319 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
5.マ
テリ
アル
フロ
ー
マグ
ネシ
ウム
のマ
テリ
アル
フロ
ー(2013
)
22,0
02
t需
要量
18,
800
t
需要
量3,
950
t
需要
量2,
340
t
4,5
70
t
8t
需要
量1,
800
t
需要
量60
t
需要
量620
t
需要
量5,
800
t
輸入
量5,5
44
t
輸出
量29
5t
需要
量760
t
需要
量300
t
232
t需
要量
70
t
390
t
需要
量1,
030
t
純分
換算
率:マ
グネ
シウ
ム合
金90%
、そ
の他
100%
その
他自
動車
用ホ
イー
ル等
の鋳
造部
品
中央
工産
中央
工産
山石
金属
-
関東
金属
主要
生産
企業
小野
田商
店
日本
金属
日本
マテ
リア
ル
小野
田森
村
マグネ
シウ
ム
戸畑
製作
所-
国内
生産
量主要
生産
企業 中
央工
産日
本金
属
マグ
ネシ
ウム
くず
鋳物
製品
航空
機部
品輸
入量
輸出
量
射出
成型
品ノ
ート
PC
・携
帯電
話・家
電
製品
・電
動工
具等
の筐
体再
利用
塊
-
展伸
材
鞄・ケ
ース
部品
など
非鉄
金属
精錬
添加
剤チ
タン
、ジ
ルコ
ニウ
ム
粉末
・そ
の他
鉄鋼
構造
用防
食ア
ノー
ド
マグ
ネシ
ウム
合金
地金
ダイ
カス
ト製
品
自動
車部
品国
内生
産量
-
鉄鋼
脱硫
剤鉄
鋼材
料
マグ
ネシ
ウム
粉鋳
鉄添
加剤
ノジ
ュラ
ー鋳
鉄国
内生
産量
-
輸入
量
輸出
量化
学・触
媒化
学・触
媒主
要生
産企
業
原料
素材
製品
・主
要用
途
ドロ
マイ
ト鉱
石等
純マ
グネ
シウ
ムア
ルミ
合金
添加
剤ア
ルミ
ニウ
ム合
金材
料輸
入量
輸
出入
のみ
国内
生産
あり
製造
フロ
ー
(国
内製
造あ
り)
リサ
イク
ルの
フロ
ー直
接の
輸出
入な
し製
造フ
ロー
(国
内製
造な
し)
1.需給動向
1-1.世界の需給動向
ケイ素(シリコン)は酸素に次いで2番目に多い元素で、資源量・埋蔵量は非常に多い。ケイ素はその多くが
酸化物(SiO2)の形で存在し、古くから研磨剤や耐火材、ガラスの原料として使用されてきた。また、鋼材の添
加剤としても使用される。製鉄の工程では電気炉において鉄1tあたり約4㎏前後のケイ素が添加される。ケイ
素合金として製鉄の脱酸素剤にも用いられるほか、ケイ素を混ぜた鋼板(ケイ素鋼板)は、うず電流による損
失が少なくなるため変圧器などに使われている。また、鉛レス黄銅にも添加される。
現在では、金属シリコン(単体金属)としての需要が多い。この金属シリコンは半導体、電子部品、太陽電池
部材、シリコーン、アルミニウム添加剤、機械部品などの用途で幅広く使用されている。これらの金属シリコン
の原料となる珪石には、カルシウムやアルミニウムなどの不純物の少ないものが求められており、限られた
地域でのみ採掘されている。
珪石からの金属シリコン製錬は電気炉で行うため大量の電力を使用し、発生する不純物の処理なども必要
である。日本はエネルギーコストや環境コストが高く、珪石から製錬するよりも金属シリコン(純度4N以下)や
フェロシリコン(以下FeSi)などの加工素材として輸入する方がコスト的に有利であり、供給は全て輸入に頼っ
ている。
世界のシリコン(FeSi・金属シリコン(純度4N以下))生産量を表1-1、図1-1に示す。2013年は前年比ほぼ横
ばいの7,700千tであった。主要生産国は、中国、ロシア、米国、ブラジルなどであるが、トップの中国が全体の
66%、2位のロシアは9%と、中国への集中が進んでいる。国別の生産量増減の状況を見ると、主要国の中で
は中国とブラジルが前年比微増、ロシアと米国が前年比微減であり、特に大きな変化はない。ただ、生産量5
位のノルウェーが2012年比で52%と半減近い減少率を示している。
トップの中国ではエネルギーコスト、環境コストの低さやスケールメリットを武器とした価格競争力を打ち出
しており、2位以下の国では価格競争力が低くなり中国に売り負けた結果、シリコン市場でのシェアが低下す
るケースもある。ノルウェーの生産量激減の背景には業界再編の他に中国との価格競争も影響しているもの
と考えられる。
シリコンの原料である珪石の鉱山資源は現時点で十分な埋蔵量があり、当面は資源枯渇の問題は発生しな
いものと考えられる。
表 1-1 世界のシリコン(FeSi・低純度金属シリコン(4N 以下))生産量
単位:純分千t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 2,490 2,360 2,900 3,300 4,000 4,310 4,920 4,780 5,050 5,100 101% 66%ロシア 513 526 541 635 605 537 643 647 733 700 95% 9%米国 275 270 146 155 164 139 176 326 383 360 94% 5%ブラジル 225 226 226 265 259 224 224 225 225 230 102% 3%ノルウェー 298 278 150 221 235 301 303 297 339 175 52% 2%フランス 139 139 124 164 112 66 127 164 174 170 98% 2%南ア 149 131 144 149 154 116 137 142 132 130 98% 2%アイスランド 78 78 74 74 73 81 74 78 75 80 107% 1%ウクライナ 161 161 84 109 99 98 127 98 78 78 100% 1%インド 36 36 38 39 40 59 66 68 70 70 100% 1%ブータン - - - - - - - 61 61 61 100% 1%ベネズエラ 60 60 60 61 61 54 50 46 53 60 113% 1%カナダ 66 66 66 66 72 53 52 50 55 35 64% 0%スペイン 55 55 55 78 - - - - - - - -カザフスタン 67 68 68 68 - - - - - - - -マケドニア - - - 39 - - - - - - - -その他 255 289 297 180 288 266 394 383 349 430 123% 6%
合計 4,900 4,720 4,970 5,590 6,160 6,310 7,290 7,370 7,770 7,700 99% 100%
出典:United States Geological Survey「Mineral Commodity Summaries SILICON」 World Production
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 319 2015/03/18 13:32:15
320鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
0
800
1,600
2,400
3,200
4,000
4,800
5,600
6,400
7,200
8,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分千t) その他
フランス
ノルウェー
ブラジル
米国
ロシア
中国
図 1-1 世界のシリコン(FeSi・低純度金属シリコン(4N 以下))生産量
1-2.国内の需給動向
ケイ素の国内需給を表 1-2 に示す。2013 年の国内供給量は前年比 97%の 673,051t、需要量は前年比
114%の 84,094t であった。
国内で消費されるケイ素は、合金鉄、炭化ケイ素など一部の例を除き、ほとんどが鉱石ではなく加工された
素材(金属シリコン、シリカ、フェロシリコンシリコマンガンなど)の形で輸入されている。特に、半導体やシリコ
ーン、アルミ添加剤に用いられる金属シリコン(低純度、4N 以下)は、その全量が海外から輸入されたもので
ある。
金属シリコンは、カーボン電極を使用したアーク炉を用いて二酸化ケイ素を還元し得られるケイ素の単体で、
国内に持ち込まれた金属シリコンの大半は、まず多結晶シリコン(純度 99.99%)に加工され、その後単結晶シ
リコン(または多結晶シリコン)のインゴットとなり、半導体及び太陽電池用のシリコンウエハの製造に用いら
れる。なかでも半導体用シリコンウエハは高純度であることが求められているため、その原料になる多結晶
シリコンは主に純度約11N と高純度のものが使われている。
新金属協会によると 2013 年の多結晶シリコンの国内生産量は 8,000t、単結晶シリコンの国内生産量は
6,538t であった。これらは半導体用のシリコンウエハ(製品)になるが、このシリコンウエハはその製品形態や
使われ方からウエハになった段階で重量ではなく数量(面積)で集計されている。そのため、ウエハの生産量
に対して重量ベースでどのくらいのケイ素が使用されているかを算出することは極めて難しい。
金属シリコンは半導体・太陽電池部材に用いられる高純度金属シリコンと、化学品・アルミ添加剤などに用
いられる低純度金属シリコンに分類される。高純度シリコンには、多結晶シリコンと単結晶シリコンがあり、多
結晶シリコンは、主に、低純度金属シリコンと塩素を反応させトリクロロシラン(ガス化)とし、これを蒸留して高
純化する製法で生産されている。単結晶シリコンは、高純度の多結晶シリコンを原料として FZ(フローティング
ゾーン)法などのゾーンメルティングや CZ(チョクラルスキー)法などの単結晶成長法によって製造され、主に
集積回路などの半導体素子の材料として用いられる。現在は半導体の高集積化により、更に高純度化が進ん
でいる。
一方、太陽電池用には 6N~9N 程度の多結晶シリコンが使用されている。日本ではソーラーグレードシリコ
ンとして主に 9N のものを推奨している。このソーラーグレードシリコンの市場規模は太陽電池の補助金制度
やメガソーラ発電システムへの投資が進み、数年前から需要が増加している。しかし、近年では中国や韓国
などから安価なシリコンが多量に供給されるようになり、国内外で国産多結晶シリコンの価格競争力が失われ、
その生産量も減少傾向にある。
金属シリコン(低純度)はアルミニウム合金を製造する時の添加剤としても使用されている。ケイ素は鋳造
性と流動性を良くすることから特に鋳造用やダイカスト用のアルミニウム合金の製造に用いられている。国内
のアルミニウム合金用として使われる金属シリコン(低純度)は主に中国から輸入されるものが多い。
一方、鋼材や鋳物製品用途で消費されるケイ素は、珪石の状態でFeSiやシリコマンガンの製造に使われて
いる。FeSiは15%~90%のシリコンを含む鉄合金で、高い比率の鉄ケイ化物(FeSi2)を含んでいるため、ケイ
素は溶融した鉄からの炭素損失を防止するための脱酸材として鉄鋼、ステンレス鋼、その他の合金鋼の製鉄
に使われている。現在では国内で使用される FeSi は全量が海外から輸入されたものである。
シリコマンガンはマンガンとケイ素を含んだ合金である。主にマンガン成分が多く、ケイ素の含有率が 10~
20%程度のものが一般的とされている。日本では JIS1 号(マンガン:65%以上、ケイ素:15%前後)や JIS3 号
(マンガン:60%以上、ケイ素 15%前後)の鉄鋼を製造する際の脱酸素材用途として用いられている。2013 年、
国内の FeSi 需要量は前年比107%の 23,819t で、シリコマンガン需要は前年比91%の 7,493t であった。
表 1-2 ケイ素の国内需給
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比
824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
金属シリコン※ - - - - - - - - - -
FeSi2) 25,658 26,084 26,571 23,095 24,185 15,894 22,480 21,909 22,181 23,819 107%
シリコマンガン2) 4,709 5,314 5,274 5,243 5,972 5,808 7,317 8,544 8,227 7,493 91%
炭化ケイ素※ - - - - - - - - - - -
小計 30,367 31,397 31,845 28,338 30,157 21,702 29,796 30,453 30,408 31,313 103%
37,267 37,822 40,175 46,778 47,724 42,184 55,454 52,963 43,659 52,782 121%
67,634 69,219 72,020 75,116 77,881 63,886 85,251 83,416 74,067 84,094 114%
756,404 680,213 741,614 783,327 831,179 431,062 738,646 718,328 619,019 588,956 95%
出典:1)財務省貿易統計(暦年)、2)経済産業省鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計
純分換算率:金属シリコン100%、FeSi75%、シリコマンガン15%、炭化ケイ素80%
※内需には、上記の表に示されたFeSiやシリコマンガンなど鉄鋼向けの合金鉄需要以外にも、金属シリコンとしての半導体・太陽電池、樹脂、アルミ添加剤としての需要と、炭化ケイ素としての耐火・研削剤としての需要がある。しかし、金属シリコン及び炭化ケイ素における国内需要に関しては公式的な統計がないため、上記の内需にはその分が計上されていない。
供給-需要
合計
輸出1)
合計
供給
輸入1)
内需需
要
2.輸出入動向
2-1.輸出入動向
ケイ素の輸出入数量を表2-1、図 2-1、図2-2 に示す。2013 年の輸入量は前年比97%の 673,051t、輸出量
は前年比121%の 52,782t であった。
輸入は単結晶シリコンが前年比 148%、シリコマンガンが前年比 114%と大幅な伸びを示したが、多結晶シ
リコンが前年比 90%、低純度シリコンが前年比 93%とマイナスとなり、全体では前年比微減で推移した。輸出
ではシリカ(二酸化ケイ素)が前年比 86%、炭化ケイ素が前年比 82%と下げ幅が大きかったものの、単結晶
シリコンが前年比 118%と成長した他、低純度シリコンが国内大手メーカーの海外工場立ち上げに伴って前年
比 10 倍以上の伸びを示し、全体量も増加する結果となった。
国内に輸入されるケイ素素材は、シリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(多結晶、単結晶など)、合金鉄系シ
リコン(FeSi、シリコマンガン)、炭化ケイ素などに大別できる。
2013 年の輸出入量の変動が最も激しかったのが金属シリコンの輸出量であり、前年比 196%と倍増近い伸
びを示した。金属シリコンには 4N 以上の高純度シリコン、4N 以下の低純度シリコンがあるが、輸出が急増し
たのは低純度シリコンで、2012 年には 753t であったのが 2013 年には 11,490 まで拡大している。これは国内
大手メーカーがマレーシアに建設した工場向けに、原料となる低純度シリコンを日本から輸出したためである。
2013 年の低純度シリコンの輸入量は前年比93%の 169,925t であった。
金属シリコンの中でも高純度シリコンについては、2013 年の輸入量は前年比 98%の 20,614t、輸出量は前
年比 118%の 15,024t となった。高純度シリコンには多結晶シリコンと単結晶シリコンがあるが、輸出に関して
は、財務省貿易統計上ではこれらは区別されていない。新金属協会によると 2013 年の多結晶シリコンの輸入
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 320 2015/03/18 13:32:15
321 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
0
800
1,600
2,400
3,200
4,000
4,800
5,600
6,400
7,200
8,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分千t) その他
フランス
ノルウェー
ブラジル
米国
ロシア
中国
図 1-1 世界のシリコン(FeSi・低純度金属シリコン(4N 以下))生産量
1-2.国内の需給動向
ケイ素の国内需給を表 1-2 に示す。2013 年の国内供給量は前年比 97%の 673,051t、需要量は前年比
114%の 84,094t であった。
国内で消費されるケイ素は、合金鉄、炭化ケイ素など一部の例を除き、ほとんどが鉱石ではなく加工された
素材(金属シリコン、シリカ、フェロシリコンシリコマンガンなど)の形で輸入されている。特に、半導体やシリコ
ーン、アルミ添加剤に用いられる金属シリコン(低純度、4N 以下)は、その全量が海外から輸入されたもので
ある。
金属シリコンは、カーボン電極を使用したアーク炉を用いて二酸化ケイ素を還元し得られるケイ素の単体で、
国内に持ち込まれた金属シリコンの大半は、まず多結晶シリコン(純度 99.99%)に加工され、その後単結晶シ
リコン(または多結晶シリコン)のインゴットとなり、半導体及び太陽電池用のシリコンウエハの製造に用いら
れる。なかでも半導体用シリコンウエハは高純度であることが求められているため、その原料になる多結晶
シリコンは主に純度約11N と高純度のものが使われている。
新金属協会によると 2013 年の多結晶シリコンの国内生産量は 8,000t、単結晶シリコンの国内生産量は
6,538t であった。これらは半導体用のシリコンウエハ(製品)になるが、このシリコンウエハはその製品形態や
使われ方からウエハになった段階で重量ではなく数量(面積)で集計されている。そのため、ウエハの生産量
に対して重量ベースでどのくらいのケイ素が使用されているかを算出することは極めて難しい。
金属シリコンは半導体・太陽電池部材に用いられる高純度金属シリコンと、化学品・アルミ添加剤などに用
いられる低純度金属シリコンに分類される。高純度シリコンには、多結晶シリコンと単結晶シリコンがあり、多
結晶シリコンは、主に、低純度金属シリコンと塩素を反応させトリクロロシラン(ガス化)とし、これを蒸留して高
純化する製法で生産されている。単結晶シリコンは、高純度の多結晶シリコンを原料として FZ(フローティング
ゾーン)法などのゾーンメルティングや CZ(チョクラルスキー)法などの単結晶成長法によって製造され、主に
集積回路などの半導体素子の材料として用いられる。現在は半導体の高集積化により、更に高純度化が進ん
でいる。
一方、太陽電池用には 6N~9N 程度の多結晶シリコンが使用されている。日本ではソーラーグレードシリコ
ンとして主に 9N のものを推奨している。このソーラーグレードシリコンの市場規模は太陽電池の補助金制度
やメガソーラ発電システムへの投資が進み、数年前から需要が増加している。しかし、近年では中国や韓国
などから安価なシリコンが多量に供給されるようになり、国内外で国産多結晶シリコンの価格競争力が失われ、
その生産量も減少傾向にある。
金属シリコン(低純度)はアルミニウム合金を製造する時の添加剤としても使用されている。ケイ素は鋳造
性と流動性を良くすることから特に鋳造用やダイカスト用のアルミニウム合金の製造に用いられている。国内
のアルミニウム合金用として使われる金属シリコン(低純度)は主に中国から輸入されるものが多い。
一方、鋼材や鋳物製品用途で消費されるケイ素は、珪石の状態でFeSiやシリコマンガンの製造に使われて
いる。FeSiは15%~90%のシリコンを含む鉄合金で、高い比率の鉄ケイ化物(FeSi2)を含んでいるため、ケイ
素は溶融した鉄からの炭素損失を防止するための脱酸材として鉄鋼、ステンレス鋼、その他の合金鋼の製鉄
に使われている。現在では国内で使用される FeSi は全量が海外から輸入されたものである。
シリコマンガンはマンガンとケイ素を含んだ合金である。主にマンガン成分が多く、ケイ素の含有率が 10~
20%程度のものが一般的とされている。日本では JIS1 号(マンガン:65%以上、ケイ素:15%前後)や JIS3 号
(マンガン:60%以上、ケイ素 15%前後)の鉄鋼を製造する際の脱酸素材用途として用いられている。2013 年、
国内の FeSi 需要量は前年比107%の 23,819t で、シリコマンガン需要は前年比91%の 7,493t であった。
表 1-2 ケイ素の国内需給
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比
824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
金属シリコン※ - - - - - - - - - -
FeSi2) 25,658 26,084 26,571 23,095 24,185 15,894 22,480 21,909 22,181 23,819 107%
シリコマンガン2) 4,709 5,314 5,274 5,243 5,972 5,808 7,317 8,544 8,227 7,493 91%
炭化ケイ素※ - - - - - - - - - - -
小計 30,367 31,397 31,845 28,338 30,157 21,702 29,796 30,453 30,408 31,313 103%
37,267 37,822 40,175 46,778 47,724 42,184 55,454 52,963 43,659 52,782 121%
67,634 69,219 72,020 75,116 77,881 63,886 85,251 83,416 74,067 84,094 114%
756,404 680,213 741,614 783,327 831,179 431,062 738,646 718,328 619,019 588,956 95%
出典:1)財務省貿易統計(暦年)、2)経済産業省鉄鋼・非鉄金属・金属製品統計
純分換算率:金属シリコン100%、FeSi75%、シリコマンガン15%、炭化ケイ素80%
※内需には、上記の表に示されたFeSiやシリコマンガンなど鉄鋼向けの合金鉄需要以外にも、金属シリコンとしての半導体・太陽電池、樹脂、アルミ添加剤としての需要と、炭化ケイ素としての耐火・研削剤としての需要がある。しかし、金属シリコン及び炭化ケイ素における国内需要に関しては公式的な統計がないため、上記の内需にはその分が計上されていない。
供給-需要
合計
輸出1)
合計
供給
輸入1)
内需需
要
2.輸出入動向
2-1.輸出入動向
ケイ素の輸出入数量を表2-1、図 2-1、図2-2 に示す。2013 年の輸入量は前年比97%の 673,051t、輸出量
は前年比121%の 52,782t であった。
輸入は単結晶シリコンが前年比 148%、シリコマンガンが前年比 114%と大幅な伸びを示したが、多結晶シ
リコンが前年比 90%、低純度シリコンが前年比 93%とマイナスとなり、全体では前年比微減で推移した。輸出
ではシリカ(二酸化ケイ素)が前年比 86%、炭化ケイ素が前年比 82%と下げ幅が大きかったものの、単結晶
シリコンが前年比 118%と成長した他、低純度シリコンが国内大手メーカーの海外工場立ち上げに伴って前年
比 10 倍以上の伸びを示し、全体量も増加する結果となった。
国内に輸入されるケイ素素材は、シリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(多結晶、単結晶など)、合金鉄系シ
リコン(FeSi、シリコマンガン)、炭化ケイ素などに大別できる。
2013 年の輸出入量の変動が最も激しかったのが金属シリコンの輸出量であり、前年比 196%と倍増近い伸
びを示した。金属シリコンには 4N 以上の高純度シリコン、4N 以下の低純度シリコンがあるが、輸出が急増し
たのは低純度シリコンで、2012 年には 753t であったのが 2013 年には 11,490 まで拡大している。これは国内
大手メーカーがマレーシアに建設した工場向けに、原料となる低純度シリコンを日本から輸出したためである。
2013 年の低純度シリコンの輸入量は前年比93%の 169,925t であった。
金属シリコンの中でも高純度シリコンについては、2013 年の輸入量は前年比 98%の 20,614t、輸出量は前
年比 118%の 15,024t となった。高純度シリコンには多結晶シリコンと単結晶シリコンがあるが、輸出に関して
は、財務省貿易統計上ではこれらは区別されていない。新金属協会によると 2013 年の多結晶シリコンの輸入
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322鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
量は前年比90%の 16,192t と減少した。単結晶シリコンの 2013 年の輸入量は前年比148%の 4,423t と拡大し
た。また、新金属協会の統計によると、単結晶シリコンの輸出量は前年比 118%の 15,024t と拡大した。
金属シリコン以外の状況を見ると、ファインセラミックス原料や、ガラス、食品添加剤、化粧品、医薬品など
に幅広く用いられているシリカ(二酸化ケイ素)の 2013 年の輸入量は前年比 103%の 43,896t で、輸出量は前
年比86%の14,349tであった。シリカは多結晶シリコンの副産物として精製されるため、多結晶シリコンの生産
量にリンクして増減する。シリカ(二酸化ケイ素)には湿式シリカと乾式シリカがあり、湿式シリカは珪酸ソーダ
の水溶液を中和してシリカを析出したもので、ゴム補強やインクの増粘などで使用される。乾式シリカは四塩
化ケイ素を高温の窯の中で反応させたもので、シリコーンゴムの充填剤や半導体ウエハ研磨、医薬品添加剤
などとして使用される。
合金鉄であるFeSiの輸入量及び輸出量はいずれも前年比で減少しており、2013年の輸入量は前年比97%
の 349,232t、輸出量は前年比 95%の 6,276t であった。シリコマンガンは 2013 年、輸入量、輸出量ともに前年
比プラスとなっており、輸入量は前年比114%の 42,491t、輸出量は前年比132%の 10t となっている。
2013 年の炭化ケイ素の輸入量は前年比 98%の 46,891t、輸出量は前年比 82%の 5,633t であった。主に耐
火物である炭化ケイ素煉瓦として使用され、需要の大部分は焼却炉や製鉄炉であるため、これらが建設され
るタイミングで多く出荷されるが、建設需要が無ければ販売量も少ないなど、需要には大きな波がある。
表 2-1 ケイ素の輸出入数量
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比
輸入 34,507 37,775 40,650 44,667 45,382 30,145 45,819 46,846 42,757 43,896 103%
輸出 18,226 17,533 21,368 24,254 22,407 17,988 19,995 18,672 16,672 14,349 86%
輸入 10,981 13,003 13,395 15,092 17,520 17,985 19,914 25,175 20,976 20,614 98%
輸出 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118%
輸入 8,364 8,494 8,641 9,501 11,553 12,123 15,048 19,666 17,996 16,192 90%
輸出 - - - - - - - - - - -
輸入 2,617 4,509 4,755 5,591 5,967 5,863 4,866 5,509 2,980 4,423 148%
輸出1) 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118%
輸入 242,439 222,851 238,276 252,025 240,683 146,980 214,993 228,711 182,805 169,925 93%
輸出 902 1,052 899 1,665 1,177 874 646 527 753 11,490 1526%
輸入 253,420 235,854 251,671 267,118 258,203 164,965 234,907 253,886 203,781 190,539 94%
輸出 6,175 6,793 6,822 8,442 9,540 9,370 12,815 12,351 13,535 26,514 196%
輸入 422,130 365,017 407,569 418,358 459,225 239,578 417,252 379,657 361,400 349,232 97%
輸出 5,544 5,070 3,913 5,762 6,881 5,186 8,488 7,269 6,611 6,276 95%
輸入 45,068 35,160 41,093 52,595 52,994 22,135 40,088 38,011 37,249 42,492 114%
輸出 25.2 1.8 4.7 3.6 61.7 6.5 8.1 12.0 7.5 9.9 132%
輸入 68,913 75,626 72,650 75,705 93,256 38,125 85,830 83,344 47,900 46,891 98%
輸出 7,298 8,424 8,067 8,316 8,834 9,634 14,147 14,659 6,833 5,633 82%
輸入 824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
輸出 37,267 37,822 40,175 46,778 47,724 42,184 55,454 52,963 43,659 52,782 121%
輸入-輸出 786,771 711,610 773,459 811,665 861,336 452,764 768,442 748,782 649,427 620,269 96%
出典:財務省貿易統計、1)新金属協会シリコン部会
純分換算率:シリカ(二酸化ケイ素)47%、金属シリコン100%、FeSi75%、シリコマンガン15%、炭化ケイ素80%
高純度(4N以上)
炭化ケイ素
合計
※素材はシリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(多結晶シリコン、単結晶シリコン、低純度4N以下シリコン)、FeSi、シリコマンガン、炭化ケイ素による。
金属シリコン
小計
FeSi
シリコマンガン
多結晶
単結晶
低純度(4N以下)
素材
合金鉄
シリカ(二酸化ケイ素)
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
700,000
800,000
900,000
1,000,000
1,100,000
1,200,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) 金属シリコン 高純度(4N以上)合金鉄 シリコマンガンシリカ(二酸化ケイ素)炭化ケイ素金属シリコン 低純度(4N以下)合金鉄 FeSi
図 2-1 ケイ素の輸入数量
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
シリカ(二酸化ケイ素)金属シリコン 高純度(4N以上)炭化ケイ素合金鉄 FeSi金属シリコン 低純度(4N以下)合金鉄 シリコマンガン
図 2-2 ケイ素の輸出数量
2-2.輸出入相手国
2-2-1.シリカ(二酸化ケイ素)
シリカ(二酸化ケイ素)の輸出入相手国を表2-2、図2-3、図2-4に示す。2013年の主要輸入相手国は、中国、
台湾、タイで、この上位 3 ヶ国で全体の 86%を占め、中でも最大の輸入相手国である中国からの輸入量は全
体の 63%に達している。2013 年の輸入量の増減をみると、中国が前年比114%、台湾が前年比117%といず
れも2ケタ増で推移する一方で、3位以下の国は全て前年比マイナスとなり、特に韓国が前年比35%と突出し
て減少している。もともと中国及び台湾はシリカ価格が安かったことに加え、2010 年~2011 年にかけて太陽
電池市場が拡大した時期に中国、台湾の多結晶シリコンメーカーが増強した設備が 2012 年~2013 年に相次
いで立ち上がり、この分の稼働率を確保するため多結晶シリコンを増産。その結果、副産物であるシリカの生
産量も拡大し、この分の需要を確保するため価格攻勢をかけたことが影響している。さらに、中国産の品質が
従来に比べ上昇したことで他国産との品質差がなくなり、競争力が高まった。その結果、特に中国勢、台湾勢
と市場で競合していた韓国勢が売り負ける形で日本への輸入量を減少させた。
輸出相手国は中国、韓国、台湾、米国が中心。日本から輸出するのはコロイダルシリカなど特殊な高付加
価値品であり、相手国が自国内での調達が難しいものが中心となる。中国向けには湿式シリカを供給すると
いうケースも増えていると推定される。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 322 2015/03/18 13:32:16
323 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
量は前年比90%の 16,192t と減少した。単結晶シリコンの 2013 年の輸入量は前年比148%の 4,423t と拡大し
た。また、新金属協会の統計によると、単結晶シリコンの輸出量は前年比 118%の 15,024t と拡大した。
金属シリコン以外の状況を見ると、ファインセラミックス原料や、ガラス、食品添加剤、化粧品、医薬品など
に幅広く用いられているシリカ(二酸化ケイ素)の 2013 年の輸入量は前年比 103%の 43,896t で、輸出量は前
年比86%の14,349tであった。シリカは多結晶シリコンの副産物として精製されるため、多結晶シリコンの生産
量にリンクして増減する。シリカ(二酸化ケイ素)には湿式シリカと乾式シリカがあり、湿式シリカは珪酸ソーダ
の水溶液を中和してシリカを析出したもので、ゴム補強やインクの増粘などで使用される。乾式シリカは四塩
化ケイ素を高温の窯の中で反応させたもので、シリコーンゴムの充填剤や半導体ウエハ研磨、医薬品添加剤
などとして使用される。
合金鉄であるFeSiの輸入量及び輸出量はいずれも前年比で減少しており、2013年の輸入量は前年比97%
の 349,232t、輸出量は前年比 95%の 6,276t であった。シリコマンガンは 2013 年、輸入量、輸出量ともに前年
比プラスとなっており、輸入量は前年比114%の 42,491t、輸出量は前年比132%の 10t となっている。
2013 年の炭化ケイ素の輸入量は前年比 98%の 46,891t、輸出量は前年比 82%の 5,633t であった。主に耐
火物である炭化ケイ素煉瓦として使用され、需要の大部分は焼却炉や製鉄炉であるため、これらが建設され
るタイミングで多く出荷されるが、建設需要が無ければ販売量も少ないなど、需要には大きな波がある。
表 2-1 ケイ素の輸出入数量
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比
輸入 34,507 37,775 40,650 44,667 45,382 30,145 45,819 46,846 42,757 43,896 103%
輸出 18,226 17,533 21,368 24,254 22,407 17,988 19,995 18,672 16,672 14,349 86%
輸入 10,981 13,003 13,395 15,092 17,520 17,985 19,914 25,175 20,976 20,614 98%
輸出 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118%
輸入 8,364 8,494 8,641 9,501 11,553 12,123 15,048 19,666 17,996 16,192 90%
輸出 - - - - - - - - - - -
輸入 2,617 4,509 4,755 5,591 5,967 5,863 4,866 5,509 2,980 4,423 148%
輸出1) 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118%
輸入 242,439 222,851 238,276 252,025 240,683 146,980 214,993 228,711 182,805 169,925 93%
輸出 902 1,052 899 1,665 1,177 874 646 527 753 11,490 1526%
輸入 253,420 235,854 251,671 267,118 258,203 164,965 234,907 253,886 203,781 190,539 94%
輸出 6,175 6,793 6,822 8,442 9,540 9,370 12,815 12,351 13,535 26,514 196%
輸入 422,130 365,017 407,569 418,358 459,225 239,578 417,252 379,657 361,400 349,232 97%
輸出 5,544 5,070 3,913 5,762 6,881 5,186 8,488 7,269 6,611 6,276 95%
輸入 45,068 35,160 41,093 52,595 52,994 22,135 40,088 38,011 37,249 42,492 114%
輸出 25.2 1.8 4.7 3.6 61.7 6.5 8.1 12.0 7.5 9.9 132%
輸入 68,913 75,626 72,650 75,705 93,256 38,125 85,830 83,344 47,900 46,891 98%
輸出 7,298 8,424 8,067 8,316 8,834 9,634 14,147 14,659 6,833 5,633 82%
輸入 824,038 749,432 813,634 858,442 909,060 494,948 823,896 801,744 693,086 673,051 97%
輸出 37,267 37,822 40,175 46,778 47,724 42,184 55,454 52,963 43,659 52,782 121%
輸入-輸出 786,771 711,610 773,459 811,665 861,336 452,764 768,442 748,782 649,427 620,269 96%
出典:財務省貿易統計、1)新金属協会シリコン部会
純分換算率:シリカ(二酸化ケイ素)47%、金属シリコン100%、FeSi75%、シリコマンガン15%、炭化ケイ素80%
高純度(4N以上)
炭化ケイ素
合計
※素材はシリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(多結晶シリコン、単結晶シリコン、低純度4N以下シリコン)、FeSi、シリコマンガン、炭化ケイ素による。
金属シリコン
小計
FeSi
シリコマンガン
多結晶
単結晶
低純度(4N以下)
素材
合金鉄
シリカ(二酸化ケイ素)
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
700,000
800,000
900,000
1,000,000
1,100,000
1,200,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) 金属シリコン 高純度(4N以上)合金鉄 シリコマンガンシリカ(二酸化ケイ素)炭化ケイ素金属シリコン 低純度(4N以下)合金鉄 FeSi
図 2-1 ケイ素の輸入数量
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
シリカ(二酸化ケイ素)金属シリコン 高純度(4N以上)炭化ケイ素合金鉄 FeSi金属シリコン 低純度(4N以下)合金鉄 シリコマンガン
図 2-2 ケイ素の輸出数量
2-2.輸出入相手国
2-2-1.シリカ(二酸化ケイ素)
シリカ(二酸化ケイ素)の輸出入相手国を表2-2、図2-3、図2-4に示す。2013年の主要輸入相手国は、中国、
台湾、タイで、この上位 3 ヶ国で全体の 86%を占め、中でも最大の輸入相手国である中国からの輸入量は全
体の 63%に達している。2013 年の輸入量の増減をみると、中国が前年比114%、台湾が前年比117%といず
れも2ケタ増で推移する一方で、3位以下の国は全て前年比マイナスとなり、特に韓国が前年比35%と突出し
て減少している。もともと中国及び台湾はシリカ価格が安かったことに加え、2010 年~2011 年にかけて太陽
電池市場が拡大した時期に中国、台湾の多結晶シリコンメーカーが増強した設備が 2012 年~2013 年に相次
いで立ち上がり、この分の稼働率を確保するため多結晶シリコンを増産。その結果、副産物であるシリカの生
産量も拡大し、この分の需要を確保するため価格攻勢をかけたことが影響している。さらに、中国産の品質が
従来に比べ上昇したことで他国産との品質差がなくなり、競争力が高まった。その結果、特に中国勢、台湾勢
と市場で競合していた韓国勢が売り負ける形で日本への輸入量を減少させた。
輸出相手国は中国、韓国、台湾、米国が中心。日本から輸出するのはコロイダルシリカなど特殊な高付加
価値品であり、相手国が自国内での調達が難しいものが中心となる。中国向けには湿式シリカを供給すると
いうケースも増えていると推定される。
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324鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-2 シリカ(二酸化ケイ素)の輸入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 8,826 10,562 13,056 19,105 20,988 12,669 21,273 23,915 24,224 27,644 114% 63%台湾 7,711 8,146 6,854 4,873 4,254 3,077 4,598 5,190 4,803 5,600 117% 13%タイ 3,191 4,376 4,706 5,607 5,444 4,070 4,741 4,873 4,857 4,502 93% 10%米国 3,279 3,456 3,200 3,084 817 1,867 2,353 2,123 1,946 1,908 98% 4%韓国 6,277 6,719 7,597 8,152 7,655 5,449 7,660 6,765 3,998 1,390 35% 3%その他 5,223 4,516 5,238 3,845 6,224 3,013 5,193 3,980 2,928 2,853 97% 6%
合計 34,507 37,775 40,650 44,667 45,382 30,145 45,819 46,846 42,757 43,896 103% 100%
中国 3,379 3,668 4,677 7,012 6,167 6,026 6,366 6,008 5,348 4,620 86% 32%韓国 3,780 3,555 4,504 5,463 6,323 4,664 4,693 3,472 3,017 2,664 88% 19%台湾 2,949 2,792 3,020 2,842 2,151 1,913 2,378 2,973 2,422 2,201 91% 15%米国 835 640 796 793 817 798 1,101 1,038 1,111 1,101 99% 8%マレーシア 3,351 2,971 3,640 2,365 1,953 1,638 2,073 1,476 1,272 864 68% 6%シンガポール 1,445 1,664 1,982 2,000 1,433 839 980 858 817 737 90% 5%タイ 1,164 859 872 1,504 1,571 570 630 691 783 636 81% 4%その他 1,323 1,384 1,877 2,276 1,993 1,540 1,774 2,156 1,903 1,526 80% 11%
合計 18,226 17,533 21,368 24,254 22,407 17,988 19,995 18,672 16,672 14,349 86% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:シリカ(二酸化ケイ素)47%
輸入
輸出
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他韓国米国タイ台湾中国
図 2-3 シリカ(二酸化ケイ素)の輸入相手国
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他タイシンガポールマレーシア米国台湾韓国中国
図 2-4 シリカ(二酸化ケイ素)の輸出相手国
2-2-2.多結晶シリコン
多結晶シリコンの輸入相手国を表2-3、図2-5に示す。2013年の主要相手国は、米国、ドイツ、台湾、英国、
中国などである。全体の 67%を米国、19%をドイツが占める。2013 年の国別の増減状況を見ると、米国が前
年比87%、ドイツが前年比93%、英国が前年比 66%と欧米勢がマイナス傾向で推移しているのに対し、台湾
が前年比4,901%、中国は前年比 5,840%と急激に拡大。欧米から中国・台湾へのシフトが見て取れる。
特に台湾は 2012 年の輸入量が 30t であったが 2013 年には 1,469t となった。もともと台湾の多結晶シリコン
は太陽電池向けが中心で価格競争力が高く、日本国内の太陽電池市場拡大の恩恵を受けた影響が大きい。
中国からの輸入量は 2011 年が 232t、2012 年が 4t、2013 年が 242t と年によって増減が激しい。ほぼ全量が
太陽電池向けであり、2012 年~2013 年にかけての日本国内の太陽電池市場の乱高下にリンクした動きとな
っている。
輸入相手国の中でも 2013 年の減少幅が大きかった英国は多結晶太陽電池用が中心である。
表 2-3 多結晶シリコンの輸入相手国 単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
米国 5,248 4,764 4,825 5,108 6,869 6,961 9,360 12,131 12,515 10,891 87% 67%
ドイツ 1,292 1,649 1,735 2,098 2,518 2,933 2,716 3,076 3,361 3,121 93% 19%台湾 17 48 257 506 325 564 688 244 30 1,469 4897% 9%
英国 1,678 1,873 1,457 1,284 1,502 1,384 1,726 1,992 682 449 66% 3%中国 52.85 54.40 160.37 173.06 35.02 14.94 142.84 231.82 4.15 242.25 5840% 1%その他 76 106 206 332 304 266 415 1,991 1,404 20 1% 0%
合計 8,364 8,494 8,641 9,501 11,553 12,123 15,048 19,666 17,996 16,192 90% 100%
出典:財務省貿易統計
純分換算率:金属シリコン100%
輸入
0
5,000
10,000
15,000
20,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他
中国
英国
台湾
ドイツ
米国
図 2-5 多結晶シリコンの輸入相手国
2-2-3.単結晶シリコン
単結晶シリコンの輸出入相手国を表2-4、図2-6、図2-7に示す。2013年は輸入、輸出とも順調に拡大した。
輸入の主要相手国は、米国、中国、ドイツ、台湾などであり、国別の構成比は最も輸入量が多い米国が全
体の38%、中国が21%、ドイツが17%、台湾が15%となった。シリカ(二酸化ケイ素)や多結晶シリコンに加え、
特定国への集中度合いは少ない。2013 年の国別輸入量増減をみると、米国が前年比 186%、中国が前年比
116%、ドイツが前年比 637%と大きく成長、一方で韓国は前年比 64%、フィンランドが前年比 37%と激減して
いる。台湾はほぼ横ばいであった。米国については国内の大手シリコンメーカーが米国の関連会社からの原
料調達を増やした分が増加し、中国及びドイツは太陽電池向けの輸入が拡大した。一方で、フィンランドは従
来自前の水力発電を利用しエネルギーコストを抑えることで価格競争力を発揮してきたが、環境コストをかけ
ない中国の価格攻勢により競争力を失った。
輸出の主要相手国は、台湾、中国、韓国、香港などであるが、2013年の国別構成比は台湾が51%、中国が
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 324 2015/03/18 13:32:16
325 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-2 シリカ(二酸化ケイ素)の輸入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 8,826 10,562 13,056 19,105 20,988 12,669 21,273 23,915 24,224 27,644 114% 63%台湾 7,711 8,146 6,854 4,873 4,254 3,077 4,598 5,190 4,803 5,600 117% 13%タイ 3,191 4,376 4,706 5,607 5,444 4,070 4,741 4,873 4,857 4,502 93% 10%米国 3,279 3,456 3,200 3,084 817 1,867 2,353 2,123 1,946 1,908 98% 4%韓国 6,277 6,719 7,597 8,152 7,655 5,449 7,660 6,765 3,998 1,390 35% 3%その他 5,223 4,516 5,238 3,845 6,224 3,013 5,193 3,980 2,928 2,853 97% 6%
合計 34,507 37,775 40,650 44,667 45,382 30,145 45,819 46,846 42,757 43,896 103% 100%
中国 3,379 3,668 4,677 7,012 6,167 6,026 6,366 6,008 5,348 4,620 86% 32%韓国 3,780 3,555 4,504 5,463 6,323 4,664 4,693 3,472 3,017 2,664 88% 19%台湾 2,949 2,792 3,020 2,842 2,151 1,913 2,378 2,973 2,422 2,201 91% 15%米国 835 640 796 793 817 798 1,101 1,038 1,111 1,101 99% 8%マレーシア 3,351 2,971 3,640 2,365 1,953 1,638 2,073 1,476 1,272 864 68% 6%シンガポール 1,445 1,664 1,982 2,000 1,433 839 980 858 817 737 90% 5%タイ 1,164 859 872 1,504 1,571 570 630 691 783 636 81% 4%その他 1,323 1,384 1,877 2,276 1,993 1,540 1,774 2,156 1,903 1,526 80% 11%
合計 18,226 17,533 21,368 24,254 22,407 17,988 19,995 18,672 16,672 14,349 86% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:シリカ(二酸化ケイ素)47%
輸入
輸出
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他韓国米国タイ台湾中国
図 2-3 シリカ(二酸化ケイ素)の輸入相手国
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他タイシンガポールマレーシア米国台湾韓国中国
図 2-4 シリカ(二酸化ケイ素)の輸出相手国
2-2-2.多結晶シリコン
多結晶シリコンの輸入相手国を表2-3、図2-5に示す。2013年の主要相手国は、米国、ドイツ、台湾、英国、
中国などである。全体の 67%を米国、19%をドイツが占める。2013 年の国別の増減状況を見ると、米国が前
年比87%、ドイツが前年比93%、英国が前年比 66%と欧米勢がマイナス傾向で推移しているのに対し、台湾
が前年比4,901%、中国は前年比 5,840%と急激に拡大。欧米から中国・台湾へのシフトが見て取れる。
特に台湾は 2012 年の輸入量が 30t であったが 2013 年には 1,469t となった。もともと台湾の多結晶シリコン
は太陽電池向けが中心で価格競争力が高く、日本国内の太陽電池市場拡大の恩恵を受けた影響が大きい。
中国からの輸入量は 2011 年が 232t、2012 年が 4t、2013 年が 242t と年によって増減が激しい。ほぼ全量が
太陽電池向けであり、2012 年~2013 年にかけての日本国内の太陽電池市場の乱高下にリンクした動きとな
っている。
輸入相手国の中でも 2013 年の減少幅が大きかった英国は多結晶太陽電池用が中心である。
表 2-3 多結晶シリコンの輸入相手国 単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
米国 5,248 4,764 4,825 5,108 6,869 6,961 9,360 12,131 12,515 10,891 87% 67%
ドイツ 1,292 1,649 1,735 2,098 2,518 2,933 2,716 3,076 3,361 3,121 93% 19%台湾 17 48 257 506 325 564 688 244 30 1,469 4897% 9%
英国 1,678 1,873 1,457 1,284 1,502 1,384 1,726 1,992 682 449 66% 3%中国 52.85 54.40 160.37 173.06 35.02 14.94 142.84 231.82 4.15 242.25 5840% 1%その他 76 106 206 332 304 266 415 1,991 1,404 20 1% 0%
合計 8,364 8,494 8,641 9,501 11,553 12,123 15,048 19,666 17,996 16,192 90% 100%
出典:財務省貿易統計
純分換算率:金属シリコン100%
輸入
0
5,000
10,000
15,000
20,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他
中国
英国
台湾
ドイツ
米国
図 2-5 多結晶シリコンの輸入相手国
2-2-3.単結晶シリコン
単結晶シリコンの輸出入相手国を表2-4、図2-6、図2-7に示す。2013年は輸入、輸出とも順調に拡大した。
輸入の主要相手国は、米国、中国、ドイツ、台湾などであり、国別の構成比は最も輸入量が多い米国が全
体の38%、中国が21%、ドイツが17%、台湾が15%となった。シリカ(二酸化ケイ素)や多結晶シリコンに加え、
特定国への集中度合いは少ない。2013 年の国別輸入量増減をみると、米国が前年比 186%、中国が前年比
116%、ドイツが前年比 637%と大きく成長、一方で韓国は前年比 64%、フィンランドが前年比 37%と激減して
いる。台湾はほぼ横ばいであった。米国については国内の大手シリコンメーカーが米国の関連会社からの原
料調達を増やした分が増加し、中国及びドイツは太陽電池向けの輸入が拡大した。一方で、フィンランドは従
来自前の水力発電を利用しエネルギーコストを抑えることで価格競争力を発揮してきたが、環境コストをかけ
ない中国の価格攻勢により競争力を失った。
輸出の主要相手国は、台湾、中国、韓国、香港などであるが、2013年の国別構成比は台湾が51%、中国が
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 325 2015/03/18 13:32:17
326鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
23%と、ここでも台湾、中国向けが多い。2013 年の増減の状況を見ると、中国向けが前年比 216%、シンガポ
ール向けが前年比 227%、米国向けが前年比 192%と大きく伸びているが、ほぼ全量が半導体向けと推定さ
れ、半導体産業が盛んな国・地域向けに供給されている。
表 2-4 単結晶シリコンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
米国 1,085 2,867 3,092 3,858 3,887 3,878 2,437 2,546 899 1,668 186% 38%中国 944 1,106 906 828 620 317 489 1,046 819 946 116% 21%ドイツ 50 39 52 76 87 184 37 31 120 763 637% 17%台湾 86 124 262 434 612 228 529 448 667 666 100% 15%韓国 175 64 59 103 448 664 766 1,146 286 182 64% 4%フィンランド 1 27 35 36 34 136 169 98 108 40 37% 1%その他 275 281 349 256 279 456 438 194 82 157 192% 4%
合計 2,617 4,509 4,755 5,591 5,967 5,863 4,866 5,509 2,980 4,423 148% 100%
台湾 492 603 717 1,044 1,548 2,361 3,476 3,174 6,804 7,725 114% 51%中国 619 878 1,221 1,701 2,337 2,142 3,365 2,554 1,632 3,525 216% 23%韓国 675 756 725 805 1,286 1,268 1,634 2,091 1,532 1,271 83% 8%香港 0 0 55 115 337 416 670 1,125 945 717 76% 5%シンガポール 6 7 25 49 72 141 192 362 273 620 227% 4%マレーシア 754 704 729 621 409 222 387 574 363 293 81% 2%米国 448 487 323 548 391 270 398 341 118 227 192% 2%その他 2,277 2,306 2,128 1,895 1,984 1,675 2,047 1,603 1,116 645 58% 4%
合計 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:金属シリコン100%
輸入
輸出
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他フィンランド韓国台湾ドイツ中国米国
図 2-6 単結晶シリコンの輸入相手国
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他米国マレーシアシンガポール香港韓国中国台湾
図 2-7 単結晶シリコンの輸出相手国
2-2-4.低純度金属シリコン
低純度金属シリコンの輸出入相手国を表2-5、図2-8、図2-9に示す。輸入は中国への依存度が非常に高く、
2013 年には中国からの輸入が全体の 89%を占めた。一方で 2 位ノルウェーの 2013 年の輸入量は前年比
54%、3 位のブラジルからの輸入量は前年比 43%と、それぞれ約半減となったが、これは価格競争力に勝る
中国にシェアを奪われた結果と考えられる。この他、目立った動きとしてはカザフスタンの輸入量拡大(2012
年に 40t であったのが 2013 年には 1,000t に急増)がある。旧ソ連地域はシリコン、タンタル、レアアースなど
の埋蔵量が多く、ソ連時代の大規模製錬工場が残っている。これらは旧ソ連から独立した際に国有化を外れ
操業を停止していたが、最近になってカザフスタン政府が新たな国の基幹産業育成のため、これまで放置さ
れていた鉱山や製錬所を再開するという動きが始まった。
豪州からの輸入は 2012 年に 1,794t であったのが、2013 年には前年比34%の 612t まで縮小した。
2013年の輸出を見るとマレーシア向けが急激に増加しているが、これは国内大手メーカーの現地工場向け
の原料輸出としての一時的増加であり、継続的な動きではない。
表 2-5 低純度金属シリコンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 201,796 191,223 212,506 230,614 216,149 122,659 196,444 196,470 147,857 151,294 102% 89%ノルウェー 17,312 13,513 13,514 9,855 10,280 - 7,825 10,354 9,392 5,061 54% 3%ブラジル 7,230 5,225 4,575 6,479 9,870 10,218 6,729 10,567 11,476 4,940 43% 3%南アフリカ 3,820 3,900 1,402 1,900 2,800 2,162 1,720 4,440 4,504 3,360 75% 2%タイ - - - - - - 44 521 3,241 2,300 71% 1%カザフスタン - - - - - - - 132 40 1,000 2,500% 1%フランス 1,360 620 580 480 320 341 600 760 800 881 110% 1%豪州 7,412 6,744 4,363 1,301 211 1,757 340 1,719 1,794 612 34% 0%ラオス - - - - 160 - 120 120 260 140 54% 0%台湾 27 22 0 354 90 0 0 1 61 100 164% 0%ドイツ 250 40 40 41 40 30 54 75 98 88 90% 0%ベトナム 20 - - - 0 - - 860 620 60 10% 0%その他 3,211 1,564 1,297 1,003 763 9,814 1,117 2,692 2,663 89 3% 0%
合計 242,439 222,851 238,276 252,025 240,683 146,980 214,993 228,711 182,805 169,925 93% 100%
マレーシア 2 0 0 3 3 0 20 2 20 10,238 50,037% 89%中国 336 641 338 281 585 366 117 184 197 417 212% 4%イタリア 0 - - - - - 1 - 158 281 177% 2%米国 34 7 3 57 46 10 34 60 174 148 85% 1%ポーランド 0 0 0 0 0 0 16 0 2 144 6,270% 1%台湾 164 116 234 944 145 173 133 15 90 91 101% 1%その他 366 287 324 380 397 324 326 265 111 170 154% 1%
合計 902 1,052 899 1,665 1,177 874 646 527 753 11,490 1,526% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:金属シリコン100%
輸入
輸出
0
40,000
80,000
120,000
160,000
200,000
240,000
280,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他ブラジルノルウェー中国
図 2-8 低純度金属シリコンの輸入相手国
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 326 2015/03/18 13:32:17
327 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
23%と、ここでも台湾、中国向けが多い。2013 年の増減の状況を見ると、中国向けが前年比 216%、シンガポ
ール向けが前年比 227%、米国向けが前年比 192%と大きく伸びているが、ほぼ全量が半導体向けと推定さ
れ、半導体産業が盛んな国・地域向けに供給されている。
表 2-4 単結晶シリコンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
米国 1,085 2,867 3,092 3,858 3,887 3,878 2,437 2,546 899 1,668 186% 38%中国 944 1,106 906 828 620 317 489 1,046 819 946 116% 21%ドイツ 50 39 52 76 87 184 37 31 120 763 637% 17%台湾 86 124 262 434 612 228 529 448 667 666 100% 15%韓国 175 64 59 103 448 664 766 1,146 286 182 64% 4%フィンランド 1 27 35 36 34 136 169 98 108 40 37% 1%その他 275 281 349 256 279 456 438 194 82 157 192% 4%
合計 2,617 4,509 4,755 5,591 5,967 5,863 4,866 5,509 2,980 4,423 148% 100%
台湾 492 603 717 1,044 1,548 2,361 3,476 3,174 6,804 7,725 114% 51%中国 619 878 1,221 1,701 2,337 2,142 3,365 2,554 1,632 3,525 216% 23%韓国 675 756 725 805 1,286 1,268 1,634 2,091 1,532 1,271 83% 8%香港 0 0 55 115 337 416 670 1,125 945 717 76% 5%シンガポール 6 7 25 49 72 141 192 362 273 620 227% 4%マレーシア 754 704 729 621 409 222 387 574 363 293 81% 2%米国 448 487 323 548 391 270 398 341 118 227 192% 2%その他 2,277 2,306 2,128 1,895 1,984 1,675 2,047 1,603 1,116 645 58% 4%
合計 5,273 5,742 5,923 6,778 8,364 8,496 12,169 11,825 12,782 15,024 118% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:金属シリコン100%
輸入
輸出
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他フィンランド韓国台湾ドイツ中国米国
図 2-6 単結晶シリコンの輸入相手国
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他米国マレーシアシンガポール香港韓国中国台湾
図 2-7 単結晶シリコンの輸出相手国
2-2-4.低純度金属シリコン
低純度金属シリコンの輸出入相手国を表2-5、図2-8、図2-9に示す。輸入は中国への依存度が非常に高く、
2013 年には中国からの輸入が全体の 89%を占めた。一方で 2 位ノルウェーの 2013 年の輸入量は前年比
54%、3 位のブラジルからの輸入量は前年比 43%と、それぞれ約半減となったが、これは価格競争力に勝る
中国にシェアを奪われた結果と考えられる。この他、目立った動きとしてはカザフスタンの輸入量拡大(2012
年に 40t であったのが 2013 年には 1,000t に急増)がある。旧ソ連地域はシリコン、タンタル、レアアースなど
の埋蔵量が多く、ソ連時代の大規模製錬工場が残っている。これらは旧ソ連から独立した際に国有化を外れ
操業を停止していたが、最近になってカザフスタン政府が新たな国の基幹産業育成のため、これまで放置さ
れていた鉱山や製錬所を再開するという動きが始まった。
豪州からの輸入は 2012 年に 1,794t であったのが、2013 年には前年比34%の 612t まで縮小した。
2013年の輸出を見るとマレーシア向けが急激に増加しているが、これは国内大手メーカーの現地工場向け
の原料輸出としての一時的増加であり、継続的な動きではない。
表 2-5 低純度金属シリコンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 201,796 191,223 212,506 230,614 216,149 122,659 196,444 196,470 147,857 151,294 102% 89%ノルウェー 17,312 13,513 13,514 9,855 10,280 - 7,825 10,354 9,392 5,061 54% 3%ブラジル 7,230 5,225 4,575 6,479 9,870 10,218 6,729 10,567 11,476 4,940 43% 3%南アフリカ 3,820 3,900 1,402 1,900 2,800 2,162 1,720 4,440 4,504 3,360 75% 2%タイ - - - - - - 44 521 3,241 2,300 71% 1%カザフスタン - - - - - - - 132 40 1,000 2,500% 1%フランス 1,360 620 580 480 320 341 600 760 800 881 110% 1%豪州 7,412 6,744 4,363 1,301 211 1,757 340 1,719 1,794 612 34% 0%ラオス - - - - 160 - 120 120 260 140 54% 0%台湾 27 22 0 354 90 0 0 1 61 100 164% 0%ドイツ 250 40 40 41 40 30 54 75 98 88 90% 0%ベトナム 20 - - - 0 - - 860 620 60 10% 0%その他 3,211 1,564 1,297 1,003 763 9,814 1,117 2,692 2,663 89 3% 0%
合計 242,439 222,851 238,276 252,025 240,683 146,980 214,993 228,711 182,805 169,925 93% 100%
マレーシア 2 0 0 3 3 0 20 2 20 10,238 50,037% 89%中国 336 641 338 281 585 366 117 184 197 417 212% 4%イタリア 0 - - - - - 1 - 158 281 177% 2%米国 34 7 3 57 46 10 34 60 174 148 85% 1%ポーランド 0 0 0 0 0 0 16 0 2 144 6,270% 1%台湾 164 116 234 944 145 173 133 15 90 91 101% 1%その他 366 287 324 380 397 324 326 265 111 170 154% 1%
合計 902 1,052 899 1,665 1,177 874 646 527 753 11,490 1,526% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:金属シリコン100%
輸入
輸出
0
40,000
80,000
120,000
160,000
200,000
240,000
280,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他ブラジルノルウェー中国
図 2-8 低純度金属シリコンの輸入相手国
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 327 2015/03/18 13:32:17
328鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他台湾ポーランド米国イタリア中国マレーシア
図 2-9 低純度金属シリコンの輸出相手国
2-2-5.炭化ケイ素
2013 年の炭化ケイ素の輸出入相手国を表 2-6、図 2-10、図 2-11 に示す。輸入については中国が全体の
96%を占め、2 位以下にスペイン、ブラジル、ドイツ、ノルウェー等があるが、いずれも構成比は 1%以下であ
る。中国は日本と近く物流期間も一週間程度であるが、欧州、南米などの相手国は距離が遠く、例えばブラジ
ルから輸入する場合は物流期間が 2 か月かかるといった地理的な問題がある。また、急な注文に対する対応
力という点でも中国は優位性があり、現時点では中国からの輸入に頼らざるを得ない。
2013 年の主な輸出相手国はハンガリー、ポーランド、韓国などで、輸出量に占める構成比はハンガリー向
けが31%、ポーランド向けが22%、韓国向けが17%と、上位3ヶ国で全体の70%を占めるが、輸入ほどの一
国集中は見られない。
表 2-6 炭化ケイ素の輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 65,901 71,153 67,973 72,514 89,798 37,187 83,710 79,557 45,295 45,153 100% 96%スペイン 336 448 608 272 272 144 336 433 397 405 102% 1%ブラジル 1,035 1,338 1,148 998 1,194 228 562 399 377 318 84% 1%ドイツ 698 577 663 517 557 251 336 456 243 269 111% 1%ノルウェー 768 1,580 1,591 1,097 980 31 133 553 162 225 139% 0%米国 18 205 191 280 352 102 200 199 206 138 67% 0%チェコ - - - - - - - 512 368 128 35% 0%インド - - - - - - 65 187 116 67 58% 0%台湾 2 1 0 16 64 149 228 368 122 52 43% 0%韓国 4 - - - - 6 1 0 - 48 - 0%オランダ - - - 1 - - 170 230 96 32 33% 0%ウクライナ 16 192 432 1 13 16 16 - 32 32 100% 0%その他 135 132 44 9 26 11 72 451 487 25 5% 0%
合計 68,913 75,626 72,650 75,705 93,256 38,125 85,830 83,344 47,900 46,891 98% 100%
ハンガリー 1 639 814 954 784 269 1,137 1,672 1,595 1,732 109% 31%ポーランド 4 188 250 243 383 1,310 1,416 1,549 1,063 1,220 115% 22%韓国 2,719 2,393 1,030 1,165 1,623 2,671 3,021 4,013 1,913 966 50% 17%米国 1,000 1,106 1,572 1,482 1,336 879 1,472 1,626 767 457 60% 8%中国 479 378 526 469 375 287 253 152 210 282 134% 5%マレーシア 560 771 629 609 652 384 777 960 414 246 59% 4%台湾 1,407 1,370 1,258 1,854 1,634 901 1,126 724 229 240 104% 4%イタリア 115 125 136 141 86 53 111 135 89 105 118% 2%ドイツ 35 224 41 281 411 1,043 1,966 1,467 42 86 205% 2%英国 29 26 29 48 9 9 36 110 82 66 80% 1%インドネシア 81 106 81 51 49 27 60 71 57 60 106% 1%その他 868 1,098 1,700 1,018 1,493 1,801 2,775 2,180 372 173 47% 3%
合計 7,298 8,424 8,067 8,316 8,834 9,634 14,147 14,659 6,833 5,633 82% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:炭化ケイ素80%
輸入
輸出
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他
ブラジル
スペイン
中国
図 2-10 炭化ケイ素の輸入相手国
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他台湾マレーシア中国米国韓国ポーランドハンガリー
図 2-11 炭化ケイ素の輸出相手国
2-2-6 フェロシリコン(FeSi)
フェロシリコンの輸出入相手国を表 2-7、図 2-12、図 2-13 に示す。2013 年の主要輸入相手国は、中国、ロ
シア、ブラジルで、構成比は中国が 57%、ロシアが 24%、ブラジルが 11%と、上位 3 ヶ国で全体の 82%を占
める。中国の依存度が高いが、2 位のロシアでは 2013 年の出荷量が 2012 年比で 121%と大きく伸びている
他、4位にあるアイルランドも2013年の輸入量は2012年比で156%となっており、中国以外に輸入ソースを求
める動きが見て取れる。2013 年の主要輸出相手国は、タイ、インドネシア、韓国、台湾など、アジア地域向け
が中心である。主要国の構成比は、タイが56%、インドネシアが13%、韓国が12%、台湾が9%、シンガポー
ルが 7%となっている。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 328 2015/03/18 13:32:18
329 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他台湾ポーランド米国イタリア中国マレーシア
図 2-9 低純度金属シリコンの輸出相手国
2-2-5.炭化ケイ素
2013 年の炭化ケイ素の輸出入相手国を表 2-6、図 2-10、図 2-11 に示す。輸入については中国が全体の
96%を占め、2 位以下にスペイン、ブラジル、ドイツ、ノルウェー等があるが、いずれも構成比は 1%以下であ
る。中国は日本と近く物流期間も一週間程度であるが、欧州、南米などの相手国は距離が遠く、例えばブラジ
ルから輸入する場合は物流期間が 2 か月かかるといった地理的な問題がある。また、急な注文に対する対応
力という点でも中国は優位性があり、現時点では中国からの輸入に頼らざるを得ない。
2013 年の主な輸出相手国はハンガリー、ポーランド、韓国などで、輸出量に占める構成比はハンガリー向
けが31%、ポーランド向けが22%、韓国向けが17%と、上位3ヶ国で全体の70%を占めるが、輸入ほどの一
国集中は見られない。
表 2-6 炭化ケイ素の輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 65,901 71,153 67,973 72,514 89,798 37,187 83,710 79,557 45,295 45,153 100% 96%スペイン 336 448 608 272 272 144 336 433 397 405 102% 1%ブラジル 1,035 1,338 1,148 998 1,194 228 562 399 377 318 84% 1%ドイツ 698 577 663 517 557 251 336 456 243 269 111% 1%ノルウェー 768 1,580 1,591 1,097 980 31 133 553 162 225 139% 0%米国 18 205 191 280 352 102 200 199 206 138 67% 0%チェコ - - - - - - - 512 368 128 35% 0%インド - - - - - - 65 187 116 67 58% 0%台湾 2 1 0 16 64 149 228 368 122 52 43% 0%韓国 4 - - - - 6 1 0 - 48 - 0%オランダ - - - 1 - - 170 230 96 32 33% 0%ウクライナ 16 192 432 1 13 16 16 - 32 32 100% 0%その他 135 132 44 9 26 11 72 451 487 25 5% 0%
合計 68,913 75,626 72,650 75,705 93,256 38,125 85,830 83,344 47,900 46,891 98% 100%
ハンガリー 1 639 814 954 784 269 1,137 1,672 1,595 1,732 109% 31%ポーランド 4 188 250 243 383 1,310 1,416 1,549 1,063 1,220 115% 22%韓国 2,719 2,393 1,030 1,165 1,623 2,671 3,021 4,013 1,913 966 50% 17%米国 1,000 1,106 1,572 1,482 1,336 879 1,472 1,626 767 457 60% 8%中国 479 378 526 469 375 287 253 152 210 282 134% 5%マレーシア 560 771 629 609 652 384 777 960 414 246 59% 4%台湾 1,407 1,370 1,258 1,854 1,634 901 1,126 724 229 240 104% 4%イタリア 115 125 136 141 86 53 111 135 89 105 118% 2%ドイツ 35 224 41 281 411 1,043 1,966 1,467 42 86 205% 2%英国 29 26 29 48 9 9 36 110 82 66 80% 1%インドネシア 81 106 81 51 49 27 60 71 57 60 106% 1%その他 868 1,098 1,700 1,018 1,493 1,801 2,775 2,180 372 173 47% 3%
合計 7,298 8,424 8,067 8,316 8,834 9,634 14,147 14,659 6,833 5,633 82% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:炭化ケイ素80%
輸入
輸出
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他
ブラジル
スペイン
中国
図 2-10 炭化ケイ素の輸入相手国
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他台湾マレーシア中国米国韓国ポーランドハンガリー
図 2-11 炭化ケイ素の輸出相手国
2-2-6 フェロシリコン(FeSi)
フェロシリコンの輸出入相手国を表 2-7、図 2-12、図 2-13 に示す。2013 年の主要輸入相手国は、中国、ロ
シア、ブラジルで、構成比は中国が 57%、ロシアが 24%、ブラジルが 11%と、上位 3 ヶ国で全体の 82%を占
める。中国の依存度が高いが、2 位のロシアでは 2013 年の出荷量が 2012 年比で 121%と大きく伸びている
他、4位にあるアイルランドも2013年の輸入量は2012年比で156%となっており、中国以外に輸入ソースを求
める動きが見て取れる。2013 年の主要輸出相手国は、タイ、インドネシア、韓国、台湾など、アジア地域向け
が中心である。主要国の構成比は、タイが56%、インドネシアが13%、韓国が12%、台湾が9%、シンガポー
ルが 7%となっている。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 329 2015/03/18 13:32:18
330鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-7 フェロシリコンの輸出入相手国
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 300,913 274,602 323,430 330,784 366,547 138,089 288,237 233,029 212,478 200,144 94% 57%
ロシア 52,363 23,944 17,237 24,780 36,482 41,664 65,916 65,007 68,818 83,142 121% 24%ブラジル 48,300 48,745 55,825 53,768 44,078 46,895 41,997 47,062 46,884 37,778 81% 11%
アイスランド 989 1,467 2,925 3,655 3,231 2,417 5,919 8,041 4,821 7,531 156% 2%ベトナム 0 0 0 0 0 0 180 3,246 7,886 7,524 95% 2%
ノルウェー 8,306 5,481 2,181 1,818 4,061 5,299 4,200 8,095 4,955 3,951 80% 1%韓国 1,093 811 45 30 515 0 179 748 1,488 1,871 126% 1%その他 10,166 9,966 5,926 3,523 4,312 5,213 10,625 14,429 14,070 7,290 52% 2%合計 422,130 365,017 407,569 418,358 459,225 239,578 417,252 379,657 361,400 349,232 97% 100%
タイ 724 587 410 967 1,483 1,815 3,270 3,540 3,604 3,512 97% 56%インドネシア 1,443 1,563 1,173 1,767 2,271 1,499 2,003 1,107 1,157 844 73% 13%
韓国 1,874 1,458 1,394 1,530 1,649 903 1,508 1,187 619 731 118% 12%台湾 825 437 99 222 388 394 799 462 430 558 130% 9%
シンガポール 206 339 380 430 439 375 420 450 390 450 115% 7%中国 10 260 283 383 287 106 296 315 244 49 20% 1%マレーシア 95 105 108 101 71 57 45 60 15 45 300% 1%その他 367 320 68 361 294 38 147 149 151 87 58% 1%
合計 5,544 5,070 3,913 5,762 6,881 5,186 8,488 7,269 6,611 6,276 95% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:フェロシリコン75%
※四捨五入により、各数値と合計値、前年比、構成比が合致しない場合がある。
輸出
輸入
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他ベトナムアイスランドブラジルロシア中国
図 2-12 フェロシリコンの輸入相手国
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他
台湾
韓国
インドネシア
タイ
図 2-13 フェロシリコンの輸出相手国
2-2-7.シリコマンガン(SiMn)
シリコマンガンの輸出入相手国を表 2-8、図 2-14 に示す。2003 年~2008 年までは中国からの輸入が最も
多く、輸入量全体の約 60~80%を占めていた。中国での自国消費の増加や、輸出関税引き上げにより、中国
からの輸入が 2009 年以降激減している。中国に代わり、2010 年以降インドからの輸入量が急増しており、
2013 年の全輸入量に占めるインドの比率は 59%である。
表 2-8 シリコマンガンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
インド 3,824 1,431 1,014 2,415 4,335 5,824 18,265 19,309 21,265 24,893 117% 59%カザフスタン 1,728 1,675 2,980 3,668 2,851 1,557 5,364 6,474 6,283 6,711 107% 16%ベトナム 625 1,922 878 198 575 2,620 2,509 1,722 2,394 4,520 189% 11%韓国 0 0 0 0 0 0 2,145 3,225 3,194 1,919 60% 5%ウクライナ 4,956 6,223 4,197 1,941 4,548 1,980 3,857 3,198 1,236 1,587 128% 4%インドネシア 0 0 0 0 0 0 303 438 807 1,558 193% 4%ブラジル 227 0 0 0 9 0 0 46 16 531 3,288% 1%フランス 0 0 0 0 0 0 105 332 302 227 75% 1%ノルウェー 49 125 103 219 481 249 409 236 162 193 119% 0%豪州 1,985 1,862 1,749 0 0 220 290 532 292 123 42% 0%南アフリカ 1,441 1,189 126 108 331 674 944 629 83 66 80% 0%スペイン 152 35 6 3 36 24 51 60 57 66 116% 0%スロバキア 0 0 0 0 0 238 75 0 141 63 45% 0%その他 30,082 20,697 30,040 44,043 39,828 8,749 5,773 1,811 1,016 36 4% 0%
合計 45,068 35,160 41,093 52,595 52,994 22,135 40,088 38,011 37,249 42,492 114% 100%
台湾 1 1 4 3 8 6 8 11 7 9 125% 91%タイ - - 0 0 3 0 0 1 0 1 300% 9%その他 24 0 0 0 51 - - - - - - -
合計 25 2 5 4 62 6 8 12 8 10 132% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:シリコンマンガン15%
輸出
輸入
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他韓国ベトナムカザフスタンインド
図 2-14 シリコマンガンの輸入相手国
2-3.輸出入価格
ケイ素の輸出入価格を表2-9、図 2-15、図2-16 に示す。2013 年に前年に比べ変動が大きかったのは低純
度シリコンの平均輸出価格で、2012 年に 57.5$/㎏であったのが 2013 年には 5$/㎏と大幅に下落した。また、
単結晶シリコンも輸入価格が前年比 73%、輸出価格が前年比 78%と、輸出価格、輸入価格ともに大幅な落ち
込みを見せている。単結晶シリコンの主要用途は半導体ウエハや太陽電池であるが、特に半導体ウエハ向
けでユーザーであるデバイスメーカーの発言権が強いため、材料メーカーが価格を下げざるを得ず、輸出価
格、輸入価格ともに下がってきているという状況である。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 330 2015/03/18 13:32:18
331 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-7 フェロシリコンの輸出入相手国
単位:純分t
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
中国 300,913 274,602 323,430 330,784 366,547 138,089 288,237 233,029 212,478 200,144 94% 57%
ロシア 52,363 23,944 17,237 24,780 36,482 41,664 65,916 65,007 68,818 83,142 121% 24%ブラジル 48,300 48,745 55,825 53,768 44,078 46,895 41,997 47,062 46,884 37,778 81% 11%
アイスランド 989 1,467 2,925 3,655 3,231 2,417 5,919 8,041 4,821 7,531 156% 2%ベトナム 0 0 0 0 0 0 180 3,246 7,886 7,524 95% 2%
ノルウェー 8,306 5,481 2,181 1,818 4,061 5,299 4,200 8,095 4,955 3,951 80% 1%韓国 1,093 811 45 30 515 0 179 748 1,488 1,871 126% 1%その他 10,166 9,966 5,926 3,523 4,312 5,213 10,625 14,429 14,070 7,290 52% 2%合計 422,130 365,017 407,569 418,358 459,225 239,578 417,252 379,657 361,400 349,232 97% 100%
タイ 724 587 410 967 1,483 1,815 3,270 3,540 3,604 3,512 97% 56%インドネシア 1,443 1,563 1,173 1,767 2,271 1,499 2,003 1,107 1,157 844 73% 13%
韓国 1,874 1,458 1,394 1,530 1,649 903 1,508 1,187 619 731 118% 12%台湾 825 437 99 222 388 394 799 462 430 558 130% 9%
シンガポール 206 339 380 430 439 375 420 450 390 450 115% 7%中国 10 260 283 383 287 106 296 315 244 49 20% 1%マレーシア 95 105 108 101 71 57 45 60 15 45 300% 1%その他 367 320 68 361 294 38 147 149 151 87 58% 1%
合計 5,544 5,070 3,913 5,762 6,881 5,186 8,488 7,269 6,611 6,276 95% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:フェロシリコン75%
※四捨五入により、各数値と合計値、前年比、構成比が合致しない場合がある。
輸出
輸入
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)その他ベトナムアイスランドブラジルロシア中国
図 2-12 フェロシリコンの輸入相手国
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t)
その他
台湾
韓国
インドネシア
タイ
図 2-13 フェロシリコンの輸出相手国
2-2-7.シリコマンガン(SiMn)
シリコマンガンの輸出入相手国を表 2-8、図 2-14 に示す。2003 年~2008 年までは中国からの輸入が最も
多く、輸入量全体の約 60~80%を占めていた。中国での自国消費の増加や、輸出関税引き上げにより、中国
からの輸入が 2009 年以降激減している。中国に代わり、2010 年以降インドからの輸入量が急増しており、
2013 年の全輸入量に占めるインドの比率は 59%である。
表 2-8 シリコマンガンの輸出入相手国
単位:純分t2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比 構成比
インド 3,824 1,431 1,014 2,415 4,335 5,824 18,265 19,309 21,265 24,893 117% 59%カザフスタン 1,728 1,675 2,980 3,668 2,851 1,557 5,364 6,474 6,283 6,711 107% 16%ベトナム 625 1,922 878 198 575 2,620 2,509 1,722 2,394 4,520 189% 11%韓国 0 0 0 0 0 0 2,145 3,225 3,194 1,919 60% 5%ウクライナ 4,956 6,223 4,197 1,941 4,548 1,980 3,857 3,198 1,236 1,587 128% 4%インドネシア 0 0 0 0 0 0 303 438 807 1,558 193% 4%ブラジル 227 0 0 0 9 0 0 46 16 531 3,288% 1%フランス 0 0 0 0 0 0 105 332 302 227 75% 1%ノルウェー 49 125 103 219 481 249 409 236 162 193 119% 0%豪州 1,985 1,862 1,749 0 0 220 290 532 292 123 42% 0%南アフリカ 1,441 1,189 126 108 331 674 944 629 83 66 80% 0%スペイン 152 35 6 3 36 24 51 60 57 66 116% 0%スロバキア 0 0 0 0 0 238 75 0 141 63 45% 0%その他 30,082 20,697 30,040 44,043 39,828 8,749 5,773 1,811 1,016 36 4% 0%
合計 45,068 35,160 41,093 52,595 52,994 22,135 40,088 38,011 37,249 42,492 114% 100%
台湾 1 1 4 3 8 6 8 11 7 9 125% 91%タイ - - 0 0 3 0 0 1 0 1 300% 9%その他 24 0 0 0 51 - - - - - - -
合計 25 2 5 4 62 6 8 12 8 10 132% 100%
出典:財務省貿易統計純分換算率:シリコンマンガン15%
輸出
輸入
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(純分t) その他韓国ベトナムカザフスタンインド
図 2-14 シリコマンガンの輸入相手国
2-3.輸出入価格
ケイ素の輸出入価格を表2-9、図 2-15、図2-16 に示す。2013 年に前年に比べ変動が大きかったのは低純
度シリコンの平均輸出価格で、2012 年に 57.5$/㎏であったのが 2013 年には 5$/㎏と大幅に下落した。また、
単結晶シリコンも輸入価格が前年比 73%、輸出価格が前年比 78%と、輸出価格、輸入価格ともに大幅な落ち
込みを見せている。単結晶シリコンの主要用途は半導体ウエハや太陽電池であるが、特に半導体ウエハ向
けでユーザーであるデバイスメーカーの発言権が強いため、材料メーカーが価格を下げざるを得ず、輸出価
格、輸入価格ともに下がってきているという状況である。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 331 2015/03/18 13:32:19
332鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-9 ケイ素の平均輸出入価格
単位:$/kg
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比輸入 1.37 1.30 1.36 1.31 1.46 1.56 1.60 1.66 1.75 1.72 98%輸出 4.9 5.1 4.9 4.2 4.9 5.2 5.8 6.8 7.5 7.1 95%輸入 35.5 42.3 56.1 75.2 80.2 73.4 63.2 59.5 48.2 49.4 103%輸出 - - - - - - - - - - -
輸入 92.4 105.5 130.0 158.8 151.8 108.0 115.4 111.1 115.4 83.9 73%輸出 50.9 56.6 75.2 94.9 156.2 82.6 70.1 72.0 48.4 37.9 78%輸入 1.2 1.2 1.2 1.6 2.6 2.2 2.5 3.0 2.7 2.2 81%輸出 43.8 42.9 39.5 23.8 87.8 64.4 47.3 52.2 57.5 5.0 9%輸入 0.82 0.74 0.79 0.96 1.65 1.44 1.51 1.74 1.59 1.48 93%
輸出 1.2 1.4 1.4 1.4 2.2 2.2 2.3 3.1 3.0 2.5 83%輸入 1.0 0.8 0.7 1.0 2.1 1.2 1.4 1.3 1.2 1.1 91%輸出 1.5 2.8 2.2 2.5 1.6 3.0 3.1 3.3 3.1 2.5 82%輸入 1.0 1.2 1.3 1.4 2.1 2.1 2.3 2.6 2.0 1.7 86%輸出 2.8 3.5 4.9 4.9 4.9 5.1 5.5 6.1 6.5 5.5 85%
出典:財務省貿易統計
※輸出入価格は貿易統計の貿易額を財務省による年間平均為替レートにより米ドルベースに換算し、年間平均価格を示した。
シリカ(二酸化ケイ素)
素材
シリコマンガン
合金鉄
多結晶
低純度(4N以下)
FeSi
金属シリコン
単結晶
炭化ケイ素
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
($/kg) 多結晶(輸入)
単結晶(輸入)
低純度(4N以下)(輸入)
低純度(4N以下)(輸出)
単結晶(輸出)
図 2-15 ケイ素(金属シリコン)の平均輸出入価格
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
($/kg) FeSi(輸入)シリコマンガン(輸入)炭化ケイ素(輸入)シリカ(二酸化ケイ素)(輸入)FeSi(輸出)炭化ケイ素(輸出)シリカ(二酸化ケイ素)(輸出)シリコマンガン(輸出)
図 2-16 ケイ素(シリカ、合金鉄、炭化ケイ素)の平均輸出入価格
3.生産者及び生産品目
日本におけるケイ素の主要生産者は表3 の通りである。
表 3 主要生産者及び生産品目
多結晶 FZ単結晶 CZ結晶
トクヤマ ○ - - - -
三菱マテリアル ○ - - - -大阪チタニウムテクノロジーズ ○ - - - -エムセテック ○ - - - -
信越化学工業 - ○ ○ - -SUMCO - - ○ - -グローバルウエハースジャパン - - ○ - -
新日本電工 - - - ○ -神戸製鋼所 - - - ○ -出典:矢野経済研究所
企業名フェロ
シリコン高純度シリコン シリコ
マンガン
4.リサイクル
ケイ素のリサイクル率を以下のように定義し、表 4 に示す。2013 年のケイ素のリサイクル率は 0%であった。
国内のケイ素のリサイクル量は限定的であり、そのほとんどが工程内リサイクルである。例えば、太陽電池シ
リコンウエハの場合、加工工程で発生したスクラップは基本的に全量シリコンウエハの製造工程で再利用され
ている。また、半導体メーカーの製造工程で発生するシリコンウエハのスクラップは、太陽光発電用の原料ま
たはアルミ合金添加剤としてごく少量がリサイクルされている。
一方、ケイ素は最終製品からケイ素成分を回収し再利用するシステムはまだ確立されていない。例えば、
半導体や太陽電池、シリコン樹脂などにおいては、技術的な問題ではなく、コスト的に合わないため最終製品
からのリサイクルは行われていない。アルミ地金、鉄鋼用に使われたケイ素は基本的に屑(鉄、アルミスクラ
ップ)として回収されているが、この回収スクラップに含まれるケイ素成分は普通鋼材の製造では不純物とし
てみなされるため、リサイクルには至っていない。さらに、炭化ケイ素から作られる炉材・機械部品等の使用
済製品からの回収も、その効率性の問題からリサイクルはほとんど行われていない。
例外的に回収・リサイクルが行われているのが、半導体ウエハを生産する際の位置決めに使用されるダミ
ーウエハである。ダミーウエハの生産量・回収量は統計数字などがなく、詳細は不明である。半導体工場では
ウエハサイズを変更するタイミングで全てのラインで位置決めをやり直すため、大量のダミーウエハが使用さ
れるが、サイズ変更が無ければダミーウエハの使用は少量である。ダミーウエハの需要はウエハサイズの
変化に合わせて波がある。
リサイクル率 =(使用済み製品からのリサイクル量)/(見掛消費)
見掛消費 =(国内生産)+(素材の輸入)-(素材の輸出)
※素材はシリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(単結晶シリコン、多結晶シリコン、低純度4N以下シリコン)、フェロシリコン、
シリコマンガン、炭化ケイ素の合計値
※国内生産には使用済製品のリサイクル(マテリアルリサイクル)を含む
表 4 ケイ素のリサイクル率
単位:純分t
2009 2010 2011 2012 2013
生産 0 0 0 0 0回収 0 0 0 0 0
452,764 768,442 748,782 649,427 620,269
452,764 768,442 748,782 649,427 620,269
リサイクル量 回収② 0 0 0 0 0
リサイクル率 ②/① 0% 0% 0% 0% 0%
出典:財務省貿易統計、触媒資源化協会
国内生産
合計①
見掛消費輸入(素材)-輸出(素材)
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 332 2015/03/18 13:32:19
333 鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
表 2-9 ケイ素の平均輸出入価格
単位:$/kg
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 13/12比輸入 1.37 1.30 1.36 1.31 1.46 1.56 1.60 1.66 1.75 1.72 98%輸出 4.9 5.1 4.9 4.2 4.9 5.2 5.8 6.8 7.5 7.1 95%輸入 35.5 42.3 56.1 75.2 80.2 73.4 63.2 59.5 48.2 49.4 103%輸出 - - - - - - - - - - -
輸入 92.4 105.5 130.0 158.8 151.8 108.0 115.4 111.1 115.4 83.9 73%輸出 50.9 56.6 75.2 94.9 156.2 82.6 70.1 72.0 48.4 37.9 78%輸入 1.2 1.2 1.2 1.6 2.6 2.2 2.5 3.0 2.7 2.2 81%輸出 43.8 42.9 39.5 23.8 87.8 64.4 47.3 52.2 57.5 5.0 9%輸入 0.82 0.74 0.79 0.96 1.65 1.44 1.51 1.74 1.59 1.48 93%
輸出 1.2 1.4 1.4 1.4 2.2 2.2 2.3 3.1 3.0 2.5 83%輸入 1.0 0.8 0.7 1.0 2.1 1.2 1.4 1.3 1.2 1.1 91%輸出 1.5 2.8 2.2 2.5 1.6 3.0 3.1 3.3 3.1 2.5 82%輸入 1.0 1.2 1.3 1.4 2.1 2.1 2.3 2.6 2.0 1.7 86%輸出 2.8 3.5 4.9 4.9 4.9 5.1 5.5 6.1 6.5 5.5 85%
出典:財務省貿易統計
※輸出入価格は貿易統計の貿易額を財務省による年間平均為替レートにより米ドルベースに換算し、年間平均価格を示した。
シリカ(二酸化ケイ素)
素材
シリコマンガン
合金鉄
多結晶
低純度(4N以下)
FeSi
金属シリコン
単結晶
炭化ケイ素
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
($/kg) 多結晶(輸入)
単結晶(輸入)
低純度(4N以下)(輸入)
低純度(4N以下)(輸出)
単結晶(輸出)
図 2-15 ケイ素(金属シリコン)の平均輸出入価格
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
($/kg) FeSi(輸入)シリコマンガン(輸入)炭化ケイ素(輸入)シリカ(二酸化ケイ素)(輸入)FeSi(輸出)炭化ケイ素(輸出)シリカ(二酸化ケイ素)(輸出)シリコマンガン(輸出)
図 2-16 ケイ素(シリカ、合金鉄、炭化ケイ素)の平均輸出入価格
3.生産者及び生産品目
日本におけるケイ素の主要生産者は表3 の通りである。
表 3 主要生産者及び生産品目
多結晶 FZ単結晶 CZ結晶
トクヤマ ○ - - - -
三菱マテリアル ○ - - - -大阪チタニウムテクノロジーズ ○ - - - -エムセテック ○ - - - -
信越化学工業 - ○ ○ - -SUMCO - - ○ - -グローバルウエハースジャパン - - ○ - -
新日本電工 - - - ○ -神戸製鋼所 - - - ○ -出典:矢野経済研究所
企業名フェロ
シリコン高純度シリコン シリコ
マンガン
4.リサイクル
ケイ素のリサイクル率を以下のように定義し、表 4 に示す。2013 年のケイ素のリサイクル率は 0%であった。
国内のケイ素のリサイクル量は限定的であり、そのほとんどが工程内リサイクルである。例えば、太陽電池シ
リコンウエハの場合、加工工程で発生したスクラップは基本的に全量シリコンウエハの製造工程で再利用され
ている。また、半導体メーカーの製造工程で発生するシリコンウエハのスクラップは、太陽光発電用の原料ま
たはアルミ合金添加剤としてごく少量がリサイクルされている。
一方、ケイ素は最終製品からケイ素成分を回収し再利用するシステムはまだ確立されていない。例えば、
半導体や太陽電池、シリコン樹脂などにおいては、技術的な問題ではなく、コスト的に合わないため最終製品
からのリサイクルは行われていない。アルミ地金、鉄鋼用に使われたケイ素は基本的に屑(鉄、アルミスクラ
ップ)として回収されているが、この回収スクラップに含まれるケイ素成分は普通鋼材の製造では不純物とし
てみなされるため、リサイクルには至っていない。さらに、炭化ケイ素から作られる炉材・機械部品等の使用
済製品からの回収も、その効率性の問題からリサイクルはほとんど行われていない。
例外的に回収・リサイクルが行われているのが、半導体ウエハを生産する際の位置決めに使用されるダミ
ーウエハである。ダミーウエハの生産量・回収量は統計数字などがなく、詳細は不明である。半導体工場では
ウエハサイズを変更するタイミングで全てのラインで位置決めをやり直すため、大量のダミーウエハが使用さ
れるが、サイズ変更が無ければダミーウエハの使用は少量である。ダミーウエハの需要はウエハサイズの
変化に合わせて波がある。
リサイクル率 =(使用済み製品からのリサイクル量)/(見掛消費)
見掛消費 =(国内生産)+(素材の輸入)-(素材の輸出)
※素材はシリカ(二酸化ケイ素)、金属シリコン(単結晶シリコン、多結晶シリコン、低純度4N以下シリコン)、フェロシリコン、
シリコマンガン、炭化ケイ素の合計値
※国内生産には使用済製品のリサイクル(マテリアルリサイクル)を含む
表 4 ケイ素のリサイクル率
単位:純分t
2009 2010 2011 2012 2013
生産 0 0 0 0 0回収 0 0 0 0 0
452,764 768,442 748,782 649,427 620,269
452,764 768,442 748,782 649,427 620,269
リサイクル量 回収② 0 0 0 0 0
リサイクル率 ②/① 0% 0% 0% 0% 0%
出典:財務省貿易統計、触媒資源化協会
国内生産
合計①
見掛消費輸入(素材)-輸出(素材)
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 333 2015/03/18 13:32:19
334鉱物資源マテリアルフロー 2014
ケイ素(Si)
5.マ
テリ
アル
フロ
ー
ケイ
素の
マテ
リア
ルフ
ロー
(2013)
※SEG
-Si:
11N
~
6,35
8t
8,00
0t
4,42
3t
16,1
92
t15
,024
t
190,
539
t26
,514
t
-
23,8
19t
349,
232
t6,
276
t
3,71
1t
7,49
3t
42,4
92
t10
t
35,2
42
千t
46,8
91
t5,
633
tt t
※純
分換
算率
:シリ
カ(二
酸化
ケイ
素)4
7%
、金
属シ
リコ
ン(単
結晶
シリ
コン
、多
結晶
シリ
コン
)100%
、フ
ェロ
シリ
コン
75%
、シ
リコ
ンマ
ンガ
ン15%
、炭
化ケ
イ素
80%
※国
内生
産量
は新
金属
協会
、耐
火物
協会
統計
より
中央
電気
工業
新
日本
電工
輸出
量主
要生
産企
業
シリ
コマ
ンガ
ン
輸入
量
※シ
リコ
ンマ
ンガ
ンは
マン
ガン
系合
金鉄
の一
種で
、
需要
量-
化粧
品添
加剤
・コ
ーテ
ィン
グ剤
(医薬
品)な
ど
石英
ガラ
ス
乾燥
剤・ろ
過助
剤需
要量
-
国内
生産
量
電気
炉に
コー
クス
、マ
ンガ
ン鉱
石(F
Mン
H1ス
ラグ
)、
43,8
9614
,349
シリ
カ(二
酸化
ケイ
素)
国内
生産
量-
輸入
量輸
出量
るつ
ぼ需
要量
ガラ
ス
食品
添加
剤
-需
要量
需要
量-
輸出
量
化粧
品・医
薬品
輸入
量国
内生
産量
炭化
ケイ
素
鉄鋼
など
路剤
・機
械部
品な
ど耐
火・研
削剤
単結
晶シ
リコ
ン引
き上
げ用
など
-神
戸製
鋼所
-
国内
生産
量輸
入量
輸出
量- -
珪石
・珪
砂
-
※S
iO2
が主
体の
鉱石
・砂
=珪石
・珪砂
フェ
ロシ
リコ
ン
旭化
成ワッカ
ーシリコ
ーン
アー
ク炉
を用
いて
高温
還元
して
生産
輸出
量
東レ
・ダウ
コー
ニング
JN
C(旧
チッ
ソ)
輸入
量
信越
化学
工業主
要生
産企
業輸
出量
-
※電
気消
費が
多く、
珪砂
の原
料が
海外
にあ
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め10
0%加
工さ
れた
状態
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パフ
ォー
マンス
・マテ
リアル
ズ・
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パン
普通
鋼、
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鋼
需要
量-
需要
量 ファ
イン
セラ
ミッ
クス
鉄鋼
製品
アル
ミ地
金(母
合金
):再
生地
シリ
コー
ンゴ
ム、
潤滑
材、
接着
材、
シー
ラン
ト、
コー
ティ
ング
材
鉄鋼
石、
珪石
など
を投
入し
製造
シリ
コン
樹脂
鋼材
自動
車用
部品
、鉄
道車
両、
産業
機械
など
鋳物
製品
-
含マ
ンガ
ン鋼
材
構造
材
-
需要
量
需要
量
需要
量
需要
量
アル
ミ添
加剤
国内
生産
量輸
入量
輸入
量
シリ
コー
ン
信越
化学
工業
グロ
ーハ
゙ルウ
エハ
ース
゙ジャ
パン
トク
ヤマ
単結
晶・多
結晶
シリ
コン
(イ
ンゴ
ット
)
※SO
G-S
i:純度
6N
~
信越
化学
工業
SU
MC
O-
SU
MC
O
-
原料
※珪
砂を
カー
ボン
電極
を使
用し
た
素材
輸入
量
輸出
量
輸出
量-
※m
eta
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de S
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三菱
マテ
リア
ル
※ケ
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を木
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どと
一緒
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電
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で融
解、
還元
多結
晶シ
リコ
ン
国内
生産
量-
輸入
量-
主要
生産
企業
製品
・主
要用
途
金属
シリ
コン
大阪
チタ
ニウ
ムテ
クノ
ロジ
ーズ
輸入
量-
国内
生産
量輸
入量
輸入
量 主要
生産
企業
国内
生産
量
シリ
コン
ウェ
ハ半
導体
-
太陽
電池
太陽
電池
用単
・多
結晶
シリ
コン
ウェ
ハ
需要
量
- -主
要生
産企
業
MEM
Cグロ
ーハ
゙ルウ
エハー
ズシ
゙ャハ
゚ン
単結
晶シ
リコ
ン
輸
出入
のみ
国内
生産
あり
製造
フロ
ー(国
内製
造あ
り)
リサ
イク
ルの
フロ
ー直
接の
輸出
入な
し製
造フ
ロー
(国内
製造
なし
)
1.需給動向
1-1.世界の需給動向
リンは生物にとって不可欠な元素であり、リンの化合物であるリン酸カルシウムは骨や歯の構成要素にも
なっている。そのため、世界で生産されるリン鉱石の90%が肥料用として使用されている。残り10%以下が工
業用として使用されている。
世界のリン鉱石生産量を表 1-1、図 1-1 に示す。2013 年の世界リン鉱石生産量は前年比 103%の 224,000
千 t であった。主要生産国は中国、米国、モロッコ等であり、上位 3 ヶ国で全体の 70%を占めている。2013 年
の主要各国の生産量は、中国が 97,000 千 t、米国が 32,300 千 t、モロッコ及び西サハラが 28,000 千 t であっ
た。また、2013 年から新たにサウジアラビア、カザフスタンの生産量が発表されているが、このうちサウジア
ラビアについては国営の鉱業会社Saudi Arabian Mining Company.(略称:Maaden)が世界最大のリン安プラント
(年産3,000,000t)を立ち上げ、その原料となるリン鉱石の生産が同時に始まったことによる。カザフスタンは黄
リン生産拠点の一つである。
市場では一時期、リン鉱石の枯渇問題が注目されたが、モロッコで鉱石埋蔵量が大幅に増加修正されるな
ど、最近では資源枯渇問題に特段の切迫性は無くなったとされている。一方、もともとリン鉱石にはアルミニウ
ムやマウネシウムに加え様々な元素が不純物として含まれており、産出される地域及び鉱山によって不純物
の成分やコンテントが異なる。用途によって不純物含有率の許容範囲が異なり、例えば工業用では不純物除
去に対する要求が非常に厳しく、鉄、アルミニウム、マグネシウム成分を ppm まで下げる必要があるが、肥料
用はこれらが 2~3%含まれていても許容される。リンを肥料用、工業用に使用する場合、不純物が少なく、含
まれていても簡単に除去できるなど、各用途に適した品質で加工のしやすい鉱石を調達できるか否かが問題
となる。日本はペルーに鉱山権益を保有しているが、スペック上の制約によりインド等向けに供給されてい
る。
主要用途が肥料であるリンは世界各国において、食糧政策に直接かかわる戦略物資と位置付けられてお
り、リン鉱石の権益を保有している国がリンをどのような形で、どの程度の規模で販売するかは国家戦略に通
じるものがある。例えば、どの国でも自国内の食糧調達を優先し、国内、あるいは権益を持つ海外鉱山で採
れるリン資源は国内で使用する肥料としてまず確保する。米国のようにリン鉱石での輸出は行わず、全てリン
化合物の形で輸出(リン酸までのプロセスを自国内でおこなう)ケースもある。また、中国は輸出規制を実施し、
徐々に輸出量を減らしている。リン鉱石の資源枯渇の問題は無くなったとしても、各国がリンを戦略物資と位
置付けている以上、高品質で使いやすいリン鉱石は将来入手しにくくなる可能性もある。日本では農業人口、
作付面積とも減少しているが、何らかの状況によりリンや肥料の輸入に制限かけられた場合のリスクは非常
に大きい。
こうした中、大手肥料メーカーや商社では海外の鉱山プロジェクトへの出資を検討したり、工業用に加え、
肥料用リンの取扱を新たに検討したりする動きもある。
鉱物資源マテリアルフロー2014.indb 334 2015/03/18 13:32:20