天気予報のしくみ~気象観測から数値シミュレーションまで~
ラインナップ
1. 天気予報ができるまでのしくみ
2. 天気予報を支える気象観測
3. 数値シミュレーションの世界
1.天気予報ができるまで
観天望気から
古代:雲や大気の諸現象を見て、天気予報を行う。1643年:Toricelliによる気圧の関係を発見1660年:Guericke気圧によって暴風雨を予想1820年:Grandesにより天気図作成
1833年:電信機発明1854年:暴風雨により艦隊沈没
1856年:フランスが暴風雨警報業務開始1922年:リチャードソンの数値予報失敗
1955年:米国気象局は数値予報を実用化1959年:日本の気象庁でも数値予報を導入
今日の天気予報ができるまで
全体のながれ:5つのプロセス
第1過程:観測
現在の気象状況を測る
第2過程:解析世界中から観測データを集める
WMO指定の高層観測地点
第2過程:解析
解析
現在の気象状況を集めて、グリットデータを作成
5/12/21:00 現在の天気図
計算初期値(グリッドデータ)
第3過程:数値予報数値シミュレーションによる将来予測
現在(グリッドデータ)
気象解析中枢電子計算機
(NAPS: Numerical Analysis and
Prediction System)
24時間後の計算結果
(グリッドデータ)
5/12/21:00 5/13/21:00
数値シミュレーション結果
5/12/21:00 現在の天気図 5/13/21:00 24時間後の数値予報値
第4過程:応用未来の天気図作成 台風のアンサンブル予報
3次元構造の解析
第5過程:予報
気象官・気象予報士による予報・警報発令
気象庁
気象管区
地方気象台
民間気象会社
気象予報士
データ配信
マスコミ
天気予報
2.天気予報を支える気象観測
地上気象観測
気象台・測候所*70
特別観測所*90
アメダス*850
神奈川では
横浜地方気象台
レーウィンゾンデ観測
観測機器と観測データを地上に送信するための装置を風船で飛揚させ,高度約30kmまでの気温,気圧,湿度,風向・風速を観測し、上空の大気の状態を知るためする。
高層観測結果
気象レーダー配置図
気象レーダ
• 気象レーダーは、アンテナから電波を発射し、広範囲内に存在する雨や雪を観測するものです。
ウインドプロファイラー• ウインドプロファイラーは、アンテナから電波を発射し、大気中の粒子の流れから上層の風の観測を観測するものです。
気象衛星
静止軌道衛星
赤道上空約3万6千kmを地球の自転と同じ回転速度で回り、常時
同じ地域を観測する静止気象衛星
極軌道気象衛星
赤道をほぼ直角に横切り両極を通る軌道で地球を回って観測を
行っている極軌道気象衛星
ひまわり7号
地球で反射された太陽光を写す「可視画像」
雲から放出される人の目に見えない赤外線を捉える「赤外画像」
「水蒸気画像」
気象衛星観測の生データ可視画像 赤外画像
水蒸気画像
対流圏中・上層の水蒸気の分布を表す=雲がなくても白い
雲が厚いほど白い 雲の雲頂高度が高いほど白い