授業紹介「津軽学―歴史と文化」 土持 ゲーリー 法...

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平成18年(2006年)9月 第9号 弘前大学21世紀教育センター ■授業紹介「津軽学―歴史と文化」 土持 ゲーリー 法一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 ■「単位の実質化」をめざして ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 ■「文章を読み解く力と文書に表現する力」―弘前大学高大連携シンポジウム・・・・・・・ 6 ■平成 17 年度後期 21 世紀教育学生アンケート調査結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 ■作品紹介(美術実技 B) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

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平成18年(2006年)9月 第9号

弘前大学21世紀教育センター

■授業紹介「津軽学―歴史と文化」 土持 ゲーリー 法一 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

■「単位の実質化」をめざして ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

■「文章を読み解く力と文書に表現する力」―弘前大学高大連携シンポジウム・・・・・・・ 6

■平成 17 年度後期 21 世紀教育学生アンケート調査結果の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

■作品紹介(美術実技B) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

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授業紹介 津軽学―歴史と文化

21 世紀教育センター高等教育研究開発室  土 持 ゲーリー 法一

 「津軽学―歴史と文化」の授業に関しては、『東奥日報』、『陸奥新報』の地元新聞で数回にわたって紹介されただけでなく、受験雑誌の『蛍雪時代』(2006 年 6 月号)にも、特色ある国立大学のカリキュラム「津軽の歴史・文化を学ぶ講座『津軽学』が 4月からスタート」と題して、授業がさまざまな視点から津軽の歴史や文化に関する講義が行われるだけでなく、「絵師による『ねぷた絵』の実演や、漆塗りの体験実習といった実演・実習も数多く盛り込まれる参加型の授業内容はとてもユニークだ。また、同大の附属図書館には、この講義に関連する資料を揃える『津軽学コーナー』も設けられている。」と紹介されています。 授業の目的についても、「『灯台下暗し』と言われるように、私たちは、案外、郷土の歴史や文化について知らないものです。これでは良識

ある社会人になれません。これから社会に、そして世界に羽ばたくためにも、郷土の歴史や文化に誇りを持つ『国際人』であることが求められます。グローバルな社会であればこそ、確固たるアイデンティティが必要なのです。」とシラバスから引用されています。 最近、地域の独自性を大学のカリキュラムとする動きがあります。秋田大学評価センターでは、これを「自校教育授業」と位置づけ、2005年度国立大学における「自校教育事業の実施状況調査報告書」(2006 年 3 月)をまとめています。「自校教育」の定義を「大学の理念、目的、制度、沿革、人文、教育・研究等の現況、社会的使命など、自校 ( 自学 ) に関わる特性や現状、課題等を中心的な教育題材として実施する一連の教育・学習活動」としています。この調査に回答した国立 68 大学の自校教育授業の実施状況によれば、実施している大学が 27 校(40%)、2006 年度実施予定と答えた大学が 3校(4%)で、合計すると 44%であった。法人化後の国立大学が独自の存在意義を高めるために、自校教育授業を実施する傾向がこれから増加するものと思われます。 この授業のユニークさは、多才な講師陣にもあります。地域を代表する伝統芸術家をはじめ、青森県の「高大連携」による津軽文学シリーズなど、地域密着型を特徴としています。授業を多くの方に共有してもらうため、ホームページで公開することを検討しています。 ここでは枚数に制限があるので、最初と最後の授業についてだけ述べることにします。

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 これは、八嶋龍仙 ( 津軽伝統ねぷた絵師 ) 氏の「弘前ねぷた絵の実演」の様子です。受講した学生のひとりは、「ねぷたを間近で見たのは初めてで迫力がすごくて圧倒されました。特に

虎の絵は光を通した時に今にもかみつきそうなほどリアルで、実際にその絵がねぷたとして弘前の街をねり歩く姿を見てみたいと思いました。(教育学部 佐藤智美)」と感動しています。偶然なのでしょうか、今年の弘前大学ねぷた絵は「虎」でした。

 これは、「津軽学―歴史と文化」の最後の授業の津軽塗実習の様子です。受講した学生のひとりは、「漆器の美しい艶は漆と研磨によって生まれていることが分かった。実際に研磨の段階をやってみてとても大変だと思いました。何種類もの紙やすりを使い、力いっぱいすみずみまで磨くことを知り驚きました。真剣にやり、とても疲れました。でも完成したときはとても達成感も味わえ、素人なりにきれいに仕上がったと思います。こんな素敵な津軽塗をこれからも大切に伝承していってほしいと思いました。とても楽しかったです !!!(教育学部 蒲地小百合)」と気持ちをストレートに表現しています。 受講生のフィードバックを読まれた津軽方言詩講師の山田尚氏は、「講義内容以上に私の意

図をくみ取っていただき感動いたしました。あわせて方言詩の朗読によって、世界が拡がったことを改めて実感しております。言葉は生活であり、文化であることが『津軽学』のアプローチによって、更に無限大に発展されますことを熱望して止みません。」というお手紙をいただきました。 「津軽学―歴史と文化」の授業に関する感想も多くの受講生が寄せてくれました。ほとんどが好意的なものでした。今後の授業の参考になるものが多くありました。たとえば、「私は今津軽学の講義を終えて感じているのは、津軽学という授業を受けてよかったということだ。振り返ってみると、様々な文化について学んだなと思う。ねぷた絵や三味線、津軽の文学者、そして津軽塗など・・・。それぞれにおもしろさがあったが、最も感動したのは本物のねぷた絵を間近で見ることができたことだ。あの迫力のある筆使い、色使いに圧倒された。あの時の感動はずっと忘れないようにしたいなと思う。私は津軽学を受ける前と後で自分の中の何かが変わったような気がする。私は大学入学をきっかけに初めて青森に来て、津軽地方で暮らし始めた。大学生活を送っているうちに、自然とねぷた祭のことや津軽三味線のこと、旧制弘前高校のことが身に入ってきて、津軽の文化についてちょっとわかったような気がしていた。しかし、津軽学を受けて、津軽には様々な文化があり、『津軽の文化は○○だ』と一言では語れないと思った。昨年の夏、ねぷたを初めて見たのだが、今年は津軽学を受けたことで、違った味わい方ができそうな気がしてすごく楽しみだ。私にはまだまだ津軽についてわかっていない部分がたくさんあると思う。でも、津軽学を受けたことで弘前で送る 4年間の大学生活がもっと充実したものになっていくような気がする。また自分でも弘前で過ごす時間を大切にしていきたいと思う。そして地元に帰ったときは、地元の文化を大切にしていきたい。(農学生命科学部 須藤彩)」と書いています。 これからの「津軽学―歴史と文化」の授業が楽しみです。

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「単位の実質化」をめざして

 中央教育審議会の答申「わが国の高等教育の将来」(2005年1月23日)は、形骸化した単位制を見直し、「単位の実質化」を促している。そこで、平成 18 年度 FDワークショップでは昨年に引き続き、各学部の「基礎ゼミナール」担当教員から 15 名を選んで「単位の実質化」をテーマとして授業設計を中心に、「能動的学習」を促進するための授業方法について考え、効果的な授業シラバスを作成するための研修を行うことにした。

―― 21 世紀教育センター主催 弘前大学第 3回 FDワークショップ

 そうした趣旨のもとで、6月 17、18 の土、日の二日間にわたって、21 世紀教育センター主催による第 3回弘前大学 FDワークショップが黒石温泉郷の落合温泉「ホテルちとせ屋」で行われた。初日の開会にあたって、須藤副学長、矢島 21 世紀教育センター長が挨拶を行い、教養教育の重要性、それに対する旧国立大学の新たな取り組みの幾つかの事例を紹介したうえ、教養教育は個々の教員が切磋琢磨する必要もあるが、全学レベルで研究、改善というシステムを開発し構築する重要性を強調された。続いて、大高副センター長が「基礎ゼミナール」の現状について報告したあと、土持副センター長によるミニレクチャーを行い、初年次教育の重要性や FDとはなにか、単位制とカリキュラムなどの問題について分かりやすく解説された。 今年度は、「単位の実質化」というテーマの

もと、参加者がそれぞれ「多様な分野の専門家」で構成される三グループに分かれ、グループ作業、発表、討論を通して、授業の基本的要素や授業計画の実際、授業法の改善および授業の評価方法について熱い議論を交わし知恵を出し合いながら、実質一日半の短い作業時間で、「基礎ゼミナール」の授業の設計を行い、「授業の副題・目標」、「学習方略 ( 授業内容 )」、「評価」の 3回の作業で、最終的に授業のシラバスを完成させた。各グループの授業設計に与えられた課題は、それぞれ以下のような内容である。

Aグループ コミュニケーション能力を高めるBグループ 異文化理解を深めるCグループ 学問や社会の多様性の理解を深める

 初日の作業Ⅰは、科目の副題や何を教えるのかを簡潔にまとめた「授業概要」と学生が授業を通じて到達するべき「一般目標」、成績評価の基準となる「行動目標」を決めることであった。初日は顔合わせから始まるということもあって、いずれのグループも議論を始めてから熟成させるまでに手探りの様子であったが、10分程度で早くも授業の具体案が固まっていった。

Aグループ Aグループにあらかじめ与えられた課題は「コミュニケーション能力の向上」で、和気あいあいのなかで議論が交わされ、それに、二名写真1.研修会参加者全員の記念写真

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の外国人教員の参加もあってか、次々とユニークな発想が案出された。授業の副題は「Stop 三つのざる」、つまり見ざる、聞かざる、言わざるという従来の惰性を払拭しようとする狙いである。言い直すと、21 世紀市民としてのコミュニケーション能力を高めるために、発信・受信・討論といったスキルの向上を図っていく。そのために、1)人前で自分の意思を伝えることができる、2)相手の話を聞いて意図を推量できる、3)生産的に議論するができる、4)議論を通して自分の意見を再構築することができる、5)協力して解決策を見いだすことができる、そして最後に、6)報告書を作成し、書く能力を高める、という行動目標を掲げた。そうした行動目標のもと、一学期にわたる基礎ゼミナールの授業概要は次のように設計された。1 回目は、オリエンテーション(成績の評価方法の説明を含む)、アイスブレーキング、自己紹介と質問を受ける。2~5回目は身近なテーマ─例えばキャンパスの環境問題やタバコ、駐輪場など─を取り上げ、小グループで調査し、発表、意見のまとめ、ディベートなどを通して、発表 ( スピーチ )の仕方を磨いていく。6~9 回目は、捕鯨、コメ、環境、健康、マナーなどといったテーマを設定し、グループごとのプレゼンテーションを通して学生の間で相互に評価をする。10~15 回目は個人でテーマを設定し、調査や資料の収集、分析によって発表し、ディベートをしたうえで、テーマに関するレポートを作成してもらう。このような授業設計に対して、抽象的すぎるとか、

また 2~5 回目はいきなりグループでやらせるのは問題だという指摘がフロアから出たが、発想が豊かで興味深いという声もあった。

Bグループ Bグループには「異文化理解を深める」という課題が与えられ、まずスポーツの国際大会の企画書を作ることを授業概要とした。授業の一般目標は、日本独自のスポーツを国際化するためにそれを取り巻く異文化について研究する、とした。そこから導いた行動目標として、1)海外の類似スポーツを調査できる、2)調査結果を理解し分析できる、3)調査結果を発表できる、4)異文化と関連してディベートできる(最終日に「バズセッションできる」に変更)、5)良い企画書を作成できる、の 5 項目を設定した。討論では、白熱した議論が交わされ、スポーツそのものに対する理解よりも、企画力を養う目標を持ったテーマであることが強調された。フロアからは内容がわかりやすいと好評であったが、一般目標の実現可能性についても指摘があった。

Cグループ Cグループは課題の「学問や社会の多様性の理解を深める」にしたがって、「健康を達成するために」という副題を設けた。授業概要は「病に対する考え方、対応の仕方の多様性を考える」、一般目標は、「病に対する考え方の違いが社会や地域によって大きく異なることを例示できる」とした。それに至る行動目標として、1)たとえば、風邪の対処法には地域差があることが説明できる、2)病気に対する考え方の違いが社会や地域によって大きく異なることを例示できる、3)敬愛的要素と考え方に関連のあることを説明できる、4)医学というものは一つではないことを例を挙げて説明できる、5)調査した結果を実生活に応用できる、を示した。発表では疾病の文化的多様性に関する模式図を提示するなどのプレゼンの工夫があった。質疑応答では行動目標の細部に質問が集中し、限られた時間の作業にも関わらず完成度の高さをう

写真2.初日会場の一風景

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かがわせた。

 引き続き作業 II では、作業Ⅰでの討論を参考にして各グループで15回分の「学習方略」を作った。Bグループでは、調査法の導入をおこなったのち、学生に日本古来のスポーツに関する個人発表を果たす。そして、学生個人の関心にしたがってグループ分けをし、実務経験を持った外部の講師からの講義を交えるなどして企画書を作らせる作業を行なうとした。質疑応答では授業の順番に関する質問が多くあった。 Cグループでは、資料検索方法についての授業、つづいて疾病対策の実務者で海外経験を持った外部講師による講義、留学生を交えたシンポジウムなどを織り交ぜながら、個人が取り組むテーマを深めていき、ディベートを行い、最終レポートを果たす、とした。質疑応答では、図書館ツアーやインターネットの目的性、ディベートの回数の多さ、逆にレポートの書き方の指導時間がないなどの点が指摘された。

 2日目に入ると、土持副センター長による一連のミニレクチャーや前日の懇親会の雰囲気のためか、グループ作業はさらに活発になった。午前中におこなわれた作業 III では評価について議論がなされた。 Aグループは、授業の評価について大胆にも結論として「評価しない」という驚く見解を披露した。その理由としては、「基礎ゼミナール」

という科目は大学生活への導入、担任教員と学生との人間の信頼関係に重点を置いていて、この性格を最大限活用するためには数量的な評価はそぐわないためという説明であった。そこで「合格」と「再履修」(敢えて不合格と言わない)という二段階「評価」しか用意しない。これに対し、フロアからは、一つの授業の取り組みとしてはそれなりに面白いかも知れないが、全体的に実施するのは難しいのではないかという指摘があった。 Bグループは発表力と討論力という項目を設定し、それぞれ 25%の成績評価を与えたが、重複する内容ではないかとの意見があった。企画制作力という項目に対しては、企画書のどのような点を評価するのか、といった踏み込んだ質問があった。 Cグループでは、10%の評価を持つ最終レポートについて、行動目標に関わる評点が 2ポイントしかないこと、出席に 60%もの評価が配分されていることの妥当性などが質疑され、討論に参加することが前提である基礎ゼミナールにおける「出席」の位置づけにまで議論が発展していった。

 振り返ってみれば、今回の研修会への参加者全員は、最初は多少戸惑いを感じながらも、いざ具体的な作業に入ると、皆真剣に取り組み、一日半にわたる研修をあっという間に過ごしてしまったようである。そして段階を踏んだ具体的な作業を通して、今まではそれほど明確的ではなかった基礎ゼミナールという授業の性格、その内容の設計や展開について確実に一歩踏み込んだ認識を得た。それに加えて、初日夜の自由発表や意見ないし感想の披瀝もあって、個々の参加者はもちろん、大学教育の行政にとっても、実に実りの多い研修活動だったと言える。なお、当研修活動を円満に遂行できたのは、21世紀教育事務担当の方々の周到な準備と献身的なサポートのおかげだというのは言うまでもない。ここに記して感謝の意を表したい。

写真3.各グループが真剣に議論し作業している風景

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1)話題提供者の発表内容

1.「高校教育の立場から」 佐藤あんず先生(弘前中央高等学校教諭)

 中央高校では、教員が生徒向けに「羅針盤」(各教科各学年毎のシラバス)を独自に作成している。記載内容は、教科の目標、学習内容、学習方法、テスト、評価方法などである。国語の学習内容の特徴についてみると、1学年の「国語総合」の現代文(2単位)では、読み取り中心から「書くこと」を大切に扱う内容に移行し、小論文作成の基礎を学ばせる。2学年の現代文(理系 2単位、文系 3単位)では、評論や小説、詩歌・短歌・俳句などの作品を通じて読解力をつける。3 学年の現代文(理系 2 単位、文系 3単位)では、随想・小説・評論を読むことで思考力を高め、そしてセンター試験に備える。また大学入試のための小論文指導も行っている。 教育指導上の問題点としては、1 学年では、授業時間が少ないために十分な「書く力」が育

たないことがあげられる。2学年では、読解力を学ばせることになっているが、同様に授業時間が少ないことや様々な作品を題材に取り上げたいのだが題材が少なく、生活に密着した文章の読解は無理であること。3学年では、センター試験や大学入試の小論文試験対策に授業が傾斜せざるを得ないことがあげられる。小論文を書かせるには、下調べが重要で、その準備に時間がかかり、授業時間では間に合わないので時間外で指導している。特に理系の生徒は、大学入試で小論文を課す大学が少ないので、論文作成の訓練が不足している。その状態で大学に進むこととなる。生徒間でメールのやりとりを頻繁にしているが、話し言葉と書き言葉をとりまぜて表現していることから、「書く力」が育っているといえない。

2.「高校教育の立場から」 三上浩先生(弘前南高等学校教諭)

 高校生の「国語力」そのものが低下している。その原因は、中学校における国語の授業時間の減少にある。旧指導要領(平成 3 年 4 月適用)と現指導要領(平成 14 年 4 月適用)における中学校 1学年から 3学年までの授業時間総数を比較すると、現指導要領では全授業総数が 210時間減少、数学の授業総数が 70 時間減少、国語の授業総数が 105 時間減少し、相対的に国語の授業時間が大幅な減少となった。数学、理科、社会は成績の低下が数字として現れやすいので時間数を減らしにくいのではないか。また国語

弘前大学高大連携シンポジウム

「文章を読み解く力と文書に表現する力」について 8 月 7 日 ( 月 )、総合教育棟 2 階大会議室で、「文章を読み解く力と文書に表現する力」と題してシンポジウムが開催された。矢島忠夫 21 世紀教育センター長から開会の挨拶を受けた後、大高明史FD・広報専門委員会委員長の司会のもとで、高校教員 2名および大学教員 2名による話題提供と熱の入った意見交換が行われた。参加者は 30 名であった。シンポジウムの内容の要点はつぎのとおりである。

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教科授業時間内の「書くこと」に対する時間配分は、各学年とも 2/10 から 3/10 程度(総計でおよそ 40 時間の減少)となっている(中学校現指導要領)。 その結果、高校入試において「書くこと」を問う出題が少なくなり、結果的に「書くこと」に授業時間を費やさないという悪循環に陥っている。また「書く力」の基礎となる「序論・本論・結論」や「起承転結」についての表現指導は、中学校の教科書では触れられていない。実際の授業でもこのようにパターン化した表現指導をしていない。 「国語力」の低下の現状を文部科学省も把握していて、次期学習指導要領では「ゆとり」教育から「言葉の力」の教育へ方向転換することとなった。

3.「21世紀教育の立場から」 郡千寿子先生(弘前大学教育学部助教授)

 学力が低下した学生が入学し、4年後には社会に出ることになるが、その間いかにして読解力をつけるかが問われている。21 世紀教育において担うものは何か。2003 年に OECD(経済協力開発機構)が行なった生徒の学習到達度調査(PISA調査)には、41 カ国 27 万 6 千人の 15 歳児が参加した。その結果、前回 2000 年の順位と比較すると、数学は 1位から 6位に、科学は同順位の 2位で世界の中でも高い水準にあったが、読解力については 8位から 14 位に低下し、その低下幅も参加国中最大であった。低下の要因は、下位層の子供の読解力が低下していることにある。 PISA が求めている読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力をいう。具体的な出題内容は以下の 6つの特徴を具備している。 ①社会で直面する生きるために必要不可欠な実際的な課題が対象になる。

 ②通常の文章は 6割に過ぎず、実用的な図表や地図などが 4割を占める。 ③従来の国語の枠を越えて、理科や社会科に関連する幅広い話題が含まれる。 ④問題形式は、自由記述式が 4割で、自由記述問題の占める割合が、通常日本で行なわれる国語のテストよりかなり高い。 ⑤読んだことについて、「書いてあることを根拠にして自分の意見を表現する」ことが求められる問題がある。つまり、「読解と表現が融合した」問題がある。 ⑥本文の内容について「批判する」ことが求められる。 上記の PISAの読解力から判断すると、日本で読解力をつけようとする手法は、国際的な手法と大いに異なると思われる。 文部科学省は「読解力低下」の現実をふまえて、平成 17 年 12 月に「読解力向上に関する指導資料」を作成している。内容は PISAに類似している。そのなかで読解力は、国語だけではなく、各教科、総合的学習の時間など学校の教育活動全体で身につけていくべきものであり、教科等の枠を越えた共通理解と取り組みの推進が重要であるとしている。  大学の附属図書館は、学生に対して「言語力(読む力、書く力、調べる力、伝える力)」を養ってもらおうと、昨年第 1回の「言語力大賞コンテスト」を実施している。文学作品部門と評論部門があり、今回は評論部門の応募はなかったが、文学作品部門にはすべての学部から応募があった。応募者 12 名から大賞 1名と、優秀賞 2名が選ばれた。総括すると、評論部門では論理思考力(言葉の応用力)が求められるが、この部門に興味を持つ学生が少ない。今の学生は批判力、思考力、書く力、表現する力、発信する力が不足している。 レポートや論文が書けない 3・4 年生がいる。PISA の国際水準の読解力をつけ、書く力をつけさせるには、21 世紀教育や専門科目における指導の充実が望まれる。

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4.「専門教育の立場から」 福澤雅志先生(農学生命科学部助教授)

 高校までの国語力を「読む・書く・聞く・話す」を有機的に結合する能力の育成とすると、大学での国語力は、さらに高度の情緒力・語彙力・理論的な思考力がバランスよく咀嚼されて、総合的なアウトプットを生み出すことにある。 弘前大学は「世界に発信し、地域と共に創造する」ことを目指している。世界に発信するためには、英語力の向上が不可欠である。そうすると大学の専門教育では、国語プラス英語の能力が求められる。具体的に “文章を読み解く力 ”とは、“ 読む・reading” のことで、専門書、論文、ウエブなどの内容を精読で深く理解すること、速読で広く理解すること、情報の正確な抽出ができる能力のことである。一方、“ 文書に表現する力 ”とは、“ 書く・writing” のことで、レポート作成、プレゼンテーションファイルの作成、論文執筆において、集めた情報に基づき自分の文章で書く能力のことである。注視することは、質の高い科学論文は平易な文章で書かれていること、また一本の明確な筋が通った平易な文章で書くことにある。 ふりかえって、今の学生は、“ 文章を読み解く力があるか ” と問うならば、日本語では特に問題ないが、英語を読み解く力はほとんどないといえる。また “ 文書に表現する力があるか ”と問うならば、日本語でも力があると言えない学生が多い。まして英語での表現は、ほぼ不可能と言える。 したがって、高校卒業までに、国語力(プラス英語力)の基礎を身につけていなければならない。大学では、常に英語力の向上を図ることが求められることから、21 世紀教育の役割は大きいと言える。専門教育では、なによりも教員の質の向上が不可欠である。

2)意見交換質問 : 高校でプレゼンテーションの時間はあるのか。(答え)生徒に対して質問をし、その答えを求めることはしているが、プレゼンテーションの機会は時間の関係上ない。「書く」ことについては、夏休みに原稿用紙 4枚から 5枚程度の読書感想文を提出させている。総合学習の時間に文章表現や小論文の指導を行っているが、あまり身についていない。 大学入試問題には、「あなたの考えはどうなのか」といった設問がないことから、自分の考えを書く能力を育成することができない。自分が主人公になって解答すると、「バツ」になる。PISA 型とは相反する入試問題といえる。現在の入試制度のもとでは、3年の授業は PISA 型と対立せざるを得ない。1・2 年では、PISA 型の授業は可能と思われる。  理系においても国語入試や小論文を導入し、PISA 型に転換してほしい。そうすれば高校教育において、その指導体制が敷ける。 本学で PISA型読解力の向上を図るには、附属図書館を中心に高大連携で行うことが望まれる。

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 21世紀教育では、受講体制や授業内容の改善をめざして、学期ごとに「学生アンケート」を実施しています。このアンケートは、21世紀教育がシステムとして機能しているかどうかを検証するとともに、受講者の意識や要望を授業の改善に役立てるために実施されるものです。アンケートは後期の成績表と一緒に配付し、前期の履修科目届とともに提出するという方法で行われました。これは、学生が自分の成績を知ったうえで回答できるようにするための措置です。 平成17年度後期の学生アンケートは、開講時のガイダンスについての設問とテーマ科目、英語コミュニケーション実習並びに多言語コミュニケーション実習に関する設問が主体になっています。 ここでは、平成17年度後期に行った学生アンケートで得られた結果の概要を報告します。このうち、英語コミュニケーション実習では TOEIC 試験への関心度についての回答結果を示し、テーマ科目ではシラバスと授業内容の整合性やオムニバス授業での連携の程度などについて示しています。アンケート結果の詳細は、21世紀教育センターのホームページ上に掲載するとともに、年度末に発行される「21世紀教育活動・評価報告書」に掲載しますので参考にしてください。アンケートの自由記述欄に書かれた意見や要望は、ほぼ書かれたとおりのままで集約し、全学の教員に目を通していただき授業の改善に役立ててもらっています。

平成17年度後期21世紀教育学生アンケート調査結果の概要

問2.後期ガイダンスの説明で後期の履修方法は理解できましたか?(回答数742)1.十分理解できた。(17.7%)  2.かなり理解できた。(18.9%)  3.ある程度理解できた。(57.1%)4.あまり理解できなかっ  た。(0.6%)5.ほとんど理解できなか  った。(0.6%)

ガイダンス等について

問3.入学時に21世紀教育に対して一番強く期待したことは何ですか?1.大学の生活や学習になじむための準備を学ぶこと。(14.7%)2.大学で必要な基本的な技能を身に付けること。(17.0%)3.専門の基礎となること  を学ぶこと。(24.4%)4.教養的なことを学ぶこ  と。(43.9%)

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教育学部

医学部

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農学生命科学部

 93.7%の学生が履修方法を理解していたようです。平成16年度にほとんど理解できなかった学生は回答数の 1.8%でしたから、理解度は向上しているといえます。

 半数近くが教養を学ぶことに一番期待しているとの回答でした。

問5.それぞれの科目を選択した基準は何ですか?(回答数3488)1.授業が面白そうだったから。(23.3%)  2.シラバスを読んで面白そうだったから。(32.3%)3.幅広い教養を身に付けたかったから。(18.3%)  4.専門と関連があるから。(16.2%)5.その他(10.0%)

テーマ科目について

 「授業が面白そうだったから」と「シラバスを読んで面白そうだったから」を合わせた回答は 55%にのぼり、半数以上の学生がテーマ科目を選択する際に興味を優先していることがわかります。テーマ科目の本来の目的にあたる「幅広い教養を身に付けたかったから」の回答は 18%でした。回答の分布は平成16年度後期とほとんど同一でした。

 平成17年度後期は、テーマ科目として8つの領域にわたる48の授業科目が開講されました。半数にあたる24の授業科目では2つ以上の授業が同時に開講されましたが、集計上、これらは1つの科目とみなしています。

問6.それぞれの科目はシラバスと授業内容が一致していましたか?(回答数3474)1.ほとんど一致していた。(59.7%)  2.7割程度一致していた。(26.8%)3.5割程度一致していた。(9.7%)  4.3割程度一致していた。(2.5%)5.ほとんど一致していなかった。(1.4%)

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問7.それぞれの科目の成績評価は、シラバスに記載された方法で行われましたか?(回答数3483)1.シラバスどおり行われた。(66.0%)  2.ある程度シラバスどおり行われた。(24.0%)3.シラバスどおりではなかった。(2.9%)  4.わからない。(7.1%)

 選択肢の1と2を合わせると、約9割の学生がシラバスに記載された方法で成績評価が行われたと回答しています。これは前年度の回答の分布とほとんど変化がありません。

問8.それぞれの科目の成績評価は、あなたの学習の努力から見て適切でしたか?(回答数3480)1.妥当な評価だった。(75.9%)  2.予想以上の評価だった。(14.8%)  3.低すぎる評価だった。(9.3%)

 全体の4分の3の学生は評価が妥当だったと感じています。回答の分布はテーマ科目が開始された平成14年度からほとんど変化がありません。

問9.複数の教員が担当したオムニバス形式の科目の場合、授業内容の連携が図られていましたか?(回答数2302)1.非常に図られていた。(13.5%) 2.かなり図られていた。(19.2%) 3.ある程度図られていた。(47.0%)4.あまり図られていなかった。(15.2%)  5.ほとんど図られていなかった。(5.2%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体の平均

社会と経済

文学の世界

紛争と平和を考える

美術の世界

くらし・歴史・文化

健康と運動の科学ほとんど一致

7割程度一致

5割程度一致

3割程度一致

ほとんど一致していない

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体の平均

社会とジェンダー

環境と資源

人を育む営み

社会と市民生活

人間の尊厳

障害者の健康非常に図られていた

かなり図られていた

ある程度図られていた

あまり図られていなかった

ほとんど図られていなかった

 テーマ科目の7割以上がシラバスと一致していたと感じている学生の割合は 86%でした。この比率は前年度とほとんど変わっていません。一方、5割程度の一致に満たない授業科目が 14%あり、約4割にあたる19の授業科目では、ほとんど一致していなかったという回答がありました(平成16年度後期は23)。回答数が10以上の授業科目のうち、平均とベスト3、ワースト3を右のグラフに掲げました。

 全体で 60%弱が、TOEIC試験に興味を示しています。特に、人文学部は 70%を超えていて、高い関心を示しています。

 平成17年度後期に行われたテーマ科目では、約6割にあたる30の授業科目でオムニバス形式の授業が行われました。全体としては、80%の学生が「ある程度」以上連携が図られていたと回答しています。同様の回答は、平成14年度後期で 61%、平成15年度後期で70%、平成16年度で80%となり、徐 に々改善されてきているようすがうかがえます。しかし、「ほとんど連携が図られていない」という回答のあった授業科目はまだ8割もあるから、今後とも改善が必要な項目です。回答数が20以上の授業科目から、ベスト3とワースト3を抜き出したのが上の図です。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部

1

2

3

問11.TOEIC試験に興味がありますか?1.TOEIC公開試験を  受験したい。2.学内TOEIC試験で   受験したい。 3.TOEIC試験に興味  がない。

英語コミュニケーション実習について

問12.TOEIC向けの授業を受講したいですか?1.受講したい。2.空いている時間であれ  ば受講したい。3.興味がない。

 問 11で 60%弱が授業に興味を示しているのにかかわらず、実際の受講希望は 10%強です。「空き時間なら」と言う回答が 50%弱あるため、時間割の工夫をすることによって、大幅な受講者増が見込めるかもしれません。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部

1

2

3

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問13.TOEICを受講する場合は、何点ぐらいに設定を目標としたいですか?1.400点以上2.500点以上3.600点以上4.700点以上5.800点以上

問14.後期のⅡを履修しなかった一番の理由は、どのようなものですか?1.前期のⅠの単位が修得できなかったから。(7.5%)  2.前期のⅠで必要単位が満たされたので、後期は受講する必要はないと考えたから。(55.7%)  3.前期の授業が興味深くなかったから。(6.2%)4.前期の授業が難しかったから。(9.6%)  5.選択した言語そのものへの関心が低かったから。(3.4%)6.その他(17.6%)

多言語コミュニケーション実習について

 全学部では、選択1と2の比率はともに去年よりそれぞれ 2.5 から8.7ポイントあがっているのに対し、3、4の選択は 0.2と 2.4 ポイント微増しています。選択6は去年より 2.4 ポイント下がっていることからみても、多言語コミュニケーションに対するモチベーションの低下傾向があるともいえる現象だと思われます。

 全体的には、500・600 点台が多いものの、農学生命科学部・理工学部では、400 点台が多くなっています。

400点以上

500点以上

600点以上

700点以上

800点以上

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1

2

3

4

5

6

問15.履修したのはどの言語でしたか?1.ドイツ語(21.8%)2.フランス語(25.8%)3.中国語(45.3%)4.朝鮮語(7.1%)

問16.Ⅱを履修した一番の理由は、どのようなものですか?1.「適宜修得単位」あるいは学部の「自由単位」に充てようと思ったから。(4.3%)2.前期の授業が興味深かったから。(14.2%)  3.選択した言語そのものに関心を抱き、もっと力をつけようと思ったから。(44.3%)  4.選択した言語が専門での学習に有用だと考えたから。(9.4%)5.その他(27.8%)

問17.Ⅱを履修した満足度はどのようなものですか?1.非常に満足した。(25.6%)  2.かなり満足した。(30.0%)  3.ある程度満足した。(33.5%) 4.あまり満足しなかった。(8.4%)5.大いに不満だった。(2.5%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部ドイツ語

フランス語

中国語

朝鮮語

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部1

2

3

4

5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

人文学部

教育学部

医学部

理工学部

農学生命科学部1

2

3

4

5

 全学部からみて、去年より独仏語とも数ポイントの減に対して、中国語は 10 ポイントの増で依然として高い需要のあることがわかります。朝鮮語は去年と拮抗している状況です。

 全学部で「言語に関心を抱いた」という理由は去年より12ポイントほど減りましたが、わずかとはいえ、「前期の授業が興味深かった」と「専門学習に有用」という比率の上昇は、「適宜修得単位」または学部の「自由単位」に充てようという理由による履修の減少とともに、評価すべき材料だと思われます。

 全学部で、1~3までのそれぞれの選択率とその総和は去年よりともに若干ポイントが下がっています。それに対して4~5の選択率が若干上がっています。問題の所在を突き止めて何らかの改善策を講じるべきだと思われます。

11

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11 12表紙デザイン 教育学部 佐藤光輝氏

 この授業では、デザイン開発におけるターゲットマーケティングの設定技術を学びます。ある製品を自分で設定し、それを使う、あるいは欲しいと思っている人物を創造しその人物を特定する技術を実際の実技を通して学びました。

 写真 01 はターゲットイメージを表し、写真 02 は製品イメージを表します。作者 : 舘山 優樹(人文学部 1年)

美 術 実 技 B

写真01

写真 02

■作品紹介

人文学部1年舘 山 優 樹

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総合教育棟

(総合教育棟内)

21世紀教育担当

事務担当 学務部教務課課長補佐