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コホモロジーについて 1

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Page 1: Coho m Ology

コホモロジーについて

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Page 2: Coho m Ology

目次1. 準備

1.1 図形をいつ同じとみなすか

1.2 同相な図形の例

1.3 位相不変量

1.4 オイラー数

1.5 オイラー数の計算例

2. ホモロジー

2.1 発想(1)

2.2 発想(2)

2.3 ホモロジーの定義

2.4 1次元の輪の例

2.5 ホモロジー群の計算例

2.6 ホモロジーとオイラー数の関係

3. コホモロジー

3.1 相対加群

3.2 コホモロジーの定義

3.3 相対性

3.4 カップ積

3.5 コホモロジーの計算例

3.6 コホモロジーとオイラー数の関係

参考

A 一般係数でのコホモロジーの定義

B 一般係数及び一般図形でのカップ積 2

Page 3: Coho m Ology

1. 準備

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Page 4: Coho m Ology

1.1 図形をいつ同じとみなすか

• 図形が互いに合同な時

• 図形が互いに相似な時

• 図形が互いに同相な時

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Page 5: Coho m Ology

1.2 同相な図形の例

例1) 例2)

例3) 例4)

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≈ ≈三角形 閉曲線 円筒(側面のみ) レコード盤

直方体の表面 球面 コーヒーカップ ドーナツ

Page 6: Coho m Ology

1.3 位相不変量

2つの図形が同相であることを示すには、具体的に変

形の仕方を示せばよい。

しかし、同相でないことを示すのは難しい。

同相な図形の間で普遍な量(位相不変量)があれば、

その量の値が相異なるときは同相でないことになる!

(同相でない図形同士で同じ値をとってもよい。)

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Page 7: Coho m Ology

1.4 オイラー数

位相不変量の例として、オイラー数が知られている。

定義1.1 図形Xに対して

χ (X)=Σn(-1)n(n単体の個数)

をXのオイラー数という。

定理1.1(オイラー・ポアンカレ)

オイラー数は位相不変量である。

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Page 8: Coho m Ology

1.5 オイラー数の計算例

例1)χ ( )=3-3=0. χ ( )=1-1=0.

例2)χ ( )=2-3+1=0. χ ( )=2-3+1=0.

例3)χ ( )=8-12+6=2. χ ( )=1-0+1=2.

例4)χ ( )=2-2+2-2=0. χ ( )=1-2+2-1=0.

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Page 9: Coho m Ology

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2. ホモロジー

Page 10: Coho m Ology

2.1 発想(1)

崖の下にいて、崖の上の地形を調べたいとする。

どのようにするか?

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Page 11: Coho m Ology

2.2 発想(2)

例えば、輪をいろいろ投げてみて、引っ掛かり具合を

感じるという方法が考えられる。

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Page 12: Coho m Ology

2.3 ホモロジーの定義

図形の形を調べるために、図形上にn次元の向きづけられた輪を描いて、

何種類の輪が描けるかを調べる。

定義2.1 図形X上の2つのn次元の向きづけられた輪が、X上のあるn+1

次元の図形を切り取るとき、この2つの輪は同じ種類であるとする。

定義2.2 図形Xに対して、 n次元の向きづけられた輪を同じ種類の輪で

仲間分けしたものを、Xのn次元ホモロジー群といい、Hn(X)と書く。

定理2.1 ホモロジー群は位相不変量である。

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Page 13: Coho m Ology

2.4 1次元の輪の例

例1) 例2)

例3) 例4)

例5) 例6)

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a=b.

a=b.

a≠b. b≠c. c≠a.

a b

a b

a

a=0.

a

b c

a b

a=-b.

b

a c

a+b=c.

Page 14: Coho m Ology

例1) 例2)

例3) 例4)

例5) 例6)

2.5 ホモロジー群の計算例

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H0=Z、H1=Z. H0=Z、H1=Z、H2=0.

H0=Z、H1=0、H2=Z. H0=Z、H1=Z、H2=0、H3=0.

H0=Z、H1=Z⊕Z、H2=Z. H0=Z、H1=Z⊕Z.

Page 15: Coho m Ology

2.6 ホモロジーとオイラー数の関係

定義2.3 Hn(X)に現れるZの個数(輪の種類の数)を

n次元ホモロジー群の階数と呼び、rankHn(X)と書く。

定理2.2 図形Xに対して次の等式が成り立つ。

χ (X)=Σn(-1)n rankHn(X).

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Page 16: Coho m Ology

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3. コホモロジー

Page 17: Coho m Ology

3.1 相対加群

n次元ホモロジー群は、輪と輪の足し算と、輪の整数倍

を考えることができた。このような代数構造をもつ集合

を加群という。実は加群Mは{f|f:Z→M、準同型}と同型

である。そこで、 {g|g:M→Z、準同型}を{f|f:Z→M、準

同型}の相対加群という代りに、Mの相対加群という。

定義3.1 Z係数の加群Mに対して、

{g|g:M→Z、準同型}

をMの相対加群といい、M#と書く。

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Page 18: Coho m Ology

3.2 コホモロジーの定義

これまでは加群の係数を整数としていたが、これからは

実数とする。すなわち輪の実数倍も考えることとする。

このとき、コホモロジー群が次のように定義される。

定義3.2 図形Xに対して、Hn(X)=Hn(X)#

をXのn次元コホモロジー群という。

定理3.1 コホモロジー群は位相不変量である。

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Page 19: Coho m Ology

3.3 相対性

定理3.2(ポアンカレの相対定理)

Xを向き付けられた境界のないm次元の図形とする。このとき

任意のnに対して、

Hn(X)=Hm-n(X)

が成り立つ。

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Page 20: Coho m Ology

3.4 カップ積

定理3.2の仮定を満たす図形Xのコホモロジーに対して、積を

次のように定義することができる。

定義3.3 Xを向き付けられた境界のないm次元の図形とする。

g1∈Hn1(X)、g2∈Hn2(X)に対して、ポアンカレ相対となる輪を

a1∈Hm-n1(X)、a2∈Hm-n2(X)とする。a1とa2との横断的交差a1∩a2

∈Hm-(n1+n2)(X)に対するポアンカレ相対となる元g1∪g2∈Hn1+n2(X)

を、g1とg2とのカップ積という。

この積によりコホモロジーH(X)=⊕nHn(X)は環となる。

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Page 21: Coho m Ology

例1) 例2)

例3) 例4)

例5) 例6)

3.5 コホモロジーの計算例

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H0=R、H1=R. H0=R、H1=R.

H0=R、H1=0、H2=R. H0=R、H1=R.

H0=R、H1=R⊕R、H2=R. H0=R、H1=R⊕R.

Page 22: Coho m Ology

3.6 コホモロジーとオイラー数の関係

定義3.4 Hn(X)に現れるRの個数をn次元コホモロ

ジー群の階数と呼び、rankHn(X)と書く。

定理3.3 図形Xに対して次の等式が成り立つ。

χ (X)=Σn(-1)n rankHn(X).

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Page 23: Coho m Ology

参考

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Page 24: Coho m Ology

A. 一般係数でのコホモロジーの定義

定義a 図形X上のn単体で作られる加群を、Xのn次元鎖群といい、Sn(X)と書く。

定義b 図形Xに対して、Zn(X) ={g∈Sn(X)#|g(X上のn+1単体の境界)=0}

とおく。

定義c g1、g2∈Zn(X)が同じ種類であるとは、h∈Sn-1(X)#が存在して、X上の全てのn単体cに対して、

g1(c)-g2(c)=h(cの境界)が成り立つことである。

定義d 図形Xに対して、Hn(X)= Zn(X) /同じ種類

をXのn次元コホモロジー群という。

このようにして定義したコホモロジーも位相不変量である。また、係数が実数のとき、この定義は定義3.2と一致する。(普遍係数定理)

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Page 25: Coho m Ology

B. 一般係数及び一般図形でのカップ積

定義3.3によれば、ホモロジーにも輪の横断的交差による積を定義できる。しかし一

般の図形に対しては、そうとは限らない。だが、コホモロジーには一般の係数および

一般の図形に対して積を定義することができる。なぜなら、 Zn(X)の元の値域には

既に積が定義されているからである。

定義e g1∈Zn1(X)、g2∈Zn2(X)に対して、カップ積g1∪g2∈Hn1+n2(X)を

g1∪g2(c)=g1(e0・・・en1)g2(en1・・・en1+n2)、for ∀c≈e0・・・en1・・・en1+n2∈Sn(X)

で定義する。

Xが向きづけられた境界のない図形のとき、この定義は定義3.3と一致する。

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Page 26: Coho m Ology

参考文献

・位相幾何学 ホモロジー論 中岡稔 共立出版株式会社

・コホモロジー 安藤哲哉 日本評論社

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