エリテマトーデス患者に対するddsの効果 -dle...

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日皮会誌:104 (2), 105-108, 1994 (平6) エリテマトーデス患者に対するDDSの効果 -DLEとSLEの差異- Diaminodiphenyl sulfone(DDS)を円板状エリテマ トーデス(DLE)3例,播種状エリテマトーデス (WDLE)1例,深在性エリテマトーデス(LEP)2例, 全身性エリテマトーデス(SLE)4例に投与し,皮疹 に対する効果および副腎皮質ホルモソ内服治療の補助 薬としての有用性を臨床的に検討した. DLE型皮疹で は5例中4例,LEPでは2例中1例に皮疹の改善が見 られ,副作用はLEP 1例に貧血が認められた. SLEで は4例中3例に内服開始4~9日後に発熱,表在性リ ンパ節腫脹を主体とするDDS症候群様症状が発症 し,臨床効果を評価するに至らなかった.以上の結果 から本剤はDLEおよびLEP型皮疹に対しては,試み る価値のある薬剤と考えられた,しかし,今回の副作 用の頻度を考えた場合, SLEに対する有用性にっいて は今後更に検討すべきであろう. はじめに 4,4'・diaminodiphenyl sulfone (以下DDS)は1908年 Formmらにより合成され,癩治療薬として広く用い られてきた.その後, 1953年Kruizingaら聯こより ジューリング庖疹状皮膚炎に対し本剤が著効を示すこ とが報告されて以来,天庖塘,類天庖盾など他の自己 免疫性水庖性皮膚疾患においても本剤が有効であるこ とが明らかとなった.本邦では1991年に持久性隆起性 紅斑,ジューリング庖疹状皮膚炎,天庖盾,類天庖盾, 色素性腺疹に対しての投与か正式に認可された.一方, 本剤はエリテマトーデスの種々の皮疹に対しても有効 であったとする報告が欧米を中心に散見される2)~6). しかし,本邦ではDDSのエリテートーデスの皮疹に 対する有効性は経験的にある程度評価されているもの の,まとまった報告例示少なくエリテマトーデス患者 に対する適応が明確にされていないのが現状であろ 群馬大学医学部皮膚科学教室(主任:宮地良樹教授) 平成5年7月5日受付,平成5年9月22日掲載決定 別刷請求先:(〒371)群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学医学部皮膚科学教室 石川 う. 今回我々は10例のエリテートーデス患者に本剤を投 与し,その有効性と副作用について検討したので報告 する. 患者および方法 患者の診断は皮疹および組織所見,臨床検査結果に 基づき,アメリカリウマチ協会の診断基準案7)を参考 にして行った. DDSを投与するにあたり, discoid lupus erythematosus (DLE), widespread discoid lupus erythematosus(WDLE), lupus erythematosus profundus (LEP)では全身症状が無く,臨床検査値も 正常ないし軽微な異常にとどまる症例, systemic lupus erythematosus (SLE)では微熱,関節痛など軽 度の全身症状を有し,副腎皮質ホルモン剤の減量(10 mg/日以下)に伴い症状の悪化を見る症例(症例1, 3) か,少量の副腎皮質ホルモン剤でコントロール良好で あるが,聶麻疹様血管炎(症例2),円板状エリテマトー デス(症例4)などの皮疹が認められる症例を選んだ. 投与量は1日25~50mgの少量投与で,皮疹について は紅斑,浸潤の変化,皮疹新生の有無,またSLE患者 では副腎皮質ホルモソ剤の減量による症状の悪化か抑 えられるかを効果判定の目安とした.本剤による副作 用と考えられる症状が出現した場合には,直ちに本剤 の投与を中止し必要な治療を行った. 投与結果を表1にまとめて示した. DLE 3例全例, LEP 2例中1例,DLE型皮疹を有するSLE 1例に皮 疹の改善が認められ,本剤が有効と考えられた.有効 と判定したDLE 3例(症例8~10), LEP 1例(症例 6)では投与後2~4週間である程度急速に紅斑,浸 潤の改善が認められ,以後は徐々に軽快していった(図 1). DLEの皮疹を有するSLE(症例4)では,症例 8~10に比べ皮疹改善の経過は緩徐であった.症例9 は一時休薬して経過観察したところ5ヵ月後に皮疹の 再発を見た. 副作用は4例に見られ,貧血1例(症例5),発熱, 表在性リンパ節腫脹を主体とするDDS症候群様症状

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日皮会誌:104 (2), 105-108, 1994 (平6)

エリテマトーデス患者に対するDDSの効果

       -DLEとSLEの差異-

    石 川   治  宮 地 良 樹

          要  旨

 Diaminodiphenyl sulfone(DDS)を円板状エリテマ

トーデス(DLE)3例,播種状エリテマトーデス

(WDLE)1例,深在性エリテマトーデス(LEP)2例,

全身性エリテマトーデス(SLE)4例に投与し,皮疹

に対する効果および副腎皮質ホルモソ内服治療の補助

薬としての有用性を臨床的に検討した. DLE型皮疹で

は5例中4例,LEPでは2例中1例に皮疹の改善が見

られ,副作用はLEP 1例に貧血が認められた. SLEで

は4例中3例に内服開始4~9日後に発熱,表在性リ

ンパ節腫脹を主体とするDDS症候群様症状が発症

し,臨床効果を評価するに至らなかった.以上の結果

から本剤はDLEおよびLEP型皮疹に対しては,試み

る価値のある薬剤と考えられた,しかし,今回の副作

用の頻度を考えた場合, SLEに対する有用性にっいて

は今後更に検討すべきであろう.

          はじめに

 4,4'・diaminodiphenyl sulfone (以下DDS)は1908年

Formmらにより合成され,癩治療薬として広く用い

られてきた.その後, 1953年Kruizingaら聯こより

ジューリング庖疹状皮膚炎に対し本剤が著効を示すこ

とが報告されて以来,天庖塘,類天庖盾など他の自己

免疫性水庖性皮膚疾患においても本剤が有効であるこ

とが明らかとなった.本邦では1991年に持久性隆起性

紅斑,ジューリング庖疹状皮膚炎,天庖盾,類天庖盾,

色素性腺疹に対しての投与か正式に認可された.一方,

本剤はエリテマトーデスの種々の皮疹に対しても有効

であったとする報告が欧米を中心に散見される2)~6).

しかし,本邦ではDDSのエリテートーデスの皮疹に

対する有効性は経験的にある程度評価されているもの

の,まとまった報告例示少なくエリテマトーデス患者

に対する適応が明確にされていないのが現状であろ

群馬大学医学部皮膚科学教室(主任:宮地良樹教授)

平成5年7月5日受付,平成5年9月22日掲載決定

別刷請求先:(〒371)群馬県前橋市昭和町3-39-22

 群馬大学医学部皮膚科学教室 石川  治

う.

 今回我々は10例のエリテートーデス患者に本剤を投

与し,その有効性と副作用について検討したので報告

する.

         患者および方法

 患者の診断は皮疹および組織所見,臨床検査結果に

基づき,アメリカリウマチ協会の診断基準案7)を参考

にして行った. DDSを投与するにあたり, discoid

lupus erythematosus (DLE), widespread discoid

lupus erythematosus(WDLE), lupus erythematosus

profundus (LEP)では全身症状が無く,臨床検査値も

正常ないし軽微な異常にとどまる症例, systemic

lupus erythematosus (SLE)では微熱,関節痛など軽

度の全身症状を有し,副腎皮質ホルモン剤の減量(10

mg/日以下)に伴い症状の悪化を見る症例(症例1, 3)

か,少量の副腎皮質ホルモン剤でコントロール良好で

あるが,聶麻疹様血管炎(症例2),円板状エリテマトー

デス(症例4)などの皮疹が認められる症例を選んだ.

投与量は1日25~50mgの少量投与で,皮疹について

は紅斑,浸潤の変化,皮疹新生の有無,またSLE患者

では副腎皮質ホルモソ剤の減量による症状の悪化か抑

えられるかを効果判定の目安とした.本剤による副作

用と考えられる症状が出現した場合には,直ちに本剤

の投与を中止し必要な治療を行った.

           結  果

 投与結果を表1にまとめて示した. DLE 3例全例,

LEP 2例中1例,DLE型皮疹を有するSLE 1例に皮

疹の改善が認められ,本剤が有効と考えられた.有効

と判定したDLE 3例(症例8~10), LEP 1例(症例

6)では投与後2~4週間である程度急速に紅斑,浸

潤の改善が認められ,以後は徐々に軽快していった(図

1). DLEの皮疹を有するSLE(症例4)では,症例

8~10に比べ皮疹改善の経過は緩徐であった.症例9

は一時休薬して経過観察したところ5ヵ月後に皮疹の

再発を見た.

 副作用は4例に見られ,貧血1例(症例5),発熱,

表在性リンパ節腫脹を主体とするDDS症候群様症状

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106 石川  治  宮地 良樹

表1 DDS投与例のまとめ

症例 年齢/性 病 名 罹病期間 前治療薬 DDS投与期間 効果 副作用

10

39/女

32/女

13/男

46/女

42/女

45/女

41/男

12/女

41/男

44/女

 SLE

 SLE

 SLE

 SLE

 LEP

 LEP

WDLE

 DLE

 DLE

 DLE

 3年

 2年

1.5年

 9年

 6年

6.5年

 30年

0.5年

 6年

 1年

 PSL, ASP

   PSL

  PSL, CP

   PSL

ASP, NSAID

  NSAID

  NSAID

   9日

   7日

   4日

11ヵ月,継続中

 5ヵ月,中止

13ヵ月,継続中

 4ヵ月,中止

 4ヵ月,中止

 7ヵ月,中止

13ヵ月,継続中

有効

無効

有効

無効

有効

有効

有効

DDS症候群様症状

DDS症候群様症状

DDS症候群様症状

    貧血

PSL ;プレドエソロソ ASP ;アスピリン

CP;サイクgフォスファマイド` NSAID ;非ステロイド系消炎剤

図 41歳,男,DLE(症例9九DDS内服前(a), 4ヵ月後(b).

3例であった.貧血を来たした1例では投与前の値が

Hb 12.8g/dl, RBC 355×104/mlであったが,投与2

ヵ月後にHb 10.9g/dl, RBC 295×104/ml,投与4ヵ

月後にはHb8.0g/dl, RBC226×104/mlと低下したた

め内服を中止した.貧血に対する特別な治療をせず,

経過を追ったところ内服中止3ヵ月後にはHb 11.Og/

dl, RBC300×10ソmlと貧血はほぼ回復した.溶血性

貧血,タトヘモグロビソ血症はなかった. DDS症候群

様症状を来たした3例は何れもSLEで投与開始4

~9日後に発熱,表在性リンパ節腫脹で発症した.表

2に検査値異常を示した.変化は何れも軽度であった

が末梢血白血球の低下および好酸球増加,赤沈値完進,

CRP上昇,トランスアミナーゼ値上昇などが認められ

た.剥脱性皮膚炎,重篤な肝障害,無穎粒球症は伴っ

ていなかった.これらの症状は本剤の投与中止により

2~3日で消失し,検査異常もほとんどが2週間以内

に投与前の値に復した.尚,副作用を認めた4例を除

く6例では免疫学的検査値も含め一般検査に変化はな

かった.

          考  按

 DDSのエリテマトーデスに対する有効性について

はこれまでに欧米ではいくつかの報告がある2)~6).本

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LE対するDDSの効果

表2 DDS症候群様症状をきたした3例の検査値の

 まとめ

症  例1 2 3

投与前 発症時 投与前 発症時 投与前 発症時

血沈(1時間値)

白血球数(/ml)

好酸球数(%)

CRP(mg/dD

GOT(IU/L)

GPT(IU/L)

 9

9.300

 0.4

 0.0

 20

 14

 25

4,800

 4.4

 ND

 22

 17

 24

4,300

 0.6

 0.0

 25

 16

 28

2,600

 1.2

 0.6

 30

 27

 10

8,800

 0.5

 0.1

 30

 49

 42

7,900

0.1

0.4

48

87

ND',未実施

邦では1例報告も少なく8)9)まとまった報告は筆者ら

が調べえたかぎりでは,植木ら10)黒田ら川の2報告に

すぎない.植木ら1o)はDLE型の皮疹は8例中5例,

SLEは4例中1例(浮腫性紅斑), LEPおよび結節性

ムチソ沈着性エリテマトーデスは各1例で有効であっ

たと述べており,今回の我々の結果もこれを支持する

ものであった.一方,黒田らll)は皮膚血管炎を認める

SLE患者14例にDDSを投与し,n例に皮疹の改善が

認められたとしている.

 本剤の副作用としては肝障害,血液障害(メトヘモ

グロビソ血症,溶血性あるいは巨赤芽球性貧血,白血

球減少等),精神神経症状(頭痛,眩蛍,原状態),DDS

症候群,腎障害,消化器症状などが知られている.本

剤による副作用の出現頻度は軽微なものは20%前

後6),重篤なDDS症候群は0.5%以下6)とされている

が,本邦では癩患者594例中24例(4.0%),非癩患者115

例中10例(8.7%)との報告があり,溶血性貧血の頻度

がそれぞれ11例(1.9%), 5例(4.3%)と最も高率に

見られたとされている12)エリテマトーデス患者の

DDSによる副作用に関する統計報告はないが,植木

らlo)のSLE 4例を含む14例では副作用は認められな

かったとしている.しかし,自験例ではSLE 4例中3

例に発熱,表在性リンパ節腫脹を主症状とするDDS

症候群様症状(DDS誘発リンパ節症)が発症した.

Tomecki&Catalano6)によれば定型的DDS症候群は

発熱,剥脱性皮膚炎,黄疸を伴う肝障害,リンパ節腫

                        文

 1) Ruzicka T, Goerz G: Dapsone in the treat-

   ment of lupus erythematosus,Br J L)ermatol.

   104 : 53-56, 1982.

 2) Coburn PR, Schuster S : Dapsone and discoid

   lupus erythematosus,Br J Dermatol',106 :

107

脹,貧血,・・トヘモグロビン血症より成るとされ,投

与量とは無関係にDDS内服後4~6週間で発症する

としている.自験3例は薬疹やDDS内服の既往歴は

無く,何れもDDS (25~50mg/日)を4~9日内服後

に高熱(39度以上),表在性リンパ節腫脹を主症状とし

て発症した.しかし,自験例は剥脱性皮膚炎,黄疸を

伴う肝障害,貧血,メトヘモダロビソ血症を欠く事,

皮疹発現までの期間が短い事から定型的DDS症候群

とは異なると考えDDS症候群様症状として報告し

た.黒田ら11)もSLE14例中6例(43%)にDDS内服約

10日後に我々と同様の症状を認めたと述べている.何

故SLE,胞者にこれほど高率にDDS症候群様症状が

発症したかは全く不明であるが, SLE患者のなかにサ

ルファ剤に対し異常反応を起こしやすい免疫学的背景

を有する症例があるのかも知れない.

 本剤の薬理作用としては好中球の抗体への接着およ

び細菌成分への遊走阻止13)14)活性酸素の産生抑制15)

などが明らかにされているが,リンパ球,マクロファー

ジヘの作用はあまり知られていない.今回, DLE型の

皮疹に本剤は有効であったが, DLEの皮疹の形成には

リンパ球,マクロファージが主体をなすことを考える

と,本剤が好中球以外の免疫担当細胞にも何らかの作

用を有している可能性が十分考えられる. Beiguelman

らは16)PHA-inducedlymphocyte transformationを

DDSが抑制したとし,奥本らは, in vitro で本剤がーマ

ク9ファージのイソターロイキソ1および6,腫瘍壊

死因子αの産生抑制を認めたとしている1町今後はこ

うした面からの研究が本剤の薬理効果を知る上で重要

であろう.

 このように一施設での少数経験例であるが, DDSは

DLEあるいはLEPには試みる価値のある薬剤と考え

られた.しかし,今回SLEでDDS症候群様症状が高

率に見られた理由については, SLEが何らかの免疫異

常を基盤にDDS症候群様症状を来たし易いものなの

か,あるいは今回偶然に症例が集積したのかは不明で

ある.今後SLEに対する投与に関し,さらに検討する

必要があると思われた.

  105-106, 1982.

3) Reymann LR : Dapsone in the treatment of

  cutaneous lupus erythemat osus, Dermatolosica,

  172 : 214-217, 1986.

4) Camsia C : Vesiculobullous systemic lupus

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108 石川  治  宮地 良樹

  erythematosus. A report of four cases, / Am

  Acad Dermatolユ8: 93-100, 1988.

 5) Lo JS, Berg RE, Tomecki KJ : Treatment of

  discoid lupus erythematosus, Iwt I Dermatoi,

  28:497-507, 1989.

 6) Tomecki KJ, Catalano CJ : Dapsone hypersen-

  sitivity,八肥/z Dg。2此が',117 : 38-39, 1981.

 7) Tan EM, Cohen AS, Freis JF, et a1: The 1982

  revised criteria for the classification of systemic

  lupus erythematosus,Arthritis Rh鰍'.m, 25 :

  1271-1277, 1982.

 8)折原俊夫,井上成史,古谷達孝,野口哲郎:顕著な

  好酸球浸潤がみとめられDDSが著効を呈した

  SLE様疾患の1例,皮膚臨床,27 : 189-195, 1985.

 9) Yamada Y,Dekio S, Jidoi J, Ozawa S : Lupus

  erythematosus profundus ―Report of a case

  treated with dapsone一, 77:?り・matol, 16 :

  379-382, 1989.

10)植木宏明,津田奈津美,小野雅史:DDS投与が効

  果を示した円板状エリテマトーデス,西日皮膚,

  51 : 478-483, 1989.

11)黒田 啓,田辺恵美子,松村千鶴子,大石 真,土

  居敦子:SLEの皮疹に対するコルチヒソおよび

  DDSの有効性,日皮会誌,96 : 1514-1515, 1986.

12)医薬品イソタビューフォーム,皮膚疾患治療剤レ

  クチソール,吉富製薬, 1991.

13) ThoungヽNguyen v, Kadunce DP, Hendrix JD,

  Gammon WR, Zone JJ : Inhibition of neutro-

  phil adherence to antibody by dapsone : A DOS-

  sible therapeutic mechanism of dapsone in the

  treatment of IgA dermatoses, I I外叱st Der-

  matol, 100 : 349-355, 1993.

14) Harvath L,Yancey B,Katz l : Selective inhi-

  bition of human neutrophil chemotaxis to N-

  formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine by sui-

  fones, /か7肖朋丿', 137 : 1305-131L 1986.

15) Miyachi Y, Niwa Y : Effects of potassium

  iodide, colchicine and dapsone on the genera-

  tion of polymorphonuclear leupocyte-derived

  oxygen intermediates, Br. J. Dermatol, 107:

  209-214, 1982.

Diatninodiphenyl Sulfone in the Treatment of Patients with Lupus Erythematosus

         Osamu Ishikawa and Yoshiki Miyachi

Department of Dermatology, Gunma University School 0fMedicine, Maebashi, Japan

    (Received July,5,1993; accepted forpublication September 22,1993)

  To evaluate the clinicalbenefitsof diaminodiphenyl sulfone (DDS), we treated 10 lupus patients,including 3

cases with discoidlupus erythematosus (DLE),1with widespread DLE, 2 with lupus erythematosus profundus

(LEP), and 4 with systemic lupus erythematosus (SLE). We observed improvement in the cutaneous eruptions in 4

of 5 patients with DLE and 1 of 2 with LEP. In contrast, 3 0f 4 patients with SLE sufferedfrom DDS syndrome-like

symptoms 4 t0 9 days after ingestion; these included high fever, superficiallymphadenopathy, leukocytopenia,

eosinophilia,elevated blood sedimentation rate.and positiveC・reactive protein。

  Thus, DDS may be worth using to treat DLE and LEP. However, before the clinicaluse of DDS to treat SLE,

further investigations are needed。

  OpnJ Dermatol 104: 105~108,1994)

Key words: lupus erythematosus, diaminodiphenyl sulfone