とあるctØの切込隊長日誌(スタートアップ) エンジニア篇
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たけうち ひでゆき @chimerastチーフテクノロジスト (≠CTO) / イノベーション担当執行役員
広く浅く時々深くソフトウェア工学畑アセンブラから○○指向までハード系インフラからフロントエンドまで
作務衣と下駄の人
CTO of the Year at TechCrunch Tokyo 2014
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スタートアップでウォーターフォールって聞くと疑問に思うかもしれないけど、プロジェクトの種類よってはウォーターフォールが適した物もある。
アジャイルは全体として効率よく前に進んでいく物で、あらかじめ一直線で行けるとわかっているものならアジャイルよりも早く終わる。ただウォーターフォールの中でもカンバン方式は使うかもしれない。
基本的に、チーム毎に自分たちがパフォーマンスが出ると思っている方法で決めてやっている。僕なんかはスクラムやペアプロでは自分のパフォーマンスが出せないので別の方法を取る。
エンジニアの多様性地道に積み上げていくエンジニア
派手なことが得意なエンジニア
マネジメントが得意なエンジニア
アルゴリズムが好きなエンジニア
システム構築が得意なエンジニア
色んなタイプのエンジニアが存在して良いと思う
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僕は、会社がトップエンジニアだけでまわるとは思っていない。トップエンジニアにも穴があるし不得意なことがあるのが当然だと思っている。
色んなタイプのエンジニアがお互いを補完し合ってやるのが良いと思っている。
それに、それぞれの一番得意な事をまかされてやるのが、一番やる気も出るしコミットも上がる。当然良いものが出来るはずだ。
多様性の統合働き方の自由と多様性 コミュニケーションツールの利用
技術の自由と多様性 インターフェースと用途を明確に
チームの自由と多様性 会議での頻繁な成果報告とフィードバック
エンジニアの多様性 お互いを補完し合う
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ただ、自由と多様性を享受するだけでなく、多様性を統合しようとすることで良いモノが生まれる。働く場所や環境によって得た物を、他の人たちにフィードバック出来る。技術であれば、それぞれの良いところを使って作る。その際はインターフェースと用途をちゃんと規定して、綺麗に統合出来るようにする。機械学習であれば、Pythonに良いライブラリが沢山そろっているので、Javaに固執して作る事は無い。また、言語であれば別の言語を使うことで得るものも沢山あると思う。チームであれば、お互いの良いところを別のやり方をしていてもお互い取り入れていくことで全体的な開発効率を上げていっている。SPEEDAの技術を使ってNewsPicksを作っているし、NewsPicksに新しく入れた先進的な技術をSPEEDA側にフィードバックする。
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社長って自分が思うとおりに事業を進めていく人。ただ、それに対するリスクも取らなきゃいけない。成功させるためにはコミュニケーションも取らないきゃいけない。自分勝手に自由に動いている人とは違う。技術者なら将来的に必要となる技術を自分自ら取り込んでいく必要もある。ユーザベースだけで無く、スタートアップ全般に言えることだと思うが、自由だし何をするかも自分で決める事が出来る。ただ、そのような環境が無理な人もいるという事は認識しておいた方が良いと思う。スタートアップに来て元に戻ることが出来ない場合も多いので。
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想いもユーザベース限らずスタートアップでやっていくにはすごく重要な要素で、プロダクトに対して想いを入れられるから良いものが出来る。自分が世界を変えられると想えることでプロダクト対する想いが生まれる。ただ、想いと言っても人それぞれで、プロダクトの向かう方向に対して想いがある人もいるし、プロダクトの作り方、そしてチームに対して想いを持っても良いと思う。このメンバーと一緒に物を作りたいというのでも良いと思う。
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想いといきなり言われてもわからないかもしれないので、僕の例をあげようと思う。SPEEDA/NewsPicks共に
- 情報に人が接することの出来る場を提供する
- 情報を人の見やすい形に加工して気づきを与える
というIT技術が力を発揮出来る場であるのに加え、対象が経済だ。
自分がつくるプロダクトによって、世界の経済が動くなんてこんな面白いことはないじゃないか。正直SPEEDAやNewsPicksが元になって大型M&Aなんかが起きた日には、僕は楽しくてしょうがない。
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いきなり厨二病っぽい事を書いているが、これくらいの気持ちと勢いがあった方がスタートアップでは成功するんじゃないかと思う。なにしろ楽しいし。ただ漫然と、自由とか成長出来そうだからとかいう理由でスタートアップで働くと考えるのは僕は違うと思う。現実的なところスタートアップはお金がないので給料は確実にスタートアップ以外とくらべると下がる。また、当然失敗することも多い。3年以上続く会社は1割以下だとも言われている。何に楽しさを見いだすかというのは人それぞれだと思うが、何かしらの想いが強くないとやっていけないし、モチベーションの持続も出来ない。CEOや中の人がいくら面白いと言っていても、自分で考えて自分なりの面白さを見つけた方が良い。人によって何が面白いかは違うと思っている。
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ユーザベースでは、エンジニア関わらず自由な環境を与えることで、自分自ら自由な発想をすることができ、最終的に世界を驚かせるプロダクトを作る事が出来ると考えている。エンジニアドリブンと書いてあるが、僕は誰がどう動き始めても良いと思っている。作る対象やチームによって一番いいやり方は違うだろうし、面白い物を作る事が出来るのであればエンジニアが起点となる必要は無いと思う。ただ、ユーザベースに関して言えば、エンジニアが仕様を変えることができるし、自分から提案することも出来る。チームのあり方についても自分が一番動きやすい形を選択することが出来る。当然それによってエンジニア起点になることもある。
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まとめとして、スタートアップはとても自由なこと、そして自由が与えられたときに行動出来ない人は苦しいと思うかもしれないこと、また想いがないとつらくなる事があることもあげさせてもらいます。ただ、逆にこれらが解消されているのであれば、スタートアップで働く事はとても楽しいことだと思う。