3

⚫ 誰でも、すぐに、簡単に柔軟な環境構築・運用を実現する新インターフェース

ユーザーインターフェースを一新し、専用端末(SVP)不要の新GUI、APIを標準で提供する。ユー

ザーが意識するストレージ階層を削減し、直感的なインターフェースとシンプルな手順、早い

レスポンスで導入、運用の容易化を実現する。

⚫ 機能強化した高性能・高信頼・大容量なフラッシュモジュールドライブ

ハードウェアによるデータ圧縮機能(Accelerated Compression)で、高いデータアクセス性能を

維持しながらもフラッシュの空き容量を拡大。リソースの効率的な利用が可能となり、企業内

のさまざまな業務を1台のストレージに集約することができる。

⚫ エンタープライズディスクアレイの主要機能をサポート

仮想化機能をはじめとする以下のエンタープライズディスクアレイの主要機能サポートし、既

存IT資産を含めたストレージシステム全体で柔軟な容量拡張性や高い使用効率、運用管理・性

能設計の自動化、高い継続性を実現することができる。

・ストレージデバイス仮想化機能(Hitachi Universal Volume Manager)により、ミッドレンジ

ストレージクラスにおいて、大量データの保存が可能なスケーラビリティの提供、既存資産を

含めたストレージシステムの効率的な運用管理・活用、データ移行時のシステム停止時間を短

縮することができる。

・ボリューム容量仮想化機能(Hitachi Dynamic Provisioning)により、業務アプリケーション

に割り当てるボリューム容量を仮想化し、複雑なボリューム容量設計や性能設計を簡素化する。

これにより、ビジネス要件の急激な変化に対応する。

・階層管理の仮想化機能(Hitachi Dynamic Tiering)により、アクセス性能を維持しつつ、運用

管理の容易化とストレージコストの低減を実現する。ストレージ仮想化層で、大量データの適

材適所なデータ配置と運用管理の自動化を実現することで、データの多様化・複雑化に対応す

る。

・非同期リモートコピー(Hitachi Universal Replicator)やAcvtive-Activeなボリュームミラ

ーリング機能(global-active device)をサポートし、エンタープライズレベルのRPO(Recovery

Point Objective)を実現することができる。

⚫ スモールスタートやシステム成長に対応するスケーラビリティと性能

・VSP G700モデルの場合、ディスクレス構成からドライブ搭載数を最大1200台まで拡張できる

ため、システム成長に柔軟に対応できるシステム容量拡張性を確保している。さらに仮想化機

能の利用により、異機種ストレージまで含めると最大192PiB (ただし1PiB = 1024^5B)までのス

トレージ空間に対応することができる。

VSP Gx00モデルの場合、高性能/省電力なフラッシュドライブ、省スペース/省電力のSASディ

スクドライブ、大容量/低ビットコストのニアラインSAS(NL-SAS)ディスクドライブをサポート

している。また、広帯域/高密度の12Gbps SASバックエンドを採用し、高速かつ柔軟なデータ

4

処理を実現している。

本評価レポートでは、シスコシステムズ合同会社と共同でCisco UCSサーバ、ネットワーク製品と

2018年5月に販売開始された日立ストレージ(VSP G700)上のSSDに対するSAP HANAのインストレーショ

ンおよび接続性評価を行った内容について報告する。

5

3. 評価観点

接続構成の特徴は以下の通りである。

・SAP社認定Cisco UCSサーバ CシリーズとSAP社認定ストレージ日立VSPシリーズの

接続による、Tailored Datacenter Integration(TDI)構成。

・FCoE構成によるCisco UCSサーバと日立ストレージとの接続。

FCoEによるCisco UCSサーバと日立ストレージを接続したSAP HANA TDI構成でのSAP HANAインストレ

ーションと接続評価を本評価で実施する。

6

4. 評価結果

Cisco UCSサーバ、ネットワーク製品と日立ストレージによるSAP HANAソリューションにおける接

続性評価において問題無いことを確認できた。

# 項目 結果 備考

1 サーバ設定

ストレージ設定

問題

無し

・UCS ManagerにてService Profileを用いてCisco UCS

サーバの設定できることを確認した。

・Device Managerにて日立ストレージの設定ができる

ことを確認した。

2 OSインストール

SAP HANAインストール

問題

無し

・Cisco UCSサーバから日立ストレージに対しOSインス

トールを実施し、正常にSANブートできることを確認

した。

・SAP HANAを正常にインストールできることおよび、正

常起動できることを確認した。

7

5. 評価構成

5.1 システム概要

Cisco UCSサーバ、ネットワーク製品と日立ストレージによるSAP HANAソリューションのシステム概要

を示す。

Cisco UCSサーバ構成

8

ストレージ構成

5.2 主要機器

説明 ベンダ 名称 品名 員数

LANスイッチ Cisco Nexus 93180YC-EX N9K-C93180YC-EX 2

ファブリックインターコネクト Cisco UCS 6332-16UP UCS-FI-6332-16YP-U 2

サーバ Cisco UCS C240M5 UCSC-C240-M5SX 2

FCスイッチ Cisco MDS9396S DS-C9396S-96EK9 2

ストレージ 日立 VSP G700 HT-40SE-CBLH1 1

9

5.3 接続構成

⚫ LANスイッチ Nexus 93180YC-EX

・10/25 Gbps ファイバ ×48ポート

・40/100 Gbps QSFP28 ×6ポート

・2基の電源を搭載可能

・4基のファンを搭載可能

10

⚫ Fabric Interconnect UCS 6332-16UP

・1Uのサイズで40ポート接続可能

・16ポートのユニファイドポート

・スループット2.43Tbps

・2基の電源を搭載可能

・2基のファンを搭載可能

⚫ FCスイッチ MDS9396S

・2/4/8/16 Gbps×96ポート

・2基の電源を搭載

・2基のファンを搭載

⚫ ラックサーバ UCS C240M5

・2Uラックサーバ

・Intel XeonプロセッサスケーラブルファミリCPUを2基搭載可能

・DDR4 DIMMを24枚搭載可能(最大3072GiB)

・PCI Express 3.0スロットを6本

・2基の電源を搭載可能(ホットスワップ可能)

・6基のファンを搭載可能(ホットスワップ可能)

⚫ ストレージ VSP G700

・FC 16/32 Gbps×48ポート

・ドライブ搭載可能台数 864 (2.5型ドライブボックス使用時)

・サポートRAIDレベル RAID5(2D+1P~8D+1P)、RAID1(2D+2D、4D+4D)、

RAID6(4D+2P、6D+2P、8D+2P、10D+2P、12D+2P、14D+2P)

・キャッシュメモリー最大容量 512GiB

11

5.4 主要パラメータ

(1) BIOS設定値

主要なBIOS設定値

分類 項目 設定値

CPU Processor C-state Disabled

CPU performance hpc mode

Memory Memory RAS Maximum performance

NUMA Enabled

(2) OS(SUSE Linux)設定値

SAP Note(OS setting recomendation)に記載の設定を反映。

(3) vNIC設定値

下記vNICをFCoEプロトコルで構築

# vNIC 説明

1 ether-HANA-Internal 業務用のLAN

2 ether-Replication SAP HANA System Replication用のLAN

12

5.5 各コンポーネントの管理

各コンポーネントについて、Cisco UCSサーバ、ネットワーク製品はUCS Manager、日立ストレージは

Device Managerで管理を実施。

13

5.6 SAP HANAシステム構成

SAP HANAバージョン: HANA 2.0 SPS03

本評価におけるSAP HANAシステムのストレージ構成を示す。

HDP Pool RAID Level

and Disks

LDEV ID LDEV Name LDEV Size

OS_SH_DT_Pool_S01

(for OS, Shared,

Data)

RAID10(2D+2D)

3.8TB SAS SSD

00:02:00 OS_Node02 100 GiB

00:02:01 SHARED_Node02 768 GiB

00:02:02 DATA_Node02_01 192 GiB

00:02:03 DATA_Node02_02 192 GiB

00:02:04 DATA_Node02_03 192 GiB

00:02:05 DATA_Node02_04 192 GiB

LG_Pool_S01

(for Log)

RAID10(2D+2D)

3.8TB SAS SSD

00:03:00 LOG_Node02_01 128 GiB

00:03:01 LOG_Node02_02 128 GiB

00:03:02 LOG_Node02_03 128 GiB

00:03:03 LOG_Node02_04 128 GiB

OS_SH_DT_Pool_H01

(for OS, Shared,

Data)

RAID6(14D+2P)

1.8TB SAS HDD

00:00:00 OS_Node01 100 GiB

00:00:01 SHARED_Node01 768 GiB

00:00:02 DATA_Node01_01 192 GiB

00:00:03 DATA_Node01_02 192 GiB

00:00:04 DATA_Node01_03 192 GiB

00:00:05 DATA_Node01_04 192 GiB

LG_Pool_H01

(for Log)

RAID6(6D+2P)

1.8TB SAS HDD

00:01:00 LOG_Node01_01 128 GiB

00:01:01 LOG_Node01_02 128 GiB

00:01:02 LOG_Node01_03 128 GiB

00:01:03 LOG_Node01_04 128 GiB

14

SAP HANAシステムにおけるファイルシステムのレイアウトを示す。

15

6. 評価実施内容

6.1 サーバ設定

Cisco UCSサーバは、管理ツールである UCS Managerにて管理する。 UCS Managerは Fabric

Interconnect上で動作し、Webブラウザベースにて、Fabric Interconnectに接続されるUCSサーバ

のリソースを設定、管理することが可能である。UCS Managerの起動は以下のように、ブラウザに

て起動しログインを行う。

UCS Managerでは機器の管理が可能である。以下、機器管理画面を示す。

Fabric Interconnectと各UCSサーバ接続画面は下記の通りとなる。

16

UCSサーバの管理はUCS Managerの下記の画面にて行う。

サーバを構成する際、UCSサーバ上にService Profileを作成する必要がある。Service Profile

とは、物理サーバを論理的に表現したものである。各サーバは、OSをインストールできる物理サ

ーバとするためにService Profileへ関連付けが必要となる。Service Profileは直接の設定値と

Policyにて構成され、共通設定部分については、Templateにより作業の簡略化を行うことが可能

である。

Service Profile オプションのポリシー・ID(UUID、BIOSなど) ・スクラブポリシー・ローカルストレージポリシー ・ヘルスポリシー・ファームウェアアップデートグループ ・外部管理アクセス・統計ポリシー vHBA …

・ID(WWPN)ブートポリシー ・ファブリック接続・ブートデバイス ・設定・ブートオーダー

vNIC … ・ID(MAC)

ファームウェアポリシー ・ファブリック接続・ファームウェア情報 ・ハイアベイラビリティ

・QoSポリシー・設定

17

本評価でOSインストール対象とするUCSサーバ(C240M5)の構築について下記に記す。

Service Profileを作成する際、事前に作成したTemplate及び、Policyを割り当てる。作成した

Service Profileについては、該当サーバに割り当てることにより、OSインストール可能な状態

となる。

6.2 ストレージ設定

Device Manager起動

管理サーバにてDevice Managerを起動

1. UUID, IP, MAC, WWNN and WWPN Poolの設定

2. vNIC and vHBA Templateの作成

3. Ethernet Uplink Port-Channelの作成

4. SAN BootのためのServer Boot Policyの作成

上記、事前設定を行い、割り当て実施

18

ログイン画面

Device Managerにログイン

ストレージ物理画面

ストレージの物理構成を確認。

19

パリティグループ設定

パリティグループ(RAID構成)を設定。

LDEV設定

LDEV(論理デバイス)を設定。

ポート設定

LDEVをポートにマッピングする。

20

6.3 OSインストール

メディアマウント

UCS KVMにてOSメディアをマウント。

SUSEインストール

SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications12 SP3のインストールを実施

SANブート

日立ストレージからのブートを実施。

21

SUSEログイン

SUSEへのログインを実施。

22

6.4 SAP HANAインストール

SAP HANAをインストール。

23

6.5 SAP HANA起動確認

SAP HANAを正常に起動できることを確認。

HANA StudioからSAP HANAが管理できることを確認。

以上

SAP HANAにより物理メモリが正常に認識されていることを確認