compliance handbook - eisaiコンプライアンス・ハンドブック 第7版 compliance handbook...
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コンプライアンス・ハンドブック 第7版
ComplianceHandbookE i s a i N e t w o r k C o m p a n i e s
JapaneseVersion
January 2017
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Compliance Handbook forEisai Network Companies
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めざす企業像
一人ひとりが法令と倫理を遵守したビジネス活動を徹底し
いかなる医療システム下においても存在意義のある
ヒューマン・ヘルスケア企業
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CEO からのメッセージ私たちは、疾病を治癒に導く薬剤(curative medicine)と先制医療に資す
る薬剤(preemptive medicine)の創出、ならびにそれらの薬剤を必要としている患者様への更なるアクセス向上に継続して取り組んでいます。これらは、現代の医薬品産業にとって、重要なミッションです。
これらのミッションを遂行するために、企業の原動力となるものこそが、コンプライアンスです。コンプライアンスなくして、企業の持続的な成長はありません。コンプライアンスは時代とともに変化しており、いわば、進化し続ける規範です。昨日正しかったことが明日も正しいとは限りません。そのため、私たちは、社内外のあらゆる機会を通じ、日々研鑽を積んでいるのです。
コンプライアンスに反する行動は、個人としてのあなたに影響を及ぼすだけではなく、組織としての会社にも甚大な影響を与え得るということを強く認識しなければなりません。このコンプライアンス・ハンドブックは、皆さんとエーザイがコンプライアンスに則った活動を行い、私たちのミッションを達成に導くための指針を提供するものです。
2017 年 1 月エーザイ株式会社代表執行役 CEO
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チーフコンプライアンスオフィサーからのメッセージ
患者様とそのご家族を第一義としたhhc 理念のもと、誠実性、敬意および透明性から構成されているのが、ENW の倫理基準です。この倫理基準は、社員だけでなく、私たちを取り巻くステークホルダーズ、ビジネスパートナー、患者様および地域社会との継続した信頼関係を構築していく基礎となります。この倫理基準と法令の遵守を合わせたものがENW のコンプライアンスであり、私たちのすべての行動および事業活動の指針です。
日々の活動で課題に直面した時、私たち一人ひとりがこのコンプライアンスに則った行動ができることで、目的を達成することができます。これは、雇用形態にかかわらず、ENW に集う全員にあてはまります。
私たち一人ひとりは、組織の一員として、このハンドブックに定められた行動指針に沿って行動する責任があります。加えて、組織マネジメントを行う管理職は、組織のメンバーがこのハンドブックの内容、法令や ENW の方針、ルール等を十分理解し、それらを事業活動で確実に実践するように導くとともに、自らも率先垂範する責任があります。
このハンドブックには、私たちが事業活動で直面するすべてのコンプライアンス上の状況が書かれているわけではなく、ここに記載されていない状況においては、私たちは自ら正しい判断をしなければなりません。もし、自らの判断が確かなものではないと感じたならば、私たちは、必ず、同僚、上司またはコンプライアンス担当部署に相談しなければなりません。
コンプライアンス担当部署は、皆さんが ENW で働くことに誇りを持ち、コンプライアンスに従って日々の事業活動に邁進できるよう支援します。何かあれば躊躇せずに相談してください。
2017 年 1 月エーザイ株式会社
チーフコンプライアンスオフィサー
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目次
CEOからのメッセージ 1
チーフコンプライアンスオフィサーからのメッセージ 2
このハンドブックについて 5
1)ENWにおけるコンプライアンス 5
2)このハンドブックの対象 5
3)このハンドブックの目的 5
4)このハンドブックの活用方法 5
ENW企業行動憲章 6
行動指針 8
Part 1 私たちにとっての行動指針とは 91.1 私たちの責任 10
1.2 経営者としての責任 11
1.3 コンプライアンスに関する相談と連絡 12
Part 2 私たちの職場環境 152.1 差別のない職場 16
2.2 ハラスメントのない職場 17
2.3 健康と安全 18
2.4 薬物とアルコール 20
2.5 ソーシャルメディアの適切な使用 21
2.6 利益相反 23
2.7 不正 25
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Part 3 ステークホルダーズとの関係 273.1 研究開発活動 28
3.2 製造活動および流通 30
3.3 プロモーション活動、非プロモーション活動 31
3.4 安全性に関する情報の伝達 33
3.5 医療関係者および医療機関との交流 34
3.6 規制当局およびその他の公的機関との関係 37
Part 4 社会との関係 394.1 贈収賄および汚職の防止 40
4.2 公正な競争 42
4.3 政治への寄付 45
4.4 環境への配慮 46
4.5 反社会勢力との関係遮断 47
4.6 人権 48
Part 5 会社の資産、情報 495.1 文書の作成 50
5.2 知的財産 51
5.3 秘密情報 54
5.4 個人情報 57
5.5 インサイダー取引の禁止 59
5.6 会社の資産 60
5.7 納税、財務報告 61
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このハンドブックについて
1)ENWにおけるコンプライアンスエーザイネットワーク企業(「ENW」)におけるコンプライアンスとは、法令、
ENW のポリシーや手続きを定めたルール(手続ルール)の遵守だけではなく、誠実性、他者への敬意、透明性からなる倫理基準の遵守を意味します。
2)このハンドブックの対象このハンドブックには、全世界の ENW の役員および従業員のための ENW
の企業行動憲章および行動指針が書かれています。
3)このハンドブックの目的このハンドブックでは、ENW のすべての役員、従業員が守るべき基準や
文書化されていない倫理基準について重要なものを取り上げ、行動指針として示しています。ただし、このハンドブックには、私たちが日々直面する個々の状況に対して詳細な解決方針までは記載してありませんので、必要な場合には、ENW で定めるポリシーや手続ルールを参照してください。
このハンドブックには、これらの基準に従って活動する際に支援を求めることができる責任者や主管組織を記載しています。私たちは、日々の課題について、同僚と議論したり、上司に相談する必要があります。さらに私たちは、各リージョンや各国のコンプライアンス担当部署、コンプライアンス・カウンター、人事担当部署または法務担当部署に相談することができます。
私たちが ENW の役員または従業員としての行動を求められているのは、職場だけに限りません。取引先と交流活動を行っている場合、学会等に出席している場合、ビジネスのために移動している場合、私たちは社を代表していることになります。この行動指針は、そのような際にもあてはまり、職場における場合と同様に、コンプライアンスに違反していないかを判断しなければなりません。
4)このハンドブックの活用方法ENW のすべての役員、従業員は、このハンドブックの内容を理解して日々
行動することが求められています。
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ENW企業行動憲章2000 年 3 月制定2017 年 1 月改定
私たちは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を考え、そのべネフィット向上を第一義とし、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足するために事業活動を行っています。私たちは、いかなる医療システム下においてもヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業として、患者様と生活者の皆様に貢献できる製品とサービスを提供します。
私たちは、企業理念の実現のために、常にコンプライアンス(法令と倫理の遵守)の考えに基づいて適時、適切な判断と行動を行います。コンプライアンスは社のすべての活動の中で最優先されるものであり、企業存続の基盤です。
私たちは、ここに、コンプライアンス実行のための企業行動憲章を定めます。ENW のすべての役員は、本憲章の内容と精神を実現することが自らの役割であることを認識するとともに、率先垂範の上、従業員がコンプライアンスを実践するよう導きます。そして、ENW の従業員一人ひとりは、これを厳守し、最善の努力を払って日々行動します。
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ステークホルダーズとの関係
1. 私たちは、医療に携わるすべての人々、株主、投資家、従業員、取引先、患者様、地域社会などと信頼関係を築きます。
2. 私たちは、贈収賄をはじめビジネス上のいかなる不当な利益のやり取りもしません。
3. 私たちは、公明正大に競争します。
4. 私たちは、会社が保有する情報を適正に管理し、正確、完全、公正に記録します。
5. 私たちは、ステークホルダーズとコミュニケーションを図り、会社情報を適時、適切に開示します。
6. 私たちは、職場において、公平に、敬意を持って、差別をしないという原則に従って行動するとともに、安全な職場環境を確保します。
社会との関係
7. 私たちは、各国の法規を遵守するとともに、高い誠実性をもって行動します。
8. 私たちは、いかなる国や地域において事業を展開する場合にも、人権を尊重し、児童労働、強制労働、人身取引等は許しません。その上で、各国の文化や習慣を尊重した事業活動を展開します。
9. 私たちは、良き企業市民として、社会貢献活動を推進します。
10. 私たちは、政治、行政とは、公正で透明な関係を維持します。
11. 私たちは、反社会的勢力との関係を排除し、関係遮断を徹底します。
12. 私たちは、各国において環境保全に配慮した事業活動を推進します。
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行動指針
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Part 1
私たちにとっての行動指針とは
1.1 私たちの責任
1.2 経営者としての責任
1.3 コンプライアンスに関する相談と連絡
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1.1 私たちの責任コンプライアンスに則って活動することは、私たち一人ひとりの責任です。
ENW のすべての役員、従業員は、必要な研修を受講し、関係する法令や ENWの倫理基準、ポリシー、手続ルールに従わなければなりません。
日々の業務を行っていく上で、ありとあらゆる事態に備えるのは難しいことですが、このハンドブックは、私たちが潜在的な課題を理解するのに役立ち、様々な事態にどのように対応するかについて基本的な指針となります。
上司は、このハンドブックに示された基準を実践する上での助けとなります。私たちは、このハンドブックに示されていない状況について、どのように行動すべきか、その状況に対して ENW の倫理基準をどのように適用すべきか判断に迷う場合は、上司に相談しなければなりません。
また、上司に相談しても解決されない場合や上司以外に意見を聞きたい場合などは、コンプライアンス担当部署、コンプライアンス・カウンター、人事担当部署、法務担当部署等に相談してください。
さらに、ENW のすべての役員、従業員は、法令、ENW のポリシーや手続ルール、および倫理基準に照らし、コンプライアンス違反行為や違反の可能性のある行為について、会社に報告する義務があります。
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1.2 経営者としての責任前項で記載した ENW のすべての役員、従業員の責任に加え、役員や管理職
は、会社の経営者として、日々の業務の中で、法令、ENW のポリシーや手続ルール、および倫理基準に基づき、率先垂範する責務を負っています。
ENW の役員や管理職は、従業員が確実に法令、ENW のポリシーや手続ルール、および倫理基準を遵守するように指導しなければなりません。
ENW では、役員や管理職がコンプライアンス・プログラムを責任を持って実践し、適切なコンプライアンス体制が整備され、効果的に運用されていることを取締役会が監督しています。
役員や管理職は、職責の範囲におけるコンプライアンス上の懸念に対応し、解決しなければなりません。コンプライアンス上の懸念に関する迅速で正確な報告は、コンプライアンス・プログラムに不可欠です。また、役員や管理職がコンプライアンス活動を実践することは、マネジメントの重要な部分であり、役員や管理職を評価する基準となります。
ENWにおけるコンプライアンス・プログラムは、コンプライアンス推進体制、明確で簡潔なポリシーや手続ルール、良好なコミュニケーションと効果的な研修、組織における報告体制、内部統制の構築・整備、運用、コンプライアンス・カウンターへの相談・連絡等から構成されています。
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1.3 コンプライアンスに関する相談と連絡法令、ENW のポリシー、手続ルールおよび倫理基準に従うことは、すべて
の役員、従業員の責任です。正しい行動が取られなかった場合には、ENW のビジネス活動や社会からの評価、さらには患者様にまで悪影響を与えてしまう可能性があります。
私たち自身または同僚の行動が正しいかどうか判断に迷う場合や正しくないと思われる行動が取られていると感じたときは、必ず上司やコンプライアンス担当部署、人事担当部署、法務担当部署、またはその他適切な担当部署に相談、または連絡しなければなりません。
コンプライアンス上の懸念は、迅速に連絡される必要があります。それは、会社がそれらを知るのが早ければ早いほど、状況を早期に確認し、適切に対処することができるからです。
1.3.1 報復の禁止
ENW は、すべての役員、従業員に、コンプライアンス上の懸念を連絡することを求めており、連絡を妨害しようとする行為を許しません。コンプライアンス違反行為や違反の可能性のある行為を誠実に連絡すること自体で罰せられたり、懲戒処分を受けたりすることはありません。また、コンプライアンス違反行為や違反の可能性がある行為の調査を妨害しようとする行為や、連絡した従業員への報復行為は許しません。このような行為は、コンプライアンス違反として懲戒処分の対象となり得ます。
次のようなときにコンプライアンス・カウンターが利用できます。
• コンプライアンスに関して、どのような事項を連絡すべきか、どのような方法で連絡すべきか確認したいとき
• 私たち自身または同僚の行動が、法令や倫理基準に従っているか自信のないとき
• 上司以外に相談したい場合や、上司のアドバイスが ENW のコンプライアンスの基準に従っているか確認したいとき
• 法令、ENW のポリシー、手続ルールおよび倫理基準に従っていないと思われる行為を連絡するとき
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次のようなときにはコンプライアンス・カウンターは利用できません。
• 個人的な法律問題や、ENW での職務に関係のない問題についてのアドバイスを求めること
• 虚偽のコンプライアンス連絡を行うこと
1.3.2 コンプライアンス・カウンターへの相談・連絡
私たちは、法令、ENW のポリシー、手続ルールおよび倫理基準に従っていないと感じたときは、コンプライアンス・カウンターに連絡しなければなりません。
コンプライアンスに関する相談・連絡は、法的対応の必要上などやむを得ない場合を除いて秘密に取り扱います。それ以外の場合でも、本人の同意なく一方的に連絡者の情報を開示することはありません。
ケース
私の友人は、ENW のポリシーのみならず法にも違反していますが、私は彼がトラブルに巻き込まれることは望みません。どうしたらよいでしょうか ?
アドバイス
ENW のビジネス活動や社会からの評価、さらには患者様にまで悪影響を与えかねない問題を感知した場合は、知らないふりをせず、あなたの上司またはコンプライアンス・カウンターに連絡しなければなりません。
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Part 2
私たちの職場環境
2.1 差別のない職場
2.2 ハラスメントのない職場
2.3 健康と安全
2.4 薬物とアルコール
2.5 ソーシャルメディアの適切な使用
2.6 利益相反
2.7 不正
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2.1 差別のない職場ENW は多様性を歓迎し、かつ尊重するとともに、全従業員の公正な処遇を
重視します。採用、人材育成および昇進などのすべての活動には、この考え方が反映されています。ENW は、企業ポリシーとして、各々がプロフェッショナルとして、いきいきと活躍できる環境や制度を整備し、すべての従業員に平等で差別のない職場環境を提供します。
差別は、次のようないろいろな形で存在し、これらに限定されるものではありません。
例 : 人種、性別、年齢、心身の障害、国籍、宗教、性的指向 配偶者・子どもの有無、など
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• すべての人に敬意をもって接すること
• 従業員を厳密に能力・実績に基づいて公正に評価すること
私たちがしてはいけないこと
• 能力・業績、資格に関係のない個人の属性に基づいて、従業員の採用や処遇に関する意思決定をすること
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2.2 ハラスメントのない職場私たちはそれぞれ、不適切な言動によるハラスメント行為のない環境で働
く権利を持っています。私たち一人ひとりに、ハラスメント行為のない職場づくりを推進することが求められています。私たちはだれも、ハラスメントとなる行為を行ってはなりません。
私たちは、もし、同僚がハラスメントの被害にあっていると思われる場合には報告しなければなりません。ENW は、職場や職場とみなされる場所において、他の従業員に性的な要求をすることや性的な言動を行うこと、あるいは、職場環境を悪化させる威圧的または攻撃的な言動を行うことを許しません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• すべての従業員に対し、敬意とプロ意識を持って、友人またはクラスメートではなく同僚として接すること職場は、プロとして働く場所であり、自宅、学校またはプライベートなクラブではありません。
私たちがしてはいけないこと
• 相手が不快に感じる発言をしたり、不適切な写真や文章を作成したり使用したりすること
ケース
昼休みに同僚が性的な話をしています。どうしたらよいでしょうか。
アドバイス
あなたや周りの同僚を不快にさせ職場環境を悪化させる行為や業務を不当に妨げたりするような行為は、ハラスメントである可能性があります。その同僚に、あなたや周りの同僚が不愉快だと思っていることを知らせてやめるように求めるべきです。対応方法についてさらに詳しく知りたい場合は、上司、コンプライアンス・カウンター、人事担当部署に相談してください。
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2.3 健康と安全ENW は、関係法令にしたがって、健康的かつ安全な職場環境を提供してい
ます。私たちは、職場の活動に適用される安全に関するルールを理解し、これに従わなければなりません。さらに、私たちは、職場において事故が起きた場合もしくは危険な(または潜在的に危険な)慣行または状態が存在している場合には、上司や担当部署に直ちに報告しなければなりません。
研究開発や製造等、私たちの事業には、厳格に法令で規制され、環境へ影響を及ぼす、または従業員などの健康あるいは安全を害するおそれのある物質や設備を取扱う業務があります。私たちがこれらの業務に関与する際には、そのような物質や設備をどのように取り扱うかについて、関係する法令、ENW のポリシーや手続ルールに従わなければなりません。
また、医薬品の服用は、私たちの適切な身体機能や能力に影響を与える場合があります。私たちは、医薬品の服用が日々の事業活動にどのような影響を与えるかを認識し、業務上、健康や安全上の問題を引き起こす可能性があると思われる場合は、上司、人事担当部署または適切な担当部署へ報告し、相談しなければなりません。
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 法令、ポリシーおよび手順を遵守しないと、健康上または安全上の重大な問題を引き起こしかねないことを認識すること
• 法令、ポリシーおよび手順で明確に定められていない場合には、適正な決裁者の書面による承認を得て対応すること
• 事故、安全性を欠く行為や潜在的に危険な行為を速やかに報告すること
私たちがしてはいけないこと
• 安全に関する法令、ポリシーまたは手順から逸脱すること
• 事故、安全性を欠く行為や潜在的に危険な行為を報告せずに放置すること
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2.4 薬物とアルコール薬物やアルコールの摂取は、重大な職場問題につながります。これらは摂
取する本人の健康上の問題を引き起こすだけでなく、周りの従業員を危険にさらします。ENW は、医療上の必要性を除き(必要性がある場合は、適切な処置が行えるよう報告しなければなりません)、薬物やアルコールは職場には不要であると考えています。ENW は、職場で違法な薬物を使用することを禁止しています。また、許可なく職場でアルコールを摂取することも禁止しています。
薬物やアルコールの不正な摂取は、本人だけではなく、その周りの従業員にも健康上・安全上の重大なリスクをもたらします。私たち自身または同僚について、もし心配なことがあれば人事担当部署に連絡しなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• アルコールや薬物の摂取が、職場では危険なものになり得ることを認識すること
私たちがしてはいけないこと
• 適切な許可なく職場でアルコールを摂取すること
ケース
私の部署では、新製品発売の祝賀会を職場で開催します。食べ物とお酒を出したいと考えています。お祝いですので、お酒を出しても良いですか ?
アドバイス
いかなる場合においても、職場のイベントでお酒を出す前に、適正な管理者の承認を得るか、各 ENW のポリシーに定められている手続きをとらなければなりません。
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2.5 ソーシャルメディアの適切な使用私たち一人ひとりは、職場かどうかを問わず、ENW への社会からの評価に
対する責任を有しています。私たちの行動によっては、ENW の事業活動や患者様への悪影響または ENW の評価の低下につながる可能性があります。そのため、私たちは、個人でソーシャルメディアを利用する場合には、ENW の行動と間違われたり、ENW の公式見解と誤解を受けることのないよう注意を払う必要があります。
ENW の事業目的で使用するすべてのソーシャルメディアのアカウントは、ENWのポリシーや手続ルールに従って適正に承認を受けなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 個人的な利用において、ENW の行動と間違われるような行為を避けること
• 個人的な記載、掲載であることを明確にするとともに、個人のメールアドレスを使用すること
私たちがしてはいけないこと
• ENW が運営していると誤解を受けるようなアカウントを個人利用で使用すること(例 :ENW の会社名、ENW の製品名やサービス名の使用など)
• ENW の製品、競合品や競合するサービスについて記載すること
• 間接的であっても ENW の評判にダメージを与えると解釈されるような情報を掲載すること。また、ENW やその顧客、従業員、取引先などに関する軽蔑的、攻撃的、非常識、差別的または中傷的な掲載をすること
• 適切な承認なしに事業活動で使用するアカウントを開設すること
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ケース
私の母が最近 ENW の製品を服用しており、よく効いているようです。私はこのことをソーシャルメディアで友人と共有したいと考えています。可能ですか ?
アドバイス
できません。ENW の製品について、あなたが個人的に利用しているソーシャルメディアに書き込むことは ENW のポリシーに反します。ENW や ENW の製品について掲載することは、ENW で承認された媒体を通じて、担当部署だけが実施することができます。
ケース
私は、同僚との業務上の連絡に使用するソーシャルメディアのグループ・アカウントを開設しました。これは問題ありませんか ?
アドバイス
いいえ、問題があります。業務上の連絡には、業務目的として承認されたソーシャルメディアだけが使用できます。e-mail や電話など、承認された安全な媒体を使用して行わなければなりません。
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2.6 利益相反ENW の一員としてビジネス上の決定を行う場合や事業活動を行う場合、私
たちは、公平かつ ENW の利益になるような行動をとる責任があります。利益相反は、取引先など ENW が行おうとしている行動の相手方と自分との間に個人的な利害関係がある場合、個人の利益と ENW の利益との間で矛盾が起こり、忠実に ENW への責任が果たせない場合に生じます。この利益相反は、ビジネス上の決定に影響を与え、ENW にとって最善の結果とならない可能性があります。
業務を行うにあたって、私たちが、ENW の行おうとしている取引や ENWとビジネス関係を有している取引先と個人的な利害関係がある場合、もしくは、取引先から贈物またはイベントへの招待を受けとった場合に、利益相反が生じる可能性があります。
私たちは、利益相反やその可能性がある場合、その行為に関する意思決定に関わらないようにするなど、適切な対応が取れるように、事前に上司にその状況を報告しなければなりません。
利益相反が生じる可能性がある場合の例
• 取引先の第三者委員会の委員に就くなど、契約を締結すること
• ENW が支援したり支援を要請されている慈善団体の設立に関わったり、理事等に就任すること
• 取引先から現金、贈物、招待を受けとること
• 既存の取引先または取引の可能性のある相手先、もしくは競合他社の株式を所有すること
• 家族または友人が所有する会社と取引を行うこと
• 既存の取引先または取引の可能性のある相手先で役職に就くこと
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• すべての利益相反の可能性を上司に報告すること
私たちがしてはいけないこと
• 友人や家族との関係によって、不当に事業活動をゆがめてしまうこと
ケース
ENW と取引を行う会社の株式を所有することに何か問題がありますか ? この情報を会社に報告しなければなりませんか ?
アドバイス
ENW と取引関係にある会社の株式を所有することによって問題が生じる可能性があります。あなたは、その情報を上司に報告しなければなりません。あなたが取引関係にある会社の株式を所有するということは、ENW の利害と個人的利害が異なってしまうことや、ENW の費用で個人的な金銭的利益を得る可能性があることを意味します。あなたはこの情報を会社に報告し、会社としてどう対処するかを判断してもらう必要があります。
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2.7 不正ENW は、不正やその他の違反行為を検知し、防止するための指針を提供し
ています。不正は、他人を欺くことを目的とした意図的な行為であり、重要事実の虚偽表示または隠蔽などによって会社に損害を与えます。
私たち ENW の役員や管理職は、自らの職務の範囲において、どのような違反行為が起こりうるのか、そしてその違反行為によって ENW にどのような損害が生じるのかを知っておく必要があります。また、私たち一人ひとりは、違反行為の兆候を見つけた場合には、コンプライアンス・カウンターに報告しなければなりません。
2.7.1 経費や助成金等の適切な使用
経費を適切に使用し精算することは、正しいビジネス活動の基本です。すべての経費の精算は、事実に基づき、適時に透明性の高い方法(キャッシュレス精算等)で実行されなければなりません。また、ENW の役員、従業員は、ENW 各社のルール(金額の制限、会社の推奨するベンダーの利用等を含む)に従って経費を適正に申請、使用、精算しなければなりません。
また、研究開発は、自社の費用だけでなく、社外の費用によって行われる場合があります。私たちは、目的とする研究に対して、研究開発費を適正に管理し、使用しなければなりません。
2.7.2 研究データの信頼性確保
私たちは、研究データの信頼性を確保するため、研究活動の不正行為(存在しないデータや研究結果等を作成する捏造、得られたデータや結果の改ざん、他者の研究成果等の盗用、等)に対応する適切な仕組みを整えなければなりません。また、研究開発部門で定められたポリシー、ルールや各国のルールに従わなければなりません。
私たちは、もし、不正行為を知った場合は、コンプライアンス・カウンターに連絡しなければなりません。
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 担当職務でどのような違反行為、不正行為が起こり得るかを認識すること
• 臨床研究結果に関わる不正、過失、不適切な操作などが行われようとしている場合、そのすべてを報告すること
私たちがしてはいけないこと
• 不適切な経費の精算を申請すること
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Part 3
ステークホルダーズとの関係
3.1 研究開発活動
3.2 製造活動および流通
3.3 プロモーション活動、非プロモーション活動
3.4 安全性に関する情報の伝達
3.5 医療関係者および医療機関との交流
3.6 規制当局およびその他の公的機関との関係
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3.1 研究開発活動研究開発活動は、hhc 理念の実現に不可欠であり、ENW ビジネスの基本で
す。私たちは、知的財産権(51 ページ)、データの信頼性(25 ページ)、健康と安全(18 ページ)、医療関係者(34 ページ)、臨床試験参加者および研究団体を尊重して研究開発活動を行っています。
私たちは、GLP(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準)やGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)、その他すべての規制を遵守するとともに、高い倫理観を持って医薬品の研究開発活動を行います。
3.1.1 臨床試験参加者の尊重
ENW は、臨床試験参加者の権利、安全および健康などを含む臨床試験のための GCP の原則を尊重します。臨床試験に先立ち、十分な説明を行った上で臨床試験参加者から同意を得なければなりません。
3.1.2 臨床試験結果の適時開示
私たちは、結果の良否にかかわらず、臨床試験の結果を適時にかつ正確に開示しなければなりません。
3.1.3 化合物、物質の取扱い
私たちは、研究開発の過程で、さまざまな化合物、物質を取り扱っています。それらの中には、法令や社内のポリシー、ルールで取り扱いが規制されているものがあります。例えば、次のようなものがあります。
• 麻薬、覚せい剤、覚せい剤原料、向精神薬、その他の有害な化合物
また、化合物、物質には、適切に取り扱わないと危険である物質(生体組織、放射性物質等を含む)、環境に影響を与える可能性のある物質(遺伝子組み換え生物等を含む)があります。
3.1.4 動物実験
動物実験は新薬開発において安全性および効能を立証するために必要不可欠なものである、と ENW は考えています。私たちの実験では、動物を人道的に取り扱います。ENW が行う動物実験は、外部専門家を含む動物実験委員会により監督され、管理されています。
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私たちの研究は、科学的視点から適切に検討、実施されており、生命の尊厳や動物実験の 3R 原則に十分配慮しています。
3R 原則
「3R 原則」は、動物実験プランの適正さを検討する際の基準となる原則です。
• リプレースメント(Replacement) : 動物実験以外の代替方法の検討
• リダクション(Reduction) : 実験される動物の数の削減
• リファインメント(Refi nement) : 実験される動物の苦痛を最小なも のにすること
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW におけるポリシーおよびルールを厳守して、研究開発活動を行うこと
• ENW が行う研究開発に対し、知的財産部門とともに、適切な知的財産の保護を確保するための措置を講じること
• 全臨床データを臨床研究計画に従って確実に記録し、報告すること
• 臨床研究の結果の開示に関する ENW のルールに従うこと
私たちがしてはいけないこと
• 開発中の製品に関するネガティブなデータを隠すこと、または開発記録の改ざんをしようとすること
• 研究開発活動の不正行為(捏造、改ざん、盗用、等)に関与すること
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3.2 製造活動および流通ENW の製造および流通活動は、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及
び品質管理の基準 ) を含むすべての法令に従って行われます。
ENW は、患者様の健康や安全を確保するために、高品質の製品を製造しています。私たちは、健康と安全(18 ページ)および環境への配慮(46 ページ)を尊重して製造活動を行っています。
ENW における品質保証には、製造段階(原材料の受け入れおよび完成品の取扱い等、委託製造を含む)における品質保証だけでなく、流通段階における製品の適切な保管および取扱いも含まれます。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW の製品に対して、表示の改ざん、異物混入を発見した場合は必ず報告すること
私たちがしてはいけないこと
• 製造場所、原材料や完成した製品を汚染させてしまう可能性のある行為を行うこと
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3.3 プロモーション活動、非プロモーション活動
hhc 企業として、ENW は、患者様とそのご家族にベネフィットを提供する革新的な製品の開発、製造、販売に取り組んでいます。
ENW は、世界各地で医薬品の販売とプロモーションを行っています。私たちは、現地の規制当局が承認した、適正使用に関する科学的かつ正確な情報を提供し、プロモーションを行っています。
適応外使用を勧めるプロモーション、虚偽のプロモーションや誤解を与えるようなプロモーションは、厳格に禁止されています。承認前の薬剤のプロモーションも同様に禁止されています。これらのプロモーションは、法令違反や製造物責任の問題を引き起こす可能性があります。私たちは、以上のルールを踏まえた上で、プロモーション物の内容について、各社の適切な担当部署の承認を受けなければなりません。
また、プロモーション活動を行う従業員は、プロモーションに関する禁止事項に精通していることが求められます。
私たちは、プロモーション活動や非プロモーション活動において医療関係者と交流しています。こうした交流を規制する規則は多数存在し複雑なものであり、また国によっても異なります。
3.3.1 アドバイザリーボード・ミーティング
アドバイザリーボード・ミーティングは、各国の法令、ENW のポリシー、手続ルールを遵守した上で、ENW では知り得ない情報を得ることを目的とし開催されるものです。そのため、アドバイザリーボード・ミーティングは、性質上、プロモーション活動ではありません。
適切なアドバイザリーボード・ミーティングとするためには、次の条件を備えていることが必要です。
• 参加者の選定や人数が、合理的であること
• 参加者は、目的と期待される結果に意義ある貢献をすることができる専門性に基づいて選ばれること
• プログラム上、議論のための十分な時間が設けられていること
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ENW の製品に関する臨床データについて議論する場合がありますが、それらはアドバイザリーボード・ミーティングの目的達成に必要がある場合に限られます。そうでない場合は、偽装プロモーションや未承認の薬剤や未承認の適応のプロモーションとみなされる可能性があります。
企画しているアドバイザリーボード・ミーティングに不明な点がある場合には、コンプライアンス・カウンターまたは適切な担当部署に相談してください。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW の製品の適正使用や安全性に関する科学的かつ正確な情報を提供すること
• 適切な担当部署の承認を受けた資材を使用してプロモーションを行うこと
私たちがしてはいけないこと
• 適応外使用を勧めるプロモーションをすること
• 適用される法令の範囲外でサンプルを提供すること
ケース
権威ある医学雑誌に ENW の製品に関する記事があるのを見つけました。参考資料として MR に使用させてもいいですか。
アドバイス
適切な担当部署により承認されていない限り、使用することはできません。MR は、適切な担当部署が承認した資材のみを使用することができます。社内研修の目的のみに提供された資材は、社外には提供することはできません。
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3.4 安全性に関する情報の伝達開発中の製品であると販売中の製品であるとを問わず、ENW の製品の安全
性は、hhc 理念の基本をなすものです。また ENW には、製品の安全性に関するあらゆる情報を収集し、報告する法律上の義務があります。
もし、ENW の製品に関する有害事象を感知した場合は、私たちは、法令やENW のポリシー、手続ルールに従って、直ちに医薬品安全性担当部署に報告しなければなりません。
ENWは、すべての有害事象や安全性に関する情報について、科学的に評価し、規制当局に報告する義務があります。私たちは、もし、どのように対応したらよいか迷う場合は、上司、または医薬品安全性担当部署に相談しなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 臨床試験で使用している製品だけでなく販売中の製品についても、すべての有害事象および安全性に関する情報を医薬品安全性担当部署に報告すること
• 有害事象および安全性に関する報告要件ならびに業務手順に精通していること
私たちがしてはいけないこと
• ENW の製品に関する不利な情報を無視したり、隠蔽しようとすること
ケース
友達の友達が、「ENW の製品を服用した後に気分が悪くなった」とソーシャルメディアに書き込みました。報告する必要はありますか ?
アドバイス
はい。あなたは、そのメッセージについて、各国の手続ルールに従って医薬品安全性担当部署に連絡しなければなりません。
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3.5 医療関係者および医療機関との交流製薬業界と医療関係者の連携は患者様にベネフィットをもたらします。こ
の連携は、これまで多くの革新的な医薬品を創出し、生活に疾患が与える影響を軽減してきました。製薬業界と医療関係者は、臨床研究、最良の治療方法の共有、新薬がどのように患者様の治療過程に適合するかについて情報を交換するなど、幅広く連携してきました。ENW は、hhc 理念を実現するために医療機関や患者団体とも交流を行っています。
すべての交流を行うに際しては、それぞれの交流が、適用される法令および ENW のポリシー、手続ルールに従って行われるようにすることが重要です。私たちは、医療関係者や医療機関へのすべての支払いを、適正な基準に従って行わなければなりません。
また私たちは、価格や値引きに関するすべての話し合いを、各国の基準に従って行わなければなりません。
3.5.1 医療関係者、医療機関、患者団体への支払いの公開
ENWと医療関係者、医療機関、患者団体との連携は私たちにとって重要です。私たちは、このような連携が、患者様やその他の方々から見て透明性が高いと理解されるものにしたいと考えています。それが、ENW が支払いや便益の提供を公開するという製薬業界の活動を支援する理由です。私たちは各国の公開ルールを遵守するために、関連するすべての情報を把握しなければなりません。
3.5.2 国内および国際的なイベント
ENW がイベントを企画する場合には、考慮しなければならない法令や ENWのポリシー、手続ルールがあります。例えば、以下のような点にルールが適用されます。
• 会議の議題と資料
• 承認前イベントに関する社内および規制当局の要求事項
• 会議の開催場所
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• 謝礼等の適正な基準
• 飲食の提供の上限金額
• 支払い額の公開
私たちは、国際的なイベントでは、医療関係者の国籍を検討し、様々な法令やルールに適合するために適切な組織に事前に相談しなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 正当なビジネス目的である場合に限り、医療関係者と交流すること
• 医療関係者もしくは医療機関と交流および特定の活動を行うにあたっては、各地域の法令および適用されるポリシーに従うこと
• 医療関係者もしくは医療機関に提供した報酬が、提供されたサービスに対して適正な基準に則っており、締結した契約に沿っているようにすること
• 交流の詳細を、関連するポリシーに従って報告すること
私たちがしてはいけないこと
• ENW の製品の不適切な処方を誘引するために交流をするもしくは経済的価値のあるものを提供すること
• 医療関係者の同伴者や家族に対して直接的に、もしくは間接的に経済的価値のあるものを提供すること
• 医療関係者または医療機関に提供した報酬や経済的価値のあるものを隠そうとしたり、開示を怠ること
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ケース
ENW がスポンサーとなっている講演会に、ある医療関係者を演者として招聘しました。ENW はこの医療関係者とは非常に良好な関係にあり、感謝の気持ちを表すために高級レストランでのディナーにお連れしたいのですが、可能ですか ?
アドバイス
たとえ医療・科学や ENW 製品についての情報を提供することが目的であったり、ENW 主催の講演会に伴う飲食の場合であったとしても、高級レストランでのディナーは、各地域の法令および適用されるポリシーに照らし適切でないと判断される可能性が高いです。疑問がある場合はコンプライアンス・カウンターに相談してください。
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3.6 規制当局およびその他の公的機関との関係製薬ビジネスは、世界の各国において様々な公的機関により規制されてい
ます。私たちは、これらの機関と適切な関係性を保たなければなりません。
その対応は、正確かつ完全に、適時、透明性を確保して行わなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 公的機関に対し、透明性を確保して適切に対応すること
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Part 4
社会との関係
4.1 贈収賄および汚職の防止
4.2 公正な競争
4.3 政治への寄付
4.4 環境への配慮
4.5 反社会勢力との関係遮断
4.6 人権
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4.1 贈収賄および汚職の防止ENW は、ファシリシテーションペイメントを含む賄賂や他の汚職行為を許
しません。これは、私たちが直接行なうもの、間接的に行うものを問いません。
多くの国においては、公務員、その他の民間の個人または組織への賄賂を禁止する法令があります。私たちは、国によってこれらの規制が異なることや、医療関係者の定義も同様に異なることを認識しなければなりません。また、私たちは、法令等の違反により、ENW だけでなく個人も刑事訴追を受ける可能性があることを認識しなければなりません。
私たちは、誰に対しても、ENW との取引に関する意思決定に不正な影響を与える目的で、金銭の支払いや経済的利益の提供をしてはいけません。
4.1.1 取引先に関するデューディリジェンス
私たちは、ENW のために業務を行う取引先に対しても、ENW と同様の基準でビジネス活動が行われるようにする必要があります。贈収賄および汚職の防止に関するルールに従うために、私たちは、取引を開始する前に取引先に対して適切にデューディリジェンスを実施し、必要に応じて研修を実施しなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 公務員やその他の民間の社外関係者または組織であるとにかかわらず、社外関係者との対応に関する各国の法令および ENW のポリシー、手続ルールに基づき承認を得ること
• すべての贈り物、接遇および費用の負担は、各国の法令および ENW のポリシー、手続ルールに基づき承認を得ること
• 自身の行動が各国の法令に則っているかが明確でない場合は、コンプライアンス・カウンターに相談すること
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私たちがしてはいけないこと
• 不正な行為を誘引するまたは誘引すると思われるような経済的利益を提供したり、提供を約束すること
• デューディリジェンス手続きを行わず社外関係者と契約すること
• ENW のために活動する社外関係者の疑わしい取引を調査しないこと
ケース
ある著名な医療関係者は公務員なのですが、その医療関係者に業務を委託しようと思っています。この医療関係者が、指定する会社と契約するように求めてきました。私としては、この会社との契約が必要なのか判断できません。しかし、この医療関係者の要請を断るのも難しいです。この会社と契約を締結してもいいでしょうか。
アドバイス
あなたは、ビジネス上の合理的な必要性があり、契約内容が適切であれば、個人または会社と契約することができます。もし、業務を提供しているのがどの当事者か、または提供されるサービスが報酬に見合っているか、そしてその他適切であるかが明確でない場合は、コンプライアンス・カウンターに相談してください。
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4.2 公正な競争ENW は、公正に、かつ現地の競争法を遵守し競争することをポリシーとし
ています。不当な取引の制限、例えば、カルテルや価格の拘束を行う等の行為や慣行は明確に禁止されています。
具体的な状況に対する競争法の適用について疑問がある場合は、法務担当部署に相談してください。
4.2.1 競合他社、代理店、顧客や供給業者との取引
競合他社、代理店、顧客や供給業者との間における正式なまたは非公式な契約や合意については、競争法上の問題となる可能性があります。場合によっては、以下にリストされている事項について協議するだけでも法令違反になる場合があります。
したがって、いかなる ENW 役員および従業員も、法務担当部署のアドバイスや事前の承認なしに、競合他社などとの禁止事項に関する接触を行ってはいけません。
4.2.2 競合他社との間の禁止事項
• 価格付け、費用、利益
• 販売条件(返済期限延長や債権の情報を含む)
• 製品市場、サービス市場または地理的な市場への参入や撤退、または一社ないし複数の会社との市場の分割
• 市場シェア、生産量または販売量
• 製品の入札に関する決定、もしくはその他取引先、納入業者または代理店チャネルを割り当てること
• 研究開発のプロジェクトを行うか否か、またはどの程度力を入れて行うか
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4.2.3 代理店、顧客、供給業者との間の禁止事項
• ENW 製品の購入者が再販売する際の条件(購入者が再販売する価格やそもそも再販売できるかなど)
• 取引先または供給業者がセットで別の取引契約を締結することを取引の条件とすること(他の製品またはサービスを購入するもしくは販売することなど)
• 競合他社などの製品の製造、購入、販売やサービスの提供を不公正に制限すること
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 競合他社などと禁止事項に関する話し合いを避けるための手立てを取ること。もし競合他社などから禁止事項に関する話し合いを要請された場合は、できるだけ早くその要請を断ること
• 何らかの契約や禁止事項に関する取引先との合意に関し、法務担当部署に事前に承認を得ること
• 競合他社との打合せ(事業団体や他の業界の会合を含む)について法務担当部署に事前に議案のレビューを受けること
• 研究開発、製造、価格設定、プロモーションや販売等のビジネス上の課題を、ENW 独自の意思に基づき決定すること
• 競合他社などとの接触を会社のルールに基づき報告すること
私たちがしてはいけないこと
• 法務担当部署のアドバイスや事前の承認なしに、禁止事項に関して競合他社などと情報交換や合意をすること
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ケース
ある会議に出席する予定なのですが、その会議には共同プロモーションの相手方企業も出席することになっています。この企業は、最近、ENW 製品と直接競合する新製品を発売したのですが、この新製品について相手方企業と協議してもいいですか ?
アドバイス
共同プロモーションの相手方企業との協議は、共同プロモーションの事項のみに限定すべきです。相手方の新製品に関する会話によって競争法上の問題が生じる場合がありますので、法務担当部署の事前の承認がない場合には、相手方企業との間でこの新製品について協議すべきではありません。
ケース
私は、無駄な競争をしないですむように、市場に参入している他社と話をしたいと思います。これは市場に参入している全員の利益になることですが、いけないことですか ?
アドバイス
そのようなことをしてはいけません。競争法は、市場は「競争のない」ものであってはならないとしており、競争関係にある会社は独自にビジネスの決定を行うべきです。禁止事項に関して競合会社との間に契約や合意をすれば、競争法に違反することになります。ENW は、このような違反行為を許しません。
このような場合には、会社だけでなく、関与する個人も法的責任を負うことになります。
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4.3 政治への寄付政治家や政治団体への寄付については、各国で規制されています。
ENW 各社は、現地の法令に従い対応します。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW 名義で政治家や政治団体に政治献金を行う前に、適切な社内の承認を得ること
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4.4 環境への配慮ENW 各社は、各国の法令および ENW のポリシー、手続ルールに従って、
地球環境の保護を重視した企業活動を行い、環境保全に努めます。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• リサイクル、省電力や節水など、エネルギーや資源の節約に努めること
• ENW の企業活動を、環境に与える影響が少なくなるように検討し、変えてゆくこと
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4.5 反社会勢力との関係遮断私たちは、反社会的勢力との関係を排除し、関係遮断を徹底します。
もし、取引先が反社会的勢力であると判明した場合や反社会的勢力であるとの疑いが生じた場合は、すみやかに担当部署またはコンプライアンス・カウンターに連絡してください。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 反社会的勢力が存在することを認識すること
• 反社会的勢力と関係してしまう可能性のある状況を避けること
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4.6 人権ENW 各社は、いかなる国や地域においても国際的に認識されている人権を
擁護します。ENW 各社は、取引先やその先の児童労働、強制労働、人身売買、奴隷労働および人の尊厳や敬意を損なういかなる行為も許しません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 事業活動において、すべての人々の権利を尊重すること
ケース
私は、取引先の 1 社が工場で児童を働かせていることを知りました。どうすべきでしょうか。
アドバイス
上司またはコンプライアンス・カウンターに連絡してください。
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Part 5
会社の資産、情報
5.1 文書の作成
5.2 知的財産
5.3 秘密情報
5.4 個人情報
5.5 インサイダー取引の禁止
5.6 会社の資産
5.7 納税、財務報告
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5.1 文書の作成業務上作成される文書は、会社の記録です。記録を充実させることは、コ
ンプライアンスの充実につながります。個人が記憶しているだけでは、会社の記録としては不十分です。書面による記録は、社内外の人々にとって、過去のできごとを確認する際に重要な役割を果たすものです。
起こったすべてのできごとを文書化する必要はありません。しかし、私たちが業務において電子メールやその他の文章を作成するとき、留守番電話にメッセージを残すとき、さらには電話で会話をしているときでさえ、それが記録されていれば、文書を作成していることになります。
記録が求められている事項は、必ず文書化されなければなりません。記録が求められている事項は、法令、ENW のポリシーや手続ルールによって定められています。そのため、私たちは自身の職務に関わる法令、ENW のポリシーや手続ルールを十分に認識しなくてはなりません。私たちが文書を作成する場合は、適時かつ正確に、後に誤解が生じないように十分検討して作成することが重要です。
意図的に虚偽の文書を作成することや、文書の改ざんは、会社における記録の信憑性を失わせる行為です。私たちは、決してこのような行為をしてはいけません。
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5.2 知的財産私たちは、患者様の健康や生活の質(QOL)を向上するために、価値ある
新製品を開発することに多大な時間と努力を費やしています。製品開発の過程で、新技術、新たなデザイン、特徴的な製品名が発明または創作される可能性があり、それによって、特許権、意匠権、商標権、著作権、ノウハウまたは営業秘密など知的財産を生みだす可能性があります。他者も、自らの知的財産権を同様に大切にしています。私たちは、権利者の許可を得ずに他者の知的財産を使用することはできません。
もし、ENW の知的財産権について疑問がある場合、ENW の知的財産権を保護するための手続ルールが分からない場合や私たちの業務に第三者の知的財産権が関係するかどうかが分からない場合は、上司、知的財産担当部署、法務担当部署またはコンプライアンス・カウンターに相談してください。
5.2.1 著作権
特許権や商標権と違い、著作権は登録なしに保護されます。
• 私たちは、他者の創作したものをコピー(複製)すると、著作権侵害行為と判断される可能性があることを認識しなければなりません。
• 私たちは、他社の著作物を使用するためには、適切な著作権者から許可を得なければなりません。また、著作物を引用する場合には、著作権法に従わなければなりません。
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW の知的財産の保護に気を配り、第三者が ENW の知的財産権を侵害している場合、あなたの上司、法務担当部署またはコンプライアンス・カウンターに知らせること
• 自分の業務に関連する第三者の特許権を侵害しないように注意し、かつ、それ以外の知的財産権にも配慮すること
• 著作権者から著作物を使用するための許可を得ること。著作物を引用する場合に著作権法を遵守すること
私たちがしてはいけないこと
• 意図的ではないとしても、ENW に属する秘密情報やノウハウを社外に開示すること
• 他社より ENW に入社した人から、以前に勤務していた会社の営業秘密や他の知的財産を得ること
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ケース
販促ツールを作成する目的で、他の人の著作物を引用することは認められますか ?
アドバイス
多くの国において他の人の著作物から一部を引用することは認められていますが、合法的に引用するために満たさなければならない一定の要件があります。その要件を満たさなければ、著作権法に違反する可能性があります。したがって、知的財産担当部署、法務担当部署またはコンプライアンス・カウンターに相談してアドバイスを得てください。
ケース
ENW の製品に極めて似ている名称とパッケージの第三者の製品を見つけました。何かできることはありますか ?
アドバイス
ENW の製品の名称およびパッケージデザインは、多くの国の商標法またはその他の法律による保護を受けています。ENW が侵害に対して直ちに 適切な措置を講じない場合には、法律による保護が失われてしまうおそれがあります。したがって、そのような製品を見つけた場合には、ENW が適切な措置を講じられるようできるだけ早く、知的財産担当部署、法務担当部署またはコンプライアンス・カウンターに 連絡してください。
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5.3 秘密情報
5.3.1 秘密情報
秘密情報は ENW の重要な財産の一つです。秘密情報には、発明、ノウハウや研究結果から財務データや顧客リストまで様々なものがあります。このような秘密情報を開示することは、意図的であれ不注意によるものであれ、ENW のビジネスに影響を及ぼすおそれがあります。私たちは、秘密情報を守るために適切かつ入念なあらゆる努力をしなければなりません。
もし、その情報が秘密情報であるにもかかわらず適切に管理されなかった場合には、得られるはずの法的保護も受けられなくなるおそれがあります。
受け取った第三者の秘密情報は、提供した第三者のビジネスにとっても重要です。業務上、第三者の秘密情報に接した場合、それを使用するためには許可を得ることが必要となります。
私たち一人ひとりは、ENW 内部に秘密として保持されるべき情報を、常に適切に管理する必要があります。それは、もし秘密情報が漏洩した場合には、ENW、場合によっては提供者などにとっても、その情報の価値が喪失または減少してしまうからです。
5.3.2 IT セキュリティ
ENW は、厳重な IT セキュリティを講じており、ポリシーや手続ルールの制定に加え、不正アクセス、不正な情報流出、および IT システム上の情報の断絶を防止するシステムを構築しています。
もし、IT セキュリティ上で疑わしい行為を認識した場合は、IT システム担当部署またはコンプライアンス・カウンターに連絡してください。
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 秘密情報に関する話は第三者がいない場所でのみ行うこと。スピーカーフォンや携帯電話での会話は、他人に聞かれるかもしれないということに留意すること
• 秘密情報は第三者がいない場所でのみ閲覧すること
• ファックス、電子メールまたはその他の文章を送る場合には、受領すべき人にのみ送信されるよう注意すること
• 秘密情報を第三者に開示する必要がある場合には、事前に上司や情報セキュリティ責任者の書面による承認を得ること
私たちがしてはいけないこと
• エレベータ、廊下、飲食店、機内、タクシー、電車内、その他の公共の場所で秘密情報に関する話をすること
• 他人が拾う可能性のあるようなところに秘密情報を捨てること
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ケース
私が使用しているコンピュータには大量の業務に関するデータが入っています。出張のためにコンピュータを社外に持ち出してもいいですか ?
アドバイス
会社のポリシーに基づき、許可を受けてあなたが社外で業務を行う場合は、コンピュータがパスワード等によって十分に保護されるようにしなければなりません。社外にコンピュータを持ち出す場合には、常にコンピュータがあなたの管理下にあるかまたは安全な場所にあるようにしなければなりません。車の中や盗難にあう可能性がある場所に放置してはいけません。
ケース
私が既存の製品に対して特許性のない改良をした場合、これは秘密情報にあたりますか ?
アドバイス
はい。特許性の有無にかかわらず、すべての発見、発明、改良および技術革新は価値がある情報または秘密情報とされ、必要な承認を得ずに ENW の社外の誰にも開示することはできません。
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5.4 個人情報ENW は、事業の過程において、従業員、患者様、医療関係者、生活者や取
引先の個人情報を保有しています。「個人情報」とは、生存する特定の個人を識別できる情報をいいます。例としては、ENW の従業員のリスト、個人に関する記録で、生年月日、政府発行の ID 番号やその他個人を特定することのできる情報、医療情報等があげられます。
私たちは、各国の個人情報の保護に関する法令を遵守します。個人情報保護に関する法令の中には、個人情報をどのように組織やビジネスで使用するかについて定めているものもあります。
ENW は、以下のような適切な個人情報保護の原則に従ってデータを使用する責任があります。
• 適切かつ法令に従って使用すること
• 特定された目的に限定して使用すること
• 適切な範囲で使用すること
• 正確に使用すること
• 必要な期間を超えて保有しないこと
• 個人情報保護の権利を尊重し管理すること
• 安全に保管すること
• 適切な情報保護の対策のない国に情報を転送しないこと
機密性の高い個人情報と見なされるデータについては、厳格に法的に保護されていることがあります。
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ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 本人の許可を得た場合であって、かつ、業務上明確な必要性がある場合に限って法令に従って個人情報を入手すること
• 利用の許可を得ており、かつ、当該情報を知る必要のある人とのみ個人情報を共有すること
• 個人情報を国や地域を超えて転送したり受領したりする場合は、個人情報保護に関する現地のすべての法令を把握すること
私たちがしてはいけないこと
• 個人情報を取得した目的以外の目的のために、利用または開示すること
• 現地の法令で提供することが認められているかどうかを確認せずに、個人情報を提供すること
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5.5 インサイダー取引の禁止「内部情報」とは、非公開の情報であり、投資家が株式を売買するかその
まま保有するかを決める際に重要な情報です。
内部情報を知ったうえで、有価証券やその他の投資商品の売買をすることは法的に禁じられています。私たちは、内部情報を厳格に管理しなければなりません。また、内部情報を知らない第三者に対して、有価証券やその他の投資商品の売買を推奨することもしてはいけません。
重要情報
重要情報の例としては、財務実績の情報、財務状況の予測、配当の変更、実現可能性のある M&A や合弁の情報、重大な発明や契約に関する情報、重要な製品の開発や承認状況、重大な訴訟の提起・判決等、および事業展開の主要な変更などがあります。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW の内部情報を適切に管理し、本来の目的のためにのみ使用すること
私たちがしてはいけないこと
• ENW の内部情報を家族、友人または第三者に話すこと
• いかなる方法であろうと、内部情報を知ったうえでエーザイまたは他の上場会社の株式を売買または売買の推奨をすること
ケース
私は、会社が近々株価に影響を及ぼす可能性の高いニュースリリースをすることを知っています。親戚から、「ENW の株を売ったほうが良いか」と聞かれました。その親戚にどうしたら良いかを話してもいいですか ?
アドバイス
話してはいけません。あなたは、その親戚に「アドバイスすることはできない」、「株価に影響があるかもしれないビジネス情報またはヒントを教えることはできない」と言う必要があります。
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5.6 会社の資産ENW の資産を保護することは不可欠なことです。ENW の資産には、コン
ピュータ、電話、研究機器、事務用品、会社製品などの有形の財産や知的財産などの無形の財産等があります。これらの資産が紛失したり、盗難にあったり、または不正に使用されると、ENW の事業に重大な金銭的損失が生じる可能性があります。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• ENW の資産を保護するための適切な措置を講じ、紛失や盗難に気づいた場合には直ちに会社に報告すること
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5.7 納税、財務報告ENW 各社は、現地の税法に従って正しく納税しなければなりません。正し
い納税のためには、記録についての正確性を証明し裏付けるために足る資料を保管することと、適正な判断基準を定めることが重要となります。虚偽情報の提出、払い戻しまたは精算のための帳票の偽造、税務調査の際の虚偽の受け答えや関連する事実の隠蔽は、適正な納税を妨げる行為であり、絶対に行ってはなりません。
また、私たちは、株式上場企業として、有価証券報告書や事業報告書等において企業活動を報告する責任があります。私たちは、株主が適時適切に十分な情報を得られるように対応しなければなりません。
ポイント :
私たちがしなければならないこと
• 税務当局へ正確性を証明し裏付けるために足る資料を適切に整備すること
• 会社の経費を使用した場合は、正確かつすみやかに精算すること
• 迅速かつ正確に精算書類を作成し、該当するすべての書類(請求書、領収書)を添付し、費用の金額および取引の目的を明確にすること
• 承認された支出については、適切な記録を保管し、ENW、その監査人または当局の要請に基づき、正確で十分な書類を提出すること
私たちがしてはいけないこと
• 不正な経費の精算を行うこと
• 会社の記録を改ざんしたり、ENW の事業や財務実績の報告の正確性を損なうようなことを行うこと
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62
ENW コンプライアンス・テスト私たちが目指すものはhhc の実現です。あなたが行動するときは、いつも
次のことを自問し、コンプライアンスに留意してください。判断に迷うときは上司に相談しましょう。もし、上司に相談できない内容であれば、法務部など関係部署または、コンプライアンス・カウンター(相談窓口)にご一報ください。
その行動は、
1. 家族に胸を張って話せますか ?
2. 見つからなければ大丈夫と思っていませんか ?
3. 第三者としてニュースで見たらどう思いますか ?
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初 版 2000 年(平成 12 年) 4 月 1 日第二版 2001 年(平成 13 年) 7 月 1 日第三版 2003 年(平成 15 年) 1 月 1 日第四版 2005 年(平成 17 年) 7 月 1 日第五版 2007 年(平成 19 年)10 月 1 日第六版 2013 年(平成 25 年) 3 月 31 日第七版 2017 年(平成 29 年) 1 月 31 日
ENW コンプライアンス・ハンドブック発行: エーザイ株式会社 コンプライアンス・リスク管理推進部
© 2017 Eisai Co., Ltd.
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コンプライアンス・ハンドブック 第7版
ComplianceHandbookE i s a i N e t w o r k C o m p a n i e s
JapaneseVersion
January 2017
& Compliancehhc
Compliance Handbook forEisai Network Companies
Co
mp
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and
bo
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