みずほ中国経済情報€¦ · (2010年1月=1 ) ... 2....

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みずほ中国経済情報 2015年8月号 ◆ トピック 人民元切り下げの狙いは何か 今般の対米ドル人民元レート切り下げは、基準値に市場実 勢を反映させるための調整で、為替レートの自由化に向け た措置とみられる。切り下げ後の対米ドル実勢レートの元 安幅は3%程度に過ぎず、輸出押し上げ効果は限定的。 ◆ 景気判断 7月の主要指標は総じて弱含み 投資の伸びは低下。インフラ関連投資や不動産開発投資な どが振るわず。消費の伸びも鈍化。自動車販売などが減速。 輸出入はいずれもマイナス圏での推移が続き、内需・外需 ともに弱含みをみせた。

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みずほ中国経済情報

2015年8月号

◆ トピック

人民元切り下げの狙いは何か

今般の対米ドル人民元レート切り下げは、基準値に市場実

勢を反映させるための調整で、為替レートの自由化に向け

た措置とみられる。切り下げ後の対米ドル実勢レートの元

安幅は3%程度に過ぎず、輸出押し上げ効果は限定的。

◆ 景気判断

7月の主要指標は総じて弱含み

投資の伸びは低下。インフラ関連投資や不動産開発投資な

どが振るわず。消費の伸びも鈍化。自動車販売などが減速。

輸出入はいずれもマイナス圏での推移が続き、内需・外需

ともに弱含みをみせた。

1 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

1.トピック:人民元切り下げの狙いは何か

人民銀行は対ドル人民

元レートの基準値を切

り下げ

8月は人民元を巡る動きが中国内外の注目を集めた。人民元の対米ドルレー

ト(銀行間市場)は、中国外貨取引センターが毎朝公表する基準値から上下2%

の範囲での変動しか許容されていないが、8月11日、人民銀行が基準値に市

場実勢をより反映させるとして、当日の基準値を10日対比1.9%切り下げた

(図表1)。それを受けて、12日には一時市場の実勢値が約4年ぶりの安値ま

で下落した。14日にはいったん下落に歯止めがかかったものの、突如行われ

た切り下げを受けて、「輸出促進のため元安誘導を迫られるほど、中国経済は

悪化しているのではないか」との懸念が高まることとなった。

基準値と実勢値のかい

離の是正が目的。為替自

由化に向けた措置とも

輸出にはプラスに働く

もその効果は限定的

今後しばらく元安傾向

が続くが、大幅な元安

は回避される見込み

人民銀行は、ここしばらく基準値と市場実勢値のかい離が拡大しており、

それが基準値の形骸化につながることを懸念して、今回の調整を行ったと説

明している。両者の累積的なかい離幅は3%前後で、その是正を13日で基本

的に終えたとも述べている。さらに、「人民元為替レート形成メカニズム改革

に必要な段階」と述べ、為替自由化に向けた措置だと説明した。IMFも、人民

元の SDR 入りの議論には直接関係しないとしつつも、今回の調整を為替自由

化につながる動きとして歓迎する、とコメントした。

今回の切り下げが、輸出下支えを通じた景気支援という意味合いを全く持

たないわけではない。しかし、輸出の押し上げ効果やそれを通じた景気浮揚

効果は限定的なものにとどまるだろう。人民元の対米ドルレートの変動が小

幅に抑えられてきたため、米国の利上げ期待と日本・欧州の金融緩和を背景

とする米ドル高の影響を受け、2014 年後半以来、実質実効ベースで元高が加

速していた(図表2)。2015年7月の実質実効為替レートが2014年1月対比9%

も上昇したのに対し、今回の調整で対米ドルレートの市場実勢値が調整前よ

り約3%元安となった程度では、これまでの元高による輸出下押しを打ち消す

には至らないだろう。また、原油など資源価格の下落を背景に資源国経済の

弱含みが続くとみられること、日本や欧州の景気回復ペースが緩慢なこと、

など世界的な需要の弱さも、引き続き輸出に対する重石となるだろう。この

ことを踏まえると、今回の調整の主目的が輸出支援とは考えにくく、やはり

人民銀行が主張するように、為替自由化に向けた改革の推進が狙いだったと

みるのが自然だ。

今後、米国の利上げが実現し米ドル高が進むに伴って、当面の対米ドル人

民元レートは元安基調で推移するとみられるが、大幅な元安は回避される見

込みである。9月下旬の米中首脳会談や、人民元のSDR入りをめぐる議論を控

えているため、政治的な配慮からも大幅な元安には踏み込みにくいだろう。

人民銀行も、行き過ぎた元安を回避するため、介入の実施を示唆している。

実際、人民元切り下げ後も、元買い・ドル売り介入が行われている模様だ。

ただし介入が常態化すれば、当局の目指す自由化に逆行することにもなる。

中国は、為替レートの安定的な推移と為替自由化のバランスをいかにとるか

という難しい課題に直面することとなる。 (玉井 芳野)

2 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

図表 1 対米ドル人民元レート

(注)直近値は 8 月 27 日。

(資料)Bloomberg、中国外匯交易中心より、みずほ総合研究所作成

図表 2 対主要通貨人民元レート・実質実効レート

(資料)BIS、FRB より、みずほ総合研究所作成

5.95

6.05

6.15

6.25

6.35

6.45

6.55

15/01 15/02 15/03 15/04 15/05 15/06 15/07 15/08

上限

基準値

実勢レート

下限

(年/月)

(人民元/米ドル)

0.9

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

10 11 12 13 14 15

対米ドル(名目)

対ユーロ(名目)

対円(名目)

実質実効レート

(2010年1月=1)

(年)

元高

元安

3 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

2.概況:内需・外需ともに弱含み

7 月の主要指標は総じ

て伸び鈍化

工業生産の伸びは鈍化

製造業 PMI は小幅に低

輸出の伸びはマイナス

に転化

輸入の伸びのマイナス

幅が拡大

貿易収支は黒字幅縮小

投資の伸びは鈍化

消費の伸びは名目、実

質ともに小幅に鈍化

7月単月の主要指標は総じて6月から伸びが鈍化し、内需・外需ともに弱含

みをみせた。

7月の工業生産の伸びは前年比+6.0%と、6月(同+6.8%)から鈍化した

(図表3)。自動車の伸びがマイナスに転じたほか、鉄鋼など素材関連の多く

の業種で生産の伸びが鈍化した。

政府発表の製造業PMIは、6月の50.2から7月には景気拡大・縮小の境目

である50.0へと小幅に低下した(図表4)。内訳をみると、生産指数、新規受

注指数のいずれも6月から低下し、輸出受注は10カ月連続で50を下回った。

なお、財新発表の8月の製造業PMI速報値は47.1と、7月の製造業PMI確定

値(47.8)から低下し、6カ月連続で50を下回った。

7月の輸出(名目米ドル建て)の伸びは前年比▲8.4%と、6月(同+2.8%)

からマイナスに転じた(図表5)。主要国・地域向けの輸出が総じて減速し、

比較的堅調に推移していた米国向けの輸出も伸び率が大幅に落ち、マイナス

となった。品目別では、PCや、スマホ・携帯、電子集積回路などの機械や、

繊維・衣料などに代表される軽工業、素材類の伸びが落ち込んだ。

7月の輸入(名目米ドル建て)の伸びは前年比▲8.2%と、6月(同▲6.3%)

からマイナス幅が拡大した(図表 5)。国・地域別でみると、主要先進国や

NIEs(除く香港)からの輸入が減速した。品目別でみると、素材類ではプラス

チック原料や鉄鋼、機械類では、PC・同部品、液晶パネル、自動車部品など

の輸入が振るわなかった。

7月の貿易収支は430億米ドルの黒字と、6月(465億米ドルの黒字)から

黒字幅が縮小した。輸出の大幅な減少がその主因である。

7月の投資(固定資産投資)の名目伸び率は前年比+10.3%と6月(同+

11.4%)から鈍化した(図表6)。製造業や不動産業の伸びが低下したほか、

インフラ投資の伸びも高水準ではあるが、幾分弱含んだ。

7月の消費(社会消費品小売総額)の名目伸び率は前年比+10.5%と、6月

(同+10.6%)から小幅に鈍化した(図表7)。物価変動の影響を除いた実質

伸び率も小幅に鈍化した。商品別の消費動向を売上高500万元以上の小売店

販売額によってみると、自動車や、家具・家電などの住宅関連財の伸びが低

下したほか、石油・石油製品の伸びのマイナス幅が拡大した。

4 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

図表 3 工業生産 図表 4 製造業 PMI

(注)1、2 月は 1~2 月累計値を利用。

(資料)中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成

(注)1. 春節などの季節性が完全には除去されていない点に

注意。

2. 2013 年からサンプル数が 830 社から 3,000 社に増加。

(資料) 中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成

図表 5 輸出・輸入 図表 6 固定資産投資

(注)名目、ドルベース。

(資料)中国海関総署よりみずほ総合研究所作成

(注)年初来累計額および年初来累計前年比をもとに単月に

換算。工業生産者購入価格指数で実質化。

(資料)中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成

0

2

4

6

8

10

12

14

12/01 13/01 14/01 15/01

(年/月)

(前年比、%)

44

46

48

50

52

54

56

58

12/01 13/01 14/01 15/01

製造業PMI生産

新規受注

輸出受注

(年/月)

▲ 30

▲ 20

▲ 10

0

10

20

30

40

50

60

12/01 13/01 14/01 15/01

輸出

輸入

(前年比、%)

(年/月)

0

5

10

15

20

25

30

12/01 13/01 14/01 15/01

固定資産投資(実質)

固定資産投資(名目)

(年/月)

(前年比、%)

5 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

3.インフレ:CPIは小幅に上昇、PPIはマイナス幅拡大

CPI 上昇率は小幅に上

PPI 上昇率はマイナス

幅拡大

住宅価格の伸びは前月

比ではマイナス幅縮小

不動産販売面積の伸び

は加速

7月の消費者物価指数(CPI)の伸びは前年比+1.6%と、6月(同+1.4%)

から小幅に上昇した(図表8)。非食品価格の前年比伸び率は小幅に低下した

が、豚肉価格の急騰などによる食品価格の上昇が全体を押し上げた。

7月の生産者物価指数(PPI)は前年比▲5.4%と6月(▲4.8%)からマイ

ナス幅が拡大した。原油価格の下落を受けて、石油・天然ガス採掘業をはじ

めとする多くの鉱業部門で出荷価格の下落幅が拡大した。過剰生産能力を抱

える鉄鋼業の出荷価格もマイナス幅が拡大した。

7月の新築住宅販売価格指数(主要70都市平均)は前年比で▲4.4%(推計、

6月:同▲5.4%)と、マイナス幅が縮小した(図表9)。すでに前年比で同指

数がプラスに転じていた深圳、上海に加えて、7月には北京もプラスに転じた。

前月比の伸びは+0.2%(推計)と、6月から横ばい推移となった。また、主

要70都市のうち、前月比で新築住宅価格が上昇したのは31都市と、6月(27

都市)から増加した。

7月の不動産販売面積の伸びは、前年比+18.9%と6月(同+16.0%)から

加速した。利下げなどの金融緩和による購入コストの低下などが、引き続き

不動産販売の加速につながっていると推察される。

4.金融政策:追加金融緩和と対米ドル人民元レートの実質的切り下げの実施

預金、M2の伸びが加速

銀行貸出残高の伸びは

加速するも、社会融資

総額は大幅に減少

公開市場操作による流

動性供給

人民銀行が追加の金融

緩和を発表

7 月の金融指標に関しては、人民元預金残高の伸びが前年比+13.4%と、6

月(同+10.7%)から加速した。マネーサプライ(M2)の伸びも前年比+13.3%

と、6月(同+11.8%)から加速し、中国政府が今年の目標とする+12%前後

を上回る伸びとなった(図表10)。

7月の人民元貸出残高の伸びは前年比+15.5%と、6月(同+13.4%)から

加速した。人民元新規貸出額は1兆4,800億元と6月(1兆2,713億元)から

増加した(図表10)。銀行以外からの資金調達も含む「社会融資総額」の増加

額は7,188億元と、6月(1兆8,334億元)から大幅に減少した。人民元の新

規貸出額が 6 月に大きく増えた反動で 7 月にその増加幅が縮小したこと、銀

行引受手形の減少幅の拡大がその主因であった。

人民銀行の公開市場操作による流動性調節については、7 月はネットで 50

億元の資金供給が行われた(図表 11)。8 月は 27 日までの累計で同 3,500 億

元の資金供給が行われており、リバースレポ金利(1週間物)も8月27日に

2.50%から2.35%に引き下げられている。

8月25日夜に、人民銀行が、26日から貸出・預金基準金利をいずれも0.25%

Pt 引き下げると発表した(図表 12)。資金調達コストの引き下げによる景気

腰折れリスクの低減がその目的だと考えられる。

6 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

図表7 社会消費品小売総額 図表8 CPI・PPI

(注)実質化は小売物価指数による。1、2月は1~2月累計の

前年同期比。

(資料)中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成 (資料)中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成

図表9 新築住宅販売価格 図10 金融指標

(注)「全国」は全国70都市の価格指数の平均。

(資料)中国国家統計局よりみずほ総合研究所作成

(注)「新規貸出」は人民元の新規貸出額。

(資料)中国人民銀行よりみずほ総合研究所作成

0

2

4

6

8

10

12

14

16

12/01 13/01 14/01 15/01

社会消費品小売総額(名目)

社会消費品小売総額(実質)

(前年比、%)

(年/月)

▲ 6

▲ 4

▲ 2

0

2

4

6

 12/01  13/01  14/01  15/01

CPI PPI

(年/月)

(前年比、%)

▲ 2.0

▲ 1.5

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

▲ 8

▲ 6

▲ 4

▲ 2

0

2

4

6

8

10

12

11/01 12/01 13/01 14/01 15/01

前年比(左目盛)

前月比(右目盛)

(前年比、%)

(年/月)

(前月比、%)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

12/01 13/01 14/01 15/01

新規貸出(左目盛)M2(右目盛)

(10億元) (前年比、%)

(年/月)

7 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

株価は、株価対策など

が打ち出されるも、下

落基調に

人民銀行は実質的な対

米ドル人民元レートの

基準値切り下げを実施、

足元 1 ドル=6.40 元前

後での推移が続く

また、9月6日から預金準備率を0.5%Pt引き下げることも発表された。後

述するように人民銀行は米国の利上げ観測を背景とする元売り圧力に抗する

ため、元買い介入を行っているとみられる。そのため、流動性がタイトとなり

やすく、人民銀行は上述した公開市場操作や中期貸出ファシリティー(8月19

日実施、1,100億元)を通じて流動性を供給してきた。しかし、元売り圧力の

根強さを受けて、それ以上に流動性を高めることが必要と判断し、預金準備率

の引き下げに踏み切ったものと推察される。加えて、農業セクターや小規模・

零細企業向けの貸出拡大を狙い、これらの分野に対する貸出の多い県域農村商

業銀行、農村合作銀行、農村信用組合などの一部金融機関の預金準備率は、更

に0.5%Pt上乗せして引き下げられることとなった。また、低迷している自動

車販売および消費の拡大を狙い、自動車ローン会社やファイナンスリース会社

の預金準備率は3.0%Pt上乗せして引き下げられることにもなった。

なお、人民銀行は、期間1年を超える定期預金金利の上限規制(基準金利の

1.5倍)を今回の利下げに合わせて撤廃すると発表し、金利の自由化を更に一

歩前に進めた。

6月半ばをピークに急落に転じた上海総合指数は、7月半ば以降、PKO(株価

維持策)の発動を受けて一進一退の動きをみせていたが、以下に挙げる4つの

イベントなどを契機に、8月後半に入ると再び急落しはじめた(図表 13)。

①人民銀行が8月11日に実質的な人民元の切り下げを行ったことで、切り

下げによる輸出拡大が必要なほど中国の実体経済は悪化しているのではない

か、との懸念が高まる中、②8月14日に証券監督管理委員会が株価形成におけ

る市場の役割拡大を更に促進していくとの方針を発表したことで、PKOが手控

えられるようになるとの観測が広がったこと、③18日に発表された統計により

住宅市況の改善が確認され、株式市場から住宅市場に資金が流れるとの期待が

高まったこと、④21日に発表された財新製造業PMIの8月の速報値が47.1と、

6年5カ月ぶりとなる低水準であったことなどから、株価は下落傾向をたどり、

一時2,800台まで下落した。こうした状況下、中国政府は空売り規制の強化策

や金融緩和などを打ち出したが、経済の先行き不安を払拭して株価を力強く回

復させるには至らなかった。27日の終値は3,084となっているが、政府の介入

再強化により株価が下支えされているとの見方もみられる。

人民銀行は8月11日に、対米ドル人民元レートの基準値に市場実勢をより

反映させると発表し13日までに基準値を、10日対比4.7%切り下げた(「1.ト

ピック」参照)。8月10日まで対米ドル人民元レートは1ドル=6.21元付近で

推移していたが、基準値の切り下げを受けて実勢レートも元安となり、12日に

は、一時1ドル=6.45元に近付き、約4年ぶりの安値にまで元安が進んだ局面

もあった(図表13)。しかし、13日以降は、1ドル=6.40元前後での推移が続

いている。急な元安を抑えるために当局が介入を行っている可能性が高い。

(中澤 彩奈)

8 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

図表 11 公開市場操作 図表 12 預金準備率、貸出・預金基準金利

(注)月次データ。

(資料)中国人民銀行よりみずほ総合研究所作成

(資料)中国人民銀行よりみずほ総合研究所作成

図表 13 株価、為替

(注)日次データ。直近は8月27日。

(資料)Bloombergよりみずほ総合研究所作成

▲ 10,000

▲ 8,000

▲ 6,000

▲ 4,000

▲ 2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

14/01 14/07 15/01 15/07

資金吸収 資金放出 ネット(億元)

(年/月)

1

2

3

4

5

6

7

4

8

12

16

20

24

28

12/01 13/01 14/01 15/01

預金準備率(大型金融機関、左目盛)

預金基準金利(1年物、右目盛)

貸出基準金利(1年物、右目盛)

(%)

(年/月)

(%)

5.80

5.90

6.00

6.10

6.20

6.30

6.40

6.50 2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

5,500

14/08 14/10 14/12 15/02 15/04 15/06 15/08

上海総合株価指数(右目盛)

対米ドル人民元レート(左目盛)

(人民元/米ドル) (1990年12月19日=100)

(年/月)

元高

元安

9 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

巻末資料:中国主要経済指標①

(注1) 工業付加価値生産額は、2011年より「事業所得2,000万元以上の工業企業」に範囲が変更(以前は「事業所得500万元以上の工業企業」)。

国家統計局は範囲変更後の数値およびトレンドは以前と基本的には大きく変わらないと説明。

(注2) 工業付加価値生産額の年次の数字は、2015 年 1・2月合併号より累計前年比を掲載(2014 年 11 月号までは、軽工業・素材・機械について

は四半期の数字を単純平均)。

(注3) 工業付加価値生産額の第1四半期の数字は、1~3月の累計前年比を掲載。

(注4) 在庫の数字は、政府公表前年比を掲載。

(注5) 旅客輸送量・貨物輸送量の年次の前年比については、1~12月の累計前年比を掲載。四半期の前年比については、月次の実数値から算出し

た前年比。なお、2014年10~12月期の前年比は、2014年12月単月の実数値が発表されていないため未掲載。

(注6) 固定資産投資は2010年まで都市のみ。2011年より農村の企業・事業組織による投資を含む。

(注7) 1、2月の工業付加価値生産額、固定資産投資の数値は1~2月累計値。

(注8) 1、2月の在庫の数値は1~2月累計値。

(注9) 「実質」と明記しているもの以外はすべて名目値。

(資料) 中国国家統計局、中国海関総署、中国商務部よりみずほ総合研究所作成

単位 2013 2014 15/1Q 15/2Q 5月 6月 7月

前年比% 7.7 7.4 7.0 7.0

年初来累計、兆元 58.80 63.65 14.07 29.69

PMI 末値、ポイント 50.1 50.2 50.2 50.2 50.0

うち新規受注 ポイント 50.2 50.1 50.6 50.1 49.9

工業付加価値生産額(実質) 前年比% 9.7 8.3 6.4 6.3 6.1 6.8 6.0

うち軽工業 前年比% 9.7 8.3 6.0 6.3 6.3 6.9 6.3

うち素材 前年比% 11.1 9.1 8.4 9.0 8.8 9.2 8.6

うち機械 前年比% 10.5 10.4 7.8 6.2 5.3 7.1 5.8

前年比% 5.3 4.3 ▲ 5.6 0.5 ▲ 0.0 0.5 ▲ 2.0

工業製品在庫 前年比% 8.2 7.1 7.1 7.4

うち軽工業 前年比% 10.9 6.8 6.4 6.7

うち素材 前年比% 3.5 3.7 3.4 4.6

うち機械 前年比% 14.9 13.3 13.1 13.8

旅客輸送量 前年比%、人キロ 7.9 8.8 4.4 5.6 7.5 1.8 6.2

貨物輸送量 前年比%、トンキロ 7.3 9.9 1.3 ▲ 1.6 ▲ 0.5 ▲ 2.1 2.6

固定資産投資 年初来累計、兆元 43.65 50.20 7.75 23.71 17.12 23.71 28.85

累計前年比% 19.6 15.7 13.5 11.4 11.4 11.4 11.2

うち不動産 累計前年比% 16.7 7.9 5.7 2.3 2.5 2.3 2.5

うち第一次産業 累計前年比% 32.5 33.9 32.8 27.8 27.8 27.8 28.2

うち第二次産業 累計前年比% 17.4 13.2 11.0 9.3 9.6 9.3 9.0

 うち製造業 累計前年比% 18.5 13.5 10.4 9.7 10.0 9.7 9.2

うち第三次産業 累計前年比% 21.0 16.8 14.7 12.4 12.1 12.4 12.1

直接投資実行額 年初来累計、億ドル 1,176 1,196 349 684 538 684 766

累計前年比% ▲ 2.9 1.7 10.6 8.0 10.1 8.0 7.7

輸出 億ドル 22,107 23,432 5,140 5,584 1,901 1,920 1,951

前年比% 7.8 6.0 4.6 ▲ 2.2 ▲ 2.8 2.8 ▲ 8.4

うち対米 前年比% 4.7 7.5 11.2 7.6 7.8 12.0 ▲ 1.3

うち対EU 前年比% 1.2 9.7 2.4 ▲ 6.8 ▲ 6.9 ▲ 3.4 ▲ 12.3

うち対日 前年比% ▲ 0.9 ▲ 0.5 ▲ 11.8 ▲ 9.3 ▲ 8.1 ▲ 6.0 ▲ 13.0

うち対NIES、ASEAN 前年比% 16.6 2.8 3.2 ▲ 2.6 ▲ 5.3 4.1 ▲ 8.2

輸入 億ドル 19,493 19,631 3,903 4,188 1,312 1,454 1,521

前年比% 7.3 0.7 ▲ 17.8 ▲ 13.6 ▲ 17.8 ▲ 6.3 ▲ 8.2

うち対米 前年比% 14.8 4.3 ▲ 13.0 ▲ 1.7 ▲ 3.7 7.0 ▲ 4.8

うち対EU 前年比% 3.5 11.1 ▲ 10.1 ▲ 15.4 ▲ 24.1 ▲ 6.2 ▲ 8.9

うち対日 前年比% ▲ 8.7 0.5 ▲ 11.2 ▲ 10.4 ▲ 15.6 ▲ 7.6 ▲ 13.6

うち対NIES、ASEAN 前年比% 7.9 1.6 ▲ 9.6 ▲ 4.8 ▲ 7.4 2.3 ▲ 3.0

貿易収支 億ドル 2,614 3,801 1,237 1,395 589 465 430

発電量

       系列

GDP

景況感

生産

実質GDP

名目GDP

投資

貿易

10 みずほ中国経済情報(2015 年 8 月号)

巻末資料:中国主要経済指標②

(注1) 社会消費品小売総額、一定規模以上小売店販売額、自動車販売台数は実数値・前年比ともに公表されているが、実数値から算出した前年比

と公表前年比が異なる場合がある。ここでは、公表前年比を用いている。

(注2) 社会消費品小売総額、一定規模以上小売店販売額の年次の実数値・前年比については、それぞれ年初来累計値・累計前年比を掲載(2014

年11月号までは単月の数値を合計して算出)。

(注3) 1、2月の社会消費品小売総額、一定規模以上小売店販売額の数値は、1~2月累計値を掲載。

(注4) 消費者物価指数、生産者物価指数の四半期の値は、月次の数字を単純平均して算出。

(注5) マネーサプライ(M2)は、2011年10月分より非銀行金融機関の銀行における預金(例えば証券会社の証拠金口座)と住宅積立金を範囲に含

める。この範囲変更に伴い、2011年10月以降は実数値から算出した前年比と公表前年比が異なる。ここでは公表前年比を用いる。

(注6) 貸出残高伸び率は、中国人民銀行発表の前年比。ただし2008年 11月から2009年 11月および2011年 1月以降は公表前年比と実数値から

算出した前年比が異なる。

(注7) 預金伸び率は、中国人民銀行発表の前年比。ただし2011年以降は公表前年比と実数値から算出した前年比が異なる。

(注8) PERは前期実績PER(株価/前年度決算純利益)。例年5月に基準が改定されている。

(資料) 中国国家統計局、中国自動車工業協会、中国人力資源・社会保障部、中国人民銀行、FRB、上海証券交取引所、深セン証券取引所、中国財務

部よりみずほ総合研究所作成

単位 2013 2014 15/1Q 15/2Q 5月 6月 7月

消費者信頼感指数 末値、ポイント 107.1 105.5 109.9 105.5 104.5

消費者期待指数 末値、ポイント 110.3 108.0 113.4 108.0 107.0

兆元 24.28 27.19 7.07 7.09 2.42 2.43 2.43

前年比% 13.1 12.0 10.6 10.2 10.1 10.6 10.5

一定規模以上小売店販売額 前年比% 11.6 9.3 7.8 7.1 6.7 7.9 7.2

自動車販売台数 万台 2199.3 2348.9 615.3 570.1 190.4 180.3 150.3

前年比% 14.2 7.0 3.5 ▲ 1.1 ▲ 0.4 ▲ 2.3 ▲ 7.1

平均賃金 前年比% 10.1 9.5 n.a. n.a. n.a.

求人倍率 末値、倍 1.10 1.15 1.12 1.06 n.a. n.a. n.a.

消費者物価指数 前年比% 2.6 2.0 1.2 1.4 1.2 1.4 1.6

うちコア(食品、エネルギー除く) 前年比% 1.7 1.6 1.4 1.6 1.6 1.7 1.7

うち食品 前年比% 4.7 3.1 1.9 2.1 1.6 1.9 2.7

生産者物価指数 前年比% ▲ 1.9 ▲ 1.9 ▲ 4.6 ▲ 4.7 ▲ 4.6 ▲ 4.8 ▲ 5.4

うち生産財 前年比% ▲ 2.6 ▲ 2.5 ▲ 5.9 ▲ 6.0 ▲ 5.9 ▲ 6.2 ▲ 6.9

うち消費財 前年比% 0.2 ▲ 0.0 ▲ 0.1 ▲ 0.3 ▲ 0.3 ▲ 0.2 ▲ 0.3

新築住宅販売価格指数(主要70都市平均) 前年比% 5.9 2.6 ▲ 5.6 ▲ 5.9 ▲ 6.0 ▲ 5.4 ▲ 4.4

マネーサプライ(M2) 末値、兆元 110.65 122.84 127.53 133.34 130.74 133.34 135.32

末値前年比% 13.6 12.2 11.6 11.8 10.8 11.8 13.3

貸出残高 末値、兆元 71.90 81.68 85.91 88.79 87.52 88.79 90.27

末値前年比% 14.1 13.6 14.0 13.4 14.0 13.4 15.5

純増額 期間中増分、100億元 891 978 423 289 90 128 148

預金 末値、兆元 104.38 113.86 124.89 131.83 128.99 131.83 134.00

末値前年比 13.8 9.1 10.1 10.7 10.9 10.7 13.4

預金準備率(大手) 末値、% 20.0 20.0 19.5 18.5 18.5 18.5 18.5

貸出基準金利(1年) 末値、% 6.00 5.60 5.35 4.85 5.10 4.85 4.85

オーバーナイトレポ金利 末値、% 3.18 3.59 3.30 1.23 1.15 1.23 1.46

外貨準備高 末値、億ドル 38,213 38,430 37,300 36,938 37,111 36,938 36,513

対ドル人民元レート 末値、元/ドル 6.05 6.20 6.20 6.20 6.20 6.20 6.21

対円人民元レート 末値、円/元 17.39 19.32 19.35 19.69 20.00 19.69 19.96

上海総合株価 末値、1990/12/19=100 2,116 3,235 3,748 4,277 4,612 4,277 3,664

PER 末値、倍 11.0 16.0 19.0 20.9 21.9 20.9 18.0

株式時価総額(上海、深セン) 末値、100億元 2,391 3,725 4,770 5,846 6,275 5,846 5,048

株式売買総額(上海、深セン) 100億元 4,687 7,439 4,131 9,822 3,129 3,680 2,818

財政収入 累計前年比% 10.2 8.6 3.9 6.6 5.0 6.6 7.5

財政支出 累計前年比% 11.3 8.3 7.8 11.8 11.1 11.8 13.4

為替

財政

株価

物価

金融

       系列

社会消費品小売総額

消費

2015年 8月28日 発行

アジア調査部中国室エコノミスト 玉井芳野

03-3591-1367 [email protected]

アジア調査部中国室研究員 中澤彩奈

03-3591-1413 [email protected]

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