Download - 観光行動情報の取得と可視化 ー写真共有サイ …giswin.geo.tsukuba.ac.jp/sis/tutorial/AiTA.pdf観光行動情報の取得と可視化 ー写真共有サイトFlickr
観光行動情報の取得と可視化ー写真共有サイトFlickr APIの使い方ー
担当:村山祐司 教授TA:艾博翰
観光行動をどのように把握するか?
従来の観光地理学における研究では、人々の観光行動を捉えるために、様々な手法は利用されてきた。
例えば、アンケート調査、旅行日誌調査、観光統計データ、旅ブログのテキストマイニング、ビデオ録画、GPS行動履歴調査などがあげられる。
問題点
取得されるデータは詳細な位置情報を把握できないため、GISを利用する価値が低い。また、GPS行動履歴調査はコストが高く、旅行者にも大きな負担をかけてしまう欠点がある。
旅行者がいつ、どこで、どのぐらい滞在し、何に興味を示したのかを把握するために、写真投影法は一つの有効な方法である。
写真投影法とは?
写真投影法には二つの方法がある
①旅行者にGPSカメラ(あるいは、カメラとGPSロガー)を持たせ、歩きながら興味があるものを撮影してもらう。
②写真共有サイトからジオタグ写真の情報をAPIを利用してデータベースから呼び出す。
今回は2つ目の方法について紹介する。
写真共有サイトFlickr
Flickr(フリッカー)は、写真の共有を目的としたコミュニティサイトである。画像投稿サイトとして、ブログなどに利用されるた事から急速に広まった。 www.flickr.com
ジオタグ写真の共有
Flickrに位置情報付きの写真を投稿・表示することが可能
しかし、これらの写真のデータはどのように取得するのか?
ここで、Flickr APIを利用する必要がある
APIとは?
API(Application Programming Interface)とは、OSやハードウェアの機能を用いて、プログラム開発するための命令や関数のこと。
APIをどう理解する?
API
自販機
Excel関数
数値1,2,3 SUM( ) 計算結果
数値、パラメーター キーワード 結果の情報
入れる 返す
Flickr API Keyを取得する
1. Flickr APIを利用する前に、Keyを取得する必要がある。先ず、Flickrのアカウントを取得し、ログインする。
2. HP一番下のApps and the API→App Garden→Get an API Keyをクリックする。
3. 個人利用のKeyを選び、利用者が作りたいアプリの名前の内容紹介を入力する。(単純に写真情報を検索するためであれば、適当な内容を入力しても構わない)
以上の手順より、Flickr API Keyを取得することができる。
対象地域を選択する
検索する前に、まず、どこの写真を呼び出すかその範囲を決める必要がある。Flickrでは、写真は行政区画で分けられており、それぞれの地域はIDを持っている。(例えば、つくば市は1116022)
ここでは、つくば市を事例として紹介する。
つくば市の選定
1. まず、HP右上のSearchにTsukubaを入力する。
2. 検索した後のページの右下にPlacesのTsukuba-shi,Ibaraki Prefectureをクリックする。
3. 画面の左下のDevelopers:WOE ID
1116022をクリックする。
つくば市の選定
つくば市の詳しい情報
つくば市における写真を検索
前の画面の下にはflickr.photos.searchという写真検索のAPIがある。(つくば市のIDは既に入っている)View
in API explorerをクリックする。
そして、たくさんのパラメーターの画面が出てくる。ここに情報を入力することで、Flickrデータベースから情報を呼び出すことが可能である。
筑波山の写真を検索してみよう
1.「Text」に「筑波山」、「extras」に「geo」、「per_page」に「500」「page」に「1」を入力する。
2. ボタンをクリックする。
「筑波山」の検索結果
写真のデータ
一枚の写真には、以下のデータが含まれる。
<photo id="6308102339" owner="41301993@N05" secret="0f908e7777" server="6233" farm="7" title="筑波山つつじヶ丘P" ispublic="1" isfriend="0"isfamily="0" latitude="36.219833"
longitude="140.118333" accuracy="16" context="0" place_id="FI0QL6RQU7srLN49" woeid="1116022" geo_is_family="0"geo_is_friend="0" geo_is_contact="0" geo_is_public="1"/>
写真のid、撮影者のid、写真のタイトル、写真の座標が記載されていることが分かった。
写真データの可視化1. まず、検索結果したのURLを開き、筑波山.xmlという別名で保存してください。
2. Excel2010を開き、「データ」タブ⇒「その他のデータソース」、筑波山.xmlを読み取る。
3. ExeclファイルをCSV形式で保存する。
4. 保存されたCSVファイルは、二つの可視化する方法がある。
ArcGIS Onlineを用いた可視化方法
無料で使えるArcgis Onlineを使う場合、CSVファイルを直接ブラウザにドラッグ&ドロップする。
座標は自動的に認識されたため、そのままインポートをクリックする。
筑波山.csv
ArcGIS Onlineを用いた可視化方法
それで、写真のポイント情報はマッピングされた。
ArcGISを用いた可視化方法
ArcGISで分析を行う場合、CSVファイルを追加し、テーブルを右クリックして、「X、Y座標の表示」を利用すれば可視化することができる。
更なる詳細な分析に向けて
詳細な旅行者行動時空間解析を行うには、写真の撮影時刻や撮影者の個人属性を把握する必要がある。Flickr APIをうまく運用すれば、それらの情報も取得できる。具体的なそれぞれのAPIの使用法について以下のホームページを参考にすると良い。
http://www.flickr.com/services/api/
参考文献
Flickr: www.flickr.com(最終閲覧日:2012年5
月22日)
ArcGIS Online: www.arcgisonline.com(最終閲覧日:2012年5月22日)
不破守康・小田実, 『IOS WEB API マッシュアップ入門』秀和システム