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位セル 割に する した 位- シミュレーション Dislocation-Crystal Plasticity Simulation Based on Self-Organization for Repartition of Dislocation Cell Structures 大・ ) 安 大・院) 大・院) 大・ Naoshi YAMAKI, Keio University Tetsuro ANDO, Graduate School, Keio University Yoshiteru AOYAGI, Graduate School, Keio University Kazuyuki SHIZAWA, Keio University FAX:045-566-1495 E-mail:[email protected] Reaction-diffusion equations for self-organization of dislocation cell structures repartitioned with an increase of stress are derived. A resolved shear stress is used as an argument of rate coefficients of the above equations so as to reflect the stress information in each stage of work-hardening. A dislocation-crystal plasticity model for the repartition of dislocation cell structures is developed by introducing the accumulation information of immobile dislocation density obtained from the self-organization calculations into a hardening modulus of a crystal. An FD simulation for dislocation patterning and an FE one for crystal deformation are simultaneously carried out for an f.c.c. single crystal. It is numerically shown that cell structures are repartitioned with an increase of stress and it grows into fine subgrains with a crystal rotation. 1. み活 する (Stage I)2 が活 がタングル り, 位セルが され, によりセル 割が こる (Stage II)位ペア によってサブグレイン する (Stage III) かれるこ られてい る. 1) ,セルおよびサブグレイン -拡 モデルにおいて および させるこ ,セル 割およびサブグレイン した.しかし がら, 1) パターニング まり, した 位パターンに づく変 ってい い. そこ いたセル 割およびサブ グレイン 移を -拡 から られた 映させて 位- シミュレーションを い, 割されたセルパターン およびサブグレインが 位および GN える影 について する. 2.セル 割モデル 1) に,3 して に対する -拡 ようにモデル する. 2 , 0 1 m m m m i t D K K α α α α = + 2 3 2 3 4 1 m i m i m i m i K K K L αα αα αα αα (1) 2 2 , 0 2 0 1 i i i i m i t D B B K K α α α α α = + + 2 3 2 3 4 1 m i m i m i m i K K K L αα αα αα αα + + + (2) ここ m α および i α それぞれ および あり,拡 m D および i D セル れている. 0 K 1 K 2 K 3 K および 4 K 位が 々に 獲され する 0 B から した 2 B ダイポール 1 L による - す. -拡 映させるために, (1)および (2)におけ る各 をま めて A し, 1) モデルを ように する. ( ) * 1 1 [ ( ) tanh{ ( )} 2 A A A A A k α τ τ = + + * ( ) 2 ( ) tanh{ ( )} K A A k α τ τ + * ( ) ** 3 ( ) tanh{ ( )}] A A k α τ τ + (3) ここ * τ および ** τ ステージIIおよびステージIIIする せん 1 k 2 k 3 k A A * A および A する ある. K τ ステー IIにおいてセル 割によりセル 位が れる確 すために した せん ある.また されるセル サイズ された して するこ られており, によるダイポール が大き るこ し, 2 B 4 ( ) ( ) 2 1 2 4 ( ) 2 1 2 ( ) ( ) K K K B p p B p p α α α τ τ τ τ τ τ = + < = + (4) ようにモデル する.ここ 1 p および 2 p パラメ ータ ある. (4)いるこ により, において されたセルが 割するこ される. 3. 位- における Σ g h α β αβ β γ ( ) ( ) = ! ! ように ける.こ h αβ ( ) β γ ある. h αβ に拡 Bailey-Hirsch および Orowan いて, ように づける. ( 1 /( ) 2 h ac L β β αβ αβ µΩ ρ ) ( ) = (5) ここ a c µ αβ

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Page 1: Dislocation-Crystal Plasticity Simulation Based on …...転位セル構造の再分割に関する自己組織化を考慮した転位-結晶塑性シミュレーション Dislocation-Crystal

転位セル構造の再分割に関する自己組織化を考慮した転位-結晶塑性シミュレーション

Dislocation-Crystal Plasticity Simulation Based on Self-Organization for Repartition of Dislocation Cell Structures

山木 直(慶大・理工) 安藤 哲朗(慶大・院)

青柳 吉輝(慶大・院) 志澤 一之(慶大・理工)

Naoshi YAMAKI, Keio University Tetsuro ANDO, Graduate School, Keio University

Yoshiteru AOYAGI, Graduate School, Keio University Kazuyuki SHIZAWA, Keio University

FAX:045-566-1495 E-mail:[email protected]

Reaction-diffusion equations for self-organization of dislocation cell structures repartitioned with an increase of stress are derived. A resolved shear stress is used as an argument of rate coefficients of the above equations so as to reflect the stress information in each stage of work-hardening. A dislocation-crystal plasticity model for the repartition of dislocation cell structures is developed by introducing the accumulation information of immobile dislocation density obtained from the self-organization calculations into a hardening modulus of a crystal. An FD simulation for dislocation patterning and an FE one for crystal deformation are simultaneously carried out for an f.c.c. single crystal. It is numerically shown that cell structures are repartitioned with an increase of stress and it grows into fine subgrains with a crystal rotation.

1.緒言

金属単結晶の加工硬化は,主すべり系のみ活動する容易すべり段階(Stage I),主すべり系に加え2次すべり系が活動し始め転位線がタングル状になり,転位セルが形成され,負荷応力の増加によりセルの再分割が起こる線形硬化段階(Stage II),転位ペアの消滅によってサブグレインへと遷移する動的回復段階(Stage III)に分かれることが知られている.前報1)では,セルおよびサブグレインの形成を表す反応-拡散モデルにおいて転位の対消滅率および不動転位の堆積率を表す速度係数を応力の増加に伴い上昇させることで,セルの再分割およびサブグレインへの遷移過程を表現した.しかしながら,前報1)では空間パターニングの再現にとどまり,発現した転位パターンに基づく変形場の解析には到っていない. そこで本報では,前報で用いたセルの再分割およびサブ

グレインへの遷移を表す反応-拡散方程式から得られた不動転位密度情報を結晶の硬化係数に反映させて転位-結晶塑性シミュレーションを行い,再分割されたセルパターンおよびサブグレインが結晶方位および GN 転位の蓄積に与える影響について検討する.

2.セルの再分割モデル

前報1)と同様に,3段階硬化を考慮して転位の自己組織化に対する反応-拡散方程式を次式のようにモデル化する.

2, 0 1m m m m it D K Kα α α α= ∇ − +

2 32 3 4 1

m i m i m i m iK K K Lα α α α α α α α− − − − (1) 22

, 0 2 0 1i i i i m it D B B K Kα α α α α= ∇ + − + −

2 32 3 4 1

m i m i m i m iK K K Lα α α α α α α α+ + + − (2) ここで, mα および iα はそれぞれ可動および不動転位密度であり,拡散係数 mD および iD にはセルの等方性が仮定されている. 0K 項は可動転位の不動化, 1K 項は不動転位の可動化, 2K , 3K および 4K 項は可動転位が次々に障害物に捕獲され不動化する過程, 0B 項は転位源から発生した可動

転位の不動化, 2B 項はダイポールの対消滅, 1L 項は動的回復による可動-不動転位の対消滅を表す.応力の情報を反応-拡散方程式に反映させるために,式(1)および式(2)における各速度係数をまとめて Aと表記し,前報1)と同様に応力効果係数モデルを次のように表現する.

( ) *1

1 [ ( ) tanh ( )2A A A A A k ατ τ= + + − −Ⅰ Ⅲ Ⅱ Ⅰ   * ( )

2( ) tanh ( )KA A k ατ τ+ − −Ⅱ Ⅱ

* ( ) **3( ) tanh ( )]A A k ατ τ+ − −Ⅲ Ⅱ (3)

ここで, *τ および **τ はステージIIおよびステージIIIが開始する分解せん断応力の閾値, 1k , 2k , 3k , AⅠ, AⅡ, *AⅡ

および AⅢは転位の増加に関する係数である. Kτ はステージIIにおいてセルの再分割によりセル壁に可動転位が捕われる確率の上昇を表すために導入した分解せん断応力の閾値である.また誘起されるセルのサイズは負荷された応力値に反比例して減少することが実験的に知られており,応力の増加に伴い熱拡散によるダイポールの対消滅率が大きくなることを考慮し,消滅係数 2B を

4( ) ( )2 1 2

4 ( )2 1 2

( )

( )

K

K K

B p p

B p p

α α

α

τ τ τ

τ τ τ

⎫= + < ⎪⎬

= + ≥ ⎪⎭  (4)

のようにモデル化する.ここで, 1p および 2p は数値パラメータである.式(4)を用いることにより,初期段階において形成されたセルが再分割することが予想される.

3.転位-結晶塑性論における硬化則

流れ応力の発展式は Σg hα βαββ

γ( ) ( )= !! のように書ける.ここで hαβ は硬化係数,

( )βγ はすべりである.硬化係数 hαβ を多重すべり系に拡張し Bailey-Hirsch の式および Orowan の式を用いて,次のように不動転位密度と関係づける.

(1 /( )2

h ac L β βαβ αβµΩ ρ) ( )= (5)

ここで a, cは数値係数, µ は横弾性係数, αβΩ は転位相

Page 2: Dislocation-Crystal Plasticity Simulation Based on …...転位セル構造の再分割に関する自己組織化を考慮した転位-結晶塑性シミュレーション Dislocation-Crystal

互作用行列および ( )βρ は転位密度である. ( )L β は転位の平均飛行距離であり,3段階硬化の表現のため,次のモデル2)

を採用する. ( )0

( ) ( )0

**( ) ( ) ( ) 2

; Stage I

; Stage II( )

( )sin ( ) ; Stage IIIa b ar

L

L L

L L L

β

β β

β β β

Λγ γ Λ

γ γπ γ

⎧⎪⎪

= ⎨ − −⎪ −+ −⎪⎩

(6)

ここで γ は全すべり量,γ ∗は Stage IIが始まるすべり値,Λおよび rγ は材料定数, ( )

aLβ および γ ∗∗は Stage III 開始時の

( )L β および γ の値, ( )bLβ はサブグレイン形成後の ( )L β の値で

ある.なお, / 2rγ γ γ∗∗> + のときは ( ) ( )bL Lβ β= とする.以上

( )ατ により転位場と変形場を連動させた転位-結晶塑性モデルが構築される.

4.シミュレーション結果および検討 解析領域は長さL=10µm,幅H=10µmのAl単結晶平板の端

面に20%の強制変位を与えるものとし,すべり系にはAsaroの平面2重すべりモデルを用いる.また,変形の進行とともに多重すべりを誘発するように結晶が回転しStage IIへ遷移するが,本解析では特にStage IIにおけるセルの再分割およびStage IIIへの遷移に注目するため,Stage Iの領域が極端に短くなるように主すべり系が水平面から 62"となるように結晶方位を定める.Stage IIでは2次すべり系が活動し始めるためセルの自己組織化開始点もStage IIの開始点に合わせ,そのすべり値を * 0.02γ = として式(6)に与える.Stage IIIでは動的回復が起こるためサブグレイン成長開始点に合わせ,そのすべり値は ** 0.1γ = として式(6)に反映させる.また,材料定数および数値パラメータは以下のような値を用いる.

* **

-11 2 3 0 0

* -1 2 -1 2 -10 0 2 2

* 2 -1 2 -12 2

* 2 -1 2 -1 2 -11 1 1 1

*

0.75MPa, 15MPa, 12.25MPa,0.8MPa , 0,

=90ms , 4µm ks , 180µm ks ,504µm ks , 500.4µm ks ,

0m s , 20µm ks , 70µm ks ,5

K

m

m m m

k k k K KK K K KK KL L L L DD D D

τ τ τ= = == = = = =

= = == =

= = = = == = =

Ⅰ Ⅲ

Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅱ

Ⅱ Ⅲ

ⅠⅠ Ⅱ Ⅱ Ⅲ

Ⅱ Ⅱ Ⅲ I2 -1 2 -1

*2 -1 2 -1

2 -4 -1 2 -11 2

2 20 0

2.5µm s , 0.68µm ks ,5.1µm s 4.875µm s,

0.00096µm MPa ks , 0.07µm ks150µm , 1000µm

i

i i i

m m

DD D Dp pα α− −

⎫⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎬⎪= ⎪⎪= = =⎪= = ⎪= = ⎪⎭

Ⅱ Ⅱ Ⅲ

(7)

図1はStage IIにおける各伸び率に対応する不動転位の自己組織化パターンであり,初期に径3µm程度のセルが形成され,変形が進むにつれラビリンス的パターンへ変化しセルが再分割される過程が確認される.図2は伸び率20%における解析結果であり,図2(a)は式(2)より得られる不動転位の自己組織化パターン,図2(b)~(d)はFEM解析結果であり,(b)はすべり,(c)は結晶の回転角度,(d)はGN転位密度の分布である.また,不動転位密度およびすべりは各すべり系の値を合計した全転位密度および全すべりであり,GN転位密度に関しては正および負のGN転位をそれぞれ黒色および灰色の記号を用いて表している.図1(d)と図2(a)を比較するとセル壁が薄くなりやや角張ったサブグレインパターンへと遷移しているのが観察できる.また,図2(b)からは図2(a)の高密度壁に沿ってマイクロシアバンドが発生しているのが確認できる.なお,図1に対応するすべりの分布には明瞭なマイクロシアバンドは確認されなかった.さらに誘起された粒界付近では図2(c)より隣接粒間の方位差が 5"程度となり小傾角粒界を形成し,図2(d)より粒界に沿ってGN転位が蓄積していることがわかる.以上から,自己組織化 によって形成された図 2(a)の転位パターンはサブグレイン

であるといえる.図 3は本解析で得られた分解せん断応力すべり曲線であり,加工硬化率の減少による Stage IIIへの遷移が現されている.また,各ステージに対応する転位パターンが形成されているのがわかる.

5.結言

(1) Stage IIにおける応力の増加に伴うセルの再分割,Stage IIIへの遷移を考慮した反応-拡散方程式および転位の平均飛行距離をモデル化することにより,単結晶の3段階硬化が表現可能となる.

(2) Stage IIIで発現する転位パターンにおける転位壁に沿ってマイクロシアバンドが発生し,転位壁を境に小傾角粒界が形成されるため,発現したパターンはサブグレインであるといえる.

参考文献

1) 安藤哲朗,青柳吉輝,志澤一之:第17回計算力学講演会講演論文集,講演予定.

2) 志澤一之,青柳吉輝,藤本敦:日本材料学会第53期学術講演会講演論文集,pp.467-468,2004.

Fig. 1 Repartition of cell structures in stage II (c)U/L=8.6% (b)U/L=6.4% (d) U/L=9.4%(a)U/L=4.1%

0.02nm-2

0.00nm-2

(d) GN dislocation (c) Rotation angle of crystal

(b) Slip(micro shear band)(a) Subgrain pattern

Fig. 2 Distributions of slip, crystal orientation and GN dislocation densities (U/L=20%)

0.02nm-2

0.00nm-2

1.0

0.0

10°

Fig. 3 Resolved shear stress versus slip curves

25

5

10

15

20

0γ (α)

0 0.40.1 0.2 0.3

τ (α

) (MPa

)