平成27年度 多良山系レスキューネットワーク協議会
長崎県山岳連盟 山岳レスキュー研究会
1.簡易搬送法
2.ロープワークとその活用
3.簡易ハーネスの作り方
4.ロープ等を利用した引き上げ法の構築
長崎県山岳連盟山岳レスキュー研究会
(表紙共 14枚)
合同訓練テキスト
1.簡易搬送法 ① ザックとストックを利用した背負い搬送
② 補助ロープ(7mm×50m)を利用した背負い搬送
ⓐ中ループで背負う法
※岩場など足場の悪いところや、急斜面などでは使用しないこと。
なだらかなハイキングコースなどで、使用するのに適している。
(1/13)
ザックを空にしてショ
ルダーベルトを長くす
る。下部を1回巻いて
輪を作る(A)
(A)の部分の輪にス
トックを通す 悪い例
ストックを入れる輪が
下がっていると腰に当
たって痛い
ストックに足の腿を乗
せるようにして腰かけ
させる
中ループを作る
背負ったところ。
正面から見た図
背負ったところ。
横から見た図
結び目をお尻の下に
して、ケガ人をルー
プにのせる
ⓑ小ループで背負う法
(2/13)
ループしたロープを右足、左足と2つに分ける 足を輪に入れる
背負ったときの結び目の位置
正しい
結び目が上にある
悪い
結び目が下にある
意識がないと、後ろに引っ張られ
ることがある
胸の位置で、片方のループにガースヒッチでスリングを結び、両方
のループに巻きつける。末端のスリングの輪を片手でつかむ
但し、両手を使う必要がある場合はスリングで固定する事。
④ 簡易担架の作り方
ⓐストックと長袖2枚の活用法
(4/13)
長袖のジャケット
を2着用意する
ジャケットのファ
スナーを締め、袖
とフードを裏返し
て内側に入れる
ジャケットを並べ、
腕にストックを通す
2. ロープワークとその活用 ① フィギュアエイト・オン・ア・バイト
ロープを支点に結基本的な結び方で、非常に用途が広い。
② フィギュアエイト・フォロースル―
(6/13)
ロープの途中にフィギュアエイト・ノ
ットを結び、結びつける物体にロープ
をまわす
ロープの先端
を二重にする
輪を前に持
ってくる
輪を一回ロープ
に巻いて、矢印
のように輪に入
れる
上の輪と下の2
本を引いて、結
び目を締める
矢印の外側のロ
ープをずらし
て、結び目をき
れいにそろえる
フィギュアエイト・ノットの結び目を逆
からなぞるようにしてロープの末端を
通していく
結び目に沿って忠実にロープを通していく
末端は充分に余らせること、結び目を締めて完成
(ロープの直径の10倍が理想)
③ インラインフィギュアエイト・ノット
固定ロープにコブをつくりそれを手がかりに登下降。
④ ボーライン・ノット
※ボーライン・ノットの末端処理
(7/13)
ロープの途
中に輪を作
って元の部
分の下に通
す
矢印のようにして輪の
なかから引き出す 荷重は常に下方向にか
かるように
結び目をくっつけて締める。ダブルフィ
ッシャーマンズ・ノットの結び目は X の
形になる
⑤ クローブヒッチ
クライミングで支点にセルフビレイをとるときは、クローブ・ヒッチを用いることが
多い。
⑥ ムンター・ヒッチ
悪場での確保や懸垂下降に使用。
(8/13)
ロープを持ったまま、右手を返す
輪ができる 輪を左手に入れる
矢印の方向に安全環付
カラビナをかける
このような形になった
ら左手を抜き、カラビ
ナを逆にする
確保するときの形、左側のロープが
登ってくる人につながっていて、確
保する人は右側のロープを引きな
がら確保する
登ってくる人がスリップして荷重
が掛かると、結び目が反転する。確
保する人は、右手のロープを握って
いる手を離してはならない
ロープをカラビナにかける
ロープの一部をひねってカラビナに
かける
結び目を締める
⑦ フリクションノット
ⓐプルージック・ノット
ⓑオートブロック・ノット
ⓒバックマン・ノット
(9/13)
結び目をきれいに整え
ながら矢印方向に引っ
張って締める カラビナなどを
かけたときにじ
ゃまにならない
よう、スリングの
結び目がずれる
ように結ぶのが
コツ
スリングをロープに
巻きつける
スリングを図のよう
に上から下に向かっ
て巻きつけていく
両端の輪にカラビナを
かけてとめる
スリングをセットしたカ
ラビナの長軸をロープに
合わせ、カラビナとロープ
をいっしょに巻きつけて
いく
下方向に荷重がか
かるとロックされ
る、スリングの結
び目がずれるよう
に結ぶこと
ⓓクレイムヘイスト・ノット
3.簡易ハーネスの作り方 120cmのテープスリングを使用しロープと体を結ぶ方法
①リング・ベンド
(10/13)
末端を上の輪の中に通
し、下に引っ張って締
める。スリングの結び
目が真下にこないよう
に結ぶこと
スリングをロー
プにセットし
て、上から下に
向かって巻きつ
けていく
テープの片方をオ
ーバーハンド・ノ
ットで結ぶ
もう片方をオーバー
ハンド・ノットの結
び目に逆から通して
いく
リング・ベ
ン ド の 完
成、端末は
長めにとる
指でよく押さえて結び
目に山型、谷型をつく
り、しっかり締める
120cmのスリン
グを持つ
上下に引いて交差部を締め、さ
らに矢印のように輪の中に通
す
安全環付カラビナをかける
右側のスリングは右肩に通し、
左側のスリングは左腕の脇の下
にまわして体の前で交差させる
スリングを地面に置く
内側の輪を交差させる 二重にする
交差させた輪にそれぞれ
足を入れる
腰まで上げる 3本をカラビナにかける
②チェストハーネス
③シットハーネス
(11/13)
右手で持っているほう
のスリングを矢印のよ
うに通す
結び目をぎゅっと締め
る
4.ロープ等を利用した引き上げの構築
① 引き上げシステム 2:1
※1本の立木を利用して、上下2ヶ所にスリングをセットする。
下部はロープを固定し、上部はカラビナをロープにかけて、巻
付け結びをしてバックアップを取る
(12/13)