低歪み真空窓の組み立て(真空作業報告) 用意した物 · 締めをできる...

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NS Technical Note 08-05 低歪み真空窓の組み立て(真空作業報告) 作業報告日 2008 8 19 修正 11 月6日 作業メンバー 庄司、皆川、篠本、竹田 作業報告者 竹田 1 用意した物 反射防止膜付 BK7 窓板(Appendix III 参照)、アルミニウムの Helicoflex 断面 4.9(Appendix III 参照)2 本、 ナット、ワッシャー スプリングワッシャー、フランジ、 エタノール、ベンコット、トルクレンチ、ゴム手袋、フランジ(図1)。 図1 低歪み真空窓用フランジ対 2 作業の進め方 ゴム手袋を付け真空にする箇所をベンコットにエタノールを付け拭き、上からフランジ、 Helicoflex、大気側の片面に反射防止膜付窓板、Helicoflex、フランジの順番に装着し、ナ ットとスプリングワッシャーとワッシャーを付け、トルクレンチで締めた。締めをできる だけ均一にするように、もれることの無い様に図の様に番号をつけて対角に締めていった (図2)。1 対のフランジ間ギャップをノギスで測定しながら締め付けトルクを増していっ た(表1)。

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Page 1: 低歪み真空窓の組み立て(真空作業報告) 用意した物 · 締めをできる だけ均一にするように、もれることの無い様に図の様に番号をつけて対角に締めていった

NS Technical Note 08-05

低歪み真空窓の組み立て(真空作業報告)

作業報告日 2008年 8月 19日 修正 11月6日 作業メンバー 庄司、皆川、篠本、竹田 作業報告者 竹田

○1 用意した物

反射防止膜付 BK7窓板(Appendix I、 II参照)、アルミニウムの Helicoflex断面 4.9mm(Appendix III 参照)2本、 ナット、ワッシャー スプリングワッシャー、フランジ、

エタノール、ベンコット、トルクレンチ、ゴム手袋、フランジ(図1)。

図1 低歪み真空窓用フランジ対

○2 作業の進め方

ゴム手袋を付け真空にする箇所をベンコットにエタノールを付け拭き、上からフランジ、

Helicoflex、大気側の片面に反射防止膜付窓板、Helicoflex、フランジの順番に装着し、ナットとスプリングワッシャーとワッシャーを付け、トルクレンチで締めた。締めをできる

だけ均一にするように、もれることの無い様に図の様に番号をつけて対角に締めていった

(図2)。1 対のフランジ間ギャップをノギスで測定しながら締め付けトルクを増していった(表1)。

Page 2: 低歪み真空窓の組み立て(真空作業報告) 用意した物 · 締めをできる だけ均一にするように、もれることの無い様に図の様に番号をつけて対角に締めていった

使用した Helicoflex の断面は 4.9 mm なので Appendix III のグラフから最適圧縮量0.9mm である。上側、下側両方あるので、合わせて 1.8mmが推奨値。しかし、きつく締めすぎるとガラスが歪んでしまうことなどを考慮して圧縮量を緩めにした。

○3 その後の経過

ソフトベイク中、更にリングに取り付けた現在も、増締めなしてリークは見られない。

図2 フランジのボルト番号と、フランジ間ギャップ測定位置。

表1 ボルトの締め付けトルクとフランジ間ギャップ。

締付トルク

測定位置 0 25

kg cm 35 kg cm

45 kg cm

50 kg cm

60 kg cm

65 kg cm

下の長さ(mm) 5.5 5.0 4.8 4.7 4.6 4.55 4.5 左の長さ(mm) 5.5 5.0 4.8 4.7 4.6 4.55 4.5 上の長さ(mm) 5.5 5.0 4.8 4.7 4.6 4.55 4.5 右の長さ(mm) 5.5 5.0 4.8 4.7 4.6 4.55 4.5

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Appendix I 反射防止膜付窓板

反射防止膜付窓板は、温度、圧力、化学組成、清浄度、相など、環境の異なる 2 相間で光をやりとりする際の透明隔壁として使用する。

Appendix II BK7 BK7は光学ガラスの一種で組成の分類では硼珪酸ガラスとなります。BK7は光学ガラスの中では一番多く製造され、350nm~2000nm までの透過が良く、泡、不純物の少ない均

質で安価な光学材料である。

特徴

1. 化学的に安定しており表面の変質(ヤケ)が少ない。

2. 光学ガラスの中では硬い材料でキズがつきにくい。

3. 泡、不純物の含有量が少なく、350nm~2000nm での透過率がよい。

4. 光学研磨がし易く入手が容易である。

5. 大量に生産されているため、他の光学ガラスに比較して安価で、均質性が良い

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Appendix III Helicoflex 技術資料

特性曲線 弾性特性によって使用中に効果的な弾性復元を確保でき、この弾性復元によって温度サ

イクルによるフランジアセンブリの小さな歪みを吸収することができる。圧縮曲線の初期

で Y0値に至り、復元曲線の終期付近で Y1値になる。