Download - 世界や日本はどうなるか、どうすればいいか
来るべき架空の未来の話
2013-‐12-‐23 XY:XZ
合理的な判断をするためには、仮説をいくつも考えてその帰着を想像することはとても大事だと、私は考えています。ここに書いてある内容は、必ずしもこうなるだろうというような蓋然性は仮定していません。
近いうちに今ある通貨システムは 終焉を迎える • あらゆる社会システムは、有効性と弊害を併せ持つ。状況により、どちらが優勢であるかは、時代や状況により、大きく変化する。
• 今ある通貨は、数千年の歴史を持ち、400年前に東インド会社が作り出した株式システムにより、富の流通と成長に大きく貢献した。(デリバティブ取引、アルゴリズム取引でさらに進歩しつつあるように見える。)
• しかし、地球は有限であり、通貨と交換されるべき「人間が受けるサービス量」は今の20倍は無いと仮定すると、通貨総量が仮に1.1倍/年増加すると仮定すると、後30年で成長の限界に達する。(∵ 1.130≒20)
• その時に何が起こるか、回避すべき人類的状況は何であるか、今、知恵を絞って考える必要がある。
さらに高度化する社会の行き先は? — 仮説として • 今あるあらゆるサービスの陳腐化 – 教育と医療はさらに高度化する余地がある – 事業・統治・学問思想などの高度化も限界はある – 資源配分と流通は高度化・複雑化はするが やはり限界がある
• 労働の意味の変容 – 二極化、無意味化 – ロボットが労働を代替
• 環境変化 – エネルギー問題、居住地不足の顕在化、地球外移住 – 通貨の無い社会も可能性としてあり得る
社会システムは時々大きく変動する
• 社会のルールはなかなか変わらない。一見不合理に見えても、変わる動機が無い限り、まず変わらない。
• ところが、変わるときにはがらりと変わる。時機をうまく捉えないと、すぐ時代遅れになり、時代錯誤となる。 – 世界最高ともされるアメリカの大学も100年前は医学部はなく、ヨーロッパで学ぶしか無かった。
– のちに、ナチスに追われた科学者が一気にアメリカの科学を高めた。
• 身の回りのあらゆる当たり前のものは、意外と世代を遡ると、そうで無いことが多い。(30-‐60年程度) – 例、テレビ・主婦・結婚式場・学校制度
近い未来に起こる可能性のあること
• ビットコインの流通(強力な流通力があるため) • アメリカ合衆国
– 既に、世界最大の債務国である。 – あとしばらくは、経済力世界一である。 – ヘゲモニーから借金取りに負われるようになる。
• ユーロ・ドル・日本円の順に崩壊 – 今ある先進国は旧先進国へ。 – BRICSが覇権国に交代する。
何かの契機があると、誰にも解決できない問題が15年間かけて頂点に達し、それから30年間深刻な窮乏状態に陥ることは、世界史的によくある現象である。(例、黒船来航から明治維新・フランス革命からナポレオン皇帝即位・世界恐慌から大戦終結)
秩序が崩壊すると何が起こるか
• 地域通貨の大量発生 – 渋沢栄一(明治に株式会社を500個作った人)は 藩札を発行している。
– 日本軍が中国を支配していたとき、通貨を1000種類も発行した。 • あらゆる治安の悪化、旅行移動の制限 • 新宗教の流行(何も信じられなくなるため)
– 例、ソビエト崩壊時、鎌倉時代、太平洋戦争後 • 衣食住の確保は重要
経済の言葉の由来であった『経世済民』の意味をよく考える必要がある。また、歴史によく学び、知恵をつける必要がある。通貨より長い歴史を持ち、あらゆる動乱を乗り越えてきた思想や宗教に学ぶところはあるかもしれない。
日本の役割
ここから
野依氏「日本は人類生存を国是とすべし」 (← と以前、ある講演で聴きました。)
日本の特徴 • “神道” がある
– 「八百万の神」 多神教である。 – ただし、五行六信のイスラム教から見ると、「自然崇拝と父祖崇拝のみの空虚な教えである」と日露戦争を観戦したオスマントルコの軍人は言った。
• あらゆるシステムを取り入れた社会である – 日本語ひらがな五十音順は、3000年間変わらないサンスクリット語由来。 – 文字システム・法システム・近世の学問システムは中国に由来 – 近代科学は欧米から取り入れた。
• 人類の知恵を取り入れるには、世界最高の地とも言える – 英語情報もアクセス容易 – 東京は現在、世界最高の経済力(PwC調べ)、最も住みやすい – 中国・インドで失われた歴史・文物が大量に残されている
• 「課題先進国」である – 東大の小宮山宏総長が使い出した。 – 最も難しい問題の、欧米とは違う形の実験場である。
解決策パッケージの提案
社会に必要とされる考え方 • 単純に解けない課題カテゴリーの存在を認めること
– 善悪二元論では片付かない – ゲーデルの不完全性定理 – データで判断するとは何であるか
• ゼロリスクはありえないことを受け入れること – 原子力の放射能問題 – 医療の問題
• 「世の中お金が全て」ではないことを知ること – 江戸時代、大火事に遭えば、財産はリセットされ、人間関係を良くしないものは生きることは出来なかったと考えられる。
• 柔軟で融通の利く考え方の方法論の発掘・体系化 – 硬直化した考え方は良くない。 – 歴史を学ぶ – 「禅」的な考え、アーティスティックな考え方の促進
高度な知識と計算技術を用いた 社会問題解決の提案 • 公平・客観かつ合理的で現実的な解の採用 – 法律のルールが累積すると、複雑さが爆発するので、モンテカルロ法を用いる。(計算精度は、建築基準法の計算ソフトが決められたようなやり方が参考になるかもしれない。)
• 複数の影響を考慮した合理的判断法の確立 – 偶然と必然を分ける、中間の曖昧さの扱う
• 高度な専門家の育成 – 大学院以上の修練の場を設ける – 松下政経塾のような修練場を多数設ける
• 深い考え方を共有する/検索する仕組みを作る
日本古来の考え方はどこにあるか?
• 古代文字? 古墳? • 農歴 • 伊勢神宮/出雲大社 • 正倉院 • 高野山や比叡山などの仏教各宗派の聖地 • 今までの幕府の立てた大きな寺 • (仏教的な共通点を探るなら) 梵字、ネパール、チベット、韓国の江華島
• どの時代に戻ると良いだろうか?