delta release notes v504 j
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Delta Release Notes JapaneseTRANSCRIPT
Delta NMR ソフトウェアリリースノート
Delta NMR ソフトウェア リリースノート
V5.0.4
JEOL RESONANCE, Inc. July 2013
Delta NMR ソフトウェアリリースノート
目 次
1 著作権情報 ............................................................................................................................ 1 2 サポート環境 ........................................................................................................................... 1
3 Delta のインストール方法 .................................................................................................. 2 4 留意事項 ................................................................................................................................. 3
4.1 Delta がフリーズした場合 ................................................................................................. 3 4.1.1 対処方法(a.ワークステーション側 Delta プログラムを再起動する) ............ 3 4.1.2 対処方法(b.分光計側 Control プログラムを再起動する) ............................. 7
4.2 メモリーリークとハンドルリーク ........................................................................................ 9 4.3 グラジエントシムが動作しない ................................................................................... 10 4.4 グラジエントシムを実行しても分解能が悪い場合 ............................................. 12 4.5 分光計コントロールウィンドウのパラメーターバーの更新 ............................... 13 4.6 Queue が残った状態で分光計側を再起動した場合 ....................................... 14
5 Delta V5.0.4 での変更点 ...............................................................................................14 5.1 概要 ......................................................................................................................................... 14 5.2 詳細 ......................................................................................................................................... 14 5.3 新規パルスシーケンス ..................................................................................................... 17
5.3.1 single_pulse_wet180_slp .......................................................................................... 17 5.3.2 std_tocsy_pfg_phase_pn ......................................................................................... 19 5.3.3 std_tocsy_wgh_pfg_phase_pn ............................................................................ 21 5.3.4 waterlogsy ......................................................................................................................... 24 5.3.5 waterlogsy_wf ................................................................................................................ 26
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 1
1 著作権情報 ● 著作権情報
© JEOL RESONANCE, Inc. 2013
本書には,著作権によって保護されている情報が掲載されています。
本書の一部またはすべてを無断で複製・転載・改変することは禁止します。
JEOL RESONANCE, Inc.
196-8558 東京都昭島市武蔵野 3丁目1-2
http://www.j-resonance.com
● 登録商標
• Acrobat®,PDF® はAdobe Systems Incorporatedの登録商標です。
• OpenGL® はSGI Corporationの登録商標です。
• Mac OS X® はApple Computer, Inc.の登録商標です。
• Windows®, Windows XP®, Windows Vista®はMicrosoft Corporationの登録商
標です。
2 サポート環境 ■ サポートしているワークステーションと推奨環境
• Windows XP SP3/VISTA/7 32ビットIntel®対応コンピューター
• Mac OS X (10.4.11*
,10.5.x,10.6.x,10.7.x) 32ビットIntel®ベースAppleコンピューター
* - OS X 10.4.xのプレビューではPDFマニュアルを開くことができません。
必要システム構成
• 2GB以上のRAM
• 1.5GHz Intelプロセッサー
• OpenGL高速3Dグラフィックスカード
• CD-ROMまたはメディアリーダー
• イーサネット
• 1280 × 800ピクセル16ビット以上のカラーディスプレー
■ サポートしている分光計
分光計タイプ
ECAII, ECXII, ECA, ECX, ECS
分光計制御システム
Rev B (GE VME 7751)
Rev C (USBインターフェイス付き1Uサーバー)
分光計のDelta V5.0.4へのアップグレードに関する情報につきましては,最寄りのJEOL
RESONANCE支店または代理店までお問い合わせください。Delta V5.0.4は旧バージョン
のDeltaソフトウェアで処理されたデータを扱うことができます。
2 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
3 Delta のインストール方法 ■ ウェブダウンロードによるWindows/Mac OS Xへのインストール
1. 管理者アカウントでログインしてください。
以下のNMRサポートウェブサイトのソフトウェアページからDeltaをダウンロードして
ください。 http://nmrsupport.jeol.com
2. WindowsエクスプローラーまたはOS Xファインダーを使用してDeltaウェブキットを
ダウンロードしたフォルダーを開きます。
3. zip/dmgファイルをダブルクリックして開いてください。
4. Deltaインストールプログラムをダブルクリックして指示に従ってください。
zipファイルを解凍してexeファイルを展開する必要はありません。
5. インストール完了後,Deltaのライセンスキーが必要になります。
[オプション] → [ライセンスキー] をクリックしてライセンスキーを設定してください。
既にDeltaライセンスキーお持ちの場合には,新規に申請する必要はありません。
現在お持ちのDeltaライセンスキーを使用できます。
6. ライセンスキーの設定終了後,Deltaを再起動してください。
以上でDeltaのインストールは完了です。
■ CD-ROMによるWindowsへのインストール
1. 管理者アカウントでログインしてください。
2. DeltaソフトウェアCD-ROMをコンピューターまたはメディアデバイスに挿入します。
3. CD-ROM内のDelta\Windowsフォルダーを開きます。
4. Deltaのインストーラーをダブルクリックして表示される指示に従ってください。
5. Deltaがインストールされたら,マニュアルのインストーラーをダブルクリックして表示
される指示に従ってユーザーズマニュアルをインストールすることも可能です。
6. インストールが完了したら,CD-ROMを取り出してください。
インストール完了後,Deltaのライセンスキーが必要になります。
[オプション] → [ライセンスキー] をクリックしてライセンスキーを設定してください。
既にDeltaライセンスキーお持ちの場合には,新規に申請する必要はありません。
現在お持ちのDeltaライセンスキーを使用できます。
7. ライセンスキーの設定終了後,Deltaを再起動してください。
以上でDeltaのインストールは完了です。
■ CD-ROMによるMac OS Xへのインストール
1. DeltaソフトウェアCD-ROMをコンピューターまたはメディアデバイスに挿入します。
2. OS XファインダーからCD-ROM内のDelta/Mac_OS_Xフォルダーを開きます。
3. Deltaのインストーラーをダブルクリックして表示される指示に従ってください。
管理者の承認が要求されます。
4. Deltaがインストールされたら,マニュアルのインストーラーをダブルクリックして表示
される指示に従ってユーザーズマニュアルをインストールすることも可能です。
管理者の承認が要求されます。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 3
5. インストールが完了したら,CD-ROMを取り出してください。
6. インストール完了後,Deltaのライセンスキーが必要になります。
[オプション] → [ライセンスキー] をクリックしてライセンスキーを設定してください。
既にDeltaライセンスキーお持ちの場合には,新規に申請する必要はありません。
現在お持ちのDeltaライセンスキーを使用できます。
7. ライセンスキーの設定終了後,Deltaを再起動してください。
以上でDeltaのインストールは完了です。
4 留意事項
4.1 Deltaがフリーズした場合
Deltaがフリーズした場合の復旧方法は,以下の2ステップからなります。
a. ワークステーション側のDeltaプログラムを再起動する
b. 分光計側のControlプログラムを再起動する
多くの場合,ステップaのみでフリーズからの復旧が可能です。
本節では,以下を説明します。
• ステップa,bの実施手順
• ステップbが必要な場合
4.1.1 対処方法(a.ワークステーション側Deltaプログラムを再起動する)
Delta(ワークステーション)を再起動します。
1. Deltaコンソールウィンドウで,[ファイル]-[Deltaを終了]メニューを選択します。
確認ダイアログが開きます。
2. 確認ダイアログにて,[OK]ボタンをクリックします。
Deltaプログラムが終了します。
3. デスクトップ上のDeltaアイコンをダブルクリックしてDeltaを起動します。
Deltaから分光計に接続できる場合には,以下の操作は不要です。そのままご使用にな
れます。
分光計に接続できない場合には,次頁に進んでください。
4 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
● 使用したい分光計が表示されない場合
Delta(ワークステーション側)の再起動後,分光計コントロールウィンドウの[分光計リスト]に使
用したい分光計が表示されない場合には,分光計が「ブロック」されている可能性があります。
分光計表示あり 分光計表示なし
「ブロック」とは
「ブロック」とは,Deltaプログラム(ワークステーション側)とControlプログラム(分光計側)
との通信を停止させる機能です。
Deltaプログラムは、常時Controlプログラムと通信を行い、分光計の状態を監視してい
ます。しかし、以下のように,常時通信できないような問題のある環境下で通信をし続け
ることは、Deltaプログラムに不要な負荷がかかります。
• 同じネットワークの中に、異なるネットワークアドレス(通信できないネットワークアドレス)
を持つ分光計が存在する場合
• 物理的なネットワーク問題、ネットワーク設定ミス、ネットワークトラフィックのようなネット
ワークの問題があり,Delta-Control間の通信が頻繁に切断される場合
そのため,DeltaとControlプログラム間の通信が一定時間以上途絶えた場合には,
Deltaはその分光計との通信をブロックし,以降その分光計との通信を行いません。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 5
● ブロック解除の方法
1. Deltaコンソールのプルダウンメニューから[補助ツール]-[サービスマネージャ]を選
択します。
2. サービスマネージャにて,[ブロックされたデバイス]を確認します。
ブロックされたデバイスはIPアドレスで表示されます。
ブロック表示あり ブロック表示なし
「ブロック表示あり」(上図左)の場合は、手順3に進んでください。
「ブロック表示なし」(上図右)の場合は,分光計Controlプログラムの再起動が必要で
す。4.1.2項 「対処方法(b.分光計側Controlプログラムを再起動する)」へ進んでくださ
い。
6 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
3. [ブロックされたデバイス]から,使用する分光計を選択して,[ブロック解除]ボタン
をクリックします。
数秒後,分光計コントロールウィンドウの分光計リストに,ブロック解除された分光計
が表示されます。
分光計コントロールウィンドウの分光計リストに,使用したい分光計が表示された場合に
は,そのまま使用可能です。以下の操作は必要ありません。
表示されない場合には,Controlプログラムの再起動が必要です。4.1.2項「対処方法
(b.分光計側Controlプログラムを再起動する)」へ進んでください。
選択してクリック
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 7
4.1.2 対処方法(b.分光計側Controlプログラムを再起動する)
1. スタートメニューから,[すべてのプログラム]‐[JEOL]‐[Remote Maintenance
Tool]‐[Remote Maintenance Tool(Instrument)]を選択します。
2. Remote Maintenance Tool(Instrument)にconsoleでログインします。
パスワードはユーザー名と同じです。
3. Remote Maintenance Toolの[Control Service Management]を選択します。
4. [RESTART Control Servce]ボタンをクリックします。
[Delete job related files]にチェックを入れると,Controlプログラムの再起動時に、
Deltaで登録したすべてのJobとQueueが削除されます。
8 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
5. [YES]ボタンをクリックします。
[YES]をクリックすると,分光計Controlプログラムが再起動を開始します。
分光計Controlプログラムが停止している場合
この時,[Control Service Management]には,[Control service is stopped]と表示
されています。[START Control Service]ボタンをクリックしてControlプログラムを
起動させてください。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 9
4.2 メモリーリークとハンドルリーク
Deltaを長時間使用していて,プログラムの動作が極端に遅くなるような場合には,使用でき
るメモリーまたはハンドルが減少していると考えられます。
• メモリーリーク
コンピューターの動作中に,使用可能なメモリー容量が徐々に減っていく現象。
OSやアプリケーションソフトが処理のために占有したメモリー領域を,何らかの理由で開放
しないまま放置されるために発生する。
• ハンドルリーク
コンピューターの動作中に,使用可能なハンドルが徐々に減っていく現象。
プログラムがOSに要求したハンドル(開いたファイルの情報や複数のアプリケーションによっ
て共有されているメモリー領域など)が,何らかの理由で使用できなくなる,または解放しな
いまま放置されるために発生する。
● Deltaの動作が極端に遅くなったと感じたら
Deltaまたは分光計Controlプログラムの再起動をお願いします。再起動を行うことで,プログ
ラムが使用していたメモリーやハンドルが解放され,通常の動作速度に戻ります。
ワークステーションや分光計をシャットダウンする必要はありません。
定期的なDeltaと分光計Controlプログラムの再起動を推奨致します。
Deltaプログラムの再起動(ワークステーション)
測定またはデータ処理を終了し,Deltaプログラムを終了してください。
Deltaプログラムの再起動方法は、4.1.1項「対処方法(a.ワークステーション側Deltaプロ
グラムを再起動する)」を参照してください。
Controlプログラムの再起動(分光計)
4.1.2項「対処方法(b.分光計側Controlプログラムを再起動する)」を参照してください。
10 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
4.3 グラジエントシムが動作しない
グラジエントシムのパラメーターの入力欄がNULL,または真っ黒になり,グラジエントシムが動
作しない場合があります。
現象
• グラジエントシムを実行しているのに動作しない。
• 分光計コントロールウィンドウ上にエラーメッセージは表示されない。
• グラジエントシムツールを開くと,パラメーターの入力欄が[NULL],または真っ黒にな
っている。
原因
グラジエントシムのパラメーターを取得できなかったため。
パラメーターにNULLが表示される
[NULL]の表示が現れるパラメーターは不定です。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 11
● 状態の確認方法とその対処方法
1. グラジエントシムツールを開きます。
2. グラジエントシムツールのパラメーターを確認します。
① シム項が白くマスクされていないか
選択している条件では、キャリブレーションマップが存在しません。
選択している[実験法],[核種],[溶媒]が正しいか確認してください。この条件で実
行する場合には、キャリブレーションマップを測定する必要があります。
② シム項にチェックが入っているか
シミングを実行したいシム項にチェックを入れてください。
③ パラメーター入力欄が[NULL],または真っ黒になっていないか
分光計Controlプログラムの再起動が必要です。4.1.2項「対処方法(b.分光計側
Controlプログラムを再起動する)」を参照してください。
12 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
4.4 グラジエントシムを実行しても分解能が悪い場合
Delta V5.0.2以降,2H-グラジエントシミングに要する測定時間を短縮するため,パラメータ
ーの初期値を以下のように変更しました。
• Delta V5.0.1まで 高分解能が得られるが,シミング時間は長い
• Delta V5.0.2以降 ある程度の分解能を保ちつつ,シミング時間を短くする
パラメーター 初期値 備考
積算回数
4 (V5.0.1) → 2回 (V5.0.2)
核 種 が2H で, か つ , 溶 媒 が Acetone-D6 , Benzene-D6 ,D2O,DMSO-D6,Tetrahydrofuran-D8の場合
4回 (変更なし) 上記以外の溶媒
Relax Delay
5 (V5.0.1) → 1[s] (V5.0.2)
核種が2Hの場合
5[s] (変更なし) 核種が1Hの場合
反復回数 2回 (変更なし) すべての溶媒
◇注意◇ 最適な分解能が得られない場合には,上記パラメーターの初期値の変更を検討してく
ださい。その場合,[このサンプルのみに適用]チェックボックスのチェックを外してから上
記パラメーターを変更する必要があります。
・ [このサンプルのみに適用]にチェックが入っていない場合
グラジエントシミングのパラメーター(フリップ角、積算回数など)を変更すると、すべての
サンプルに対して変更が適用されます。
・ [このサンプルのみに適用]にチェックが入っている場合
グラジエントシミングのパラメーター(フリップ角、積算回数など)を変更すると、現在使用
しているサンプル定義に対してのみ変更が適用されます。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 13
4.5 分光計コントロールウィンドウのパラメーターバーの更新
分光計コントロールウィンドウのパラメーターバーの情報が更新されない場合があります。
情報が更新されない場合には,一旦分光計との接続を切り,再接続し直してください。
1. [分光計接続解除]ボタンをクリックします。
2. [はい]ボタンをクリックします。
3. 分光計に再接続します。
パラメーターバーの情報が更新されます。
パラメーターバー
14 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
4.6 Queueが残った状態で分光計側を再起動した場合
下図のように,分光計コントロールウィンドウの[測定Queue]タブに,登録されているQueueが
残っている状態で分光計Controlプログラム,または分光計の再起動を行うと,再起動後に
Queueに残っていた測定が自動的に開始されます。これを防ぐには,分光計Controlプログ
ラム,または分光計の再起動時にQueueを削除しておく必要があります。
積算途中の測定は再開されません。
Job#21は測定中ですので,再起動後に再開されません。
Job#22以降のQueueは,再起動後に自動的に測定開始されます。
5 Delta V5.0.4 での変更点
5.1 概要
分類 項目
1 装置サポート 新型オートサンプルチェンジャーのサポート
2 処理 Shear(phase_x_y)処理のパラメーター不具合修正
3 チューニング オートチューニングユニット制御フローの改善
4 操作性 メモリーリークの改善とその他フリーズの修正
5 操作性 [Jobの更新]画面の表示フォーマットの修正
6 グラジエントシム レシーバゲイン自動最適化パラメーターの不具合修正
7 パルスシーケンス パルスシーケンスの新規追加
8 パルスシーケンス パルスシーケンスの修正
5.2 詳細
① 新型オートサンプルチェンジャーのサポート
新型のオートサンプルチェンジャー(Auto Sample Changer(ASC))は、スロット数30本、
64本、100本の3種類があります。
ASC30、ASC64、ASC100のDelta上の表示 (図ではスロット1のサンプルを投入している)
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 15
② Shear(phase_x_y)処理のパラメーター不具合修正
MQMASスペクトルの処理に使われる、Shear(phase_x_y)のαパラメーターを変更でき
るように修正しました。
③ オートチューニングユニットの制御機構の改善
これにより、オートチューニングユニットの安定性が向上しました。
④ メモリーリークの改善とその他フリーズの修正
メモリーリークの改善と以下の操作でプログラムがフリーズしないように修正しました。
• パラメーターバーの更新処理で,Deltaプログラムがフリーズすることがある
• モニタタブでスペクトルのコピーを行うと,Deltaプログラムがフリーズすることがある
• 複数のプロセスまたはスレッドから,データサーバーの更新処理が同時に起きると,
Controlプログラムがフリーズすることがある
⑤ [Jobの更新]画面の表示フォーマットの修正
Jobの測定時間が0:00の場合に、Job名と測定時間が空白で区切られない問題を修正
しました。
V503 V504
16 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
⑥ レシーバゲイン自動最適化パラメーターの不具合修正
グラジエントシムツールにて、[このサンプルのみに適用]のチェックをはずしてから、グラジ
エントシムのパラメーターを変更した場合には、変更が別のサンプルにも反映されます。し
かし、[レシーバゲイン]の[自動最適化]を変更しても、別のサンプルでは変更が反映され
ませんでした。Delta V5.0.4では、この問題を修正しました。
グラジエントシムツール
⑦ パルスシーケンスの新規追加
詳細は、5.3節「新規パルスシーケンス」を参照してください。
⑧ パルスシーケンスの修正
以下のパルスシーケンスを修正しました。
a. sat_transfer_difference
b. sat_transfer_difference_wgh
• データポイント(x_points)を4096から8192に変更しました。
• 選 択 励 起 パルス のオ フセット (std_sel_onreso, std_sel_offreso)を それ ぞれ
(30ppm, -0.4ppm)から(0.5ppm, -10ppm)に変更しました。
• 特定のピークを選択励起したときと非励起したときの差が取れない問題を修正しまし
た。
c. inadequate_2d
d. inadequate_2d_dept
e. inadequate_2d_dept_pfg
f. inadequate_2d_inept_si
g. inadequate_2d_jcp_pfg
h. inadequate_2d_pfg
i. inadequate_2d_phase
• データポイント(x_points)を4096から8192に変更しました。
• 間接測定軸(t1)の観測範囲(y_sweep)を直接測定軸(t2)の観測幅(x_sweep)の2
倍に変更しました。
j. cpmas_spin_echo_t2
• Pulseセクションの実行文ブロックの間違いを修正しました。
k. waltz
• WALTZの標準をWALTZ-16からWALTZ-65に変更しました。これにより、デカップ
リングの性能向上が見込まれます。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 17
5.3 新規パルスシーケンス
5.3.1 single_pulse_wet180_slp
■ 測定の目的
目的のピークに対して圧倒的に大きな信号強度を持つピーク(水溶液サンプルの水など)の
強度を,WETシーケンスを使って減らします。
■ 概要
WETによる溶媒信号除去つきのシングルパルス測定です。single_pulse_wet_slp測定よ
りも溶媒信号除去に優れ、スペクトルの歪みや信号強度の低下が少ない測定です。
■ パルスシーケンスダイアグラム
[acq_ti
[relaxation
[x_domain]
[irr_domain
FGチャンネル
[wet_grad_amp] PFG1
[x_pulse] [wet_pulse
[wet_pulse [wet_pulse]
[wet_pulse
PFG2
PFG3
[x_at]
[wet_grad_amp]/2
[wet_grad_amp]/4 PFG4 [wet_grad_amp]/8
[irr_atn_dec]
■ 拡張シーケンス
拡張シーケンス 解説 初期値
dante_presat ダンテプレサチュレーションの実行を指定します。 FALSE
tri_mode 照射モードの切り替えを指定します。 [Off],[Presaturation],[Homo Decouple]から選びます。
Off
■ パラメーター
パラメーター 解説 初期値
x_domain 観測核を設定します。 Proton
x_offset 観測中心を設定します。 5[ppm]
x_sweep 観測範囲を設定します。 20[ppm]
x_points サンプリングポイントを設定します。 32768
scans 積算回数を設定します。 8
x_prescans ダミースキャンの回数を設定します。 4
x_pulse 観測チャンネル(1H)の90°パルス幅です。
プローブファイル中のx90
x_atn 観測チャンネルのパルス出力を指定するアッテネーター値です。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル中のxatn
composite_pulse 観測パルスを通常のパルスにするかコンポジットパルスにするかを選択します。
FALSE
relaxation_delay 繰り返しパルスの待ち時間を設定します。 5[s]
18 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
パラメーター 解説 初期値
repetition_time [relaxation_delay]+[x_acq_time]が表示されます。
wet_pulse WETシーケンスで使うシェイプトパルスのパルス幅を設定します。
プローブファイル 中 の x90_ soft
wet_atn WETシーケンスで使うシェイプトパルスのRF出力を設定します。6dBを加えるごとに, 必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル 中 の xatn_ soft
wet_shape シェイプトパルスの波形を選びます。 GAUSS
wet180 wet180にするか通常のwetにするかを選びます TRUE
wet_number WET照射するピークの数を設定します。 1
wet_offset1 WET照射するピークの共鳴位置を設定します。 5[ppm]
wet_offset2 WETで2個所以上照射するピークの共鳴位置を設定します。 0[ppm]
wet_offset3 WETで2個所以上照射するピークの共鳴位置を設定します。 0[ppm]
wet_offset4 WETで2個所以上照射するピークの共鳴位置を設定します。 0[ppm]
wet_offset5 WETで2個所以上照射するピークの共鳴位置を設定します。 0[ppm]
wet_offset6 WETで2個所以上照射するピークの共鳴位置を設定します。 0[ppm]
wet_slp WET照射する位置が表示されます。
wet_grad PFGパルスのパルス幅を設定します。 2[ms]
wet_grad_amp PFGパルスのパルス出力を設定します。 0.144[T/m]
wet_grad_shape PFGパルスの波形を選びます。 SINE
wet_grad_recover PFGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
irr_domain 照射核を設定します。 Carbon13
irr_offset 照射するピークの共鳴位置を設定します。 70[ppm]
irr_pwidth デカップリングパルスのパルス幅です。 プローブファイル中のirr90_hi
irr_noise デカップリングモードを選びます。 GARP
irr_atn_dec デカップリングのRF出力を設定します。3dBを加えるごとに, RF出力は半分になります。
プローブファイル 中 の irratn_ hi
lock_hold ロック信号サンプリングの停止を指定します。 FALSE
■ カテゴリー
lc nmr, 1D, liquids, Single_pulse, Water_Suppression
■ プロセスリスト
proton.list
■ 補足説明
WETは, Water suppression Enhanced through T1 effectsの略です。
WET180は通常のWETの改良版です。
S.H.Smallcombe, S.L.Patt, P.A.Keifer, J.Magn.Reson., 117A, 295-303(1995)
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 19
5.3.2 std_tocsy_pfg_phase_pn
■ 測定の目的
タンパク質とリガンドの相関を解析するのに用います。
■ 概要
タンパク質の磁化を飽和させた時とさせない時の差スペクトルをとることで、相互作用している
リガンドへの寄与をTOCSY信号として観測します。
■ パルスシーケンスダイアグラム
[relaxation_delay] [x_domain]
FG チャンネル
[mix_time]
[grad_1]
[STD_sel_180]
STD_sel_shape STD_sel_atn
STD_sel_onreso
phase_acq
[x_pulse] 90°
t1 MLEV17
[grad_2]
[trim] [trim]
[relaxation_delay]
[mix_time]
[grad_1]
[STD_sel_180]
STD_sel_shape STD_sel_atn
STD_sel_offreso
phase_acq
[x_pulse] 90°
t1 MLEV17
[grad_2]
[trim] [trim]
■ 拡張シーケンス
拡張シーケンス 解説 初期値
dante_presat ダンテプレサチュレーションの実行を指定します。 FALSE
irr_mode 照射モードの切り替えを指定します。 [Off],[Presaturation],[Homo Decouple]から選びます。
Off
tri_mode 照射モードの切り替えを指定します。 [Off],[Presaturation],[Homo Decouple]から選びます。
Off
t1_pfilter パージパルスの実行を指定します。
タンパク質由来の信号を予め低減するのに用います。
FALSE
■ パラメーター
パラメーター 解説 初期値
x_domain 観測核を設定します。 Proton
x_offset 観測中心を設定します。 5[ppm]
x_sweep 観測範囲を設定します。 15[ppm]
x_points サンプリングポイントを設定します。 2048
scans 積算回数を設定します。 4
x_prescans ダミースキャンの回数を設定します。 4
x_pulse 観測チャンネル(1H)の90°パルス幅です。
プローブファイル中のx90
x_atn 観測チャンネルのパルス出力を指定するアッテネーター値です。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル中のxatn
y_points t1軸のサンプリングポイントを指定します。 128
20 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
パラメーター 解説 初期値
std_sel_180 選択励起パルスの180°パルス幅です。 プローブファイル 中 の x90_ softの2倍
std_sel_atn 選択励起パルスのRF出力を指定します。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル 中 の x90_ soft
std_sel_onreso 選択照射するピークの共鳴周波数を設定します。 0.5[ppm]
std_sel_offreso オフレゾナンス用の照射位置を設定します。 -10[ppm]
std_sel_shape 選択励起パルスの波形を選びます。 GAUSS
std_loop 選択励起パルスの回数を設定します。 40
saturation_time 選択励起パルスのトータル時間 STD_sel_180×STD_loop
x_spinlock_pulse スピンロックパルスの90°パルス幅です。 プローブファイル 中 の x90_ spin
x_spinlock_atn スピンロックパルスのRF出力を設定します。 プローブファイル 中 の xatn_ spin
trim トリムパルスのパルス幅です。 2.5[ms]
mix_time 混合時間を設定します。 50[ms]
mix_time_loop スピンロックパルスの照射回数が表示されます。
total_mix_time 正確な混合時間が表示されます。
grad_1 第1FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_1_amp 第1FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.09[T/m]
grad_2 第2FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 grad_1
grad_2_amp 第2FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 grad_1_amp
grad_shape FGパルスの波形を選びます。 SINE
grad_recover FGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
relaxation_delay 繰り返しパルスの待ち時間を設定します。 2.0[s]
repetition_time [relaxation_delay]+[x_acq_time]+[saturation_time]が表示されます。
■ カテゴリー
2D, noe, liquids
■ プロセスリスト
2d_homo2d_pn.list
■ スペクトルの見方
タンパク質由来の信号をSaturationさせたとき(STD_sel_onreso)とさせていないとき
(STD_sel_offreso)の差スペクトルを取ることで、タンパク質と相関のあるリガンド由来の信
号のみが観測されます。
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 21
5.3.3 std_tocsy_wgh_pfg_phase_pn
■ 測定の目的
タンパク質とリガンドの相関を解析するのに用います。
WATERGATE(WATER suppression by GrAdient Tailored Excitation)による水
消しが付いています。
■ 概要
タンパク質の磁化を飽和させた時とさせない時の差スペクトルをとることで、相互作用している
リガンドへの寄与をTOCSY信号として観測します。最後に、WATERGATEで水の信号を
消去します。
■ パルスシーケンスダイアグラム
[relaxation_delay] [x_domain]
FG チャンネル
[mix_time]
[grad_1]
[STD_sel_180]
STD_sel_shape STD_sel_atn
STD_sel_onreso
phase_acq
[x_pulse] 90°
t1 MLEV17
[grad_2]
[trim] [trim]
[relaxation_delay]
[mix_time]
[grad_1]
[STD_sel_180]
STD_sel_shape STD_sel_atn
STD_sel_offreso
[x_pulse] 90°
t1 MLEV17
[grad_2]
[trim] [trim]
[wgh_grd]
W5 W5
phase_wgh2
phase_acq
[wgh_grd]
W5 W5
phase_wgh2
■ 拡張シーケンス
拡張シーケンス 解説 初期値
dante_presat ダンテプレサチュレーションの実行を指定します。 FALSE
irr_mode 照射モードの切り替えを指定します。 [Off],[Presaturation],[Homo Decouple]から選びます。
Off
tri_mode 照射モードの切り替えを指定します。 [Off],[Presaturation],[Homo Decouple]から選びます。
Off
t1_pfilter パージパルスの実行を指定します。
タンパク質由来の信号を予め低減するのに用います。
FALSE
■ パラメーター
パラメーター 解説 初期値
x_domain 観測核を設定します。 Proton
x_offset 観測中心を設定します。 5[ppm]
x_sweep 観測範囲を設定します。 15[ppm]
x_points サンプリングポイントを設定します。 2048
scans 積算回数を設定します。 4
x_prescans ダミースキャンの回数を設定します。 4
x_pulse 観測チャンネル(1H)の90°パルス幅です。
プローブファイル中のx90
x_atn 観測チャンネルのパルス出力を指定するアッテネーター値です。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル中のxatn
y_points t1軸のサンプリングポイントを指定します。 128
22 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
パラメーター 解説 初期値
std_sel_180 選択励起パルスの180°パルス幅です。 プローブファイル 中 の x90_ softの2倍
std_sel_atn 選択励起パルスのRF出力を指定します。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル 中 の x90_ soft
std_sel_onreso 選択照射するピークの共鳴周波数を設定します。 0.5[ppm]
std_sel_offreso オフレゾナンス用の照射位置を設定します。 -10[ppm]
std_sel_shape 選択励起パルスの波形を選びます。 GAUSS
std_loop 選択励起パルスの回数を設定します。 40
saturation_time 選択励起パルスのトータル時間 STD_sel_180×STD_loop
x_spinlock_pulse スピンロックパルスの90°パルス幅です。 プローブファイル 中 の x90_ spin
x_spinlock_atn スピンロックパルスのRF出力を設定します。 プローブファイル 中 の xatn_ spin
trim トリムパルスのパルス幅です。 2.5[ms]
mix_time 混合時間を設定します。 50[ms]
mix_time_loop スピンロックパルスの照射回数が表示されます。
total_mix_time 正確な混合時間が表示されます。
grad_1 第1FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_1_amp 第1FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.09[T/m]
grad_2 第2FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 grad_1
grad_2_amp 第2FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 grad_1_amp
grad_shape FGパルスの波形を選びます。 SINE
grad_recover FGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
watergate_selection WATERGATEで使用するコンポジットパルスの名前 W5
wgh_x_pulse WATERGATEで使用するコンポジットパルスの90パルス幅 プローブファイル中のx90
wgh_null WATERGATEで使用するコンポジットパルスから生じるnullポイント。WATERGATEの励起範囲を設定します。観測中心から観測範囲の端までより広めの周波数を設定します。
5000[Hz]
wgh_tau WATERGATEのパルス間隔です。 1/wgh_null
wgh_grad WATERGATEのFGパルスのパルス幅を設定します。 1[ms]
wgh_grad_amp WATERGATEのFGパルスのパルス出力を設定します。 0.12[T/m]
wgh_grad_shape WATERGATEのFGパルスのパルス波形を選びます。 SQUARE
wgh_grad_recover WATERGATEのFGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 23
パラメーター 解説 初期値
relaxation_delay 繰り返しパルスの待ち時間を設定します。 2.0[s]
repetition_time [relaxation_delay]+[x_acq_time]+[saturation_time]が表示されます。
■ カテゴリー
2D, noe, liquids
■ プロセスリスト
2d_homo2d_pn.list
■ スペクトルの見方
タンパク質由来の信号をSaturationさせたとき(std_sel_onreso)とさせていないとき
(std_sel_offreso)の差スペクトルを取ることで、タンパク質と相関のあるリガンド由来の信号
のみが観測されます。
■ 補足説明
T1ρフィルターを選択で付けることができます。タンパク質由来の信号を予め低減するのに用い
ます。
24 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
5.3.4 waterlogsy
■ 測定の目的
溶媒である水の1Hと交換する、
1H(例えばペプチドやタンパク質のアミド
1HN)を観測します。
■ 概要
まず溶媒であるH2Oの1Hの磁化を、選択励起の180°パルス(REBURP)と2つのFGパルスで
選択します。このとき、水の信号(約4.76[ppm])とその付近の信号以外はこの選択励起の
180°パルスで励起されないため、2つのFGパルスでde-phaseされてしまい、以降、観測にか
かりません。混合時間の間、選択された水の1Hの磁化は、化学交換によって水から例えばアミ
ド1HNの信号に移ります(NOESYの実験と同じ原理です)。その後、2段構えになった
WATERGATE(WATER suppression by GrAdient Tailored Excitation)で水が消
去され、最終的に目的の信号を取り込みます。水の1Hからスタートし、最終的に水の信号を消
去する実験法です。
■ パルスシーケンスダイアグラム
[relaxation_delay]
[x_domain]
FG チャンネル [mix_time]
[mix_time]
[grad_1] [grad_3] [grad_4]
[obs_sel_180] W5 W5
obs_sel_180_shape phase_shape_1 obs_sel_180_atn
phase_wgh2
phase_acq
■ 拡張シーケンス
なし
■ パラメーター
パラメーター 解説 初期値
x_domain 観測核を設定します。 Proton
x_offset 観測中心を設定します。 5[ppm]
x_sweep 観測範囲を設定します。 15[ppm]
x_points サンプリングポイントを設定します。 8192
scans 積算回数を設定します。 16
x_prescans ダミースキャンの回数を設定します。 4
mod_return データを転送する回数です。 1
x_pulse 観測チャンネル(1H)の90°パルス幅です。
プローブファイル中のx90
x_atn 観測チャンネルのパルス出力を指定するアッテネーター値です。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル中のxatn
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 25
パラメーター 解説 初期値
obs_sel_180 水を選択的に励起するパルスの180°パルス幅です。 20[ms]
obs_sel_180_atn 水を選択的に励起するパルスのRF出力を指定します。 40[dB]
obs_sel_shape 水を選択的に励起するパルスの波形を選びます。 REBURP
watergate_selection WATERGATEで使用するコンポジットパルスの名前 W5
wgh_x_pulse WATERGATEで使用するコンポジットパルスの90パルス幅 プローブファイル中のx90
wgh_null
WATERGATEで使用するコンポジットパルスから生じるnullポイント。WATERGATEの励起範囲を設定します。観測中心から観測範囲の端までより広めの周波数を設定します。
2500[Hz]
wgh_tau WATERGATEのパルス間隔です。 1/wgh_null
mix_time 混合時間を設定します。 1000[ms]
relaxation_delay 繰り返しパルスの待ち時間を設定します。 5.0[s]
repetition_time [relaxation_delay]+[x_acq_time]が表示されます。
grad_1 第1FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_1_amp 第1FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.04[T/m]
grad_2_amp 第2FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.005[T/m]
grad_3 第3FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_3_amp 第3FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.102[T/m]
grad_4 第4FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_4_amp 第4FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.066[T/m]
grad_shape FGパルスの波形を選びます。 SINE
grad_recover FGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
lock_hold ロック信号サンプリングの停止を指定します。 TRUE
■ カテゴリー
1D, noe, liquids, Water_Suppression
■ プロセスリスト
proton.list
■ スペクトルの見方
溶媒であるH2Oと交換している1H、例えばアミド1HNなどが選択的に検出されます。
水の信号を選択励起するため、水の近傍の信号の定量性は失われます。
26 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
5.3.5 waterlogsy_wf
■ 測定の目的
溶媒である水の1Hと交換する、
1H(例えばペプチドやタンパク質のアミド
1HN)を観測します。
■ 概要
waterlogsy法に、water-flipbackパルス、T2フィルター、T1ρフィルターが追加された測定法
です。
① water-flipbackパルス
可能な範囲で水の磁化をZ軸から動かしません。
良好な溶媒消去と、目的の信号の感度向上を期待できます。
② T2フィルター、T1ρフィルター
分子量の大きな成分(例えばレセプターやタンパク質)の信号を減衰させ、リガンドの信
号を見やすくすることができます。これは、T2やT1ρの長さが、分子量の大きな成分では短
く、リガンドでは長いことを利用しています。
waterlogsy_wf法 は、まず溶 媒 であるH2Oの 1Hの磁 化 を、選 択 励 起 の180 °パルス
(REBURP)と2つのFGパルスで選択します。このとき水の信号(約4.76[ppm])とその付近の
信号以外はこの選択励起の180°パルスで励起されないので、2つのFGパルスでde-phaseさ
れてしまい、以降、観測にかかりません。混合時間の間、選択された水の1Hの磁化は、化学交
換によって、水から例えばアミド1HNの信号に移ります(NOESYの実験と同じ原理です)。そし
て、新たに加えられたflipbackパルスと非選択の90°パルスによって水の磁化がZ軸に向きま
す。その後、2段構えになったWATERGATE(WATER suppression by GrAdient
Tailored Excitation)で残っている水の信号が消去され、最終的に目的の信号を取り込み
ます。
■ パルスシーケンスダイアグラム
[relaxation_delay]
[x_domain]
FG チャンネル [mix_time]
[mix_time]
[grad_1] [grad_3] [grad_4]
[obs_sel_180] W5 W5
obs_sel_180_shape phase_shape_1 obs_sel_180_atn
phase_wgh2
phase_acq
phase_shape2
■ 拡張シーケンス
拡張シーケンス 解説 初期値
relaxation_filter 緩和フィルターの切り替えを指定します。 [Off],[T2 Filter],[T1p Filter]から選びます。
Off
Delta NMR ソフトウェアリリースノート 27
■ パラメーター
パラメーター 解説 初期値
x_domain 観測核を設定します。 Proton
x_offset 観測中心を設定します。 5[ppm]
x_sweep 観測範囲を設定します。 15[ppm]
x_points サンプリングポイントを設定します。 8192
scans 積算回数を設定します。 16
x_prescans ダミースキャンの回数を設定します。 4
mod_return データを転送する回数です。 1
x_pulse 観測チャンネル(1H)の90°パルス幅です。
プローブファイル中のx90
x_atn 観測チャンネルのパルス出力を指定するアッテネーター値です。6dBを加えるごとに,必要なパルス幅は2倍になります。
プローブファイル中のxatn
obs_sel_180 水を選択的に励起するパルスの180°パルス幅です。 20[ms]
obs_sel_180_atn 水を選択的に励起するパルスのRF出力を指定します。 40[dB]
obs_sel_180_shape 水を選択的に励起するパルスの波形を選びます。 REBURP
obs_sel_180_offset 水を選択的に励起するパルスの照射位置です。 x_offset
obs_sel_90 水を選択的に励起するパルスの90°パルス幅です。 プローブファイル 中 の x90_ soft
obs_sel_90_atn 水を選択的に励起するパルスのRF出力を指定します。 プローブファイル 中 の xatn_ soft
obs_sel_90_shape 水を選択的に励起するパルスの波形を選びます。 GAUSS
obs_sel_90_offset 水を選択的に励起するパルスの照射位置です。 x_offset
watergate_selection WATERGATEで使用するコンポジットパルスの名前 W5
wgh_x_pulse WATERGATEで使用するコンポジットパルスの90パルス幅 プローブファイル中のx90
wgh_null WATERGATEで使用するコンポジットパルスから生じるnullポイント。WATERGATEの励起範囲を設定します。観測中心から観測範囲の端までより広めの周波数を設定します。
2500[Hz]
wgh_tau WATERGATEのパルス間隔です。 1/wgh_null
mix_time 混合時間を設定します。 1000[ms]
relaxation_delay 繰り返しパルスの待ち時間を設定します。 5.0[s]
repetition_time [relaxation_delay]+[x_acq_time]が表示されます。
grad_1 第1FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_1_amp 第1FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.04[T/m]
grad_2_amp 第2FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.005[T/m]
grad_3 第3FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
grad_3_amp 第3FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.102[T/m]
grad_4 第4FGパルス(PFG1)のパルス幅を設定します。 1[ms]
28 Delta NMR ソフトウェアリリースノート
パラメーター 解説 初期値
grad_4_amp 第4FGパルス(PFG1)のパルス出力を設定します。 0.066[T/m]
grad_shape FGパルスの波形を選びます。 SINE
grad_recover FGパルス後の回復時間です。 0.1[ms]
lock_hold ロック信号サンプリングの停止を指定します。 TRUE
relaxation_filter 緩和フィルターの切り替えを指定します。 [Off],[T2 Filter],[T1p Filter]から選びます。
Off
delay_list [relaxation_filter]=[ T2 Filter]の場合のみ
CPMGパルスを照射する時間を設定します。 1.0[s]
tau_step [relaxation_filter]=[ T2 Filter]の場合のみ
CPMGパルスを照射する間隔2τを設定します。 200[ms]
tau_interval_t2 [relaxation_filter]=[ T2 Filter]の場合のみ
CPMGパルス系列のτを表示します。
(tau_step - x_pulse×2)/2
loop_number
[relaxation_filter]=[ T2 Filter]の場合のみ
delay_listとtau_stepで決まる180°パルスの回数を表示します。
t1pfilter_time [relaxation_filter]=[ T1p Filter]の場合のみ
スピンロックパルスのパルス幅です。 100[ms]
t1pfilter_atn [relaxation_filter]=[ T1p Filter]の場合のみ
スピンロックパルスのRF出力を指定します。
プローブファイル 中 の xatn_ spin
■ カテゴリー
1D, noe, liquids, Water_Suppression
■ プロセスリスト
proton.list
■ スペクトルの見方
溶媒であるH2Oと交換している1H、例えばアミド1HNなどが選択的に検出されます。
水の信号を選択励起するため、水の近傍の信号の定量性は失われます。