【東京電⼒ホールディングス・IRID・NDF】 【国内外の大学・研究機関・産業界】 【福島県、環境省】東京電⼒ホールディングス、国際廃炉研究開発機構(IRID)、原⼦⼒損害賠償・廃炉等⽀援機構(NDF)との連携、協⼒
東京大学、東北大学、東京⼯業大学等との連携講座、国際機関、⽶仏英国研究所等、⺠間企業等との共同研究、情報交換
福島県環境創造センター(福島県、国⽴環境研究所)、福島県ハイテクプラザとの連携、協⼒
廃炉環境国際共同研究センターの概要〜国内外の英知を結集する拠点〜
廃炉環境国際共同研究センターでの具体的な取組
福島研究開発部門
Collaborative Laboratories for Advanced Decommissioning Science(CLADS)
「国際共同研究棟」を中核拠点とし、国内外の大学、研究機関、産業界等の⼈材が交流できるネットワークを形成しつつ、産学官による研究開発と⼈材育成を⼀体的に進める体制を構築して、福島第⼀原⼦⼒発電所(1F)の廃止措置及び福島の環境回復を推進します。
連携・協⼒
1/2 20200601
楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)遠隔操作機器・装置の実証試験等
連携
連携
大熊分析・研究センター(大熊町)放射性廃棄物、燃料デブリ等の分析・研究
(平成30年3⽉施設管理棟運⽤開始)
国際共同研究棟
(茨城県の東海・大洗地区におけるJAEA特有の核燃料・放射性物質の使⽤施設、照射施設等も利活⽤)
富岡町
環境回復に向けた研究開発
三春町
南相馬市(福島県環境創造センターの研究棟及び環境放射線センターに入居し活動)
廃炉に向けた基礎・基盤研究
成果の共有
-国内外の英知を結集する拠点-
施設管理棟
第1棟
第2棟
(Ⅰ)国内外の英知を結集する場の整備 海外からの研究者の招聘 海外の研究機関等との共同研究 廃炉に必要な研究分野について、外部の研究者、専門家を
含めたWGを形成し活動 「英知を結集した原⼦⼒科学技術・⼈材育成推進事業」の
創設
(Ⅱ)国内外の廃炉研究の強化
福島リサーチカンファレンス(FRC)の開催
(Ⅲ)中⻑期的な⼈材育成機能の強化 「英知を結集した原⼦⼒科学技術・⼈材育成推進事業」の
採択機関とともに産学官連携ラボラトリを開設し、⼈材育成に取り組む
多様な⼈材を集めるためにクロスアポイントメント制度等を活⽤
(Ⅳ)情報発信機能の整備 国⽴国会図書館と連携し、国、東京電⼒、研究機関等が
発信する情報、JAEAの研究成果を含む文献情報をIAEAの原⼦⼒事故情報分類に従って整理し、「福島原⼦⼒事故関連情報アーカイブ」として発信
廃炉環境国際共同研究センター
燃料デブリ研究ディビジョン
研 究 推 進 室
廃棄物処理処分ディビジョン炉内状況把握ディビジョン
遠隔技術ディビジョン
福島研究開発部門 福島研究開発拠点
国際共同研究棟運営管理室
環境影響研究ディビジョン環境モニタリングディビジョン
NDFと連携し、廃炉に関わるプラントメーカーや地元の技術者等を対象に「廃炉⼈材育成研修」を実施
(研究連携成果展開部が運⽤)
廃炉環境国際共同研究センター
①
2/2
廃炉基盤研究プラットフォームの活動内容JAEA(CLADS)、大学等の⼈材育成機関の共同運営による廃炉に向けた基礎・基盤研究の推進協議体。
‒プラットフォームは広く開かれたものであり、国内外の多くの研究者、研究機関の参加が得られるよう運営。NDF、IRID、東京電⼒ホールディングス、その他関連機関はオブザーバーとして運営会議に参加。国際共同研究棟が参加メンバーの活発な研究活動の場となるよう仕組みを構築。参加メンバーは、研究テーマの公開等により広く周知して集める。
・廃炉に向けた基礎・基盤研究の中心的役割・研究開発に必要な⼈材の育成・活用・国際共同研究棟の活用
JAEA(CLADS)と大学等の⼈材育成機関の共同運営による基礎・基盤研究の推進協議体 プラットフォームは広く開かれたものであり、国内外の多くの研究者、研究機関の参加が得られるよう運営する。
バザール的アプローチ ミッションを明確にして、ストラテジックに基礎・基盤研究の全体マップを作成、適時更新。 研究成果をタイムリーに提供。基礎・基盤研究成果を応用技術、実用化、実際の廃炉作業につなげる。 多様なプレーヤー(大学、研究機関、企業、事業者)が専門知識、技術、アイデアを持ち寄り連携し、競い合う。 JAEAが設置する国際共同研究棟の整備・有効活用への積極的な参画。 顕在化していない課題の掘り起こしによる⻑期的なリスク管理。 研究活動は研究グループ等を設置して対応。
廃炉基盤研究プラットフォーム
原⼦⼒損害賠償・廃炉等⽀援機構(NDF)
廃炉研究開発連携会議 年2〜3回開催
基礎・基盤研究 応用研究 実用化
東京電⼒ホールディングス
基礎から応用まで一元的にマネージメント
国際廃炉研究開発機構(IRID)⽇本原⼦⼒研究開発機構(JAEA)
大学・研究機関
戦略プランに基づく基礎・基盤研究の全体マップを提示、更新
研究成果提供 応用研究・実用化の下支え
現場ニーズ、情報の共有
実際の廃炉作業
廃炉基盤研究プラットフォームの位置付け
国⽴研究開発法⼈⽇本原⼦⼒研究開発機構福島研究開発部門 福島研究開発拠点廃炉環境国際共同研究センター(CLADS) 研究推進室〒979-1151 福島県双葉郡富岡町本岡字王塚790番1
電話番号︓0240-21-3530(代表) FAX︓0240-22-0100URL︓https://clads.jaea.go.jp/
②
燃料デブリ研究ディビジョン〜1F廃炉に向けて、燃料デブリ、放射性微粒⼦、計量管理・線量評価、水素安全等の廃
炉作業時のリスクの低減・管理に貢献する研究開発を⾏います〜
廃炉作業に資する基礎基盤研究として、燃料デブリの経年変化メカニズムの解明や放射性粒⼦の分析に取り組む。
燃料デブリの経年変化メカニズム等の解明⇒燃料デブリの経年変化メカニズムを解明し、その状態を予測
することにより、⻑期にわたる廃炉作業の実施において潜在的なリスクや技術課題の摘出への貢献を目指す。
放射性粒⼦に関する研究⇒放射性粒⼦を多種多様な⼿法を用いて分析することにより、
様々な情報を引き出し、SA解析コードの⾼度化、原⼦炉建屋内に存在する残留FP分布評価など事故の実態解明への貢献を目指す。
燃料デブリの挙動解析
20170401 ③
放射性廃棄物の⻑期保管時に、放射線水分解により発⽣する水素の挙動評価と水素濃度上昇抑制のための技術開発に取り組む。
水素の挙動評価⇒放射性廃棄物の崩壊熱や水素混合ガスによる浮⼒効果を
加えて、水素拡散・成層化挙動、再結合触媒効果を評価し、実機の水素安全評価に適用する。併せて、水素の着火燃焼により発⽣する圧⼒波、火炎の容器壁への影響を評価する。
水素濃度上昇抑制のための技術開発⇒水素再結合触媒を用いて、無動⼒で受動的に水素濃度の
上昇を抑制する技術を開発する。水素の挙動評価にて有効性を確認し、実機への適用を図る。
放射性廃棄物保管容器内での水素発生:
・廃棄物含有水分・残留水の廃棄物中への移動
に伴う放射線による水分解
水素挙動への影響因子:・廃棄物の崩壊熱・水素/水蒸気/空気混合ガスの浮力効果
・保管容器からの放熱・廃棄物含有水分と残留水の蒸発による水蒸気の壁面凝縮
保管容器
容器からの放熱(対流、熱放射 )崩壊熱
放射性廃棄物
水分の蒸発と放射線分解
毛管圧力等による水分移動
再結合触媒
水素の拡散
残留水
凝縮蒸気
放射性廃棄物保管容器内外のイメージ
解析評価:・水素濃度分布・温度分布
容器内での水素着火燃焼評価:
・容器壁への圧力波、火炎の影響評価
水素濃度上昇抑制:
・軽量コンパクトなセラミックス製モノリス型再結合触媒等の適用とその有効性を評価
格納容器内及び燃料デブリ周辺の線量率を予測するとともに、燃料デブリ中の核物質量を非破壊で測定する技術を開発する。
格納容器内の線量率分布予測⇒理論計算と内部調査による実測値等に基づき、格納容器内
の線量率分布を予測し、廃炉⼯程の最適化に資する。 燃料デブリ容器に適用する非破壊測定技術の開発
⇒核物質量を評価し、デブリ安全管理⽅策の構築に貢献。
計量管理・線量評価研究
廃炉作業において、マイクロスケールの放射性⾶散微粒⼦が大量に⽣成される。閉じ込めを確実にするため、その挙動を明らかにする。
放射性⾶散微粒⼦の⽣成・輸送・移⾏挙動解明⇒デブリ取り出し時に発⽣する放射性⾶散微粒⼦の⽣成・輸
送・移⾏挙動を解明する。水中・気中、気液界面における微粒⼦挙動の知⾒収集や測定技術開発を⾏い、取り出しの実作業やバウンダリ設計に必須の知⾒を提供する。
閉じ込め確保戦略と線量評価⇒湿潤ダストのフィルタ透過や放射性微粒⼦の原⼦核反応起
因の空間線量率に関する基礎的評価を⾏い、被ばく評価や安全クライテリア設定のための知⾒を提供する。
放射性飛散微粒子の挙動解明
レーザ計測と、数値計算を用いた、気液界面の微粒子生成挙動解明の例
集光加熱による微粒子生成試験(燃料模擬物質による基盤試験)
Gas bubble
with particles
Aerosols
水素安全管理技術の研究開発
測定装置概念 測定イメージ
U廃棄物⽤計量管理装置(JAEA/⼈形峠)の実⽤例- ドラム缶約1000本を実測- IAEAから承認済
燃料デブリを収納する容器を対象として、アクティブ中性⼦法、パッシブ中性⼦法、パッシブガンマ法、アクティブガンマ法に基き、内部の核物質量評価のための非破壊測定技術の開発を実施。
3次元モンテカルロ法による粒⼦輸送計算(PHITS) 線量率分布の評価
・燃焼計算、放射化、崩壊計算・IRID等の成果(内部調査、事故進展解析、デブリ性状把握等)
を反映した炉内状況と線源推定
【2号機】
多核種除去設備のスラリーを保管する容器から、水が漏洩した事象について、ガンマ線を照射する模擬実験によって、容器内に水素ガスが発生、蓄積し、水面が上昇する様子を明らかにした。
将来の廃棄物処分技術に適合する、処理技術を選定するため、その方法(アプローチ)を検討している。
セメントや新しい固化材料(アルカリ活性物質、いわゆるジオポリマー)を含む低温での固化処理技術の適用性を調べている。
固定化、安定化に着目して固化技術の高度化開発を進めている。
廃棄物の性状や処理方法と調和する処分技術の開発に加え、廃止措置の全体的な戦略や社会的受容性などに配慮した処分方策を抽出することを目的として、廃棄物の総合的なマネジメント手法を検討している。
化学物質が放射性核種の収着などの挙動へ影響する様子を調べている。
セシウム吸着塔は Cs を吸着したゼオラ
イトを含み、内部の温度、水、塩分の挙動を推定するため、実規模試験を行った。
放射性核種の移行モデルを作成し、汚染の程度を核種の移行割合で表現する手法を開発している。分析データを用いて、汚染状態を再現している。
廃棄物処理処分ディビジョン〜放射性廃棄物の性状把握と保管、処理、処分に関する研究開発を⾏っています〜
福島第一原子力発電所では様々な廃棄物が発生しています。廃止措置を進める上で重要な放射性廃棄物の管理(保管、処理、処分)技術の確立に資するため、次のことを目標として研究開発を進めています。
廃止措置等を実施する現場のニーズに即した技術の提供、より安全性や効率性の高い廃止措置等の早期実現。
中長期ロードマップ*1のマイルストーン「処理・処分方策とその安全性に関する技術的な見通しを示す」ための研究開発を実施。
*1 東京電力㈱福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(平成29年9月26日)
廃棄物性状の把握
放射性核種の汚染を調べるため、種々の汚染物を分析し、核種の汚染挙動を検討している。分析データは、ウエブにて検索できる。
: 考慮する不確実性
炉内燃料
建屋内気中放出
燃料デブリ
炉内構造物
セシウム吸着装置第二セシウム吸着装置
除染装置
多核種除去設備
建屋内
瓦礫(建屋外)
大気・海洋放出
伐採木
土壌
滞留水
汚染水処理格納容器
(機器、構造物など)
その他建屋(コンクリート壁など)
圧力容器(RPV、機器など)
炉内インベントリ解析
滞留水への移行割合
除染係数(DF)
汚染分布
処理済水
建屋内気中放出割合
滞留水への移行割合
建屋外放出割合
廃棄物のインベントリを推定する核種移行のモデル
廃棄物の保管
廃棄物の処理(固型化)
廃棄物の処分
y = 0.0179x-0.49
1E-3
1E-2
1E-1
1E+0
1E+1
1E-4 1E-3 1E-2 1E-1
Kd [
m3/k
g]
Na4[Fe(CN)6] concentration [mol/L]
pH4-ref.
pH8-ref.
pH10-ref.
pH4-ave.
pH8-ave.
累乗 (pH10)
pH4
pH8
pH10
1E+0
1E+1
1E+2
1E+3
1E-5 1E-4 1E-3 1E-2 1E-1
SR
F[-
]
ferrocyanide concentration [mol/L]
pH4
pH8
pH10
処理や処分技術の検討に必要な放射性核種の組成を分析により明らかにする。
処理や処分技術の検討に必要な放射性核種の組成を分析により明らかにする。
今後発生するものも含め、廃棄物の含有する放射能(インベントリ)を推定する手法を開発する。
今後発生するものも含め、廃棄物の含有する放射能(インベントリ)を推定する手法を開発する。
汚染水の処理によって発生した二次廃棄物を安全に保管する技術を検討している。
汚染水の処理によって発生した二次廃棄物を安全に保管する技術を検討している。
従来、処理の実績のない廃棄物を安定に固型化できる技術を選定する手法を開発する。
従来、処理の実績のない廃棄物を安定に固型化できる技術を選定する手法を開発する。
放射性廃棄物を処分する実現性を高めるため、処分概念を検討するとともに、廃棄物の特徴が処分へ与える影響を把握する。
放射性廃棄物を処分する実現性を高めるため、処分概念を検討するとともに、廃棄物の特徴が処分へ与える影響を把握する。
適用可能性評価方法(評価アプローチ)のイメージ
長期にわたり保管される見込みである二次廃棄物について、廃棄物の性状が変化する様子を推定する方法を検討する。
長期にわたり保管される見込みである二次廃棄物について、廃棄物の性状が変化する様子を推定する方法を検討する。
茨城地区分析施設での分析
福島第一原子力発電所での試料採取
分析計画
試料の採取・輸送
分析
結果の報告・公開
試料
・廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議
・報告書、論文 等
分析データ
処理方法・廃棄物分類の検討等
フィードバック情報(重要核種の候補など)
インベントリ評価
放射能インベントリ
分析とそのデータを利用する流れ
*2 廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議(第60回)資料から引用。*3 https://frandli-db.jaea.go.jp/FRAnDLi/
原子炉建屋の内外で採取した瓦礫試料の238Pu と137Cs濃度*2
データ検索できる“FRAnDLi”*3
放射性核種の滞留水への移行割合の設定例(分析値を導入して不確実さを低減している)
希ガ
ス
ハロ
ゲン
(1)
ハロ
ゲン
(2)
アル
カリ
金属
テル
ル類
バリ
ウム
・ス
トロ
ンチ
ウム
貴金
属
ラン
タニ
ド
セリ
ウム
類
模擬炭酸塩スラリーの照射実験の様子 (8.5 kGy/h)
水位上昇(上)とスラリー内の気泡の蓄積(下) *4
水位がγ線の積算線量とともに上昇する様子(固形分濃度 148 g/L、室温、大気)
*4 HIC上のたまり水発生の原因と対策の検討・実施状況, 第1回特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会, 資料4,平成27年12月4日.
加熱に伴う吸着塔内の水位と塩分濃度の変化
セシウム吸着塔試験体の外観(左)と加熱のためのヒータの配置(右)
ヒータ
ヒータ
給水管
ベント管
給水管
ベント管
排水管
排水管
放射性核種が人工バリアに収着する度合いが低減する様子を検討した例
(ネプツニウムがモンモリロナイトへ収着する際に、フェロシアン化物が共存した場合の分配係数の低下)
④
〜廃炉に向けた炉内状況把握、事故進展の評価、燃料破損挙動解析、特殊環境下での腐食、FP核種の挙動解析、廃炉基盤研究と国際協⼒〜
炉内状況把握ディビジョン
1F事故進展の予測・評価 燃料破損挙動の機構論的な解明
FP核種の挙動解析
【ねらい】・・事故進展の実験・解析による予測と、事故時プラントデータや内部調査結果を総合的に検討し、1F炉内状況を把握し廃炉に役⽴てる。【主な研究テーマ】(1) BWR特有の炉心溶融挙動に着目した実験研究BWR炉心体系を模擬し、超高温の実現が可能なプラズマ加熱によって事故時の状態を再現し、炉心物質の溶融移動挙動を観測する。
(2)1F事故進展の解析・評価研究1F事故進展の解析を⾏うとともに、上記模擬試験、プラントデータ、内部調査データ等を総合・評価して、事故炉心の炉内状況を把握する。さらに、得られた知⾒を将来の安全研究に反映する。
0.0125 g/s/rod 0.0417 g/s/rod 水蒸気流量
事故時の水蒸気流量の違いにより、制御棒ブレード崩落傾向に閾条件があることを解明
上部カメラ
高温水蒸気
試験体設置部
背部カメラ
制御棒ブレード破損試験装置
ヒーター
【ねらい】・・模擬試験と解析により、燃料破損・溶融挙動の理解の深化に取り組む。現⾏のシビアアクシデント(SA)解析での信頼性向上、アクシデントマネージメントに役⽴てる。【主要な研究テーマ】(1)制御棒ブレードの破損機構の解明水蒸気雰囲気での急速昇温、可視化、軸方向雰囲気・温度変化等を特徴とする試験装置を⽤いて崩落試験データを取得・評価するとともに、要素反応モデルを構築する。
(2)溶融燃料の凝固機構の解明模擬物質試験と、冶⾦⼿法を応⽤した解析により、事故で形成される溶融燃料の凝固過程の要素反応モデルを開発し、事故時の冷却条件の違いが相形成や成層化に与える影響を評価する。
特殊環境下での腐食現象の解明【ねらい】・・時間の経過やデブリ取り出し作業の進⾏に伴う環境変化により、1F内の機器・構造材料は腐⾷劣化のリスクが高まる。これらを未然に対応するための評価・予測⼿法を開発する【主要な研究テーマ】(1) 放射線下・気中/液中環境下の腐食機構解明放射線環境下及び気中/液中環境下での腐⾷予測⼿法開発のために、液中浸漬、気相、気液交番環境や放射線分解(ラジオリシス)水質環境における腐⾷影響データを収集・整理し、腐⾷機構を解明する。
(2) 機器・装置ベースの腐食リスク評価廃止措置特有の環境における配管や構造材料の腐⾷現象の推定と評価試験法の調査を⾏い、リスクに応じた腐⾷対策⼿法を提示する。
γ線照射
熱電対
冷却器
マントルヒーター希釈⼈⼯海水
■照射なし ■照射あり(4kGy/h)
腐⾷
速度
[mm
/y]
①全浸漬 ②半浸漬 ③気相(浸漬あり) ④気相 ⑤気相(液滴落下)
放射線照射下での腐食速度の増加、半浸漬や液滴落下の条件で腐食速度が増加することを明らかにした。
気液交番(気中/液中交互接触)条件では低酸素濃度での腐食速度変化が大きく、わずかな酸素濃度低下により腐食速度が抑制されることを示した。
○気液交番環境●液中
気中の酸素濃度 [%]
平均
腐⾷
速度
[mm
/y]
出展:ERMSAR2019, Prague, Czech Republic, March 18-20, 2019
加熱時のプラズマ電流と温度
温度
(℃
)
プラ
ズマ
電流
(A
)
* * * ** 電流
【ねらい】・・事故時のセシウム(Cs)等の化学挙動に関する基礎知⾒の取得とモデル化により、炉内状況の解析に役⽴てる。【主要な研究テーマ】(1) Cs化学吸着モデルの構築事故時に高温となった原⼦炉構造材(ステンレス鋼等)とCsとの反応解明に向けた基礎研究(Csと鋼材の反応試験、温度や雰囲気を考慮した反応モデルの整備)を実施し、Csの偏在・固着状況の評価に資する。
Csは、鋼材中の不純物シリコン(Si)と化合物を形成しやすく、鋼材の内部数10μmまで侵入する可能性があることを解明。
フィンランドVTT
エネルギー総合工学研究所
研究員受入共同解析・モデル化
長岡技術科学大学
(2) 表面化学状態直接測定技術の開発Cs化学状態を直接測定できる硬X線光電⼦分光技術を開発。1Fサンプル等の分析結果を、Cs炉内化学挙動評価のための基礎知⾒として資する。
Cs固着実験結果の例
硬X線光電子分光装置(HAXPES)
HAXPESによる1F由来放射性微粒子測定例
3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0
Soil near F1NPP
Radioactive particle (Na-rich)
Radioactive particle (Na-poor)
C1sO1s
Na1s
Mg1s
Al1s
Cl1sS1s
No
rmal
ized
In
ten
sity
Binding Energy (eV)
Si1s
X-ray tomographyDr. Martin and Prof. Scott (UoB)
表面近傍でコントラストが違う表面近傍に重い元素(Cs)が偏析
事故初期過程における制御棒ブレード破損進展メカニズム
事故時においては、B4Cは中性子吸収棒材内に拡散し、接触面における局所の組成を変化させます。ホウ素と炭素の濃度の増加に伴い、(Fe, Cr)(B, C)相を形成します。
⑤
遠隔技術ディビジョン〜燃料デブリの調査、廃炉に向けた遠隔での可視化・分析に関する研究開発を⾏います〜
放射線システム開発グループ
3Dイメージング技術開発グループ
遠隔分析技術開発グループ
遠隔技術ディビジョン
燃料デブリ
遠隔分析技術開発Gr レーザー/光ファイバーを用いた炉内検知・分析技術
放射線システム開発Gr
α線イメージング検出器の開発 β線イメージング検出器の開発 ダストモニタリングシステムの開発
廃⽌措置の円滑な推進のために不可⽋である表⾯汚染分布の可視化のため、α線計測及びβ線計測技術開発を⾏う。
耐放射線性光ファイバーを利用したレーザー誘起プラズマ発光分析法(光ファイバーLIBS)
レーザー照射により対象物に超音波を発生させ、発生した超音波をレーザーで受診することで伝播速度を求め、その伝播速度から機械的特性を評価する。
高出力レーザーをパルス状に対象物に照射することで、サンプリングを行う。
超音波生成用 超音波受診用診断技術 加工技術
3Dイメージング技術開発Gr
福島第一原子力発電所で採取されたスミヤ試料を測定
α核種可視化検出器 α核種可視化検出器の原理
スミヤ試料のα線イメージング結果
スミヤ試料とプルトニウム試料のα線エネルギースペクトルの比較(両者のスペクトルが一致している)
スミヤ試料の測定結果
遠隔放射線イメージングシステムの開発福島第⼀原⼦⼒発電所構内に⾶散・沈着した放射性物質の分布を遠隔で可視化するイメージングシステムを開発する。
※ホットスポット周辺:0.4~0.5 mSv/h
強度
東京電力殿と共同で、福島第一原発建屋内部においてホットスポット探索を実施
●1号機原⼦炉建屋内部における実証試験
コンプトンカメラをクローラーロボットに搭載
NHK サイエンスZEROにおいて放映 2018年09月16日(日)写真測量で構築した3次元モデルに放射線イメージを投影
遮蔽板脇の隙間からのガンマ線の漏れ出しを遠隔検知!!
ホットスポット
↑⼩型・軽量コンプトンカメラ
散乱体、吸収体で各々、“付与エネルギー”と“位置”を測定
⇒ ガンマ線の入射角を導出し、円錐(コンプトンコーン)を描画
福島第一原発建屋内における放射性物質の可視化●3号機タービン建屋内部における実証試験
床面に這わされたホース付近にホットスポットを検知!!
最大3.5 mSv/h
光ファイバーを⽤いた⾼線量率汚染分布測定法の開発シンチレーション光の光ファイバ内伝播スペクトル形状変化にアンフォールディング法を適用し、⾼線量率ホットスポットの位置情報を推定する。
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
0 1 2 3 4 5 6
Inte
nsity (
arb
. u
nit)
Position (m)
照射位置分布逆推定結果例
Sourceposition: 2m
遠隔機器操作を支援するために収集データに基づいて作業現場の構造や構造物等の情報を提⽰する技術の開発を⾏う。
遠隔操作支援のための環境情報提示技術の開発
3次元点群データ上の構造物識別作業環境の構造物復元モデル
レーザーを用いた遠隔/非接触による材料診断・加⼯技術
LIBSプローブ計測の適用概念図
強γ線(10kGy/h)環境下でもプラズマ発光が取得可能
⑥
環境影響研究ディビジョン〜環境動態の調査・分析結果の包括的な評価・解析、調査研究、放射線測定環境試料の分析を⾏います〜
包括的評価システムの開発農林水産業の再⽣ ⾃治体復興計画⽴案⽀援 避難指示解除
農林水産物への影響の将来予測
森林・ダム・河川管理時の線量率評価
個⼈線量の将来予測
福島⻑期環境動態研究
遠隔モニタリング
マップ事業
包括的評価システム・様々な条件下での被ばく線量、農林水産物中の放射性セシウムの提示
知識データベース・現地調査結果の現象理解・予測解析結果例・参考⽂献・報告書・測定要領等・理解促進コンテンツ
動態データベース・現地調査データ・予測・評価解析⼊⼒パラメータ
モニタリングデータベース・線量率・放射能濃度データ・分布マップ・経時変化グラフ
空間線量率・個⼈被ばく評価ツール
(統計モデル)
放射性セシウム移動予測解析
ツール(物理モデル)
現場調査等
統計モデルによる予測過去の空間線量率測定データの解析から⼟地の利用状況に応じた経験式を導き、これを用いて予測
森林から河川、ダム、河⼝域へと⾄る水流等移動経路における放射性セシウムの移動現象を理解し、現象論モデルを用いて移動量を定量的に予測
現象論モデルによる予測
<研究の例>
空間線量率の減衰傾向を2つの指数関数の組合せ(減衰の早い成分と遅い成分)で近似
海流による移動と堆積
生活圏・周辺への流入挙動予測➔ 生活圏における外部被ばく線量変化評価
環境水への流入挙動予測➔ 作物・水産物中放射性物質濃度の評価に活用
森林内での流出・流入挙動予測➔ 森林内での作業従事時の外部被ばく線量変化評価
➔ 森林内での放射性物質循環挙動評価に活用
河川水流による移動と堆積
土砂移動
スクレーパプレートによる⼟ 壌 採取
ダ ム ・ 溜 め 池堆積物試料採取
⑦
環境モニタリングディビジョン〜遠隔放射線測定技術、放射性物質の分布測定・
マッピングに関する研究開発を⾏います〜
遠隔放射能・線量測定技術の開発水中放射線挙動監視・測定技術の開発範囲 広域 準広域 中域 狭域
> 1000km2 > 100km2 >1km2 < 1km2
機種 有⼈ヘリコプター 無⼈航空機 無⼈
ヘリコプター マルチコプター
⾼度 〜300m 〜150m 〜50m < 10m
水深(m)
100
10
1
10 100 1000 10000
海洋調査船
中規模・湖沼、ダム
小規模・ため池
⼈⼒面積
(ha)
無⼈観測船や水中の観測船を利用した適用範囲の拡大
無⼈観測船環ちゃん
比較的浅い水域水深100メートルまで (水底)
(水中)P-scanner採泥器J-subD
ROV
プラスチックシンチレーションファイバを用いた水底の放射能分布測定技術を水中の放射線分布測定技術に応用
時間-波⾼変換器(TAC)
光電子増倍管
光電子増倍管
放射線(光) シンチレーション光
START信号 STOP信号
時間差
START STOP
時間差から位置Xが求まる
距離A位置X
距離B
光電⼦増倍管
ファイバ
TAC
ロボット・無⼈探査機
大規模・海(沿岸域、河⼝域)
無人ヘリコプター(ガンマカメラ搭載)による河川敷の放射能濃度分布調査
無人観測船による海底土の放射能濃度分布調査
・ファイバー型モニタによる湖底、河床の放射能濃度分布調査
・無人水中ロボット(ROV)による湖底の放射能濃度分布調査
放射性物質の移動・蓄積の定量評価の信頼性確認・無人航空機による陸域の放射能
濃度分布調査・ドローンによる河川敷や林床の
放射能濃度分布調査
海洋調査用マルチセンサー
土壌サンプリング装置
放射線測定器
コンプトンカメラ空間線量率分布マップ
無⼈ヘリコプター
新たな換算⼿法による三次元的な分布の推定地形の凹凸、樹木等の遮蔽物の影響により、地上測定値と上空測定値ではずれが⽣じる
逆問題解析、機械学習の⼿法を適用し、上空測定による線源分布推定の精度向上
実測した地上値との乖離率
20%
0%
10%
デー
タ割
合
-1 0 1 2
写真測量による3Dマップと線量率測定結果
マルチコプター
機体制御のための地上局システム
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