delphi 言語に見る顕在化する言語のリスクとは?(2013/08/24)

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株式会社シリアルゲームズ取締役 エンバカデロ MVPDelphiDelphi-ML 管理人 細川

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第11回 LL まつりの言語リスクセッションで発表したスライドです。

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Page 1: Delphi 言語に見る顕在化する言語のリスクとは?(2013/08/24)

株式会社シリアルゲームズ取締役

エンバカデロ MVP(Delphi)

Delphi-ML 管理人

細川 淳

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自己紹介

株式会社シリアルゲームズ(http://www.serialgames.co.jp/) サーバとクライアントの両方を制作可能です。

サーバとクライアントのワンパッケージを提供しています。

主にゲーム業界のバックエンドを支える業務をしています。

最近は iOS/Android の仕事も多く手がけています。

個人的には、クライアントサイドならなんでもやります。 言語はえり好みしませんが、

Delphi / C / C++ / C# / Java / x86 MachineLanguage

等が守備範囲です。

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クライアントサイド 開発環境について

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クライアント開発言語・環境

クライアントサイドの開発というと最近は

Visual Studio + C# + .NET Framework

が、多いのではないでしょうか。

もちろん、他にも……

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クライアント開発言語・環境

Adobe Air や

"C++" + Qt とか

Java Applet なんて

選択肢もあるかもしれません。

ところで……

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参考ページ C Sharp http://monobook.org/wiki/C_Sharp

簡単な Delphi の歴史 ドラマチックバージョン

※多少の誇張があります。 とある会社の悪口に思える部分が あるかもしれませんが、 そういう訳では無く、 ドラマチックにするための方便です! 個人的には好きな会社です。

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Delphi の歴史

Delphi 1.0 は 1995 年に Windows 3.1 向け開発環境として

発売されました。

翌年 Windows 95 向けの Delphi 2.0 が発売されました。

その高速なコンパイラとビジュアルな開発手法で

全世界に熱狂的に受け入れられました。

しかし……

とある戦いに敗れた Delphi は、人々の記憶から消えて

いったのです……。

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VS

Delphi の歴史

その戦いとは……

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Delphi の歴史

この戦いの結果、創業メンバーが破れ追放されます。

フィリップ・カーンといった創業初期メンバーが居なくなったのは

もとより……

アンダース ・ ヘルスバーグ (Anders Hejlsberg)

と、彼のチームが Borland を去った事が、非常に大きな

痛手でした。 TypeScript を作ったり 今でも精力的に活動していますね

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Delphi の歴史

Borland を去ったアンダースは、

悪魔に魂を売り

打倒 Borland を標榜します。

その悪魔の名は……

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Delphi の歴史

開発ツール市場で Borland と競い合っていたライバル会社

であり、最大の巨人とタッグを組んだのです。

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Delphi の歴史

Microsoft は Visual Basic という主力言語を

持っていたにも関わらず、

Delphi の圧倒的な完成度を

目の当たりにし、

Visual Basic から脱却する

道を選びました。

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そして、Delphi は葬られた

アンダースは、Microsoft の力を最大限に利用して

C#

.NET Framework

を作り出しました。

しかし、その実態は

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そして、Delphi は葬られた

C#

= Delphi 言語 (旧Object Pascal)

.NET Framework

= Visual Component Library

だったのです。

事実 .NET Framework 1.0 は VCL とバグを含めて

完全に一致!していたのです。

Delphi の標準ライブラリ

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そして、Delphi は葬られた

そして Microsoft の巧みなセールス(※)によって、

グングン売り上げを伸ばした C# は Windows デスクトップ

アプリケーションの開発環境として不動の地位を固めました。

その結果、Delphi は人々から忘れ去られ、

退場するかに思えました。

ちなみに、戦いに勝ったはずの Borland は、

その後売り上げ不振に陥り、MICRO FOCUS に買収され、

その歴史を終えました。

※実体は強固な静的型付け言語である Pascal の亜種なのに Java の対抗馬のように宣伝して多くの Java プログラマを取り込み 業界を混乱に陥れたこと。

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Embarcadero 登場

さて、時は現代に移り、舞台も少し変わります。

ここに、データベースツールを開発している

Embarcadero Technologies

(エンバカデロ・テクノロジーズ)

という会社がありました。

事業は順調だったのですが、ある悩みがありました。

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Embarcadero 登場

その悩みとは

開発環境がなくなっちゃうよお!

(´;ω;`)

ということでした。

そう、彼らが使っていたのは Delphi だったのです!

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Embarcadero 登場

そして、Embarcadero は大胆な決断をします。

身売り先を探していた Borland の

開発部門(CodeGear)を買収したのです!

このニュースは多くの報道機関に驚きを持って報じられました。

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復活する Delphi

DB事業が順調に推移していた

Embarcadero は潤沢な資金を持っていました。 (2300万ドルで CodeGear を買収できたことからも明らか)

そして、Delphi / C++Builder といった

開発ツール事業に資金が投入されました。

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復活する Delphi

そして時は動き出す

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Delphi XE(Crossplatform Edition)

投入による マルチプラットフォーム戦略

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マルチプラットフォーム戦略

こうして Embarcadero に買収された Delphi は着々と

復活の道を歩み始めます。

ここで、他の開発環境を考えてみると

C# + .NET Framework は、Microsoft の製品です。

また、Objective-C + Xcode は、Apple の製品です。

そう、これらの人気のある環境で作ったアプリケーションは

1つの OS でしか動作しないのです!

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マルチプラットフォーム戦略

ここで、Embarcadero の人たちは、

これだああああ!!!

しゃべったああああああああ!!!

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マルチプラットフォーム戦略

マルチプラットフォーム戦略で、

あいつらに

一矢報いてやる!!!!!!

※イメージ映像

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マルチプラットフォーム戦略

こうして、Delphi は他の開発ツールベンダーにはできない、

マルチプラットフォームに大きく舵を切りました。

その結果、現在 Delphi は以下の環境をサポートしています。

Windows

MacOS X

iOS

Android いまここ

Delphi XE5 9月リリース予定!

Android iOS

もちろんタブレットも

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他にも、色々語りたい機能はありますが、本筋では無いので

割愛します。

たとえば、どうやってマルチプラットフォームで動くのかとか、

しかも、全部ネイティブコードにコンパイルされるとか、そのために

intel だけじゃなく ARM のコンパイラも作っちゃったYo!

とか……

あとで、個人的に聞いてください!

……と思いましたが、FireMonkey だけ!!

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安西先生……!

FireMonkey (FM4) の

紹介がしたいです…………

松澤

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FireMonkey

FireMonkey (FM4) とは

2D/3D に対応した

マルチプラットフォームライブラリ Windows / MacOS X / iOS / Android で動くライブラリで、

FM4 を使ったソースコードは、解像度にだけ気をつければ

自動的にマルチプラットフォームアプリになります!!

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FireMonkey

FireMonkey によるアプリケーション例

こんな3Dアプリも簡単に!しかもプラットフォームを選ばず作れます。

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FireMonkey

FireMonkey / VCL によるアプリケーション例

新たに導入された Style という考え方で、UI の見た目も自由自在

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FireMonkey

FireMonkey / VCL によるアプリケーション例

メディアライブラリの充実している FM4 は ビデオの再生もお手の物です。

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FireMonkey

FireMonkey によるアプリケーション例

3Dグラフィックも簡単に表現できます。

※ Platform に最適なライブラリが 使われます。 Windows では DirectX MacOS X では OpenGL iOS / Android では OpenGL ES といったように

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FireMonkey

実際に大手デベロッパーの採用事例が相次いでいます。

日本・ブラジルなどの市場では 前年比100%の売上増!

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Delphi を使う

リスクはあるのか?

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再び Delphi

Delphi の歴史を紹介したことで

「リスクあるんじゃない?

なんか色々あったし……」

そんなことを思いがちですが、

そうでもないんです!!

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再び Delphi

Delphi は TurboPascal から数えると30年。

これほど長きにわたって、メンテナンスされ続けている環境はマレ!

コンパイラも、Version 25!

Object Pascal から Delphi 言語と名を変えて、常に時代の最先端を走ってきたアイツ……

標準化組織などがないので、迅速に対応

今の言語のトレンドは、ほぼ全部扱えます。

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再び Delphi

Delphi のライブラリ

VCL - Visual Component Library

非常に長い間メンテナンスされつづけている

そのためバグが少ない

FireMonkey

最新のライブラリ

マルチプラットフォーム対応

バグは、まだちょっとあります。

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安定性と最先端、

そして将来性……

リスクなどあろうか! もし、今の体制に 何かあっても、 またどこかが 買ってくれます

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結論

Page 41: Delphi 言語に見る顕在化する言語のリスクとは?(2013/08/24)

Delphiの事も、

たまには思い出して

あげてください。