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内外経済・産業構造の趨勢変化を読む内外経済・産業構造の趨勢変化を読む
2012年11月1日
みずほコーポレート銀行
産業調査部
Only for Discussion Purpose
MB
みずほ総研フォーラム2012みずほ総研フォーラム2012 資料資料
1 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
「空洞化」「空洞化」 なのかなのか 「比較優位産業へのシフトの過程」「比較優位産業へのシフトの過程」 なのかなのか
輸入浸透度、輸出比率、生産額
0
3
6
9
12
15
18
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
400
420
440
460
480
500
520
540
560実質GDP輸入浸透度(輸入 /内需)
輸出比率(輸出 /生産)
(%) (兆円、05年価格)
(出所)内閣府等より、みずほコーポレート銀行産業調査部作成
中長期的な議論中長期的な議論足許の議論足許の議論
■ 製造業の海外移転
★ 「空洞化」ではなく、「比較優位産業へのシフト」?
- 自動車は、輸出するものではなく輸入するもの
■ 製造業の海外移転
★ 「空洞化」ではなく、「比較優位産業へのシフト」?
- 自動車は、輸出するものではなく輸入するもの1 8 . 4 %
2 2 . 4 %
0
5
1 0
1 5
2 0
2 5
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
海 外 現 地 生 産 比 率 ( 実 績 )
海 外 現 地 生 産 比 率( 5年 前 の 当 年 度 見 通 し )
(% )
製造業の海外生産比率
空洞化の要因分析
0 10 20 30 40 50
為替のリスクヘッジ
調達コスト削減
グローバル化
海外市場の成長性
人口減少
取引先の海外移転
税制
電力問題
人件費
円高
(%)0 10 20 30 40 50
為替のリスクヘッジ
調達コスト削減
グローバル化
海外市場の成長性
人口減少
取引先の海外移転
税制
電力問題
人件費
円高
(%)
2 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
我が国の産業構造は、我が国の産業構造は、 「なし崩し的」「なし崩し的」 にに ““ 霧が峰高原霧が峰高原 ”” 状態へ状態へ
一本足打法
八ヶ岳 構造
霧が峰 状態
【自動車】
【自動車】
【自動車】
【インフラ】
【文化輸出】 【宇宙】
【宇宙】
【宇宙】
【ロボット】
【ロボット】
【ロボット】
【文化輸出】
【文化輸出】【医療介護】
【医療介護】
【医療介護】
【インフラ】
【インフラ】 【Energy】
【Energy】
【Energy】
■ 我が国の産業構造
★ 「特定の強い産業」 ⇒ 「多くの産業で儲けを分け合う」
■ 我が国の産業構造
★ 「特定の強い産業」 ⇒ 「多くの産業で儲けを分け合う」
2000年代2000年代
25.0%29.62000年代
31.5%53.31970年代
製造業における
平均付加価値率
製造業における
寡占度
(注)製造業の寡占度は各期初のハーフィンダール・ハーシュマン指数を計測したもの
(付加価値率)
(寡占度≒各産業のGDPに占めるシェア)
小粒化収益性の低下
1970年代1970年代
リーディング産業の減少/
小粒化
製造業としての
収益性の低下
産業の小粒化・収益性の低下(製造業)
3 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
(出所)各社IR資料等より、みずほコーポレート銀行産業調査部作成
自動車産業の海外シフトの流れ自動車産業の海外シフトの流れ KeyKey Word Word == 地産地消地産地消
約50%
30万台
約95%
62万台
約90%
84万台
95%超
60万台
China
90%強-現地
調達率
112万台-生産
台数スズキ
約70%約90%現地
調達率
4万台11万台生産
台数
ホンダ
約85%約90%現地
調達率
13万台19万台生産
台数
日産
約50%約85%現地
調達率
14万台51万台生産
台数
トヨタ
IndiaThailand完成車メーカー
日本完成車メーカー 現地調達率比較インド 乗用車販売価格帯
Micra
Nissa
n
50万INR = 100万円
Fig
oFord
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uzu
ki
Alto
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ki
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Hyu
nd
ai
Ind
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Nan
oTata
20万INR = 40万円
I
20
Hyu
nd
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- 2012年1~6月 -乗用車販売台数 【113万台】
うち 20万INR~50万INR
【93万台】
83%
- 2012年1~6月 -乗用車販売台数 【113万台】
うち 20万INR~50万INR
【93万台】
83%
4 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
(出所)内閣府、総務省、厚生労働省等より、みずほコーポレート銀行産業調査部推計
売上高売上高
最終利益最終利益
為替影響
人件費等
関税費
原材料
電気代等
法人税等
為替影響
人件費等
関税費
原材料
電気代等
法人税等
コストコスト
100.0100.0
▲6.2▲6.2
12.8
13.3
1.9
72.7
1.0
4.4
12.8
13.3
1.9
72.7
1.0
4.4
106.2106.2
100.0100.0
13.613.6
0.4
10.5
0.0
70.9
0.5
4.0
0.4
10.5
0.0
70.9
0.5
4.0
86.486.4
00
19.819.8
12.4
2.8
1.9
1.8
0.5
0.4
12.4
2.8
1.9
1.8
0.5
0.4
19.819.8
62.6%
14.1%
9.6%
9.1%
2.5%
2.0%
62.6%
14.1%
9.6%
9.1%
2.5%
2.0%
コスト内訳
コスト内訳
JapanJapan KoreaKorea 日韓コスト差
日韓コスト差
ーー
100.0%100.0%
ーー
コスト差構成比
コスト差構成比
【国内自動車生産を全て対米輸出に充てた場合の日韓損益構造(みずほCB試算)】
- 為替影響が、63% 電気代や法人税影響は、必ずしも大きくない
対米自動車輸出対米自動車輸出 損益構造損益構造 JapanJapan vs. Koreavs. Korea
5 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
65%
70%
75%
80%
85%
90%
95%
100%
2005 2010
PDP-TV
LCD-TV
DSC
DVDレコーダ
複写機/複合機
携帯電話
エレクトロニクス製品の海外生産比率
(出所)富士キメラ「エレクトロニクス市場総調査」をもとにみずほコーポレート銀行産業調査部作成
自動車は“食物連鎖“の頂点
産業全体への波及効果産業全体への波及効果 自動車自動車100100万台減産当り万台減産当り
自動車自動車▲▲100100万台万台
電気機械電気機械
鉄鋼鉄鋼
金融・保険金融・保険
運輸運輸
教育・研究教育・研究
その他
その他
製造業
製造業
対事業
対事業
サービス
サービス
▲▲3,4003,400億円億円
▲▲2,1002,100億円億円▲▲5,7005,700億円億円
▲▲1,5001,500億円億円
▲▲1,2501,250億円億円
▲▲930930億円億円
▲▲780780億円億円
商業商業
▲▲2,3002,300億円億円
輸送機械輸送機械▲▲3.43.4兆円兆円
空洞化の震度が違う空洞化の震度が違う 自動車産業の海外シフトは、国内産業・雇用に大きな影響自動車産業の海外シフトは、国内産業・雇用に大きな影響
6 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
(出所)国立社会保障人口問題研究所、自動車工業会「日本の自動車工業」よりみずほコーポレート銀行産業調査部作成
完成車国内生産台数
完成車国内生産台数
自動車関連就業人口
自動車関連就業人口
うち製造・資材・販売・整備
うち製造・資材・販売・整備
2010年2010年 2020年リスクケース
2020年リスクケース 減少幅減少幅
963万台963万台 600万台600万台 ▲363万台▲363万台
510万人510万人 400万人400万人 ▲110万人▲110万人
210万人210万人 130万人130万人 ▲80万人▲80万人
完成車生産減少に伴う雇用影響~試算例~完成車生産減少に伴う雇用影響~試算例~
7 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
企業の海外移転は止められない、しかしながら・・・・・・企業の海外移転は止められない、しかしながら・・・・・・
0
50
100
150
200
250
300
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
海外からの所得
名目設備投資
雇用者数
2000年=100
国内への還流 vs 国内投資、雇用しかし
ながら
出所)日本経済新聞( 2011年11月3日)他よりみずほコーポレート銀行産業調査部作成
前方スクリーンをご覧下さい。前方スクリーンをご覧下さい。
8 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
対外直接投資も加速したい、同時に国内に投資を呼び込むための産業の育成は必須対外直接投資も加速したい、同時に国内に投資を呼び込むための産業の育成は必須
大規模農業
再生可能 E
医療・介護
国土強靭化投資
内需依拠
成長産業産業波及
産業集積
63.2%58.1%
37.1% 36.6%
28.0%
17.5%
10.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
UnitedKingdom
France Canada Germany UnitedStates
Italy Japan
対外直接投資(対GDP比、2000~2011平均)
対内直接投資(対GDP比、2000~2011平均)
39.6%37.8%
32.8%
22.9%
18.2%
14.0%
2.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
UnitedKingdom
France Canada UnitedStates
Germany Italy Japan (出所)IMFデータ等よりみずほコーポレート銀行産業調査部作成
9 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
長引くデフレでマインドが萎縮している民間部門に多くを期待するのは困難
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
2011
30
35
40
45
50
55
60% %
企業の期待成長率(左軸)
将来不安を抱く家計の比率(右軸)
(出所)内閣府「企業行動のアンケート調査」、 「国民生活に関する世論調査」
新産業を興すために・・・・・・新産業を興すために・・・・・・ 「民」任せには限界、「官」の役割に期待「民」任せには限界、「官」の役割に期待
「民間にできることは民間に」との掛け声のみでは「雪玉」は転がらない
新産業育成に際しては、政府が「始めの一押し」の役割を果たす必要
規制緩和・規制強化
政府のコミットメント
(長期目標の設定等)
呼び水としての財政支出
新産業の育成
(参考)米国におけるトラック普及にも「公」の関与
前方スクリーンをご覧下さい。
10 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
始めの一押しの財源は、政府資産のスクラップ&ビルドで捻出始めの一押しの財源は、政府資産のスクラップ&ビルドで捻出
公益性
収益性
民営事業
半官半民事業
公営事業
電力
ガス
上下水道
鉄道
銀行
空運
高速道路運営
空港運営
住宅供給
ゴミ収集・処理
上下水道
高速道路運営
空港運営
住宅供給
ゴミ収集・処理
国防
警察
一般道路
治水
義務教育
「市場の失敗」リスクは民営でも高くないのでは?
民間でも運営できる過去の実績がある
公益性
収益性
民営事業
半官半民事業
公営事業
電力
ガス
上下水道
鉄道
銀行
空運
高速道路運営
空港運営
住宅供給
ゴミ収集・処理
上下水道
高速道路運営
空港運営
住宅供給
ゴミ収集・処理
国防
警察
一般道路
治水
義務教育
「市場の失敗」リスクは民営でも高くないのでは?
民間でも運営できる過去の実績がある
■ 今を作った事業は民間に委ね、政府は未来を切り開く尖兵の役割を■ 今を作った事業は民間に委ね、政府は未来を切り開く尖兵の役割を
“今”を作った公的事業
ex. 上下水道、ゴミ処理
公債
CASH 公債
“未来”を作る公的事業
ex. 医療介護、農業、国家強靭化
公債
民間に売却
“Scrap”
新しい公的事業を創造
“Build”
● これまでの 自治体のBS
● これからの 自治体のBS
11 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
シンガポール政府は、傘下のSWFテマセクが保有する電力会社の民営化にあたり、全てを外資に売却
政府は「外資が保有しようが国内企業が持とうが、規制がしっかりしていれば問題ない」
「国が所有するのではなく、民営化したほうが効率が上がるというのが基本的考え方だ」
テマセクは、売却資金を元手に海外の資源会社等に投資。国富最大化に向けて資産のS&Bを継続的に実施
パワーセラヤ
トゥアスパワー
セノコパワー
パワーセラヤ
トゥアスパワー
セノコパワー
売却
規制
出所:2008年5月13日日経新聞他よりみずほコーポレート銀行産業調査部作成
Singapore Singapore 外資導入モデル外資導入モデル
前方スクリーンをご覧下さい。
12 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
みずほ産業調査、みずほ産業調査、Mizuho Industry FocusMizuho Industry Focusのご案内のご案内
みずほ産業調査 日本産業動向(年2回発行、1月・7月)
主要産業の需給動向および収支見通しについて分析その他、テーマ調査(不定期)など
http://www.mizuhocbk.co.jp/fin_info/industry/sangyou/ (みずほCBトップページ→金融経済情報→産業情報→みずほ産業調査)
【カバー業種】
産業総合、鉄鋼、非鉄、紙パルプ、セメント、化学、医薬品、石油、自動車、造船、一般機械、エレクトロニクス、情報サービス、通信、広告・放送、海運、物流、電力、都市ガス、小売、食品、外食、建設、不動産・住宅、ホテル・レジャー、カード・信販、リース、人材サービス
Mizuho Industry Focus産業界をめぐるその時々の 新のテーマに焦点(Focus)をあてて随時刊行するレポート
http://www.mizuhocbk.co.jp/fin_info/industry/mif.html (みずほCBトップページ→金融経済情報→産業情報→Mizuho Industry Focus )
【発行済みテーマ(抜粋)】
111号 医療機器メーカーの成長戦略110号 スマートグリッド関連産業の産業構造とビジネスモデル109号 地域発展計画から見る珠江デルタ地域の将来像108号 国内製造設備メーカーの中国事業戦略の方向性106号 企業価値の拡大均衡に向けた経営管理の考え方105号 中国の製紙産業動向と日中アライアンスの方向性に関する考察
『みずほ産業調査』
『Mizuho Industry Focus』
13 2012年11月Copyright © 2012 Mizuho Corporate Bank , Ltd
「産業調査部レポートご案内メール」について「産業調査部レポートご案内メール」について
産業調査部では、『みずほ産業調査』、『Mizuho Industry Focus』等のレポートをWebサイトに掲載しておりますが、2012年秋頃を目処に、レポート発刊時に電子メールにてレポートの掲示先(URL)をご案内させていただくメール配信サービスを開始する予定です。
レポート情報の配信をご希望される場合は、お名刺をご提供いただければ、お名刺の電子メール宛にお送りさせていただきます(名刺を担当者にお渡し下さい)。
© 2012 株式会社みずほコーポレート銀行
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②当行の書面による許可なくして再配布することを禁じます。
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