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無水エタノールコップ水食塩スプーン
水にとける条件や再結晶化する過程は物質によってさまざまです。食塩を水にとかす場合は、温度によってとける量に違いが出ることはあまりありません。しかし物質の中には温度でとけやすさが変化するものもあります。たとえば塩化アンモニウムは、温度が高くなるとよく水にとけるので、温度が下がるまで置いておくと、再結晶化する様子を観察できます。
水に食塩をとかしていく。飽和食塩水とは、もうこれ以上、食塩が水の中にとけないという状態。とかし始めは白くにごっているが、時間を置くと透明になる。コップの底にうっすら塩のとけ残りが見える頃合いを目指そう。
水へのとけ方は、物質や条件によって違う
飽和食塩水をつくる
松延 康先生農業博士。北里大学畜産学部卒業・同大学院修了。理科教育研究フォーラム「夢・サイエンス」代表。幼稚園、小・中学校で年間50クラス以上の実験授業を行うとともに、小学校理科専科、中学校理科担当講師として学校教育の現場にも携わる。
コップの中に降る
雪の正体は?
コップの中にあるのは、一見、何の
変哲もない水。しかし、そこにエタノ
ールをそっと注ぐと、たちまち白い雲
のようなもやが広がり、やがてそこか
らさらさらと雪のような白い結晶が、
コップの底に向かって降り始めます。
実は、コップの中に入っていたのは
飽和食塩水。白い結晶の正体は食塩で
す。飽和食塩水とは、水の中に限界ま
で食塩がとけている液体のこと。なぜ
飽和食塩水にエタノールを加えると、
とけた食塩が再び現れるのでしょうか。
「実は、エタノールは食塩よりも水に
とけやすいのです。エタノールを飽和
食塩水に注ぐと、食塩水の中の水にエ
タノールがとけ込んでいきます。する
と、食塩はとける水が奪われてしま
い、結晶となって出てきます。これを
再結晶化と言います」(松延先生)
水の中にとけている食塩を再結晶化
する方法は、ほかにどんなものがある
でしょう。また、食塩以外の物質では
水へのとけ方にどんな違いがあるでし
ょうか。親子で話し合って、一緒に考
えてみてくださいね。
用意するもの用意するもの
解 説
舞い降りるソルトスノー
今回は、コップの中に塩の結晶の雪を降らせる実験です。白くさらさらと舞い降りる塩の雪が、
この季節にぴったりの幻想的な光景をつくり出します。
コップの6~ 7分目くらいまで水を入れる。食塩は小皿などに取り分けておく。水100mlに対して食塩40g程度が目安。食塩は水に意外とたくさんとけるので、多めに用意しておこう。
コップに水を入れて食塩を準備1
2
★★★★★
15分
難 易 度
所 要 時 間
M E M O使用する無水エタノールはドラッグストアなどで手軽に手に入れることができます。
3
水にとけていたはずの食塩が結晶となって出てくるのはどうしてだろう?
色付きのセロファンを貼ったLED
ライトで塩の雪を照らしてみよう。さ
らに幻想的でロマンチックな雪景色
を楽しむことができるよ。
05
無水エタノールを食塩水にそっと注いでいく。無水エタノールは紙コップなどに移してから少しずつ加えよう。すると、コップの上部からだんだん白いもやが出てくる。
無水エタノールをコップに注ぐ
4水の中にとけていた食塩が結晶となって、コップの中でまるで雪のように降り出す。雪がやんだら、無水エタノールを追加してみよう。
塩の雪が降る様子を観察してみよう
もやが
出てきたぞ!
雪が降って
いるみたい!
POINTコップの底に少し食塩のとけ残りがあるくらいに。
一緒にやってみよう!
取材・文/宮本幸枝 写真/アーク・フォト・ワークス(清水亮一)
塩化アンモニウムの結晶は、星のようなかたちをしている。
水を熱して塩化アンモニウムをとかしたも
のをしばらく置いて冷ますと、再結晶化す
る様子を観察できる。
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