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訪問診療クリニックにおける 院内薬剤師往診同行の役割の実際
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桜新町アーバンクリニック 在宅医療部 ◎大須賀悠子 袴田智伸 市川敦央 西田美幸 遠矢純一郎
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6km=10mi
桜新町UC
桜新町アーバンクリニック在宅医療部
• 東京都世田谷区 • 医師:常勤4名 非常勤4名 • 看護師:常勤7名 • 薬剤師:常勤1名(H25.2~) • 一般在宅患者数 200名
がん
41%
脳血管
疾患
11%
老衰
13% 神経疾
患
2%
認知症
10%
呼吸器
疾患
1%
心疾患
6% その他
16%
桜新町アーバンクリニック
2011.6 ~2012.3 (n=86)
新患の疾患別割合
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院内薬剤師の業務
往診同行
新患初回訪問同行、服薬状況把握
在宅での持続可能な管理方法の提案
処方変更提案
処方作成支援
院外薬局との連携、処方箋事前確認
退院前カンファレンスへの参加
院内薬剤情報管理
セット処方作成、処方標準化
製薬会社、卸等との渉外担当
院内勉強会の開催
←ターミナル用処方箋
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当院院内薬剤師と院外薬剤師の役割の違い
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院内同行薬剤師 院外訪問薬剤師
調剤 なし あり
訪問形態 在宅医と同行 処方箋に関係なく
単独訪問 処方箋が出たとき
薬剤情報把握 電子カルテ 前医からの診療情報 各連携先からの報告書
患者、家族から 診療所からの情報 (訪問時に間に合わないことも)
処方作成支援 医師が処方する場に立ち会い、直接助言
医師からの問い合わせがあったとき
疑義照会 医師の処方意図を理解し、 処方前に確認
処方箋の不備や患者さんからの求めに応じて確認
残薬チェック 処方前 処方後(訪問時)
⇒ 診療現場での薬学的アセスメント
による処方支援が可能
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在宅緩和ケア経過一覧
準備期 開始期 安定期 終末期 期間
往診頻度
1週間 1週間 平均1-2ヶ月 1週間
- 1回/週 1-2回/週 連日
• 在宅で実現可能な形へ、薬剤・剤形変更提案
• 連携薬局との調整
退院前カンファレンス参加
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在宅緩和ケア経過一覧
初回往診同行
• 服薬状況把握、薬局選定⇒情報共有
準備期 開始期 安定期 終末期 期間
往診頻度
1週間 1週間 平均1-2ヶ月 1週間
- 1回/週 1-2回/週 連日
(服薬状況レポート)
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服薬状況レポート:新患訪問 ○山○男 79歳 M
上行結腸癌術後、多発肝転移、腹膜播種、がん性疼痛
経緯:
H19/11 上行結腸癌に対し手術施行。肝メタ。H22/12, H23/3にも手術施行。化学療法を行なっていたが、肝機能障害悪化により中止。H24秋ごろ1ヶ月ほどTS-1内服。副作用(腎機能悪化、胃痛等)により中止、以降ケモは中止。
同時期、帯状疱疹を発症。桜新町ペインクリニックでフォロー。
H25/5 腹腔内動脈周囲の再発巣認め癌性疼痛としてオピオイド開始。今後を考え訪問診療を希望、開始となった。
服薬状況: ご本人管理。ヒート調剤。
オキシコンチン(5)定期服用で日中の疼痛管理は良好だが、夜間痛くなるのを不安に感じオキノームを予防的に2-3回ほど飲まれている。自己調節し、オキシコンチン2錠2×でも日中の痛みは特に感じなかったとのこと。今回より朝1錠、夕2錠に変更となる。薬に関しては知識もお持ちであり、体調が良くなると減量するなどご自身で調節して飲んでしまうことも多々あったとのことで、特にオキシコンチンは定時に飲むように指導されている。
薬の数が多いことについて、薬が体に与える悪さについて心配されている。現在飲んでいる薬は今のところ必要なので、服薬を続けていただき、今後様子を見て増減を検討すると医師より説明あり。
オピオイド内服しており、排便コントロール必要。便秘気味とのこと。プルゼニド2錠2×朝寝る前での処方あり。
本日より1日1回寝る前2錠へ変更となる。効果がない場合は増量もしくは変更検討。吐き気や傾眠傾向などは聞かれず。
食欲不振は顕著で、フルーツくらいしか食べられないとのこと。
今回プレドニン開始し、また甘いものもお好きとのことでエンシュアもお出しした。今後の経過を観察。
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薬局: ○○薬局。訪問服薬指導
他院からの処方: 特になし
併用禁忌薬等: 特になし
副作用歴: TS-1で腎機能悪化。胃痛
<2013年●月●日現在の投薬状況>
定期処方 全てヒート調剤
◎◎病院外科 退院処方 21日分
オキシコンチン(5) 4錠2×⇒3錠×2 朝1夕2 /残68錠
オキノーム(5) 痛い時 /残75包
カロナール(200) 6錠3× /残119錠
ノバミン(5) 3錠3× /残68錠
タケプロンOD(15) 1錠1× 朝食後 /残19錠
◎◎病院泌尿器科 退院処方 56日分
ウブレチド(5) 0.5錠1×夕食後 /残21回分
ハルナールD(0.2) 1錠1×朝食後 /残24錠
ラックビー微粒N 3g3× /残29P
新規処方:食欲不振に
エンシュア・リキッド 1日1-2本 7本
プレドニン(5) 2錠1×朝食後 7日分
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初回往診 医師 遠矢(主)、看護師 尾山、薬剤師 大須賀
相談員 染野
以上 大須賀悠子
残薬管理
これまでの病歴、薬歴、副作用歴
新規処方の経緯
副作用等注意喚起
禁忌、副作用管理
薬識、受け入れチェック
薬局。薬受取方法
処方以外の手持ち薬の整理
服薬コンプライアンス
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在宅緩和ケア経過一覧
院外薬局との連携強化
準備期 開始期 安定期 終末期 期間
往診頻度
1週間 1週間 平均1-2ヶ月 1週間
- 1回/週 1-2回/週 連日
• 麻薬在庫状況確認
• 情報提供、処方箋チェック
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0
50
100
150
200
H25.2 H25.10 H26.2
全患者数
訪問あり
訪問なし
訪問薬剤管理指導導入割合(院外薬局)
69.1% 17.5%
H25.3 院内薬剤師の介入開始
⇒ 地域の薬局との薬薬連携の強化により、 在宅対応力が向上
院外薬局による
訪問薬剤管理指導あり
訪問なし
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在宅緩和ケア経過一覧
オピオイド用量把握 モルヒネ持続皮下注射手配
(ポンプ含む) • 診療現場での処方作成支援、助言 • 副作用管理 • 複数医師による頻回訪問の際の薬歴管理 • モルヒネ持続皮下注の際のポンプ手配
準備期 開始期 安定期 終末期 期間
往診頻度
1週間 1週間 平均1-2ヶ月 1週間
- 1回/週 1-2回/週 連日
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1
4
10
0
2
4
6
8
10
24年7月-12月 25年1月-6月 25年7月以降
モヒ持続皮下注射導入症例数(
人)
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モルヒネ持続皮下注実施事例数の変動
院内薬剤師の介入開始 H25年3月
⇒服薬管理、手配が煩雑で処方を敬遠しがちであった 注射剤やポンプの導入を容易に
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在宅診療現場に同行することで医師、 連携薬剤師、患者さんの各々が
安心出来る在宅薬剤治療環境を支援していく
今後の展望
訪問服薬指導が導入されない患者への
薬剤指導の強化
効果判定、副作用チェックのための薬剤師単独訪問
⇒ 臨床判断の知識習得
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