曖昧な流行はなぜ人を惹きつけるのか
~現代における流行創造~
土屋ゼミナール チーム:イエロー
代表者:蟹江真由 小堀ひかる・津田みずき・河合諒
愛知大学 経営学部 経営学科
2010年 山ガール
写真:ザ・ノース・フェイス名古屋ファッションワン店
動きやすい
オシャレ
山に登る女の子?
山登りファッションを
好む女の子? 写真:ザ・ノース・フェイス名古屋ファッションワン店
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10000
20000
30000
40000
50000
60000
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
(単位:百万円)
参考文献:① 日本経済新聞 2012年5月17日 朝刊 13ページ ②株主プロ ゴールドウイン有価証券報告書第57期~第61期
ゴールドウイン売上推移
山ガールの市場規模 ①
②
目次
1.流行とは
2.人為的に作られる流行のメカニズム
3.結論
1. 流行とは
流行の定義
流行とは、ある社会集団のなかで、 一定数の人たちが一定の期間、 ある意図のもとに始められた 同似の集団行動をとるように心理的に誘われることである。
引用 南博『体系社会心理学』 光文社 1957年
流行の分類
物
行為
思想
物質的媒体 (例:食べるラー油)
レクリエーション、趣味など (例:山ガール)
歌・ベストセラーなど (例:『国家の品格』藤原正彦 著)
参考文献 南博 『体系社会心理学』1957
流行の分類別割合
日本の流行の分類別データ(1945~2010年)
672件の流行のうち
物 ・・・271件
行為・・・181件
思想・・・220件
参考文献:『暮らしの年表流行語100年』 講談社
意図的な操作あり 92%(166件)
偶発的に発生 8%(15件)
意図的に作り出された行為の流行の割合
ポイント
できるのではなく
多くの流行は
人為的に作られる
2.曖昧な流行が作られる メカニズム
曖昧な流行の定義
どのような流行であるか特定することが難しく、
1つのスタイルが様々なものを消費させる流行
曖昧な行為の流行を抽出
1948 アプレゲール 1955 マンボー族 1956 太陽族 1957 カリプソ娘 1959 カミナリ族 1964 みゆき族 1967 フーテン族 1968 サイケ族 1968 ヒッピー族 1971 アンノン族 1972 ギャル 1974 暴走族 1975 ニュートラ 1979 夕暮れ族 1980 竹の子族 1981 クリスタル族 1983 カラス族 1989 オタク 1991 チーマー 1994 渋谷系
流行の分類別割合
1990 おやじギャル 1993 コギャル 1994 ヤンママ 1996 アムラー 2001 ちょいワルおやじ 2007 鉄子 2009 草食系男子 2010 イクメン 2004 アキバ系 2008 アラフォー女子 2010 歴女 2010 山ガール
1948 アプレゲール 1955 マンボー族 1956 太陽族 1957 カリプソ娘 1968 ヒッピー族 1971 アンノン族 1983 カラス族 1991 チーマー 1994 渋谷系 1996 アムラー
1959 カミナリ族 1964 みゆき族 1967 フーテン族 1968 サイケ族 1972 ギャル 1974 暴走族 1975 ニュートラ 1979 夕暮れ族 1980 竹の子族 1981 クリスタル族 1989 オタク 1990 おやじギャル 1993 コギャル 1994 ヤンママ 2001 ちょいワルおやじ 2007 鉄子 2009 草食系男子 2010 イクメン
2004 アキバ系 2008 アラフォー女子 2010 歴女 2010 山ガール
メディア初期介入型 メディア便乗介入型 メディア2段階介入型
行為の中の曖昧な流行を抽出
流行 メディア
定着
派生
メディア初期介入型
抽出した流行のうち
32件中10件
例)アムラー、カラス族、アンノン族
消滅
流行
メディア
定着
派生
消滅
小流行
抽出した流行のうち
32件中18件
メディア便乗介入型
例)みゆき族、竹の子族、草食系男子
流行
メディア
定着
派生
消滅
小流行 メディア
メディア二段階介入型
抽出した流行のうち
32件中4件
例)歴女、山ガール、アラフォー女子
1948 アプレゲール 1955 マンボー族 1956 太陽族 1957 カリプソ娘 1968 ヒッピー族 1971 アンノン族 1983 カラス族 1991 チーマー 1994 渋谷系 1996 アムラー
1959 カミナリ族 1964 みゆき族 1967 フーテン族 1968 サイケ族 1972 ギャル 1974 暴走族 1975 ニュートラ 1979 夕暮れ族 1980 竹の子族 1981 クリスタル族 1989 オタク 1990 おやじギャル 1993 コギャル 1994 ヤンママ 2001 ちょいワルおやじ 2007 鉄子 2009 草食系男子 2010 イクメン
2004 アキバ系 2008 アラフォー女子 2010 歴女 2010 山ガール
メディア初期介入型 メディア便乗介入型 メディア2段階介入型
行為の中の曖昧な流行を抽出
流行
メディア
定着
派生
消滅
小流行 メディア
メディア二段階介入型
ブログで 山スカートの紹介
TV・雑誌など 例)山ガール
女性登山者の間で 山スカートが流行
山ガールの誕生
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40
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1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
インターネット人口普及率
人口普及率 78.2%
(%)
参考文献 『情報通信白書』2011年版
(年)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
ボランティア活動や社会貢献をするため
同じ悩みごとや相談ごとを持つ人を探すため
自分の交友関係を広げたいと思ったから
同じ趣味嗜好を持つ人を探すため
知りたいことについて情報を探すため
もともとの知人とのコミュニケーションのため
ブログ
SNS
参考文献:総務省「次世代ICT社会の現実がもたらす可能性に関する調査研究(2011年)
インターネットの普及による人々の繋がり
ソーシャルメディアの利用目的
(%)
オピニオンリーダー
時代によるオピニオンリーダーの変化
マンボーブーム
1955年
「外国人」
アムラー
1996年
「芸能人」
歴女 2005年
「一般人」
心理的距離
戦後 現代
流行の採用者
参考文献: 中島純一 『メディアと流行の心理』
参考文献 中島純一 『メディアと流行の心理』
流行採用の動機の変化
同調の欲求 差異化の欲求
ジンメルの両価説(1904年)
同調の欲求 差異化の欲求
リースマンの同調性理論(1950年)
ジンメルの両価説(1904年)
同調の欲求 差異化の欲求
一般
山ガール
はっきりしていない 境界線
流行採用の動機②
リースマンの同調性理論(1950年)
同調の欲求 差異化の欲求
現在
・茶髪のロングヘアー ・ミニスカート ・厚底ブーツ ・細い眉
アムラー 一般
はっきりした 境界線
3.結論
他人への同調の欲求が強い現代において、
他人との繋がりによって安心感を求めるため、
差異が少ない流行を採用する傾向にある。
現代の曖昧な流行が人を惹きつける理由
ポイント
流行採用者の微差異化の欲求を
最適に満たす事ができれば、
人為的に流行を創造し得ることができる
現代の流行創造
---ここから予備---
戦後のアメリカ統治により、海外の文化やファッションに興味を持ってきた若者たち
映画 『マンボ』 歌 『マンボ・イタリアーノ』
外国人
オピニオンリーダー
マンボーブーム(1955年)
アムラー(1996年)
芸能人
オピニオンリーダー
安室奈美恵
ファッション 雰囲気
歴女(2005年)
一般人
オピニオンリーダー
2009年放送 2005年発売
プレイステーション2 ゲームソフト「戦国BASARA」
NHK大河ドラマ 「天地人」
モノクロテレビ・カラーテレビ・インターネットの普及率
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1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
モノクロテレビ
カラ―テレビ
インターネット
(年)
%
モノクロテレビ
カラーテレビ インターネット
資料 「情報通信白書」各年版 「消費動向調査」経済企画庁