京都産業大学・近畿大学・立命館大学合同
英語でビブリオバトル大学生大会Vol. 2
実践報告
近藤 雪絵(立命館大学) [email protected]大賀 まゆみ(京都産業大学) [email protected]
2014 年 8 月 9 日 第 40 回全国英語教育学会徳島研究大会 1
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ビブリオバトルとは?
ビブリオバトル基本情報
• 「人を通して本を知る / 本を通して人を知る」書評ゲーム [1]
o 谷口忠大准教授(立命館大学情報理工学部)の考案
• 競技人口推計:約 5,200 名( 2012 年)o 全国の大学、高校、小中学校、図書館、企業等で開催
• 開催数
3ビブリオバトル開催数 普及委員会事務局調べ(2013) [2]
230回
2011 年
483回
2012 年
915回
2013 年
ビブリオバトルのルール [2]
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「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に投票を行う。
詳しくは「公式ルール」を参照のこと。ビブリオバトル公式ウェブサイトhttp://www.bibliobattle.jp/koushiki-ruru
学生にとってのビブリオバトル
• 「言葉の力」再生プロジェクトによる広がり [3]
o 東京都では高校でのビブリオバトル実施が推奨された。
• ビブリオバトル首都決戦 2013 [4]
o 2013 年 11 月 24 日実施• 参加大学数: 125 大学 *• 予選参加者数: 799 名
• 全国大学ビブリオバトル 2014京都決戦 [5]
o 2014 年 12 月 14 日実施予定----------* 参加者の所属大学を、参加大学数としてカウント。
首都決戦 2013 の様子Retrieved from 東京都公式 YouTube チャンネル
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英語でビブリオバトル
関西地方で 10 回の開催2013 年• 発表者:• パターン A :学生中心 4 回実施• パターン B :教員中心 2 回実施• パターン C :混合(学生+教職員+一般社会人) 4 回実施
関西地方で 3 回の開催2014 年• 発表者:• パターン A :学生中心 2 回実施• パターン C :混合(英語教員+一般社会人) 1 回実施
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報告者らによる「英語でビブリオバトル」実施状況
学生からの声
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英語に自信がない
初心者だけでやってみたい
洋書は読めないので和書を紹介
したい
京都産業大学・近畿大学・立命館大学合同「英語でビブリオバトル大学生大会」
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第 1 回 第 2 回日時 2013 年 8 月 29 日 2014 年 3 月 19 日
参加者13 名 バトラー(発表者): 8 名 オーディエンス: 5 名
12 名 バトラー(発表者): 5 名 オーディエンス: 7 名
Facebookイベントページ https://www.facebook.com
/events/223439737806013
https://www.facebook.com/events/1401518250109885
YouTubeチャンネル(発表動画のまとめ)
http://youtu.be/NIEKZ6izHIM?list=PLDM7XChcNkbCZyw5H3UbPC0QnKkqmdMl2
http://youtu.be/1k_SrdUjO-U?list=PLDM7XChcNkbB_eTJd1dAMr08d7PB9bPsy
チャンプ本
「ジェノサイド」(高野和明 , 2011 )
「インシテミル」(米澤 穂信 , 2012 )
比較的新しい小説(和書)がチャンプ本
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英語でビブリオバトル大学生大会
Vol. 2
バトラー基本情報
発表者 学年 学部 英語力(自己申告) 紹介本(言語)
A 1 △△ △△△ 小説(和書)
B 1 △△ △△△ 小説(和書)
C 1 △△ △△△ 小説(和書)
D 2 △△ △△△ N/AE 2 △△ △△△ 小説(和書)
チャンプ本
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アンケート概要
• 回収時期: 2014 年 3 月
• 回収数: 5 (初参加者 2 、連続参加者 3 )
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アンケート概要
質問内容
• 何をどのくらい準備したのか?• 難しいと感じた点は?• 参加して得たものは?• 良い発表に賞を与えるべき?
• 2 回目の発表前に特に力を入れた点は?• 1 回目と 2 回目の発表で変わった点は?
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初参加者と連続参加者の比較
連続参加者の 1 回目と 2 回目の比較
Q. 1 「何をどのくらい準備したか?」
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初参加者と連続参加者の比較
初参加者
話す内容の準備( 2名)
原稿の作成( 2 名) 話す練習( 1 名)
連続参加者
話す内容の準備( 2名)
原稿の作成( 1 名) 話す練習( 1 名)
Q. 2 「難しいと感じた点は?」
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初参加者と連続参加者の比較
初参加者
時間の管理・配分( 2名) 連続参加者
相手に伝えること( 2名)
話し続けること( 1 名) 質疑応答( 1 名)
Q. 3 「参加して得たものは?」
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初参加者と連続参加者の比較
初参加者
原稿を読まない方が伝わることを実感( 2 名) 身近なことを英語で話すこと( 1 名)
連続参加者
自信がなくても堂々と話すべきだと思った( 1名)
簡単な言葉でも伝わるものだと思った( 1 名) 経験を積み、自信を得た( 1 名) 自分のレベルの把握( 1 名)
Q. 4 「良い発表に賞を与えるべき?」
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初参加者と連続参加者の比較
初参加者
賛成 ( 2 名)
連続参加者
反対( 2 名) 賞を複数にすべき( 1 名)
Q. 5 「 2 回目の発表前に特に力を入れた点は?」
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連続参加者
難しい単語や表現を使わない( 1 名) 本の論理的な内容理解( 1 名) その本独特の言い回しを英語でどう伝えるか調べた( 1
名) 特になし( 1 名)
連続参加者の 1 回目と 2 回目の比較
Q. 6 「 1 回目と 2 回目の発表で変わった点は?」
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連続参加者
原稿を読まずに発表( 1 名) 時間管理できるようになった( 1 名) 特になし( 1 名)
連続参加者の 1 回目と 2 回目の比較
参加者( A さん)のスピーチ比較
• 対象者: A さん( 1 回生)
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第 1 回 第 2 回日時 2013 年 8 月 29 日 2014 年 3 月 19 日
紹介本 「△△△△△△」(△△△△△)
「△△△△△△」(△△△△△)
英語力(自己申告)
TOEIC Ⓡ △△△ 点英会話が苦手
TOEIC Ⓡ △△△ 点英会話と英作文が苦手
参加動機
“自分の考えたことを自分で英語にして人に伝えるということをしたことがなったので、良い機会だと思ったから”
“前回も参加したので、継続して参加することによってプレゼンや英語の力を鍛えたいと思ったから”
up!
参加者( A さん)のスピーチ比較
A さんのアンケート結果より
• 2 回目の発表で力を入れたこと“難しい単語や表現を使わないようにしようと思いました。”
• 1 回目と 2 回目で変わったと思うこと“前回は完全に原稿を読んでいましたが、今回は言いたいことをまとめておいてなんとなく文章を考え、できるだけその場で考えて発言できるようにしようと思っていたので、それが少しできるようになったと思います。” 21
2 回目の発表で力を入れたこと
1 回目と 2 回目で変わったと思うこと
参加者( A さん)のスピーチ比較
• 延べ語数、異なり語数
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延べ語数 異なり語数0
50100150200250300350400
344
145
277
102
第 1 回第 2 回
【スピーチの変化】ポーズが多くなり、延べ語数が減少。繰り返しが多くなり、 TTR が減少
TTR第 1 回:42.15%第 2 回:36.82%【アンケートの回答】
第 1 回:事前に作った原稿を読んでいた。第 2 回:できるだけその場で考えて話そうとした。
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参加者( A さん)のスピーチ比較• JACET8000 による、使用語彙レベル(異なり語)
第 2 回
第 1 回
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
Level 1Level 2Level 3Level 4Level 5Level 6Level 7Level 8Over Level 8Others
【アンケートの回答】第 2 回:難しい単語を使わないようにしようと思った。
【スピーチの変化】Level 1 の使用が増加Level 3-7 の使用が減少
参加者( A さん)のスピーチ比較• JACET8000 による、使用語彙レベル(異なり語)
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第 1 回 第 2 回Level 1-3( 1000-3000語)
83.45% 87.26
Level 4-6( 3001-6000語)
6.21% 0.98%
Level 7以上( 6001 語以上) 2.07% 2.94%
その他 8.82% 8.28%
中学・高校レベルの語彙を主に使用
第 2 回では中学・高校レベル→増大学生レベル→減
「英語でビブリオバトル」を教育へ応用する際に生じる問題:評価
• 「本ではなく発表が評価されるべき」との意見に対して
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英語でビブリオバトルの経
験
英語力 理由
賛成
初めて TOEIC Ⓡ△△△ 点
“ 本を選ぶようにすると、興味により偏る恐れがあるので”
賛成
初めて TOEIC Ⓡ△△△ 点
“ すでに読んでいる本が出てしまっている場合、読みたい本として票を入れにくい”
中立 2 回目 N/A “ 賞を複数にすべき。良い発表という項目も与えれば
プレゼンの質(準備)も全体的に高まる”
反対
2 回目 TOEIC Ⓡ△△△ 点
“ それだとプレゼンのみを評価することになる。プレゼンを聞き、かつ読みたくなったら投票するという形にすればいい”
反対 2 回目 日常会話
はできる“ あくまでも本の紹介が主な目的なので、良い発表にしてしまうと本を紹介する必要性がなくなる”何度か経験することで、本に投票するビブリオバトルの趣旨(面白さ)を理解する?
英語力が高いバトラーは発表を評価されたい?
まとめ
• 連続参加者o 2 回目ではより平易な語彙を使用するように心がけ、
時間管理にも配慮する傾向があった。o スピーチにもその傾向が見られた。
• 「本ではなく発表が評価されるべき」との意見o 「本」に投票することでゲーム性を高めた「ビブリ
オバトル」を教育現場に取り入れる際に生じる課題となる
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9.6 土13:00 StartキャンパスプラザJR 京都駅徒歩 5分
英語でビブリオバトル大学生大会
Vol. 3Coming soon!
4 大学 and more!
References1. 谷口忠大 . (2013). ビブリオバトル:本を知り人を知る書評ゲー
ム . 東京:文藝春秋 .2. 知的書評合戦ビブリオバトル公式ページ . Retrieved August 5,
2014, from http://www.bibliobattle.jp/3. 「言葉の力」再生プロジェクト . Retrieved August 5, 2014,
from http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/katsuji4. ビブリオバトル首都決戦 2013. Retrieved August 1, 2014,
from http://shuto13.bibliobattle.jp/5. 全国大学ビブリオバトル 2014〜京都決戦〜 . Retrieved August
1, 2014, from http://zenkoku14.bibliobattle.jp/
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1. 「英語でビブリオバトル」 Facebookファンページ . Retrieved August 5, 2014, from https://www.facebook.com/BibliobattleEnglish
2. 「英語でビブリオバトル大学生大会 Vol. 3 」 Facebook イベントページ . Retrieved August 5, 2014, from https://www.facebook.com/events/316039131880774
Bibliography