dl-アミノ酸ラベル化キット...02. 55. 7. 10 .012 .515 17 20 22 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0...

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A-16 DL- アミノ酸ラベル化キット HPLC 用ラベル化剤 本製品はアミノ酸を HPLC 分析の前にラベル化するためのキットです。アミノ酸は親水性が高く UV 吸収が小さ いため、ラベル化してから HPLC 分析することが多用されています。また、近年、D 体のアミノ酸が注目されて いますが、イソチオシアン酸フェニルやダンシルクロリドなどの汎用的なラベル化剤では、D 体と L 体とを分離 するには高価なキラルカラムが必要です。 本製品を使用すると煩雑なラベル化を簡単に行えるだけではなく、不斉炭素を含有するラベル化剤 (D)FDLDA を 採用しているため、ラベル化したアミノ酸を C18 などのアキラルカラムで光学分離することができます。 特 長 誰でも簡単にアミノ酸が分析可能 キラルカラムを使わずにアミノ酸の光学異性体を分離 MS(質量分析計)での高感度検出 HPLC 分析例 ■ 各アミノ酸の DL 体の分離(ラベル化法 1) グリシンを除く 19 種類のアミノ酸の D 体と L 体とを分離することができました。 <分析条件> カラム COSMOSIL 5C 18 -AR-II 4.6 mm I.D. -150 mm 移動相 A: 0.1 % Formic Acid - 20 % Acetonitrile B: 0.1 % Formic Acid - 50 % Acetonitrile B conc. 0 → 100% 20 min 直線グラジエント 1.0 mL/min 30℃ UV 340 nm サンプル (DL)Amino Acid-(D)DLDA derivatives *; (D)FDLDA(Hydrolysed), **; (D)DLDA-S-C 6 H 12 OH:両ピーク共にラベル化剤由来のピークです(詳細は p.2 の表 1 参照)

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  • A-16

    DL- アミノ酸ラベル化キットHPLC 用ラベル化剤

    本製品はアミノ酸を HPLC 分析の前にラベル化するためのキットです。アミノ酸は親水性が高く UV 吸収が小さいため、ラベル化してから HPLC 分析することが多用されています。また、近年、D 体のアミノ酸が注目されていますが、イソチオシアン酸フェニルやダンシルクロリドなどの汎用的なラベル化剤では、D 体と L 体とを分離するには高価なキラルカラムが必要です。本製品を使用すると煩雑なラベル化を簡単に行えるだけではなく、不斉炭素を含有するラベル化剤 (D)FDLDA を採用しているため、ラベル化したアミノ酸を C18 などのアキラルカラムで光学分離することができます。

    特 長 ●誰でも簡単にアミノ酸が分析可能●キラルカラムを使わずにアミノ酸の光学異性体を分離●MS(質量分析計)での高感度検出

    HPLC 分析例

    ■ 各アミノ酸の DL 体の分離(ラベル化法 1)グリシンを除く 19 種類のアミノ酸の D 体と L 体とを分離することができました。

    <分析条件>カラム COSMOSIL 5C18-AR-II 4.6 mm I.D. -150 mm移動相 A: 0.1 % Formic Acid - 20 % Acetonitrile B: 0.1 % Formic Acid - 50 % Acetonitrile B conc. 0 → 100% 20 min 直線グラジエント

    流 速 1.0 mL/min温 度 30℃検 出 UV 340 nmサンプル (DL)Amino Acid-(D)DLDA derivatives

    *; (D)FDLDA(Hydrolysed), **; (D)DLDA-S-C6H12OH:両ピーク共にラベル化剤由来のピークです(詳細は p.2 の表 1参照)

  • キット構成

    ■ キットの構成(100 回測定用)(ユーザー準備品も含む)

    名称 キット容量 添加量 / 回

    ① サンプル溶液 *1 ユーザー準備品 100 μL

    ② ラベル化剤溶液 *2 10 mL 100 μL

    ③ 反応開始液 10 mL 100 μL

    ④ 脱ラベル化液(側鎖用)*3 10 mL 100 μL

    ⑤ 反応停止液 10 mL 100 μL

    ⑥ メタノールやアセトニトリルなど ユーザー準備品 500 μL or 600 μL

    NO2

    O2NF

    HN

    NH

    ON

    CH3

    CH3

    H3C

    CH3

    (D)FDLDA1-Fluoro-2,4-dinitrophenyl-5-D-leucine-N,N-dimethylethylenediamine-amide

    ラベル化剤

    *1 反応する官能基の総 mol 量は 1.0 μmol 以下にしてください。濃い場合には、サンプルを希釈するか添加量を減らしてください。*2 本液には、ラベル化剤 (D)FDLDA を採用しています。*3 本液には、6-Mercapto-1-hexanol [M.W.: 134.24(C6H14OS)] を含みます。

    ラベル化法

    ■ 2 種類のラベル化法本製品に採用されているラベル化剤 (D)FDLDA はアミノ基と反応します。また、チロシンのフェノール性水酸基やシステインのチオール基などの一部側鎖もラベル化されます。ラベル化法1の操作 2 でアミノ酸の側鎖(Lys を除く)のラベル化剤を除去することができます。

    キット構成 ①②③を各 100 μL 加え、軽く攪拌後、50 ℃で 2 時間静置反応させる。

    操作 1

    ④を 100 μL 加え、軽く攪拌後、50 ℃で 15 分静置反応させる。

    操作 2

    ⑤を 100 μL、⑥を 500 μL 加えた後、(必要であればろ過してから)HPLC で分析する。

    操作 3

    ラベル化法 1

    キット構成 ①②③を各 100 μL 加え、軽く攪拌後、50 ℃で 2 時間静置反応させる。

    操作 1

    不要操作 2

    ⑤を 100 μL、⑥を 600 μL 加えた後、(必要であればろ過してから)HPLC で分析する。

    操作 3

    ラベル化法 2

    OH

    H2N

    COOHF

    (DL)Tyr

    OH

    HN

    COOH

    O

    HN

    COOH

    (DL)Tyr (di)

    (DL)Tyr (mono)

    ラベル化法 1ラベル化法 2

    ラベル化法 1(側鎖の脱ラベル化) ラベル化法 1 ラベル化法 2アミノ酸

    Tyr、 Cys

    LysHis

    monomonomono

    mono

    didi

    di

    mono、di の混合物その他のアミノ酸mono ; α炭素のアミノ基のみがラベル化されます。di ; α炭素に加えて側鎖の官能基もラベル化されます。

    (D)FDLDA

    表 1 HPLC で検出されるラベル化剤由来のピーク

    名称 分子量 説明

    (D)FDLDA 385.39 (C16H24FN5O5) 未反応のラベル化剤(ラベル化法 2 のみ)

    (D)FDLDA (Hydrolysed) 383.40 (C16H25N5O6) ラベル化剤の加水分解物

    (D)DLDA-S-C6H12OH 499.63 (C22H37N5O6S) ラベル化剤と脱ラベル化剤(側鎖用)の反応物(ラベル化法 1 のみ)

    実際のサンプルを分析する前にブランク分析を行われることを強く推奨します。

    参考文献

    Kuranaga, T.; Minote, M.; Morimoto, R.; Pan, C.; Ogawa, H.; Kakeya, H. Highly Sensitive Labeling Reagents for Scarce Natural Products. ACS Chem. Biol. 2020, 15(19), p. 2499-2506.

  • LC/MC 分析例

    ■ 他ラベル化剤との比較アキラルカラムによるアミノ酸の光学分離では、Marfey 法による Nα-(5-Fluoro-2,4-dinitrophenyl)-L-alaninamide [(L)FDAA] やNα-(5-Fluoro-2,4-dinitrophenyl)-L-leucinamide [(L)FDLA] などのラベル化剤が知られていますが、本製品のラベル化剤である(D)FDLDA は下図の赤丸で囲んだ構造がイオン化しやすいため、UV での感度は既存品と同等ですが、MS での感度は高まります(下図赤枠)。なお、本製品では D 体のラベル化剤を使用しているため溶出順が逆になります。

    <分析条件>カラム COSMOCORE 2.6C18 2.1 mm I.D. -100 mm移動相 A: 0.1 % Formic Acid - 20 % Acetonitrile B: 0.1 % Formic Acid - 70 % Acetonitrile B conc. 0 → 100% 20 min 直線グラジエント

    流 速 0.2 mL/min温 度 40℃検 出 UV 340 nm, MS-ESI (+)

    サンプル Labeled Leucine 1. D form 2. L form

    *; Labeling reagent (Hydrolysed), **; Labeling reagent  

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0 (x10,000)

    497.60 (1.00)

    12

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0 (x10,000)

    468.00 (1.00)

    -1.0

    12

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    425.90 (1.00)

    12

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 min-0.25

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    1.50 mAU(x100)

    340 nm, 4 nm (1.00)

    12**

    *

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 min-0.25

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    mAU(x100)

    340 nm, 4 nm (1.00)

    12**

    *

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 min-0.25

    0.00

    0.25

    0.50

    0.75

    1.00

    1.25

    1.50mAU(x100)

    340 nm, 4 nm (1.00)

    1 2***

    NO2

    O2NF

    HN

    CH3

    NH2

    O

    (L)FDAA

    NO2

    O2NF

    HN

    NH2

    O

    H3C

    CH3

    (L)FDLA

    NO2

    O2NF

    HN

    NH

    ON

    CH3

    CH3

    H3C

    CH3

    (D)FDLDA

    UV 340 nm MS-ESI(+)

    1.50

    ■ 各アミノ酸の DL 体の分離(ラベル化法 2)各分子量のアミノ酸ごとに選択的に検出することができました。

    <分析条件>カラム COSMOCORE 2.6C18 2.1 mm I.D. -100 mm移動相 A: 0.1 % Formic Acid - 20 % Acetonitrile B: 0.1 % Formic Acid - 50 % Acetonitrile B conc. 0 → 100% 20 min 直線グラジエント

    流 速 0.2 mL/min温 度 40℃検 出 MS-ESI (+)サンプル (DL)Amino Acid-(D)DLDA derivatives

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    455.50 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    471.50 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    499.60 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    540.70 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    457.10 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    547.30 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5-1.0

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0 (x10,000)

    427.00 (1.00)

    0.0 2.5 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5

    0.0

    1.0

    2.0

    3.0

    4.0

    5.0(x10,000)

    439.60 (1.00)

    DL

    Ala

    D L

    Ser

    D L

    Alg

    D L

    Asp

    DLTyr(di)

    D L

    Tyr(mono)

    DLLys(di)

    DLCys(di)

    -1.0

    -1.0

    -1.0

  • ご注意 試験・研究用以外には使用しないでください。

    ナカライテスク株式会社〒 604-0855 京都市中京区二条通烏丸西入東玉屋町 498

    ■販売取扱店

    2010T

    Web site https://www.nacalai.co.jp/

    0 1 2 0 - 4 8 9 - 5 5 2価格 ・納期のご照会製品に関する技術的なご照会 https://www.nacalai.co.jp/ss/Contact/

    TEL:075-211-2703

    試  薬 は こ こ に

    ※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。※掲載価格は 2020 年 10 月現在のものです(消費税は含まれていません)。

    定量性

    濃度の異なるアミノ酸水溶液を本製品によりラベル化し HPLC で分析したところ、直線的な検量線が作成できました。

    500,000

    1,000,000

    1,500,000

    2,000,000

    2,500,000

    3,000,000

    3,500,000

    4,000,000

    4,500,000

    00

    1 2 3 4 5 6

    Peak area

    Sample conc. (mmol/L)

    (L)Tyr (mono)

    (L)Tyr (di)

    (L)Val

    (L)Pro

    ラベル化反応・ラベル化法 1:(L)Tyr (mono)・ラベル化法 2:(L)Tyr (di), (L)Val, (L)Pro

    その他分析例

    ● スポーツ飲料(HPLC・ラベル化法 2) ● MEM 非必須アミノ酸溶液(#06344)(LC/MS・ラベル化法 1)

    NACALAI TESQUE, INC

    Column: COSMOSIL 5C18-AR-IIColumn size: 4.6 mmI.D.-150 mmMobile phase: A; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 20/80

    B; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 50/50B conc. 0→100% 20min Linear gradient

    Flow rate: 1.0 ml/min Temperature: 30 �CDetection: UV340 nm

    Sample: Sports drink1; (L)Arg-(D)DLDA2; (L)Val-(D)DLDA3; (L)Ile-(D)DLDA4; (L)Leu-(D)DLDAInj.Vol.: 2.0 �l

    COSMOSIL Application Data

    NACALAI TESQUE, INC

    Column: COSMOCORE 2.6C18Column size: 2.1 mmI.D.-100 mmMobile phase: A; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 20/80

    B; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 50/50B conc. 0→100% 20min Linear gradient

    Flow rate: 0.2 ml/min Temperature: 40 �CDetection: MS-ESI (+)Sample: MEM Non-Essential Amino Acids Solution1; (L)Asn -(D)DLDA2; (L)Ser-(D)DLDA3; Gly-(D)DLDA4; (L)Asp-(D)DLDA5; (L)Glu-(D)DLDA6; (L)Ala-(D)DLDA7; (L)Pro-(D)DLDAInj.Vol.: 2.0 �l

    COSMOCORE Application Data

    ● 回復系アミノ酸飲料(HPLC・ラベル化法 2) ● ヒスタミン(HPLC・ラベル化法 1)

    NACALAI TESQUE, INC

    Column: COSMOSIL 5C18-AR-IIColumn size: 4.6 mmI.D.-150 mmMobile phase: A; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 20/80

    B; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 50/50B conc. 0→100% 20min Linear gradient

    Flow rate: 1.0 ml/min Temperature: 30 �CDetection: UV340 nm

    Sample: Soft drink1; (L)Ornithine-(D)DLDAInj.Vol.: 1.0 �l

    H2N OH

    O

    NH2L-Ornithine

    COSMOSIL Application Data

    NACALAI TESQUE, INC

    Column: COSMOSIL 5C18-AR-IIColumn size: 4.6 mmI.D.-150 mmMobile phase: A; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 20/80

    B; 0.1% Formic Acid-Acetonitrile/ H2O = 50/50B conc. 0→100% 20min Linear gradient

    Flow rate: 1.0 ml/min Temperature: Detection:

    Sample:

    30 �CUV340 nm

    1; Histamine-(D)DLDAInj.Vol.: �����l

    HN

    N NH2Histamine

    COSMOSIL Application Data

    アミノ酸以外のアミン化合物やチオール化合物にも適用可能です。

    価格表

    製品名 規格 貯法 製品番号 容量 価格DL- アミノ酸ラベル化キット SP 冷所 19942-74 100 tests 30,000

    本製品に使用するラベル化剤は京都大学が特許出願し、ナカライテスク株式会社が許諾を得て製造販売しています。

    COSMOSILコスモシール はナカライテスク株式会社の登録商標です。

    COSMOCOREコスモコア 、