Download - 2009年ベスト本『ザッポスの奇跡』を読んで学んだこと【完全版】
2010/04/11KOUNO Takeshi.
2009年ベスト本
『ザッポスの奇跡』を読んで学んだこと2009年ベスト本
『ザッポスの奇跡』を読んで学んだこと
mixbeat showcase /act.01
• 河野武 / KOUNO Takeshi– 1974年7月3⽇⽣まれ。⽴命館大学経済学部卒。
コミュニケーション・デザイナー。企画屋。– 1997年、ニフティ⼊社。2001年にニフティ退職後、
フリーランスとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワン専務取締役兼COOを務める。2005年から2007年までシックス・アパート株式会社マーケティング担当執⾏役員を務める。現在は、ブックオフオンライン株式会社取締役のほか、数社の顧問・アドバイザーを務める。
– 近著に「そんなんじゃクチコミしないよ。」がある。– 個人でもcrossreview、clipmailなどを運営。– mixbeat創設者、初代塾⻑。
自己紹介
今日の内容
『ザッポスの奇跡』から、ザッポスという会社の興味深い「事実」や「発言」を抜き出して再構成し、最後に自分なりの「考察」を加える
まずは本の抜粋
企業文化が原動力
ザッポスは何の会社か
『ザッポスは、たまたま、○○○を販売しているにすぎない、サービス・カンパニーです。靴、ハンドバッグ、衣類、メガネ、時計、アクセサリー、(そして、いずれは世界中のありとあらゆるものを)』(サイト上の案内)
の価値観
ザッポスの価値観
• 短期的なROIよりもLTVの最大化– リピート率が75%
• リピート顧客は年に2.5回以上ザッポスで買い物をして、注文単価も新規顧客の1.3倍
• 来店⽐率– 新規顧客の43%がクチコミで来店
• いまはテレビCM始めたから数字は変わってるはず– 44%がリスティング広告、アフィリエイト広
告など– 残り13%がテレビや印刷媒体など
• 従来型の広告もやってないわけではない
にとっての顧客サービス
ザッポスにとっての顧客サービス
「ザッポスでは、顧客サービスを『コスト』として捉えていません」
「コンタクトセンターの電話対応は、むしろ、またとないブランディング機会だと考えています。五分、あるいは十分間というまとまった時間を、顧客が、何にも邪魔されずに私たちの言うことに神経を集中して耳を傾けてくれる、そんなチャンスが他にありますか?」
「顧客が、ザッポスと話すために、向こうから進んで電話をかけてきてくれる。そんな貴重な時間を、ザッポスでは『カスタマー・フォー・ライフ』、つまり『一生涯お付き合いできる関係」をクリエイトするために利用しているのです。それは、コストの無駄遣いではなく、『意義ある投資』です」
(以上すべてCEO、トニー=シェイ)
ザッポスにとっての顧客サービス
• 送料無料、返品も自由– 「送料も返品も無料。しかも、返品は何回でもOK」
はザッポスが最初• ザッポスは最初から型破りだった
• 翌⽇配送– リピート顧客に対しては無料で翌⽇配達する(通常
は5〜7⽇間)「サプライズ・アップグレード」• 全顧客を対象にしないところに利益について考えている
• 扱う商品は90万アイテム– 当初はドロップシッピングだったが、いまは全在庫
• 24時間365⽇営業のコンタクトセンター– メール、電話、ライブチャット、Twitter ……
ザッポスの電話注文の⽐率は5%以下。でも24時間365⽇、電話を受け付けている。
ザッポスにとっての顧客サービス
ザッポスにとっての顧客サービス
「これらすべては、勿論、かなりお金がかかることです。でも、顧客サービスをないがしろにする余裕は、僕たちにはないのです」(CFO、アルフレッド=リン)
のコンタクトセンター
ザッポスのコンタクトセンター
「ザッポスでは、『カスタマー・サービス』は部門名ではありません。むしろ、会社全体の基盤が、『カスタマー・サービス』なのです」(CEO、トニー=シェイ)
ザッポスのコンタクトセンター
• マニュアルがないコンタクトセンター– 400名規模ですべて社員
• このへんは雇用に対する価値観のちがいもあると思う(解雇が簡単とか)
– サービス・ポリシーを超えて対応してOK• 返品、返⾦、特別配達、クーポンの発⾏などス
タッフの権限で何をしてもいい• ザッポスに在庫がない場合、競合サイトを検索し
て、案内する– 電話の処理時間を計測しない– 売上ノルマもない– トークスクリプトもない
ザッポスのコンタクトセンター
「お客さんは『何をしてくれたか』は覚えていないかもしれない。でも、『どんな気持ちにさせてくれたか』は決して忘れない」(CEO、トニー=シェイ)
ザッポスのコンタクトセンター
「顧客をハッピーにするために、『自分が』必要だと判断するあらゆることを、『自分の』裁量で実行する権限が私たちには与えられています。それは世の中を良くする、意義ある仕事です」(CLT社員)
ザッポスのコンタクトセンター
「ザッポスのCLT社員は、もし仮に顧客が求めている靴が、ザッポスに無かった場合に、必ず他社のサイトを最低三個はチェックして、その靴を入手できるところがないかどうか調べるように、教育されています」「顧客は他社から買ってしまうかもしれませんが、それでいいのです。顧客満足が得られさえすれば。顧客はその経験から、『次はまたザッポスに来よう』と思うでしょうから」(いずれもCEO、トニー=シェイ)
ザッポスのコンタクトセンター
• 評価をどうしているのか– 「基本的に、社内チームによる評価と、顧客による評価、の二通りです」(CLTシニア・マネジャー、ジェーン=ジャッド)
• 社内の評価– クオリティ保証チーム
• 顧客対応のモニタリングをしてコーチング• 顧客の評価
– NPS(ネット・プロモーター・スコア)チーム• 顧客に電話をかけて会社のサービスと、対応スタッフの評価
を聞く• 評価が悪ければ対応したスタッフの上司や責任者がお詫びの
電話をする
NPSとは
NPSとは、商品/サービスそのものやブランド、企業などに対する顧客のロイヤルティー(忠誠度)の指標の⼀つ。“究極の質問(Ultimate Question)”とも言われる「あなたはそれを友人や同僚に薦めたいと思うか?」という問いに対する答えを、0〜10の11段階で調査。10〜9をプロモーター(推奨者)、8〜7をニュートラル(中⽴)、6以下をデトラクター(非難者)に分類する。プロモーターが占める%⽐率からデトラクターが占める%⽐率を差し引いた%数値をNPS指標とする。
NPSの“N=net”は正味の意味であり、ネットワークやインターネットとは無関係。単純な⼀つの質問で顧客のロイヤルティーを測定する方法として、米コンサルティング会社ベイン&カンパニー(Bain &Company)のフレデリック・ライクヘルド氏などが考案した。米GEは2005年の年次報告書で、自然な成⻑を達成するための戦略の中で、顧客のロイヤルティーの変化指標としてNPSを採用することを明らかにした。(⽇経ネットマーケティング)
NPSとは
http://markezine.jp/article/detail/9864
ザッポスのコンタクトセンター
「Eメールだって、ザッポスのは特別だ。」「普通の会社のEメールは、用件を述べるだけで、誰が書いたって同じだ。でもザッポスは違う。ザッポスでは、社員の一人ひとりが、『自分色』を表現することを奨励している。知らせなきゃいけない用件は勿論書くけれど、そのほかに、書く人独自の挨拶を入れてみたり、顧客と以前に電話やEメールで話した内容に触れるように心がける。一人ひとりの『味』を出すことが大切なんだ」(CLT社員)
ザッポスのコンタクトセンター
「普通のコンタクトセンターでは、オーダー処理でも返品処理でも、とにかく一刻も早く仕事を終わらせて、次のコールに行かなくちゃと思います。だけど、ザッポスでは、顧客についてできるだけ深く知ろうとします。もし電話越しに犬の吠える声が聞こえたら、『どんな犬ですか?』と聞きます。そうすることが奨励されているんです。『パーソナル(ひとりの人間として)、かつエモーショナルな(心に触れる)つながりを築くこと』が一番のゴールだと、トニーはいつも言っています」(CLT社員)
ザッポスのコンタクトセンター
• サービスをカスタマイズする– スタッフの数×顧客の数だけ、ベストなサ
ポートのカタチがある• サポートにクリエイティビティを
– 毎⽇みんなで情報交換、意⾒交換してより良いサポートを追求している。
– サポートにも改善、サポートにもクリエイティビティを発揮する
のコア・バリュー
ザッポスのコア・バリュー
「まず、サービスを中核とした企業文化を築いて、育むこと。そうすれば、成果は後からついてきます」(CEO、トニー=シェイ)
ザッポスのコア・バリュー
「すべては、コア・バリューから始まる」(CFO、アルフレッド=リン)
ザッポスのコア・バリュー
「ザッポスで働いていると、勤務時間だけコア・バリューを大切にして、家に帰ったら忘れてしまう、なんてことはできなくなります。例えば、車を運転していて、誰かが隣の車線から割り込んできたとするでしょう。ザッポスに入社する以前なら腹を立てていたかもしれませんが、『WOWのサービス』や『謙虚さ』を思うと、寛大な気持ちになって、腹も立たなくなるのです」(CLT部門シニア・マネジャー、ジェーン=ジャッド)
ザッポスのコア・バリュー
http://about.zappos.com/our-unique-culture/zappos-core-values
ザッポスのコア・バリュー
1. サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ。顧客を、同僚を、取引先を、パートナーを、そして、投資家を驚嘆させる会社でありたい。
2. 変化を受け入れ、その原動力となれ。競合の先を行くためには、常に変化している会社でなくてはならない。
3. 楽しさと、ちょっと変わったこと、をクリエイトせよ。個性を大事に、楽しく、革新的な会社でありたい。「はみ出す」ことを恐れるな!
4. 間違いを恐れず、創造的で、オープン・マインドであれ。未開拓の可能性、解決策を模索する会社でありたい。
5. 成長と学びを追求せよ。社員一人ひとりが、常に向上する姿勢が、会社の成長につながる。
6. コミュニケーションを通して、オープンで正直な人間関係を構築せよ。お互いに心から信頼できる人間関係を築くためには、コミュニケーションが鍵。
7. チーム・家族精神を育てよ。「同僚」を超えるつながりを築く。そうすれば、どんな問題も課題も、力をあわせて乗り越えることができる。
8. 限りあるところからより大きな成果を生み出せ。現状に甘んじることなく、常に「より良い結果」を目指す会社でありたい。
9. 情熱と強い意思を持て。常に、「できる」という姿勢で万事に取り組む会社でありたい。
10.謙虚であれ。すべての人を尊重する会社でありたい。自分がして欲しいと思う通りに、他者にも接すること。
ザッポスのコア・バリュー
• コア・バリューの作成プロセス– 2005年にスタート
• CEOトニーがマネジャー・クラス全員にメール• 当時の社員数は90人
– いまあるカルチャーの実像を知ること• 『ザッポスらしい人』や『ザッポス的』な⾏動や
特性について話し合う• 約半年間、共通項を⾒つける作業
– 1年後に社員全員にメール• この時点では37項目、3つのカテゴリー• フィードバックを募り、10個に絞り込む
– 成文化• 2006年2月に発表
ザッポスのコア・バリュー
• コア・バリューの定着に向けて(1)– 「コア・バリュー・トレーニング」の義務化
• 配属部門や役職にかかわらず、全員が対象– 「新規社員トレーニング・プログラム」開発– 業務評価の基準を改定
• 「業務評価表」の11ページのうち、5ページは「コア・バリュー・アセスメント」(コア・バリューへの適性や貢献度チェック)
– チーム目標• CLTではチームごとに「今月のコア・バリュー」を
選んで、⽇々の顧客対応の成果をチェックしたりする
ザッポスのコア・バリュー
• コア・バリューの定着に向けて(2)– スタッフの自社採用– 解雇基準にも適用
• 「コア・バリューに基づく評価」が低い社員には勧告がくだされ、⼀定期間に改善が⾒られない場合は解雇
• じっくりと時間をかけて採用するけど、切るときは迅速に。
– 常にカルチャーにフィットするかがポイント– 同僚による賞賛
• コア・バリューのいずれかについて賞賛されるべき⾏動をした人がいたら、ザッポス・グッズ(1ドルで販売)をプレゼントする
の採用
ザッポスの採用
「まず、適切な人材をバスに乗せる」(ジェームズ=コリンズ『ビジョナリーカンパニー2』)
ザッポスの採用
• 人材募集– 第⼀印象から「ひと味違う会社」であること
をアピールする– 求職者自身に自分がザッポスにあう人間かど
うかを判断してもらう
ザッポスの採用
• 適正な人物のフィルタリング– 会社説明会をリトマス試験紙に
• 強烈な文化を打ち出すことで、求職者に自問自答してもらう
• 最初に社内ツアーでさまざまな歓迎をする– 採用申込書
• 迷路やクロスワード・パズルがある• 氏名や住所など⼀般的な項目に紛れて、ザッポス
のコア・バリューに関連した質問がいくつかちりばめられている
– 「ふたりの人をランチに招待できるとしたら、誰を招くでしょうか。そして、その理由は?(現在、過去、実在、架空を問わない)」
– 「あなたが部屋に足を踏み⼊れるたびに、テーマソングが流れるとします。そのテーマソングとは? そして、その理由は?」
ザッポスの採用
• スキル・フィットとカルチャー・フィット– ザッポスの採用試験にはスキル・フィット・
インタビューとカルチャー・フィット・インタビューの二種類の面談がある• スキル・フィット・インタビューは人材を募集し
ている各機能部門(IT部門やMD部門、経理部門など)の雇用担当者によって⾏なわれ「技能」を評価する
• カルチャー・フィット・インタビューは人事部によって⾏なわれ「文化適性」を評価する
ザッポスの採用
• あくまでもカルチャー・ファースト– スキル・フィットにいくら適合していても、
カルチャー・フィットに適合しなければ、採用されない
– 反対に、スキル・フィットには適合しなくても、カルチャー・フィットに適合すれば、他の部門での採用を検討する
ザッポスの採用
• 究極の質問– 「会社の人と社外で交流したことがあります
か?」• この質問に「いいえ」と答えると不採用
• ⼊社前交流を兼ねた面接– CLT部門以外への応募者は、第二選考の際に、
人事部門との面接の他に、自分が配属される部門のチームと約半⽇過ごす• 技能や経験を評価するとともに、将来の同僚にな
るかもしれないメンバー⼀人ひとりに丁寧に紹介される
の研修
ザッポスの研修
• トレーニングの内容– ザッポス社員が⼊社直後に経験するトレーニ
ングは4週間で、コアバリューについて学ぶ座学に2週間、コールセンターでの研修(電話対応)が2週間
– ケンタッキーの倉庫で⾏われる1週間の研修は、⼊社1年目のある時点で、社員がある程度ザッポスに定着したことが確認された時点で⾏われる
ザッポスの研修
• 研修は月曜から⾦曜まで、7時から16時まで⾏なわれる– 研修の初⽇は新⼊社員とトレーナー、採用チーム、
配属先部署のマネジャー、会社役員が⼀堂に会して、親交を深めるところから始まる• 期待していることを態度で⽰す
• 欠席、遅刻は許されない– よほどの事情がない限り、⼀回でも欠席や遅刻があ
るとその場で失格となる• サポート体制
– モーニングコール• いまは自動設定、かつてはトレーナーたちがかけていた
ザッポスの研修
• 研修の内容– 座学ではコア・バリューについてのプレゼンテー
ションやディスカッションが⾏なわれる• ⼀般的な座学(講義を聴き、ノートを取る)ではない• 座学の講師は社員から自由にボランティアで募る• 有志の社員が10のコア・バリューからひとつを選んで、レ
クチャーする• 教える社員の側にもいい経験になる(教えることで学べるこ
とがある)– カスタマー対応の練習も⾏なう
• サンドボックスと呼ばれるデモ環境が用意されていて、顧客情報の照会や返品処理、クーポン発⾏など実際に顧客対応をする際と同じことができる
• コールセンターでの研修では実際にトレーナーがそばについて実際に顧客対応をする
ザッポスの研修
「トレーニングの目的は、社員の一人ひとりに『自分がお客さんだったら、どうして欲しいか』を考えさせること。そして『自分の判断に基づき、責任を持って行動する』よう仕向けること」「特に『こうしたらいい』という指導はしません。むしろ、『どうしたらベストだと思うか』を問うようにしています。みんな最初は、『三〇ドルのクーポンをあげたら''』とか恐る恐るです。でも、『じゃあ、そ
うしたら!』と励ますことによって、いずれは各自が自信をもって行動できるようになる」(CLT社員)
ザッポスの研修
• 研修終了– 最終⽇は「卒業式」と「パレード」で締めく
くり– 卒業するグループが思い思いのスタイルでト
レーニングを終えた達成感をお祝いする• その模様が社員ブログに取り上げられたりする
ザッポスの研修
• インキュベーション期間– CLT部門の社員にはさらに3週間のインキュ
ベーション(孵化)期間がある– 研修終了後から新人社員には自由裁量権が与
えられている• ただし完全なフリーではなく、インキュベーショ
ンの期間中はマンツーマンのモニタリングを受ける
• メンターがモニタリングして、どこを改善できるか(どうしたら、よりザッポス風のサービスを提供し、お客さまにWOWを与えることができるのか)というコーチングをする
ザッポスの研修
• アンバサダーとメンター– 2名置くのがポイント– メンターは具体的な顧客対応のやり方をコー
チングする人間– アンバサダーはザッポスのカルチャーに溶け
込むための相談役で兄貴分、姉貴分のような役割
ザッポスの研修
• 採用辞退ボーナス– 第⼀週を終えた時点で、採用を辞退すると
2000ドルもらえる– 面接をくぐり抜けてしまった不適格な社員を
排除するトラブルなく仕組み• 「お⾦のため」に働く人間はザッポスには不適格
– ボーナスを受け取って辞める人間は1%程度• 言い換えれば採用時点で99%の精度とも言える
ザッポスの研修
• マルチスタッフ育成– クリスマスシーズンなどの繁忙期に全社員か
らヘルプを募る• CEOも電話が取れる会社
– ディズニーの「部門を超えた人材活用」に似ている• ディズニーでは繁忙期には本社の経営幹部もパー
クに出勤して働く• チケットを販売したり、案内係やフードコートで
現場の人間と⼀緒に働く
のオフィス
ザッポスのオフィス
• 服装やファッションも自由、むしろ個性を打ち出すことが奨励されている
• フリーアドレスにはしない– 自分のデスクを与えることで私物を置き、個
性を発揮させる– ファミリーであることを意識させる
• ザッポス・ライブラリー– 本社の受付けロビーにある– 経営陣が社員に読んでほしい本を並べている– 自由に持ち帰っていい(返却不要)
• 来客の利用(持ち帰り)もオッケー
の人事制度
ザッポスの人事制度
• 本当の適材適所– 管理職になることだけが昇給ではない– 「ザッポスでは、昇進・昇給したい人は自分の目指すだけ、どこまででも昇りつめることができる」(CLT社員、サラ)
– 17のスキル・セットを設け、スキル取得のたびに昇給する• ⼀般社員でもスーパーバイザー以上の給料をもら
うことができる
ザッポスの人事制度
• リーダー養成プログラム「パイプライン」– 目的は5年から7年のスパンで管理職を育成す
ること– 教養科目と専門科目がある
• 教養科目は「ザッポス・カルチャー」や「マネジメント学」など
• 専門科目は各部門が開発中– 社内のキャリアパスの流動性を⾼めるため– 現在もトライアルという形で部門移動できる制
度がある• 期間はだいたい6ヶ月で、マッチすれば異動、しな
ければ元の部署に戻る
の社内制度
ザッポスの社内制度
• 常勤コーチ「ドクター・ビック」– ドクター・ビックの役割は、ザッポス社員、
チーム、あるいは部門が次のレベルに到達するためのサポートを提供すること
– 無料のコーチング・セッション• プライベートな相談でもなんでもいい
– 新⼊社員はドクター・ビックとともに「30⽇ゴール」を設定する• 30分間の個別セッションで、人⽣や仕事における
目標を語り合う– ゴールを達成した社員には表彰式がある
ザッポスの社内制度
• 自分の仕事に集中できるバックアップ体制• 社内コンシェルジュとしての「ヘルプデスク」
– 社員の出張に関する手配– 取引先が訪問する際の移動手段や宿泊先の手内– 空港からオフィスまでの送迎も– 社内ツアーの運営も
• CLT内には「リソース・デスク」– メーカーや配送業者などへの問い合わせを引き受け
るチーム– 「カルチャー・ブック」を毎年発⾏している– 「ザッポスのカルチャーとは」をテーマに社員から
投稿
ザッポスの社内制度
• できる範囲で社員へサービス– 医療保険が全額会社負担– 毎⽇昼⾷を無料で提供する社員⾷堂– 社員が自由に利用できる「昼寝室」
• 「クルーズシップ・マネジャー」– 社員エンゲージメントの促進が仕事– 社内交流イベント、社会貢献活動、褒賞のイ
ベントなどを企画、運営– イントラネットの掲⽰板「ザッポス・コミュ
ニティ・ニュースレター(ZCN)」の運営
ザッポスの社内制度
• マネジャーは勤務時間の10%から20%を部下との交流に費やすように義務づけている
• 月に1回はオフサイトミーティング– グループごとに月に1⽇だけ社外で交流を深
めるための⽇がある• 映画を⾒に⾏ってもいいし、バーベキューに⾏っ
てもいい
のソーシャルメディアマーケティング
ザッポスのソーシャルメディアマーケティング
http://about.zappos.com/our-unique-culture/zappos-core-values
ザッポスのソーシャルメディアマーケティング
http://about.zappos.com/our-unique-culture/zappos-core-values
ザッポスのソーシャルメディアマーケティング
• 顧客とのパーソナル、かつエモーショナルな関係を築くためのツール
• 500人もの社員がTwitterをやっている– 強制ではなく社員の自主性による任意の活動– ガイドラインはない– 業務時間中の利用を奨励している
• 12種類のブログをやっている– スタッフブログは月100本以上の記事が更新
• 社員のインタビューや社内イベントの様子を伝える記事も
– YouTubeも積極的に利用
ザッポスのソーシャルメディアマーケティング
• 「メディア・プランニング」から「ピープル・プランニング」へ– ザッポスでは顧客であり、社員である「人」
がメディア• 「人にかけるリソースのROIは測定不可能だ、と指摘する人がいます。ですが、マスメディア広告のROIを測定できるかというと、それは疑問です。メディア・プランニングに多大な投資をする会社もあれば、ザッポスのように、ピープル・プランニングに投資する会社もある。考え方の違いですね」(ユーザーエクスペリエンス担当ディレクター、ブライアン=カルマ)
ここから考察
なぜザッポスは社員を自由に振る舞わせることができるのか?
経営陣の覚悟と正しい現状認識
• 社会の変化– モノが満たされる
• 「ほしいものがほしいわ」– 価格競争の限界
• 中国製品、PB商品• 「何を買うか」から「どこで買うか」「誰から買
うか」へ– 最⾼、最安、最愛
– ネットの普及• 透明性の⾼い世の中に• 隠し事はできない、絶対にバレる
– どうせ社員やアルバイトから漏れる
24時間365日ずっと
ザッポスの『中の人』という自覚があればいい
でも、どうやって?
かなりしっかり設計されている
• 慎重な採用と迅速な解雇– 企業文化にあわない人間は即解雇
• コア・バリューの徹底– すべてが⼀貫している– みんなで作ったので初動がうまくいった
• 返報性の原理– 公式サイトで社員のTwitterアカウントを公開
• 信頼という名のプレッシャー– 他店の在庫を調べるのも返報性の原理– 家族意識
• 家族は裏切れない
かなりしっかり設計されている
• 慎重な採用と迅速な解雇– 企業文化にあわない人間は即解雇
• コア・バリューの徹底– すべてが⼀貫している– みんなで作ったので初動がうまくいった
• 返報性の原理– 公式サイトで社員のTwitterアカウントを公開
• 信頼という名のプレッシャー– 他店の在庫を調べるのも返報性の原理– 家族意識
• 家族は裏切れない 意外とここが大きいんじゃないかな
社内の多次元の繋がり
社内の多次元の繋がり
同期
社内の多次元の繋がり
メンター
社内の多次元の繋がり
チーム
社内の多次元の繋がり
アンバサダー
社内の多次元の繋がり
裏切れない人がたくさん
助けられた人、助けた人、遊んだ人、同じ経験をした人、いい意味での相互監視ネットワークが社内に構築されている
この本のテーマをあえてまとめるなら、こんなところ
カルチャーを創造できればルールをゼロにできる
どっちのやり方がリスクマネジメント的に正しいんだろう?
ルールを徹底して会社を統制すること
カルチャーを創り自由にやらせること
thank you!
• ご清聴ありがとうございました• 感想や相談はこちらまでお願いします
– [email protected]– http://smashmedia.jp/blog/– http://twitter.com/smashmedia– 検索してもOKです
Special thanks to�
ISHIZUKA Shinobu【超オススメ本】ザッポスの奇跡 | smashmedia
http://smashmedia.jp/blog/2009/12/003208.html