県立川崎図書館の書庫を探検しよう!...科学と産業の情報ライブラリーニュース...
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雑誌のバックナンバーや古い図書などは書庫に保管しています。書庫内の資料の閲覧や図書
の貸出しのご希望があった際に、職員がその資料を取りにいきます。今回は図書館探検ツアー
以外ではなかなか見ることの出来ない書庫の内部をご紹介します。
旧書庫 新書庫
4階 4階
3階 3階
M3階
2階
1階 1階
神奈川県立
川崎図書館
2015 年 冬→春
38 号
科学と産業の情報ライブラリーニュース
県立川崎図書館の書庫を探検しよう!
書庫には旧書庫と新書庫があります。資料が増えるに従い、旧
書庫だけではスペースが足りず、1967 年に新書庫を設置しました。
旧書庫と新書庫は壁を隔てた作りになっています。
それでは、早速1階の旧書庫から矢印の順に、名探偵ショコたん
と一緒に書庫内を探検しましょう!
電動書架
次頁へ ダム・ウェーダー
-1 階-
旧書庫には電動の書架が!川崎公害裁判資料や
洋雑誌もある。
新書庫では図書や規格、新聞も多くみられるぞ。
ラベルの種類も様々だ。
-2階-
技術・工学分類の図書だ。2階書庫一面
に並んでいて壮観だ。雑誌は見当たら
ない。
-M3階-
年鑑・年報はここにまとめられている。
荷物用のエレベーターかな?ダム・
ウェーダーというのか。各階に止まる。
台車を使ってたくさんの資料を運ぶ時
はこれを使う。人は乗れないようだ。
棚も天井ギリギリの高い位置まで設置
している。これほど多くの本があるの
か…。
-3階-
新書庫には『土木技術』や『新建築』などの
建築学系の雑誌が多くみられる。
旧書庫には電気工学系の雑誌や企業の技報の
他に、自然科学系の分類の図書が約半分を
占めている。他の階でも見られたが、スペース
を活用して壁際にも棚を作っているところも
あるな。
名探偵
ショコたん
次回のミニ展示のテーマは「ゆるキャラ®」です。県の知的所有権センターとしての当館の収集分野で
もある「知財(―商標)」と関連付けて展示を行います。
展示期間:2015年 2 月 13 日~2015 年 5 月 13 日 (開館時間)
会場:神奈川県立川崎図書館 2 階展示コーナー
ミニ展示関連講演会「ゆるキャラ®と知的財産権」も開催予定です。
日時:2月 27 日(金) 14:00~16:00
会場:神奈川県立川崎図書館 2 階ホール
講師:穂坂 道子 氏 (弁理士)
特許業務法人 河野国際特許商標事務所代表
書庫には階段しかありません。書庫
出納があると、書庫内の階段を上り
下り。B1 階の化学文献室の資料も
取りにいきます。万歩計で測ると、
2万歩近く歩いていることもあり
ます(゚□゚;))) 【司書 S】
*ある職員の声*
ミニ展示「ゆるキャラ®と商標」
2015 年度も図書館探検ツアーを開催します。今年度ご参加いただけなかった方も、
来年度のご参加をお待ちしております。
-4階-
旧書庫には社史関連資料などが壁面の書架に
並んでいる。金属工業系や化学工業系など幅広い
分野の雑誌もここにまとめて収納されている。
一度3階に戻って新書庫の階段で4階の新書庫
へ移動しよう。ここには『高分子』や『日本物理
学会誌』など、自然科学系の雑誌が収められて
いる。中には明治時代から現在まで発行が続いて
いる雑誌もあるぞ。
4階の旧書庫と新書庫が繋がっていないのは少
し丌便に感じるな…。
県立川崎図書館が受け入れた新着資料から、
気になる本や雑誌を紹介します。
本誌は『Physics Today』(米国物理学協会
/AIP)からの翻訳と第一線の研究者が執筆した
オリジナルの記事で構成した物理科学雑誌です。
今号の表紙は収録している文献「ワインと音楽
の共通点 音楽のテイスティング」に関連し、東京
オペラシティのコンサートホールの写真です。
個人の好みを客観的に指標化するのに有効な、
ワインのテイスティングなどでも用いられる官能
評価でコンサートの音響特性を考えます。ほかに、
ノーベル物理学賞受賞に関する記事を収録して
います。
まず、「放電加工」ということばをご存知で
しょうか。放電加工とは、カミナリ(放電)と
似たような放電現象を使って硬い金属を複雑
な形状に加工する方法です。中学、高校の理科
の実験等でも扱うこともあります。
本書では放電加工の基礎知識やさまざまな
実験方法もイラストや図を用いて詳しく解説
しています。最終章では5つの項目に分けて、
実際に小型放電加工機を作る2種類の方法や
回路についてまとめています。各章の最後には
放電加工の豆知識をコラムで紹介し、情報盛り
だくさんの一冊となっています。
【一般書】『トコトンやさしい
放電加工の本』
(武沢英樹著, 日刊工業新聞社,
2014 年) [566.74/8]<81621963>
【雑誌】『パリティ』
Vol.29 No.12 (2014.12) [Z420/P]
公益財団法人日本交通公社は旅行や観光を
専門とした様々な研究活動を行う団体です。
収益部門の株式会社日本交通公社(現 JTB)と
分離し、調査研究専門機関として 1963 年に新
たにスタートを切りました。
本書は日本交通公社が創業してから 1 世紀、
分離してからの 50 周年を記念して発行され
ました。創業当時から振り返り、公益法人と
しての取組みを全 6 章に渡って綴っています。
巻末では資料編として調査・研究事業や
セミナー開催歴、刊行物、1978 年に開室した
「旅の図書館」の運営などを年表形式でまとめ
ています。
【社史】『創発的進化へ
向けて』(公益財団法人日本
交通公社, 2014年) [S688.6/N]
<81609216>
「レッドデータブック」とは、日本の絶滅の
おそれのある野生生物について、形態や生息環境
などの基礎情報や生息状況などを生物ごとに
まとめたものであり、初版は 1991 年に発行され
ました。
本書はその最新版です。2014 年8月に公表
された第4次レッドリストに基づいて作成され
ました。
当館では哺乳類、鳥類、爬虫類・両生類、貝類、
その他無脊椎動物の5冊を所蔵しています。ほか
に、1991 年版、2000 年版、2003 年版、2005
年版、2006 年版も所蔵しています。
【一般書】『レッドデータブック
2014 1 哺乳類』
(環境省自然環境局野生生物課
希少種保全推進室, 2014 年)
[462.1/2/2014-1] <81622136>
◆刊行・お問い合わせ先◆
神奈川県立川崎図書館 〒210-0011 川崎市川崎区富士見 2-1-4
TEL:044-233-4537 FAX:044-210-1146
http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/index.html
図書館には自館の資料を他館の利用者に貸したり、他館の資料を当館の利用者のために取り寄せて
貸し出したりすることが出来ます。これを、「相互貸借」といいます。
今回は相互貸借について、小さな本のおはなしをお届けします。
ある日司書さんが、本棚で待機していた私を取り出し言いました。
「君は表紙に少し染みがついているがあとは良好な状態だ。N 県の図書館から君を利用したいと
申込みがきたよ。N 県には君と同じ本がないそうだ。出張してくれないか」
私は急な話で緊張し、小さな声で「それでは行ってきます」とつぶやきました。
こうして、私はやさしく包まれて宅配便で送られました。
N 県の図書館に到着すると、司書さんが細かく私の健康状態を記録してくれました。
その後、利用する方が私を借りにくるのを待つ棚に置かれます。
突然、「おや、どこから来たの」と、隣の本が話しかけてきました。
私が、「神奈川県立川崎図書館です」と答えると、「随分遠い場所だ」と騒がしくなりました。
でも、「私は○○大学だ」「私はA県の図書館からきた」等と話している本がいたので、私以外にも
別の図書館から仕事をしにきている本は多いのだと知りました。
夜になり図書館が静かになると、「皆さん今晩は。来てくださって本当にありがとうございました。
私たちだけでは数に限りがあります。皆さんのおかげで図書館も役に立つことができとても助かり
ます。皆さんの図書館へ私たちが行く時にはどうぞよろしく」と、N県図書館の本たちから挨拶が
ありました。
次の日、私を借りに来た方は、「借りることができて、本当にうれしい」と司書さんに話をして
いたので、私も嬉しくなりました。
何日か仕事をして、私は返却されました。
司書さんが、ここに到着した時と同じ状態か、記録と私を照らし合わせていました。
その後私は丁寧に梱包され、県立川崎図書館へ帰りました。
そして、司書さんが「おつかれさま」と声をかけてくれたのでした。
※相互貸借のご相談はカウンターまでお願いします。
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