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Page 1: ENTER SHIKAR CS4 - gekirock SHIKAR_CS4.pdf · ENTER SHIKARI A Flash Flood Of Colour 2012.1.18 ON SALE!! LABEL:HOSTESS ENTERTAINMENT G ENR :ELECTRO ,ROCK METAL FOR FANS OF:THE

Roughton "Rou" Reynolds(Vo&Syn)  インタビュアー:MAY-E

-前作『Common Dreads』から約 2 年半、いよいよリリースされる今作『A Flash Flood of Colour』ですが、より多彩なエレクトロ・サウンドが詰め込まれた作品ですね。具体的にどのようなサウンドを目指しましたか?

具体的にこんな方向性のサウンドにしよと意識的に考えたことはなかったんだ。今回の楽曲は、それぞれ別に制作をしたから、ひとつひとつに独自のテーマやサウンド、感触があると思う。実は今回のアルバムは、アルバムの流れや全体としてどんなサウンドにしたいか、ということにあまり意識を向けずに作った初めての作品なんだ。その結果、それぞれの曲が個性を発揮できるようなスペースが生まれたんじゃないかな。

-「Stalemate」のようなアコースティック・バラードもありますが、これまでになかった“ 音 ”が各所に散りばめられた最もエレクトロなアルバムだと言い換えることも出来る作品だと思います。今作で特に工夫した点を教えてください。

このアルバムでは、それぞれの楽器のサウンドをどのように 1 つにまとめるか、ってことに今まで以上にフォーカスしたんだ。ギター、エレクトロニクス、ベースとシンセサイザーの間の線がぼやけて消えるまで、すべてがまとまってひとつの形を成すようなインスツルメンテーションを目指したつもりだよ。 -このようなエレクトロ・サウンドをロック・バンドとして消化する苦労もあったと思いますが、いかがでしょうか。

正直言って、僕は自分たちをロック・バンドだと思っているわけでもないし、エレクトロ・バンドだと思っているわけでもない。音楽を作ってるだけ、それだけなんだ。だから、最終的にはどんなジャンルでカテゴライズされてもそこまで気にしないんだよね。僕らの音楽は常に進化しているし、決まった形には絶対はまらない。だから、誰かが友達に僕らの音楽を紹介するときには好きなように呼んでくれて構わないよ、その人が気になって聴いてくれるのであればそれで良いんだ。個人的には、自分たちをロック・バンドとは言わないけどね。それは大工を木こりと呼ぶみたいなもんだからさ。

-特に興味深いのは、シングル「Gandhi Mate, Gandhi」と、これまでになかったテイストの「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」です。アルバムを代表して、これらの曲の背景を教えてください。

「Gandhi Mate, Gandhi」は元々僕のダブステップ・プロジェックト“Rout”のための曲だったんだ。ライヴで曲の反応がいつも良かったから、ギター・リフを足すことを考えて、バンドのみんなに協力してもらって ENTER SHIKARI の曲に変換したんだ。この曲のテーマはもちろん Gandhi(ガンディー)と、彼がどのように人々のネガティヴな感情に向き合っていったか、というところにインスパイアされてるんだ。とは言え、トラックのサウンドとヴァイブは彼の教えとは程遠いテイストになってるけどね!

「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」は、メディア文化と資本主義が、芸術、特に音楽をどれだけ弱めているか、ということをテーマにしているんだ。リフとシンセのラインは要チェックだよ。

-その「Warm Smiles Do Not Make You Welcome Here」を聴けば分かる通り、Rou のヴォーカルのアプローチにも幅が広がっていますが、ヴォーカル面で拘った点はどこでしょうか。

多分 ENTER SHIKARI を始める前や、ENTER SHIKARI 以外の様々なサイド・プロジェクトではもっと色んな歌い方をしてたんじゃないかな。今の僕たちは以前よりもバンドとして自信を持てるようになったからこそ、日々もっと多様なサウンドにトライしたりスタイルの幅を広められるようになったんだ。それに、僕らは同じスタイルの音楽を何回作っていると、すぐ退屈になるし落ち着かなくなっちゃうんだ。そんなの工場の生産ラインで働いて、毎日同じことを何回も繰り返してるのと同じだよ、バンドで食っていこうって決めた理由はその毎日の繰り返しを避けるためだったって言うのにさ!ちなみに、タイのラムを飲んでヴォーカルを録音するのは、新しい経験だったよ。パフォーマンスもレベルアップするし(笑)!

-過去 2 作には共通して ”Unity”というテーマを設けていましたが、今作のテーマは?

このアルバムを要約するのは難しいんだ。実際はかなり複雑な内容だからね。だけどリリックに関して全体的な意図を説明するとしたら、現在僕たちが抱えているあらゆる問題、それはたとえば環境問題や経済危機、エネルギー危機や、貧困や精神的と身体的な健康の問題、そういったすべての問題の根本は組織的であるということ理解しようよ、ってことなんだ。すべては、金融制度に基づいた僕らの文化が生み出した産物なんだからね。僕たちはそういうメッセージをみんなに警告するだけじゃなく、同時にみんなが人間の知恵と技術の可能性を使って、時間をかけて価値観を変えて行けば、そういった問題も解決出来るんだって伝えたいんだ。

-プロデューサーには元SIKTH の Dan Weller の迎えていますね。カナダの PROTEST THE HERO も熱烈なラブ・コールを送っていた人物ですが、あなた方が彼を起用した理由は何でしょうか?

Dan は昔からの友人なんだ。彼も僕らの実家の近所で育って、同じシーンのバンドで活動してたりもしていて、僕たちと同じように音楽に対して進歩的な見方をする人だよ。性格も最高だし、一緒に仕事をするのも凄く楽なんだ。

-Dan Weller はエレクトロを手掛けている印象はあまりないんですが、彼との仕事はいかがでしたか?

共同プロデューサーとして僕たち自身もいつも制作に関わるから、プロダクションの経験が豊富なダンと一緒にやれるのは凄く助かるんだ。僕自身もサイド・プロジェクトの Rout ではセルフ・プロデュースでやっているし、他のバンドのプロデュースを手掛けてはきてるんだけどね。だから、Dan と僕らが一緒に力を合わせることで、望んだとおりの音の手触りを実現することが出来るんだ。

-2010 年秋にはシングル「destabilise」をリリースしています。こちらもフックの効いた楽曲でしたが、今作に収録しなかったのはどういう意図があったのでしょうか?

たくさん新曲を書いたから、もうすでにリリースされている曲をアルバムに入れることは考えもしなかった。わざわざニュー・アルバムを買ってくれた人には 100%新しい内容を手に入れて欲しかったしね。

-最近ではダブステップがロック・シーンでもムーヴメントになりつつありますが、今の音楽シーンをあなた方はどう見ていますか?

きちんと考えてしっかりと制作されたダブステップには良いものもたくさんあるけれど、残念ながらこの頃は、急ぎで適当に実験的に作られた、ださいトラックが溢れているよね。個人的には、True Tiger や The Engine Earz Experiment みたいなライヴ・ダブステップのアーティストがピンと来るかな。いわゆるインディ・ロックにダブステップを混ぜました、みたいなやつは、もともとダブステップのルーツであるダブや 2 ステップの要素が全く感じられないものばかりだし。ダブステップって凄いスピードで進化して流行りになったから、何も知らなくてもとりあえずダブステップって呼んでおけば良いや、っていう風潮にはびっくりするよ。

インタビューの続きは激ロックウェブサイトをチェック!!>>GEKIROCK.COM

過去2 作でメタル・ファンとレイヴ・ファンを見事に<Unity=結束>させた彼らが、最新アルバム『A Flash Flood Of Colour』で新たなる一歩を踏み出した。ENTER SHIKARIらしい起伏に富んだ展開と強力なフックはそのままに、楽曲のバラエティとエレクトロのアプローチがより多彩に。これまでの ENTER SHIKARI には無かった新たな“ 音 ”に出会うことが出来るのだが、破天荒さを装いながらも音の作りは実はとても繊細。まさに異空間、という感じだ。エレクトロに造詣のあるリスナーこそ楽しめる作品だと思うが、近年増加の一途を辿っている“ シンセ取り入れちゃいました ”的ノリのロック・バンドにも是非聴いてもらいたい時代の指針的アルバム。 MAY-E

ENTER SHIKARIA Flash Flood Of Colour2012.1.18 ON SALE!!

LABEL : HOSTESS ENTERTAINMENTGENRE :ELECTRO,ROCK,METALFOR FANS OF :THE PRODIGY,HADOUKEN!,FACT,Fear,and Loathing in Las Vegas

『A Flash Flood of Colour』には、ひとつひとつに独自のテーマやサウンド、感触があると思う。アルバムの流れや全体としてどんなサウンドにしたいか、ということにあまり意識を向けずに作った初めての作品なんだ。その結果、それぞれの曲が個性を発揮できるようなスペースが生まれたんじゃないかな。

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