中国経済論 -...

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中国経済論 東京女子大学 2019年度 2丸川知雄

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Page 1: 中国経済論 - 東京大学marukawa/2019twcu2.pdf中華人民共和国期の経済成長率-30.0-20.0-10.0 0.0 10.0 20.0 30.0 % 図1-3中華人民共和国期のGDP成長率 公式統計

中国経済論

東京女子大学2019年度第2回

丸川知雄

Page 2: 中国経済論 - 東京大学marukawa/2019twcu2.pdf中華人民共和国期の経済成長率-30.0-20.0-10.0 0.0 10.0 20.0 30.0 % 図1-3中華人民共和国期のGDP成長率 公式統計

日本における中国崩壊論の系譜

• 1986年、長谷川慶太郎『さよなら、アジア』

• 1995年、中嶋嶺雄『中国経済があぶない』

中嶋によると「拝金主義」、「盲流」、「外資依存」が中国経済を危うくするという。

• 1995年、宮崎正弘「中国のGNPが日本をぬくことなど、むこう一世紀以上、ありうる話ではない」

• 津上俊哉『中国台頭の終焉』(2012年)は「中国がGDPで米国を抜く日はこない」と主張。

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私の予測では中国のGDPは2030年までにアメリカを抜いて世界一になる

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5E+12

1E+13

1.5E+13

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2.5E+13

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日本、中国、アメリカの国内総生産(GDP)

中国 日本 アメリカ

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2030年には、中国のGDPは日本の5倍以上。日本経済はアジアの1割程度となります。

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100000

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2028

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2030

アジア主要国(日本、中国、韓国、ASEAN主要5か国、ベトナム)のGDP(米ドル)

実績(1985~2014年)と予測(2015~2030年)

ベトナム

インド

韓国

中国

ASEAN5

日本

4

1986年:長谷川慶

太郎『さよならアジア』刊行 日本は一国でアジアのGDPの7割を占めていた

1995年:中嶋嶺雄

『中国経済が危ない』刊行 中国のGDPは日本の7分の1でしかなかった

2010年:中国のGDPが日本を抜いた

2030年頃、インドのGDPが日本を抜く

203x年、ASEANのGDPが日本を抜く

予測:2015、16年はADB。2017~2030年は中国については筆者予測、日本は内閣府、他の国は2008-14年の年平均をそのまま延長

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中国の将来に世界で最も悲観的なのは日本人

• 米Pew Research Centerが2011年に世界23カ国で行った調査で、「中国がアメリカを上回る超大国になるか」という質問に対して、「上回らない」と答えた割合は日本が最も高い(60%)。

• これは中国をよく知っているからなのか? それとも「反日」中国が成功してほしくないという願望の反映なのか?

5

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中華人民共和国期の経済成長率

-30.0

-20.0

-10.0

0.0

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20.0

30.0

図1-3 中華人民共和国期のGDP成長率

公式統計

のGDP成

長率

修正GDP

成長率

(出所)国家統計局国民経済核算司編『中国国内生産総値核算歴史資料1952-2004年』中国統計出版社、2006年、国家統計局編『中国統計年鑑』中国統計出版社、2014年、「修正GDP成長率」は『中国統計年鑑』各年版を用いて筆者推計

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改革開放期(1978年~)の経済成長

1.2 1.6

-0.4

2.1

3.52.6

3.9

0.6 0.9 1.20.6 0.7

1.60.6

1.2 1.1 0.8 1.0 0.9 0.6 0.6 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.7 0.6 0.6 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3

7.3

4.16.8

0.9

2.6 4.7

6.6

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4.8

6.57.0

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1.6

5.7

9.0 9.08.7

6.96.2

5.44.7

4.35.0

3.84.5

5.8 5.2 5.76.3 7.1

4.7 4.8

6.14.9

3.8 3.7 3.42.9 2.6 2.5

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1.9

1.4

2.2

3.0

3.6

4.7

4.6

3.1

3.9 3.7

1.5 0.8

3.0

4.1 3.9

3.6

3.1

2.8

3.2

2.62.9

3.1

4.1

4.2

3.9 4.1

5.0

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4.5 4.1

4.2

4.2

3.5 3.73.5

3.7 3.9 4.0

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%図1-4 中国の経済成長率と各産業の寄与度(1978~2017

年)

第3次産業

第2次産業

第1次産業

(出所)国家統計局編『中国統計年鑑2018』

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高度成長の改革開放期(1978年~2011年)

• 年平均10.0%の経済成長のうち、5.5%ポイントは第2次産業(うち工業が5.0%)の寄与。

• 1981~84年の期間だけは第1次産業が経済成長に

対して2~3%ポイントも寄与している。その後、第1次産業の寄与は小さくなっている。

• 第2次産業の寄与度は1991年以降は安定的である。

• 第3次産業の寄与度が第2次産業の寄与度を上回ったことはほとんどないし、第3次産業の成長率は第2次産業の成長とかなり相関している。

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新常態(New normal)の時期:2012年~

• GDP成長率が7%前後になった。

• 第3次産業の寄与度が第2次産業を上回るようになった。

• 成長率の変動が小さくなったように見えるが、深刻な統計の信頼性問題が起きている。

年GDP成長率

第1次産業

第2次産業

工業第3次産業

2012 7.7% 0.4% 3.8% 3.2% 3.5%

2013 7.7% 0.3% 3.7% 3.1% 3.7%

2014 7.3% 0.3% 3.4% 2.8% 3.5%

2015 6.9% 0.3% 2.9% 2.4% 3.7%

2016 6.7% 0.3% 2.6% 2.1% 3.9%2017 6.9% 0.3% 2.5% 2.2% 4.0%

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様々な生産要素の経済成長に対する貢献

• 経済成長は労働者や労働時間の増加、生産設備(資本)の増加、技術進歩など生産効率の向上によって成し遂げられる。

• 中国の就業者数は1952年の2.4億人から2010年には7.6億人へと3.2倍に拡大。その間に国内総生産(GDP)は94倍に拡大。

• 生産設備の拡大。1952年に1800億元の資本があったと推計し、それに毎年の固定資本投資額を足し、資本は3%ずつ減耗するとしたところ、資本は1952年から2010年に148倍に拡大。

• 生産効率の向上は、全要素生産性(total factor productivity)を次の式で算出する。

KLYA )1(

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1952~2015年の経済成長の要因分解

・資本の増加率が終始高い。

・TFPが大きく伸びたのは1962~65年、80-85年、90-95年など。

・TFPの伸びにより、2010年には1980年と同じ数の労働者、同じ額の資本を使って3.3倍も多くの生産ができるようになった。TFPのなかには労働

移動による生産性向上、労働者の教育水準や経験の蓄積などの要素も含んでいる。

表1-1 経済成長の要因分解 (年平均)

全要素

生産性資本 労働

労働分配

率(推計)

1953-57年 9.2% 8.6% 2.8% 4.6% 50% 30% 20% 0.68

1958-62年 -2.0% 9.7% 1.7% -6.8% - - - 0.62

1963-65年 15.1% 4.5% 3.4% 11.3% 75% 10% 15% 0.65

1966-70年 6.9% 6.8% 3.7% 2.0% 29% 38% 33% 0.611971-75年 5.9% 9.5% 2.1% 0.6% 9% 71% 20% 0.56

1976-80年 6.5% 7.8% 2.1% 1.8% 27% 55% 17% 0.54

1981-85年 10.7% 8.2% 3.3% 5.3% 49% 33% 18% 0.57

1986-90年 7.9% 9.5% 2.4% 2.3% 29% 54% 17% 0.55

1991-95年 12.3% 10.0% 1.0% 6.9% 56% 40% 4% 0.511996-2000年 8.6% 9.9% 1.2% 3.1% 36% 58% 7% 0.5

2001-05年 9.6% 10.7% 0.7% 4.0% 42% 55% 4% 0.51

2006-10年 10.8% 11.7% 0.4% 4.4% 41% 57% 2% 0.47

2011-15年 7.9% 11.7% 0.4% 1.9% 24% 74% 2% 0.5

全要素生

産性(TFP)成

長率

成長に対する寄与率

GDP成長率

資本増加率

就業者増加率

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2030年までの経済成長の予測

• 世界銀行の計算では中国のGDPを購買力平価で評価すると、2013年に中国がアメリカを上回った。

• 我々は過去の経済成長に関する分析結果(表1-1)を将来に延長して予測する。

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人口と就業者数の見通し(国連予測)

人口は2029年に14.16億人のピークに達し、その後減少。15~64歳人口は2015年にピークに達する。就業者数は2015年にピークに達する。

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千人

図1-5 中国の人口の推移と予測

総人口

15-64歳人口

就業者数

65歳以上人口

(出所)総人口と15-64歳人口は国連World Population Prospects;The 2015 Revised Version, 就業者数は中国統計年鑑と筆者推計

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今後の成長の予測

• 就業者数は2016年まで微増しつづけた。

• 労働の生産弾力性(α)を0.6とした。

• 資本は高い伸び率を維持する。貯蓄率が高いし、外国投資も流入。但し、高齢化が進む(高齢化率は2010年に9.5%、20年に13.9%、30年に19.3%)ので貯蓄率は下がる。

• TFPは? 農村部の過剰労働力(但し中高年)がある。大学の進学率は3割以上に上昇したが、すでに働いている年齢層の教育水準は高くない。科学技術振興には力を入れている。従って、今後も今までのレベルの成長を維持できる。

表1-2 今後の成長の予測

TFP 資本 労働2011-2020年 6.5% 8.0% 0.0% 3.3% 51% 49% 0%2021ー2030年 5.9% 7.0% -0.3% 3.3% 56% 47% -3%

(出所)筆者推計

TFP成長率

成長に対する寄与率GDP成長率

資本増加率

就業者増加率

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15

地方政府による成長率の誇大報告の傾向がある。2013年には全国の成長率を下回る一級行政区が一つもなかった!

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4

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12

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全国

北京

上海

黒竜

河北

浙江

吉林

広東

遼寧

山西

内蒙

河南

江蘇

山東

寧夏

海南

四川

江西

湖北

湖南

広西

安徽

甘粛

青海

福建

陝西

新疆

雲南

チベット

重慶

天津

貴州

2013年の全国および各省のGDP成長率

15

ということは半数の省はウソつきであるわけである。

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地方のGDPの合計と全国のGDPの差が2012-2013年には11%に拡大。2014年以降縮小し、2017年には2%まで縮小。(日本でも実は6%程度の乖離がある)

16

0.0%

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2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

乖離

GDP(兆

元)

図2 中国のGDPと各省GDPの合計

全国のGDP 各省GDPの合計 乖離率

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2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

万元

図1 北京市、上海市、天津市の1人あたりGDP

北 京

天 津

上 海

(出所)2008年:中国統計年鑑2009年版、2009年:同2010年版、2010年:同2011年版、2011-15:同2016年版、2016:同2017年版

2011年に天津市の1人あたりGDPが全国トップに (unbelievable!)

17

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2016年以後、地方政府が過去の統計の粉飾を是正し始めた

• 遼寧省の2016年のGDP成長率はー2.5%。しかし、GDPの実額は前年より23.3%も減った。

• これは物価が2割以上下がらないとあり得ない数字だが、遼寧省だけそんなに物価が下がることがあり得るだろうか?

• これは要するに2015年までのGDPが水増ししていたのを修正したためだと考えられる。23%ほどの水増し分を減らした。

• 内モンゴル自治区も2017年に21%の水増し分を抜いた。天津市は目立たないように2014年以降、毎年少しずつ抜いている。他に吉林省、黒竜江省、甘粛省、青海省も水増し分を抜いているとみられる。

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結語

• 中国の統計の問題はいくつかのレベルに分けて考えなくてはならない。①国全体の経済成長率、②分野別の統計の問題、③地方の経済成長率。

• ①→経済の失政という印象を与えないように不況期には高いGDP成長率を出している疑いがある。

• ②→流通・物流、サービス業、所得の統計は弱い。工業の統計(特に生産量)は詳しい。貿易の統計は操作できる余地が小さい。

• ③→政治的に使われており、粉飾が多い。「水増し」分を抜いた後は過少評価による政治的利用も考えられる。

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GDPの国際比較• 中国の経済統計にさまざまな粉飾があることは否め

ない。• しかし、中国のGDPが日本の2.5倍ということは過大評

価ではないと思う。なぜなら、①中国のGDPでは第3次産業が過少評価されていると思われる、②国内の統計における過大評価があっても為替レートによって修正を受けるだろう。

• そもそも経済統計は国内の経済政策、あるいは企業の意志決定のためにあるものであり、他国と比べるために作られているものではない。他国との比較は経済統計の副次的利用にすぎない。

• 国際社会のなかで一人あたりGDPの高い国にはより多くの義務が課され、低い国にはより多くの優遇があるので、GDPを他国に比べて大きく見せかけるメリットはない。