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築年数/築32年(昭和56年3月竣工) 構造・規模/ SRC造(地上14階建て) 総戸数/218戸 設計監理者/株式会社ハル建築設計・ 株式会社ジェス診断設計 施工者/ブライトワークス株式会社 工事期間/平成25年8月~平成26年6月 1 0 0 21 23 25 5 便DATA CASE 1 工事費用 2億7,559万円 (税込) 受水槽は景観に配慮し、ダミーパネルで一体化、 防災資材庫の機能も併せ持つ(完成後) 工事中の既存FRP製受水槽(左)と新設の  ステンレス製受水槽(下) 受水槽横に緊急取水ユニットを設置 1 0 0 COM MENT 資産価値の維持・向上を意識し て長期修繕計画の見直しを行って きました。全戸作業が必要な大掛 かりな工事でしたが、改修方針や 仕様の検討など、修繕委員会で前 向きに議論を進められたことで、 工事の度にマンションがきれいに なり、居住者からも好評です。今 後、防災関連では応急給水ルール の策定、修繕関連では植栽見直し と外構改修を予定しています。  ●北千住パーク・ファミリア管理組合 修繕委員長 久田 真一郎 世界で一番美しいトイレに生まれ変わった共用トイレ 専有部分給水・給湯・排水管更新工事既存排水管撤去(セクチャー継手)に は油圧ジャッキを利用して室内での はつり工事を低減させた 撤去された既設排水 (セクチャー)継手 修繕委員会の様子 1 2 使109 マンション改修モデル事例集 マンション修繕編〈別冊〉 108 美観と安全性を考慮してアルミ手すりへと交換

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築年数/築32年(昭和56年3月竣工)

構造・規模/SRC造(地上14階建て)

総戸数/218戸

設計監理者/株式会社ハル建築設計・

株式会社ジェス診断設計

施工者/ブライトワークス株式会社

工事期間/平成25年8月~平成26年6月

 

北千住パーク・ファミリアでは、100年安全

で快適に住まう」というビジョンを描き、平成

21年から長期修繕計画の見直しの検討を開始

し、平成23年には手すりや玄関ドアの更新を

含む大規模修繕、平成25年に専有部分を含む

給排水設備改修を行い、5カ年計画として進

めてきました。

 

排水立主管は継手性能を見直し、室内作業

での騒音や振動を少しでも低減するために、撤

去には油圧ジャッキによる押上げ工法を採用

しました。下層階で生じていた不具合解消のほ

か、今後一層の普及が見込まれる「超節水型便

器」の負荷に対応できる性能を確保し、専有部

分給水給湯管は全てポリブテン管へ、排水枝管

は塩ビ管へ更新しました。

 

給水システムを検討していく中で、『水瓶』と

しての受水槽の扱いが議論になり、その過程で

「水を持つ安心感」や「災害時に『水瓶』を持

つ意義」を学び、災害用水利や消防水利とし

DATA

北千住パーク・ファミリア●東京都

C A S E 1

設備改修

工事費用 2億7,559万円(税込)

▲受水槽は景観に配慮し、ダミーパネルで一体化、 防災資材庫の機能も併せ持つ(完成後)

◀工事中の既存FRP製受水槽(左)と新設の  ステンレス製受水槽(下)▼

▲受水槽横に緊急取水ユニットを設置

100年を見据えた

安全で快適な住まいへ

COM MENT

 資産価値の維持・向上を意識し

て長期修繕計画の見直しを行って

きました。全戸作業が必要な大掛

かりな工事でしたが、改修方針や

仕様の検討など、修繕委員会で前

向きに議論を進められたことで、

工事の度にマンションがきれいに

なり、居住者からも好評です。今

後、防災関連では応急給水ルール

の策定、修繕関連では植栽見直し

と外構改修を予定しています。 

●北千住パーク・ファミリア管理組合

 修繕委員長 久田 真一郎

▲世界で一番美しいトイレに生まれ変わった共用トイレ

▲専有部分給水・給湯・排水管更新工事▼

▲既存排水管撤去(セクチャー継手)に は油圧ジャッキを利用して室内での はつり工事を低減させた

▲撤去された既設排水

◀(セクチャー)継手

▲修繕委員会の様子

て近隣防災を含めて役立たせるために残しま

した。

 

実際には、ステンレス製受水槽に更新し、パネ

ル強度や耐震性を向上させ、緊急遮断弁や災

害時用給水栓ユニット採水口を設けました。給

水システムは加圧給水方式で、新設受水槽は外

観上1基の水槽ですが、独立した水槽2基を

ダミーパネルで繋いで連通管や緊急遮断弁制御

盤を設置、防災資材庫として利用できる空間

になっています。

 

共用トイレは、車いすで使えるトイレの設置

の必要性から、来訪者も利用する「マンションの

顔」となりうる、「世界で一番美しいトイレ」を

目指し、実現に至りました。

109 マンション改修モデル事例集 マンション修繕編〈別冊〉  108

▲美観と安全性を考慮してアルミ手すりへと交換