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新本店ビルへの移転に向け情報インフラを Surface をはじめとしたマイクロソフトの最新製品群で垂直統合ワーク スタイル変革により行員の人間力を高め、さらなる顧客満足向上を目指す

石川県金沢市に本店を置き、この地域のリーディング バンクとして重要な役割を果たしている株式会社北國銀行では、2014 年 11 月に予定されている新本店ビル移転に向け、情報インフラの刷新が進められています。その最大の目的は、ワーク スタイル変革によって仕事の効率化、営業力の向上を図り、これを顧客満足向上につなげることにあります。そしてその基盤として全面的に採用されたのが、マイクロソフトの製品群です。約 2,300 台に上る Surface Pro を行員に配布し、デスクトップを仮想化して配信することで、どこででも安全に業務が遂行できる環境を確立すると共に、Lync を活用することで、コミュニケーションのあり方も変革していく予定です。またシングル ベンダー化によってシステム全体がシンプルになり、開発や管理の簡素化も可能になると期待されています。

導入背景とねらい新本店ビルへの移転を機に情報インフラを刷新 行員の人間力向上を目指しワーク スタイル変革へ

顧客とのリレーションシップをいかにして深めていくかは、多くの企業にとって、業績を大きく左右する重要課題だといえます。社員が顧客と直接コンタクトを行う業種では、その重要性はさらに高くなると言えるでしょう。このような企業においては、顧客と接触する社員の質そのものが、企業の質として評価されることになります。「より多くのファンを作り出そう」という意識を社員一人ひとりが持ち、行動に移せる環境を整備しなければなりません。

このような取り組みを積極的に推進しているのが、株式会社 北國銀行 (以下、北國銀行 ) です。同行は石川県金沢市に本店を置く地方銀行であり、石川県を中心に全 106 店舗、400 を超える

ATM を展開。石川県や県内各自治体の指定金融機関にもなっており、地域のリーディング バンクとして重要な役割を果たしています。

行員の生産性を高めると共に、顧客とのリレーションシップも深めていくために、北國銀行が現在進めている施策の 1 つが、新本店ビルの建設です。1958 年に竣工した現本店は老朽化が進み、業務スペースも手狭となっていたため、生産性向上には限界がありました。新本店ではこの問題を解消するため、間仕切りを極力避けたレイアウトを採用。各種ホールや研修施設なども設け、地域貢献に配慮した開かれたビルになる予定です。すでに 2013 年 6 月に着工されており、北陸新幹線金沢開業前の 2014 年 11 月頃に完成する予定になっています。

これと並行して、情報インフラの刷新も進められています。そのための大きな布石として、2013

年 7 月末にマイクロソフト製品群の全面採用が決定されているのです。

その最大の目玉となっているのが、Surface Pro

の導入です。行員が使用するデスクトップを

Microsoft VDI で仮想化し、これを Surface Pro

に配信することで、どこででも安全に仕事ができる環境を整備することが目指されています。また、Lync Server や Exchange Server の活用に

ソリューション概要

○プロファイル株式会社北國銀行は、石川県金沢市に本店を置く地方銀行です。1943 年 12 月に加能合同銀行、加州銀行、能和銀行の 3 行が合併して誕生。石川県を中心に全 106 店舗、400 を超える ATM を展開し、石川県や県内各自治体の指定金融機関にもなっている、地域のリーディング バンクです。「豊かな明日へ、信頼の架け橋を~ふれあいの輪を拡げ、地域と共に豊かな未来を築きます~」の企業理念のもと、地域経済を支える重要な役割を担い続けています。(店舗数は 2013 年 11 月末日現在)

○導入ソフトウェアとサービス・ Microsoft® Surface™ Pro /

Microsoft® Surface™ Pro 2・ Microsoft® Windows® 8.1 Enterprise・ Microsoft® BitLocker® Administration and

Monitoring ・ Microsoft® Office Professional Plus 2013・ Microsoft® Windows Server® 2012 R2・ Microsoft® System Center 2012 R2・ Microsoft® Lync® Server 2013・ Microsoft® Exchange Server 2013

○パートナー企業日本電気株式会社

○メリット・ PC としてもタブレットとしても使える Surface

Pro を採用することで、PC とタブレットへの二重投資を回避し、ユーザーの利便性が向上

・ デスクトップを Microsoft® VDI で仮想化して配信することで、どこででも安全に業務ができる環境を確立でき、行員のワーク スタイルを変革

・ 情報インフラをマイクロソフト製品で統一することで、システム全体をシンプルにし、開発や管理の簡素化が可能

・ コミュニケーション基盤に Lync や Exchange を採用することで、行内のコミュニケーションがさらに円滑になり、チーム プレイによる顧客満足度向上を実現

○ユーザー コメント「PC としてもタブレットとしても使えるハイブリッド端末である Surface なら二重投資が解消され、行員にとっての使い勝手も向上します。また IT 基盤と端末をマイクロソフト製品で統一することで、開発や管理の簡素化も可能になります」

株式会社北國銀行代表取締役専務前田 純一 氏 株式会社北國銀行

株式会社北國銀行

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株式会社北國銀行

よって、コミュニケーションのあり方も変革し、システム管理も System

Center に統合していく予定です。

「以前のユーザー環境はデスクトップ PC が使われており、これに加えて

2年前から、約 1,100 台の Android タブレットが主に営業職の行員に対して配布されていました」と振り返るのは、株式会社北國銀行 システム部 システム企画課 管理グループ課長の清水 尚志 氏です。今後はこれらを Surface Pro へと統合。2014 年 8 月頃にはそのためのサーバー環境を整備し、2014 年 11 月までに本店行員全員に Surface Pro を配布する計画だと説明します。最終的に展開される Surface Pro は、約 2,300

台に上る予定です。

導入の経緯信頼できるベンダーとしてマイクロソフトを選択 ハイブリッド端末としての Surface Pro も高く評価

それではなぜ北國銀行は、情報インフラをマイクロソフトで "垂直統合 "

するという決断を下したのでしょうか。その理由を清水 氏は次のように語ります。

「以前の私はアンチ マイクロソフト派であり、これまでマイクロソフト以外の製品を数多く使用してきました。その中にはオープン ソースの製品も含まれています。その結果辿り着いたのが、企業が責任を持って社員に提供するのであれば、きちんとした会社の製品を選ぶべきだということです。特定ベンダーの製品導入には常に "ベンダー ロックイン" の問題がつきまといますが、実はどの製品を採用してもロックインは起こります。結局のところ製品選択というのは、どのベンダー、あるいはどのコンソーシアムにロックインされるのかを、選択することに他なりません。長期的な視野で最も信頼できるベンダーを選択することこそが、企業 IT にとって重要なのです」。

その一方で、「単一ベンダーに統合することで、ユーザー企業の負担が軽減されることも重要です」と指摘するのは、株式会社北國銀行 システム部 システム企画課 課長代理の丸金 正和 氏です。「例えば現在の

Android タブレットの環境は、他社の仮想化ソフトウェアを Android

と組み合わせた仮想デスクトップ環境であり、マルチベンダーで構成さ

れていました。その結果、問題発生時のベンダー間調整が厄介で、時間がかかるという経験をしています。すでに問題は全て解決していますが、短期間で問題を解決するにはシングル ベンダーにすべきだと痛感しました」。

北國銀行におけるこのような想いを実現する上での決定打となったのが、Surface Pro の法人向け販売開始だと言えるでしょう。「端末も含めて情報インフラをマイクロソフトに統一することで、システムをシンプルにでき、セキュリティも高まります」と、清水 氏。このようなメリットに加え、端末としての完成度も高く評価していると語ります。「Surface

Pro はタブレット端末でありながら、OS は Windows 8 を採用しており、キーボードも備えています。PC としてもタブレットとしても使えるハイブリッド型端末なので、これ 1 台でどこででも業務が行えるのです。これなら PC とタブレットという二重投資が解消され、行員にとっての使い勝手も向上します。画面もきれいなので、お客様に対する商品の訴求力も高まると考えています」。

また北國銀行では、システム導入に伴い Microsoft® Enterprise

Agreement (EA) のライセンス契約を締結しています。この EA 契約をフル活用し、価値を最大化する上でも、マイクロソフトへの統一は大きな意味を持っていると清水 氏は説明します。

「このような契約形態や Surface のリリース、仮想化技術の強化、コミュニケーション変革を可能にするサーバー製品群のラインアップなど、マイクロソフトの取り組みは私どもが目指す方向性と合致しています。だからこそ当行の経営陣も、会社全体の情報インフラをマイクロソフトに賭けるという決断を下したのだと考えています」 (清水 氏 )。

導入効果どこででも安全に仕事ができる環境へ Lync による IP 電話への移行で PBX もリプレース

マイクロソフト製品群の全面採用によって、行員の IT 環境とワークスタイルは、次のように変わっていくと考えられています。

まずユーザーのデスクトップは、Microsoft VDI によって仮想化され、Surface Pro に配信されます。ユーザーはこの仮想デスクトップ上で各種業務アプリケーションや Microsoft Office を使用し、どこででも業務を遂行できます。ユーザー データは端末側に残らないため、端末の紛失や盗難で情報が漏えいする心配はありません。端末側に必要な各種設定ファイル等は、BitLocker Administration and Monitoring によって暗号化されます。Surface からキーボードを外して、タブレットとして持ち歩くことも可能です。また行内で業務を行う場合には、外部ディスプレイに接続してマルチモニター構成にすることで、業務効率を高めることもできます。

社外からアクセスする場合には、キャリア回線を介し、Windows

Server 2012 DirectAccess にアクセスします。DirectAccess は VPN に

株式会社北國銀行システム部 システム企画課管理グループ課長清水 尚志 氏

株式会社北國銀行システム部 システム企画課課長代理丸金 正和 氏

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株式会社北國銀行

代わる、接続性や安全性に優れたリモート アクセス手段を提供する機能です。ユーザーは社内 LAN へのアクセスか、社外からのリモート アクセスかを、まったく意識する必要はありません。DirectAccess クライアントがネットワーク環境を自動的に識別し、最適な接続方式を選択するからです。また USB メモリに格納された Windows To Go によって、自宅の PC から DirectAccess にアクセスし、社内の環境を利用することも可能です。これは緊急対応が必要なケースでの利用を想定しています。

メールやスケジュール管理は Exchange Server で行うことができ、Lync

Server のプレゼンス機能や Web 会議、インスタント メッセージ (IM)

も利用可能です。ユーザー管理やセキュリティ ポリシー管理は Active

Directory で集中的に行われ、システム管理は System Center に統合されます。

Lync Server の導入に伴い、電話も IP 電話へと移行する計画です。これによって通話料金が 20% 削減できると試算されています。現在は、PBX

が設置できず内線化されていない拠点では公衆網を使って通話を行っていますが、Lync による電話の IP 化によって、社内で公衆網を使う必要がなくなるからです。また電話の IP 化に伴い、既存の電話システムで使用されている PBX はリプレースされます。この PBX のメンテナンス コストを含めれば、電話関連のコスト削減効果はさらに大きくなると見込まれています。

IT 基盤のコストも削減されます。まず、これまで PC と Android タブレッ

トで構成されていたクライアントを Surface Pro に統合することで端末数が減り、これによって端末の維持コストが低減します。また仮想化ソフトウェアも、従来は他社製品を使用していたためそのライセンスコストがかかっていましたが、Hyper-V® や Microsoft VDI へと移行すればこれも不要になります。さらに System Center によって管理を統合すれば、IT 部門の負担も軽減します。これも長期的なコスト削減に繋がるはずです。

しかし、今回の情報インフラ統合で注目すべきなのは、あくまでもワークスタイルの変革と、それに伴う生産性向上だといえるでしょう。「どこででも業務ができれば、これまで以上に時間をうまく使えるようになるはずです」と清水 氏。これによって仕事の密度が高まり、人間力を高めるための活動も行いやすくなると説明します。また全行員が Surface

Pro を持ち歩くことで、ペーパーレス化も推進できます。現在はミーティングの際に紙資料を配布していますが、これも不要になります。「ミーティング メモも、Office に含まれる Microsoft® OneNote® で取ることで、紙を使わずに残せます。1 つの文書を共有して、ミーティングの中で同時に編集することも可能です」。

Lync Server と Exchange Server によって、コミュニケーションのあり方が大きく変わることにも期待が寄せられています。「相手と連絡を取りたい場合には、まず Lync のプレゼンス機能で相手の状況を確認してから、IP 電話をかけるのか、IM で連絡を取るのか、あるいは Web 会議で会話をするのかを選択できます」と言うのは丸金 氏です。「これを一度体験すれば元には戻れません。出張も減らせるはずです」。

システム構成図

銀行内でのみ業務を行うユーザー 外出先でも業務を行うユーザー・マルチ モニターの活用 ・タブレット + キーボード、

 マウスで社内業務を実施

銀行内 LAN

運用管理

サーバー

インターネット

キャリア回線

SystemCenter

ActiveDirectory

Exchangeサーバー

MBAMサーバー

Direct Access による社内へのアクセス

Lyncサーバー

System Center仮想環境

仮想化ホスト (VDI)

1 つのタブレットを銀行内、銀行外で利用

Surface

Direct Accessサーバー

自宅

外出先

・自宅 PC で会社の PC として利用 (Windows To Go)・社内デスクトップの利用 (VDI)

・タブレットによる社外対応・社内デスクトップの利用 (VDI)・PC ローカル ハードディスクは、 「BitLocker」により暗号化

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株式会社北國銀行

導入についてのお問い合わせ本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2014 年 2 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*Microsoft、Active Directory、BitLocker、OneNote、Hyper-V、Lync、Windows、Windows Server は、米国 Microsoft Corporation および、またはその関連会社の商標です。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。

〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー

今後の展望最新の装備によって営業スタイルも変革 Surface Pro そのものが北國銀行の支店に

ワークスタイル変革で改善されるのは、個人の生産性だけではありません。実は銀行全体の営業力強化にも、大きな貢献を果たすと期待されています。

「お客様の満足度を高めるにはニーズに的確に対応する必要がありますが、最近では仕事が専門化しているため、1 人で対応することは困難です」と清水 氏。例えば渉外活動中に企業の合併 (M&A) の案件があった場合、現在では本部の専門家を同行して客先を再訪問する必要があるのだと説明します。しかし客先に Surface Pro を持参すれば、その場で専門家を Lync の Web 会議で呼び出すことができます。特定分野の専門家は銀行に居ながらにして専門知識を提供できるため、より多くのニーズに応えることが可能になります。

もちろん営業担当者が多様な場所で業務を遂行できれば、訪問できる客先を増やしたり、1 件当たりの時間を長く取ることで、より密度の高い客先訪問にすることもできるはずです。

さらに清水 氏は、「銀行業務の基本は、人と会い、人と話をすることにあります」とも語ります。そのために北國銀行では、全ての顧客を必ず訪問するという "全先訪問 " を義務づけていますが、Surface Pro はこれを容易にする、究極の端末だと言います。「Surface Pro を持ち歩いていれば、営業担当者のいるその場所が、北國銀行の支店になります。最先端の装備で最新の営業を行うことで、異次元のサービスが可能になると期待しています」。

また、Windows Server 上にストリーミング サーバーを立て、行員研修や商品説明といったコンテンツを Surface に配信することも視野に入っています。現在は行員研修の一部の映像をダウンロード可能にしていますが、ストリーミングにすることでセキュリティが高まり、どこででも教育を受けることが可能になると期待されています。

情報インフラにおけるベンダーの選択は、単なる製品選択ではなく、企業活動の生命線を誰に預け、どのような未来を選択するのかを意味します。北國銀行はマイクロソフトを選択することで、未来の可能性をさらに拡大しているのです。

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