山筋ゴーゴー体操
監修 / 石田良恵
日本勤労者山岳連盟女性委員会 / 編
山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
この山筋ゴーゴ一体操は、山!こ登るだめに必要な筋肉を維持、増
強するだめの基本的な運動です。その強度は毎日続けられるレベル
のものです。運動量を多くして時々というのではなく、少しずつで
も毎日続けることが秘訣です。
加齢とともに筋肉量が低下してしまうと、脳の神経細胞の数も低
下し、判断力が衰え、物忘れやバランス能力も悪くなります。その
だめ、山で、転倒、滑落などケガや事故の誘因lこなります。これら
の予防・改善|こは毎日の筋トレが有効、かつ不可欠です。また、筋
肉量が増えると筋肉痛や関節痛の軽減|こもつなが、ります。
自分の体力!こ見合つだ量の 1日15分ほどの筋卜しをこなします。
最初16運動量は軽<、運動内容は正確!こ、係々!こ体を慣らしなが
ら進めます。慣れてきだら各運動の 1回の量を増やし、次|こ全体の
セットを増やす¥さら|こ荷重をかけて(何かものを持つなど)行う
などします。長期間同じことの繰り返しでは進歩がなくなります。
開始から 2~3 週間後|こは階段の上りか、楽になり、下りも速くな
ることで効果が確認できます。
①背伸び
⑥腕立て伏せ
⑤フ口ントランジバックランジ
5 山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
②脚の横上げ
③スクワット
④もも上げ
1 腕腹筋・ヒラ
効果 ふくらはぎの筋が強化される。山歩きが楽になり筋肉
痛になりにくい。
①手をイス(まだlet机)Iこそえ、回線を前!こ向ける
②足を腰幅lこ開き、つま先と膝を同じ万向|こ向ける
③背筋を伸ばして、つま先立ちになる
④かかとをゆっくり元lこ戻す
※イスにつかまらずlこできる人le去、階段などを使い、さら|こ運動量
を増やす。
ノポイント
腹筋、背筋に力を入れ背筋を伸ばし、ゆっくりつま先立ちを繰り
返す。かかとを上げる時と下げる時のペースを開じにする。
腹筋に力を入れる
5 山筋ゴ-ゴ一体操(筋トレ編)
4壬一一一
背すじを伸ばし
姿勢を保つ
4一一ふくらはぎに力が入っていることを意識する
ペースが速くなりすぎないこと
( セット回数の目安 20回X2
電F
効果 同時に内側、外側の大腿も鍛えられて、横方向の転倒
を防止する力がつく。
①つま先を前万に向ける
②かかとから横lこゆっくり振り上げ、ゆっくり下ろす
※ふらつかないよう|こイスやテーブルlこっかまると安定してできる。
ノポイント
脚を上げる際、つま先が正面を向かないと鍛える部位が違ってし
まう。また、体が斜め反対側に傾かないように注意する。
司9
かかとから真横に上げ下げする。
あまり高く振り上げない
で、ゆっくり正確に行う
つま先が前を向いていること
5 山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
体が斜めを向かないように注意する
/
(セット回数の目安左右各20回x1 J
3
効果 登山で主に使う筋。この筋の強化で膝、関節痛の軽減、予防・改善を期待できる。
①両足を開き、つま先と膝の向きを一致させる
②尻を後方|こ突き出して、患を吸い込みながらゆっくりしゃがむ
③膝が 90。になる程度まで曲げる(始めはここまで曲げなくても
よい)
④患を吐きながらゆっくり立ち上がる
ノポイント
すでに膝痛がある場合には禁止。無理に行うと症状がさらに悪化する恐れがあるので、他の方法による筋の強化が必要。例えば、座位で片脚を伸ばし、膝を曲げずにかかとからゆっくりと脚を上げるなど。
唱野
前かがみにらないように
する
膝がつま先より前に行かない
肩幅よりやや広めに
足を開く
5 山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
腕を前に伸ばしてもバランスを取りやすいが、腰に手をあててもよい。
/
垂直に体を上下する
お尻を後に引く
( セット酌自安 15回x1
4
効果 山の登り下りに重要な役割をする股関節廻りの筋、同
時に腹筋・背筋も鍛える。
①安定のよいイス|こ浅く腰かける
②両手でイスをしっかりつかみ、目線を前lこ向ける
③腹筋|こ力を入れ、両足の太ももをゆっくりと持ち上げ、ゆっくり
と下ろす
※座れるところなら、パスや電車の中でもできる。両脚を 5r'-./ 10
cm上げるだけで、もよい。
ノポイン卜
息を止めないように行う、背筋を伸ばし体が後ろに反らないよう
にする。
目線は前を向く
一一~
息を止めない
力力卜を床につけない
5 山筋ゴーゴ体諜(筋トレ編)
背中をイスにっけない
背すじを伸ばす
できるだけ浅く
イスに座る
( セット回数の目安 20回x1 ~2 J
効果 大殿筋と股関節の柔軟性を高め、大腿前・後の筋を強
イとすることでバランス能力を高める。
①両足をそろえ定状態から、上体を起こし定ままどちらかの脚を前
!こ踏み出す
②踏み出した脚を元|こ戻す(元の姿勢に戻る時、大腿の裏側および
前側の筋を上手に使う)
③①②を 5回繰り返す
④踏み出した方の足を合度は後ろに出して戻るを、 5回繰り返す。
上体が前傾しないよう注意して、脚だけ前|こ、または後ろ!こ出す
ノポイント
最初は戻すのが大変になるので、脚を大きく踏み出しすぎないよ
うにする。筋力がついてきたら、しだいに前後に大きく踏み出す。
噂F
5 山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
上体が前傾しないようにする
/ 両腕は腰に置くか横に伸、 ばしてバランスをとる
セット回数の目安右左の脚を前後5回x1
曙罫
6
効果 重いザ、ツクを背負う時や、ストックワークの時の筋力
が補強される。
腹筋に力を入れ、肘を伸ばして曲げる。
-普通にできる場合一一水平な床でつま先だけつけて行う
.ややきつい場合一一一一床|こ膝lこつけて行う
-かなりきつい場合一一机などを台!こして斜め腕立て伏せをする。
壁を押しでもよい
*伏せている状態で腹部が下lこ垂れだり、戻す際lこ腰から先|こ戻ら
ないよう十分に腹筋を使う。腕、大胸筋が主|こ使われていること
を意識する。
ノポイント
腹筋に力を入れ、患を止めずに行う。肘を曲げるときに息をはき、
伸ばすときに息を吸い込む。
最初は角度が浅くてもよいが、慣れてきたら直角まで曲げる
5 山筋ゴ-ゴ一体操(筋トレ編)
腹部が下にたれないこと
初心者は床に膝をついてつま先を上げる
セット回数の目安 10回X2
効果 下肢全体の筋力・バランスの強化。
①腰lこ手をあて、回線は前!こ向ける
②立っている足lこちう一方の足が触れない
③腹筋、背筋|こ力を入れ真っすぐ|こ立つ
※パス・電車の待ち時間などを利用して、場所も取らず¥どこでち
できる。慣れだら片足スクフットをしながらゆっくり 2分程度繰
り返すのもよい。
ノポイン卜
裸足で行うのが基本だが、靴を履いて行うときは、靴底が安定し
たものを使う。かかとの高い靴は脱いで行う。
呼吸は止めず、目線は前に
して、キョロキョ口しない
5 山筋ゴーゴ一体操(筋トレ編)
背筋、腹筋に力を入れ、
真っすぐに立って行う
平らな地面、床で行う
( セット回数の目安左右2分x1 J
電F
山筋ゴーゴ一体操(ストレッチ編)
ストレッチの目的|芯¥靭帯や筋の柔軟性を高める、関節の可動範
囲を広げる、血流をよくする、体をリラックスさせるなどがありま
す。運動の前後や筋卜レの前後など!こは必ず行いますが、特!こ登山
では以下のような効果が考えらえます。
口登山前や登山中に行えば、動きがスムース、になり、疲労しにくく
なります。
口筋や健の関節の障害・筋のケイレンを予防する効果があります。
口登山後(下山)は、特|こ大腿前、 13¥くらはぎを念入り|こ、まだ腰
や肩廼りも十分cこストレツチを行うことで
復I~こ役立ちますO
-反動を使わず¥ゆっくりと筋を引き伸ばすよう|こします。
-形だけでは効果が少ないので、全ての運動で20~30秒行います0
.登山中も休憩時を利用して行うようにします。
-どこの部位のストレツチなのかを意識し、気持ちを集中して行い
ます(おしゃべりなどはしない)。呼吸は止めずlこ行います。
*このメニューは最低限これくらいは必要というものなので、時間
のあるときは、首、腕、肩、腰、股関節、足首など、これ|こプラス
してストレッチを行います。
噂F
⑤上半身
6 山筋ゴ-ゴ一体操(ストレッチ編)
①ふくらはぎ、アキレス腿
モ一一一
④大腿前側の筋
②股関節、大腿の前後
③大腿の内側・股関節・肩廻り・背中の筋
電F
1
アキレス健、ふくらはぎ、を十分伸ばすことで、足首、膝のじん帯
を緩め、捻挫などをしlこくくする。
時間の目安
20'"'"'30秒
①両脚を前後|こ広げ、後ろ脚のかかとを地面lこしっかりつける
②両手を前膝|こ置き、後の膝の裏側を伸ばす
近<の木や力べを両手で押してもよい
※時間のあるときは、この姿勢で少し脚幅を狭<し、後脚の膝を曲
げ、かかとを地面につけてストレッチする。重/らを後脚にかけて
ふくらはぎをストレッチする。
ノポイント
登山中の休憩時間にも行うとよい。
電,
6 山筋ゴーゴ一体操(ストレッチ編)
かかとを地面につける
後脚の膝をまげない
電,
腸腰筋¥股関節、大腿前後の筋を十分|こ伸ばす。
時間の自安
20"-'30秒
①両脚が揃っている状態から片万の脚を一歩前!こ踏み出す
②腰|こ両手をあて、腰を前!こ押し出すようlこする
ノポイント
重いザ、ツクは腰に負担がかかるので、登山前に腰、股関節を十分
にストレッチしておく。登山中の休憩時間などを利用する。
電F
6 山筋ゴーゴ一体摸(ストレッチ編)
両脚を前後にやや大ど きく開き、両手を後に. 持って行き腰を前に押
し出すようにする
3
山での行動!こ重要な大腿内側の筋群・股関節を十分!こストレッチ
する。さらに雇を地面に近づけることで肩廻り、背中の筋群を伸ば
す。
時間の目安
30秒
①再ひざ!こ手を置き、相撲の「しこ」の型を作る
②片万ずつ¥肩を地面|こ近づける
ノポイント
膝とつま先を同じ方向にして、膝が内側に入らないようにする。
噂F
6 山筋ゴ ゴ一体操(ストレツチ編)
肩を地面に近づける
膝が内側に入らないよ
う、つま先と膝が同じ方
向を向いていること
回線は下を向かない
4
登山でメインに使う大腿前側の筋群は特に十分なストレッチが大
切。登山中も休憩でこの部分をゆっくりと伸ばすと、疲労回復、膝
痛、けいれんなどの予防|こなる。
時間の目安
片方20.......30秒
①片方の大腿を後!こ曲げ、尻lこ近づける
②曲げだ大腿を後ろ|こゆっくりと引く
ノポイント
体が前屈しないよう注意する。
膝の聞を開けすぎると大腿前側のス
トレッチではなく
なるので注意する
6 山筋ゴーゴ一体摸(ストレッチ編)
胸を起こし、背すじを伸ばし腹筋に力を入れて行う
ぐ 膝の間を開けない
真後に脚を引くと
さらに効果的
噂F
ザックを背負うことで上半身・特に肩、背中や腰も疲労する。こ
の部分を大きく、ゆっくり伸ばす。
時間の目安
左右各20"-'30秒
①広めlこ両足を聞き腰は前方を向かせてひねる
②下半身はそのままで、上半身をゆっくりひねる
ノポイント
山では、立木、岩などの動かないものを利用して、上半身を十分
にひねる。呼吸は止めない。
曙F
6 山筋ゴーゴ一体操(ストレッチ編)
肩、腰に力を入れて、重
いものを引っぱる感じで
行う
両脚はしっかりふんばる
噂野