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弛度計測ソフトの使い方 Ver 1.3(2012/12/11)
1.撮影時の注意 電線弛度を写真画像から計測し、測定時の張力や許容張力等を計算します。
写真の撮影は、弛度を測定するには径間のほぼ中央で、線路と直角となる方向で撮影し
てください。また、径間全体が写ってい
る必要があります。 径間の中央からずれて撮影する場合も、
径間の中央に向けずに、線路とカメラが
平行(線路とレンズの向きが直角)になるように撮影してください。 許容張力の計算は無風条件で計算しま
すので、強風時の撮影では計算結果に差
が出ます。 電線弛度は撮影時の温度により変化し
ます。撮影時の温度が許容張力計算に必
要となりますので、測定するかアメダス等で確認しましょう。 カメラには歪曲収差というレンズによる画像の歪みがあり、中心部ほどゆがみが小さく
なります。このため、電線が画面の上下中央になるように撮影してください。 この歪みは広角ほど強く出ますので、極端な広角での撮影は控えてください。一般的な
デジカメで径間全体が収まる距離(50m 以上)離れれば誤差は小さくなります。 計算には『電線線種・太さ』『径間長』『撮影時気温』の 3 条件が必要です。以前のバージ
ョンで必要としていた「撮影概算距離」「概算高さ」は極端に接近した条件以外は不要とな
りました。 撮影画像から全径間および 3/4 径間、1/2 径間の地度を抽出し、おのおのの値で張力を算出しています。カメラと電線が平行でなかった場合、上記 3 つの張力の差が大きくなります。撮影条件が正しければこれらの値は近い値になります。 ソフトでは誤差の少ない径間データを抽出して、その平均値を使って許容張力との比率
を求めています。画
像のバックで一部
電線を認識できな
い場合は、認識ので
きた箇所にチェッ
クを入れます。
H
S
カメラ カメラ
中心からずれた位置での撮影方法
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2.ソフトの使い方 (1) 画像ファイルの読み込み
ソフトを起動し『画像ファイル読み込み』をクリックし、撮影画像を読み込みます。
このとき、『上下を削除』にチェックがあると画像の上下を削除し高さが半分の画像に
なります。これは画像処理に使うメモリーを減らすためで、計測で使うビックサイズ画
像を裏で処理しやすくするためです。 電線が中央になく、上下を削除した場合、画面に入りきらない場合はこのチェックを
はずして表示させることができますが、カメラには「歪曲収差 (ディストーション)」があり、広角系のレンズは樽型、望遠系のレンズは糸巻き型の収差がおこりやすいとされ
ています。
この収差は周辺部ほど大きくなるため、『上下を削除』で入らない画像では誤差が大き
く、測定できないと考えてください。
樽型の歪曲収差 糸巻き型の歪曲収差
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旧バージョンでは『AutoRedrow イメージを作成できません』とエラーが発生することがありましたが、今回の
バージョンではエラーが発生すると自動的に画像サイズ
を縮小する機能がつきました。 「AutoRedrow」とは画像が隠れても再表示を自動的に行う機能で、このソフトでは正
確な計測を行うため、表示画像の他に原版画像をバックで持っており、そのデータが作
れない時に発生します。このエラーは画像が大きく、PC のメモリーが少ないときに発生し、これを防止するために、エラーが
発生した場合はエラーの起きない範囲まで縮めた画像をバック
に持つ機能を持っています。その値が画面右下の『横最大』で
横サイズをピクセルであらわされています。 エラーが発生する都度デフォルトの「5000」が 500 ずつ小さくなっていきます。 なお、画像が縮小されると分解能力が低下し正確な計測ができなくなることがありま
す。この値が小さくなっている場合は、同時に使用しているソフトを中止し、メモリー
をあけてから再実行してください。 (2) 撮影条件入力と径間スキャン
撮影条件『電線サイズ』『撮影時気温』『径間長』を入力します。『甲種温度』『低温期
温度』は電線種別を登録したときのデフォルト値が入っていますが、測定時点で変更す
ることも可能です。 『電線サイズ』で電線が低風圧電線の場合は「AC-L-95」のように「L」の付いたもの
を選択してください。 径間端部がクランプの場合はクランプの内側でスキャンする必要があるので『径間長』
からその部分の長さを事前に引いておきます。
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径間のスキャンは径間の両端の上部を左ドラックします。ドラッグしたラインを 8 等分した 9 箇所を下に向かってスキャンし、最初に明るさが大きく暗くなった「最大変化箇所(『変化値』)」または、「最も黒い箇所(『黒さ』)」を電線として認識します。
認識後は両端から赤い直線が引かれ、
そこから各スキャン箇所の測定線 7本が表示されます。
各ポイント位置を計算して誤りの可
能性が高いときは『スキャンデータの一
部に異常が検出されました』等のメッセ
ージが表示されます。スキャン画像の詳
細を見たいときは『元画像表示』のチェ
ックをつけることにより大きな画像を
表示します。画像は右ドラッグで移動さ
せられます。 エラーメッセージが出ても計測は行
われているため、正しく計測された箇所
にチェックをつけることにより、その箇
所の平均値が張力として認識され『許容
張力比』が計算されます。
画像認識を変更するには再スキャン(再ドラック)を行う方法のほか『明るさ閾値』を変更すると認識位置が変わります。複数の電線で下の電線を認識したときなどはこの値を
小さくすると手前の電線を認識しやすくなります。 電線スキャン後に撮影条件の値を変更した場合も再計算を自動で行うため、スキャン
後に撮影条件を設定してもかまいません。 電線ポイントのスキャン方法は最大変化箇所を検索する『変化値』と、最も黒い箇所
を探す『黒さ』があります。計算径間で差が大きいときは少なくなるほうを選択してく
ださい。 弛度の計算は「径間長=ドラッグラインの横幅」とし、ドラッグラインの横幅と弛度
ラインの長さの比率と距離による補正値から求め、その弛度値から無風条件の張力を求
めています。 許容張力は撮影時温度と許容弛計算温度との差から風圧荷重毎に求めます。
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規定張力を超えた径間では『許容張力比』の表示窓が赤色となり規定値を超えている
ことを表示します。 風圧荷重は『甲種』『乙種』の計算が基本で『許容張力比』は小さな方の値をベースに
して求めています。必要に応じて風圧荷重のチェックで計算荷重を変更することができ
ます。 3.インストール
インストールは VB6のランタイムが登録されている PCでは、本体ソフト「弛度計測.exe」と線種データファイル「SetDT.dat」を同一フォルダーに保存するだけで利用できます。社内 PC では特別なセットアップ作業は不要です。
ランタイムの登録されていないPC(工事業界のPC等) ではセットアップを実行してください。
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4.電線データの登録 電線の線種初期データ「SetDT.dat」の登録は専用の Excel ファイルを使って、線種・サ
イズ、単位重量(kg/m)、引っ張り荷重(kN)、安全率、合成ヤング率(kN/m ㎡)、合成線膨張係数(×10−6/K)、電線外形(mm)、風圧荷重低減率、合計断面積、甲種計算温度、最低温度等を登録します。
当社で使用している電線はすでに登録されているので特別な操作は不要です。
5.その他 うまく解析できない画像は松野まで転送してください。原因を分析し、ソフトの改良に
利用させていただきます。
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