Download - 実 習 問 題 (A)5-1 第5章 レポート作成時のチェックポイント 1.論文とレポートの違い 1.1 論文とは ここまでたびたび「論文」がキーワードとして出てきました。論文とは何かを一言で説
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第5章 レポート作成時のチェックポイント
1.論文とレポートの違い
1.1 論文とは
ここまでたびたび「論文」がキーワードとして出てきました。論文とは何かを一言で説
明することはなかなか難しいことですが、内容を非常に大きくとらえてみると、論文には
必ず以下のことが書かれていると言うことができます。
論文に書かれていること 1
1.2 レポートとは
一方で「レポート」という言葉の指す範囲はとても広いです。一例として、下記のよう
な種類に分けることができます 2。
1.3 論文とレポートの関係
この授業で扱う「レポート」は、上記例の「研究レポート」に該当します。研究レポー
トは論文と同様に、「問い」と「自分の主張」と「主張に至る論証」を表現することが求め
られます。
レポートに書くべきこと 3
取り組んだ
問題
なぜ、~なのか。
問題意識 その問題の理由が解明できれば、~に役立つ。
着眼点 検証を行う仮説、または問題解明のカギになる事柄。
論理展開
結論
・ブックレポート…指定された本を読んでまとめる
・報告レポート…実験の結果などの報告
・課題レポート…授業内容のまとめなど
・研究レポート…設定した問いに対する自分の意見を、論証を重ねて表現する
問い
自分の主張に至る論証
問いに対する自分の意見
・問い
・問いに対する自分の主張
・自分の主張に至る論証
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2 レポートの構成
2.1 レポートの構成
レポートは読み手にとってわかりやすく、理解しやすい形にするために「序論」「本論」
「結論」で構成するのが基本です。序論・本論・結論の各章には章題(小見出し)をつけ
ましょう。序論や結論は「はじめに」や「終わりに」などとつけることが多いです 4。
読者はまずタイトルを見て、興味のある内容か、読む価値があるものか
どうか判断するため、タイトルの付け方は非常に重要です。レポートの中
身が想像できるタイトルをつけましょう。
扱う問題
着眼点
タイトル
次のような内容で、レポートの概要を示し、問題提起を行います。特に、
読む人にさらに興味を持ってもらえるよう、レポートの売りとなる「問題
意識」や「着眼点」を忘れずに書きましょう。
何を前にして (前提となる事実や現状)
取り組んだ問題 (どういう問題に取り組むのか、なぜ~なのか)
問題意識 (どうして取り組むのか、解決したら何に役立つのか)
着眼点と着眼理由(問題解明のポイントになる事柄と、その理由)
何をやるのか(取り組んだ問題を解決するためにやったこと)
1.序論
事実と、そこから論理的に導いた見解を述べます。事実と見解を読者が
はっきり区別できるように記述し、客観的な論理展開をすることで、主張
の説得力を高めます。
問題に関する先行研究の内容のまとめ
実験・調査方法と得られた結果のまとめ
(図表を活用し、情報の出典は明確に示す)
事実をもとに論理的に見解を導き出す
事実
考察
2.本論
最終的な自分の主張・見解を書きます。
本論での議論から導ける主張・見解を述べる
必要があれば、今後の課題を指摘する
3.結論
事実は、出典を示さないと説得力がありません。レポートを書く際に引
用・参照した資料を最後に示します。
4.注釈・参考文献リスト
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執筆
分析・考察による結論づけ
アウトライン(構成)の決定
実際の執筆
参考文献の明示
テーマの設定
事前調査
(基本知識・用語の確認)
テーマの具体化
3 レポート作成の手順
3.1 レポート作成の手順
レポート作成の柱は、テーマの設定、資料の収集、そして執筆です。ただし直線的に進
んでいくものではありません。必要に応じて前の段階に立ち戻り、見直しと軌道修正を行
うことが大切です。
これまでの章で紹介したツールを駆使して資料収集を行い、説得力のあるレポートを目
指しましょう。
見直し
見直し
資料の収集
文献調査
(ツールの選択・キーワードの決定・検索・確認・入手)
実験・実地調査など
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4 テーマの設定
4.1 出だしで失敗しないために
レポートのテーマにしたいアイデアがあったら、まずはひととおり図書や論文の検索を
行なってみてください。見つかる文献があまりにも尐ないものは、そもそも学術的問題と
して扱うのが難しいテーマだったり、そうでない場合でも、字数に限りのあるレポートで
扱うテーマとしては不適当である可能性が高いといえます。
テーマ選びの最初で失敗してしまうと、レポートの作成がたいへん困難になってしまい
ますので、注意が必要です。
4.2 参考文献の多寡
参考文献の助けを借りずにレポートを作成することは可能でしょうか。決して不可能だ
とは言えませんが、自分の思ったことをただ並べただけでは、読む人を納得させることは
できません。かといって自分の考えすべてを、一から論理立てて説明するためには膨大な
字数が必要になるでしょう。レポートには字数制限があることが多く、あまりの大作を提
出するのは現実的ではありません。
自分が扱う問題を限りある字数の中で明示し考察するためには、参考文献を使いながら
コンパクトに説明することを考えるとよいでしょう。きちんと論証された研究成果や、論
理的に説明された概念を引用するなどして適切に利用すれば、自分の意見をすべて最初か
ら説明しなくても、読む人に十分納得してもらうことができます。ですので、参考文献や
先行研究のある程度多いテーマの方が、まとまりと説得力のあるレポートを書きやすいと
言えるでしょう。
参考文献が多い 論証や説明に使える道具が多い状態
→説得力は増すが、自分の意見は限定的になりやすい
参考文献が少ない 論証や説明に使える道具が尐ない状態
→大きい意見が言いやすいが、「思ったこと」を並べただけになりがちで、
説得力が少ない
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4.3 最初に読む資料を探してみよう
テーマをある程度決めたら、キーワードを変えながら検索を行い、自分のレポートに必
要そうな資料を挙げて仮の文献リストを作成してみましょう。まだまだ仮の段階なので、
良さそうなものがあったらどんどんメモする気持ちでリストを作成してみてください。
レポートで扱うテーマは、最終的には小さく絞り込んで執筆するのが理想ですが、最初
から小さいテーマで検索すると文献が見つかりにくいので注意してください。レポート作
成の最初の段階ではテーマを大きく全般的につかめる資料を読んで、それから具体的な問
題について考えていくのがよいでしょう。
まずはテーマをやや大きめにとって、最初の段階で読む資料を探してみてください。
例題 大相撲の八百長問題を扱いたいと考えていて、仮の参考資料リストを作りたい。
解答例
■OPACで「大相撲」または「相撲」をキーワードにして検索
・中島隆信.『大相撲の経済学』. 東洋経済新報社,2003.
・新田一郎.『相撲の歴史』. 山川出版社,1994. などがヒット
■新書マップ(http://shinshomap.info/search.php)
・中澤潔.『大相撲は死んだ』.宝島社,2011. などがヒット
画像をクリックすると Amazon.co.jp へ。
「商品の説明」など、資料を選ぶ参考に
なる情報が掲載されています。
新書の目次を見られます。
またキーワードが自動で表示さ
れるので、テーマに関連の深い
キーワードを知るにも便利。
ただしここでヒットしたものが
図書館にあるとは限らないので
注意が必要です。
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■新書マップで見つけたキーワード「スポーツ」「倫理」で OPACを再検索してみる。
・川谷茂樹.『スポーツ倫理学講義』.ナカニシヤ出版,2005. などがヒット
■CiNii Articles(「本文あり検索」が便利)で見つかる論文の参考文献からピックアップ
する 6。
・生沼芳弘. 相撲と家元―スポーツ文化と芸能文化. 「東海大紀要 体育学部」.
1977, Vol.7, p.112 など掲載
■Googleで「大相撲」「八百長」をキーワードにして検索
・設楽敦生.大相撲の「八百長」って何だ!?~Number創刊年に載ったコラムを
再発表!~. Number Web.<http://number.bunshun.jp/articles/-/86799>,
(参照 2011-11-30). などがヒット
論文の最後には必ず参考文献
一覧が掲載されています。
そこから芋づる式に論文をピ
ックアップすると手早く文献
を探すことができます。
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4.4 テーマの絞り込み方法
レポート執筆の段階では、扱う問題はできるだけ小さく、具体的に設定するとよいでし
ょう。問題が大きいほどたくさんの資料にあたらなくてはなりませんし、多角的な説明の
ために必要な文章量も多くなります。そうするとレポートに割ける時間と文章量では説得
力を持たせることが難しく、問いに対して十分な回答をすることができません。また、問
題を大きい規模で論じようとすると、論が最初から抽象化してしまい、現実感の伴わない
レポートになりがちです。思い切って対象を限定することで、自分の扱う問題点とその論
点をはっきりさせることができます。
■具体的な現象に限定して考えてみる。
大きなテーマから具体例を探す場合などは、百科事典を使ってみると便利です。
異常気象→猛暑、寒波、豪雨など
■社会の中のどの規模でとらえるのか、スケールを変えてみる。
世界規模、大陸規模、日本、東北地方、市町村、個人など
■1冊の図書を読み込む。
テーマについてまとめてある本を 1 冊探し、それを読み込む方法もあります。新書のよ
うな読みやすいもので十分なので、それを繰り返し読み、印象に残った点や疑問点を取り
上げるという方法です。予備知識のほとんどない段階からレポートの作成を始めるには、
おすすめの方法です。
洪水
砂漠化
冷夏
エルニーニョ
干ばつ
猛暑
暖冬
竜巻
集中豪雨
モンスーン
気候
砂漠地帯
都市型
ドナウ沿岸
アメリカ
局地的
梅雨前線
東海地方
台風
提示課題:地球温暖化による異常気象
テーマ①:地球温暖化による集中豪雨
テーマ②:地球温暖化による日本の集中豪雨
具体化
テーマを具体化すると、
どんな情報を集めれば
よいかわかってきますね。
日本
異常気象
具体化
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5 引用と参考文献
何を根拠にして意見を述べたり論証を行ったりしているか、というのはレポートの信用
性に大きく影響します。レポートを書く際に他の文献を引用・参照する場合は、ルールを
守り、参考文献として出典を正確に記載しましょう。
また、他人の文章を自分の意見と区別がつかない形で流用すること(いわゆるコピペ)
は剽窃ひょうせつ
にあたるもので、レポートや論文を作成する際には絶対に行ってはいけません。
5.1 引用が可能になる条件
図書や論文などの資料には著作権があるため、本来は内容を転載することはできません。
しかし次のような条件をすべて満たす場合には、資料からの引用を行うことができます。
5.2 引用・参照した文献の示し方
引用・参照した文献の示し方には、「著者名・発行年方式」と「引用順方式」がありま
す。今回は「引用順方式」の方法を紹介します。
・「著者名・発行年方式」…本文での引用箇所に著者名と発行年を記述し、参考
文献欄には著者名・発行年順に文献を記述する
・「引用順方式」…本文での引用箇所に引用順に番号を振り、参考文献欄にはそ
の番号順に参考文献を記述する
引用が可能になる条件
① 引用の必然性があること。
② 自分の文章が主で、引用が従であること。
③ 自分の文章と他人の文章を括弧でくくるなどして、区別すること。
④ 引用した著作物の出典を書くこと。
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5.3 引用文の例
(1)行中への引用
引用文が短い場合は、「 」を使って本文中に埋め込みます。
外国人力士は、単に外国人だから強いというわけではない。その点について中島隆信は次のこ
とを指摘している。「小錦、曙、武蔵丸のハワイ出身力士に共通することは、(中略)いずれも
ハイスクール時代にアメリカンフットボールやバスケットボールで鍛え、しかも選抜要員に選ばれるく
らいの名選手であったのだ 1」 。このことは、…
1 中島隆信.『大相撲の経済学』.東洋経済新報社,2003,p.62.
この問題は「唱和(ママ)50年代の終わり頃から表面化し、新聞等でも報道され始めた 1」といわ
れ 、このことは…
1 XXXX.『YYYY』.AAA出版社,2002,p.151.
引用文は、そのまま引用するのが大
原則ですが、やむを得ず一部分を省
略したい時は「(中略)」や「(・・・)」
などの記号を入れます。
出典に明らかな誤字・脱字等があってもその
まま引用するのが基本です。ただし、出典の
まま引用していることを示すために、横か上
に小さく「(ママ)」という記号を入れます。
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(2)かたまりでの引用
引用文が長い場合は、引用文の前後を 1行空け、さらに左側に 2~4文字分空白をとっ
て引用します。「 」は必要ありません。
(3)要約して引用
引用を行う時は、必要な部分のみを正確に行うというのが大原則です。引用箇所が 300
字を超えるような長さになってしまう場合は、本当にすべてを引用する必要があるのか
再考してみましょう。もし要約して引用する場合は、要約することで引用文献の著者の
主張を歪めたり、読み手に誤解を与えたりしないよう注意深く行なってください。
について、次の新聞記事を参照してみよう。
国技館が蔵前から両国に移った85年当時は千代の富士の全盛期で、90年代も
若乃花・貴乃花の兄弟フィーバーに沸き、90年初場所から97年夏場所初日まで
は、満員御礼が途切れない活況が続いた。しかし、景気悪化もあって98年ごろから
残券が増え、暴力問題で朝青龍が引退に追い込まれた2010年初場所後は、一
日平均で2000枚以上が売れ残った。さらに魁皇引退も集客にブレーキをかけ、相
撲茶屋(案内所)をまとめる国技館サービスでは、「お客さんからは『日本人に強い力
士がいない』と言われる。1
つまりここでは原因とされるのは、…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 「大相撲秋場所 国技館 連日の不入り 八百長、震災、不況…」,
『読売新聞』 2011年 9月 17日,東京夕刊,p.13.
引用箇所の左側を2~4文字下げる
(引用箇所の前後を 1行空ける)
(引用箇所の前後を 1行空ける)
朝日 1は、大相撲における八百長について、相撲のスポーツとしての側面を否定し、その存在意
義を揺るがす致命的な行為であると指摘している。
1 朝日のぼる.『YYYY』.AAA出版社,2002,p.151.
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5.4 参考文献の記述方法
参考文献情報は正確に書き記しましょう。書き方は、学問の分野によって多尐異なるこ
とがあるので、指定の書き方がある場合はそれに従います。特に指定のないレポートの場
合などは、下記の例のように記すと良いでしょう。この書き方は、論文に盛り込む内容や
参考文献の記述方法について基準を定めた『科学技術情報流通基準(SIST)』の一つである
SIST 027を参考にしています。
■注釈を使用する
引用を行った場合は、注釈をつけて出典を明示します。注釈には二つの形があります。
どちらを選択するかは、レポートを課されたときや論文の投稿規定に指定があればそれに
従います。
脚注:各ページにスペースをとる
文末脚注:レポートの最後に
まとめてスペースをとる
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--------------------------------- --------------------------------------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- ----2------------------------------------------------------- --------------------------------- ---------------------------------
(最終ページ)
1 宮本憲一.環境問題と現代社会:維持可能な発展と日本の経験.『環境と生態系の社会学』.岩波書店,1996,p.13-55. 2 原沢英夫. 顕在化しつつある温暖化影響とその予測.「資源環境対策」.1998, vol.34, no.5, p.448-454.
--------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --1------------------------------------------------------------- --------------------------------- ---------------------------------
――――――――― 1 宮本憲一.環境問題と現代社会:維持可能な発展と日本の経験.『環境と生態系の社会学』.岩波書店,1996,p.13-55.
------2------------------------------------------------------------------------------------------ --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- --------------------------------- ---------------------------------
――――――――― 2 原沢英夫. 顕在化しつつある温暖化影響とその予測.「資源環境対策」.1998, vol.34, no.5, p.448-454.
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参考文献リストの記述例
(1) 図書
著者名.書名.版表示.出版地,出版者,出版年,ページ数.
例) 阿部兼也.『魯迅の仙台時代』.改訂版.仙台,
東北大学出版会,1999, 383p.
通常、初版のときは版表示を記載しません。多くの場合、総ページ数や出版地は省略さ
れます。また複数の冊子全体を示す場合は、冊数を記載します。
図書の一部を参照した場合は、参考文献リストの例 2)のように章の見出しやページ範囲
を記載します。
(2) 雑誌論文
著者名.論文タイトル.雑誌名.出版年,巻数,号数,ページ.
例) 田中耕一. 構造解析のための MALDI-TOFMS.「島津評論」.
1997, vol.54, no.1, p.9-16.
通常、雑誌はその巻号全体ではなく、論文単位で記載されます。図書とは以下のような
点で区別できます。
・巻号数が付与されている
・出版者の記述がない
・開始ページ数が示されている
図書の一部を参照した場合との区別が難しいですが、巻号が明記され、出版者がないこ
とで判断できます。
1) 堂本暁子,岩槻邦男編.『温暖化に追われる生き物たち』.東京,築地書館,1997,421p.
2) 宮本憲一.環境問題と現代社会:維持可能な発展と日本の経験.『環境と生態系の社会学』.
岩波書店,1996,p.13-55.
3) 原沢英夫. 顕在化しつつある温暖化影響とその予測.「資源環境対策」.1998, vol.34, no.5,
p.448-454.
4) 独立行政法人国立環境研究所.地球温暖化と健康.
< http://www.nies.go.jp/impact/index.html >,(参照 2009-12-19).
著者名 書名 出版地 版表示
出版者 出版年 ページ数
著者名 論文タイトル
巻数 号数
雑誌名
ページ 出版年
ページ数を示す「p」は、○p.という形では
総ページ数、p.○という形では開始ペー
ジ数を意味します。
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(3) ウェブサイト
著者名.ウェブページの題名.サイト名.URL,参照日付.
例) 東北大学附属図書館. 東北大学生のための情報探索の基礎知識.
< http://www.library.tohoku.ac.jp/mylibrary/tutorial/>, (参照 2009-1-6).
ウェブサイトを引用する場合は、ウェブ上の住所を示す URL が明記されています。サ
イト名は、著者名と同じ場合は多くの場合省略されます。また、ウェブサイトは変更され
やすいため、厳密に記述する場合は、参照した日付がカッコで付記されます。
(4)新聞記事 8
例) 「大相撲秋場所 国技館 連日の不入り 八百長、震災、不況…」,『読売新聞』
2011年 9月 17日,東京夕刊, p.13.
新聞名のほかに、記事の見出しも明記します。記事の執筆者名が不明なときや、朝夕刊
の区別がない新聞の場合は、それらの項目は省略されます。
(5)辞書・百科事典の項目 9
例) 「相撲」. 新村出.『広辞苑』第 6版. 岩波書店,2008,p.1523.
項目の執筆者名が不明な場合は、省略可能です。また、図書と同様に出版地は省略され
ることが多いようです。
著者名 ウェブページの題名
URL 参照日付
執筆者名,記事名,新聞名 発行年月日,朝夕刊の別,ページ数.
記事名 新聞名 発行年月日 朝夕刊の別 ページ数
項目の執筆者名.「項目名」.事典の編者名.『事典名』版表示.出版地,出版者,
出版年,ページ数.
項目名 編者名 出版者 版表示 出版年 ページ数 事典名
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6 まとめ
レポートを書き上げたら、必ず全体を見直して内容や構成、参考文献の記載方法などを
チェックしましょう。そして提出前には、提出日・提出方法・文字数・枚数などの指示を
守っているか最終確認を忘れずに行いましょう。
[注釈]
1次に挙げる図書の中では、「問い」、「自分なりの主張」、「論証」と説明されている。泉忠
司.『90 分でコツがわかる!「論文&レポート」の書き方』.青春出版社,2009,p.23-24.
2高崎みどり編著.『大学生のための「論文」執筆の手引』.秀和システム,2010,p.50-53. 3 (酒井先生の授業スライドを参考に) 4 タイトルと序論については、次の図書を参考にした。酒井聡樹.『これからレポート・卒論を書く若者のために』.共立出版,2007,p.49-91. 5 画面例は次の論文から。松本由紀,今村浩明.大相撲社会に見られる文化の重層性.「千葉大学教育学部研究紀要.第 2 部」1993,vol.41,p.71-78. 6藤田節子.『レポート・論文作成のための引用・参考文献の書き方』.日外アソシエーツ,2009,p.129. 7科学技術振興機構.“SIST02 参照文献の書き方”.科学技術情報流通技術基準.
< http://sist-jst.jp/handbook/sist02_2007/main.htm>,(参照 2011-11-30). 8泉忠司.『90 分でコツがわかる!「論文&レポート」の書き方』.青春出版社,2009,p.221. 9前掲注 2 p.216-217.
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レポート作成 チェックリスト
■レポートの要件
□何らかの、学術的・社会的問題を扱っており、それに対する回答を示していること
↓ ↓
「問い」 「問い」に対する「自分の主張」と「主張に至る論証」
×自分の思いや考えをただ綴るものではない(ex.感想文、作文、随筆)
×自分が満足するためのものではない(↔読み手を満足させるためのもの)
×お役立ち情報ではない(ex.調べたことを書くだけ)
■学術的・社会的問題とは
□その解決に、学術的・社会的な意義がある
□多くの読者が興味・関心を持ってくれること
■レポートで書くべき事 ■レポートの形式
□扱う問題 □タイトル
□問題意識 →「問い」 □序論
□着眼点 □本論 →内容がわかりやすいよう
□論理展開 →主張に至る論証 □結論 小見出しをつける
□結論 →自分の主張 □参考文献リスト
■タイトルに入れるべき情報
□扱う問題
□着眼点
■序論で書くべき事
□何を前にして(前提となる事実、執筆動機)
□扱う問題(どういう問題に取り組むのか)
□問題意識(どうして取り組むのか)
□着眼点と着眼理由
□何をやるのか(取り組んだ問題を解決するためにやったこと)
~レポートとは何か~
~タイトル、序論の書き方~
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■説得力のある主張とは
□そう主張する理由(根拠)を述べている
□客観的な事実に基づいて理由を述べている
□理由は論理的である
□他の主張に比べ、その主張の方が確からしい
■文章の基本的な構成要素
□前もって説明しておきたいこと:前の章や段落にある時は不要
□扱う話題
□論の組み立て:回答を導く論理。「説明=回答」になる場合、論の組み立ては不要なことも
ある
□扱う話題に対する回答:説明がそのまま結論となる時もある(ex. 扱う話題が「体内時計
とは何か」だった場合、回答はその説明になる)
□回答を受けての補足:必要な時のみ書く
■文章全体としてわかりやすくするコツ
□無駄な情報を削る
□一つの章では一つの大きな話題、一つの段落では一つの話題のみ扱う
□何の話をするのかを前もって知らせる(見出しをつける、冒頭で扱う話題を明示する)
□読者が知らないであろうことは説明する
□重要なことから述べる
■わかりやすい文にする技術
□一つの文で一つのことだけを言う
□語と語との修飾関係を明確にする
■カギカッコなどを使って、自分の文章と引用文とを区別していますか
■引用した文章の出典を明示していますか
□レポートの形式を満たしていますか?
□レポートの形式を満たしていますか?
□字数制限を守っていますか?
□誤字脱字はありませんか?
□参考文献は正確に記載されていますか?
~説得力のある主張、わかりやすい文章とは~
提出前にもう一度チェックしましょう!
~引用について~