水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴...

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2011 (平成23) 年2月 品種登録出願に関する参考成績書 水稲「西海267号」 (主食用) 九州沖縄農業研究センター (筑後研究拠点) 稲育種ユニット (稲マーカー育種研究チーム・ 低コスト稲育種研究九州サブチーム)

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Page 1: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

2011(平成23)年2月

品種登録出願に関する参考成績書

水稲「西海267号」(主食用)

九州沖縄農業研究センター(筑後研究拠点)

稲育種ユニット(稲マーカー育種研究チーム・

低コスト稲育種研究九州サブチーム)

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西海267号の摘録写真

1. 育成経過1) 来歴 12) 系譜図 13) 選抜経過、育成系統図および配付個所数 2

2. 特性の概要1) 形態的特性 32) 生態的特性 33) 玄米品質、食味特性 3

3. 試験成績1) 特性調査成績 42) 生育観察調査成績 53) 収量および品質調査成績 74) 搗精および食味試験成績 95) 特性検定試験成績

(1) いもち病真性抵抗性遺伝子型の推定結果 13(2) 葉いもち圃場抵抗性検定試験成績 13(3) 穂いもち圃場抵抗性検定試験成績 14(4) 白葉枯病抵抗性検定試験成績 15(5) 縞葉枯病抵抗性検定試験成績 16(6) 紋枯病抵抗性検定試験成績 17(7) 穂発芽性検定試験成績 17(8) 高温耐性検定試験成績 18(9) トビイロウンカ抵抗性検定試験成績 19(10) DNAマーカーによる耐病虫性遺伝子保有の推定 ------------------------------- 20

6) 系統適応性検定試験成績 214. 固定度

1) 系統間比較 222) 系統内個体変異 22

5. 配付先における試験成績1) 配付先における概要一覧 242) 主要特性の比較 243) 現地における試験成績 274) 試験成績一覧表 28

6. 品種登録を申請する理由 307. 配付しうる種子量 308. 栽培適地 309. 栽培上の注意点 3010.育成従事者 31(附)種苗特性分類一覧表 32

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(独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所 稲マーカー育種研究チーム九州沖縄農業研究センター 低コスト稲育種研究九州サブチーム

1.特性一覧表

系統名 西海267号 関東IL2号(関東BPH1号)/西海249号

特性 長所 短所

1.玄米千粒重がやや小さい。

2.良質である。

採用県および 採用予定県なし。熊本県で環境保全型稲作に取り組んでいる団体が栽培予定。

普及見込み面積 普及面積は当面数haの見込み。

調査地

栽培条件

調査年次

系統名・品種名 西海267号 ヒノヒカリ 西海267号 関東BPH1号 西海267号 ヒノヒカリ 西海267号 関東BPH1号

早晩生 中生の中 中生の中 中生の中 中生の中 中生の中 中生の中 中生の中 中生の中

草型 中間 偏穂重 中間 偏穂重 中間 偏穂重 中間 偏穂重

出穂期(月.日) 8.27 8.26 8.27 8.27 8.27 8.25 8.26 8.26

成熟期(月.日) 10.08 10.06 10.07 10.07 10.06 10.04 10.10 10.10

稈長(cm) 75 81 75 81 76 80 74 81

穂長(cm) 20.0 19.1 19.8 19.6 20.3 19.4 20.7 20.4

穂数(本/㎡) 356 366 364 347 400 369 454 388

芒の多少・長短 先端のみ・極短 先端のみ・極短 - 先端のみ・極短 - - - -

ふ先色 白 白 - 白 - - - -

脱粒性 難 難 - 難 - - - -

耐倒伏性 中 やや弱 - やや弱 - - - -

穂発芽性 難 難 - 難 - - - -

いもち病真性抵抗性遺伝子型 Pia,Pii Pia,Pii - Pia,Pii - - - -

葉いもち やや弱 やや弱 - やや弱 - - - -

穂いもち 中 やや弱 - やや弱 - - - -

白葉枯病 やや弱 やや弱 - やや弱 - - - -

縞葉枯病 抵抗性 罹病性 - 罹病性 - - - -

トビイロウンカ 抵抗性 感受性 - 抵抗性 - - - -

精玄米重(kg/a) 55.8 53.3 57.6 56.5 56.6 53.0 52.1 51.5

同上標準比率(%) 105 (100) 102 (100) 107 (100) 101 (100)

玄米千粒重(g) 21.1 22.5 21.2 22.3 21.0 22.9 20.7 21.9

アミロース含有率(%) 18.0 17.4 18.0 17.7 18.5 18.2 - -

6.3 6.4 6.3 6.2 6.2 6.3 - -

玄米品質 上中(4.6) 上下(6.4) 上中(4.5) 上下(6.0) 上中(4.8) 上下(6.8) 上中(5.0) 上下(6.5)

高温寡照耐性2) やや強 やや弱 - - - - - -

食味 上中 上中 - 上中 - - - -

食味総合値3) -0.07 -0.07 -0.03 -0.15 - - - -

注1) Foss Infratec 1241による近赤分析。

注2) 早植で出穂後30日間遮光処理。白未熟粒割合で判定。

注3) 育成地における食味総合値は、官能試験における場内産コシヒカリに対する

-5(悪い)~+5(良い)の11段階評価(複数回の平均)。

玄米タンパク質含有率(%)1)

移植・標肥(N8.5kg/10a)

1.トビイロウンカ、縞葉枯病、穂いもちに抵抗性である。

移植・多肥(N10.5kg/10a)

耐病虫性

2007~2010年 2008~2010年 2009~2010年 2010年

水稲新品種候補系統

西海267号の摘録

組み合わせ

九州沖縄農業研究センター(育成地)

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2.西海267号の特記すべき特徴

「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

トビイロウンカ、縞葉枯病、穂いもちに対する抵抗性遺伝子が導入されている。高温登熟

下での玄米の外観品質が「ヒノヒカリ」より安定して優れる。食味は「ヒノヒカリ」並の

極良食味である。

3.品種登録を申請する理由

暖地では近年の高温化傾向により、主力品種の「ヒノヒカリ」において高温による白未

熟粒の多発や充実不足による玄米品質の低下が顕著である。一方、近年では、トビイロウ

ンカの被害が再び増える傾向にあり、大陸から飛来してくる保毒ヒメトビウンカによる縞

葉枯病の被害も報告されている。さらに、海外から飛来するこれらの害虫については薬剤

耐性に変化を生じ、防除薬剤の効果が落ちるという新たな問題も生じている。

そこで、これらの問題を解決するため、暖地の普通期栽培に適し、高温による品質低下

が少なく、トビイロウンカや縞葉枯病に抵抗性を持つ中生品種が要望されていた。

「西海267号」は、トビイロウンカ、縞葉枯病に対する抵抗性に加え、穂いもちに“中

”程度の抵抗性を有する。また、高温登熟条件下での玄米品質は「ヒノヒカリ」より明ら

かに優れ、食味も「ヒノヒカリ」と同等である。

そこで、農業現場における普及性を確認するため、特に有機栽培や減農薬栽培に取り組

んでいる農業団体等での試作を行う予定である。このため、本系統を品種登録出願したい。

4.普及見込み地帯

暖地平坦地および中山間地で、特別栽培米の生産地域

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成熟期の草姿 左 ヒノヒカリ 右 西海267号(2010年10月撮影)

稲株 左:ヒノヒカリ 中:西海267号 右:関東BPH1号(2011年1月21日撮影)

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籾と玄米 左:ヒノヒカリ 中:西海267号 右:関東BPH1号(2011年1月19日撮影)

高温寡照処理を行った玄米

上左:関東BPH1号 上右:西海267号

下左:ヒノヒカリ 下右:にこまる

(2010年12月撮影)

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トビイロウンカ抵抗性幼苗検定(バイオタイプⅠを放飼)(2009年7月撮影)

左:関東BPH1号(健全)中:西海267号(健全)

右:西海249号(枯死)

a.Pb1(RM27023) b. bph11(RM3329) c. Stvb-i(ST10)(穂いもち) (トビイロウンカ) (縞葉枯病)

1 2 3 1 2 3 1 2 3

1:西海249号

2:西海267号

3:関東BPH1号

DNAマーカーによる耐病虫性遺伝子型の推定

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系統名 西海267号

交配組合せ : 関東IL2号(関東BPH1号)/西海249号

交 配 番 号: 九交03-41

系 統 番 号: 泉2509

試 験 番 号: F1-41 - F2-41 - F3-41 - I27 - H552 - F1128 - F197 - F171 - F194

1.育成経過

1)来歴

「西海267号」は2003年8月九州沖縄農業研究センターにおいて、縞葉枯病抵抗性・トビイロウ

ンカ抵抗性・穂いもち抵抗性・良質・良食味品種の育成を目標に「ヒノヒカリ」のトビイロウンカ抵

抗性同質遺伝子系統である「関東IL2号(関東BPH1号)」を母、中生の早・縞葉枯病抵抗性・穂

いもち抵抗性・極良食味の「西海249号」を父として人工交配を行った組合せから育成された。20

04年2月にF1を温室内で養成し、同年9月にF2を圃場で養成し、2005年2月にF3を温室内で世代

促進した。同年F4で個体選抜を行い、翌年単独系統(F5)として、耐病虫性のDNAマーカー

検定と圃場立毛等の実用形質評価を合わせて選抜を行い、以後系統育種法により選抜固定を

図ってきた。

2007年F6より「泉2509」の名で生産力検定試験、特性検定試験、系統適応性検定試験に供試

し、成績優秀であったので2009年F8 より「西海267号」の地方番号名を付し、関係県に配付して

地方適応性を検討してきた。2010年の世代は雑種第9代である。

2)系譜図

愛知40号

コシヒカリ

IR31917-45-3-2 関東IL2号

O. o fficinalis IR54742

IR31917-45-3-2

ヒノヒカリ 西海267号

九系919

西海249号

関東156号

関東178号

コシヒカリ

(関東BPH1号)

(黄金晴)

(西海199号)

ヒノヒカリ

ヒノヒカリ

南海131号

(あきげしき)

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3)選抜経過、育成系統図および配付箇所数

2003 2006 2007 2008 2009 2010

交配 F1 F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8 F9

系統群 13 6 2 2

供試 系統群 78 65 30 10 10

個体 4粒 4.7g 2400 1560 2600 1500 500 500

系統群 13 6 2 2 2

選抜 系統群 13 6 2 2 2

個体 4粒 4.7g 160g 78 65 30 10 10 10

H470 F1126 F196 F171 F191

九交 世促 世促 世促 ・ ・ F197 ・ ・

03-41 41 41 41 I27 ・ F1128 ・ ・ ・

H552 ・ ・ ・ F194

H553 F1130 F200 F175 F195

備考 (MAS) 泉2509

1

1 1 7 5

19 15

は選抜系統を示す

西海267号

奨励品種決定基本調査

2004 2005

配付箇所数

育成系統図

年次

世代

系統適応性試験

特性検定試験

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2.特性の概要

1)形態的特性・稈長は“中”で「ヒノヒカリ」より3~6cm短い。

・穂長は“やや短”で「ヒノヒカリ」よりやや長い。

・穂数は“やや少”で「ヒノヒカリ」よりやや少ない。

・草型は“中間型”である。

・止葉は“立”で「ヒノヒカリ」よりも直立し、草姿・熟色とも良である。

・ふ先色は“白”で、穂の先端部にのみ極短芒を有する。

・粒着密度は“中”である。

・脱粒性は “難”である。

・玄米の粒形は“中”、粒大は“やや小”で「ヒノヒカリ」よりやや小さい。

2)生態的特性・出穂期は“中生の中”で「ヒノヒカリ」よりも1日遅い。成熟期は“中生の中”で「ヒ

ノヒカリ」より2日遅い。

・倒伏は移植栽培では「ヒノヒカリ」と差が少ないが、直播では「ヒノヒカリ」よりよ

りやや少なく、耐倒伏性は“中”である。。

・収量は「ヒノヒカリ」並である。

・いもち病抵抗性遺伝子は“Pia,Pii”を持つと推定される。いもち病圃場抵抗性は、葉

いもちは“やや弱”、穂いもちは“中”で、いずれも「ヒノヒカリ」より強い。DNAマー

カーによる判定で穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1を保有すると推定される。

・白葉枯病抵抗性は「ヒノヒカリ」並の“やや弱”である。

・縞葉枯病には“抵抗性”で、DNAマーカーによる判定で縞葉枯病抵抗性遺伝子Stvb-iを

保有すると推定される。

・トビイロウンカバイオタイプⅠに抵抗性を示し、現在九州に飛来しているトビイロウ

ンカに対しても「ヒノヒカリ」より強い耐性を示す。DNAマーカーによる判定で、トビイ

ロウンカ抵抗性遺伝子bph11を持つと推定される。

・穂発芽性は“難”である。

3)玄米品質、食味特性

・玄米千粒重は「ヒノヒカリ」より1g程度小さい。

・玄米の見かけの品質は「ヒノヒカリ」を明らかに上回り“上中”である。

・高温登熟条件下での白未熟粒の発生は「ヒノヒカリ」より少ない。

・玄米のタンパク質含有率は“中”、白米のアミロース含有率は“中”である。

・食味は「ヒノヒカリ」並の“上中”である。

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3.試験成績

1)特性調査成績

(1)特性観察調査成績(育成地)

系統名 移植時 稈 芒 芒及び 穎 粒着 脱

品種名 苗丈 葉色 細太 剛柔 多少 長短 ふ先色 色 密度 性

西海267号 中 やや淡 中 中 先端のみ 極短 白 黄白 中 難

ヒノヒカリ 中 中 中 中 先端のみ 極短 白 黄白 中 難

関東BPH1号 中 中 中 中 先端のみ 極短 白 黄白 中 難

にこまる やや長 中 中 中 先端のみ 極短 白 黄白 やや密 難

(2)玄米の粒形調査成績(育成地、2010年)

系統名 粒長 粒幅 粒厚 粒長/粒幅 粒長×粒幅

品種名 (mm) (mm) (mm)

西海267号 4.99 2.87 2.05 1.74 14.3

ヒノヒカリ 5.11 2.95 2.11 1.73 15.1

関東BPH1号 5.12 2.98 2.09 1.72 15.3

注)生産力検定試験(標肥区)の玄米30粒について測定

概評:西海267号の粒形は“中”、粒大は“やや小”である。

(3)玄米の粒厚調査成績(育成地)

系統名 年次 粒厚別重量比率(%)

2.2mm 2.1mm 2.0mm 1.9mm 1.8mm 1.7mm 1.6mm 1.6mm

品種名 以上 未満

標 西海267号 2010 0.6 12.3 48.4 21.9 5.7 1.4 0.6 0.7

肥 ヒノヒカリ 7.9 40.4 34.1 11.4 4.3 1.2 0.5 0.3

関東BPH1号 4.7 32.2 37.5 15.6 6.9 1.8 0.7 0.6

注)生検材料を供試。粗玄米100gを段篩+ロータリーシェーカーのセットで15分間振とう。2反復の平均値。

下線は最頻値を示す。

概評:西海267号はヒノヒカリより粒厚がやや薄い玄米の比率が高いが、1.9mm以下の玄米比率はヒ

ノヒカリと大きな差はない。

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2)生育観察および生育調査成績(1)標肥移植栽培

  (月日) (月日) (cm) (cm) (本/㎡)西海267号 2007 8.26 10.10 74 20.7 332 0.0 0.0 0.0 3.5 4.0

2008 8.29 10.10 76 19.6 376 0.0 0.0 0.0 5.0 4.02009 8.27 10.01 77 19.8 327 0.0 0.0 0.0 3.8 3.82010 8.25 10.10 73 20.1 389 0.0 0.0 0.0 3.5 4.0平均 8.27 10.08 75 20.0 356 0.0 0.0 0.0 4.0 4.0

ヒノヒカリ 2007 8.26 10.05 80 20.1 364 0.0 0.0 0.0 4.0 3.52008 8.27 10.07 85 18.7 380 0.0 0.0 0.0 5.5 4.02009 8.26 10.02 82 18.8 336 0.0 0.0 0.0 4.3 3.82010 8.24 10.10 78 18.8 385 0.0 0.0 0.0 4.0 3.5平均 8.26 10.06 81 19.1 366 0.0 0.0 0.0 4.5 3.7

にこまる 2008 9.01 10.15 84 19.9 330 0.0 0.0 0.0 5.5 4.02009 8.29 10.11 77 20.2 296 0.0 0.0 0.0 2.8 3.02010 8.27 10.11 81 21.2 328 0.0 0.0 0.0 3.5 3.0平均 8.29 10.12 81 20.4 318 0.0 0.0 0.0 3.9 3.3

関東BPH1号 2008 8.29 10.07 83 19.4 351 0.5 0.0 0.0 5.5 4.02009 8.26 10.03 83 19.3 331 0.5 0.0 0.0 3.8 4.02010 8.25 10.10 77 20.0 359 0.0 0.0 0.0 4.0 3.5平均 8.27 10.07 81 19.6 347 0.3 0.0 0.0 4.4 3.8

注)倒伏の多少、病害は0(無)~5(甚)、熟色は3(良)~7(否)、その他は種苗特性分類基準による。

(2)多肥移植栽培

  (月日) (月日) (cm) (cm) (本/㎡)西海267号 2009 8.27 10.02 79 19.8 346 0.0 0.0 0.0 3.5 3.8

2010 8.26 10.10 74 20.7 454 0.0 0.0 0.0 4.0 4.0平均 8.27 10.06 76 20.3 400 0.0 0.0 0.0 3.8 3.9

ヒノヒカリ 2009 8.26 9.30 82 19.2 325 0.0 0.0 0.0 4.3 4.02010 8.24 10.09 79 19.6 413 0.0 0.0 0.0 4.0 3.5平均 8.25 10.04 80 19.4 369 0.0 0.0 0.0 4.2 3.8

にこまる 2009 8.30 10.12 81 20.1 309 0.0 0.0 0.0 2.5 3.02010 8.27 10.11 83 20.7 332 0.0 0.0 0.0 4.0 3.0平均 8.29 10.12 82 20.4 321 0.0 0.0 0.0 3.3 3.0

関東BPH1号 2010 8.26 10.10 81 20.4 388 0.0 0.0 0.0 4.0 3.5注)倒伏の多少、病害は0(無)~5(甚)、熟色は3(良)~7(否)、その他は種苗特性分類基準による。

白葉枯病

止葉立性

白葉枯病

熟 色

穂いもち

止葉立性

熟 色

出穂期

出穂期

穂数

穂いもち

成熟期

倒伏の多少

成熟期

稈長

穂長

系統名品種名

年次

倒伏の多少

穂数

穂長

系統名品種名

年次

稈長

概評:普通期・移植栽培における西海267号の特性は以下の通りである。・出穂期は“中生の中”で「ヒノヒカリ」より1日程度遅い。・成熟期は“中生の中”で「ヒノヒカリ」より2日程度遅い。・稈長は「ヒノヒカリ」より4~6cm短い。・穂長は「ヒノヒカリ」より1cm程度長い。・穂数は標肥で「ヒノヒカリ」よりやや少ない。・草型は「中間型」である。

・倒伏は全での供試品種で見られず、耐倒伏性の差は不明である。

- 5 -

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(3)普通期潤土直播栽培

  (月日) (月日) (cm) (cm) (本/㎡)西海267号 2009 8.25 10.06 77 18.4 570 0.3 0.0 0.0 3.0 6.0

2010 8.27 10.13 74 20.1 454 0.3 0.0 0.0 3.0 5.5平均 8.26 10.10 76 19.3 512 0.3 0.0 0.0 3.0 5.8

ヒノヒカリ 2009 8.25 10.07 82 18.4 502 1.8 0.0 0.0 5.0 5.02010 8.27 10.13 80 18.8 442 0.8 0.0 0.0 4.0 5.5平均 8.26 10.10 81 18.6 472 1.3 0.0 0.0 4.5 5.3

にこまる 2009 8.28 10.14 79 19.2 509 1.3 0.0 0.0 3.0 4.02010 8.29 10.14 87 19.6 399 1.2 0.0 0.0 4.0 4.5平均 8.29 10.14 83 19.4 454 1.3 0.0 0.0 3.5 4.3

関東BPH1号 2010 8.27 10.13 79 19.6 418 0.4 0.0 0.0 3.8 5.0注)倒伏の多少、病害は0(無)~5(甚)、熟色は3(良)~7(否)、その他は種苗特性分類基準による。

穂いもち

倒伏の多少

成熟期

稈長

穂長

穂数

系統名品種名

年次

出穂期

白葉枯病

止葉立性

熟 色

概評:潤土直播栽培における西海267号の特性は以下の通りである。・出穂期、成熟期は「ヒノヒカリ」と同程度である。・稈長は「ヒノヒカリ」より5cm程度短い。・穂長は「ヒノヒカリ」と同程度である。・穂数は「ヒノヒカリ」より多い。・倒伏の多少は「ヒノヒカリ」より少ない。

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3)収量および品質調査成績(1)標肥移植栽培

千粒重

粒 形

粒 大

腹 白

心 白

乳 白

背 白

基 白

茶 米

色 沢

光 沢

品 質

  (kg/a) (kg/a) (%) (%) (g)西海267号 2007 144.2 50.6 99 5.5 20.8 5.0 5.0 1.0 1.0 1.0 - - 2.5 5.0 5.0 5.0

2008 169.6 62.1 99 4.1 21.4 5.0 4.5 0.0 2.0 1.0 0.5 0.0 0.0 5.0 5.0 5.02009 153.7 58.4 112 2.9 21.2 5.0 5.0 0.0 1.0 0.5 0.0 1.5 1.0 5.0 5.5 4.02010 157.7 52.2 111 4.3 20.8 5.0 4.5 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.5 5.0 5.5 4.5平均 156.3 55.8 105 4.2 21.1 5.0 4.8 0.3 1.0 0.9 0.2 0.5 1.0 5.0 5.3 4.6

ヒノヒカリ 2007 141.1 51.0 100 4.2 22.3 5.0 5.0 1.0 2.5 1.0 - - 1.5 5.0 4.5 6.02008 176.9 62.7 100 3.8 22.6 5.0 5.0 0.0 3.5 1.0 0.5 0.5 0.5 5.0 5.5 6.02009 149.3 52.2 100 2.6 22.9 5.0 5.0 1.0 5.0 1.5 0.0 2.5 2.0 5.0 5.0 6.52010 147.2 47.1 100 3.5 22.3 5.0 5.0 0.0 4.0 0.5 1.0 0.5 1.0 4.5 4.5 7.0平均 153.6 53.3 100 3.5 22.5 5.0 5.0 0.5 3.8 1.0 0.5 1.2 1.3 4.9 4.9 6.4

にこまる 2008 186.5 70.3 112 2.5 24.1 5.0 5.0 1.0 0.5 1.0 - - 0.0 5.0 6.0 4.52009 167.3 63.0 121 3.2 23.3 5.0 5.0 1.0 1.5 0.5 0.0 0.0 0.5 5.0 6.0 4.52010 160.4 54.8 116 3.8 22.8 5.0 5.5 0.0 0.5 0.5 0.0 0.0 0.5 5.5 6.0 4.0平均 171.4 62.7 118 3.2 23.4 5.0 5.2 0.7 0.8 0.7 0.0 0.0 0.3 5.2 6.0 4.3

関東BPH1号 2008 176.5 62.8 100 3.6 22.5 5.0 5.0 0.0 3.0 0.5 1.5 2.0 1.0 5.0 6.0 5.52009 157.6 56.5 108 3.6 22.4 5.0 5.0 1.5 3.0 0.5 0.0 2.5 1.5 5.0 5.5 6.02010 154.0 50.2 107 5.3 21.9 5.0 5.0 0.0 0.5 1.0 0.5 1.5 1.5 5.0 5.0 6.5平均 162.7 56.5 106 4.2 22.3 5.0 5.0 0.5 2.2 0.7 0.7 2.0 1.3 5.0 5.5 6.0

注)品質関係の数字は種苗特性分類基準による。

(2)多肥移植栽培

千粒重

粒 形

粒 大

腹 白

心 白

乳 白

背 白

基 白

茶 米

色 沢

光 沢

品 質

  (kg/a) (kg/a) (%) (%) (g)西海267号 2009 164.7 61.2 108 4.2 21.4 5.0 4.0 1.0 0.5 1.5 0.0 1.0 1.5 5.0 5.5 4.5

2010 161.1 52.1 106 6.2 20.7 5.0 5.0 0.0 0.0 1.5 0.0 0.0 1.0 5.0 5.0 5.0平均 162.9 56.6 107 5.2 21.0 5.0 4.5 0.5 0.3 1.5 0.0 0.5 1.3 5.0 5.3 4.8

ヒノヒカリ 2009 157.9 56.7 100 3.1 23.3 5.0 5.0 1.0 5.0 1.0 0.0 2.5 1.5 5.0 5.5 6.52010 152.7 49.2 100 4.9 22.5 5.0 5.0 0.0 3.5 0.0 0.0 1.0 1.5 4.5 4.5 7.0平均 155.3 53.0 100 4.0 22.9 5.0 5.0 0.5 4.3 0.5 0.0 1.8 1.5 4.8 5.0 6.8

にこまる 2009 177.4 62.7 110 4.5 23.3 5.0 5.0 1.0 1.0 1.0 0.0 1.0 1.0 5.0 5.0 5.02010 165.8 56.4 115 4.1 23.6 5.0 5.0 0.0 0.5 0.5 0.0 0.0 0.5 5.5 5.5 4.5平均 171.6 59.6 112 4.3 23.5 5.0 5.0 0.5 0.8 0.8 0.0 0.5 0.8 5.3 5.3 4.8

関東BPH1号 2010 159.6 51.5 105 6.9 21.9 5.0 5.0 0.0 0.5 1.5 0.0 1.5 1.5 5.0 5.0 6.5注)品質関係の数字は種苗特性分類基準による。

玄    米

玄    米

全重

玄米重

同比左標準率

屑歩米重合

屑歩米重合

全重

同比左標準率

系統名品種名

系統名品種名

年次

玄米重

年次

概評:普通期・移植栽培における西海267号の特性は以下の通りである。・収量性は「ヒノヒカリ」をやや上回る。・玄米千粒重は21g程度で「ヒノヒカリ」よりやや小さい。・玄米の外観品質は、「ヒノヒカリ」より心白、背白、基白が明らかに少なく優れる。

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(3)普通期潤土直播栽培

千粒重

粒 形

粒 大

腹 白

心 白

乳 白

背 白

基 白

茶 米

色 沢

光 沢

品 質

  (kg/a) (kg/a) (%) (%) (g)西海267号 2009 184.4 59.9 110 1.7 21.6 5.0 4.5 0.0 1.0 0.5 0.5 0.0 1.0 4.0 5.0 4.0

2010 174.3 59.0 107 3.7 21.2 5.0 4.5 0.0 0.0 0.5 0.5 0.0 1.0 5.0 5.0 4.5平均 179.4 59.5 109 2.7 21.4 5.0 4.5 0.0 0.5 0.5 0.5 0.0 1.0 4.5 5.0 4.3

ヒノヒカリ 2009 178.9 54.6 100 2.3 23.0 5.0 5.0 0.0 6.0 1.0 0.0 1.0 2.0 4.0 5.0 7.02010 163.9 54.9 100 3.3 22.4 5.0 5.0 0.0 6.5 2.0 4.0 1.0 1.0 5.0 4.0 6.5平均 171.4 54.8 100 2.8 22.7 5.0 5.0 0.0 6.3 1.5 2.0 1.0 1.5 4.5 4.5 6.8

にこまる 2009 187.5 61.2 112 1.4 24.1 5.5 5.5 0.5 1.0 0.0 0.0 0.0 1.5 4.0 6.0 4.52010 179.7 61.1 111 3.6 23.2 5.0 5.5 0.5 1.5 0.5 1.0 0.5 1.0 5.0 5.0 4.5平均 183.6 61.2 112 2.5 23.7 5.3 5.5 0.5 1.3 0.3 0.5 0.3 1.3 4.5 5.5 4.5

関東BPH1号 2010 173.7 56.3 103 3.6 21.9 5.0 5.5 0.0 2.0 0.5 4.0 1.0 1.5 5.0 4.0 6.0注)品質関係の数字は種苗特性分類基準による。

付表 生産力検定試験の耕種概要1)移植栽培(育成地)

施肥 一区水準 年次 播種期 移植期 基肥 追肥 反復 面積

(月.日) (月.日) N P K N P K (m2)標肥 2007 5.28 6.21 0.5 0.5 0.5 0.35 0.0 0.35 2 7.6 30×16cm、3本植

2008 5.26 6.19 0.5 0.5 0.5 0.35 0.0 0.35 2 7.6 30×16cm、3本植2009 5.25 6.18 0.5 0.5 0.5 0.35 0.0 0.35 2 7.6 30×16cm、3本植2010 5.24 6.17 0.5 0.5 0.5 0.35 0.0 0.35 2 7.6 30×16cm、3本植

多肥 2009 5.25 6.18 0.5 0.5 0.5 0.55 0.0 0.55 2 7.6 30×16cm、3本植2010 5.24 6.17 0.5 0.5 0.5 0.55 0.0 0.55 2 7.6 30×16cm、3本植

2)潤土直播栽培(育成地)

播種期 一区年次 (月.日) 反復 面積 播種密度

(m2)

2009 6.04 2 3.9 200粒/m2

2010 6.03 2 3.9 200粒/m2

屑歩米重合

同比左標準率

施肥量(kg/a成分量)

系統名品種名

栽植様式

施肥量(kg/a成分量)

年次

全重

玄米重

玄    米

N P K

1.0

1.0

1.0

1.0

0.8

0.8

概評:潤土直播栽培における西海267号の特性は以下の通りである。・収量性は高く、「ヒノヒカリ」よりも10ポイント程度多収である。・玄米千粒重は21g程度で「ヒノヒカリ」よりやや小さい。・玄米の外観品質は、「ヒノヒカリ」より心白、背白、基白が明らかに少なく優れる。

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4)搗精および食味試験成績(1)搗精試験成績(育成地、2010年)

系統名 玄米水分 搗精時間(秒)

品種名 (%) 110 120 130 140 150

西海267号 13.9 搗精歩合(%) 91.0 90.1 89.8 89.4

白度 38.6 40.1 41.2 42.4

胚芽残存歩合(%) 1.7 1.0 0.0 0.0

ヒノヒカリ 14.2 搗精歩合(%) 90.9 90.5 90.0 89.7

白度 39.3 39.1 40.6 41.8

胚芽残存歩合(%) 10.7 5.0 4.3 0.7

関東BPH1号 14.3 搗精歩合(%) 92.2 91.1 90.4 90.1 90.0

白度 34.2 37.8 39.0 39.8 40.2

胚芽残存歩合(%) 17.1 4.3 2.4 1.3 1.3

注)1.供試玄米は2010年産の生産力検定試験材料を用いた。

2.搗精には試験用精米機(Kett TP-2)を使用し、試料は各100gを供試した。

3.胚芽残存歩合は白米100粒について3反復調査した。

4.白度は白度計(Kett C-300)を用い、2反復で測定した。

5.四角太枠 は適搗精時の搗精歩合を示す。

概評:西海267号の搗精試験結果は以下の通りである。

・搗精に要する時間は「ヒノヒカリ」と同程度である。

・適搗精時の搗精歩合は「ヒノヒカリ」と同程度である。

・適搗精時の白度は「ヒノヒカリ」よりやや低い。

・適搗精時の胚芽残存歩合は「ヒノヒカリ」より少ない。

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(2)食味試験成績(育成地)

年 系統名 玄米 抵抗 搗精 試験日水分 示度 歩合 玄米 白米 パネル数

次 品種名 (%) (%)2007 西海267号 12.2 10+4 90.4 20.5 39.7 0.10 n 0.10 n -0.10 n 0.35 * 0.05 n 08. 1.31

ヒノヒカリ 12.5 10 90.5 21.1 39.7 0.00 n 0.15 n -0.10 n 0.35 * 0.00 n 20名

日本晴 13.0 8 90.2 21.7 39.4 -1.15 ** -0.70 ** -1.20 ** 0.80 ** -0.70 **

コシヒカリ 12.7 9 89.9 23.0 41.3 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

2007 西海267号 11.9 10+5 90.7 21.6 39.5 -0.29 * -0.06 n -0.18 n 0.18 n -0.29 * 08. 2.29

ヒノヒカリ 12.2 10+4 90.5 22.2 40.0 -0.12 n 0.24 n 0.12 n -0.06 n -0.24 n 17名

日本晴 12.3 8 90.2 23.6 40.5 -1.29 ** -1.00 ** -1.12 ** 0.24 n -1.18 **

コシヒカリ 12.2 10 90.1 22.2 40.2 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

2008 西海267号 13.5 9+4 91.1 20.2 40.2 -0.05 n -0.05 n -0.05 n -0.18 n -0.14 n 08.12.18

ヒノヒカリ 13.7 9+4 90.5 21.5 41.4 -0.05 n 0.05 n -0.41 * -0.32 * -0.18 n 22名

日本晴 14.0 9+4 90.3 19.8 39.7 -1.36 ** -0.91 ** -1.46 ** 0.00 n -1.09 **

関東BPH1号 13.3 9+4 90.6 21.2 40.0 -0.32 n 0.09 n -0.55 ** -0.41 * -0.36 n

コシヒカリ 14.4 9+4 90.6 18.6 39.6 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

2008 西海267号 12.9 9+6 90.9 20.4 40.3 0.00 n 0.00 n -0.05 n -0.19 n 0.00 n 09.1.23

ヒノヒカリ 13.1 9+6+5 90.9 21.1 42.6 -0.24 n -0.14 n -0.38 ** -0.29 n 0.00 n 21名

日本晴 13.9 9+5 90.4 19.0 39.9 -1.10 ** -0.91 ** -1.00 ** 0.10 n -0.81 **

関東BPH1号 13.3 9+6 90.2 20.1 41.7 0.10 n 0.00 n -0.19 n -0.29 n 0.10 n

コシヒカリ 14.3 9+5 90.5 18.6 39.6 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n2009 西海267号 13.2 9+7 91.1 19.7 40.7 -0.05 n -0.16 n 0.00 n 0.26 n 0.11 n 09.12.11

ヒノヒカリ 13.6 10 90.9 20.5 40.8 0.16 n -0.05 n 0.11 n 0.05 n -0.05 n 19名

日本晴 14.4 9 90.3 20.4 40.3 -1.32 ** -1.05 ** -1.05 ** 0.63 * -1.42 **

コシヒカリ 14.3 10 90.4 19.7 39.1 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

2009 西海267号 12.7 10+9 90.6 19.4 40.7 -0.23 n -0.27 n 0.00 n -0.14 n -0.23 n 10. 1.15

ヒノヒカリ 13.4 10+4 90.8 20.7 40.5 -0.23 n -0.23 * 0.05 n -0.36 n -0.18 n 22名

日本晴 13.8 9+3 90.1 20.1 40.2 -1.36 ** -1.09 ** -1.00 ** 0.50 * -1.00 **

コシヒカリ 13.4 10+5 90.3 19.8 40.9 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n2010 西海267号 12.2 9+9+9+8 90.6 19.4 41.5 -0.08 n 0.00 n -0.08 n -0.04 n -0.13 n 10.12.16

ヒノヒカリ 12.2 9+9+5 90.7 21.3 42.3 0.04 n 0.21 * 0.04 n -0.21 n 0.08 n 24名日本晴 13.5 9 90.1 22.0 38.3 -1.21 ** -0.71 ** -0.71 ** 0.42 * -0.92 **関東BPH1号 12.2 9+9 90.7 20.3 40.9 -0.21 n 0.04 n 0.00 n -0.08 n -0.08 nコシヒカリ 13.9 8 90.5 20.4 37.7 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

2010 西海267号 13.3 9+9+7 90.8 20.1 40.2 0.00 n 0.21 n 0.26 n 0.11 n 0.05 n 10.12.21ヒノヒカリ 13.1 9+7 90.6 21.6 40.7 -0.11 n 0.00 n 0.16 n -0.16 n 0.05 n 19名日本晴 13.3 9 90.0 22.2 38.7 -1.47 ** -1.16 ** -1.21 ** 0.32 n -1.11 **関東BPH1号 13.4 9+7 90.3 20.7 40.3 -0.16 n -0.11 n 0.11 n 0.00 n -0.05 nコシヒカリ 13.4 8+8+8 89.9 19.7 41.4 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n 0.00 n

注) 1.精米には2007~2009年まではホソカワ精米機R351Eを使用。2010年はサタケ製クリーンワンパスCBS300を使用。

白度はKett C-300で測定。

2.12点法で実施。食味評価は基準品種コシヒカリ0に対し、総合、外観については-5~+5の11段階で、粘り、硬さ、

味については-3~+3の7段階で評価。総合、外観、味では+は基準より良く、-は基準より劣ることを示す。粘り

では+は強く、-は弱い。硬さでは+は硬く、-は柔らかいことを示す。

3.基準品種に対するt検定による有意差の検定。**、*はそれぞれ1%、5%水準で有意であることを示す。

4.加水量(重量比)は、1.35。

白 度総合 外観 粘り 硬さ 味

食 味 検 定

- 10 -

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【参考】西海267号および比較品種の食味試験の平均値(2007~2010年)比較品種名 試験 総合 外観 粘り 硬さ 味

点数西海267号 8 -0.07 -0.03 -0.02 0.04 -0.07ヒノヒカリ 8 -0.07 0.03 -0.05 -0.12 -0.07日本晴 8 -1.28 -0.94 -1.09 0.38 -1.03関東BPH1号 4 -0.15 0.01 -0.16 -0.19 -0.10

概評:西海267号の食味は、外観、粘り、硬さ、味のいずれの項目も「ヒノヒカリ」並である。食味総合値も「ヒノヒカリ」並である。

- 11 -

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(3)米の理化学特性

ア.成分含有率(育成地)

系統名 玄米タンパク質含有率(%) アミロース含有率(%)

品種名 2008 2009 平均 2008 2009 平均

西海267号 6.5 6.1 6.3 17.1 18.9 18.0

ヒノヒカリ 6.5 6.2 6.4 16.4 18.4 17.4

関東BPH1号 6.4 6.0 6.2 16.7 18.6 17.7

にこまる 6.0 5.6 5.8 17.6 19.3 18.5

注)タンパク質含有率は、乾物当たり、近赤外光分光分析(FOSS社 infratec1241)による分析値。

アミロース含有率は、ブラン・ルーベ社オートアナライザーII型による白米の分析値。

概評:西海267号の成分含有率は以下の特徴がある。

・タンパク質含有率は「ヒノヒカリ」並である。

・アミロース含有率は「ヒノヒカリ」よりやや高い。

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5)特性検定試験成績(1)いもち病真性抵抗性遺伝子型の推定結果(育成地、2009年)

系統名 接種菌株名(コード番号) 推定

TH68-126 TH68-140(山) 稲86-137 遺伝子

品種名 (033.1) (035.1) (007.0) 型

西海267号 R R S Pia Pii

愛知旭 S R S Pia

藤坂5号 R S S Pii

関東51号 R R R Pik

ツユアケ R R R Pik-m

フクニシキ R R R Piz

ヤシロモチ R R R Pita

Pi No.4 R R R Pita-2

とりで1号 R R R Piz-t

BL1 R R R Pib

K59 R R R Pit

注)噴霧接種による。表中のSは罹病性反応、Rは抵抗性反応を示す。

概評:西海267号のいもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia Pii”と推定される。

(2)葉いもち圃場抵抗性検定試験成績ア.育成地における成績

品種名 推定 2007 2008 2009 2010 平均 総合

遺伝子 発病 判 発病 判 発病 判 発病 判 発病

系統名 型 程度 定 程度 定 程度 定 程度 定 程度 評価

西海267号 Pia,Pii 3.7 ○△ 5.0 △ 5.3 △× 6.0 △ 5.0 やや弱

あそみのり Pia 2.0 ○ 3.0 ○ 2.7 ○ 4.7 ○△ 3.1 やや強

ヒノヒカリ Pia,Pii 4.7 △ 6.3 △× 5.3 △× 7.0 △× 5.8 やや弱

にこまる Pia,Pii 4.3 △ 6.2 △× 4.0 △ 5.3 △ 5.0 やや弱

関東BPH1号 Pia,Pii - - 4.7 △× 8.0 × 6.4 (やや弱)

十石 + 6.3 × 6.5 △× 8.0 × - 6.9 (弱)

注)1)畑晩播検定、罹病葉散布

2)発病程度は0(無)~10(全茎葉枯死)

判定:R真性抵抗性、◎極強、○強、○△やや強、△中、△×やや弱、×弱、××極弱

判定:西海267号の葉いもち圃場抵抗性は「ヒノヒカリ」並の“やや弱”である。

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イ.特性検定試験地における成績

愛知県農業総合試験場山間農業研究所

品種名 推定

遺伝子 2009 2010 平均 総合

系統名 型 発病 判 発病 判 発病

程度 定 程度 定 程度 評価

西海267号 Pia,Pii 8.8 × 9.5 × 9.2 弱

ヒノヒカリ Pia,Pii 9.9 × 9.5 × 9.7 弱

関東BPH1号 Pia,Pii - 9.8 × 9.8 弱

注)発病程度は0(無発病)~10(全茎葉枯死)。

判定は◎極強、○強、○△やや強、△中、△×やや弱、×弱、××極弱。

判定:西海267号の葉いもちの発生は「ヒノヒカリ」並か、やや少ない。

概評:西海267号の葉いもち圃場抵抗性は“やや弱”で、葉いもちの発生は「ヒノヒカリ」よ

りやや少ない。

(3)穂いもち圃場抵抗性検定試験成績ア.育成地における成績

注)本田における移植栽培。

発病程度は0(無病)~10(全穂枯死)

判定は◎強 ○やや強 △中 △×やや弱 ×弱 ××極弱

2010年は穂いもちの発病が少なく、登熟後期に発病した枝梗の発病程度を調査した参考値

判定:西海267号の穂いもち抵抗性は”中”で、穂いもちの発生は「ヒノヒカリ」より少なく、Pb1を保有する

「つやおとめ」並である。

平均 総合品種名 推定 出穂期 発病 判 出穂期 発病 判 発病系統名 遺伝子型 (月.日)程度 定 (月.日)程度 定 程度 評価西海267号 Pia,Pii (Pb1) 9.15 1.8 ○ 9.10 8.0 △ 4.9 中あそみのり Pia 9.10 0.9 ○ - - - - -ヒノヒカリ Pia,Pii 9.16 4.4 △× 9.09 8.6 △× 6.0 やや弱にこまる Pia,Pii 9.20 3.4 △× - - - - -シンレイ Pia,Pik-s 9.19 2.6 △ 9.11 7.1 △ 4.9 中つやおとめ Pii (Pb1) 9.18 3.1 △ 9.12 6.0 ○△ 4.6 中

2009 2010

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イ.特性検定試験地における成績(熊本県農業研究センター高原農業研究所)

注)発病程度は0(無発病)~10(全穂罹病)判定は◎強、○やや強、△中、×やや弱、××弱

判定:本試験では、全般に穂いもちの発病が少ないが、西海267号の穂いもちの発生は「ヒノヒ

カリ」よりやや少なく、穂いもち抵抗性は“中”と見られる。

概評:西海267号の穂いもち抵抗性は”中”で、穂いもちの発生は「ヒノヒカリ」より少な

い。

(4)白葉枯病抵抗性検定試験成績ア.育成地における成績

品種名 2007 2009 2010 平均 総合

発病 判 発病 判 発病 判 発病

系統名 程度 定 程度 定 程度 定 程度 判定

西海267号 5.8 △× 4.5 △× 4.8 △× 5.0 やや弱

ヒノヒカリ 5.3 △× 4.3 △× 4.0 △ 4.5 やや弱

にこまる 5.0 △× 3.8 △ 4.5 △× 4.4 やや弱

関東BPH1号 - - 4.0 △ (やや弱)

あそみのり 4.5 △× 3.6 △ 4.0 △ 4.0 中

日本晴 3.3 ○△ 2.6 ○△ 2.7 ○△ 2.9 やや強

シンレイ 4.8 △× 2.8 ○△ 2.8 ○△ 3.5 やや強

ニシホマレ 3.8 △ 3.0 ○△ 3.0 ○△ 3.3 やや強

注)Ⅱ群菌を剪葉接種。発病程度は1(病徴なし)~9(全葉身枯死)

判定は○強、○△やや強、△中、△×やや弱、×弱、××極弱

判定:西海267号の白葉枯病抵抗性は「ヒノヒカリ」並の“やや弱”である。

平均 総合品種名 推定 出穂期 発病 判 出穂期 発病 判 出穂期 発病 判 発病系統名 遺伝子型 (月.日)程度 定 (月.日)程度 定 (月.日)程度 定 程度 評価西海267号 Pia,Pii (Pb1) 8.19 1.9 △ 8.27 1.0 ○△ 8.23 0.2 ◎ 1.0 中あそみのり Pia 8.16 1.3 ○ - - - - - - - やや強ヒノヒカリ Pia,Pii 8.18 1.5 △ 8.25 1.5 ○△ 8.22 0.6 ○ 1.2 中シンレイ Pia,Pik-s 8.18 2.7 △ - - - - - - - (中)ニシホマレ Pia 8.20 2.1 △ - - - - - - - (中)関東BPH1号 Pia,Pii - - - - - - 8.23 0.9 ○ - (やや弱)

にこまる Pia,Pii - - - - - - 8.27 1.0 ○ - (やや弱)

2008 2009 2010

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イ.特性検定試験地における成績(宮崎県総合農業試験場)

品種名 2009 2010 平均 総合

発病 判 発病 判 発病

系統名 程度 定 程度 定 程度 判定

西海267号 3.4 × 3.9 ×× 3.7 やや弱

ヒノヒカリ 2.5 △ 4.0 ×× 3.3 やや弱

関東BPH1号 - 4.1 ×× (やや弱)

あそみのり 1.4 ○ 2.0 ◎ 1.7 やや強

日本晴 1.8 △ 2.5 △ 2.2 中

注)II群菌を剪葉接種。

判定は ◎強 ○やや強 △中 ×やや弱 ××弱

判定:西海267号の白葉枯病抵抗性は「ヒノヒカリ」よりやや弱く“やや弱”である。

概評:西海267号の白葉枯病抵抗性は、「ヒノヒカリ」よりやや弱く“やや弱”である。

(5)縞葉枯病抵抗性検定試験成績ア. 愛知県農業総合試験場における成績

品種名 2007 2010 総合

発病 判 発病 判

系統名 率 定 率 定 判定

西海267号 20 RM 30 RM 抵抗性

ヒノヒカリ - 78 S 感受性

コシヒカリ 75 S 96 S 感受性

あさひの夢 0 R - 抵抗性

ゆめまつり - 14 R 抵抗性

注)R:抵抗性、S:罹病性、M:分離、RM:分離で抵抗性個体多い。

判定:西海267号は縞葉枯病に抵抗性である。

イ. 岐阜県農業技術研究所における成績

品種名 2009年 2010年 総合

出穂期 7月21日 出穂期 出穂期 7月14日 出穂期

系統名 (月日) 罹病株率 罹病株率 (月日) 罹病株率 罹病株率 判定

西海267号 8.22 0.0 0.0 8.23 0.0 0.0 抵抗性

日本晴 8.10 10.0 64.3 8.12 6.5 40.3 罹病性

あさひの夢 8.11 0.0 0.0 8.13 0.0 0.0 抵抗性

ハツシモ 8.24 25.4 100.0 8.22 8.2 47.9 罹病性

2009年5月15日、2010年5月13日移植。発病確認は目視による。

ヒメトビウンカの保毒虫率は2009年が19.8%、2010年が14.6%。

判定:西海267号は縞葉枯病に抵抗性である。

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概評:西海267号は縞葉枯病に抵抗性である。

(6)紋枯病抵抗性検定試験成績(鹿児島県農業試験場)

品種名 2009 2010 総合

発病 判 発病 判

系統名 度 定 度 定 判定

西海267号 23 やや弱 39 やや弱 やや弱

日本晴 22 やや弱 34 中 中

ヒノヒカリ 24 やや弱 56 弱 やや弱

注)ふすま培養した菌を籾がらと混和し、圃場に散布

2009、2010年は20株について以下の調査基準により発病度を調査した。

A:株の半数以上の茎が発病し最上位病斑が止葉から穂首まで達し一部止葉が枯死。

B:株の半数以上の茎が発病し最上位病斑が止葉葉鞘まで達しているが止葉には生色がある。

C:株の半数以上の茎が発病し最上位病斑が第2葉鞘まで達している。

D:病斑が第3葉鞘まで達している。

E:発病を認めない。または、第4葉鞘以下の発病。

発病度= (4×A+3×B+2×C+D)×100

4×調査株数(20)

概評:西海267号の紋枯病抵抗性は「ヒノヒカリ」並の“やや弱”である。

(7)穂発芽性検定試験成績(育成地)

品種名 2007 2008 2009 2010

穂 判 穂 判 穂 判 穂 判 平穂 総

発 発 発 発 発 合

系統名 芽 芽 芽 芽 芽 評

程 程 程 程 程 価

度 定 度 定 度 定 度 定 均度

西海267号 3.5 ○△ 2.5 ○ 2.0 ○ 2.6 ○ 2.7 難

あそみのり 3.5 ○△ 4.8 △ 3.5 ○△ 5.7 △× 4.4 中

ヒノヒカリ 3.5 ○△ 2.5 ○ 2.4 ○ 2.6 ○ 2.8 難

シンレイ 4.5 △ 4.8 △ 2.4 ○ 6.1 △× 4.5 中

ニシホマレ 4.5 △ 5.5 △× 5.8 △× - 5.3 やや易

にこまる 4.0 ○△ 4.0 △ 2.8 ○ 4.3 ○△ 3.8 やや難

関東BPH1号 - - - 2.6 ○ (難)

注) 穂発芽程度:2(微)~8(甚)判定:○難、○△やや難、△中、△×やや易、×易、××極易

概評:西海267号の穂発芽程度は「ヒノヒカリ」並の“難”である。

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(8)高温耐性検定試験成績ア.育成地における成績(高温寡照耐性試験)

注.早植え(5月下旬移植)での成績。遮光率30%のビニールフィルムで、出穂後30日間トンネル被覆。登熟気温は出穂後20日間の日平均気温の平均。

整粒歩合、白未熟歩合はサタケ穀粒判別器RGQI 10Aによる測定値で、白未熟歩合は乳白、基部未熟、腹白(背白含む)の合計、2010年の達

観スコアは品質総合(1良~9否)、背白(0無~9甚)のスコアの平均。

判定は、2008年は登熟気温の差が少ない系統間で、基部未熟と白未熟の発生程度を総合的に判断して判定。2009年は基部未熟と白未熟につ

いて、それぞれ出穂期による登熟気温の差を補正したスコアを計算し、その平均をとった「出穂補正スコア」について、北陸147号:強(3.0)、黄金

晴:やや弱(6.0)として判定。2010年は整粒歩合、白未熟歩合、達観品質をスコア化し、その平均についてみねはるか:強(3.0)、黄金晴:やや弱(6.

0)で判定。北陸147号、みねはるかは長粒のため穀粒判別機で奇形粒に区分される粒が多く、整粒歩合が低く出る傾向にある。

判定:西海267号の高温寡照耐性は「ヒノヒカリ」、「関東BPH1号」より明らかに優り、

「コガネマサリ」並で、「にこまる」にやや劣る“やや強”である。

イ.特性検定試験地における成績(鹿児島県農業開発総合センター・2010年)

注:早植え(2010年5月18日移植)

判定:西海267号の高温耐性は「ヒノヒカリ」、「関東BPH1号」より明らかに優り、

「コガネマサリ」並で、「にこまる」並かやや優る“やや強”である。

平均 背白+基白

品種系統名 品質

腹白

背白

基白

心白

乳白

平均

西海267号 8.09 4.0 0.0 0.7 1.3 1.0 1.0 2.0 やや強

にこまる 8.13 4.7 0.0 1.0 2.0 0.7 2.0 3.0 やや強

関東BPH1号 8.09 6.7 0.0 3.7 3.3 1.3 2.3 7.0 やや弱

コガネマサリ 8.04 3.3 0.0 0.3 1.3 1.3 0.7 1.7 やや強

葵の風 8.04 5.7 0.0 2.7 3.3 1.0 1.7 6.0 やや弱

ヒノヒカリ 8.09 7.0 0.0 6.7 3.3 1.3 2.3 10.0 弱

出穂期

高温耐性判定

2008 2009登熟気温

(℃)整粒

歩合(%)基部未熟歩合(%)

白未熟歩合(%)

判定登熟気温

(℃)整粒

歩合(%)基部未熟歩合(%)

白未熟歩合(%)

出穂補正スコア

判定

西海267号 26.0 49.8 3.9 5.5 やや強 27.3 61.6 4.8 6.3 2.8 強

にこまる 25.9 64.8 4.8 11.2 やや強 26.7 68.5 3.9 7.5 4.3 やや強

ヒノヒカリ 26.0 48.4 10.3 16.5 中 27.5 40.4 7.9 17.9 5.1 中

コガネマサリ 26.0 69.9 4.8 7.8 やや強 27.8 47.0 8.8 12.8 3.4 強

葵の風 26.0 52.0 15.8 22.4 弱 28.0 54.2 20.2 34.2 4.5 やや強

日本晴 26.8 55.7 5.7 14.3 やや強 27.8 44.7 11.9 23.9 4.3 やや強

北陸147号(基準) 26.6 26.8 6.5 13.0 やや強 27.5 35.4 5.9 11.7 3.0 強

みねはるか(基準) 28.3 46.7 6.7 13.4 - 28.4 35.8 13.0 20.1 2.5 強

黄金晴(基準) 26.9 41.6 7.0 19.6 中 28.0 23.7 21.9 34.7 6.0 やや弱

2010 平均

登熟気温(℃)

整粒歩合(%)

基部未熟歩合(%)

白未熟歩合(%)

達観スコア(背白+品

質)判定スコア 判定

整粒歩合(%)

基部未熟歩合(%)

白未熟歩合(%)

判定

西海267号 29.1 49.6 29.1 38.0 4.8 4.0 やや強 26.0-29.1 53.7 12.6 16.6 やや強

にこまる 29.0 67.6 20.3 15.9 4.1 2.4 極強 25.9-29.0 67.0 9.7 11.5 強

ヒノヒカリ 29.1 20.4 24.7 54.8 7.5 6.5 弱 26.0-29.1 36.4 14.3 29.7 やや弱

コガネマサリ 29.1 38.1 31.2 45.9 4.8 4.7 中 26.0-29.1 51.7 14.9 22.2 やや強

葵の風 29.1 16.2 45.1 68.4 6.1 6.7 弱 26.0-29.1 40.8 27.0 41.7 弱

日本晴 29.1 27.7 9.0 44.6 5.3 5.1 中 26.8-29.1 42.7 8.9 27.6 中

関東BPH1号 29.1 36.6 25.0 45.5 6.8 5.4 やや弱 - - - - -

北陸147号(基準) 29.1 32.8 9.0 16.2 3.3 3.1 強 26.6-29.1 31.7 7.1 13.6 強

みねはるか(基準) 28.9 50.8 17.2 23.1 3.6 3.0 強 28.3-28.9 44.4 12.3 18.9 強

黄金晴(基準) 29.0 15.4 19.9 47.0 6.5 6.0 やや弱 26.9-29.0 26.9 16.3 33.8 やや弱

品 種 名

品 種 名登熟気温範囲(℃)

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概評:西海267号の高温耐性、高温寡照耐性は「ヒノヒカリ」、「関東BPH1号」より優り、

「コガネマサリ」、「にこまる」並の“やや強”である。

(9)トビイロウンカ抵抗性検定試験成績ア.育成地における成績 (2009年)

Biotype1(野生型)を用いた人工接種で集団幼苗検定。

2葉期の幼苗に1~2齢のトビイロウンカ幼虫を10~15頭

/株の密度で放飼する。感受性品種が黄化、枯死する時期

に抵抗性を判定した。

関東BPH1号 西海267号 西海249号

判定:西海267号はトビイロウンカBiotype1に対して“抵抗性”である。

イ.九州沖縄農業研究センター難防除害虫研究チームにおける成績 (2010年)

羽化24時間以内のトビイロウンカ短翅雌成虫を、検定イネ苗(播種後約1ヶ月、3本植)に放飼して、5日後

の生存率と腹部肥大率を調査。日本で2010年に採集して累代飼育した系統(Bph1、bph2に加害性を持つ。

bph4に対しても約30%加害性を持つ)を放飼。各品種の反復は10。室内検定。

判定:西海267号は2010年に採集されたトビイロウンカ短翅雌成虫の生存率を83%程度、腹部肥大率を

75%程度に低下させる。

参考

品種・系統名 遺伝子 放飼5日後の生存率(%±S.E.) 放飼5日後の腹部肥大率(%±S.E.)

西海267号 bph11 57.5 ± 8.6 b 47.5 ± 6.2 b

関東BPH1号 bph11 47.8 ± 5.2 ab 44.4 ± 5.3 ab

関東PL5号 bph2 61.4 ± 7.4 b 58.5 ± 6.8 b

ヒノヒカリ - 68.9 ± 5.4 b 63.3 ± 6.0 b

同一英字の間には角変換後Tukey-Kramer検定による有意差なし(P>0.05)

表 トビイロウンカ抵抗性系統の抵抗性評価(圃場試験)

品種 遺伝子

関東BPH1号 bph11 369.5 ±132.7 27.5 ±8.0 ab

関東PL5号 bph2 707.3 ±73.6 89.8 ±35.5 b

ヒノヒカリ - 542.8 ±98.7 68.0 ±15.6 b

数値は粘着板20株払い落とし個体数。2010年10月11日調査。

同一英字の間には成虫+幼虫の合計値でTukey-Kramer検定による有意差なし(P>0.05)

幼虫個体数 成虫個体数

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概評:西海267号はトビイロウンカBiotype1に対して“抵抗性”である。西海267号の2010年に

採集されたトビイロウンカBiotypeに対する圃場での抵抗性は不明であるが、同じbph11

を持つ関東BPH1号の増殖抑制効果と同程度と予想される。

(10)DNAマーカーによる耐病虫性遺伝子保有の推定(2010年、育成地)a b c

a:Pb1の推定。SSRマーカーRM27023によるアガロースゲル電気泳動像。

b:bph11の推定。SSRマーカーRM3329によるアガロースゲル電気泳動像。

c:Stvb-iの推定。ST10によるアガロースゲル電気泳動像。N0708の結果は省略。

いずれも左から分子量マーカー、西海249号(Pb1、Stvb-i保有)、西海267号、

関東BPH1号(bph11保有)の順。

概評:RM27023を用いた西海267号の電気泳動パターンが西海249号型を示すことから、

西海267号はPb1を持つと推定される。同様に、ST10に関して西海249号型のため、

西海267号はStvb-iを持つと推定される。RM3329に関しては関東BPH1号型のため、

西海267号はbph11を持つと推定される。

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6)系統適応性検定試験成績(2008年)

場所 出 成 稈 穂 穂 倒 病害の多少

系統名 伏

穂 熟 長 長 数 の 葉 穂 白 縞

多 い い 葉 葉

品種名 期 期 少 も も 枯 枯

(月日) (月日) (cm) (cm) (本/m2) ち ち 病 病

静岡 西海267号 8.22 10.02 72 21.6 324 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

ヒノヒカリ 8.19 9.30 77 20.2 339 1.0 0.0 0.5 0.0 0.0

あいちのかおり 8.22 10.02 80 20.2 354 1.0 0.0 0.0 0.0 0.5

場所 系統名 玄 同 玄米 概

米 左

品種名 重 比 千粒重 品質

(kg/a) 率(%) (g) 評

静岡 西海267号 56.5 97 22.0 6.0 △ 優点:強稈,下葉枯少

ヒノヒカリ 54.7 94 23.2 6.5 倒伏強

あいちのかおり 58.3 100 24.6 5.5 欠点:粒揃い劣

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4.固定度1)系統間比較(育成地・2010年)

判定:西海267号の系統間に差はない。

2)系統内個体変異(育成地・2010年)(1)稈長

(2)穂長

品種系統名 系統 出穂始 出穂期 穂揃期 穂揃日数 稈長 穂長 穂数 ㎡穂数

番号 (月.日) (月.日) (月.日) (日) (cm) (cm) (本) (本)

F191 8.27 8.28 8.29 2 71.7 19.7 15.1 336

F192 8.26 8.27 8.28 2 72.5 19.8 15.4 341

西海267号 F193 8.26 8.27 8.28 2 72.0 19.5 15.9 354

F194 8.26 8.27 8.28 2 72.1 20.4 15.1 336

F195 8.26 8.27 8.28 2 72.7 19.6 15.2 338

ヒノヒカリ 8.25 8.26 8.27 2 75.8 18.6 16.0 356

関東BPH1号 8.25 8.26 8.28 3 73.6 19.3 16.6 369

あそみのり 8.23 8.24 8.25 2 72.3 21.3 17.8 396

注) は選抜系統を示す。

系統名 系統 階級値(cm) 個体数 平均値 変動

品種名 番号 62~ 64~ 66~ 68~ 70~ 72~ 74~ 76~ 78~ 80~ 82~ 84~ 合計 ±標準偏差 係数(%)

F191 0 0 0 2 14 8 6 0 0 0 0 0 30 71.7±1.6 2.2

F192 0 0 0 1 9 10 9 1 0 0 0 0 30 72.5±1.9 2.6

西海267号 F193 0 0 1 1 12 9 6 1 0 0 0 0 30 72.0±2.0 2.8

F194 0 0 1 2 9 10 7 1 0 0 0 0 30 72.1±2.2 3.0

F195 0 0 0 1 7 8 13 1 0 0 0 0 30 72.7±1.8 2.4

ヒノヒカリ 0 0 0 0 1 4 9 9 3 4 0 0 30 75.8±2.7 3.5

関東BPH1号 0 0 0 1 6 7 8 7 1 0 0 0 30 73.6±2.4 3.2

あそみのり 0 0 0 2 10 10 5 3 0 0 0 0 30 72.3±2.2 3.0

注) は系統名欄では選抜系統、階級値では平均値のある階級を示す。

系統名 系統 階級値(cm) 個体数 平均値 変動

品種名 番号 15~ 16~ 17~ 18~ 19~ 20~ 21~ 22~ 23~ 24~ 合計 ±標準偏差 係数(%)

F191 0 0 2 4 9 12 3 0 0 0 30 19.7±1.0 5.0

F192 0 0 1 5 10 9 3 2 0 0 30 19.8±1.2 5.9

西海267号 F193 0 0 2 5 14 4 5 0 0 0 30 19.5±1.0 5.3

F194 0 0 1 2 6 10 8 3 0 0 30 20.4±1.2 5.8

F195 0 0 2 9 8 6 3 2 0 0 30 19.6±1.3 6.5

ヒノヒカリ 1 0 4 14 8 2 1 0 0 0 30 18.6±1.1 6.1

関東BPH1号 0 0 2 8 12 6 2 0 0 0 30 19.3±1.0 5.0

あそみのり 0 0 0 2 3 6 7 9 1 2 30 21.3±1.4 6.3

注) は系統名欄では選抜系統、階級値では平均値のある階級を示す。

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(3)穂数

概評:西海267号は、各形質とも実用的に支障のない程度に固定したものと認められる。

系統名 系統 階級値(穂/株) 個体数 平均値 変動

品種名 番号 4~ 6~ 8~ 10~12~14~16~18~20~22~24~ 合計 ±標準偏差 係数(%)

F191 0 0 1 1 7 10 5 3 3 0 0 30 15.1±2.8 17.9

F192 0 0 0 2 4 7 11 5 1 0 0 30 15.4±2.3 14.9

西海267号 F193 0 0 1 0 3 9 8 7 1 1 0 30 15.9±2.8 17.0

F194 0 1 1 1 6 7 7 3 3 1 0 30 15.1±3.2 20.9

F195 0 2 0 0 5 9 7 4 2 1 0 30 15.2±3.4 21.7

ヒノヒカリ 0 1 0 0 4 6 10 6 2 1 0 30 16.0±3.1 19.1

関東BPH1号 0 0 0 0 5 5 5 12 3 0 0 30 16.6±2.5 14.9

あそみのり 0 0 0 1 3 2 5 10 6 3 0 30 17.8±3.0 16.7

注) は系統名欄では選抜系統、階級値では平均値のある階級を示す。

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配付先における試験成績

1)配付先における概評一覧

注)1.下線太ゴシックは奨励品種決定本試験、その他は同予備試験を示す。概評の○、△、×はそれぞれ、やや有望、継続、打ち切りを示す。

2)主要特性の比較(1)配付先における西海267号と対照品種との主要特性の比較図(2009~2010年)

試験場所 比較比率 比較比率 主な対照品種

標肥 多肥 標肥 多肥

滋賀 72 × 日本晴

京都 100 △ 97 △ ヒノヒカリ

大阪 120 △ 95 △ ヒノヒカリ

兵庫 87 △ 93 △ ヒノヒカリ

和歌山 100 △ 99 △× ヒノヒカリ

岡山 97 △ 92 △× ヒノヒカリ

広島 96 × ヒノヒカリ

山口 91 × ヒノヒカリ

徳島 87 △ 103 △× ヒノヒカリ

香川 97 × ヒノヒカリ

愛媛 118 ○△ 102 ○ ヒノヒカリ

高知 92 △× 91 ○△ ヒノヒカリ

福岡 94 △ 93 × ヒノヒカリ

佐賀 120 ○△ 98 △ ヒノヒカリ

長崎 97 ○△ 102 △ ヒノヒカリ

熊本 104 △ 97 △ ヒノヒカリ

阿蘇 91 △ 107 × ヒノヒカリ

宮崎 92 △ 102 ○△ ヒノヒカリ

鹿児島 93 △ 91 × ヒノヒカリ

2009 2010

有望度 有望度有望度 2009 2010奨励 0 0◎ 0 0

◎○ 0 0本調査 ○ 0 0

○△ 0 1△ 0 0

△× 0 0× 0 0◎ 0 0

◎○ 0 0○ 0 0

予備調査 ○△ 3 1△ 11 0

△× 1 0× 4 0

65

70

75

80

85

90

65 70 75 80 85 90

西海

267号

の稈

長(cm

ヒノヒカリの稈長(cm)

16

17

18

19

20

21

22

16 17 18 19 20 21 22

西海

267号

の穂

長(cm

ヒノヒカリの穂長(cm)

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250

300

350

400

450

250 300 350 400 450

西海

267号の穂数

(本

/m

2)

ヒノヒカリの穂数(本/m2)

35

45

55

65

75

35 45 55 65 75

西海

267号

の玄

米収

量(kg/a)

ヒノヒカリの玄米収量(kg/a)

1

2

3

4

5

6

7

8

9123456789

西海267号の外

観品

質(0-9)

ヒノヒカリの外観品質(0-9)

19.0

20.0

21.0

22.0

23.0

24.0

25.0

19.0 20.0 21.0 22.0 23.0 24.0 25.0

西海

267号

の千粒重(g)

ヒノヒカリの千粒重(g)

0

5

10

15

20

25

30

35

倒 伏(0~5)

西海267号

対照品種

0

5

10

15

20

25

30

葉いもち(0~5)

西海267号

対照品種

0

5

10

15

20

25

30

穂いもち(0~5)

西海267号

対照品種

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概評:西海267号は対照品種(ヒノヒカリ)に比べ、以下の特性を示す・稈長はやや短く、穂長、穂数は同程度である。・収量は同等かやや少なく、千粒重は軽く、玄米品質は優る。・いもち病と倒伏は西海267号、ヒノヒカリとも発生が少なく、差が明瞭ではない。

(2)配付先で有利または不利と評価された形質とその頻度(2009~2010年)

注)奨励品種決定基本調査の“有利形質(1~5)”、“不利形質(1~5)”をそれぞれ集計した。グラフに記載されていない形質については,有利、不利とも指摘がなかった。

概評:奨励品種決定試験における西海267号の形質評価は、以下のように要約できる。1.品質、縞葉枯病を優点とした試験地が多い。2.対照品種より劣る項目としては、収量と粒大を上げた試験地が多い。

0

2

4

6

8

10

12

14

出穂期

熟期

草姿

稈長

収量

熟色

品質(外観)

粒大

食味

下葉枯

稈質

倒伏

いもち病

穂いもち

紋枯病

縞葉枯病

トビイロウンカ

有利形質 不利形質

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3)現地における試験成績

耕種概要

播種:5/19、移植:6/12、条間 30cm ×株間 24cm(13.9 株/m2)

圃場概要:地力低い、耕起浅い、イボクサ多い、前作はソバ、前々作はトウキビ

基肥:ひとふりパート2(N-P-K=0.2-0.13-0.1)、N 成分で 0.83kg/a

バッサ散布2回(8/12、8/24)、100 倍希釈の米酢散布(9/9)

生産者の所感:

周辺のヒノヒカリに縞葉枯病が散見された中で発病がなかった。有機栽培に向け、予備試験的に

栽培したが、収量性、品質とも良好なことから、次年度より有機栽培で試作したい。

現地試験(熊本県湯前町)の成績(2010年)

出穂期 成熟期 稈長 穂長 穂数 全重 籾重精玄米重

精玄米重(全刈)

屑米歩合

千粒重

品質 倒伏葉いもち

穂いもち

(月日) (月日) (cm) (cm) (/m2) (kg/a) (kg/a) (kg/a) (%) (g) (1-9) (0-5) (0-9) (0-9)

西海267号 8.26 10.07 72 19.8 363 143 67.6 54.2 52.5 2.1 20.8 4.0 0.0 0.0 0.0

ヒノヒカリ(参考) 8.23 10.10 79 19.6 390 135 - 60.5 - - 22.6 6.3 0.0 0.0 0.5

品種・系統名

注) 西海267号の移植日は6月12日。ヒノヒカリは球磨農業研究所の奨決試験成績を引用

(移植日は6月15日。栽植密度:18.5株/m2。N成分で基肥0.5+追肥0.5kg/a。)。

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4) 試験成績一覧表 (奨決データベース2009~2010)

試験年度 試験地

品種系統名

供試目的

供試年数

試験種類

田畑別

作期

苗種類

移植法

施肥水準

播種期

移植期

栽植密度

基肥の量(kg/a)

追肥の回数

追肥の量(kg/a)

希望種子量

出穂期

成熟期 稈長

穂長(cm)

㎡ 穂数

全重(kg/a)

玄米収量(kg/a)

比較比率

玄米千粒重(g)

玄米品質

2009 滋賀 西海267号 検定 1 予備 水田早植中苗 手植 標肥 4.14 5.13 22.2 0.5 1 0.3 8.18 9.27 76.8 19.6 353 171.2 41.9 72 19.8 3.3

2009 滋賀 ヒノヒカリ 比較 予備 水田早植中苗 手植 標肥 4.14 5.13 22.2 0.5 1 0.3 8.15 9.23 84.5 19.1 323 166.7 42.7 73 21.1 3.5

2009 滋賀 日本晴 対照 予備 水田早植中苗 手植 標肥 4.14 5.12 22.2 0.5 1 0.3 8.07 9.14 83.0 19.7 429 171.5 58.6 100 22.6 5.0

2009 京都 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 22.2 0.5 2 0.5 0.2 8.20 10.05 72.1 20.6 282 151.3 42.8 100 21.1 4.0

2009 京都 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 22.2 0.5 2 0.5 8.19 10.06 78.4 19.7 277 144.4 42.7 100 22.1 4.0

2009 京都 にこまる 検定 2 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 22.2 0.5 2 0.5 0.2 8.24 10.12 78.3 20.7 289 180.0 57.3 134 24.3 4.0

2009 大阪 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.15 18.5 0.6 1 0.2 0.2 8.27 10.12 75.0 19.4 294 141.7 56.5 120 21.2 3.0

2009 大阪 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.15 18.5 0.6 1 0.2 8.25 10.12 82.2 21.0 312 156.5 47.2 100 23.4 4.0

2009 大阪 にこまる 検定 2 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.15 18.5 0.6 1 0.2 5.0 9.01 10.16 81.2 20.1 300 168.1 60.6 128 23.9 2.0

2009 兵庫 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.15 20.8 0.8 0 0.0 0.3 9.03 10.20 72.4 17.2 409 170.0 56.7 87 19.7 6.5

2009 兵庫 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.15 20.8 0.8 0 0.0 9.03 10.21 80.9 17.7 426 181.1 65.4 100 20.9 5.0

2009 和歌山 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.27 6.16 16.0 0.8 0 0.0 0.3 8.25 10.01 75.4 18.8 337 165.0 55.0 100 21.0 2.0

2009 和歌山 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.27 6.16 16.0 0.8 0 0.0 8.24 10.02 83.0 18.3 333 155.1 55.1 100 22.5 2.0

2009 岡山 西海267号 検定 1 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.19 6.23 18.3 0.9 0 0.0 0.3 8.30 10.16 79.8 20.7 330 174.0 59.8 97 21.1 3.0

2009 岡山 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.19 6.23 18.3 0.9 0 0.0 8.30 10.13 85.8 20.1 336 175.0 61.4 100 23.8 4.0

2009 広島 西海267号 検定 1 予備 水田普通中苗 手植 標肥 4.28 5.20 22.2 0.4 2 0.4 8.25 10.04 76.9 19.0 355 168.0 44.0 96 20.6 1.5

2009 広島 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 4.28 5.20 22.2 0.4 2 0.4 8.20 10.05 85.8 18.2 403 160.0 45.6 100 22.1 1.5

2009 山口 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.21 6.10 22.2 0.6 0 0.0 8.29 10.06 76.8 18.2 319 159.6 51.3 91 21.1 3.0

2009 山口 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.21 6.10 22.2 0.6 0 0.0 8.27 10.05 87.6 18.5 345 166.2 56.4 100 23.0 3.0

2009 山口 にこまる 検定 5 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.21 6.10 22.2 0.6 0 0.0 0.2 8.31 10.16 81.6 18.0 306 186.8 57.0 101 23.5 5.0

2009 徳島 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.18 6.01 16.7 0.5 1 0.3 0.2 8.22 10.02 75.4 18.7 305 158.9 40.0 87 19.6 4.5

2009 徳島 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.18 6.01 16.7 0.5 1 0.3 8.20 9.28 80.6 18.7 311 158.6 46.0 100 21.2 5.0

2009 香川 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.29 6.18 18.5 0.5 1 0.3 8.29 10.15 69.4 19.4 333 158.0 59.9 97 22.0 3.5

2009 香川 ヒノヒカリ 対照 本 水田普通稚苗 手植 標肥 5.29 6.18 18.5 0.5 1 0.3 8.30 10.15 79.2 19.6 344 163.8 61.6 100 24.1 3.3

2009 愛媛 西海267号 検定 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 5.27 6.17 18.5 0.6 1 0.4 0.3 8.28 10.10 73.7 20.3 346 176.6 66.7 118 22.8 3.0

2009 愛媛 ヒノヒカリ 対照 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 5.27 6.17 18.5 0.6 1 0.4 8.28 10.10 77.8 19.9 315 155.2 56.4 100 22.9 3.3

2009 高知 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.15 6.01 20.8 0.9 0 0.0 0.3 8.19 9.21 72.9 19.1 385 48.8 92 20.5 5.0

2009 高知 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.15 6.01 20.8 0.9 0 0.0 8.19 9.21 69.7 20.2 349 53.3 100 21.7 6.0

2009 福岡 西海267号 検定 1 予備 水田普通中苗 機械植 標肥 5.21 6.19 22.6 0.5 2 0.4 0.2 8.29 10.10 81.0 20.8 327 70.8 94 21.5 2.0

2009 福岡 ヒノヒカリ 対照 本 水田普通中苗 機械植 標肥 5.21 6.19 22.6 0.5 2 0.4 8.27 10.03 88.0 20.6 326 75.6 100 23.3 2.0

2009 福岡 にこまる 検定 2 予備 水田普通中苗 機械植 標肥 5.28 6.24 21.4 0.6 2 0.5 5.0 9.02 10.17 82.0 19.6 319 66.6 103 23.4 4.5

2009 佐賀 西海267号 検定 1 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.26 6.22 22.2 0.4 2 0.5 0.2 8.29 10.07 73.6 19.5 314 152.1 58.3 120 20.4 3.0

2009 佐賀 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.26 6.22 22.2 0.4 2 0.5 8.26 10.04 81.8 18.5 303 142.8 48.5 100 21.8 4.5

2009 長崎 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.29 6.17 22.2 0.5 2 0.5 0.2 8.25 10.01 79.9 19.8 327 57.2 97 21.7 1.5

2009 長崎 ヒノヒカリ 対照 本 水田普通稚苗 手植 標肥 5.29 6.17 22.2 0.5 2 0.5 8.24 10.01 87.2 19.5 326 58.9 100 23.3 4.0

2009 長崎 にこまる 比較 本 水田普通稚苗 手植 標肥 5.29 6.17 22.2 0.5 2 0.5 8.27 10.05 87.0 19.7 318 69.1 117 25.3 2.0

2009 熊本 西海267号 検定 1 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.22 6.23 18.5 0.5 2 0.5 0.3 8.25 10.09 76.5 19.8 269 147.5 54.7 104 21.7 3.0

2009 熊本 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.22 6.23 18.5 0.5 2 0.5 8.25 10.04 83.9 19.6 275 145.4 52.8 100 23.9 4.4

2009 阿蘇 西海267号 検定 1 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 16.7 0.4 1 0.2 0.2 8.28 10.16 77.0 18.4 364 181.6 52.3 91 20.1 3.0

2009 阿蘇 ヒノヒカリ 対照 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 16.7 0.4 1 0.2 8.27 10.19 85.0 18.8 368 182.9 57.6 100 21.6 4.0

2009 宮崎 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.25 6.19 22.2 0.5 1 0.3 0.4 8.24 9.30 75.2 20.3 402 173.8 62.2 92 20.8 3.0

2009 宮崎 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.25 6.19 22.2 0.5 1 0.3 8.22 10.03 83.1 19.9 399 174.3 67.7 100 22.1 4.3

2009 鹿児島 西海267号 検定 1 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.19 21.8 0.5 1 0.3 0.2 8.20 9.28 80.0 19.1 417 172.1 57.2 93 20.5 3.5

2009 鹿児島 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.25 6.19 21.8 0.5 1 0.3 8.20 9.28 84.9 19.3 435 177.1 61.3 100 21.9 5.0

2010 京都 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 4.30 5.19 22.2 0.5 2 0.5 0.2 8.18 10.06 79.2 18.5 350 183.0 49.7 97 21.3 6.0

2010 京都 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 4.30 5.19 22.2 0.5 2 0.5 8.17 10.06 85.3 17.8 360 180.1 51.5 100 22.6 7.0

2010 大阪 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.15 18.5 0.5 2 0.3 0.2 8.24 10.07 78.3 19.7 282 146.2 56.2 95 20.8 5.0

2010 大阪 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.15 18.5 0.5 2 0.3 8.23 10.12 82.7 19.4 319 161.4 59.2 100 23.0 6.0

2010 兵庫 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.15 20.8 0.8 0 0.0 0.3 8.28 10.20 63.0 18.6 342 124.2 41.8 93 20.7 6.0

2010 兵庫 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.15 20.8 0.8 0 0.0 8.29 10.20 67.9 18.2 342 129.7 44.9 100 22.2 8.0

2010 和歌山 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.25 6.15 16.0 0.8 0 0.0 0.3 8.23 10.01 77.1 18.2 346 157.3 53.1 99 20.0

2010 和歌山 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.25 6.15 16.0 0.8 0 0.0 8.23 10.01 84.2 18.3 317 160.1 53.4 100 21.8

2010 岡山 西海267号 検定 2 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.18 6.22 18.3 0.9 0 0.0 0.3 8.26 10.10 70.3 19.4 303 144.5 45.5 92 20.3 5.0

2010 岡山 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.18 6.22 18.3 0.9 0 0.0 8.25 10.08 74.5 19.6 300 149.6 49.7 100 23.0 9.0

2010 徳島 西海267号 検定 予備 普通稚苗 手植 標肥 5.18 6.01 16.7 ### 8.21 9.24 72.7 19.4 285 141.0 42.6 103 18.7 5.0

2010 徳島 ヒノヒカリ 対照 予備 普通稚苗 手植 標肥 5.18 6.01 16.7 8.19 9.22 79.1 19.3 294 144.9 41.3 100 19.6 6.5

2010 愛媛 西海267号 検定 2 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 5.26 6.16 18.5 0.6 1 0.4 0.3 8.24 10.05 77.9 19.8 337 151.0 51.0 102 20.6 3.0

2010 愛媛 ヒノヒカリ 対照 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 5.26 6.16 18.5 0.6 1 0.4 8.23 10.04 81.7 18.8 308 154.9 50.1 100 22.0 6.0

2010 愛媛 愛のゆめ 比較 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 5.26 6.16 18.5 0.6 1 0.4 8.23 10.04 78.4 19.7 310 151.3 46.1 92 22.1 6.0

2010 高知 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.14 6.01 20.8 0.9 0 0.0 0.3 8.18 9.22 73.1 19.4 365 48.2 91 20.4 6.0

2010 高知 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.14 6.01 20.8 0.9 0 0.0 8.18 9.22 78.6 18.6 396 52.8 100 21.9 8.0

2010 高知 黄金錦 比較 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.14 6.01 20.8 0.9 0 0.0 8.19 9.21 89.8 20.3 317 45.4 86 22.0 7.0

2010 福岡 西海267号 検定 2 予備 水田普通中苗 機械植 標肥 5.20 6.17 22.6 0.5 2 0.4 8.24 9.27 78.0 20.4 297 51.5 93 20.4 6.0

2010 福岡 ヒノヒカリ 対照 本 水田普通中苗 機械植 標肥 5.20 6.17 22.6 0.5 2 0.4 8.24 9.28 85.0 20.3 326 55.2 100 23.1 6.0

2010 佐賀 西海267号 検定 2 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.16 22.2 0.4 2 0.5 0.2 8.25 10.05 71.3 20.2 361 146.0 52.0 98 20.0 4.0

2010 佐賀 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.16 22.2 0.4 2 0.5 8.25 10.06 76.3 20.6 401 150.1 53.1 100 21.5 4.0

2010 佐賀 さがびより 比較 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.16 22.2 0.4 2 0.5 8.29 10.08 74.8 20.4 332 154.9 54.4 102 22.1 4.0

2010 佐賀 たんぼの夢比較 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.16 22.2 0.4 2 0.5 8.26 10.09 68.2 20.1 369 146.3 55.1 104 22.9 6.0

2010 長崎 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.28 6.15 22.2 0.5 2 0.5 0.2 8.23 10.01 77.0 19.4 295 50.9 102 21.8 6.5

2010 長崎 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.28 6.15 22.2 0.5 2 0.5 8.22 9.29 84.6 18.8 329 153.9 49.9 100 22.9 9.0

2010 長崎 にこまる 比較 予備 水田普通稚苗 手植 標肥 5.28 6.15 22.2 0.5 2 0.5 8.25 10.04 84.6 19.4 310 169.8 55.8 112 24.5 3.3

2010 熊本 西海267号 検定 2 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.22 18.5 0.5 2 0.5 0.3 8.26 10.08 74.9 20.4 377 57.2 97 21.3 5.2

2010 熊本 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通中苗 手植 標肥 5.21 6.22 18.5 0.5 2 0.5 8.26 10.08 80.2 20.6 368 58.9 100 23.3 5.7

2010 阿蘇 西海267号 検定 2 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 16.7 0.4 1 0.2 8.24 10.07 78.0 18.7 345 167.9 53.7 107 20.5 3.0

2010 阿蘇 ヒノヒカリ 対照 予備 水田早植稚苗 手植 標肥 4.30 5.21 16.7 0.4 1 0.2 8.24 10.11 84.0 18.0 329 159.9 50.3 100 21.7 3.0

2010 宮崎 西海267号 検定 2 本 水田普通稚苗 手植 標肥 6.10 6.21 22.2 0.5 1 0.3 4.2 8.24 9.28 77.8 20.0 409 170.8 61.4 102 21.2 5.0

2010 宮崎 ヒノヒカリ 対照 本 水田普通稚苗 手植 標肥 6.10 6.21 22.2 0.5 1 0.3 8.24 9.28 80.6 19.5 406 168.8 60.1 100 22.5 7.5

2010 鹿児島 西海267号 検定 2 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.18 21.1 0.5 1 0.3 8.21 9.30 78.7 20.4 398 188.4 56.7 91 21.1 5.0

2010 鹿児島 ヒノヒカリ 対照 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.18 21.1 0.5 1 0.3 8.21 9.28 84.3 19.3 395 190.5 62.3 100 22.5 7.7

2010 鹿児島 日本晴 比較 予備 水田普通稚苗 機械植 標肥 5.24 6.18 21.1 0.5 1 0.3 8.14 9.25 78.6 19.4 420 165.5 19.6 31 22.3 4.0

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Page 39: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

試験年度 試験地

品種系統名

倒伏程度

葉いもち

穂いもち

白葉枯病

縞葉枯病

冷害

カラバエ

有望度

有利1 有利2 有利3 有利4 有利5

不利1 不利2 不利3 不利4 不利5 立毛概評

2009 滋賀 西海267号 0.0 0.0 × 品質 収量

2009 滋賀 ヒノヒカリ 0.3 0.0

2009 滋賀 日本晴 1.3 0.0

2009 京都 西海267号 0.0 0.0 0.0 △

2009 京都 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2009 京都 にこまる 0.0 0.0 0.0 ○△収量 食味 粒揃

2009 大阪 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 収量 下葉枯

2009 大阪 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 心白

2009 大阪 にこまる 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ 収量 品質 光沢

2009 兵庫 西海267号 0.0 0.4 0.0 0.0 0.0 △ 収量

2009 兵庫 ヒノヒカリ 0.0 0.6 0.0 0.0 0.0

2009 和歌山 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △

2009 和歌山 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 岡山 西海267号 0.0 1.0 1.0 △ 品質

2009 岡山 ヒノヒカリ 0.0 0.5 0.5

2009 広島 西海267号 0.0 × 収量

2009 広島 ヒノヒカリ 0.0

2009 山口 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 × 品質 稈質 穂イモチ倒伏 収量

2009 山口 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 山口 にこまる 0.0 0.0 1.3 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 倒伏 穂イモチ 品質 粒揃 熟期

2009 徳島 西海267号 0.0 0.0 0.0 △

2009 徳島 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2009 香川 西海267号 0.0 0.3 × 稈長 粒大 食味

2009 香川 ヒノヒカリ 0.0 0.0

2009 愛媛 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ○△出穂 熟期 収量

2009 愛媛 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 高知 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 △× 粒大

2009 高知 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 福岡 西海267号 0.0 0.0 0.0 △ 品質 いもち 収量

2009 福岡 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2009 福岡 にこまる 0.0 0.0 0.7 ○ 出穂 収量 品質 いもち

2009 佐賀 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ○△収量 品質

2009 佐賀 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 長崎 西海267号 0.0 0.0 1.0 0.0 ○△食味 品質

2009 長崎 ヒノヒカリ 0.0 0.0 1.0 0.0

2009 長崎 にこまる 0.0 0.0 0.0 0.7

2009 熊本 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 収量 食味 品質 縞葉枯 粒大

2009 熊本 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0

2009 阿蘇 西海267号 0.0 0.0 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 品質 熟色 収量 草姿

2009 阿蘇 ヒノヒカリ 0.0 0.3 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 宮崎 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 収量

2009 宮崎 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2009 鹿児島 西海267号 0.0 3.0 0.0 △ 縞葉枯トビ抵 穂イモチ 食味 収量

2009 鹿児島 ヒノヒカリ 0.0 2.5 0.0

2010 京都 西海267号 0.0 0.0 0.0 △ ほぼ同収。外観品質並。

2010 京都 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2010 大阪 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 粒大 特性把握終了につき打ち切り。

2010 大阪 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 白未熟あり

2010 兵庫 西海267号 0.0 0.8 0.0 0.0 0.0 △ 低収。品質同等であるが食味同等。食味やや劣る。白未熟粒率低い。

2010 兵庫 ヒノヒカリ 0.0 0.7 0.1 0.0 0.0

2010 和歌山 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △× 粒大

2010 和歌山 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 岡山 西海267号 0.0 2.5 0.0 △×品質(外観) 収量

2010 岡山 ヒノヒカリ 0.0 2.5 2.0 品質(外観)

2010 徳島 西海267号 0.0 0.0 0.0 △× 粒大

2010 徳島 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2010 愛媛 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ○ 品質(外観)

2010 愛媛 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 愛媛 愛のゆめ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 収量

2010 高知 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 ○△ 粒大

2010 高知 ヒノヒカリ 0.0 1.0 0.0 0.0

2010 高知 黄金錦 0.0 0.0 0.0 0.0 収量

2010 福岡 西海267号 0.0 0.0 0.0 × 食味 縞葉枯病 収量 粒大 食味優れるが、小粒・低収。

2010 福岡 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0

2010 佐賀 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 倒伏 品質(外観) 紋枯病 熟色 下葉枯 収量・品質は並み.小粒.倒伏に強い.紋枯病に弱い.熟色やや劣る.下葉枯れ目立つ

2010 佐賀 ヒノヒカリ 1.8 0.0 0.0 0.0

2010 佐賀 さがびより 0.0 0.5 0.0 0.5

2010 佐賀 たんぼの夢 0.0 0.5 0.0 0.0

2010 長崎 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 品質(外観) 基白 品質良いが小さな基白多い

2010 長崎 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 長崎 にこまる 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 熊本 西海267号 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 縞葉枯病

2010 熊本 ヒノヒカリ 1.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 阿蘇 西海267号 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 × 収量

2010 阿蘇 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 宮崎 西海267号 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ○△ 熟期 品質は良く、複合抵抗性を有する。

2010 宮崎 ヒノヒカリ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2010 鹿児島 西海267号 0.0 1.0 0.0 × 収量

2010 鹿児島 ヒノヒカリ 0.0 1.0 0.0

2010 鹿児島 日本晴 0.0 1.0 0.0

-29-

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6.品種登録を申請する理由

暖地では近年の高温化傾向により、主力品種の「ヒノヒカリ」において高温による白未

熟粒の多発や充実不足による玄米品質の低下が顕著である。一方、近年では、トビイロウ

ンカの被害が再び増える傾向にあり、大陸から飛来してくる保毒ヒメトビウンカによる縞

葉枯病の被害も報告されている。さらに、海外から飛来するこれらの害虫については薬剤

耐性に変化を生じ、防除薬剤の効果が落ちるという新たな問題も生じている。

そこで、これらの問題を解決するため、暖地の普通期栽培に適し、高温による品質低下

が少なく、トビイロウンカや縞葉枯病に抵抗性を持つ中生品種が要望されていた。

「西海 267 号」は、トビイロウンカ、縞葉枯病に対する抵抗性に加え、穂いもちに“中

”程度の抵抗性を有する。また、高温登熟条件下での玄米品質は「ヒノヒカリ」より明ら

かに優れ、食味も「ヒノヒカリ」と同等である。

そこで、農業現場における普及性を確認するため、特に有機栽培や減農薬栽培に取り組

んでいる農業団体等での試作を行う予定である。このため、本系統を品種登録出願したい。

7.配付しうる種子量

系統採種 3.0 kg

一般採種 114.0 kg

合 計 117.0 kg

8.栽培適地

「ヒノヒカリ」と同じ“中生の中”の特性から見て、温暖地西部および暖地の平坦部に

適する。

9.栽培上の注意点

1)トビイロウンカ抵抗性遺伝子 bph11 を持っているが、国内に飛来するウンカで bph11

に加害性を持つバイオタイプの事例も報告されているので,発生状況に注意し発生が多い

場合は適切な防除を行う。

2)葉いもち圃場抵抗性は“やや弱”なので、的確な防除を行う。

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10.育成従事者氏名

年度 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010世代 交配・F1 F2 F3 F4 F5 F6 F7 F8

坂井 真 ○ 現在員

田村克徳 現在員

田村泰章 ○ 現在員

片岡知守 ○ 現在員

梶 亮太 ○ 東北農業研究センター

岡本正弘 ○ 九州沖縄農業研究センター研究管理監

溝淵律子 ○ 農業生物資源研究所

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(参考) 新基準による種苗特性分類

農林水産植物の種類名( 稲 )

出願品種の名称(水稲 西海267号 ) (よみ:すいとう さいかいにひゃくろくじゅうななごう ) 出願者の氏名又は名称(独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構) 育成者( 坂井 真 他8名 ) 出願者の住所(茨城県つくば市観音台三丁目1番地1 ) 育成地の場所(福岡県筑後市大字和泉496番地 )

特性調査場所( 同上 ) 特性調査者の氏名( 坂井 真、田村克徳、田村泰章、片岡知守 ) 対照品種名(ヒノヒカリ) 特性調査年(2007~2010年 ) ( )

(グループ1:必須形質)

特 性 表 (特性について該当する項目を○で囲んで下さい)

出願品種の特性値(標準品種との比較) 備 考

ステージ 形 質

01 02 03 04 05 06 07 08 09 (測定値等)

40葉:アントシアン着色

無 有 1 1

40葉:アントシアン色の分布

先端のみ

縁のみ

斑点状

全葉

40葉:葉耳のアントシアン着色

無 有 1 1

60止葉:葉身の姿勢(初期)

立半立

水平

反曲

2 2

90止葉:葉身の姿勢(後期)

立半立

水平

反曲

3 3

55 出穂期極早生

早生

中生

晩生

(極晩生

5 5

(参考:旧基準)極早生

早生早

早生晩

中生早

中生中

中生晩

晩生早

晩生晩

極晩生

65外頴:頂部のアントシアニン着色(初期)

無又は極淡

淡 中 強極強

1 1

70 稈:長さ極淡

短 中 長極長

6 6

70稈:節のアントシアニン着色

無 有 1 1

72-90 穂:主軸の長さ 短 中 長 5 5

70 穂:穂数 少 中 多 5 5

70-80 穂:芒の分布

先端のみ

上半分のみ

全体

1 1

60-80小穂:外頴の毛茸の多少

無又は極少

少 中 多極多

5 5

90-90小穂:外頴先端の色(ふ先色)

白 黄 褐 赤 紫 黒 1 1

対照品種の特性値

(ヒノヒカリ)

(関東BPH1号)

32

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(グループ1:必須形質)

特 性 表 (特性について該当する項目を○で囲んで下さい)

出願品種の特性値(標準品種との比較) 備 考

ステージ 形 質

01 02 03 04 05 06 07 08 09 (測定値等)

対照品種の特性値

(ヒノヒカリ)

(関東BPH1号)

90穂:主軸の湾曲程度

立傾く

垂れる

屈曲

5 5

90 穂:穂型被針形

紡錘状

棍棒状

ほうき状

散形

2 2

90 成熟期極早生

早生

中生

晩生

極晩生

5 5

(参考:旧基準)極早生

早生早

早生晩

中生早

中生中

中生晩

晩生早

晩生晩

極晩生

90 穎色黄白

黄金

茶赤淡

紫 黒 1 1

90 穎色:模様 無

黄金色の溝

茶色の溝

紫色の班

紫色の溝

1 1

92外頴:頂部のアントシアニン着色(後期)

無又は極淡

淡 中 濃極濃

1 1

92 護穎:長さ 短 中 長

92 護穎:色黄白

黄金色

赤 紫 1 1

92 籾:千粒重 少 中 大 4 4

92籾:穎のフェノール反応

無 有 1 1

92籾:フェノール着色(フェノール反応有のみ)

淡 中 濃

92 玄米:長さ 短 中 長 5 5

92 玄米:幅 細 中 太 5 5

92 玄米:形 円半円

半紡錘形

紡錘形

長紡錘形

3 3

92 玄米:色 白淡褐

褐斑

暗褐

淡赤

赤紫斑

暗紫/黒

2 2

92 玄米:香り

無または極弱

弱 強 1 1

33

Page 44: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

特 性 表 (特性について該当する項目を○で囲んで下さい) (グループ2:選択可形質)

ステ 出願品種の特性値(標準品種との比較) 備 考 形 質

ージ 01 02 03 04 05 06 07 08 09 (測定値等)

40葉:緑色の程度

淡緑

中濃緑

4 4

40葉鞘:アントシアニン着色

無 有 1 1

40葉鞘:アントシアニン着色の程度

極淡

淡 中 濃 1 1

40葉身:表面の毛茸

無又は極少

少 中 多 5 5

40 葉身の長さ 短 中 長

40 葉身の幅狭い

中広い

40 稈:形状 立半立

開開張

ひざまずき

1 1

60 雄性不稔 無

不完全雄性不稔

雄性不稔

1 1

65小穂:柱頭の色

白淡緑

黄淡紫

70 稈:太さ 細 中 太 6 6

60 穂:芒 無 有 9 9

穂:芒の色(初期)

黄白

黄褐

褐赤褐

淡赤

赤淡紫

紫 黒 1 1

70-80穂:最長芒の長さ

極短

短 中 長極長

1 1

90穂:芒の色(後期)

黄白

黄褐

褐赤褐

淡赤

赤淡紫

紫 黒 1 1

90穂:2次枝梗の有無

無 有 9 9

90穂:2次枝梗の形

1型

2型

3型

1 1

90 穂:抽出度非抽出

一部抽出

抽出(

穂だけ)

穂軸の一部も)

概ね抽出

穂軸も良く抽出

5 5

92葉:老化(枯れ上り)

早 中 晩 7 7

92 胚乳:型 糯半糯

粳 3 3

92胚乳:アミロース含量

1型

2型

3型

4型

5型

6型

7型

4 4

対照品種の特性値(ヒノヒカリ)

(関東BPH1号)

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

34

Page 45: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

(特性について該当する項目を○で囲んで下さい) (グループ2:選択可形質)

ステ 出願品種の特性値(標準品種との比較) 備 考 形 質

ージ 01 02 03 04 05 06 07 08 09 (測定値等)

対照品種の特性値(ヒノヒカリ)

(関東BPH1号)

10 低温発芽性極低

低やや低

中やや高

高極高

40-70 耐干性極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

60-80 障害型耐冷性極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

50-70出穂遅延型耐冷性

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

95 穂発芽性極易

易やや易

中やや難

難極難

7 7

80-90 耐倒伏性極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

4 4

90 脱粒性極易

易やや易

中やや難

難極難

7 7

90 地上部全重極小

小やや小

中やや大

大極大

5 5

15いもち病抵抗性遺伝子型

11-1 11-1

70-90穂いもち圃場抵抗性

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

4 4

10-40葉いもち圃場抵抗性

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

4 4

70-80白葉枯病抵抗性品種群別

金南風群

黄玉群

Rantaji-emas群

早生愛国群

ジャ

バ群

1 1

40-60白葉枯病圃場抵抗性

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

4 4

20しま葉枯病抵抗性品種群別

日本水稲型

日本陸稲型

外国稲型

1 1

20,70ツマグロヨコバイ抵抗性品種群別

感受性群

抵抗性群

1 1

20,70トビイロウンカ抵抗性遺伝子型

+ Bph1 bph2 Bph3 bph4 bph11 1 (bph11)

90玄米:心白の発現(酒米)

5%以下

5~10%

11~20%

21~40%

40%以上

90タンパク質含量

極低

低 中 高極高

4 4

90グルテリン含量

極低

低 中 高極高

90プロラミン含量

極低

低 中 高極高

11-1

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

35

Page 46: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

(特性について該当する項目を○で囲んで下さい) (グループ2:選択可形質)

ステ 出願品種の特性値(標準品種との比較) 備 考 形 質

ージ 01 02 03 04 05 06 07 08 09 (測定値等)

対照品種の特性値(ヒノヒカリ)

(関東BPH1号)

(グループ3・追加)

草型極穂重

穂重偏穂重

中間偏穂数

穂数極穂数

偏穂重 偏穂重

90玄米:外観品質

下下

下中

下上

中下

中中

中上

上下

上中

上上

上下 上下

90 炊飯米の食味下下

下中

下上

中下

中中

中上

上下

上中

上上

上中 上中

90耐転び型倒伏性

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

10土中または低酸素出芽性

極低

低やや低

中やや高

高極高

90高温登熟性(品質)

極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

3 3

70-90 紋枯病抵抗性極弱

弱やや弱

中やや強

強極強

4 4

-

-

-

-

-

36

Page 47: 水稲「西海267号」...2.西海267号の特記すべき特徴 「西海267号」は「ヒノヒカリ」熟期の複合抵抗性系統である。マーカー選抜により、

付表2. 指定種苗品種特徴表示に基づく品種特性表示基準

 系統名(育成場所) 西海267号(九州沖縄農業研究センター)

 栽培適地 温暖地西部および暖地

 用途 食用

 早晩性 中

 稈長 中

 草型 中間型

 耐倒伏性 中

 いもち病 中

 白葉枯病 やや弱

 縞葉枯病 有

 玄米の見かけの品質 上

 栽培上の注意

34

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本成績書の内容についてのお問い合わせは下記にお願いします。

〒833-0041福岡県筑後市和泉496九州沖縄農業研究センター 稲育種サブチーム

TEL 0942-52-0647 FAX 0942-53-7776E-mail:[email protected] (サブチーム長)

HP:http://konarc.naro.affrc.go.jp/padi/rice/