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Thyroid Cancer Explore Vol.2 No.26(96)

 超音波検査は簡便なうえ低侵襲であり,高い空間分解能を有しており,甲状腺の画像診断の第一選択となることはすでに述べた通りである。また,日本超音波医学会により公示,改定された「甲状腺結節(腫瘤)超音波診断基準」を用いればある程度の精度で甲状腺の結節の診断は可能である。しかし,分解能が高いとはいえ,それは画像診断の範疇でのことであり,病理診断とは雲泥の開きがあるといわざるをえない。今回は超音波検査の限界について述べていきたい。

はじめに

 連載の第1回にも記したことであるが,診断基準の悪性所見はあくまでも特徴的所見ではあるものの,決して特異的な所見ではない。したがって,たとえ超音波所見上は悪性であっても実際には良性結節である偽陽性結節は決して少なくはない。図で示す2症例(図1,2)は,甲状腺内に複数の病変があり,術後病理診断まで至った症例であるが,超音波診断上は“悪性”と診断してもなんら問題のない結節である。しかし,たとえこれらの症例が単発病変であり,超音波診断上“悪性”と診断したとして

偽陽性結節についても,穿刺吸引細胞診を行い,悪性と診断されないのであれば経過観察でき,必ずしも手術に至ることはないかもしれない。無論,穿刺吸引細胞診とて100%診断がつくわけではないため注意は必要であるが,一般的には一度でも悪性を疑ったものに対しては自然と注意を払うものである。

 甲状腺の悪性腫瘍は乳頭癌と濾胞癌を合わせると,すべての悪性腫瘍のおおよそ95%を占めている。このおおよそ95%を占めている乳頭癌と濾胞癌の合算した正診率は,「硬

偽陰性結節について

甲状腺結節の超音波診断

甲状腺結節の超音波診断

野口 靖志医療法人野口記念会野口病院統括放射線科部長

    超音波診断の限界第 4回

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